本発明に係る角膜内皮細胞撮影装置の一実施例としての角膜内皮細胞撮影装置10を、図1から図25を用いて説明する。角膜内皮細胞撮影装置10は、図1および図2に示すように、被検眼E(図4等参照)の角膜内皮細胞を撮影するものである。この被検眼E(図4等参照)については、各図において、角膜(前眼部)Ecおよび角膜頂点Epを模式的に示している。また、被検眼Eについては、図10および図11では、角膜(前眼部)Ecにおける空気との境界面(角膜表皮)S1と、角膜内皮S2と、角膜実質S3と、を示している。なお、図4では、理解容易のために、角膜内皮細胞撮影装置10の光学系における各光路において、照明光束や反射光束を2つ並列させて記載しているが、実際には基本的に各光軸(O1、O2、O3)上を進行するものであり、実際の場面と必ずしも一致するものではない。
この角膜内皮細胞撮影装置10は、ベース11に駆動部12(図3参照)を介して装置本体部13が移動可能に設けられて構成されている。その装置本体部13には、内方に後述する角膜内皮細胞撮影装置10の光学系(図4参照)が設けられ、外方に表示部14、顎受部15および額当部16が設けられている。
その表示部14は、液晶ディスプレイで形成されており、後述する制御部21(図3参照)の制御下で、被検眼Eの前眼部像の前眼部像画像E´(図7等参照)や角膜内皮細胞画像J(図15等参照)や各種の操作画面(図18から図20等参照)や測定結果(図21等参照)や測定状態標示記号70(図22等参照)等を表示させる。表示部14は、本実施例では、タッチパネルの機能を搭載しており、角膜内皮細胞を撮影するための操作や、装置本体部13を移動するための操作や、角膜内皮細胞S2cを撮影する順序を設定する操作等を行うことが可能とされている。また、表示部14は、タッチパネルの機能を利用して、後述する各測定モードにおいて操作のためのアイコンとしての各種の記号(符号51から符号55等(図18から図21等参照))を表示し、当該各記号に触れることによる操作を可能としている。なお、測定を行うための操作は、測定スイッチを設けて、当該測定スイッチの操作により行うものであってもよい。また、装置本体部13を移動するための操作は、コントロールレバーや移動操作スイッチを設けて、当該コントロールレバーや当該移動操作スイッチの操作により行うものであってもよい。
顎受部15および額当部16は、測定時に装置本体部13に対して被検者(患者)の顔、すなわち被検眼Eの位置を固定するものであり、ベース11に固定されて設けられている。その顎受部15は、被検者が顎を載せる箇所となり、額当部16は、当該被検者が額を宛がう箇所となる。装置本体部13では、顎受部15と額当部16とにより被検者の顔を固定すると、当該被検者の被検眼Eが対向位置17(図1参照)に対向される。この対向位置17(図1参照)には、後述する対物窓33hと後述する対物窓34kと後述する対物窓35iと(図5等参照)が設けられており、角膜内皮細胞撮影装置10の光学系による被検眼Eの測定を可能としている。
この角膜内皮細胞撮影装置10では、表示部14と、顎受部15および額当部16と、が、装置本体部13を挟んで両側に設けられており、通常の使用時(図2参照)において、表示部14(その表示面14a)が検者の側となり、顎受部15および額当部16が被検者の側となる。その表示部14は、装置本体部13に回転自在に支持されており、表示面14aの向きを変更すること、例えば、表示面14aを被検者側に向けることや(図1に二点鎖線で示す表示部14(表示面14a)参照)、表示面14aを側方(X軸方向)に向けることが可能とされている。そして、制御部21(図3参照)は、表示部14における表示面14aの向きがどうような状態であるのかを検出することが可能とされている。その装置本体部13は、駆動部12により、ベース11に対して移動すること、すなわち顎受部15と額当部16とにより固定された被検眼E(被検者の顔)に対して移動することが可能とされている。
その駆動部12は、装置本体部13をベース11に対して、上下方向(Y軸方向)と、前後方向(Z軸方向(通常の使用時に表示部14の表示面14aに直交する方向))と、それらに直交する左右方向(X軸方向)と、に移動させる。なお、この実施例では、上下方向の上側をY軸方向の正側とし、前後方向の被検者側(図1を正面視して左手前側)をZ軸方向の正側とし、左右方向において図1を正面視して右手前側をX軸方向の正側とする(図1およびの矢印参照)。本実施例では、駆動部12は、図3に示すように、Xモータ12aとYモータ12bとZモータ12cとを有し、それぞれを駆動させるためのXドライバ12dとYドライバ12eとZドライバ12fとを有する。
Xモータ12aは、ベース11に対して装置本体部13をX軸方向(左右方向)へと移動(変位)させる。換言すると、Xモータ12aは、駆動部12において、装置本体部13をX軸方向(左右方向)への移動させるための構成となる。このXモータ12aは、制御部21によりXドライバ12dが制御されることで適宜駆動される。
Yモータ12bは、ベース11に対して装置本体部13をY軸方向(上下方向)へと移動(変位)させる。換言すると、Yモータ12bは、駆動部12において、装置本体部13をY軸方向(上下方向)への移動させるための箇所となる。このYモータ12bは、制御部21によりYドライバ12eが制御されることで適宜駆動される。
Zモータ12cは、ベース11に対して装置本体部13をZ軸方向(前後方向)へと移動(変位)させる。換言すると、Zモータ12cは、駆動部12において、装置本体部13をZ軸方向(前後方向)への移動させるための箇所となる。このZモータ12cは、制御部21によりZドライバ12fが制御されることで適宜駆動される。
このため、駆動部12は、Xモータ12aとYモータ12bとZモータ12cとを適宜駆動することにより、ベース11に対して装置本体部13を上下方向(Y軸方向)、前後方向(Z軸方向)、および左右方向(X軸方向)に適宜移動させる。換言すると、制御部21は、駆動部12を適宜駆動制御する、すなわちXドライバ12dとYドライバ12eとZドライバ12fとを介してXモータ12aとYモータ12bとZモータ12cとを適宜駆動することにより、ベース11に固定された顎受部15および額当部16に対して装置本体部13を適宜移動させることができる。
その制御部21は、角膜内皮細胞撮影装置10における電気制御系を構成するものであり、内蔵する記憶部21aに格納されたプログラムにより角膜内皮細胞撮影装置10の各部を統括的に制御する。制御部21は、後述するように、合焦判断回路22からの合焦信号やアライメント判定回路23からのずれ量信号に基づいて、駆動部12を適宜駆動制御してベース11に対する装置本体部13の位置を調整する。また、制御部21は、後述する前眼部観察光学系33(図4参照)の撮像素子33gが取得した画像に基づいて表示部14(その表示面14a)にその画像を表示させる。さらに、制御部21は、後述する前眼部照明光源31、アライメント指標光源36a、撮影用光源34g、観察用光源34c、各外部周辺固視光源32、中心固視光源38a、各内部周辺固視光源38bにそれぞれ接続されており、これらの各光源の発光を適宜制御する。
その装置本体部13には、上述したように、内方に角膜内皮細胞撮影装置10における光学系の構成も設けられている。その角膜内皮細胞撮影装置10の光学系の構成について、図3に加えて図4から図15を用いて説明する。角膜内皮細胞撮影装置10は、図4に示すように、前眼部照明光源31と、外部周辺固視光源32と、前眼部観察光学系33と、角膜内皮細胞照明光学系(スリット光照射光学系)34と、角膜内皮細胞撮影光学系35と、を備える。
前眼部照明光源31は、被検眼Eの前眼部を照明するための光源である。この前眼部照明光源31は、装置本体部13における前後方向の被検者側(Z軸方向の正側)の端部となる対向位置17(図1および図2参照)において、図5に示すように、後述する対物窓33hの外方において前眼部観察光学系33の光軸O1を取り囲むように複数個(本実施例では4つ)設けられている。各前眼部照明光源31は、点灯されることで前眼部を直接照明する。
外部周辺固視光源32は、被検眼Eに固視点を投影(提示)するための光源である。この外部周辺固視光源32は、装置本体部13の対向位置17において、後述する対物窓33hの外方において前眼部観察光学系33の光軸O1を取り囲むように複数個(本実施例では6つ)設けられている。各外部周辺固視光源32は、点灯されることで被検眼Eに固視点(図9(c)の符号fo参照)を投影し、被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線を固定する。この各外部周辺固視光源32は、対物窓33hを取り囲んで設けられていることから、後述する内部固視点投影光学系38が対物窓33h上に形成する各固視点(中心固視点fc(図9(a)参照)および内側周辺固視点fi(図9(b)参照))よりも外方に位置する。このため、各外部周辺固視光源32は、最も外側の位置に6つの外側周辺固視点foを形成することができる(図9(c)参照)。このことから、各外部周辺固視光源32は、いずれか1つを点灯させて形成した1つの外側周辺固視点foを注視させることにより、前眼部観察光学系33の対物窓33hの外方でかつ光軸O1から大きく外れた位置で当該光軸O1を中心とする任意の回転位置(この例では6つのいずれか)に、被検者の視線を固定することができる。なお、この6つの外側周辺固視点foは、個別に示す際には図9(c)を正面視して右斜め上側のものから反時計回り方向の順に小文字のアルファベット(a〜f)を符号foの後に付して示す。
前眼部観察光学系33は、図4に示すように、被検眼Eの前眼部を観察するために設けられている。この前眼部観察光学系33には、アライメント指標投影光学系36と、アライメント検出光学系37と、内部固視点投影光学系38と、が設けられている。そのアライメント指標投影光学系36は、被検眼E(その前眼部(角膜Ec))の装置本体部13(角膜内皮細胞撮影装置10の光学系)に対するXY方向の位置の調節、いわゆるXY方向のアライメントを検出するためのアライメント指標を投影するものである。アライメント検出光学系37は、被検眼E(その前眼部(角膜Ec))の装置本体部13(角膜内皮細胞撮影装置10の光学系)に対するXY方向の位置の調節、いわゆるXY方向のアライメントを検出するものである。内部固視点投影光学系38は、前眼部観察光学系33の光路上において、被検眼Eに固視点(中心固視点fc(図9(a)参照)および内側周辺固視点fi(図9(b)参照))を投影(提示)するものである。
角膜内皮細胞照明光学系(スリット光照射光学系)34は、被検眼Eの角膜内皮S2(その角膜内皮細胞S2c(図10参照))を照明するために設けられている。角膜内皮細胞撮影光学系35は、角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影するために設けられている。その角膜内皮細胞撮影光学系35には、合焦位置検出光学系(Zアライメント検出光学系)39が設けられている。その合焦位置検出光学系39は、被検眼E(その前眼部(角膜Ec))の装置本体部13(角膜内皮細胞撮影装置10の光学系)に対するZ方向の位置の調節、いわゆるZ方向のアライメントを検出するためのアライメントを検出するものである。
[前眼部観察光学系]
前眼部観察光学系33は、光軸O1上に、ハーフミラー33aと、対物レンズ33bと、ハーフミラー33cと、絞り33dと、結像レンズ33eと、遮光板33fと、撮像素子33gと、対物窓33h(図5等参照)と、を有する。その遮光板33fは、前眼部照明光源31からの照明光(照明光束)が角膜Ecで反射された反射光(反射光束)や、アライメント指標投影光学系36の後述するアライメント指標光源36aからの照明光(照明光束)が角膜Ecで反射された反射光(反射光束)の透過を阻む(遮光する)ことのできる部材で形成されている。遮光板33fは、図示を略す移動機構により、光軸O1上に存在することと、光軸O1上から離脱することと、が可能とされている。その移動機構は、制御部21(図3参照)の制御下で適宜駆動されることで遮光板33fを上述したように変位させる。この移動機構は、例えば、ソレノイド等を用いて構成することができる。対物窓33h(図5等参照)は、装置本体部13における前後方向の被検者側(Z軸方向の正側)の端部となる対向位置17において光軸O1上に設けられ、測定時において被検眼E(その前眼部(角膜Ec))と正対される。撮像素子33gは、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されており、受光面上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して制御部21(図3参照)に出力する。
この前眼部観察光学系33では、前眼部照明光源31からの照明光の角膜Ecによる反射光束を、対物窓33h(図5等参照)およびハーフミラー33aを透過させて対物レンズ33bに導く。前眼部観察光学系33では、その反射光束を対物レンズ33bで集束し、その反射光束の一部をハーフミラー33cおよび絞り33dを経た後に結像レンズ33eへと導き、その結像レンズ33eにより撮像素子33g上に結像する。これにより、撮像素子33g上には被検眼Eの前眼部像が形成される。その撮像素子33gは、結像された反射光束(前眼部像)の受光に基づく受光信号を制御部21(図3参照)へと出力する。
