JP6220290B2 - 送り出し工法 - Google Patents

送り出し工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6220290B2
JP6220290B2 JP2014045318A JP2014045318A JP6220290B2 JP 6220290 B2 JP6220290 B2 JP 6220290B2 JP 2014045318 A JP2014045318 A JP 2014045318A JP 2014045318 A JP2014045318 A JP 2014045318A JP 6220290 B2 JP6220290 B2 JP 6220290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
girder structure
girder
propelled
carriage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014045318A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015169015A (ja
Inventor
和宏 貞末
和宏 貞末
憲彦 岩田
憲彦 岩田
信哉 石松
信哉 石松
秀治 山崎
秀治 山崎
健一 政門
健一 政門
芳浩 眞田
芳浩 眞田
聡 岩岡
聡 岩岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Kokankyo Engineering Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Kokankyo Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp, Kokankyo Engineering Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2014045318A priority Critical patent/JP6220290B2/ja
Publication of JP2015169015A publication Critical patent/JP2015169015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6220290B2 publication Critical patent/JP6220290B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Description

本発明は、桁構造物の送り出し工法に関する。
送り出し工法は、作業スペースの制約といった制限された条件下において橋脚等の基礎構造物上に桁構造物を架設する工法である。送り出し工法では、まず、桁構造物を支持する基礎構造物を施工する。次に、仮設構台上において桁構造物を組み立てる。続いて、基礎構造物に向かって桁構造物を押し出すことにより、仮設構台から基礎構造物に亘って桁構造物を架け渡す。
特許文献1には、軌条上における桁の移動方法が記載されている。この移動方法では、軌条上における桁を移動させる駆動源として複数のジャッキが利用されている。
特開2008−258088号公報
送り出し工法により架設される桁構造物には、直線状の形状を有するものの他に、曲線状の形状を有するものがある。曲線状の桁構造物を架設する場合には、送り出し作業中における桁構造物の位置の管理が直線状の桁構造物よりも難しくなる場合がある。ここで、例えば、特許文献1に記載されたように桁構造物を移動させる駆動源としてジャッキを利用すると、送り出し作業における桁構造物の位置を精密に管理し難いため、送り出し工法による桁構造物の架設作業の施工性を高め難かった。
そこで、本発明は、桁構造物の架設作業の施工性を高めることが可能な送り出し工法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、桁構造物を送り出して架け渡す送り出し工法である。
送り出し工法では、桁構造物は、曲線状に湾曲した部分を有する曲線桁構造物であり、桁構造物の送り出し方向と交差する台車配置方向に沿って、インバータ制御可能なモータにより車輪が駆動される自走台車を複数配置した後に、自走台車に桁構造物を載置する第1の工程と、桁構造物を送り出すときの自走台車の計画速度を、自走台車ごとに算出する第2の工程と、自走台車の移動速度が計画速度になるようにモータをインバータ制御して自走台車を移動させることにより、桁構造物を送り出す第3の工程と、を有する。計画速度は、台車配置方向に沿って配置された複数の自走台車間で、送り出し方向における相対的な位置関係が維持される速度である。第2の工程では、桁構造物の曲率半径を利用して計画速度を算出する。第3の工程では、自走台車の移動速度が計画速度になるように1台の制御装置によって制御される。
