JP2023004148A - 熱電変換材料及び熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換材料及び熱電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なゼーベック係数と導電性との両立を達成し高いパワーファクターを示す熱電変換材料を提供する。【解決手段】熱電変換材料は、導電性材料と有機半導体とを含有し、有機半導体が、一般式(1)で表される。JPEG2023004148000037.jpg42154一般式(1)中、m及びnは、夫々独立に、1~12の整数を表す。R1~R6は、夫々独立に、アルキル基を表すが、R1~R3の内いずれか二つ以上並びにR4~R6の内何れか二つ以上は、直接又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成しても良い。X-は、アニオンを表す。Y1及びY2は、夫々独立に、酸素原子、オキシアルキレン基、-COO-及び-CONH-並びにこれらが結合した二価の連結基を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換材料及び熱電変換素子に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換できる熱電変換材料は、熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱を電力に変換する素子であり、半導体や金属の組合せによって構成される。代表的な熱電変換素子としては、p型半導体単独、n型半導体単独、又はp型半導体とn型半導体との組合せ、に分類される。熱電変換素子では、半導体の両端に温度差が生じるように熱を加えると起電力が生じるゼーベック効果を利用する。より大きな電位差を得るために、熱電変換素子では、一般的に、材料としてp型半導体とn型半導体とを組合せて使用する。
また、熱電変換素子は、多数の素子を板状、又は円筒状に組合せてなる熱電モジュールとして使用される。熱エネルギーを直接電力に変換することが出来、例えば、体温で作動する腕時計、地上用発電及び人工衛星用発電における電源として利用できる。熱電変換素子の性能は、熱電変換材料の性能、及びモジュールの耐久性等に依存する。
非特許文献1に記載されているとおり、熱電変換材料の性能を表す指標として、無次元熱電性能指数(ZT)が用いられる。また、熱電変換材料の性能を表す指標として、パワーファクターPF(=S2・σ)を用いる場合もある。
上記無次元熱電性能指数「ZT」は、下式(1)により表される。
ZT=(S2・σ・T)/κ ・・・式(1)
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは導電率(S・m)、Tは絶対温度(K)、及びκは熱伝導率(W/(m・K))である。熱伝導率κは下式(2)で表される。
κ=α・ρ・C ・・・式(2)
ここで、αは熱拡散率(m2/s)、ρは密度(kg/m3)、及びCは比熱容量(J/(kg・K))である。
つまり、熱電変換の性能(以下、熱電特性とも称す)を向上させるには、ゼーベック係数又は導電率を向上させ、その一方で熱伝導率を低下させることが重要である。
代表的な熱電変換材料として、例えば、常温から500Kまではビスマス・テルル系(Bi-Te系)、常温から800Kまでは鉛・テルル系(Pb-Te系)、及び常温から1000Kまではシリコン・ゲルマニウム系(Si-Ge系)等の無機材料が使用されている。
しかし、これらの無機材料を含む熱電変換材料は、しばしば希少元素を含み高コストであるか、又は有害物質を含む場合がある。また、無機材料は加工性に乏しいため、製造工程が複雑となる。そのため、無機材料を含む熱電変換材料については、製造エネルギー及び製造コストが高くなり、汎用化が困難である。さらに、無機材料は剛直であるため、平面ではない形状にも設置可能な、フルキシブル性を有する熱電変換素子を形成することは困難である。
これに対して、従来の無機材料に代えて、有機材料を用いた熱電変換素子に関する検討が進められている。有機材料は、優れた成形性を有し、かつ無機材料よりも優れた可撓性を有するため、それ自身が分解しない温度範囲での汎用性が高い。また、印刷技術等を容易に活用できるため、製造エネルギーや製造コストの面でも無機材料より有利である。
例えば、特許文献1では、有機色素骨格を高分子分散剤に結合させ、カーボンナノチューブ(CNT)と共に含有させることで、CNT分散性が良く塗布方法に適し、且つ優れた熱起電力を示す熱電材料が記載されている。また、特許文献2には、ポルフィリン骨格とアルキル基を含む置換基とが結合した、高いゼーベック係数を示す熱電変換材料が記載されている。しかしながら、特許文献1の発明では、高分子分散剤のポリマー鎖がCNTとの相互作用を阻害し十分な性能が得られてはいなかった。また、特許文献2の発明では、導電率が10-8~10-7S/cmと低く、熱電素子として実用的な値を得ることはできていない。
国際公開第2015/050113号 国際公開第2015/129877号
梶川武信著「熱電変換技術ハンドブック(初版)」エヌ・ティー・エス出版、p.19
本発明が解決しようとする課題は、良好なゼーベック係数と導電性との両立を達成し、高いパワーファクターを示す熱電変換材料を提供することである。また、優れた熱電性能を発揮する熱電変換素子を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、導電性材料Aと有機半導体Bとを含有し、有機半導体Bが、下記一般式(1)で表されることを特徴とする熱電変換材料に関する。