この前眼部観察光学系33に設けられたアライメント指標投影光学系36は、アライメント指標光源36aと投影レンズ36bとハーフミラー36cとレンズ36dとを有し、前眼部観察光学系33とハーフミラー33aおよび対物窓33h(図5等参照)を共用している。アライメント指標光源36aは、アライメント指標を形成するための光源、すなわちアライメント指標光(照明光束)を出射する光源であり、ピンホール状の光源(点光源)とされている。このアライメント指標光源36aは、投影レンズ36bとレンズ36dとのレンズの組み合わせにおける焦点位置に配置されている。その投影レンズ36bとレンズ36dとは、アライメント指標光源36aから射出されたアライメント指標光を平行光束とする。ハーフミラー36cは、光軸O4上に設けられ、アライメント指標光源36aから出射されて投影レンズ36bを経たアライメント指標光を光軸O4上に進行させてハーフミラー33aへと導く。このアライメント指標投影光学系36では、ハーフミラー36cを介しつつ投影レンズ36bとレンズ36dとで平行光束とした光軸O4上のアライメント指標光を、ハーフミラー33aで反射することで、前眼部観察光学系33の光軸O1上に進行させる。そのアライメント指標光は、対物窓33h(図5等参照)を経て、被検眼Eの角膜Ecに導かれる。これにより、アライメント指標投影光学系36は、角膜頂点Epと角膜曲率中心Q3の略中間位置に、アライメント指標光の虚像Rを形成する(図6参照)。
アライメント検出光学系37は、アライメント検出センサ37aを有し、前眼部観察光学系33とハーフミラー33a、対物レンズ33b、ハーフミラー33cおよび対物窓33h(図5等参照)を共用している。アライメント検出センサ37aは、アライメント指標投影光学系36が形成するアライメント指標光の虚像R(図6参照)(その像R´(図示せず))の位置を検出するものである。このアライメント検出センサ37aは、位置検出手段としてのポジションセンサで構成されており、本実施例では2次元PSDを用いている。アライメント検出センサ37aは、対物レンズ33bに関して、アライメント指標光の虚像R(図6参照)と共役な位置に配置されている。ここで、前眼部観察光学系33では、アライメント指標光が角膜Ecで反射された反射光(その光束)を光軸O1上に進行させて対物窓33h(図5等参照)を経て対物レンズ33bに導き、その対物レンズ33bを経てハーフミラー33cに進行させる。アライメント検出光学系37では、光軸O1上に進行するアライメント指標光の反射光束の一部をハーフミラー33cで反射して、アライメント検出センサ37a上に結像(アライメント指標光の虚像Rの像R´(図示せず))させる。このアライメント検出光学系37では、アライメント検出センサ37aによる図示を略す像R´の受光信号に基づいて、当該アライメント検出センサ37a上での像R´の受光位置を検出する。これにより、アライメント検出光学系37では、被検眼Eに対するアライメント指標光すなわち装置本体部13のX−Y方向(左右方向および上下方向)のズレ量を検出することを可能とする。
この前眼部観察光学系33では、上述したように前眼部照明光源31からの照明光の角膜Ecによる反射光束を、撮像素子33g上に結像(被検眼Eの前眼部像E´)させる。また、前眼部観察光学系33では、光軸O1上に進行するアライメント指標光の反射光束の他部がハーフミラー33cを透過することにより、アライメント指標光の虚像Rによる像R´´を撮像素子33g上に形成することができる。そして、前眼部観察光学系33では、被検眼Eと装置本体部13(角膜内皮細胞撮影装置10の光学系)とのアライメントが概ね合っているとき、アライメント指標光の虚像Rによる虚像像R´´を、被検眼Eの前眼部像E´とともに撮像素子33g上に同時に形成する。その撮像素子33gは、結像された反射光束の受光に基づく受光信号を制御部21(図3参照)へと出力する。その制御部21は、撮像素子33gでの受光信号に基づく画像を表示部14(その表示面14a)に表示させる。このため、前眼部観察光学系33では、撮像素子33gでの受光に基づいて、表示部14の表示面14aに被検眼Eの前眼部像E´とアライメント指標光の虚像像R´´とを同時に表示させる(図7参照)。
これに合わせて、前眼部観察光学系33では、円環状パターン像Aを表示部14の表示面14aに、前眼部像E´および虚像像R´´と同時に表示させる(図7参照)。この円環状パターン像Aは、被検眼Eに対するアライメント指標光すなわち装置本体部13のX−Y方向(左右方向および上下方向)のズレの許容範囲を示すものである。すなわち、円環状パターン像Aは、内方に虚像像R´´を位置させると被検眼Eに対する装置本体部13のX−Y方向での位置が適正なものとなる範囲を示すものであり、アライメントが完了したことを示すものである。その被検眼Eに対する装置本体部13のX−Y方向での位置が適正なものとなるとは、X−Y方向で見た位置関係において、角膜内皮細胞撮影装置10により被検眼Eを適切に測定(撮影)することが可能となる状態をいう。角膜内皮細胞撮影装置10には、図示は略すが、この円環状パターン像Aを形成するための光学系が設けられている。
これにより、表示部14(その表示面14a)では、図7に示すように、被検眼Eの前眼部像E´と、アライメント指標光の虚像像R´´と、円環状パターン像Aと、が同時に表示される。このため、検者は、表示部14に表示された操作のためのアイコン等を介して装置本体部13を移動X−Y方向に適宜移動させて、虚像像R´´と円環状パターン像Aとの位置関係を調整することによりXYアライメントを行うことができる。そして、虚像像R´´を円環状パターン像Aの内方に位置させた状態が、XYアライメントの完了となる。
[内部固視点投影光学系]
内部固視点投影光学系38は、図4および図8に示すように、前眼部観察光学系33の光路上、すなわち前眼部観察光学系33の対物窓33hを経て、被検眼Eに固視点を投影(提示)するものである。この内部固視点投影光学系38は、中心固視光源38aと、内部周辺固視光源38bと、を有し、アライメント指標投影光学系36とハーフミラー36cおよびレンズ36dを共用するとともに、前眼部観察光学系33とハーフミラー33aおよび対物窓33hを共用している。内部固視点投影光学系38では、光軸O4を中心として、ハーフミラー36cから見て前眼部観察光学系33の光軸O1とは反対側に中心固視光源38aが設けられ、レンズ36dとハーフミラー33aとの間に内部周辺固視光源38bが設けられている。
中心固視光源38aは、本実施例では、図8に示すように、光軸O4上の中心光源部38cと、光軸O4に直交する方向で当該中心光源部38cの両側に設けられた一対の拡大光源部38dと、を有する。なお、この図8では、理解容易のために中心光源部38cと一対の拡大光源部38dとを強調して示しているが、実際には極めて小さな部材で構成されている。このため、中心固視光源38aでは、各光源部(38c、38d)から出射させた照明光束を大略光軸O4上へと進向させることができる。
内部周辺固視光源38bは、本実施例では、光軸O4を中心とする回転方向で見て等しい間隔で当該光軸O4を取り囲んで8つ設けられている。各内部周辺固視光源38bは、光軸O4と平行な照明光束を出射する。このため、各内部周辺固視光源38bでは、出射させた照明光束を光軸O4と平行な方向へと進行させることができる。
内部固視点投影光学系38では、中心固視光源38a(その各光源部(38c、38d))から出射した照明光束を、ハーフミラー36cおよびレンズ36dを経てハーフミラー33aへと進行させる。そして、内部固視点投影光学系38では、中心固視光源38aからの照明光束をハーフミラー33aで反射することで、前眼部観察光学系33の光軸O1上に進行させて、対物窓33hを経て被検眼Eの角膜Ecに導く。これにより、内部固視点投影光学系38では、中心固視光源38aの中心光源部38cを点灯させることで、対物窓33hの中心位置(光軸O1上)を照明して中心固視点fc(図9(a)参照)を形成することができ、この中心固視点fcを被検眼Eに投影することができる。このため、内部固視点投影光学系38では、中心固視光源38aの中心光源部38cを点灯させて被検者に中心固視点fcを固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線を中心位置に固定することができる。同様に、内部固視点投影光学系38では、中心固視光源38aの一方の拡大光源部38dを点灯させることで、対物窓33hにおいて中心固視点fcとX軸方向で隣接する位置に隣接固視点(図示は略す)を形成することができ、当該隣接固視点を被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線を中心位置から僅かに外れた位置に固定することができる。
また、内部固視点投影光学系38では、各内部周辺固視光源38bから出射した照明光束を、光軸O4と平行な方向へと進行させてハーフミラー33aへと導く。そして、内部固視点投影光学系38では、各内部周辺固視光源38bからの照明光束をハーフミラー33aで反射することで、前眼部観察光学系33の光軸O1と平行な方向に進行させて、対物窓33hを経て被検眼Eの角膜Ecに導く。これにより、内部固視点投影光学系38では、各内部周辺固視光源38bを点灯させることで、対物窓33hにおいて中心位置(光軸O1上)を中心とする同一の円周上を照明して内側周辺固視点fi(図9(b)参照)を形成することができ、この内側周辺固視点fiを被検眼Eに投影することができる。このため、内部固視点投影光学系38では、各内部周辺固視光源38bのうちのいずれか1つを点灯させて形成した内側周辺固視点fiを被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線を対物窓33h内における前眼部観察光学系33の光軸O1から外れた位置であって光軸O1を中心とする任意の回転位置(この例では8つのいずれか)に、被検者の視線を固定することができる。なお、この8つの内側周辺固視点fiは、個別に示す際には図9(b)を正面視して右側のものから反時計回り方向の順に小文字のアルファベット(a〜h)を符号foの後に付して示す。
[角膜内皮細胞照明光学系]
角膜内皮細胞照明光学系34は、図4に示すように、観察用照明光学系34aと撮影用照明光学系34bとから構成されている。その観察用照明光学系34aは、観察用光源34cと、スリット34dと、を有するとともに、光軸O2上に、ダイクロイックミラー34eと、対物レンズ34fと、対物窓34k(図5参照)と、を有する。観察用光源34cは、被検眼Eの角膜内皮S2(その角膜内皮細胞S2c(図10参照))を観察するために当該角膜内皮S2を照明する光源(観察用照明光源)であり、本実施例では赤外光を発する発光ダイオード(赤外LED)を用いている。
角膜内皮細胞照明光学系34の観察用照明光学系34aでは、観察用光源34cから射出させた観察用光束を、スリット34dを透過させてスリット照明光束としてダイクロイックミラー34eへと進行させる。観察用照明光学系34aでは、進行させた観察用光束(スリット照明光束)をダイクロイックミラー34eで反射することにより、角膜内皮細胞照明光学系34の光軸O2上に進行させて対物レンズ34fへと導く。この観察用照明光学系34aでは、導かれた観察用光束(スリット照明光束)を対物レンズ34fで集光することにより、スリット照明光束である観察用光束で被検眼Eの角膜Ecを照明する。
撮影用照明光学系34bは、光軸O2上に、撮影用光源34gと、集光レンズ34hと、スリット34iと、集光鏡34jと、を有し、観察用照明光学系34aとダイクロイックミラー34e、対物レンズ34fおよび対物窓34k(図5参照)を共用している。その撮影用光源34gは、被検眼Eの角膜内皮S2(その角膜内皮細胞S2c(図10参照))を撮影するために当該角膜内皮S2を照明する光源(撮影用照明光源)であり、本実施例では単色光を発する発光ダイオード(本実施例では緑色LED)を用いている。なお、撮影用光源34gは、緑色LEDに限られたものではなく、例えば白色LEDや青色LEDを用いてもよい。
角膜内皮細胞照明光学系34の撮影用照明光学系34bでは、撮影用光源34gから射出させた撮影用光束を、集光レンズ34hにより集光してスリット34iへと進行させ、当該スリット34iを透過させてスリット照明光束としてダイクロイックミラー34eへと導く。撮影用照明光学系34bでは、ダイクロイックミラー34eに導かれた撮影用光束(スリット照明光束)のうち可視波長帯域の光(光束)を透過させることで、光軸O2上に進行させて対物レンズ34fへと導く。この撮影用照明光学系34bでは、導かれた撮影用光束(スリット照明光束)を対物レンズ34fで集光することにより、スリット照明光束である撮影用光束で被検眼Eの角膜Ecを照明する。
この角膜内皮細胞照明光学系34では、観察用照明光学系34aからのスリット照明光束である観察用光束、および撮影用照明光学系34bからのスリット照明光束である撮影用光束を、対物窓34k(図5参照)を経て出射する。その対物窓34kは、装置本体部13における前後方向の被検者側(Z軸方向の正側)の端部となる対向位置17において光軸O2上に設けられ、測定時において被検眼E(その前眼部(角膜Ec))と近接される。
この角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)が被検眼Eの角膜Ecにより反射される様子を図10に示す。角膜Ecでは、照明されるスリット照明光束を、空気と角膜Ecとの境界面S1で反射し(反射光束R1)、かつ角膜内皮S2(その角膜内皮細胞S2c)で反射し(反射光束R2)、しかも角膜実質S3で反射する(反射光束R3)。すなわち、角膜Ecによるスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)の反射光束は、境界面S1からの反射光束R1と、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2と、角膜実質S3からの反射光束R3と、に分類することができる。その反射光束では、反射光束R1の光量が最も多く、反射光束R2の光量が反射光束R1の光量よりも少なく、反射光束R3の光量が最も少なくなる。
[角膜内皮細胞撮影光学系]
角膜内皮細胞撮影光学系35は、図4に示すように、光軸O3上に、対物レンズ35aと、ハーフミラー35bと、ミラー35cと、リレーレンズ35dと、液晶シャッタ35eと、リレーレンズ35fと、遮光板35gと、ミラー35hと、対物窓35i(図5参照)と、を有し、前眼部観察光学系33と撮像素子33gを共用している。この角膜内皮細胞撮影光学系35(角膜内皮細胞撮影装置10)は、後述するように、合焦位置検出光学系39のラインセンサ39aにおいて、その中心番地Qとスリット照明光束が被検眼Eの角膜Ecにより反射された反射光束の強度分布におけるピークVの番地とが一致すると(図12参照)、当該被検眼Eの角膜内皮細胞S2cに合焦する位置関係とされている。