この送り出し工法によれば、桁構造物を移動させる駆動源として、台車配置方向に沿って配置された複数の自走台車を利用している。駆動源に自走台車を利用することにより、ジャッキに比べて送り出し速度を高めることが可能になり、架設時間を短縮することができる。そして、この自走台車は、インバータ制御可能なモータにより、自走台車間において送り出し方向における相対的な位置関係が維持される速度になるように駆動される。インバータ制御可能なモータによれば、駆動信号の周波数を設定することにより回転数を精密に制御することが可能である。更に、複数の自走台車は、1台の制御装置によって集中的に制御されるため、自走台車間において駆動のタイミングを合せて、シンクロさせつつ移動させることが可能になり、複数の自走台車の位置及び速度を精密に管理することができる。従って、自走台車上に載置された桁構造物を高い位置及び高さの精度をもって短時間で架設することが可能になるため、架設作業の施工性を高めることができる。
また、第3の工程では、桁構造物を送り出しながら桁構造物の位置情報を逐次取得する。桁構造物の位置情報を逐次取得することによれば、送り出し作業中において、桁構造物の位置が許容範囲内にあるか否かを判断することが可能になる。従って、架設作業の安全性を確保することができると共に、自走台車のモータに過剰な負荷が発生することを抑制できる。
また、位置情報は、既知点と移動点からなる少なくとも2台以上の衛星測位システムにより得られた測距データを組み合わせて取得される。これによれば、地表面上における位置と、高さ方向における位置とについて、高精度の位置情報を得ることができる。従って、自走台車の速度管理に加え、桁構造物の位置すなわち自走台車の位置を管理することにより、桁構造物を更に高い位置精度をもって架設することができる。
また、位置情報は、測角・測距機器である自動追尾型トータルステーションにより取得される。これによれば、位置情報を容易に取得することができる。自走台車の速度管理に加え、桁構造物の位置すなわち自走台車の位置を管理することにより、桁構造物を更に高い位置精度をもって架設することができる。
また、位置情報は、光ファイバ回線を通じて取得される。光ファイバ回線によれば、大容量のデータを効率よく転送することが可能になる。従って、衛星測位システム及び自動追尾型トータルステーションにより得られた大容量データを利用して、更に高精度の位置情報をリアルタイムに得ることができる。
また、自走台車は桁構造物が載置される桁載置部と、車輪及びモータを有する駆動部と、桁載置部と駆動部との間に配置されて、駆動部に対して桁載置部を鉛直方向に回転可能に支持する台座回転部と、を有する。送り出し方向が曲線状に変化すると、自走台車と桁構造物との間に、鉛直方向を回転軸とするずれが生じる場合がある。自走台車は、回転ずれが生じた場合には、桁載置部を、鉛直方向に延びる軸線を回転軸として、水平方向に回転可能に支持する台座回転部が回転して桁構造物及び駆動部に負荷が生じることを抑制できる。
本発明に係る送り出し工法によれば、桁構造物の架設作業における施工性を高めることできる。
図1は、本発明に係る送り出し工法が利用される作業現場の平面図である。 図2は、自走台車の側面図である。 図3は、自走台車に取り付けられた台座回転部の平面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、位置情報を取得する第1システム及び第2システムを示す配置図である。 図6は、第1システム及び第2システムの配線図である。 図7は、第1の工程及び第3の工程を示す側面図である。 図8は、実施例1を説明するためのグラフである。 図9は、実施例2を説明するためのグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、送り出し工法は、桁構造物1を基礎構造物2に掛け渡す工事に適用される。この作業現場では、仮設構台3上において桁構造物1を組み立てた後に、仮設構台3から基礎構造物2に向かって桁構造物1を送り出して基礎構造物2間に桁構造物1を掛け渡す。
桁構造物1は、所定の曲率を有する湾曲した部分、すなわち横断方向及び縦断方向に勾配を有する曲線部を有する曲線桁構造物である。桁構造物1は、数メートルから数十メートルの長さを有し、一例として60メートルである。この桁構造物1が架設される工事区間は、曲線部において所定割合のカント(例えば5%)と、所定割合の縦断勾配(例えば4%)を有する3次元的な曲面形状を有している。また、送り出し作業時には、桁構造物1の先端に、手延部4がボルト締結により取り付けられる(図7参照)。