Figure 2023004148000001
[一般式(1)中、m及びnは、それぞれ独立に、1~12の整数を表す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、アルキル基を表すが、R1、R2及びR3の内いずれか二つ以上並びにR4、R5及びR6の内いずれか二つ以上は、直接又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成しても良い。X-は、アニオンを表す。Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、オキシアルキレン基、-COO-及び-CONH-並びにこれらが結合した二価の連結基を表す。]
また、本発明は、有機半導体Bの含有率が、導電性材料Aの全量に対して10~100質量%であることを特徴とする上記熱電変換材料に関する。
また、本発明は、m及びnが、それぞれ独立に、1~7の整数であることを特徴とする上記熱電変換材料に関する。
また、本発明は、X-が、ハロゲン化物イオンであることを特徴とする上記熱電変換材料に関する。
また、本発明は、上記熱電変換材料からなる熱電変換膜と、電極とを有し、熱電変換膜及び電極が互いに電気的に接続されている熱電変換素子に関する。
本発明により、良好なゼーベック係数と導電性との両立を達成する熱電変換材料を提供することができる。また、優れた熱電性能を発揮する熱電変換素子を提供することができる。
<熱電変換材料>
本発明の熱電変換材料は、導電性材料Aと特定の構造を有する有機半導体Bとを含有することを特徴とする。以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<導電性材料A>
導電性材料Aは、導電性向上に寄与するものである。
導電性材料Aは、導電性を持つ炭素材料、金属材料、導電性高分子等が挙げられる。例えば、炭素材料としては、黒鉛、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、グラフェンナノプレート、グラフェン等が挙げられる。金属材料としては、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、インジウム、ケイ素、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ゲルマニウム、ガリウム及び白金等の金属粉、並びに ZnSe、CdS、InP、GaN、SiC、SiGeこれらの合金、並びにこれらの複合粉が挙げられる。また、核体と、前記核体物質とは異なる物質で被覆された微粒子、具体的には、例えば、銅を核体とし、その表面を銀で被覆した銀コート銅粉等が挙げられる。また、例えば酸化銀、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、ITO(スズドープ酸化インジウム)、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、及びGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の金属酸化物の粉末、並びにこれらの金属酸化物で表面被覆した粉末等が挙げられる。導電性高分子としては、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)から成る複合物)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等が挙げられる。使用する導電性材料Aの種類は1種でもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
導電性材料Aの形状は特に限定されず、不定形、凝集状、鱗片状、微結晶状、球状、フレーク状、ワイヤー状等を適宜用いることができる。
ゼーベック係数と導電率との両立の観点で、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、グラフェンナノプレート及びグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、より好ましくはカーボンナノチューブであり、特に好ましくは単層カーボンナノチューブである。
導電性材料Aとしては、例えば、薄片状黒鉛として、日本黒鉛工業社製のCMX、UP-5、UP-10、UP-20、UP-35N、CSSP、CSPE、CSP、CP、CB-150、CB-100、ACP、ACP-1000、ACB-50、ACB-100、ACB-150、SP-10、SP-20、J-SP、SP-270、HOP、GR-60、LEP、F#1、F#2、F#3、中越黒鉛工業所社製のBF-3AK、FBF、BF-15AK、CBR、CPB-6S、CPB-3、96L、96L-3、K-3、SC-120、SC-60、HLP、CP-150、SB-1、伊藤黒鉛工業社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50、西村黒鉛社製の10099M、PB-99等が挙げられる。球状天然黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のCGC-20、CGC-50、CGB-20、CGB-50が挙げられる。