液晶シャッタ35eは、電気的な制御により、角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)の角膜Ecによる反射光束を透過させる透過領域と遮光する遮光領域とを任意に設定することのできる電気マスク手段である。この液晶シャッタ35eは、撮像素子33gと後述するラインセンサ39aとに共役な位置に配置されている。なお、この液晶シャッタ35eに替えてマスク板を適宜配置するものとしてもよい。
遮光板35gは、角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)の角膜Ecによる反射光束の透過を阻む(遮光する)ことのできる部材で形成されている。その遮光板35gは、図示を略す移動機構により、光軸O3上に存在することと、光軸O3上から離脱することと、が可能とされている。その移動機構は、制御部21(図3参照)の制御下で適宜駆動されることで遮光板35gを上述したように変位させる。この移動機構は、例えば、ソレノイド等を用いて構成することができる。
この角膜内皮細胞撮影光学系35は、角膜Ecによる角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)の反射光束(反射光束R1、R2、R3(図10参照))を、対物窓35i(図5参照)を経て入射させる。その対物窓35iは、装置本体部13における前後方向の被検者側(Z軸方向の正側)の端部となる対向位置17において光軸O3上に設けられ、測定時において被検眼E(その前眼部(角膜Ec))と近接される。
角膜内皮細胞撮影光学系35では、角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)が角膜Ecにより反射された反射光束(反射光束R1、R2、R3(図10参照))を、対物窓35i(図5参照)を経て入射させて、対物レンズ35aに導く。この角膜内皮細胞撮影光学系35では、導いた反射光束を対物レンズ35aで集光してハーフミラー35bへと進行させる。その反射光束は、一部がハーフミラー35bを透過し、他部がハーフミラー35bにより反射される。角膜内皮細胞撮影光学系35では、ハーフミラー35bを透過した反射光束をミラー35cで反射してリレーレンズ35dへと進行させ、そのリレーレンズ35dを経て液晶シャッタ35eに導く。その液晶シャッタ35eは、後述するように、導かれた反射光束のうち、角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1の部分を遮光するとともに、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2の部分を透過させるように駆動制御される。このため、角膜内皮細胞撮影光学系35では、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2を、リレーレンズ35fを経てミラー35hへと進行させ、そのミラー35hで反射することで前眼部観察光学系33の撮像素子33gへと導く。これにより、撮像素子33gでは、角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの画像(後述する角膜内皮細胞画像J(図15参照))を取得することができる。
合焦位置検出光学系39は、ラインセンサ39aを有し、角膜内皮細胞撮影光学系35と対物窓35i(図5参照)、対物レンズ35aおよびハーフミラー35bを共用している。そのラインセンサ39aは、受光位置の差異を検出することのできる線状の受光面を有し、被検眼Eの角膜Ecと略共役位置に設けられている。また、ラインセンサ39aは、図11に示すように、光学的に角膜Ecの厚み方向となる方向に沿って配置されている。すなわち、ラインセンサ39aは、反射光束における角膜Ecの厚さ方向での差異、換言すると厚さ方向で見た角膜Ecのどの位置で反射された反射光束であるかを、受光位置の差異としつつ当該反射光束を受光できるように配置されている。このラインセンサ39aでは、線状の受光面においてその長尺方向に番地(受光素子)が設定されており、当該番地により受光位置の差異を取得することができる。
この合焦位置検出光学系39では、角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束(観察用光束および撮影用光束)が角膜Ecにより反射された反射光束(反射光束R1、R2、R3(図10参照))を、対物窓35i(図5参照)を経て入射させて、対物レンズ35aに導く。合焦位置検出光学系39では、導いた反射光束を対物レンズ35aで集光してハーフミラー35bへと進行させて、当該反射光束の他部をハーフミラー35bで反射することにより、反射光束(その一部)をラインセンサ39aで受光させる。このラインセンサ39aでは、スリット照明光束が角膜Ecで反射された反射光束を受光することにより、当該反射光束の強度分布を取得することができる。この強度分布を、図11においてラインセンサ39aの右上に模式的に示すとともに図12に示す。当該反射光束では、角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1の部分で強度分布のピークUを形成するとともに、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2の部分でピークVを形成している。合焦位置検出光学系39では、ラインセンサ39aで当該反射光束の強度分布を取得することにより、後述するように、被検眼Eと装置本体部13(角膜内皮細胞撮影装置10の光学系)とのZ軸方向でのアライメントを合わせることを可能とする。
[制御系]
次に、角膜内皮細胞撮影装置10の制御系の構成を、図3を用いて説明する。角膜内皮細胞撮影装置10は、図3に示すように、上述した制御部21に加えて、合焦判断回路22と、アライメント判定回路23と、画像判定回路24と、を有する。その制御部21には、合焦判断回路22を介して合焦位置検出光学系39のラインセンサ39aが接続されている。また、制御部21には、アライメント判定回路23を介してアライメント検出光学系37のアライメント検出センサ37aが接続されている。さらに、制御部21には、撮像素子33gが接続されており、その撮像素子33gの受光に基づく信号、すなわち被検眼Eの前眼部像E´やアライメント指標光の虚像像R´´や角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの後述する角膜内皮細胞画像J(図15参照)としての信号が伝送される。そして、制御部21は、表示部14に接続されており、撮像素子33gからの受光信号に基づいて適宜画像信号を生成し、撮像素子33gからの受光信号に基づく画像を表示部14(その表示面14a)に適宜表示させる(図7等参照)。制御部21は、液晶シャッタ35eに接続されており、後述するように画像判定回路24と協働して当該液晶シャッタ35eを駆動制御する。制御部21は、駆動部12(そのXドライバ12d、Yドライバ12eおよびZドライバ12f)に接続されており、上述したように駆動部12を適宜駆動制御することによりベース11に対して装置本体部13を適宜移動させる。制御部21は、表示部14への操作に基づいて、あるいは記憶部21aに格納されたプログラムに従って、上述した各動作を適宜実行する。
合焦判断回路22は、合焦位置検出光学系39のラインセンサ39aからの検出信号に基づいて、角膜内皮細胞撮影光学系35(装置本体部13)が角膜内皮細胞S2cに合焦しているか否かを検出するものである。そのラインセンサ39aは、上述したように、スリット照明光束が角膜Ecにより反射された反射光束の強度分布(図11、図12参照)を取得する。ここで、当該反射光束の強度分布を、ラインセンサ39aの線状の受光面の長尺方向に設定した番地Lと、各番地Lで受光した光量と、の関係として図12に示す。合焦判断回路22は、ラインセンサ39aからの受光信号に基づき、スリット照明光束が角膜Ecにより反射された反射光束の強度分布におけるピークVの番地を取得する。そのピークVは、上述したように、当該反射光束における角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2の部分を示している。また、合焦判断回路22は、取得したピークVの番地と、ラインセンサ39aにおける中心番地Qと、を比較して、差異(離間距離)がある場合には当該差異に応じた合焦信号を制御部21に出力する。そして、合焦判断回路22は、差異(離間距離)がない場合、すなわちピークVの番地と中心番地Qとが一致している場合、合焦完了信号を制御部21に出力する。
ここで、角膜内皮細胞撮影装置10では、装置本体部13を被検眼Eに対して離反接近させる、すなわち装置本体部13をベース11に対してZ軸方向(前後方向)に移動させると、ラインセンサ39aで取得したピークVの番地が移動する。これは、ラインセンサ39aが、光学的に角膜Ecの厚み方向となる方向に沿って配置されていることによる。また、角膜内皮細胞撮影光学系35(角膜内皮細胞撮影装置10)は、ラインセンサ39aにおいて、その中心番地Qとスリット照明光束が被検眼Eの角膜Ecにより反射された反射光束の強度分布におけるピークVの番地とが一致すると、当該被検眼Eの角膜内皮細胞S2cに合焦する位置関係とされている。このため、角膜内皮細胞撮影装置10では、装置本体部13をベース11に対してZ軸方向(前後方向)に移動させて、ラインセンサ39aにおける反射光束の強度分布におけるピークVの番地と中心番地Qとを一致させることにより、角膜内皮細胞撮影光学系35が角膜内皮細胞S2cに合焦することとなる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、ラインセンサ39aにおける反射光束の強度分布におけるピークVの番地と中心番地Qとを一致させることで、Zアライメントが完了する。このため、合焦判断回路22は、ピークVの番地と中心番地Qとが一致している場合に合焦完了信号を出力することにより、角膜内皮細胞撮影光学系35(装置本体部13)が角膜内皮細胞S2cに合焦していることを検出することができる。そして、制御部21は、合焦判断回路22からの合焦信号に基づいて装置本体部13をベース11に対してZ軸方向(前後方向)に移動させ、当該合焦判断回路22から合焦完了信号を受けるまでその移動を行うことにより、Zアライメントを自動で行うことができる。
アライメント判定回路23は、アライメント検出光学系37のアライメント検出センサ37aからの検出信号に基づいて、前眼部観察光学系33(装置本体部13)の光軸O1と被検眼Eの光軸とのX−Y方向のズレ量が許容範囲内であるか否かを検出するものである。そのアライメント検出センサ37aは、上述したように、アライメント指標投影光学系36からのアライメント指標光により形成されたアライメント指標光の虚像Rの像R´を受光することにより、受光面上での像R´の受光位置に応じた検出信号を出力する。アライメント判定回路23は、アライメント検出センサ37a上での像R´の受光位置と、アライメント検出センサ37a上における光軸O1の位置(例えば、中心位置)と、のズレ量を求めて、そのズレ量を示す信号を制御部21に出力する。そのズレ量は、例えば、左右方向(X軸方向)でのズレ量およびその方向と、上下方向(Y軸方向)でのズレ量およびその方向と、で表すことができる。そして、アライメント判定回路23は、上記したズレ量がない場合、XYアライメント完了信号を制御部21に出力する。
画像判定回路24は、前眼部観察光学系33の撮像素子33g上の画像に基づいて、その画像のうち角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1(図10参照)によって形成された画像部分と、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2(図10参照)によって形成された画像部分と、を判定する。そして、画像判定回路24は、判定した画像部分に基づいて液晶シャッタ35eを駆動させる。これについて以下で説明する。
撮像素子33gでは、上述したように、角膜内皮細胞撮影光学系35により、角膜内皮細胞照明光学系34からのスリット照明光束が角膜Ecにより反射された反射光束(反射光束R1、R2、R3(図10参照))が結像される。画像判定回路24は、撮像素子33g上に形成される光像における強度分布のグラフGを求める(図13参照)。この強度分布を示すグラフGでは、図13に示すように、角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1によりピークG1が形成されるとともに、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2によりピークG2が形成される。このグラフGは、例えば図14に示すように、撮像素子33gに帯状の範囲Fを設定し、当該帯状の範囲Fの各画素での受光量から求めることができる。その帯状の範囲Fは、図14の例では、撮像素子33gにおいて、角膜Ecの厚さ方向となるx軸方向の全域に渡って、中心部を通りつつx軸方向に直交するy軸方向で所定の大きさ寸法となるように設定している。このため、この例では、帯状の範囲Fにおいて、撮像素子33gにおけるx軸方向での番地が等しくなる各画素の受光量を積算し、その値をy方向の画素数で除算することによりx軸方向での番地毎の受光量の平均値を算出して、グラフGを求めることができる。なお、帯状の範囲Fにおけるy軸方向の画素数は、1つであってもよく、撮像素子33gのy軸方向の全画素数であってもよく、適宜設定すればよい。