送り出し工法が行われる作業現場には、例えば、道路6や線路7などが既に存在し、これら道路6及び線路7の上に新たな道路等となる桁構造物1を架け渡す。いわゆる橋脚等である基礎構造物2は、道路6と線路7とを跨ぐように配置され、道路6と線路7との間には仮設の基礎構造物2Aが配置されていてもよい。
送り出し工法が行われる作業現場には、更に、仮設構台3が施工されている。この仮設構台3は、桁構造物1を組み立てる作業台として利用されると共に、組み立てられた桁構造物1を送り出す場合の土台としても利用される。仮設構台3は、基礎構造物2の高さと同等の高さである地盤であってもよいし、地盤上に基礎構造物2の高さと同等の高さになるように鋼材等を用いて組み立てた構造体であってもよい。
仮設構台3上には、軌条8が送り出し方向D1と交差する方向に複数(例えば6本)並置されている。2本の軌条8を跨ぐように、走行台車9が配置されている。走行台車9は、送り出し方向D1において前方に配置される自走台車11と、後方に配置される従走台車12とを含んでいる。この軌条8は、湾曲状の桁構造物1と同じ曲率を有している。この軌条8を走行台車9が走行することにより、桁構造物1を曲線状に送り出すことができる。
自走台車11は、送り出し方向D1と直交する台車配置方向D2に沿って複数配置(例えば3台)されている。
図2に示されるように、自走台車11は、駆動部13と、台座回転部14と、桁載置部16とを有している。駆動部13は、前駆動部17と後駆動部18とを有し、それぞれの前駆動部17及び後駆動部18は、同様の構成を有している。前駆動部17及び後駆動部18は、例えば、それぞれが軌条8一本あたり240トンの重量物を移動可能な能力を有している。また、これら自走台車11は、例えば、毎秒2メートルから毎秒3メートル程度の移動速度を有している。前駆動部17は、軌条8に配置された車輪19と、車輪19に回転トルクを与えるモータ21とを有し、これら車輪19、モータ21はケース22内に配置されている。モータ21は、駆動信号の周波数に基づいて回転数が制御されるインバータ制御モータである。モータ21には、モータ制御装置(制御装置)23(図1参照)に接続されている。
桁載置部16は、駆動部13と桁構造物1との間に配置されている。桁載置部16は、複数の鋼材とジャッキ16bとを組み合わせて構成されている。鋼材には、例えばH鋼が用いられる。ジャッキ16bは、鉛直方向における桁構造物1の高さを調整するために利用される。
前駆動部17のケース22と、桁載置部16のH鋼16aとの間には、台座回転部14が挟み込まれている。台座回転部14は、駆動部13に対して桁載置部16を、鉛直方向に延びる軸線を回転軸として、水平方向に回転可能に支持するものである。
図3及び図4に示されるように、台座回転部14は、桁載置部16のH鋼16aにボルト固定された上沓板24と、駆動部13のケース22にボルト固定された下沓板26とを有している。上沓板24の下面側には、円筒部27が溶接されている。この円筒部27の底には、例えばテフロン(登録商標)樹脂からなる滑り板28が配置されている。この滑り板28は、後述する下沓板26の円柱部29の上面が当接し、円柱部29の上面との摩擦抵抗を低減するものである。下沓板26の上面側には、円柱部29が溶接されている。この円柱部29は、上沓板24の円筒部27に挿入されるものであり、円筒部27の内径よりも小さい外径を有すると共に、円筒部27の高さよりも大きい高さを有している。
また、上沓板24と下沓板26とには、回転角度を規制する回転角度規制部31が設けられている。回転角度規制部31は、下沓板26に形成された長穴33と、上沓板24に設けられ長穴33に挿入される凸部32とを有している。長穴33は、円筒部27と共通の中心を有する同心円の円周方向に延びるように形成されている。この長穴33に凸部32が挿入されることにより、長穴33の長さに応じて下沓板26に対する上沓板24の回転角度αが規制される。
図1に示されるように、従走台車12は、送り出し方向D1と直交する台車配置方向D2に沿って複数台(例えば3台)並置されている。従走台車12は、車輪を駆動するモータを有しない他は、自走台車11と略同様の構成を有し、軌条8一本あたり40トンの重量物を移動可能な能力を有している。すなわち、従走台車12は、軌条8を転動する車輪19を有する従走部と、桁構造物1を支持する桁載置部16と、従走部と桁載置部16との間に配置された台座回転部14とを有している。
図5及び図6に示されるように、桁構造物1には、送り出し中の位置を計測するための2個のシステムが配置されている。ここで、位置情報とは、地表面に沿った2次元平面上における位置と、鉛直方向における高さ方向の位置を含むものとする。第1の測定系は、測量といった高精度位置決定に利用される衛星測位システムである。第2の測定系は、可搬性を有する測角・測距機器である自動追尾型トータルステーションを利用したシステムである。これら第1の測定系及び第2の測定系で取得されたデータは、位置監視装置41に送信されて統計処理され、桁構造物1の位置がリアルタイムに管理される。