土状黒鉛としては、日本黒鉛工業社製の青P、AP、AOP、P#1、中越黒鉛社製のAPR、K-5、AP-2000、AP-6、300F、150Fが挙げられる。人造黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のPAG-60、PAG-80、PAG-120、PAG-5、HAG-10W、HAG-150、中越黒鉛社製のG-4AK、G-6S、G-3G-150、G-30、G-80、G-50、SMF、EMF、SFF、SFF-80B、SS-100、BSP-15AK、BSP-100AK、WF-15C、SECカーボン社製のSGP-100、SGP-50、SGP-25、SGP-15、SGP-5、SGP-1、SGO-100、SGO-50、SGO-25、SGO-15、SGO-5、SGO-1、SGX-100、SGX-50、SGX-25、SGX-15、SGX-5、SGX-1が挙げられる。市販のカーボンブラックとしては、例えば、東海カーボン社製のトーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500、デグサ社製のプリンテックスL、コロンビヤン社製のRaven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA、PUERBLACK100、115、205、三菱化学社製の#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B、キャボット社製のMONARCH1400、1300、900、VulcanXC-72R、BlackPearls2000、TIMCAL社製のEnsaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP-Li等のファーネスブラック)、ライオン社製のEC-300J、EC-600JD等のケッチェンブラック、電気化学工業社製のデンカブラック、デンカブラックHS-100、FX-35等のアセチレンブラックが挙げられる。市販の導電性炭素繊維やカーボンナノチューブとしては、昭和電工社製のVGCF等の気相法炭素繊維、名城ナノカーボン社製のEC1.5,EC1.5-P、楠本化成社製のTUBALL、ゼオンナノテクノロジー社製のZEONANO等の単層カーボンナノチューブ、CNano社製のFloTube9000、FloTube7000、FloTube2000、Nanocyl社製のNC7000、Knano社製の100T、200Pが挙げられる。これらは特に限定されず、単独、又は2種以上を混合して使用することができる。
<有機半導体B>
有機半導体Bは、一般式(1)で表される構造を有する。 一般式(1)中のフェニルチアゾロチアゾール骨格部分は、導電性材料Aの表面に吸着することで、熱電変換性能を向上させると考えられる。また、一般式(1)中の四級アンモニウムカチオン部分は、熱電変換材料中で、導電性材料Aの静電反発に寄与し、分散安定性の向上や、導電率の向上に寄与すると考えられる。
有機半導体Bは、熱電変換材料中でゼーベック係数の向上に寄与する。ゼーベック係数と導電率との両立の観点から、有機半導体Bの含有量は、導電性材料Aの全量に対して400質量%以下が好ましく、より好ましくは200質量%以下であり、更に好ましくは120質量%以下であり、特に好ましくは100質量%以下である。また、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上である。
また、導電性材料Aに対する表面吸着及び均一化を促進し、さらに分子割合を増加させるために、有機半導体Bの分子量は、小さいほうが好ましく、好ましくは2,000以下であり、更に好ましくは1,000以下である。
ここで、一般式(1)中の部分構造について説明する。
連結基であるY1及びY2は、酸素原子、オキシアルキレン基、-COO-及び-CONH-並びにこれらが結合した二価の連結基を表す。これらの連結基中で、酸素原子及び-COO-が、導電性材料の分散液安定性や導電率向上の観点から好ましい。
有機半導体Bは上記連結基と四級アンモニウムカチオン部分とが炭素数1~12の直鎖アルキレン基で結合されている。アルキレン基の鎖長を表すm及びnは、1~12であり、1~7であることが熱電性能向上の観点から好ましい。
有機半導体Bは、分子内に存在する四級アンモニウムの対イオンとしてアニオンを有する。アニオンは特に限定はされず、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン等のカルボキリレートアニオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸イオン等が挙げられる。これらアニオンの内、ハロゲン化物イオンが、導電性材料Aの分散安定性や導電率向上の観点から好ましい。
四級アンモニウム上のR1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立にアルキル基を表すが、R1、R2及びR3の内いずれか二つ以上並びにR4、R5及びR6の内いずれか二つ以上は、直接又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成しても良い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基であることが導電性向上、熱電変換物性向上の観点から好ましい。
<その他成分>
本発明の熱電変換材料は、その特性を向上させる観点から、必要に応じて、その他成分を含んでよい。例えば、以下に例示するその他成分を含有することによって、塗工性、導電性及び熱電特性のさらなる向上が可能となる。