そして、画像判定回路24は、図13(a)に示すように、グラフGにおけるピークG1とピークG2との間の谷Gaのx軸方向(角膜Ecの厚さ方向)での位置を求める。すなわち、画像判定回路24は、ピークG1とピークG2との間において、受光量が最小となる谷Gaの位置を、撮像素子33gにおけるx軸方向の番地xaとして求める。この番地xaは、撮像素子33gにおいて、スリット照明光束の角膜Ecからの反射光束における角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1および角膜実質S3からの反射光束R3を受光する部分と、当該反射光束における角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2を受光する部分と、の境界を示すこととなる。すなわち、撮像素子33gでは、番地xaの左側部分で角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1と角膜実質S3からの反射光束R3とを受光し、番地xaの右側部分で角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2を受光する。
このため、画像判定回路24は、図13(a)および図14に示すように、撮像素子33gにおける番地xaより左側部分を遮光し、かつ撮像素子33gにおける番地xaより右側部分では反射光束R2が到達するように、液晶シャッタ35eを駆動する。すなわち、画像判定回路24は、液晶シャッタ35eの左側部分35e1を遮光部分にし、右側部分35e2を透過部分にすることにより、図13の(a)に示すように撮像素子33gにおける番地xaから左側の左側部分33g1を遮光する。
[角膜内皮細胞S2cの撮影の基本動作]
次に、角膜内皮細胞撮影装置10において、被検眼Eの角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する際の基本動作について説明する。以下に示す角膜内皮細胞撮影装置10での動作は、表示部14に為された操作に基づき、制御部21(図3参照)の制御下で適宜行われる。
先ず、図4に示すように、前眼部照明光源31を発光させる。このとき、前眼部観察光学系33において遮光板33fを光路から退避させ、かつ角膜内皮細胞撮影光学系35において遮光板35gを光路に挿入する。すると、前眼部照明光源31からの照明光が角膜Ecにより反射され、その反射光束が、前眼部観察光学系33において、ハーフミラー33a、対物レンズ33b、ハーフミラー33c、絞り33dおよび結像レンズ33eを介して撮像素子33gに達し結像される。そして、表示部14の表示面14aに前眼部像E′を表示させる(図7参照)。
次いで、アライメント指標投影光学系36のアライメント指標光源36aを発光させて、アライメント指標光を射出する。このアライメント指標光は、投影レンズ36bとレンズ36dとにより平行光束とされ、ハーフミラー33aを介して被検眼Eの角膜Ecに投影される。そして、そのアライメント指標光が角膜Ecにより反射され、その反射光束が、アライメント検出光学系37(前眼部観察光学系33)において、対物レンズ33bを通った後一部がハーフミラー33cによって反射され、アライメント検出センサ37a上にアライメント指標光による像R´(図示せず)が結像される。また、反射光束の他部は、前眼部観察光学系33において、ハーフミラー33cを透過し、アライメント指標光の虚像Rによる像R´´が撮像素子33g上に同時に形成される。これにより、表示部14(その表示面14a)では、被検眼Eの前眼部像E´とアライメント指標光の虚像像R´´とが同時に表示され、上述したようにそこに円環状パターン像Aも併せて表示される(図7参照)。このため、検者は、虚像像R´´が円環状パターン像Aの範囲内に位置するように装置本体部13を移動させることで、XYアライメントを行うことができる。また、オートアライメントモードの場合には、アライメント判定回路23が、アライメント検出センサ37a上に結像された像R′の位置から被検眼Eに対する装置本体部13のX、Y方向のズレ量を求め、このズレ量に応じて制御部21がXドライバ12dおよびYドライバ12eを制御することで装置本体部13をX−Y方向へ移動させることで、XYアライメントを行う。
XYアライメントが完了すると、角膜内皮細胞照明光学系34の観察用照明光学系34aの観察用光源34cから観察用光束としての赤外光を出射させるとともに、前眼部観察光学系33において遮光板33fを光路に挿入し、角膜内皮細胞撮影光学系35において遮光板35gを光路から退避させる。また、角膜内皮細胞撮影光学系35の液晶シャッタ35eを、全面に渡って光を透過するように設定する。観察用光源34cから射出させた観察用光束は、スリット34d、ダイクロイックミラー34eおよび対物レンズ34fを介して、図10に示すように、赤外光のスリット照明光束とされて角膜Ecを照明する。そのスリット照明光束は、角膜Ecにより反射されて反射光束となる。その反射光束は、角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1と、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2と、角膜実質S3からの反射光束R3と、を含んでいる。
スリット照明光の角膜Ecによる反射光束は、角膜内皮細胞撮影光学系35において、対物レンズ35aに導かれ、一部がハーフミラー35bで反射されて合焦位置検出光学系39のラインセンサ39aに至る。すると、合焦判断回路22は、ラインセンサ39aの各受光位置(番地(受光素子))での受光量に基づいて、強度分布のピークVとラインセンサ39aの中心番地Qとの離間距離に応じた合焦信号を制御部21に出力する(図12参照)。
すると、制御部21は、取得した合焦信号に基づいて表示部14に、合焦のための位置関係の把握を容易とするための合焦記号を表示させる。本実施例では、合焦記号の一例としての合焦記号25を図7に示す。その合焦記号25は、ベース11に対する装置本体部13の合焦のための移動方向となる前後方向(Z軸方向)を示す軸線記号25a上に、合焦位置記号25bと現在位置記号25cとを重ねて表示させるものとされている。その合焦位置記号25bは、ラインセンサ39aの中心番地Qとなる位置を示し、現在位置記号25cは、ラインセンサ39aにおける強度分布のピークVの番地を示す。このことから、軸線記号25a上における合焦位置記号25bと現在位置記号25cとの間隔が、強度分布のピークVとラインセンサ39aの中心番地Qとの離間距離に対応したものとなる。このため、検者は表示部14の合焦記号25を見ながら、現在位置記号25cを合焦位置記号25bに一致させるように、ベース11に対して装置本体部13を前後方向(Z軸方向)に移動させることで、Zアライメントを行うことができる。また、オートアライメントモードの場合には、制御部21が、合焦判断回路22からの合焦信号に基づいてZドライバ12fを制御してZモータ12cを駆動させ、強度分布のピークVとラインセンサ39aの中心番地Qとを一致させるように装置本体部13をZ軸方向へ移動させる。そして、制御部21は、合焦判断回路22から合焦完了信号を受信すると、Zモータ12cを停止させてZアライメントを終了する。
また、スリット照明光の角膜Ecによる反射光束は、角膜内皮細胞撮影光学系35において、対物レンズ35aに導かれ、他部がハーフミラー35bを透過することにより、ミラー35cおよびリレーレンズ35dを介して液晶シャッタ35eに導かれる。その液晶シャッタ35eは、上述したように全面に渡って光を透過する設定とされていることから、導かれた反射光束(反射光束R1、R2、R3)を透過させる。このため、スリット照明光の角膜Ecによる反射光束(その他部)は、液晶シャッタ35eを透過し、リレーレンズ35fを経てミラー35hで反射されて撮像素子33gへと進行し、当該撮像素子33g上に結像される。これにより、撮像素子33g上には、スリット照明光の角膜Ecによる反射光束、すなわち反射光束R1、反射光束R2および反射光束R3による光像が形成される。
すると、画像判定回路24は、上述したように、撮像素子33g上に形成される光像の強度分布に基づいて撮像素子33gの番地xaを求めて、当該番地xaを境とする一方を遮光部分とするとともに他方を透過部分とすべく液晶シャッタ35eを駆動制御する(図13(a)および図14参照)。これにより、撮像素子33gでは、番地xaを境とする一方(図13(a)に示す例では左側の左側部分33g1)が、液晶シャッタ35eにより遮光される。
このため、撮像素子33gは、スリット照明光の角膜Ecによる反射光束のうち、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2のみを受光することが可能となる。これにより、撮像素子33gに基づく画像を表示部14の表示面14aに表示させることで、図15に示すように、角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jが白くボケてしまうことを防止して鮮明に表示させることができる。これは、スリット照明光束の角膜Ecからの反射光束における角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1および角膜実質S3からの反射光束R3を分離することができることによる。なお、表示面14aにおける左側の表示部分14bは、液晶シャッタ35eによって遮光された部分を示している。
ここで、前後方向(Z軸方向)のアライメントがずれている場合について、図13(b)を用いて説明する。前後方向(Z軸方向)のアライメントがずれると、撮像素子33g上に形成される光像における強度分布のグラフが角膜Ecの厚さ方向へずれることとなる。この例では、図13(b)に示すように、撮像素子33g上に形成される光像における強度分布のグラフG′が、グラフG(図13(a)参照)と比較して、図13(b)を正面した右側にずれたものとする。すると、グラフG(図13(a)参照)と比較すると、グラフG′におけるピークG1′とピークG2′とが右側にずれるとともに、谷Ga′の位置も右側にずれることとなる。このため、上述したグラフGに対する処理と同様に、谷Ga′の位置となる撮像素子33gの番地xbを求めて、液晶シャッタ35eにおける当該番地xbの左側部分35e1´を遮光部分にし、液晶シャッタ35eにおける当該番地xbの右側部分35e2´を透過部分にすることにより、撮像素子33gにおける番地xbから左側の左側部分33g1´を遮光させることができる。このため、前後方向(Z軸方向)のアライメントがずれている場合であっても、スリット照明光束の角膜Ecからの反射光束における角膜Ecの表面(境界面S1)からの反射光束R1および角膜実質S3からの反射光束R3を分離して、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2のみを受光することができ、鮮明な角膜内皮細胞画像Jを得ることができる。また、強度分布のグラフGにおけるピークG1とピークG2との間の谷Gaを求めるものであることから、角膜Ecの厚さが異なる場合であっても、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2のみを受光して鮮明な角膜内皮細胞画像Jを表示部14の表示面14aに表示させることができる。
その角膜内皮細胞S2cを可視光で撮影して角膜内皮細胞画像Jを取得する場合、角膜内皮細胞照明光学系34において、図4に示すように、観察用照明光学系34aの観察用光源34cの発光を停止させるとともに、撮影用照明光学系34bの撮影用光源34gから撮影用光束としての可視光を出射させる。その撮影用光束は、角膜内皮細胞照明光学系34において、集光レンズ34hで集光されてスリット34i、ダイクロイックミラー34eおよび対物レンズ34fを介して、図10に示すように、可視光のスリット照明光束とされて角膜Ecを照明する。そのスリット照明光束は、角膜Ecにより反射されて反射光束となる。その可視光のスリット照明光の角膜Ecによる反射光束は、観察用光束と同様に、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2のみが撮像素子33g上に結像される。これにより、白くボケてしまうことを防止しつつ角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを撮影することができる。その撮影用光源34gは、単色光を発する発光ダイオードであるため、従来のようにコンデンサを充電して発光させる必要がないので、連続撮影が可能である。また、撮像素子33g上には、角膜内皮S2(角膜内皮細胞S2c)からの反射光束R2のみが入射するので、撮像素子33gの感度を上げることができ、画質を向上させることができる。
そして、制御部21(図3参照)では、撮像素子33gからの受光信号により角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像J(その画像データ)を取得し、その角膜内皮細胞画像J(その画像データ)に適宜画像分析を施すことにより角膜内皮細胞S2c(角膜内皮細胞画像J)の解析を行う。そして、制御部21は、後述するように、角膜内皮細胞画像Jとともにその解析結果を表示部14の表示面14aに表示させる(図21参照)。
これにより、角膜内皮細胞撮影装置10では、角膜内皮細胞S2c(その角膜内皮細胞画像J)の観察を可能とするとともに、その撮影画像である角膜内皮細胞画像Jを取得することができる。
[撮影位置の設定方法]
次に、角膜内皮細胞撮影装置10において、被検眼Eの角膜内皮細胞S2cにおける撮影する位置を設定する方法について説明する。角膜内皮細胞撮影装置10では、内部固視点投影光学系38により中心固視点fc(図9(a)参照)、2つの隣接固視点および8つの内側周辺固視点fi(図9(b)参照)を形成することができるとともに、外部周辺固視光源32により6つの外側周辺固視点fo(図9(c)参照)を形成することができる。この各固視点は、それぞれ形成されることで被検眼Eに投影される。