第1の測定系は、複数の航法衛星から電波で送信された信号を受信するための4個の桁受信アンテナ34と、基準受信アンテナ36と、を有している。桁受信アンテナ34は、桁構造物1の先端部の2箇所と、自走台車11と従走台車12の間の2箇所に取り付けられている。また、桁構造物1には、中継制御器37が取り付けられている。中継制御器37は、桁受信アンテナ34に接続されたレシーバ37aと、レシーバ37aに接続されたハブ37bを含んでいる。また、主制御器38は、中継制御器37のハブ37bに接続された光変換器38aを有し、ハブ37bから入力されたデータを光信号に変換して光ファイバ回線39に出力する。桁受信アンテナ34で取得された信号は、桁構造物1に配置された中継制御器37に送信される。中継制御器37から主制御器38に送信された信号は、防護管内に光ファイバーケーブルが収容された光ファイバ回線39を通じて制御器40に入力され、制御器40の光変換器40aにより電気信号に変換され、ハブ40bを通じて位置監視装置41に送信される。
基準受信アンテナ36は、換気塔の上部といった仮設構台3とは別の構造物42に配置されている。また、主制御器43は、自動追尾型トータルステーション本体44に接続されたLAN変換器44aと、基準受信アンテナ36に接続されたレシーバ44bと、LAN変換器44a及びレシーバ44bに接続されたハブ44cと、ハブ44cに接続されて各種データを光信号に変換して光ファイバ回線39に出力する光変換器44dとを含んでいる。基準受信アンテナ36で取得された信号は、構造物42に配置された主制御器43を介して光ファイバ回線39を通じて制御器40に入力される。そして、制御器40の光変換器40cにより電気信号に変換され、ハブ40bを通じて位置監視装置41に送信される。
このように、桁構造物1に4個の桁受信アンテナ34を取り付けると共に、構造物42に基準受信アンテナ36を取り付けることにより、桁構造物1の3次元的な位置、速度および姿勢を精度良く監視することが可能である。
なお、第1の測定系に利用される衛星測位システムは、全地球型のシステム(いわゆる全地球航法衛星システム)であるGNSSを利用している。第1の測定系では、GPS、GLONASS,ガリレオと呼ばれる複数の衛星測位システムを利用して位置情報を得るものであり、単体の衛星測位システムで得られる位置精度よりも高精度の情報を得ることが可能である。例えば、第1の測定系の計測誤差は、平面で±20mm以内であり、高さで±40mm以内である。
第2の測定系は、距離を測定するための光波測距儀と、角度を測定するためのセオドライトとを組み合わせた自動追尾型トータルステーションシステムを利用している。第2の測定系では、自動追尾型トータルステーション本体44を構造物42に配置すると共に、ターゲット45を手延部4の先端の2箇所に配置している。トータルステーション本体44のデータは、主制御器43を介して光ファイバ回線39を通じて位置監視装置41に入力される。また、位置情報の取得は、比較的高速(例えば2秒に1回)に行われる。このような第2の測定系によれば、手延部4の先端位置をリアルタイムに位置監視装置41に表示して監視することが可能である。
続いて、送り出し工法による曲線状の桁構造物1の架設作業について説明する。
<第1の工程>
図7(a)に示されるように、仮設構台3上に軌条8(図1参照)を配置する。本実施形態では、2本の軌条8を一組として3組の軌条8を配置する。続いて、一組の軌条8に自走台車11と従走台車12とを配置する。本実施形態では、桁構造物1の延在方向において、桁構造物1の略半分となる位置に自走台車11を配置する。自走台車11は、台車配置方向D2に沿って並置される。続いて、桁構造物1の延在方向において、桁構造物1の後端近傍となる位置に従走台車12を配置する。従走台車12も自走台車11と同様に、台車配置方向D2に沿って並置される。そして、自走台車11と従走台車12とを土台として、桁構造物1を組み立てる。
<第2の工程>
第2の工程では、まず、自走台車11の計画位置及び計画高さを設定する。続いて、自走台車11のそれぞれについて、移動する位置における計画速度を算出する。ここで、計画速度とは、台車配置方向D2に沿って並置された自走台車11が送り出し方向D1に移動した場合に、それぞれの自走台車11間における相対位置関係が維持される速度をいう。例えば、湾曲した軌条8上を自走台車11が走行する場合、外側(すなわち曲率半径が大きい)に配置された自走台車11ほど、内側(すなわち曲率半径が小さい)に配置された自走台車11に比べて速度を高める必要がある。また、自走台車11は、インバータ制御可能なモータ21により駆動される。従って、自走台車11に入力される駆動信号は、自走台車11毎の速度に対応した周波数を有している。例えば、駆動信号の周波数は下記式(1)のように示される。
