次は、実施例1に係るメダル貸出機10の大量貸出時のメダル貸出方法の概念を説明する。図1は、メダル貸出機による大量貸出時のメダル貸出方法の概念を説明するための説明図である。
図1では、メダル貸出機10にて5千円で700枚のメダルの貸出処理を行った場合の従来技術での具体例と本発明による実施例を説明する。また、メダル貸出処理で使用されるカップのフル値は300枚である。
まず、従来技術での具体例を説明する。カップのフル値が300枚で、貸出メダル総枚数が700枚であることから、3回に分割してメダルは投出され、1個目と2個目のカップにはカップのフル値である300枚が投出され、3個目のカップには残りの100枚が投出される。
この3つのカップのうち、2つのカップにはフル値のメダル枚数が入っており、この3つのカップを1人で持ち運ぼうとすると、3つのカップを縦に重ねて運びたいところであるが、2つのカップにはフル値のメダルが入っていることから、安定性に問題があり重ねて持ち運ぶことは難しい。
一方、本発明による実施例では、総貸出枚数がカップのフル値を超える場合に1つのカップに対して投出する上限枚数としてカップの適正値を設けている。このカップの適正値とは、カップの形状/材質、遊技媒体の形状、カップの利用形態及び遊技客の客層なども考慮して、複数のカップの持ち運び時の安定性などを考慮して決定した値である。
図1の例では該適正値を250とした場合を示している。このため、700枚のメダルを貸し出す際には1個目と2個目のカップにはカップの適正値である250枚が投出され、3個目のカップには残りの200枚が投出される。その結果1個目と2個目の250枚のメダルの投出されたカップでも、まだカップ上部に余裕があり、カップを縦に重ねて持ち運ぶことが可能となる。
上述のように、メダルの貸出数とのカップ最大収容数とを比較して、メダルの貸出数が最大収容数以下である場合には、カップに対してメダルの貸出数の全てを投出し、メダルの貸出数が最大収容数を超える場合には、最大収容数よりも少ない分割投出上限数以下のメダルをカップに投出して、カップの交換後にメダルの貸出数の残りである残貸出数分の投出を行うことから、メダルの投出された複数のカップの取扱いの容易性を向上させることができる。
次は、メダル貸出機10の外観構成を説明する。図2は、メダル貸出機10の外観構成を示す図である。図2は、メダル貸出機10の正面から見た図である。図2に示す通り、メダル貸出機10の前面には、硬貨投入口11a、硬貨投出口11b、紙幣投入排出口12a、表示操作部13及びメダル取出口14が配置されている。
硬貨投入口11aはメダルの貸出若しくは両替のための硬貨の投入口である。硬貨投出口11bは、メダルの貸出処理における釣銭及び両替時の両替硬貨を払い出す口である。
紙幣投入排出口12aは、紙幣の投入口と排出口を兼ねている。メダルの貸出若しくは両替のための紙幣の投入口であり、紙幣の釣銭がある場合には紙幣の払出口として機能する。
表示操作部13は、タッチパネル式のディスプレイ装置であり、遊技客に対するガイダンスメッセージの表示及び遊技客の操作のためのボタンを配置する。
メダル取出口14は、メダル貸出処理によって投出されたメダルを取り出す口である。メダル貸出処理では、まずメダル貸出機10の内部のカップ投出部15からカップが投出され、次に、投出されたカップにメダル貸出機10の内部のメダル投出部16からメダルが投出される。このメダルの投出されたカップを、カップごと取り出す口がメダル取出口14である。
次に、メダル貸出機10の実施例1に係る内部構成を説明する。図3は、メダル貸出機10の実施例1に係る内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、メダル貸出機10は、硬貨処理部11、硬貨投入口11a、硬貨投出口11b、紙幣処理部12、紙幣投入排出口12a、表示操作部13、メダル取出口14、カップ投出部15、メダル投出部16、記憶部17及び制御部18を有している。
硬貨処理部11は、硬貨投入口11aから入れられた硬貨の真贋判定、金種判定及び金額計数を実施する。また、硬貨処理部11は、制御部18からの指示により、指定された硬貨の金種ごとの金額を硬貨投出口11bに投出する。
紙幣処理部12は、紙幣投入排出口12aから入れられた紙幣の真贋判定、金種判定及び金額計数を実施する。また、紙幣処理部12は、制御部18からの指示により、指定された紙幣の金種ごとの金額を紙幣投入排出口12aに投出する。
カップ投出部15は、制御部18からの指示によりカップ投出部15の内部に収納しているカップをメダル取出口14に投出する。メダル投出部16は、制御部18からの指示によりメダル投出部16の内部に貯留されているメダルをメダル取出口に投出されたカップに投出する。また、メダル投出部16は独立にメダルの投出動作を行うホッパA16aとホッパB16bを有し、制御部18からの指示でメダル投出動作を実行する。
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部17は、硬貨紙幣預かりデータ17a、操作ボタンパラメータ17b、貸出処理パラメータ17c、メダル貸出データ17d及びカップデータ17eを記憶する。
硬貨紙幣預かりデータ17aは、処理開始時に硬貨処理部11で金額計数した硬貨の計数金額と、紙幣処理部12で金額計数した紙幣計数金額を記憶し、釣銭の支払いを含めたメダル貸出処理若しくは両替処理の終了時にはゼロクリアされる。
操作ボタンパラメータ17bは、硬貨処理部11及び紙幣処理部12で通貨の金額計数が行われた時に、表示操作部13に表示されるメダル貸出操作及び両替操作のボタンの動作パラメータの設定値情報を記憶している。貸出処理パラメータ17cは、メダル貸出処理の制御に必要なパラメータの設定値である。具体的にはメダルを投出するカップのフル値と適正値である。
メダル貸出データ17dは、遊技客が表示操作部13で指定したメダル貸出指定枚数や、メダル投出処理中の残投出枚数等を記憶する。カップデータ17eは、遊技客の指定した貸出メダル数を払い出す場合の、投出カップの総数と残数と、現在のカップへの投出予定枚数と実績枚数とを有している。
制御部18は、メダル貸出機10を全体制御する制御部であり、画面制御部18a、硬貨紙幣預かり部18b、メダル貸出制御部18c、カップ投出制御部18d、メダル投出制御部18e及び両替釣銭処理部18fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
画面制御部18aは、表示操作部13の制御を行う。画面制御部18aは、硬貨及び紙幣の投入待ちの時に表示する通常画面、硬貨及び紙幣投入後にメダル貸出金額若しくは両替の指定を行うためのメダル貸出金額指定画面、メダル貸出金額の指定後に指定内容の確認のためのメダル貸出確認画面及びメダル貸出処理中に表示するメダル貸出処理中画面の表示と画面に配置されたボタン操作の検知を行う。また、メダル貸出金額指定画面の表示においては、操作ボタンパラメータ17bに設定された内容に従って操作ボタンを構成して表示画面を生成する。