ここで、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの中心光源部38c(図8等参照)を点灯させて、図9(a)に示すように、対物窓33hに中心固視点fcを形成し、この中心固視点fcを被検眼Eに投影したものとする。この中心固視点fcは、対物窓33hの中心位置(光軸O1上)を照明するものであることから、被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線(被検眼Eの光軸中心)を対物窓33hにおける中心位置(光軸O1上)に固定することができる。このため、中心固視点fcを形成しつつ上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することにより、図16に示すように、被検眼Eの中心位置P1における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを取得することができる。このため、中心位置P1は、中心固視点fc(中心固視光源38a(その中心光源部38c))により規定されて、角膜内皮細胞S2cにおいて設定されて角膜内皮細胞撮影光学系35により撮影される撮影位置となる。
また、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの一方の拡大光源部38d(図8等参照)を点灯させて、対物窓33hに中心固視点fcに隣接する隣接固視点(図示は略す)を形成し、当該隣接固視点を被検眼Eに投影したものとする。なお、この隣接固視点は、対物窓33hにおいて、中心固視点fcと略等しい位置に形成されるものであることから、図9(a)に示す例では殆ど区別がつかないので図示を省略している。この隣接固視点は、対物窓33hの中心位置(光軸O1上)からX軸方向に僅かに外れた位置を照明するものであることから、被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線(被検眼Eの光軸中心)を対物窓33hにおける中心位置(光軸O1上)からX軸方向に僅かに外れた位置に固定することができる。このため、隣接固視点を形成しつつ上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することにより、図17に示すように、被検眼Eの中心位置P1からX軸方向に僅かに外れた拡大位置P2における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを取得することができる。この中心固視光源38aの拡大光源部38dは、2つ設けられていることから、2つの隣接固視点を形成することができ、2つの拡大位置P2における角膜内皮細胞S2cの撮影を可能とする。なお、この拡大位置P2は、個別に示す際には図17を正面視して右側を拡大位置P2aとし左側を拡大位置P2bとする。このため、2つの拡大位置P2は、2つの隣接固視点(2つの拡大光源部38d)により規定されて、角膜内皮細胞S2cにおいて設定されて角膜内皮細胞撮影光学系35により撮影される撮影位置となる。
さらに、内部固視点投影光学系38の8つの内部周辺固視光源38b(図8等参照)のうちの1つを点灯させて、図9(b)に示すように、対物窓33hにおける中心位置(光軸O1上)の下側の位置に内側周辺固視点fi(後述するように内側周辺固視点figとする)を形成し、この内側周辺固視点figを被検眼Eに投影したものとする。この内側周辺固視点figは、対物窓33hにおける中心位置(光軸O1上)の下側の位置を照明するものであることから、被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線(被検眼Eの光軸中心)を対物窓33hにおける中心位置(光軸O1上)の下側に固定することができる。このため、被検眼Eでは、その光軸中心(視線)が前眼部観察光学系33の光軸O1よりも下側に移動することとなり、当該光軸O1上には当該被検眼Eにおける光軸中心よりも上方位置(図16の符号P3c参照)が位置することとなる。このため、内側周辺固視点figを形成しつつ上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することにより、図16に示すように、被検眼Eの内部周辺位置P3cにおける角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを取得することができる。このように、内部固視点投影光学系38でいずれか1つの内側周辺固視点fiを形成することにより、被検眼Eにおいて当該内側周辺固視点fiに対応する内部周辺位置P3の角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影することができる。この内部周辺固視光源38bは、8つ設けられていることから、8つの内側周辺固視点fiを形成することができ、8つの内部周辺位置P3における角膜内皮細胞S2cの撮影を可能とする。その対応関係は、内側周辺固視点figと内部周辺位置P3cとのように、形成した内側周辺固視点fiの対物窓33h(図9(b)参照)上における光軸O1に対する位置と、それによる内部周辺位置P3の被検眼E上における光軸中心に対する位置と、が光軸O1と光軸中心とを一致させつつ正対された状態において当該光軸O1(光軸中心)に関して点対称となる。そして、その被検眼Eにおける内部周辺位置P3の光軸中心からの距離は、対物窓33h上における光軸O1と内側周辺固視点fiとの距離により設定することができる。なお、この8つの内部周辺位置P3は、個別に示す際には図16を正面視して右側のものから反時計回り方向の順に小文字のアルファベット(a〜h)を符号P3の後に付して示す。そして、本実施例では、8つの内部周辺位置P3(内側周辺固視点fi)は、図16を正面視して右側の内部周辺位置P3a(内側周辺固視点fia(図9(b)参照))から、光軸中心(光軸O1)を中心とする回転方向で見て45度の間隔で設けられている。このため、8つの内部周辺位置P3は、8つの内側周辺固視点fia(8つの内部周辺固視光源38b)により規定されて、角膜内皮細胞S2cにおいて設定されて角膜内皮細胞撮影光学系35により撮影される撮影位置となる。
ついで、6つの外部周辺固視光源32(図5参照)のうちの左斜め上側のものを点灯させて、図9(c)に示すように、対物窓33hの外側における左斜め上側の位置に外側周辺固視点fo(後述するように外側周辺固視点focとする)を形成し、この外側周辺固視点focを被検眼Eに投影したものとする。この外側周辺固視点focは、対物窓33hの外側における左斜め上側の位置で点灯するものであることから、被検者に固視目標として注視させることにより、当該被検者の視線(被検眼Eの光軸中心)を対物窓33hの外側における左斜め上側(図16を正面視して右斜め上側)に固定することができる。このため、被検眼Eでは、光軸中心(視線)が前眼部観察光学系33の光軸O1の左斜め上側(図16では右斜め上側)に移動することとなり、当該光軸O1上には当該被検眼Eにおける光軸中心よりも右斜め下方位置(図16を正面視して左斜め下側(符号P4d参照))が位置することとなる。このため、外側周辺固視点focを形成しつつ上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することにより、図16に示すように、被検眼Eの外部周辺位置P4dにおける角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影することができる。このように、内部固視点投影光学系38でいずれか1つの外側周辺固視点foを形成することにより、被検眼Eにおいて当該外側周辺固視点foに対応する外部周辺位置P4の角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影することができる。この外部周辺固視光源32は、6つ設けられていることから、6つの外側周辺固視点foを形成することができ、6つの外部周辺位置P4における角膜内皮細胞S2cの撮影を可能とする。その対応関係は、外側周辺固視点focと外部周辺位置P4dとのように、形成した外側周辺固視点foの対物窓33h(図9(c)参照)の周辺における光軸O1に対する位置と、それによる外部周辺位置P4の被検眼E上における光軸中心に対する位置と、が光軸O1と光軸中心とを一致させつつ正対された状態において当該光軸O1(光軸中心)に関して点対称となる。そして、その被検眼Eにおける外部周辺位置P4の光軸中心からの距離は、装置本体部13における光軸O1と外側周辺固視点focとの距離により設定することができる。なお、この6つの外部周辺位置P4は、個別に示す際には図16を正面視して右斜め上側のものから反時計回り方向の順に小文字のアルファベット(a〜f)を符号P4の後に付して示す。そして、本実施例では、6つの外部周辺位置P4(外側周辺固視点fo)は、図16を正面視して右斜め上の外部周辺位置P4a(外側周辺固視点foa(図9(c)参照))から、光軸中心(光軸O1)を中心とする回転方向で見て45度の間隔で3つ設けられているとともに、同じく左斜め下の外部周辺位置P4d(外側周辺固視点fod(図9(c)参照))から、光軸中心(光軸O1)を中心とする回転方向で見て45度の間隔で3つ設けられている。このため、6つの外部周辺位置P4は、6つの外側周辺固視点fo(6つの外部周辺固視光源32)により規定されて、角膜内皮細胞S2cにおいて設定されて角膜内皮細胞撮影光学系35により撮影される撮影位置となる。
このように、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおいて、内部固視点投影光学系38が形成する中心固視点fcに対応する中心位置P1に加えて、内部固視点投影光学系38が形成する2つの隣接固視点に対応する2つの拡大位置P2(図17参照)と、内部固視点投影光学系38が形成する8つの内側周辺固視点fiに対応する8つの内部周辺位置P3と、外部周辺固視光源32が形成する6つの外側周辺固視点foに対応する6つの外部周辺位置P4と、の角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影(その角膜内皮細胞画像Jを取得)することが可能とされている。このため、複数の位置で角膜内皮細胞S2cを撮影する場合に、今から撮影する位置がいずれであるか、次に撮影する予定の位置がいずれであるか、設定されていて未だ撮影していない位置がいずれであるか、既に撮影した位置がいずれであるか、等の把握が困難なものとなってしまう虞がある。また、それらのいずれの位置で角膜内皮細胞S2cを撮影するか、その撮影する位置の数をどうするか、複数の位置で角膜内皮細胞S2cを撮影する場合にどうような順番で撮影するか等の管理が複雑なものとなり、それを実行するための操作が煩雑なものとなってしまう虞がある。
このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する撮影位置を予め設定して、その設定に従って角膜内皮細胞S2cの撮影の動作を実行することが可能とされている。そして、角膜内皮細胞撮影装置10では、設定した撮影位置が複数である場合、それらの撮影の順序を自動で設定することと、それらの撮影の順序を手動で設定することと、が可能とされている。また、角膜内皮細胞撮影装置10では、設定した撮影位置が複数である場合、角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する際に表示部14の表示面14aに測定状態標示記号70を表示させる(図20等参照)。その測定状態標示記号70は、基本的に、今から撮影する撮影位置の把握と、その次に撮影する予定の撮影位置の把握と、を可能とするものである。測定状態標示記号70は、本実施例では、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置とに加えて、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の把握と、既に撮影した撮影位置の把握と、設定されていない位置の把握と、を可能とする。以下では、これらのことについて説明する。
角膜内皮細胞撮影装置10では、制御部21(図3参照)の制御下で、表示部14の表示面14aに、撮影種別設定画面Sk(図18参照)と、撮影位置設定画面Sp(図19参照)と、前眼部観察画面So(図20参照)と、撮影結果画面Sr(図21参照)と、を表示することが可能とされている。
撮影種別設定画面Skは、角膜内皮細胞S2cを撮影するための動作の種別を設定するものである。この撮影種別設定画面Skでは、図18に示すように、表示部14におけるタッチパネルの機能を利用して触れることによる選択(切替)操作を可能するアイコンとしての、撮影モード設定記号51と、測定眼設定記号52と、が表示される。その撮影モード設定記号51は、予め設定された撮影モードの中からいずれかの撮影モードを選択して当該撮影モードの実行を設定するものである。撮影モード設定記号51は、中心撮影記号51aと、中心拡大撮影記号51bと、任意位置撮影記号51cと、を有する。
中心撮影記号51aは、被検眼Eの中心位置P1における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する中心撮影モードを設定するものである。中心拡大撮影記号51bは、被検眼Eの中心位置P1に加えて、2つの拡大位置P2における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する中心拡大撮影モードを設定するものである。