fi=Ri/Rout×50・・・(1)
ここで、fiは自走台車11ごとの標準周波数であり、Riは自走台車11が走行する軌条8の曲率半径であり、Routは、最も外側に配置された軌条8の曲率半径である。すなわち、標準周波数fiは、曲率半径ごとに設定されるものであるため、1台の自走台車11において外側の軌条8を走行する車輪19を回転させるモータ21と、内側の軌条8を走行する車輪19を回転させるモータ21とは、異なる周波数を有する駆動信号が入力されることになる。
なお、第2の工程で算出した標準周波数は、上記式(1)で得られた値をそのまま用いてもよいし、自走台車11を実際に移動させて、設計反力等のパラメータを指標としつつ微調整を行ってもよい。このような微調整によれば、軌条8や自走台車11ごとの個性に基づく差異を吸収し、より円滑に自走台車11を走行させることが可能になる。また、第2の工程は、第1の工程の後に実施されてもよいし、第1の工程の前に実施されてもよい。
<第3の工程>
第3の工程では、第2の工程で算出された駆動信号を利用して自走台車11を駆動することにより桁構造物1を送り出す工程と、送り出し作業中における桁構造物1の実際の位置及び実際の高さをリアルタイムに監視する工程とが同時に実施される。複数の自走台車11に対して、1台のモータ制御装置23から駆動信号が送信される。また、駆動信号が送信されている間、第1の測定系と第2の測定系とにより取得されたデータが位置監視装置41に逐次送信される。位置監視装置41は、受信したデータを統計処理して位置情報を算出し、当該位置情報をディスプレイ等に表示する。ここで、位置監視装置41に表示された位置情報が、許容範囲を超えた場合には、駆動信号の送信を停止する。許容範囲か否かの判断は、位置監視装置41が行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
図7(b)に示されるように、桁構造物1を送り出すと、まず手延部4の先端部が基礎構造物2の駆動式エンドレス滑り装置46に掛け渡される。その後、駆動式エンドレス滑り装置46を動作させて、順次桁構造物1を送り出す。以上の工程を経て、基礎構造物2間に桁構造物1が掛け渡される。
この送り出し工法によれば、桁構造物1を移動させる駆動源として、台車配置方向D2に沿って配置された複数の自走台車11を利用している。駆動源に自走台車11を利用することにより、ジャッキに比べて送り出し速度を高めることが可能になり、架設時間を短縮することができる。そして、この自走台車11は、インバータ制御可能なモータ21により、自走台車11間において相対的な位置関係が維持される速度になるように駆動される。インバータ制御可能なモータ21は、桁構造物1の曲率半径に基づいて駆動信号の周波数を設定することにより回転数を精密に制御することが可能である。更に、複数の自走台車11は、1台のモータ制御装置23によって集中的に制御されるため、自走台車11間において駆動のタイミングを合せて、シンクロさせつつ移動させることが可能になり、複数の自走台車11の位置及び速度を精密に制御することができる。従って、自走台車11上に載置された桁構造物1を高い位置及び高さの精度をもって短時間で架設することが可能になるため、架設作業の施工性を高めることができる。
また、第3の工程では、桁構造物1を送り出しながら桁構造物1の位置情報を逐次取得する。送り出し作業中において、桁構造物1の位置が許容範囲内にあるか否かを判断することが可能になる。従って、架設作業の安全性を確保することができると共に、自走台車11のモータ21に過剰な負荷が発生することを抑制できる。
また、位置情報は、既知点と移動点からなる少なくとも2台以上の衛星測位システム(第1の測定系)により得られた測距データを組み合わせて取得され、地表面上における位置と高さ方向における位置とについて高精度の情報を得ることができる。従って、自走台車11の速度管理に加え、桁構造物1の位置すなわち自走台車11の位置を管理することにより、桁構造物1を更に高い位置精度をもって架設することができる。
また、位置情報は、測角・測距機器である自動追尾型トータルステーション(第2の測定系)により取得された位置情報である。位置情報を容易に取得することができる。桁構造物1の位置すなわち自走台車11の位置を管理することにより、桁構造物1を更に高い位置精度をもって架設することができる。
また、衛星測距システムにより得られた位置情報、及び自動追尾型トータルステーションにより得られた位置情報は、光ファイバ回線39を通じて取得される。送り出し工法では、移動しつつある桁構造物1の位置をリアルタイムに監視することが望まれる。光ファイバ回線39によれば、大容量のデータを効率よく転送することが可能になる。従って、衛星測距システム及びトータルステーションにより得られた大容量データを利用して、更に高精度の位置情報を得ることができる。これにより、自走台車11の速度管理に加え、桁構造物1の位置すなわち自走台車11の位置を管理することにより、桁構造物1を更に高い位置精度をもって架設することができる。