(有機半導体B以外の有機半導体)
本発明の熱電変換材料は、有機半導体B以外の有機半導体を有しても良い。有機半導体B以外の有機半導体としては、特に限定はされないが、例えば、有機半導体B以外のフェニルチアゾロチアゾールやその誘導体、ペリレンやその誘導体、ジケトピロロピロールやその誘導体、アゾ色素やその誘導体等が挙げられる。
(溶剤)
溶剤は、導電性材料Aと有機半導体Bを均一に混合するための溶媒又は分散媒として使用され、インキ化による塗工性向上が可能とする。使用できる溶剤としては、導電性材料Aと有機半導体Bとを溶解又は分散できれば、特に限定されず、有機溶剤や水を挙げることができ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1、3-ブチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、N-メチルピロリドン等から、必要に応じて適宜選択することができる。溶剤としては、N-メチルピロリドンが特に好ましい。
(助剤)
使用可能な助剤は、特に限定されず、例えば、ラクタム類、アルコール類、アミノアルコール類、カルボン酸類、酸無水物類、及びイオン性液体が挙げられる。具体例は以下のとおりである。
ラクタム類:ピロリドン、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、及びN-オクチルピロリドン等。
アルコール類:ショ糖、グルコース、フルクトース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリフルオロエタノール、m-クレゾール、及びチオジグリコール等。
アミノアルコール類:ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等。
カルボン酸類:2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸、ジクロロ酢酸、及びトリフルオロ酢酸等。
酸無水物類:無水酢酸、無水プロピオン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(別名:シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物)、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ハイミック酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、及び9,9-フルオレニリデンビス無水フタル酸等。
スチレン-無水マレイン酸コポリマー、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、アルキルビニルエーテル-無水マレイン酸コポリマー等の、無水マレイン酸と他のビニルモノマーとを共重合したコポリマー等。
導電性及び熱電特性の観点から、助剤として、ラクタム類及びアルコール類の少なくとも一方を使用することが好ましい。助剤の含有量は、熱電変換材料の全質量を基準として、0.1~30質量%の範囲が好ましく、1~10質量%の範囲がより好ましく、1~5質量%の範囲がさらに好ましい。助剤の含有量を0.1質量%以上にすることで、導電性及び熱電特性の向上効果を容易に得ることができる。また、助剤の含有量を50質量%以下にした場合、膜物性の低下を抑制することができる。
(樹脂)
本発明の熱電変換材料は、成膜性や膜強度の調整等を目的として、導電性及び熱電特性に影響しない範囲で、樹脂を含んでもよい。樹脂は、熱電変換材料の各成分と相溶又は均一に分散できるものが好ましい。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用いても良い。使用可能な樹脂の具体例として、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、及びこれらの共重合樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、一実施形態において、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、及びアクリルアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
<熱電変換素子>
本発明の熱電変換素子は、上記熱電変換材料を用いて構成されることを特徴とする。一実施形態において、熱電変換素子は、上記熱電変換材料を用いて形成された熱電変換膜と、電極とを有し、上記熱電変換膜及び上記電極は互いに電気的に接続されている。熱電変換膜は、導電性及び熱電特性に加えて、耐熱性及び可撓性の点でも優れる。そのため、本実施形態によれば、高品質な熱電変換素子を容易に実現することができる。
熱電変換膜は、基材上に熱電変換材料を塗布して得られる膜であってよい。熱電変換材料は優れた成形性を有するため、塗布法によって良好な膜を得ることが容易である。熱電変換膜の形成には、主に湿式製膜法が用いられる。具体的には、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、ロールコート法、カーテンコート法、バーコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等の各種手段を用いた方法が挙げられる。塗布する厚み、及び材料の粘度等に応じて、上記方法から適宜選択することができる。