硬貨紙幣預かり部18bは、硬貨処理部11で金額計数した値を硬貨紙幣預かりデータ17aに書き込む。また、硬貨紙幣預かり部18bは、紙幣処理部12で金額計数した値を硬貨紙幣預かりデータ17aに書き込む。
メダル貸出制御部18cは、メダル貸出処理全体の制御を行う。詳細には、後述するが、メダル貸出制御部18cは、画面制御部18a、硬貨紙幣預かり部18b、カップ投出制御部18d、メダル投出制御部18e及び両替釣銭処理部18fを制御してメダル貸出処理全体を制御する。
カップ投出制御部18dは、カップ投出部15の制御を行ってカップをメダル取出口14に投出する。メダル投出制御部18eは、メダル投出部16の制御を行ってメダルをメダル取出口14のカップへ投出する。
両替釣銭処理部18fは、硬貨処理部11と紙幣処理部12を制御して両替時の両替硬貨の投出処理及び釣銭がある場合の釣銭の投出処理を実施する。
メダル貸出制御部18cによる、メダル貸出処理を説明する。まず、メダル貸出制御部18cは、画面制御部18aに硬貨及び紙幣の投入待ちの時に表示する通常画面の表示依頼を示す通常画面表示要求を行う。メダル貸出制御部18cは、通常画面表示中に硬貨紙幣預かり部18bからの硬貨若しくは紙幣の金額計数通知を受けたならば、画面制御部18aにメダル貸出金額若しくは両替の指定を行うためのメダル貸出金額指定画面の表示依頼を示すメダル貸出金額指定画面表示要求を行う。遊技客が表示されたメダル貸出金額指定画面を操作して貸出金額の指定が行われると、画面制御部18aは指定された貸出金額の情報を含む貸出金額選択通知をメダル貸出制御部18cに通知する。貸出金額選択通知を受けたメダル貸出制御部18cは、画面制御部18aにメダル貸出金額の操作内容の確認のためのメダル貸出確認画面の表示依頼を示すメダル貸出確認画面表示要求を行う。遊技客によって表示されたメダル貸出確認画面で指定内容の確認が行われると、画面制御部18aは確認応答通知をメダル貸出制御部18cに通知する。確認通知を受けたメダル貸出制御部18cは、画面制御部18aにメダル貸出処理中に表示するメダル貸出処理中画面の表示依頼を示すメダル貸出処理中画面表示要求を行う。
次に、メダル貸出制御部18cは、カップ投出制御部18dにカップの投出要求を行い、メダル投出制御部18eに投出したカップへのメダル投出要求を行う。メダル投出制御部18eは、メダルの投出処理が終了すると、メダル貸出制御部18cにメダル投出処理の結果を含むメダル投出結果応答を返却する。複数のカップへのメダルの分割投出がなければ、メダルの投出処理はこれで終了となる。釣銭がある場合には、メダル貸出制御部18cは、釣銭投出要求を両替釣銭処理部18fに行うことで釣銭を投出する。
複数のカップへのメダルの分割投出がある場合には、メダル貸出制御部18cは、メダル投出制御部18eからの投出結果応答を受け付けたならば、画面制御部18aに表示中のメダル貸出処理中画面の表示内容の更新依頼を示すメダル貸出処理中画面更新要求を行う。メダル貸出処理中画面更新要求を受け付けた画面制御部18aは、投出済みメダル枚数、残投出メダル枚数等の表示内容を更新すると伴に、メダルの投出されたカップの取出のガイダンスメッセージの表示を行う。カップが取り出されたならば、メダル貸出制御部18cは、残りのメダルの投出を継続し、カップ投出制御部18dにカップの投出要求、メダル投出制御部18eにメダル投出要求を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を受け付けたならば、釣銭がある場合には両替釣銭処理部18fに釣銭投出要求を行って一連のメダル貸出処理が終了となる。更に、カップへのメダルの分割投出がある場合には、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を受け付け以降同様の処理を繰り返す。
次に、メダル貸出機10の実施例1に係るデータ構成について説明する。図4は、メダル貸出機10の実施例1に係るデータ構成について説明するための説明図である。
操作ボタンパラメータ17bは、メダル貸出金額指定画面に表示されるメダル貸出金額/枚数若しくは両替指示のボタンの設定情報であり、ボタン番号に対応付けてボタン区分、金額及びメダル枚数が設定された情報を1レコードとする、複数レコードで構成されたデータである。図4の、操作ボタンパラメータ17bは、ボタン区分「1」に対応するボタンは、ボタン区分が「メダル貸出」で、メダルの貸出金額「500」円で、メダル「50」枚の貸出、ボタン区分「2」に対応するボタンは、ボタン区分が「メダル貸出」で、メダルの貸出金額「1000」円で、メダル「100」枚の貸出、ボタン区分「3」に対応するボタンは、ボタン区分が「メダル貸出」で、メダルの貸出金額「2000」円で、メダル「230」枚の貸出、ボタン区分「4」に対応するボタンは、ボタン区分が「メダル貸出」で、メダルの貸出金額「3000」円で、メダル「360」枚の貸出、ボタン区分「5」に対応するボタンは、ボタン区分が「メダル貸出」で、メダルの貸出金額「5000」円で、メダル「700」枚の貸出、ボタン区分「6」に対応するボタンは、ボタン区分が「両替」であることを示している。
貸出処理パラメータ17cは、カップのフル値とカップの適正値を有している。図4の貸出処理パラメータ17cは、カップのフル値が「300」枚で、カップの適正値が「250」枚であることを示している。
メダル貸出データ17dは、遊技客が指定したメダル貸出指定枚数とメダル貸出処理中の残投出枚数を有する。図4のメダル貸出データ17dは、メダル貸出指定枚数が「700」枚で、残投出枚数が「200」枚であることを示している。
カップデータ17eは、遊技客の指定した貸出メダル数を払い出す場合の、投出カップの総数を示す投出カップ数と、投出カップの残数を示す残投出カップ数と、現在のカップへの投出予定のメダル枚数を示す現カップへの投出予定枚数と、現在のカップへの投出実績のメダル枚数を示す現カップへの投出実績枚数と、カップ別の投出予定枚数とを有している。図4のカップデータ17eは、投出カップ数が「3」カップで、残投出カップ数が「1」カップで、現カップへの投出予定枚数が「200」で、現カップへの投出実績枚数が「0」で、カップ別の投出枚数は、カップ1が「250」枚、カップ2が「250」枚、カップ3が「200」枚であることを示している。
次に、メダル貸出機10のメダル貸出処理時に表示操作部13に表示される画面構成を説明する。図5は、メダル貸出機10のメダル貸出処理時に表示操作部13に表示される画面構成を示す図である。図5に示す画面は、硬貨及び紙幣の投入待ちの時に表示する(1)の通常画面、硬貨及び紙幣投入後にメダル貸出金額若しくは両替の指定を行うための(2)のメダル貸出金額指定画面、メダル貸出金額の指定後に指定内容の確認のための(3)のメダル貸出確認画面及びメダル貸出処理中に表示する(4)のメダル貸出処理中画面がある。