また、自走台車11は、台座回転部14を有している。台車配置方向に並置された自走台車11上には、桁構造物1が載置されているため、自走台車11の上部は拘束されている。このように自走台車11に対して桁構造物1が拘束された状態では、自走台車11は曲線状に移動させ難い。そこで、自走台車11は、3台の自走台車11を曲線状に移動させたときのずれに対応するために、桁構造物1を載置している桁載置部16と駆動部13との間に配置された台座回転機構を配置している。すなわち、送り出し方向D1が曲線状に変化すると、自走台車11と桁構造物1との間に、鉛直方向を回転軸とするずれが生じる場合がある。自走台車11は、回転ずれが生じた場合には、桁載置部16を、鉛直方向を回転軸として回転可能に支持する台座回転部14が回転して桁構造物1及び駆動部13に生じ得るねじれと負荷とを抑制できる。
<実施例1>
曲線状の桁構造物1の送り出し工法について、試験施工を実施した。試験施工では、軌条配置及び台車配置を実際の架設作業と同等に設定した。軌条8は、ヤード内に均しコンクリートを打設した上に敷設し、あと施工アンカーを利用して固定した。本施工における作用反力を模擬するために、走行台車9には桁構造物1と同等のウエイトを載荷した。また、軌条8の曲率半径は、473m〜485mの間で段階的に設定した。続いて、最も外径側に位置する自走台車11の周波数を基準として採用し、50Hzに設定した。そして、上記式(1)を利用して、所定の曲率半径における自走台車11の計画速度及び計画速度に対応する周波数を算出した。そして、算出した周波数を利用して自走台車11を20m移動させ、その際にモータ21に負荷される電力の変動を確認した。
図8に示されるように、自走台車11を20m走行させたときのモータ21に負荷される電力は、それぞれのモータ21において走行している間に亘って略一定であった。すなわち、モータ21には、計画反力を越えるような過剰な負荷が発生しておらず、円滑な移動が可能であることがわかった。
<実施例2>
送り出し工法を実施したときに取得した桁構造物1の偏心量を確認した。偏心量は、GNSS、自動追尾型トータルステーション及び人が操作・管理を行った光波測量により取得した。図9は、手延部4先端における偏心量の履歴、すなわち手延部4先端の軌跡を示す。グラフG1は、人が操作・管理を行った光波測量によるデータであり、グラフG2はトータルステーションによるデータであり、グラフG3はGNSSによるデータである。図9に示されるように、各手法により取得した手延部4先端の軌跡は概ね一致した。従って、GNSSを利用した位置情報が妥当であることが確認できた。また、送り出しにおいて、偏心量は最大40mmであり、設定した管理値内に収まっていることが確認できた。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、下記のような種々の変形が可能である。
上述した自走台車11の数、従走台車12の数は例示であり、台車配置方向に並置される数は、3台未満であってもよく、3台より多くてもよい。
また、桁構造物1には、駆動源としての自走台車11に加えて、緊急移動用のジャッキが配置されていてもよい。
1…桁構造物、2…基礎構造物、3…仮設構台、4…手延部、6…道路、7…線路、8…軌条、9…走行台車、11…自走台車、12…従走台車、13…駆動部、14…台座回転部、16…桁載置部、19…車輪、21…モータ、23…モータ制御装置(制御装置)、24…上沓板、26…下沓板、34…桁受信アンテナ、36…基準受信アンテナ、37…中継制御器、38…主制御器、38a…光変換器、39…光ファイバ回線、40…制御器、41…位置監視装置、43…主制御器、44…トータルステーション本体、45…ターゲット、46…駆動式エンドレス滑り装置、D1…送り出し方向、D2…台車配置方向。

Claims (6)

  1. 桁構造物を送り出して架け渡す送り出し工法において、
    前記桁構造物は、曲線状に湾曲した部分を有する曲線桁構造物であり、
    前記桁構造物の送り出し方向と交差する台車配置方向に沿って、インバータ制御可能なモータにより車輪が駆動される自走台車を複数配置した後に、前記自走台車に前記桁構造物を載置する第1の工程と、
    前記桁構造物を送り出すときの前記自走台車の計画速度を、前記自走台車ごとに算出する第2の工程と、
    前記自走台車の移動速度が前記計画速度になるように前記モータをインバータ制御して前記自走台車を移動させることにより、前記桁構造物を送り出す第3の工程と、を有し、
    前記計画速度は、前記台車配置方向に沿って配置された複数の前記自走台車間で、前記送り出し方向における相対的な位置関係が維持される速度であり、