熱電変換膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、後述するように、熱電変換膜の厚さ方向又は面方向に温度差を生じ、かつ伝達できるように、一定以上の厚みを有するように形成されることが好ましい。一実施形態において、熱電特性の点から、熱電変換膜の膜厚は、0.1~200μmの範囲が好ましく、1~100μmの範囲が好ましく、1~50μmの範囲がさらに好ましい。
また、熱電変換材料を塗布する基材として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフテレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリイミド、ボリカーボネート、及びセルローストリアセテート等の材料からなるプラスチックフィルム、又はガラス等を用いることができる。
基材と熱電変換膜との密着性を向上させる目的で、基材表面に様々な処理を行うことができる。具体的には、熱電変換材料の塗布に先立ち、UVオゾン処理、コロナ処理、プラズマ処理、又は易接着処理を行ってもよい。
本発明の実施形態である熱電変換素子は、上記熱電変換材料を用いて構成されることを除き、当技術分野で周知の技術を適用して構成することができる。代表的に、熱電変換素子のより具体的な構成、及びその製造方法について説明する。
一実施形態において、熱電変換素子は、熱電変換材料を用いて得た熱電変換膜と、この熱電変換膜と電極的に接続する一対の電極とを有する。ここで、「電気的に接続する」とは、互いに接合しているか、又はワイヤー等の他の構成部材を介して通電できる状態であることを意味する。
電極の材料は、金属、合金、及び半導体から選択することができる。一実施形態において、導電率が高いこと、熱電変換膜を構成する本発明による熱電変換材料との接触抵抗が低いことから、金属及び合金が好ましい。具体例として、電極は、金、銀、銅、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。電極は、銀を含むことがさらに好ましい。
電極は、真空蒸着法、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料の微粒子を分散したペーストの塗布、等の方法によって形成することができる。プロセスが簡便な観点で、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料を分散したペーストの塗布による方法が好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。尚、特に断りのない限り、例中、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味するものとする。また、「NMP」とは、N-メチルピロリドンを示す。
<有機半導体Bの合成>
(合成例1)
フラスコにトルエン20mL、ジメチルアミノエタノール56.1mmol(5.0g)、トリエチルアミン112mmol(13.3g)を加え、氷浴で撹拌した。そこに塩化チオニル168mmol(17.0g)を30分かけて滴下し、滴下終了後2時間撹拌した。フラスコの温度を25℃にし、更に4時間撹拌した。反応液に10%の水酸化ナトリウム水溶液を50mL加えて撹拌、沈殿物をろ過した。ろ液を水200mLで2回、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。
洗浄後の反応液をフラスコに注ぎ、さらに4-ヒドロキシベンズアルデヒド56.1mmol(6.8g)、炭酸カリウム56.1mmol(7.8g)加え、加熱還流を4時間行った。反応液を減圧して乾固させた後、テトラヒドロフランに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分取し、中間生成物(A-1)を得た。
中間生成物(A-1)を15.5mmol(3.0g)、ルベアン酸6.2mmol(0.7g)、ジメチルホルムアミド10gをフラスコに加え、加熱還流を8時間行った。反応液をメタノール200gと混合し、析出物を濾別した。析出物を減圧乾燥することで中間生成物(B-1)を得た。中間生成物(B-1)1.0gをヨウ化メチル10gと混合し、2時間25℃で撹拌した。沈殿物をろ過により回収し、合成例1の生成物1を得た。
(合成例2~10)
ジメチルアミノエタノールを表1のアミンに変更した以外は、合成例1と同様の方法で、表1に挙げた中間生成物(A-2)~(A-10)、中間生成物(B-2)~(B-10)、生成物2~10をそれぞれ得た。尚、使用したアミンは合成例1と同じモル量とした。
(合成例11)
中間生成物(A-1)を6.4mmol(1.5g)と中間生成物(A-2)を6.4mmol(1.6g)、ルベアン酸5.1mmol(0.6g)、ジメチルホルムアミド10gをフラスコに加え、加熱還流を8時間行った。反応液をメタノール200gと混合し、析出物を濾別した。析出物をテトラヒドロフランに溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィーで分取し、中間生成物(B-11)を得た。中間生成物(B-11)1.0gをヨウ化メチル10gと混合し、2時間25℃で撹拌した。沈殿物をろ過により回収し、合成例11の生成物11を得た。
(合成例12~16)