(1)の通常画面は、画面上部には「お金を入れてください」のメッセージが表示され、画面中央には、メダル貸出機10の正面図が表示され硬貨及び紙幣の投入口の位置を示す画像を表示する。
(2)のメダル貸出金額指定画面は、(1)の通常画面に表示されたメッセージやガイダンス画像に従って硬貨若しくは紙幣を投入口から投入したならば表示される。図に示す通り、画面上部には「メダル貸出金額、または両替を指定してください」のメッセージを表示して、画面中央にはメダル貸出金額を指定するボタンと両替を指定するボタンとを配置する。表示されるボタンは、操作ボタンパラメータ17bの設定値に従って配置され、図5に示すメダル貸出金額を指定するボタンと両替を指定するボタンは、図4の操作ボタンパラメータ17bに示した設定例に対応する画面生成例である。遊技客は図5の(2)に示すメダル貸出金額指定画面で表示されたボタンを押下することによって、メダル貸出金額の指定若しくは両替の指定をする。また、遊技客の投入した金額に対応して操作不可能なボタンは表示しないかグレーダウン表示として操作不可とする。
(3)のメダル貸出金額指定画面は、(2)のメダル貸出金額指定画面でいずれかのメダル貸出に対応するボタン押下時に表示される画面であり、(2)で指定した指定内容や金額に係る情報を表示して、遊技客に確認を促すことを目的とした画面である。図に示す通り、画面上部には「メダル貸し出してよろしいですか?」のメッセージを表示して、画面中央には、(2)のメダル貸出金額指定画面で指定したメダル貸出金額、メダル貸出枚数と投入した金額と釣銭金額を表示し、画面下部に確認結果を指定する「もどる」ボタンと「払い出す」ボタンを配置する。「もどる」ボタンが押下されると、再度(2)のメダル貸出金額指定画面に戻ってメダル貸出金額の指定若しくは両替の指定のやり直しとなる。また、「払い出す」ボタンが押下されたならば、画面中央に表示したメダル貸出枚数の投出処理と釣銭金額の投出処理を開始する。ここでは、「払い出す」ボタンの押下を条件としてメダルを払出す例を示すが、貸出金額指定画面で取引が完了したことに基づいて、その後の「払い出す」操作を条件とせずに払い出しが行われても良い。
(4)のメダル貸出処理中画面は、(3)のメダル貸出金額指定画面で「払い出す」ボタンの押下後のメダル投出処理中に表示される画面である。図5の(4)のメダル貸出処理中画面は、メダルの貸出枚数がカップのフル値を超える枚数指定した時の、途中のカップへのメダル投出が終わったタイミングで表示される画面の例を示している。図に示す通り、画面上部には「カップを取り出して下さい」のメッセージを表示して、画面中央左側にはメダル取出口14からカップを取り出す操作のガイダンス画像を表示する。また、画面中央右側には、遊技客の指定したメダル払出枚数と、メダル払出枚数から投出済メダル枚数を差し引いた残りメダル枚数と残りメダル枚数の分割投出回数に対応する残りカップ数が表示される。また画面下部右側には、「カップを取り出してください カップの取り出し後に、残りのメダルを払い出します」のメッセージが表示される。また、設定の変更によって、画面下部右側には「カップを取り出してから[払い出す]を押してください」のメッセージと「払い出す」ボタンを配置して、「払い出し」ボタンの押下によって、次のメダルの払出を行うようにすることも可能である。また、残りカップ数の表示について、設定によって残りカップ数を残りのカップ数分のイメージを表示することによって表現することも可能である。また、カップ数が一定数以上の多数となる場合には、必ずしも正確な数を表示しなくてもよく、残りカップ数が所定数以下となるまでは概数(おおよその数)を表示してもよいし、複数カップを1単位としたイメージを表示してもよい。
次に、メダル貸出機10の実施例1に係るメダル貸出処理の処理手順を説明する。図6は、メダル貸出機10の実施例1に係るメダル貸出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートが示す手順は、図5に示したメダル貸出確認画面で「払い出す」のボタンが押下されるところから、指定された貸出メダル総数のメダル投出完了までの処理手順を説明したものである。
まず、貸出確認画面で「払い出し」ボタンの押下の判定を行う(ステップS101)。「払い出し」ボタンが押下されなかった場合(ステップS101;No)には、処理を終了する。貸出確認画面で「払い出し」ボタンが押下されたならば(ステップS101;Yes)、メダル貸出制御部18cは、貸出確認画面に表示していた遊技客の指定したメダル貸出指定枚数を、メダル貸出データ17dのメダル貸出指定枚数及び残投出枚数にセットする(ステップS102)。
また、メダル貸出制御部18cは、遊技客の指定した貸出メダル枚数から、メダル払出に必要となるカップ数とそれぞれのカップに投出するメダルの枚数を算出して、カップデータ17eのデータ設定を行う(ステップS103)。具体的には、遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値以下の場合には、投出カップ数は1で、カップ別の投出予定枚数のカップ1への予定投出枚数に遊技客指定の貸出メダル枚数、カップ2以降の予定投出枚数には0を設定する。遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値を超える場合には、貸出処理パラメータ17cのカップの適正値を1カップあたりの最大投出枚数として遊技客の指定した貸出メダル枚数を投出するのに必要なカップ数を算出して投出カップ数に設定する。投出カップ数をnとした場合、カップ別の投出予定枚数のn番目のカップへの投出予定枚数(カップn)は、(遊技客の指定した貸出メダル枚数)−(貸出処理パラメータ17cのカップの適正値)×(n−1)で算出した値を設定し、n番目以外のカップの投出予定枚数には、貸出処理パラメータ17cのカップの適正値を設定する。また、カップデータ17eの残投出カップ数には投出カップ数を、現カップへの投出予定枚数にはカップ別投出予定枚数のカップ1の投出予定枚数を、現カップへの投出実績枚数には「0」を初期値として設定する。また、ここでは貸出メダル枚数の設定時に、それぞれのカップに投出枚数を算出して設定する例を示しているが、カップの抜き取りのたびに、残り投出枚数に基づいてカップに投出すべき枚数を設定してもよい。
次に、メダル貸出制御部18cは、画面制御部18aにメダル貸出処理中画面表示要求を行うことによって表示操作部13の画面表示をメダル貸出処理中画面切り替える(ステップS104)。