    前記第2の工程では、前記桁構造物の曲率半径を利用して前記計画速度を算出し、
    前記第3の工程では、前記自走台車の移動速度が前記計画速度になるように1台の制御装置によって制御される、送り出し工法。
  2. 前記第3の工程では、前記桁構造物を送り出しながら前記桁構造物の位置情報を逐次取得する、請求項1に記載の送り出し工法。
  3. 前記位置情報は、既知点と移動点からなる少なくとも2台以上の衛星測位システムにより得られた測距データを組み合わせて取得された位置情報である、請求項2に記載の送り出し工法。
  4. 前記位置情報は、測角・測距機器である自動追尾型トータルステーションにより取得された位置情報である、請求項2に記載の送り出し工法。
  5. 前記位置情報は、光ファイバ回線を通じて取得される、請求項2〜4の何れか一項に記載の送り出し工法。
  6. 前記自走台車は、
    前記桁構造物が載置される桁載置部と、
    前記車輪及び前記モータを有する駆動部と、
    前記桁載置部と前記駆動部との間に配置されて、前記駆動部に対して前記桁載置部を鉛直方向に回転可能に支持する台座回転部と、を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の送り出し工法。
JP2014045318A 2014-03-07 2014-03-07 送り出し工法 Active JP6220290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014045318A JP6220290B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 送り出し工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014045318A JP6220290B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 送り出し工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015169015A JP2015169015A (ja) 2015-09-28
JP6220290B2 true JP6220290B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=54202010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014045318A Active JP6220290B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 送り出し工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6220290B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106836000B (zh) * 2017-04-06 2017-12-26 中铁六局集团有限公司 基于dj系列架桥机的曲线过孔架桥施工方法
JP7096545B2 (ja) * 2017-07-11 2022-07-06 株式会社横河ブリッジ 重量物の横取り移送方法及び装置
CN108103954B (zh) * 2017-11-21 2020-05-29 中国船舶重工集团应急预警与救援装备股份有限公司 一种机械化桥转臂机构
CN109826108B (zh) * 2019-01-15 2020-08-11 东南大学 一种基于放样机器人的桥梁顶推自动监控方法
CN110273380A (zh) * 2019-06-28 2019-09-24 山东省路桥集团有限公司 钢箱梁顶推施工横桥向双滚轮导向限位装置及顶推施工方法
CN110203834B (zh) * 2019-07-08 2024-05-28 中国机械工业建设集团有限公司 大型造纸机“z”型悬臂梁结构的吊装装置和吊装方法
CN110644377B (zh) * 2019-09-30 2021-01-12 中铁二院工程集团有限责任公司 滚轮式梁体顶推施工装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2743273C2 (de) * 1977-09-27 1981-04-23 Dyckerhoff & Widmann AG, 8000 München Verfahren zum Herstellen von langgestreckten Tragwerken, insbesondere mehrfeldrigen Brückenüberbautem aus Stahl- oder Spannbeton