中間生成物(A-1)及び中間生成物(A-2)を表2に挙げた中間生成物Aの組み合わせに変更した以外は、合成例11と同様の方法で、表2に挙げた中間生成物(B-12)~(B-16)、生成物12~16をそれぞれ得た。尚、使用した中間生成物Aは合成例11と同じモル量とした。
(合成例17)
中間生成物(B-1)1.0gをヨウ化エチル10gと混合し、2時間25℃で撹拌した。沈殿物をろ過により回収し、合成例17の生成物17を得た。
(合成例18~24)
使用する中間生成物Bとヨウ化メチルを表3の中間生成物Bとヨウ化アルキルに変更した以外は、合成例17と同様の方法で、生成物18~24をそれぞれ得た。
(合成例25)
フラスコにトルエン20mL、硫酸20mL、ジメチルアミノエタノール36.5mmol(3.26g)、テレフタルアルデヒド酸メチル12.2mmol(2.0g)を加え、100℃で加熱しながら8時間撹拌した。反応液に10%の水酸化ナトリウム水溶液50mL、トルエン50mL加えて、トルエン層を取り出した。取り出したトルエン溶液をイオン交換水200mLで2回、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。トルエン溶液を減圧乾燥により乾固させた後、テトラヒドロフランに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分取し、中間生成物(A-25)を得た。
中間生成物(A-25)を13.6mmol(3.0g)、ルベアン酸5.1mmol(0.7g)、ジメチルホルムアミド10gをフラスコに加え、加熱還流を8時間行った。反応液をメタノール200gと混合し、析出物を濾別した。析出物を減圧乾燥することで中間生成物(B-25)を得た。中間生成物(B-25)1.0gをヨウ化メチル10gと混合し、2時間25℃で撹拌した。沈殿物をろ過により回収し、合成例25の生成物25を得た。
(合成例26~34)
使用するアミンを表4のアミンに変更した以外は合成例25と同様の方法で、表4の中間生成物(Aー26)~(A-34)、中間生成物(Bー26)~(B-34)、生成物26~34をそれぞれ得た。尚、使用したアミンは合成例25と同じモル量とした。
(合成例35~40)
使用する中間生成物Aの組み合わせを表5に挙げた中間生成物Aに変更した以外は、合成例11と同様の方法で、表5の中間生成物(B-35)~(B-40)、生成物35~40をそれぞれ得た。尚、使用した中間生成物Aは合成例11と同じモル量とした。
(合成例41~48)
使用する中間生成物Bとヨウ化メチルを表6の中間生成物Bとヨウ化アルキルに変更した以外は、合成例17と同様の方法で、表6の生成物41~48をそれぞれ得た。
(合成例49~58)
使用するアミンを表7のアミンに変更した以外は、合成例25と同様の方法で、表7の中間生成物(A-49)~(A-58)、中間生成物(B-49)~(B-58)、生成物49~58をそれぞれ得た。尚、使用したアミンは合成例25と同じモル量とした。
(合成例59~64)
使用する中間生成物Aの組み合わせを表8に挙げた中間生成物Aに変更した以外は、合成例11と同様の方法で、表8の中間生成物(B-59)~(B-64)、生成物59~64をそれぞれ得た。尚、使用した中間生成物Aは合成例11と同じモル量とした。
(合成例65~72)
使用する中間生成物Bとヨウ化メチルを表9の中間生成物Bとヨウ化アルキルに変更した以外は、合成例17と同様の方法で、表9の生成物65~72をそれぞれ得た。
(合成例73)
フラスコにトルエン20mL、硫酸20mL、N,N-ジメチルグリシン49.1mmol(5.1g)、4-ヒドロキシベンズアルデヒド16.4mmol(2.0g)を加え、100℃で加熱しながら8時間撹拌した。反応液に10%の水酸化ナトリウム水溶液50mL、トルエン50mL加えて、トルエン層を取り出した。取り出したトルエン溶液をイオン交換水200mLで2回、飽和食塩水100mLで1回洗浄した。トルエン溶液を減圧乾燥により乾固させた後、テトラヒドロフランに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分取し、中間生成物(A-73)を得た。
中間生成物(A-73)を14.5mmol(3.0g)、ルベアン酸5.8mmol(0.7g)、ジメチルホルムアミド10gをフラスコに加え、加熱還流を8時間行った。反応液をメタノール200gと混合し、析出物を濾別した。析出物を減圧乾燥することで中間生成物(B-73)を得た。中間生成物(B-73)1.0gをヨウ化メチル10gと混合し、2時間25℃で撹拌した。沈殿物をろ過により回収し、合成例73の生成物73を得た。
(合成例74~82)
使用するアミンを表10のアミンに変更した以外は、合成例73と同様の方法で、表10の中間生成物(Aー74)~(A-82)、中間生成物(Bー74)~(B-82)、生成物74~82をそれぞれ得た。尚、使用したアミンは合成例25と同じモル量とした。
(合成例83~88)
使用する中間生成物Aの組み合わせを表11に挙げた中間生成物Aに変更した以外は、合成例11と同様の方法で、表11の中間生成物(B-83)~(B-88)、生成物83~88をそれぞれ得た。尚、使用した中間生成物Aは合成例11と同じモル量とした。
(合成例89~96)
使用する中間生成物Bとヨウ化メチルを表12の中間生成物Bとヨウ化アルキルに変更した以外は、合成例17と同様の方法で、表12の生成物89~96をそれぞれ得た。
(合成例97~106)