任意位置撮影記号51cは、被検眼Eの任意の位置における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する任意位置撮影モードを設定するものである。この任意位置撮影モードでは、検者が被検眼Eにおいて角膜内皮細胞S2cを撮影したい位置(撮影位置)を任意に設定して、その設定した撮影位置の角膜内皮細胞S2cを撮影する。その設定する撮影位置の個数は、1つとすることができるとともに複数とすることもでき、任意に設定することができる。本実施例では、上述したように設定された中心位置P1、2つの拡大位置P2、8つの内部周辺位置P3および6つの外部周辺位置P4の17個の中から選択するものとされている。この任意位置撮影モードにおける撮影位置の選択は、撮影位置設定画面Sp(図19参照)において行う。これについては後に説明する。
測定眼設定記号52は、被検者の左右いずれの被検眼Eの角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影するのかを設定するものである。この測定眼設定記号52は、右眼選択記号52aと、両眼選択記号52bと、左眼選択記号52cと、を有する。その右眼選択記号52aは、被検者の右側の被検眼Eの角膜内皮細胞S2cを撮影することを設定するものである。両眼選択記号52bは、被検者の左右両方の被検眼Eの角膜内皮細胞S2cを撮影することを設定するものである。左眼選択記号52cは、被検者の左側の被検眼Eの角膜内皮細胞S2cを撮影することを設定するものである。
撮影位置設定画面Sp(図19参照)は、撮影モード設定記号51の任意位置撮影記号51cが選択されて任意位置撮影モードが設定された際に、その任意位置撮影モードにおいて角膜内皮細胞S2cを撮影する撮影位置を設定させるものである。この撮影位置設定画面Spでは、図19に示すように、表示部14におけるタッチパネルの機能を利用して触れることによる選択(切替)操作を可能するアイコンとしての、位置選択記号53と、患者選択記号54と、決定記号55と、が表示される。その位置選択記号53は、被検眼Eにおいて設定された17個の位置の中から任意の位置を選択させることにより撮影位置として設定させるものであり、左右両方の被検眼Eに対応すべく等しい表示内容の記号が左右の双方に表示される。ここで、図19に示す例では、左側の位置選択記号53が被検者の右側の被検眼Eに対応するものであり、左右を区別して述べる際には位置選択記号53aともいう。同様に、図19に示す例では、右側の位置選択記号53が被検者の左側の被検眼Eに対応するものであり、左右を区別して述べる際には位置選択記号53bともいう。
各位置選択記号53は、1つの中心位置記号C1と、2つの拡大位置記号C2と、8つの内部周辺記号C3と、6つの外部周辺記号C4と、を有する。中心位置記号C1は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた中心位置P1(図16、図17参照)に対応して設けられている。
2つの拡大位置記号C2は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた拡大位置P2(図17参照)に対応して設けられており、拡大位置P2aに拡大位置記号C2aが対応するとともに拡大位置P2bに拡大位置記号C2bが対応する。なお、図19に示す例では、右側の被検眼Eに対応する拡大位置記号C2aではNの文字が付されているのに対して、左側の被検眼Eに対応する拡大位置記号C2aではTの文字が付されている。このことは、拡大位置記号C2bであっても左右で逆転するのみであって同様である。これは、Nの文字が鼻(Nose)を示すとともに、Tの文字がこめかみ(Temple)を示すものであり、被検者の顔における位置関係が左右で逆転することによる。
8つの内部周辺記号C3は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた各内部周辺位置P3(図16参照)に対応して設けられている。すなわち、内部周辺記号C3は、例えば、内部周辺記号C3bが内部周辺位置P3bに対応するように、符号C3の後に付した小文字のアルファベット(a〜h)が、符号P3の後に付した小文字のアルファベット(a〜h)と一致する内部周辺位置P3(図16参照)に対応する。
6つの外部周辺記号C4は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた各外部周辺位置P4(図16参照)に対応して設けられている。すなわち、外部周辺記号C4は、例えば、外部周辺記号C4dが外部周辺位置P4dに対応するように、符号C4の後に付した小文字のアルファベット(a〜f)が、符号P4の後に付した小文字のアルファベット(a〜f)と一致する外部周辺位置P4(図16参照)に対応する。
このように、位置選択記号53は、対応する被検眼Eにおいて角膜内皮細胞S2cの撮影が可能とされた位置(P1〜P4)に適合させて、各記号(C1〜C4)を配置して構成されている。このため、位置選択記号53は、対応する被検眼Eにおける任意の位置を直感的に選択することを可能としている。
また、位置選択記号53では、17個の記号(C1〜C4)のそれぞれにおいて、選択されたか否かを一見して把握することが可能とされている。位置選択記号53は、本実施例では、選択される前と後とで各記号の色を変化させるものとしている(図19に示す例では中心位置記号C1、内部周辺記号C3d、内部周辺記号C3e、内部周辺記号C3f参照)。これは、位置選択記号53では、各記号のうち、複数が選択され得ることを想定していることによる。
患者選択記号54は、患者(被験者)を選択する画面(図示せず)に戻るために設けられている。その患者(被験者)を選択する画面は、上述した撮影種別設定画面Sk(図18参照)の前に表示部14の表示面14aに表示されるものである。これは、角膜内皮細胞撮影装置10では、患者(被験者)毎に過去の測定結果や測定位置等の各種データの管理が可能とされていることによる。
決定記号55は、表示部14の表示面14aに表示している画面における設定もしくは動作が完了した際に操作されるものであり、操作により次の工程に移行させるものである。換言すると、決定記号55は、表示部14の表示面14aに表示している画面における設定が完了した際、もしくは当該画面における動作が問題ない際に操作されるものである。この決定記号55は、この撮影位置設定画面Spに表示されている場面では、位置選択記号53の各記号の選択による各撮影位置の設定が完了した際に操作されるものであり、被検眼Eの設定した各撮影位置における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影するための動作を開始させるものとなる。
前眼部観察画面So(図20参照)は、被検眼Eの任意の撮影位置における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影を行うために被検眼Eの前眼部(前眼部像E´)を観察するものである。この前眼部観察画面Soでは、図20に示すように、画像表示領域56と測定状態標示記号70とサイド標示記号57とともに、表示部14におけるタッチパネルの機能を利用して触れることによる選択(切替)操作を可能するアイコンとしての顎受移動記号58が表示される。また、前眼部観察画面Soでは、撮影位置設定画面Sp(図19参照)と同様の患者選択記号54と決定記号55とが表示される。その決定記号55は、この前眼部観察画面Soに表示されている場面では、後述するように画像表示領域56に表示されている前眼部像E´におけるアライメント指標光の虚像像R´´の位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を実行させるものとなる。なお、この角膜内皮細胞S2cの撮影の実行は、画像表示領域56に表示された前眼部像E´(その瞳孔)を触れることにより行うものであってもよい。
画像表示領域56は、上述したように前眼部観察光学系33(その撮像素子33g)により取得した被検眼Eの前眼部像E´とアライメント指標光の虚像像R´´とを表示させる箇所となる。すなわち、画像表示領域56では、撮像素子33gからの受光信号に基づく画像をリアルタイムで(即時的に)表示する。この画像表示領域56は、検者が被検眼Eの前眼部の状態を観察するための表示となり、前眼部像E´におけるアライメント指標光の虚像像R´´の位置の確認を行うことを可能とする。すなわち、検者は、この前眼部観察画面Soにおいて、画像表示領域56で前眼部像E´におけるアライメント指標光の虚像像R´´の位置を確認することにより、被検眼Eにおいて角膜内皮細胞S2cの撮影を実行する撮影位置を確認することができる。
測定状態標示記号70は、各被検眼Eにおいて、今から撮影する撮影位置の把握と、次に撮影する予定の撮影位置の把握と、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の把握と、既に撮影した撮影位置の把握と、各固視点により規定される位置であって設定されていない位置の把握と、を可能とするものである。この測定状態標示記号70は、左右の被検眼Eのそれぞれに対応して画像表示領域56の図20を正面視した左右の外側に1つずつ表示される。測定状態標示記号70における表示内容については、後に説明する。
サイド標示記号57は、左右に1つずつ表示される各測定状態標示記号70が、それぞれ左右いずれの被検眼Eを示しているものであるかを標示するものである。これは、本実施例では、各測定状態標示記号70が、左右のいずれのものが被検者の左右のいずれの被検眼Eに対応するものであるかが、表示部14の状態に応じて変更するものとされていることによる。詳細には、各測定状態標示記号70は、表示部14が図2に示す(図1に実線で示すものも同様)ように検者の側(Z軸方向負側)に表示面14aが向けられている状態では、図20を正面視して右側が左側の被検眼Eに対応し、左側が右側の被検眼Eに対応するものとされる。このため、この状態では、図20を正面視して右側のサイド標示記号57(個別に示す際は57aとする)が左側の被検眼Eである旨を標示するものとなり、図20を正面視して左側のサイド標示記号57(個別に示す際は57bとする)が右側の被検眼Eである旨を標示するものとなる。また、各測定状態標示記号70は、表示部14が図1に二点鎖線で示す状態とされて被検者の側(Z軸方向正側)に表示面14aが向けられている状態では、図示は略すが、図20を正面視して右側が右側の被検眼Eに対応し、左側が左側の被検眼Eに対応するものとされる。このため、この状態では、図示は略すが、サイド標示記号57aが右側の被検眼Eである旨を標示するものとなり、サイド標示記号57bが左側の被検眼Eである旨を標示するものとなる。すなわち、各測定状態標示記号70は、表示部14の表示面14aを見ている者(検者)を基準として、被検者の被検眼Eにおける左右方向と一致する側(サイド)に表示内容を対応させる。そして、各サイド標示記号57は、近接して表示される測定状態標示記号70がいずれの被検眼Eに対応する表示をしているかの把握を可能とする。なお、このサイド標示記号57は、撮影位置設定画面Sp(図19参照)においても表示されており、当該撮影位置設定画面Spにおいては各位置選択記号53の左右のいずれのものが被検者の左右のいずれの被検眼Eに対応するものであるかを示している。このため、各位置選択記号53は、撮影位置設定画面Spにおいて、各測定状態標示記号70と同様に表示部14の状態に応じて左右のいずれのものが被検者の左右のいずれの被検眼Eに対応するものかを変更するものとしてもよい。
顎受移動記号58は、顎受部15(図1参照)を上下に移動させる操作を行うものである。
撮影結果画面Sr(図21参照)は、測定結果すなわち取得(撮影)した角膜内皮細胞画像J(撮影結果)とその解析結果との確認を可能とするものである。この撮影結果画面Srでは、図21に示すように、取得画像領域61と解析画像領域62と取得位置標示記号63と解析結果表示領域64とともに、表示部14におけるタッチパネルの機能を利用して触れることによる選択(切替)操作を可能するアイコンとしての再撮影記号65と出力記号66と、が表示される。また、前眼部観察画面Soでは、撮影位置設定画面Sp(図19参照)と同様の患者選択記号54と決定記号55と各サイド標示記号57と各測定状態標示記号70とが表示される。その決定記号55は、この撮影結果画面Srに表示されている場面では、次に設定した撮影位置での角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影するための動作を開始させるものとなる。
取得画像領域61は、被検眼Eの任意の撮影位置における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影結果としての角膜内皮細胞画像Jを表示する箇所となる。検者は、この取得画像領域61を見ることにより、取得(撮影)した角膜内皮細胞画像J(撮影結果)の良し悪しを判断することができる。
解析画像領域62は、取得した角膜内皮細胞画像Jを解析した解析結果としての細胞解析画像Jaを表示する箇所となる。この細胞解析画像Jaは、角膜内皮細胞画像Jを制御部21(図3参照)が画像解析することにより、当該角膜内皮細胞画像Jにおける各細胞を検出して当該細胞毎に区画して示したものである。制御部21(図3参照)は、この画像解析の結果、すなわち区画した各細胞に基づいて解析して各種の数値を算出する。
取得位置標示記号63は、取得画像領域61に表示された角膜内皮細胞画像Jおよび解析画像領域62に表示された細胞解析画像Jaが、被検眼Eにおけるいずれの撮影位置のものであるのかを表示により把握を可能とするものである。検者は、この取得位置標示記号63を見ることにより、取得画像領域61の角膜内皮細胞画像Jや解析画像領域62の細胞解析画像Jaが、被検眼Eにおけるいずれの撮影位置を撮影したものであるのかを確認することができる。