次に、メダル貸出制御部18cは、カップデータ17eの残投出カップ数の値の判断を行い(ステップS105)、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」である場合(ステップS105;Yes)には、遊技客のメダル貸出指定枚数が1つのカップに収まる範囲であることから、指定されたメダル貸出枚数全数の投出処理を行う(ステップS106)。具体的には、メダル貸出制御部18cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、図示しないカップ有無検知部(取出口14に設けられ、カップの有無を検知する)にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに遊技客の指定した枚数のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。また、メダル投出制御部18eは、メダルを1枚投出する毎にメダル貸出データ17dの残投出枚数から1を減算し、カップデータ17eの現カップへの投出実績枚数に1を加算し、メダル貸出処理中画面の残りメダル枚数をメダル貸出データ17dの残投出枚数に更新する。また、カップ投出制御部18dがカップを投出したにもかかわらず、カップ有無検知部にてカップが検出されない場合には、カップ投出エラーを表示してその後のメダルの投出は停止する。
次に、メダル貸出制御部18cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、メダル貸出処理中の画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS107)。また、メダル貸出制御部18cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS108)、カップが抜き取られたならば(ステップS108;Yes)、表示操作部13の画面表示内容を通常画面に戻して(ステップS109)、処理は終了となる。カップの抜取が検知されない場合(ステップS108;No)には、ステップS108に戻りカップの抜取まで待ち合わせる。
また、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」ではない場合(ステップS105;No)には、メダル貸出制御部18cは、カップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出処理を行う(ステップS110)。具体的には、メダル貸出制御部18cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、カップ有無検知部にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップにカップ適正値のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。
メダル貸出制御部18cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS111)。
メダル貸出制御部18cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS112)、カップの抜取が検知されなければ(ステップS112;No)、ステップS112に戻りカップの抜取が検知されるまで待ち合わせる。また、カップの抜取が検知されたならば(ステップS112;Yes)、カップデータ17eの残投出カップ数を1減算し、現カップへの投出予定数にカップデータ17eのカップ別の投出予定枚数の次のカップの投出予定枚数を設定し、現カップへの投出実績枚数を0にクリアする(ステップS113)。また、メダル貸出制御部18cは、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面の残りカップ数の表示を、カップデータ17eの残投出カップ数の値に更新する(ステップS114)。また、本実施例では、カップの抜取の検知時点で、残投出カップ数のデータの更新や残りカップ数の画面表示を行っているが、当該カップへのメダルの投出終了時点で実施しても良い。また、本実施形態では、メダルを投出するカップを機内から投出する例を示しているが、設定によって機外からカップを取出部にセットする運用が可能になっていてもよい。この場合、貸出メダル数が決定した後、払出ボタン操作が行われた場合には、上述したように機内からカップとメダルを投出する制御が行われるが、払出ボタン操作が行われずに、カップが取出部にセットされたことをカップ有無検知部が検知した場合、メダルのみが投出される。この場合も、各投出回のメダルの投出は上記と同様に制御される。
次にメダル貸出制御部18cは、カップデータ17eの残投出カップ数の値の判断を行い(ステップS115)、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」でない場合(ステップS115;No)には、ステップS110に移行する。カップデータ17eの残投出カップ数が「1」の場合(ステップS115;Yes)には、カップデータ17eの現カップへの投出予定枚数にセットされた数のメダルの投出処理を行う(ステップS116)。具体的には、メダル貸出制御部18cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに遊技客の指定した残りのメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせて、ステップS107に移行する。
次に、図6で示したメダル貸出機10のメダル貸出処理の中のメダル投出処理の処理手順を説明する。図7は、メダル貸出機10のメダル貸出処理の中のメダル投出処理の処理手順を示すフローチャートである。図7で説明するメダル投出処理の範囲は、図6の全数メダル投出処理(ステップS106)、カップ適正値投出処理(ステップS110)及び残投出枚数投出処理(ステップS116)の、メダル投出制御部18eが処理を行うメダル取出口14に投出されたカップにメダルを投出する部分である。
カップデータ17eの現カップへの投出予定数が所定数、例えば3以下の場合(ステップS201;Yes)には、メダル投出制御部18eは、ホッパA16a及びホッパB16bに対して、投出予定数を分割して具体的な投出数を指定して投出の要求を行って(ステップS209)、ステップS210に移行する。
カップデータ17eの現カップへの投出予定数が所定数を超えている場合(ステップS201;No)には、メダル投出制御部18eは、ホッパA16a及びホッパB16bに対して、メダルの投出処理を開始し停止をかけるまでメダルの投出処理を継続するよう指示する(ステップS202)。次に、ホッパA16aからのメダル1枚の投出通知を受け付けたならば(ステップS203;Yes)、ステップS205に移行する。また、ホッパB16bからのメダル1枚の投出通知を受け付けたならば(ステップS203;No、ステップS204;Yes)、ステップS205に移行する。ホッパA16aからもホッパB16bからもメダル1枚の投出通知を受け付けていない場合(ステップS203;No、ステップS204;No)には、ステップS203に戻り、ホッパA16aもしくはホッパB16bからのメダル1枚の投出通知の待ち合わせを行う。