JPH0649811A (ja) * 1992-07-29 1994-02-22 Taisei Corp 大スパン桁の架設方法
JPH11271058A (ja) * 1998-03-25 1999-10-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 橋脚洗掘監視装置
JP4114270B2 (ja) * 1999-04-02 2008-07-09 株式会社Ihi 橋梁架設時の精度管理装置
JP2001199677A (ja) * 2000-01-18 2001-07-24 Ohbayashi Corp クレーン
JP4395557B2 (ja) * 2006-02-03 2010-01-13 オックスジャッキ株式会社 重量物の移送方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015169015A (ja) 2015-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6220290B2 (ja) 送り出し工法
JP4559346B2 (ja) 支保工建て込み方法及び支保工建て込みシステム
AU649339B2 (en) A method for determining the deviations of the actual position of a track section
DE102013014626B4 (de) Bestimmung der Position eines verlagerbaren Messpunktes an einer Maschine
US7050926B2 (en) Method of surveying a track
JP5431601B2 (ja) 削岩リグおよびその位置決め方法
US10934138B2 (en) Crawler crane
JP6188061B2 (ja) トンネル計測システム
HU212948B (en) Measuring vehicle and machine for adjusting railtrack
JPH05248866A (ja) 軌道と固定点との間の距離を測定するための距離測定台車
US6505406B2 (en) Guide method for guiding a device that is designed to insert elements into the ground in order to make a structure, and a device for inserting at least one element into the ground using such a guide method
CN102692210A (zh) 定点扫描式快速隧道断面净空测量及收敛测量方法
EP2256456B1 (de) Messung unterirdischer Bauwerke insbesondere beim unterirdischen Vortrieb
JP4114270B2 (ja) 橋梁架設時の精度管理装置
JP2004061278A (ja) 鉄道沿い構造物の3次元位置計測装置
JP2007211586A (ja) エレメント地中挿入システム及びその方法
JP2007002494A (ja) 架設管理システム
CN105241435B (zh) 激光定位装置
JP2009221738A (ja) プレキャストコンクリート部材の据付工法、計測システム、調整システム及び設置システム
CN110735369A (zh) 一种动态轨道几何状态测量方法
CN107916938A (zh) 一种用于曲线管幕机导向装置的搭载装置
JP6409236B2 (ja) トンネル計測システム
JP2017102092A (ja) プレキャスト部材用寸法計測装置およびプレキャスト部材の寸法計測方法
CN112941993B (zh) 一种跨座式轨道梁线形的动态监控调节系统及方法
RU2802971C1 (ru) Высокоточная система позиционирования подземной однорельсовой подвижной лебедки внутри угольной шахты и способ такого позиционирования

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20151119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161003

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6220290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250