使用するアミンを表13のアミンに変更し、4-ヒドロキシベンズアルデヒドを4-アミノベンズアルデヒドに変更した以外は合成例73と同様の方法で、表13の中間生成物(Aー97)~(A-106)、中間生成物(Bー97)~(B-106)、生成物97~106をそれぞれ得た。尚、使用したアミンは合成例73と同じモル量とした。また、4-アミノベンズアルデヒドは合成例73で使用した4-ヒドロキシベンズアルデヒドと同じモル量とした。
(合成例107~112)
使用する中間生成物Aの組み合わせを表14に変更した以外は、合成例11と同様の方法で、表14の中間生成物(B-107)~(B-112)、生成物107~112をそれぞれ得た。尚、使用した中間生成物Aは合成例11と同じモル量とした。
(合成例113~120)
使用する中間生成物Bとヨウ化メチルを表15の中間生成物Bとヨウ化アルキルに変更した以外は、合成例17と同様の方法で、表15の生成物113~120をそれぞれ得た。
(合成例121)
フラスコに生成物1を1g、35%塩酸を10g、テトラヒドロフランを10g加え、超音波洗浄機で10分間処理した。分散液を50℃で4時間撹拌した。得られた分散液を濾過し、濾別した固体をテトラヒドロフランで洗浄することで、生成物1中のヨウ化物イオンが塩化物イオンに置換された生成物1の塩化物イオン置換体を得た。
(合成例122~144)
生成物1を表16記載の生成物に変更した以外は、合成例121と同様の方法で、生成物2~24の塩化物イオン置換体をそれぞれ得た。
(合成例145~168)
生成物1を表17記載の生成物に変更し、35%塩酸を45%臭化水素酸に変更した以外は、合成例121と同様の方法で、生成物1~24の臭化物イオン置換体をそれぞれ得た。
(合成例169~192)
生成物1を表18記載の生成物に変更し、35%塩酸を酢酸に変更した以外は合成例121と同様の方法で、生成物1~24の下記構造を有する陰イオン1の置換体を得た。
Figure 2023004148000002
(合成例193~216)
生成物1を表19記載の生成物に変更し、35%塩酸を42%テトラフルオロホウ酸に変更した以外は、合成例121と同様の方法で、生成物1~24の下記構造を有する陰イオン2の置換体を得た。
Figure 2023004148000003
(合成例217~240)
生成物1を表20記載の生成物に変更し、35%塩酸をテトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸ナトリウムに変更した以外は、合成例121と同様の方法で、生成物1~24の下記構造を有する陰イオン3の置換体を得た。
Figure 2023004148000004
(フェニルチアゾロチアゾールの合成)
ベンズアルデヒドを15.5mmol(1.64g)、ルベアン酸6.2mmol(0.7g)、ジメチルホルムアミド10gをフラスコに加え、加熱還流を8時間行った。反応液をメタノール200gと混合し、析出物を濾別した。析出物を減圧乾燥することで下記構造を有するフェニルチアゾロチアゾールを得た。
Figure 2023004148000005
(比較化合物1)
9-ジメチルアミノフルオレン23.9mmol(5g)をヨウ化メチル20gと混合し、2時間25℃で撹拌した。得られた分散液をメタノール500gと混合し、沈殿物をろ過により回収した。回収した沈殿物を減圧乾燥することで、下記構造を有する比較化合物1を得た。
Figure 2023004148000006
<熱電変換材料の製造>
[実施例1]
(分散液1)
導電性材料AとしてOCSiAl社製の単層カーボンナノチューブ「TUBALL」(SWCNTと略記する)0.4部、有機半導体Bとして生成物1を0.4部、NMP79.2部をそれぞれ秤量して混合した。更にジルコニアビーズ(φ1.25mm)を140部加え、スキャンデックスで2時間振とう後、ろ過によりジルコニアビーズを取り除き、熱電変換材料の分散液1を得た。
[実施例2~240、比較例1~2]
(分散液2~240、比較分散液1~2)
有機半導体Bの種類を表21、表22に示す内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料の分散液2~240、比較分散液1~2をそれぞれ得た。比較化合物2としては、[スルファンジイルビス(4,1-フェニレン)]ビス(ジフェニルスルホニウム)=ビス(ヘキサフルオロ-λ5-スチバヌイド)を使用した。
[実施例241~360]
(分散液241~360)
有機半導体Bの種類とその配合量を表23に示す内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料の分散液241~312を得た。
[実施例361~432]
(分散液361~432)
有機半導体Bの種類とその配合量を表24に示す内容に変更し、更に混合する際にその他成分としてフェニルチアゾロチアゾールを表24に示す配合量を添加した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料の分散液361~432を得た。
[実施例433~504]
(分散液433~504)
導電性材料Aの種類、有機半導体の種類とその配合量を表25に示す内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、熱電変換材料の分散液433~504を得た。
以下に表中の略号を示す。
黒鉛:日本黒鉛社製 黒鉛「CPB」
MWCNT:Knano社製 多層カーボンナノチューブ「100P」
GNP:XGSciences社製グラフェンナノプレートレット「xGNP-M-5」
<分散液の液安定性の評価>