ステップS205においてメダル投出制御部18eは、カップデータ17eの現カップへの投出実績数に1を加算し、メダル貸出データ17dの残投出枚数から1を減算する(ステップS205)。またメダル投出制御部18eは、画面制御部18aを使用してメダル貸出処理中画面の残メダル枚数をメダル貸出データ17dの残投出枚数の値に更新する(ステップS206)。
次に、カップデータ17eの現カップへの投出予定数と現カップへの投出実績数を比較して、(現カップへの投出予定数)−(現カップへの投出実績数)≠3の場合(ステップS207;No)には、ステップS203に戻る。(現カップへの投出予定数)−(現カップへの投出実績数)=3の場合(ステップS207;Yes)には、メダル投出制御部18eは、最後に投出の通知を受けたホッパに対して2枚、もう一方のホッパに対して1枚の投出割り当てを行う(ステップS208)。
次に、ホッパA16aからのメダル1枚の投出通知を受け付けたならば(ステップS210;Yes)、ステップS212に移行する。また、ホッパB16bからのメダル1枚の投出通知を受け付けたならば(ステップS210;No、ステップS211;Yes)、ステップS212に移行する。ホッパA16aからもホッパB16bからもメダル1枚の投出通知を受け付けていない場合(ステップS210;No、ステップS211;No)には、ステップS210に戻り、ホッパA16aもしくはホッパB16bからのメダル1枚の投出通知の待ち合わせを行う。
ステップS212においてメダル投出制御部18eは、カップデータ17eの現カップへの投出実績数に1を加算し、メダル貸出データ17dの残投出枚数から1を減算する(ステップS212)。またメダル投出制御部18eは、画面制御部18aを使用してメダル貸出処理中画面の残メダル枚数をメダル貸出データ17dの残投出枚数の値に更新する(ステップS213)。
次に、カップデータ17eの現カップへの投出予定数と現カップへの投出実績数を比較して、(現カップへの投出予定数)≠(現カップへの投出実績数)の場合(ステップS214;No)には、ステップS210に戻る。(現カップへの投出予定数)=(現カップへの投出実績数)の場合(ステップS214;Yes)には、処理を終了する。ここで、ホッパA16aおよびホッパB16bに投出枚数を具体的に分割する所定数として3を用いているが、この所定数は、(各ホッパが投出駆動中に停止指令を受けた場合に駆動を停止するまでに投出する可能性がある枚数)×(ホッパの数)を基準として、この値より数枚大きく設定することが好ましい。この場合、ホッパの投出駆動中に投出口の前に位置するメダル(1枚)は、駆動停止信号を送信しても投出されてしまう可能性があるため、各ホッパについて1枚、計2枚以上の枚数として3枚が設定されている。この所定値は、ホッパの数および性能に応じて設定することができる。本実施例のメダル貸機のホッパにおいては、複数のホッパを設け、残り枚数が所定値になるまでは、いずれものホッパが駆動を続けるため、投出の途上でいずれかのホッパに投出障害が生じたとしても、残りのホッパにて残枚数を投出し続けることができる。この事により、メダルの投出を迅速に行うことができる。本実施例ではホッパは2つであるが、3つ以上のホッパを設けても良い。また、複数カップを投出する場合は、最終カップ以外は正確にメダル数を分配する必要がないため、最終カップ以外の払出制御においては、投出予定数の全枚数をカウントするまで投出数の分配は行わず双方のホッパにて投出を行い、最終カップについてのみ、所定値以下となったときの分配制御を行っても良い。
上述してきたように、本実施例1では、遊技媒体の貸出数と容器の最大収容数とを比較して、遊技媒体の貸出数が最大収容数以下である場合には、容器に対して遊技媒体の貸出数の全てを投出し、遊技媒体の貸出数が最大収容数を超える場合には、最大収容数よりも少ない分割投出上限数を1容器あたりに遊技媒体を投出する上限数として、1回又は複数回の分割投出上限数での容器への遊技媒体の投出と1回の分割投出上限数以下の数での容器への遊技媒体の投出を行うよう構成したので、遊技媒体貸出機で容器の最大収容数を超える遊技媒体の貸出処理を行った時の、遊技媒体の投出された複数の容器の取扱いの容易性を向上させることができる。
実施例1では、貸出メダル数がカップのフル値を超える場合には、カップにメダルを投出する上限値であるカップ適正値を設け、1回若しくは複数回のカップ適正値のメダルの投出とカップ適正値以下でのメダルの投出の組合せで、メダルの貸出処理を行った。実施例2では、貸出メダル数がカップのフル値を超える場合に、カップにメダルを投出する上限値であるカップ適正値を設け、複数回に分割される投出処理に関して毎回の投出される枚数をできるだけ均等に近い配分で投出する例を説明する。
まず、メダル貸出機110の実施例2に係る内部構成を説明する。図8は、メダル貸出機110の実施例2に係る内部構成を示すブロック図である。また、図8に示す、メダル貸出機110の内部構成では、実施例1で説明したメダル貸出機10と同じ部分については実施例1のメダル貸出機10と同じ符号をつけ、同じ部分の説明は省略して、変更になっている部分を中心に説明する。
実施例1に比較して変更となっているのは、制御部18のメダル貸出制御部118cだけである。制御部18のメダル貸出制御部118cは、実施例1と比較すると複数個のカップに分割して投出する時の各カップへのメダルの投出枚数が異なる。実施例1では、カップのフル値を超える枚数のメダルを貸し出す時には、投出された複数カップはメダル枚数がカップの適正値以下のカップを1つとカップ適正値のカップが1つ若しくは複数の組み合わせで構成されたが、実施例2では複数カップに投出されるメダル枚数がカップの適正値以下のなるべく均等な枚数となるように、カップ毎のメダル投出枚数を決定する。詳細な処理手順は後述する。
次に、メダル貸出機110の実施例2に係るメダル貸出処理の処理手順を説明する。図9は、メダル貸出機110の実施例2に係るメダル貸出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートが示す手順は、図5に示したメダル貸出確認画面で「払い出す」のボタンが押下されるところから、指定されたメダル総数のメダル投出完了までの処理手順を説明したものである。
まず、貸出確認画面で「払い出し」ボタンの押下の判定を行う(ステップS301)。「払い出し」ボタンが押下されなかった場合(ステップS301;No)には、処理を終了する。貸出確認画面で「払い出し」ボタンが押下されたならば(ステップS301;Yes)、メダル貸出制御部118cは、貸出確認画面に表示していた遊技客の指定したメダル貸出指定枚数を、メダル貸出データ17dのメダル貸出指定枚数及び残投出枚数にセットする(ステップS302)。