解析結果表示領域64は、制御部21(図3参照)による角膜内皮細胞画像J(細胞解析画像Ja)の解析結果としての各種の数値を表示する箇所である。解析結果表示領域64では、右端に角形分布グラフ64aと画面分布グラフ64bとを表示している。また、解析結果表示領域64では、取得位置標示記号63の下方に、角膜厚64cと細胞密度64d変動係数64eと六角細胞出現率64fとを表示している。さらに、解析結果表示領域64では、それらの下方に、解析細胞数64gと最小細胞面積64hと最大細胞面積64iと平均細胞面積64jと細胞面積標準偏差64kとを示している。なお、この解析結果表示領域64において表示する内容(グラフおよび数値)は、適宜設定すればよく、本実施例に限定されるものではない。
再撮影記号65は、取得位置標示記号63に表示された撮影位置、すなわち再度角膜内皮細胞S2cを撮影(角膜内皮細胞画像Jを取得)した撮影位置において、再度角膜内皮細胞S2cを撮影する(角膜内皮細胞画像Jの取得の)ために設けられている。この再撮影記号65は、検者が取得画像領域61の撮影結果としての角膜内皮細胞画像Jや、解析結果としての解析画像領域62の細胞解析画像Jaおよび解析結果表示領域64を見て、同じ撮影位置で角膜内皮細胞S2cを撮影し直した方が良いと考えた場合や、試しに同じ撮影位置で角膜内皮細胞S2cを撮影してみたいと考えた場合に操作される。
出力記号66は、この撮影結果画面Srで表示している内容を印刷させるものである。なお、出力記号66は、印刷させることに替えて、撮影結果画面Srで表示している内容(そのデータ)を外部機器に出力するものであってもよい。
[測定状態標示記号]
次に、前眼部観察画面So(図20参照)または撮影結果画面Sr(図21参照)に表示される測定状態標示記号70(図22参照)の表示内容および表示方法について説明する。この測定状態標示記号70は、図22に示すように、1つの中心位置標示点71と、8つの内部周辺標示点72と、6つの外部周辺標示点73と、を有する。その中心位置標示点71は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた中心位置P1(図16、図17参照)に対応されている。
また、8つの内部周辺標示点72は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた各内部周辺位置P3(図16参照)に対応されている。すなわち、内部周辺標示点72は、例えば、内部周辺標示点72fが内部周辺位置P3fに対応するように、符号72の後に付した小文字のアルファベット(a〜h)が、符号P3の後に付した小文字のアルファベット(a〜h)と一致する内部周辺位置P3(図16参照)に対応する。
さらに、6つの外部周辺標示点73は、被検眼Eにおいて撮影可能とされた各外部周辺位置P4(図16参照)に対応されている。すなわち、外部周辺標示点73は、例えば、外部周辺標示点73cが外部周辺位置P4cに対応するように、符号73の後に付した小文字のアルファベット(a〜f)が、符号P4の後に付した小文字のアルファベット(a〜h)と一致する外部周辺位置P4(図16参照)に対応する。
このように、測定状態標示記号70は、対応する被検眼Eにおいて角膜内皮細胞S2cの撮影が可能とされた位置(P1、P3、P4)に適合させて、各標示点(71、72、73)を配置して構成されている。このため、測定状態標示記号70は、被検眼Eにおける任意の撮影位置を直感的に認識することを可能としている。なお、測定状態標示記号70では、対応する被検眼Eにおいて角膜内皮細胞S2cの撮影が可能とされた2つの拡大位置P2に適合させて、2つの標示点を設けるものであってもよい。
そして、測定状態標示記号70では、各標示点(71、72、73)において、5つの状態のいずれであるかを一見して把握することが可能とされている。これは、本実施例の測定状態標示記号70では、今から撮影する撮影位置の把握(状態Vaとする)と、その次に撮影する予定の撮影位置の把握(状態Vbとする)と、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の把握(状態Vcとする)と、既に撮影した撮影位置の把握(状態Vdとする)と、各固視点により規定される位置であって設定されていない位置の把握(状態Veとする)と、を可能とすることによる。この測定状態標示記号70では、5つの状態のいずれであるかを一見して把握することが可能とするために、各標示点における色を変化させるとともに表示の態様を変化させている。測定状態標示記号70では、その一例として、今から撮影する撮影位置を状態Vaの標示点を緑色で塗り潰して示し、その次に撮影する予定の撮影位置の状態Vbの標示点を橙色で塗り潰して示し、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の状態Vcの標示点を白色で塗り潰して示し、既に撮影した撮影位置の状態Vdの標示点を橙色としつつ内部を抜いて示し、その他(設定されていない)の撮影位置の状態Veの標示点を白色としつつ内部を抜いて示す。
図22に示す例では、中心位置標示点71が、今から撮影する撮影位置の標示点とされ、状態Vaとされて緑色で塗り潰されている。また、図22に示す例では、内部周辺標示点72eが、その次に撮影する予定の撮影位置の標示点とされ、状態Vbとされて橙色で塗り潰されている。さらに、図22に示す例では、内部周辺標示点72fが、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の標示点とされ、状態Vcとされて白色で塗り潰されている。図22に示す例では、内部周辺標示点72dが、既に撮影した撮影位置の標示点とされ、状態Vdとされて橙色としつつ内部が抜かれている。図22に示す例では、その他の標示点、すなわち5つの内部周辺標示点72(72a、72b、72c、72g、72h)と6つの外部周辺標示点73とがその他(設定されていない)の位置の標示点とされ、状態Veとされて白色としつつ内部が抜かれている。
このため、測定状態標示記号70は、今から撮影する撮影位置と、次に撮影する予定の撮影位置と、を一見して把握させることができる。また、測定状態標示記号70は、それに加えて、設定されていて未だ撮影していない撮影位置と、既に撮影した撮影位置と、その他(設定されていない)の位置と、を一見して把握させることができる。なお、本実施例では、各位置における5つの状態(VaからVe)の把握を可能としていたが、今から撮影する撮影位置(その状態(状態Va))と次に撮影する予定の撮影位置(その状態(状態Vb))との把握を可能とするものであれば、他の状態(設定されていて未だ撮影していない撮影位置(その状態(状態Vc))、既に撮影した撮影位置(その状態(状態Vd))、およびその他(設定されていない)の位置(その状態(状態Ve)))はいずれか1つのみの把握を可能とするものであってもよく、適宜組み合わせるものであってもよく、本実施例に限定されるものではない。
次に、この測定状態標示記号70の表示内容を設定する表示制御処理について説明する。この表示制御処理は、制御部21の記憶部21a(図3参照)に格納(記憶)されたプログラムにより、制御部21の制御下で実行される。図23は、本実施例における制御部21にて実行される表示制御処理を示すフローチャートである。以下、図23のフローチャートの各ステップについて説明する。この表示制御処理は、上述したように撮影位置設定画面Spの各位置選択記号53での選択により角膜内皮細胞S2cを撮影するための撮影位置が複数設定されて、その撮影する順番が後述するように設定されることにより開始されて、図24のフローチャートと同時に進行する。その図24のフローチャートについては後述する。制御部21は、設定された撮影位置と、その個数と、撮影する順番と、の情報を取得する。そして、制御部21では、設定された撮影位置の個数kを記憶部21aに格納(記憶)するとともに、設定された撮影位置に対応する測定状態標示記号70の標示点(図22参照)を抽出し、各撮影位置に設定された撮影する順番rを抽出した各標示点に設定する。また、このフローチャートで使用するカウント数nは、図24のフローチャートで用いるカウント数nと連動させる。
ステップS11では、抽出した各標示点を状態Vcとするともに、残りの各標示点を状態Veして、ステップS12へ進む。このステップS11では、順番に関係なく抽出した全ての標示点を状態Vcとし、本実施例では当該各標示点を白色で塗り潰す。また、ステップS11では、残りの各標示点を状態Veし、本実施例では当該各標示点を白色としつつ内部を抜く。
ステップS12では、ステップS11での抽出した各標示点を状態Vcとするともに残りの各標示点を状態Veとすること、あるいは、ステップS15での図24のフローチャートが終了していないとの判断に続き、r=nとなる標示点を状態Vaとして、ステップS13へ進む。このステップS12では、n番目の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行している場面となることから、抽出した各標示点においてr=nとなる標示点を状態Vaとし、本実施例では当該標示点を緑色で塗り潰す。
ステップS13では、ステップS12でのr=nとなる標示点を状態Vaとすることに続き、r=n+1となる標示点を状態Vbとして、ステップS14へ進む。このステップS13では、n番目の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行している場面となることから、次に撮影を実行するのが(n+1)番目の撮影位置となるので、抽出した各標示点においてr=n+1となる標示点を状態Vbとし、本実施例では当該標示点を橙色で塗り潰す。
ステップS14では、ステップS13でのr=n+1となる標示点を状態Vbとすることに続き、r=n−1となる標示点を状態Vdとして、ステップS15へ進む。このステップS14では、n番目の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行している場面となることから、n−1番目の撮影位置の撮影が既に実行されたこととなるので、抽出した各標示点において、r=n−1となる標示点を状態Vdとし、本実施例では当該標示点を橙色としつつ内部を抜く。
ステップS15では、ステップS14でのr=n−1となる標示点を状態Vdとすることに続き、図24のフローチャートが終了したか否かを判断し、Yesの場合はステップS16へ進み、Noの場合はステップS12へと戻る。このステップS15では、このフローチャートの表示制御処理により表示内容が設定される測定状態標示記号70が、図24のフローチャートにより実行される角膜内皮細胞S2cの撮影動作のための画面に表示されるものであることから、図24のフローチャートが終了したか否かを判断する。
ステップS16では、ステップS15での図24のフローチャートが終了したとの判断に続き、r=nとなる標示点を状態Vdとして、表示制御処理を終了する。このステップS16では、図24のフローチャートが終了したことから、撮影する順番が最後とされた撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影が終了したこととなり、最後の撮影位置の撮影が既に実行されたこととなるので、抽出した各標示点においてr=nとなる標示点を状態Vdとする。
なお、上記した図24のフローチャートでは、ステップS12、ステップS13、ステップS14の順で各表示部の表示状態を変更していくものとしていたが、この各ステップの順番は入れ替えてもよく、本実施例に限定されるものではない。また、ステップS12、ステップS13およびステップS14では、カウント数nの値によっては該当する標示点が存在しない場合が生じるが、その場合には該当するステップ(工程)を実行することなく次のステップ(工程)へと進むものとする。
[撮影の設定動作]
次に、角膜内皮細胞撮影装置10において、被検眼Eの角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cにおける撮影する撮影位置(撮影箇所)の設定動作について説明する。制御部21(図3参照)以下に示す角膜内皮細胞撮影装置10での動作は、表示部14に為された操作に基づき、制御部21(図3参照)の制御下で適宜行われる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、図示を略す患者(被験者)を選択する画面において患者(被験者)を選択すると、選択した患者(被験者)に対応した撮影種別設定画面Sk(図18参照)を表示部14の表示面14aに表示させる。その撮影種別設定画面Skにおいて、撮影モード設定記号51により撮影モードが設定されるとともに、測定眼設定記号52により左右いずれの被検眼Eを角膜内皮細胞画像Jの撮影の対象とするのかが設定される。ここで右眼選択記号52aもしくは左眼選択記号52cによりいずれか一方の被検眼Eが撮影の対象とされた場合には当該一方のみの被検眼Eに対して、両眼選択記号52bにより両方の被検眼Eが撮影の対象とされた場合には左右それぞれの被検眼Eに対して、角膜内皮細胞S2cの撮影の動作が行われる。このため、測定眼設定記号52による選択がいずれであっても、撮影の対象とする被検眼Eが変わることを除けば同様となるので、下記の説明では両眼選択記号52bにより両方の被検眼Eが撮影の対象とされた場合について説明し、他は省略する。
そして、撮影モード設定記号51において、中心撮影記号51aにより中心撮影モードが設定されたものとする。すると、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの中心光源部38c(図8等参照)を点灯させて、対物窓33hに中心固視点fcを形成しつつ(図9(a)等参照)、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。この動作は、双方の被検眼Eに対して行われる。これにより、双方の被検眼Eの中心位置P1における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを取得する(図16等参照)。