分散液20mLをガラス製の円筒容器に移し、25℃1週間静置した。静置後、導電性材料Aの沈降により生じた分散液の上澄液の分散液全体に対する体積割合を測定した。透明部分の割合が20体積%以下であれば、実用可能なレベルである。
◎:透明部分の割合が5体積%以下(非常に良好)
○:透明部分の割合が5体積%より大きく、10体積%以下(良好)
△:透明部分の割合が10体積%より大きく、20体積%以下(実用可能)
×:透明部分の割合が20体積%より大きい(実用不可)
<熱電変換材料の評価>
得られた分散液1~504、比較分散液1~2をシート状基材である厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケータを用いてそれぞれ塗布した後、120℃で30分間加熱乾燥して、PET基材上に、膜厚5μmの熱電変換膜を有する積層体をそれぞれ得た。得られた熱電変換膜(以下、塗膜ともいう)を有する積層体について、以下のとおり導電性、ゼーベック係数、及びパワーファクター(PF)を評価した。結果を表21~25に示す。
(導電率)
得られた積層体を2.5cm×5cmに切り取り、JIS-K7194に準じて、ロレスタGX MCP-T700(三菱化学アナリテック社製)を用いて4端子法で抵抗率を測定した。その後、抵抗率の逆数である、導電率を算出した。
(ゼーベック係数)
得られた積層体を3mm×10mmに切り取り、切り出した積層体の両側の端部2mmに銀ペースト(REXALPHA RA FS 074 トーヨーケム株式会社製)を塗布し、熱電変換素子を作成した。これの熱電変換性能としてアドバンス理工株式会社製のZEM-3LWを用いて、80℃におけるゼーベック係数(μV/K)を測定した。
(パワーファクター(PF))
得られた導電率及びゼーベック係数を用いて、80℃におけるPF(=S2・σ)を算出し、以下の基準に従って評価した。PFが2.5μW/(mK2)以上であれば、実用可能なレベルである。
◎:PFが20μW/(mK2)以上である(非常に良好)
○:PFが10μW/(mK2)以上、20μW/(mK2)未満である(良好)
△:PFが2.5μW/(mK2)以上、10μW/(mK2)未満である(実用可能)
×:PFが2.5μW/(mK2)未満である(実用不可)
Figure 2023004148000007
Figure 2023004148000008
Figure 2023004148000009
Figure 2023004148000010
Figure 2023004148000011
Figure 2023004148000012
Figure 2023004148000013
Figure 2023004148000014
Figure 2023004148000015
Figure 2023004148000016
Figure 2023004148000017
Figure 2023004148000018
Figure 2023004148000019
Figure 2023004148000020
Figure 2023004148000021
Figure 2023004148000022
Figure 2023004148000023
Figure 2023004148000024
Figure 2023004148000025
Figure 2023004148000026
Figure 2023004148000027
Figure 2023004148000028
Figure 2023004148000029
Figure 2023004148000030
Figure 2023004148000031
Figure 2023004148000032
Figure 2023004148000033
Figure 2023004148000034
Figure 2023004148000035

Claims (5)

  1. 導電性材料Aと有機半導体Bとを含有し、有機半導体Bが、下記一般式(1)で表されることを特徴とする熱電変換材料。
    Figure 2023004148000036
    [一般式(1)中、m及びnは、それぞれ独立に、1~12の整数を表す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、アルキル基を表すが、R1、R2及びR3の内いずれか二つ以上並びにR4、R5及びR6の内いずれか二つ以上は、直接又は酸素原子を介して互いに結合して環を形成しても良い。X-は、アニオンを表す。Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、オキシアルキレン基、-COO-及び-CONH-並びにこれらが結合した二価の連結基を表す。]
  2. 有機半導体Bの含有率が、導電性材料Aの全量に対して10~100質量%であることを特徴とする請求項1記載の熱電変換材料。
  3. m及びnが、それぞれ独立に、1~7の整数であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱電変換材料。
  4. -が、ハロゲン化物イオンであることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の熱電変換材料。
  5. 請求項1~4いずれか記載の熱電変換材料からなる熱電変換膜と、電極とを有し、熱電変換膜及び電極が互いに電気的に接続されている熱電変換素子。
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