また、メダル貸出制御部118cは、遊技客の指定した貸出メダル枚数から、メダル払出に必要となるカップ数とそれぞれのカップに投出するメダルの枚数を算出して、カップデータ17eのデータ設定を行う(ステップS303)。具体的には、遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値以下の場合には、投出カップ数は1で、カップ別の投出予定枚数のカップ1への予定投出枚数に遊技客指定の貸出メダル枚数、カップ2以降の予定投出枚数には0を設定する。遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値を超える場合には、貸出処理パラメータ17cのカップの適正値を1カップあたりの最大投出枚数として遊技客の指定した貸出メダル枚数を投出するのに必要なカップ数を算出して投出カップ数に設定する。投出カップ数をnとした場合、カップ1〜カップ(n−1)の投出予定枚数は、(遊技客の指定した貸出メダル枚数)÷nで求めた値の小数点以下を切り上げた値を設定し、カップnの投出予定枚数には遊技客の指定した貸出メダル枚数からカップ1〜カップ(n−1)の投出予定枚数を差し引いた値を設定する。また、カップデータ17eの残投出カップ数には投出カップ数を、現カップへの投出予定枚数にはカップ別投出予定枚数のカップ1の投出予定枚数を、現カップへの投出実績枚数には「0」を初期値として設定する。また、ここでは貸出メダル枚数の設定時に、それぞれのカップに投出枚数を算出して設定する例を示しているが、カップの抜き取りのたびに、残り投出枚数に基づいてカップに投出すべき枚数を設定してもよい。
次に、メダル貸出制御部118cは、画面制御部18aにメダル貸出処理中画面表示要求を行うことによって表示操作部13の画面表示をメダル貸出処理中画面切り替える(ステップS304)。
次に、メダル貸出制御部118cは、カップデータ17eの残投出カップ数の値の判断を行い(ステップS305)、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」である場合(ステップS305;Yes)には、遊技客のメダル貸出指定枚数が1つのカップに収まる範囲であることから、指定されたメダル貸出枚数全数の投出処理を行う(ステップS306)。具体的には、メダル貸出制御部118cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、図示しないカップ有無検知部(取出口14に設けられ、カップの有無を検知する)にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに遊技客の指定した枚数のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。また、メダル投出制御部18eは、メダルを1枚投出する毎にメダル貸出データ17dの残投出枚数から1を減算し、カップデータ17eの現カップへの投出実績枚数に1を加算し、メダル貸出処理中画面の残りメダル枚数をメダル貸出データ17dの残投出枚数に更新する。また、カップ投出制御部18dがカップを投出したにもかかわらず、カップ有無検知部にてカップが検出されない場合には、カップ投出エラーを表示してその後のメダルの投出は停止する。
次に、メダル貸出制御部118cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、メダル貸出処理中の画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS307)。また、メダル貸出制御部118cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS308)、カップが抜き取られたならば(ステップS308;Yes)、表示操作部13の画面表示内容を通常画面に戻して(ステップS309)、処理は終了となる。カップの抜取が検知されない場合(ステップS308;No)には、カップの抜取まで待ち合わせる。
また、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」ではない場合(ステップS305;No)には、メダル貸出制御部118cは、カップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出処理を行う(ステップS310)。具体的には、メダル貸出制御部118cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、カップ有無検知部にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに均等投出枚数のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。
メダル貸出制御部118cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS311)。
メダル貸出制御部118cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS312)、カップの抜取が検知されなければ(ステップS312;No)、ステップS112に戻りカップの抜取が検知されるまで待ち合わせる。また、カップの抜取が検知されたならば(ステップS312;Yes)、カップデータ17eの残投出カップ数を1減算し、現カップへの投出予定数にカップデータ17eのカップ別の投出予定枚数の次のカップの投出予定枚数を設定し、現カップへの投出実績枚数を0にクリアする(ステップS313)。また、メダル貸出制御部118cは、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面の残りカップ数の表示を、カップデータ17eの残投出カップ数の値に更新する(ステップS314)。また、本実施例では、カップの抜取の検知時点で、残投出カップ数のデータの更新や残りカップ数の画面表示を行っているが、当該カップへのメダルの投出終了時点で実施しても良い。また、本実施形態では、メダルを投出するカップを機内から投出する例を示しているが、設定によって機外からカップを取出部にセットする運用が可能になっていてもよい。この場合、貸出メダル数が決定した後、払出ボタン操作が行われた場合には、上述したように機内からカップとメダルを投出する制御が行われるが、払出ボタン操作が行われずに、カップが取出部にセットされたことをカップ有無検知部が検知した場合、メダルのみが投出される。この場合も、各投出回のメダルの投出は上記と同様に制御される。
次にメダル貸出制御部118cは、カップデータ17eの残投出カップ数の値の判断を行い(ステップS315)、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」でない場合(ステップS315;No)には、ステップS310に移行する。カップデータ17eの残投出カップ数が「1」の場合(ステップS315;Yes)には、カップデータ17eの現カップへの投出予定枚数にセットされた数のメダルの投出処理を行う(ステップS316)。具体的には、メダル貸出制御部118cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに遊技客の指定した残りのメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせて、ステップS307に移行する。
上述してきたように、本実施例2では、遊技媒体の貸出数と容器の最大収容数とを比較して、遊技媒体の貸出数が最大収容数以下である場合には、容器に対して遊技媒体の貸出数の全てを投出し、遊技媒体の貸出数が最大収容数を超える場合には、最大収容数よりも少ない分割投出上限数を1容器あたりに遊技媒体を投出する上限数として、できる限り少ない数の容器に、できる限り均等な数の遊技媒体を投出するよう構成したので、遊技媒体貸出機で容器の最大収容数を超える遊技媒体の貸出処理を行った時の、遊技媒体の投出された複数の容器の取扱いの容易性を向上させることができる。
実施例1及び実施例2では、貸出メダル数がカップのフル値を超える場合に、複数のカップに分割してメダルを投出し、全てのカップに対しての投出上限値であるカップ適正値以下となるように制御する方法を説明してきた。しかし、メダルの貸出枚数がカップ適正値の整数倍をわずかに超える場合には、この微少超過分だけが別のカップに投出されることとなる。実施例3では、貸出メダル数がカップのフル値を超えることにより複数カップに分割して投出される場合に、最後のカップ適正値の投出処理においてこの微少超過分を含めてもカップのフル値以下の場合には、この微少超過分を含めて投出する実施例を説明する。
まず、メダル貸出機210の実施例3係る内部構成を説明する。図10は、メダル貸出機210の実施例3係る内部構成を示すブロック図である。図10に示す、メダル貸出機210の内部構成では、実施例1で説明したメダル貸出機10と同じ部分については実施例1のメダル貸出機10と同じ符号をつけ、同じ部分の説明は省略して、変更になっている部分を中心に説明する。
実施例1に比較して変更となっているのは、制御部18のメダル貸出制御部218cだけである。制御部18のメダル貸出制御部218cは、実施例1と比較すると複数個のカップに分割して投出する時の各カップへのメダルの投出枚数が異なる。実施例1では、カップのフル値を超える枚数のメダルを貸し出す時には、1つ若しくは複数カップにカップ適正値のメダル投出を行い、最後のカップにカップの適正値以下のメダル投出を行ったが、実施例3では、実施例1の方法で最後のカップへの投出枚数が(カップフル値)−(カップ適正値)で求められる値以下の小さな値の場合には、実施例1で示した最後のカップと最後の1つ前のカップとに投出するメダルの数の合計がカップフル値以下であることから、これをまとめて1つのカップへ投出することとした。具体的な処理手順は図11で説明する。
次に、メダル貸出機210の実施例3に係るメダル貸出処理の処理手順を説明する。図11は、メダル貸出機210の実施例3に係るメダル貸出処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートが示す手順は、図5に示したメダル貸出確認画面で「払い出す」のボタンが押下されるところから、指定されたメダル総数のメダル投出完了までの処理手順を説明したものである。
まず、貸出確認画面で「払い出し」ボタンの押下の判定を行う(ステップS401)。「払い出し」ボタンが押下されなかった場合(ステップS401;No)には、処理を終了する。貸出確認画面で「払い出し」ボタンが押下されたならば(ステップS401;Yes)、メダル貸出制御部218cは、貸出確認画面に表示していた遊技客の指定したメダル貸出指定枚数を、メダル貸出データ17dのメダル貸出指定枚数及び残投出枚数にセットする(ステップS402)。
また、メダル貸出制御部218cは、遊技客の指定した貸出メダル枚数から、メダル払出に必要となるカップ数とそれぞれのカップに投出するメダルの枚数を算出して、カップデータ17eのデータ設定を行う(ステップS403)。具体的には、遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値以下の場合には、投出カップ数は1で、カップ別の投出予定枚数のカップ1への予定投出枚数に遊技客指定の貸出メダル枚数、カップ2以降の予定投出枚数には0を設定する。遊技客の指定した貸出メダル枚数が貸出処理パラメータ17cのカップのフル値を超える場合には、[(遊技客の指定した貸出枚数)−(カップのフル値)+(カップの適正値)]÷(カップの適正値)で得られる値の少数点以下を切り上げた値を投出カップ数に設定する。投出カップ数をnとした場合、カップ別の投出予定枚数のn番目のカップへの投出予定枚数(カップn)は、(遊技客の指定した貸出メダル枚数)−(貸出処理パラメータ17cのカップの適正値)×(n−1)で算出した値を設定し、n番目以外のカップの投出予定枚数には、貸出処理パラメータ17cのカップの適正値を設定する。また、カップデータ17eの残投出カップ数には投出カップ数を、現カップへの投出予定枚数にはカップ別投出予定枚数のカップ1の投出予定枚数を、現カップへの投出実績枚数には「0」を初期値として設定する。また、ここでは貸出メダル枚数の設定時に、それぞれのカップに投出枚数を算出して設定する例を示しているが、カップの抜き取りのたびに、残り投出枚数に基づいてカップに投出すべき枚数を設定してもよい。
次に、メダル貸出制御部218cは、画面制御部18aにメダル貸出処理中画面表示要求を行うことによって表示操作部13の画面表示をメダル貸出処理中画面切り替える(ステップS404)。
次に、メダル貸出制御部218cは、カップデータ17eの残投出カップ数の値の判断を行い(ステップS405)、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」である場合(ステップS405;Yes)には、残投出枚数が1つのカップに収まる範囲であることから、残投出枚数の全数の投出処理を行う(ステップS406)。具体的には、メダル貸出制御部218cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、図示しないカップ有無検知部(取出口14に設けられ、カップの有無を検知する)にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップに残投出枚数のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。また、メダル投出制御部18eは、メダルを1枚投出する毎にメダル貸出データ17dの残投出枚数から1を減算し、カップデータ17eの現カップへの投出実績枚数に1を加算し、メダル貸出処理中画面の残りメダル枚数をメダル貸出データ17dの残投出枚数に更新する。また、カップ投出制御部18dがカップを投出したにもかかわらず、カップ有無検知部にてカップが検出されない場合には、カップ投出エラーを表示してその後のメダルの投出は停止する。
次に、メダル貸出制御部218cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、メダル貸出処理中の画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS407)。また、メダル貸出制御部218cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS408)、カップが抜き取られたならば(ステップS408;Yes)、表示操作部13の画面表示内容を通常画面に戻して(ステップS409)、処理は終了となる。カップの抜取が検知されない場合(ステップS408;No)には、カップの抜取まで待ち合わせる。
また、カップデータ17eの残投出カップ数が「1」ではない場合(ステップS405;No)には、メダル貸出制御部218cは、カップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出処理を行う(ステップS410)。具体的には、メダル貸出制御部218cは、カップ投出制御部18dにカップ投出要求を行うことによってメダル取出口14にカップを投出し、カップ有無検知部にて取出口14にカップの存在が検知されたなら、メダル投出制御部18eにカップデータ17eの現カップへの投出予定枚数のメダル投出要求を行うことによってメダル取出口14に投出されたカップにカップ適正値のメダルの投出処理を行い、メダル投出制御部18eからのメダル投出結果応答を待ち合わせる。
メダル貸出制御部218cは、メダル投出制御部18eからメダル投出結果応答を受けると、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面にカップ抜取の旨のメッセージの表示を行う(ステップS411)。
メダル貸出制御部218cは、カップ有無検知部にてカップの抜取の監視を行い(ステップS412)、カップの抜取が検知されなければ(ステップS412;No)、ステップS412に戻りカップの抜取が検知されるまで待ち合わせる。また、カップの抜取が検知されたならば(ステップS412;Yes)、カップデータ17eの残投出カップ数を1減算し、現カップへの投出予定数にカップデータ17eのカップ別の投出予定枚数の次のカップの投出予定枚数を設定し、現カップへの投出実績枚数を0にクリアする(ステップS413)。また、メダル貸出制御部218cは、画面制御部18aに要求してメダル貸出処理中画面の残りカップ数の表示を、カップデータ17eの残投出カップ数の値に更新して(ステップS414)、ステップS405に移行する。また、本実施例では、カップの抜取の検知時点で、残投出カップ数のデータの更新や残りカップ数の画面表示を行っているが、当該カップへのメダルの投出終了時点で実施しても良い。また、本実施形態では、メダルを投出するカップを機内から投出する例を示しているが、設定によって機外からカップを取出部にセットする運用が可能になっていてもよい。この場合、貸出メダル数が決定した後、払出ボタン操作が行われた場合には、上述したように機内からカップとメダルを投出する制御が行われるが、払出ボタン操作が行われずに、カップが取出部にセットされたことをカップ有無検知部が検知した場合、メダルのみが投出される。この場合も、各投出回のメダルの投出は上記と同様に制御される。
上述してきたように、本実施例3では、遊技媒体の貸出数と容器の最大収容数とを比較して、遊技媒体の貸出数が最大収容数以下である場合には、容器に対して遊技媒体の貸出数の全てを投出し、遊技媒体の貸出数が最大収容数を超える場合には、最大収容数よりも少ない分割投出上限数を1容器あたりに遊技媒体を投出する上限数として、1回若しくは複数回の分割投出上限数での容器への遊技媒体の投出と、最後の容器への容器の最大収容数以下の数の遊技媒体の投出を行うよう構成したので、遊技媒体貸出機で容器の最大収容数を超える遊技媒体の貸出処理を行った時の、遊技媒体の投出された複数の容器の取扱いの容易性を向上させることができる。また、全ての容器の投出枚数を分割投出上限数とするケースと比較すると、最後の容器への投出枚数が少ない場合には、その前の容器に含めて投出することから、分割投出の容器数が1つ少なくなることや少ない投出枚数の入った容器がなくなることも、さらに投出された複数の容器の取扱いの容易性の向上に寄与する。
なお、上述の本実施例1、2及び3では、メダルを投出するカップのフル値及びカップの適正値に具体的な数値をあげて説明をおこなってきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カップのフル値はカップの形状/材質、メダルの形状などで決定され、カップの適正値は、カップの形状/材質、メダルの形状に加えてカップの利用形態及び遊技客層なども考慮して決定するものである。
また、上述の本実施例1、2及び3では、メダルを遊技媒体とするケースの実施例を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダル以外のコイン、トークン及び玉等の別の遊技媒体の貸出装置に対して本発明内容を適用しても良い。
また、上述の本実施例1、2及び3では、遊技媒体の貸出処理における遊技媒体の投出処理に関する実施例を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体を貯遊技媒体として管理する貯遊技媒体管理システムにおいて、貯遊技媒体の払い出し時の遊技媒体の投出処理に適用しても良い。
また、上述の本実施例1、2及び3では、複数のカップに分割してメダルを投出する場合に、それぞれのカップへの投出枚数について、最後のカップ以外は全てカップの適正値以下となるよう決定する構成としたが、メダル貸出装置内にストックされているカップの残数がニアエンド値以下になっている場合に、上述の本実施例1、2及び3で示したカップ分割の方法ではカップが不足となり、最初のカップについてはてカップの適正値、それ以外のカップについてはカップのフル値を、各カップあたりの最大投出枚数とすることによって、カップが不足とならないのであれば、最初のカップ以外にはカップのフル値を投出するようにしても良い。
また、上述の本実施例1、2及び3では、画面構成を含めた実施例を説明してきたが、画面構成は一例であり本発明はこれに限定されるものではなく、画面の種類及び各画面の構成を本実施例1、2及び3の中で説明した画面と違う構成としても良い。
また、上述の本実施例1、2及び3で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成であることを要しない。すなわち、制御部内の各処理部、記憶部内の各データ及びその他の機能部の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。