また、撮影モード設定記号51において、中心拡大撮影記号51bにより中心拡大撮影モードが設定されたものとする。すると、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの中心光源部38c(図8等参照)を点灯させて、対物窓33hに中心固視点fcを形成しつつ(図9(a)等参照)、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。その後、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの一方の拡大光源部38d(図8等参照)を点灯させて、対物窓33hに中心固視点fcに隣接する一方の隣接固視点(図示せず)を形成しつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。その後、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの他方の拡大光源部38d(図8等参照)を点灯させて、対物窓33hに中心固視点fcに隣接する他方の隣接固視点(図示せず)を形成しつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。この動作は、双方の被検眼Eに対して行われる。これにより、双方の被検眼Eの中心位置P1とその両脇に隣接する2つの拡大位置P2における角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの角膜内皮細胞画像Jを取得する(図17等参照)。なお、この中心位置P1と2つの拡大位置P2とにおける角膜内皮細胞S2cの撮影の順番は、どのようなものであってもよく、本実施例に限定されるものではない。
撮影モード設定記号51において、任意位置撮影記号51cにより任意位置撮影モードが設定されたものとする。すると、表示部14の表示面14aに撮影位置設定画面Sp(図19参照)を表示させる。この撮影位置設定画面Spでは、各位置選択記号53により撮影位置が選択された後に、決定記号55が操作されることにより、選択された位置を被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影するために設定された撮影位置とする。そして、各位置選択記号53により複数の撮影位置が設定(選択)された場合、選択された複数の撮影位置において角膜内皮細胞S2cを撮影する順番を設定する。
この順番の設定は、例えば、効率良く角膜内皮細胞S2cを撮影することを可能とする観点から行うことができる。この効率良く撮影するとは、例えば、各撮影位置での撮影のためには、上述したように対応する固視点(中心固視点fc、2つの隣接固視点、8つの内側周辺固視点fiおよび6つの外側周辺固視点fo)のいずれかを被検者に固視目標として注視させる必要があることから、被検者の視線の移動量を小さくすることが考えられる。これは、視線の移動量が小さければ、被検者の負担が軽くなるとともに固視目標として注視することを容易なものとすることができることによる。また、被検者が視線を移動させる際の方向(動き)の偏りをなくすことにより、被検者の負担を軽くすることも考えられる。なお、順番の設定は、例えば、各位置選択記号53において各記号が選択された順に設定するものであってもよく、予めプログラムにより設定されたものを適宜適用するものであってもよく、他の方法であってもよく、本実施例に限定されるものではない。
また、順番の設定は、検者(使用者)が行うものとしてもよい。この検者(使用者)による設定は、例えば、各位置選択記号53において各記号が選択された順に設定するものとすることができる。また、検者(使用者)による設定は、例えば、各位置選択記号53により各撮影位置が設定(選択)された後に、設定された各撮影位置の順序を設定させるための操作を求めるものとしてもよい。本実施例では、検者(使用者)による設定と、制御部21(図3参照)による自動的な設定と、の双方が選択可能とされている。
[任意位置撮影モードにおける設定された各撮影位置での撮影動作]
次に、角膜内皮細胞撮影装置10における設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影のための連続取得制御処理について説明する。この連続取得制御処理は、制御部21の記憶部21a(図3参照)に格納(記憶)されたプログラムにより、制御部21の制御下で実行される。図24は、本実施例における制御部21にて実行される連続取得制御処理を示すフローチャートである。以下、図24のフローチャートの各ステップについて説明する。この連続取得制御処理は、任意位置撮影モードとされて上述したように撮影位置設定画面Spの各位置選択記号53での選択により角膜内皮細胞S2cにおける撮影位置が複数設定されて、その撮影する順番が設定されることにより開始される。そして、制御部21では、設定された各撮影位置と、その個数と、撮影する順番と、の情報を取得する。そして、設定された撮影位置の個数kを記憶部21aに格納(記憶)するとともに、設定された各撮影位置に対応する固視点(それを形成する光源)を抽出し、各撮影位置に設定された撮影する順番rを抽出した各固視点(光源)に設定する。なお、上記した個数kは、上述した表示制御処理(図23のフローチャート)と等しいものとなる。また、このフローチャートでは、現在行っている角膜内皮細胞S2cの撮影のための動作が何番目に設定された撮影位置に対して行っているのかをカウントするための変数nを用いており、図24のフローチャートを開始する際にはn=1とする。
ステップS21では、当該フローチャートの開始、あるいは、ステップS26でのn+1を新たなnとすることに続き、r=nの撮影位置に対応する固視点を形成して、ステップS22へ進む。このステップS21では、n番目の撮影位置に対応する光源を点灯させて、順番n(r=n)とした固視点を形成する。また、ステップS21では、先にn−1番目の撮影位置に対応する光源を点灯させて、順番n−1(r=n−1)とした固視点を形成している場合、当該光源を消灯し当該固視点の形成を止める。
ステップS22では、ステップS21でのr=nの撮影位置に対応する固視点の形成、あるいは、ステップS24での撮影結果画面Srに表示された測定結果に問題があるとの操作がされたとの判断に続き、角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影を実行して、ステップS23へ進む。このステップS22では、ステップS21で形成したr=nの撮影位置に対応する固視点を被検者に固視目標として注視させつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。ステップS22では、本実施例では、次のような動作を行う。先ず、r=nの撮影位置に対応する固視点を被検者に固視目標として注視させつつ、前眼部観察画面So(図20参照)を表示部14の表示面14aに表示させる。そして、上述したようにXYアライメントを行う。このXYアライメントは、手動であっても自動であってもよい。そして、検者は、この前眼部観察画面Soに表示された前眼部像E´およびアライメント指標光の虚像像R´´の表示から、XYアライメントが適切に行われたか否かを判断する。すなわち、検者は、この前眼部観察画面Soに表示された前眼部像E´上におけるアライメント指標光の虚像像R´´の位置が、角膜内皮細胞S2cの撮影を行いたい撮影位置であるか否かを判断する。そして、XYアライメントが適切ではない場合には、再度XYアライメントを行う。また、適切である場合には前眼部観察画面Soに表示された決定記号55を操作するもしくは前眼部観察画面Soに表示された画像表示領域56の前眼部像E´(その瞳孔)に触れる。すると、角膜内皮細胞撮影装置10では、装置本体部13をベース11に対してZ軸方向(前後方向)に適宜移動させて、Zアライメントを行って角膜内皮細胞撮影光学系35を角膜内皮細胞S2cに合焦させる。その後、上述したように被検眼Eの角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを可視光(撮影用光束)で撮影して角膜内皮細胞画像Jを取得する(図15等参照)。そして、細胞解析画像Ja(図21参照)を生成し、当該細胞解析画像Ja(角膜内皮細胞画像J)を解析して画像解析の結果としての各種の数値を算出する。
ステップS23では、ステップS22での角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影の実行に続き、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させて、ステップS24へ進む。このステップS23では、ステップS21で取得した角膜内皮細胞画像J、ステップS22において生成した細胞解析画像Jaおよび算出した画像解析に基づいて撮影結果画面Srを生成して、撮影結果画面Srを表示部14の表示面14aに表示させる。
ステップS24では、ステップS23での撮影結果画面Sr(図21参照)の表示に続き、撮影結果画面Srに表示された測定結果で問題ないとの操作がされたか否かを判断し、Yesの場合はステップS25へ進み、Noの場合はステップS22へと戻る。このステップS25では、撮影結果画面Srに表示された測定結果が問題ないとの操作がされたか否かを判断する。ステップS25では、本実施例では、撮影結果画面Srにおいて、決定記号55が操作されると測定結果が問題ないとの操作がされたものと判断し、再撮影記号65が操作されると測定結果に問題があるとの操作がされたものと判断する。このステップS25では、決定記号55の操作が次の撮影位置での撮影のための操作が為されたことを意味するので、撮影結果画面Srを見た検者が撮影結果画面Srに表示された測定結果に問題がないとの心象を得たものと判断する。また、ステップS25では、再撮影記号65の操作が同じ撮影位置での再度の角膜内皮細胞S2cの撮影(角膜内皮細胞画像Jの取得)のための操作が為されたことを意味するので、撮影結果画面Srを見た検者が撮影結果画面Srに表示された測定結果に問題があるとの心象を得たものと判断する。その測定結果は、本実施例では、撮影結果としての角膜内皮細胞画像Jと、解析結果としての細胞解析画像Jaおよび画像解析の各数値と、の双方を含むものとされている。
ステップS25では、ステップS24での撮影結果画面Srに表示された測定結果で問題ないとの操作がされたとの判断に続き、n=kであるか否かを判断し、Yesの場合は連続取得制御処理を終了し、Noの場合はステップS26へ進む。このステップS25では、選択された全ての撮影位置の角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影が終了したか否かを判断している。このため、選択された全ての撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影が終了していない場合には次の撮影位置の角膜内皮細胞S2cを撮影すべくステップS26へ進み、選択された全ての撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影が終了した場合には当該連続取得制御処理を終了する。
ステップS26では、ステップS25でのn=kであるとの判断に続き、n+1を新たなnとして、ステップS21へと戻る。このステップS26では、現在行っている角膜内皮細胞S2cの撮影動作が何番目に設定された撮影位置に対して行っているのかをカウントするための変数n(その現状の値)に1を加算して新たな変数n(n=n+1)とする。そして、ステップS26では、n番目に設定された撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影が終了したことから、次の撮影位置(実質的に(n+1)番目の撮影位置)の角膜内皮細胞S2cを撮影すべく、ステップS21へと戻る。
次に、任意位置撮影モードにおける設定された各撮影位置での撮影動作の一例について、測定状態標示記号70における表示内容の変化の態様を示す図25を用いつつ述べる。なお、その図25では、図22と同様の測定状態標示記号70を記載して示しているが、理解容易のために各標示点の符号(71、72、73)を省略しつつ、各状態を示す符号(Va、Vb、Vc、Vd、Ve)のみを付して示している。
この具体例では、上述したように任意位置撮影モードが設定されて、表示部14の表示面14aに表示された撮影位置設定画面Spにおいて、図19に示すように、両位置選択記号53により、中心位置記号C1と内部周辺記号C3dと内部周辺記号C3eと内部周辺記号C3fとが選択されたものとする。すると、各位置選択記号53では、選択された各記号(C1、C3d、C3e、C3f)の色が他の各記号とは異なるものとされる。これにより、検者(使用者)は、どの位置(撮影位置)を選択したのか一見して把握することができる。その後、上記の4つの選択により、撮影位置の設定が完了したものとして決定記号55が操作されたものとする。ここで、順番が、内部周辺記号C3dが1番目、中心位置記号C1が2番目、内部周辺記号C3eが3番目、内部周辺記号C3fが4番目に設定されたものする。このため、被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する順番は、内部周辺位置P3dが1番目、中心位置P1が2番目、内部周辺位置P3eが3番目、内部周辺位置P3fが4番目にそれぞれ設定される(図16参照)。
このとき、測定状態標示記号70では、内部周辺標示点72dを1番目としてr=1とし、中心位置標示点71を2番目としてr=2とし、内部周辺標示点72eを3番目としてr=3とし、内部周辺標示点72fを4番目としてr=4とする(図22参照)。そして、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS11へと進むことにより、内部周辺標示点72dと中心位置標示点71と内部周辺標示点72eと内部周辺標示点72fとを、設定されていて未だ撮影していない撮影位置としての状態Vcとして白色で塗り潰す(図25(a)参照)。また、測定状態標示記号70では、残りの標示点(内部周辺標示点72a〜72c、72g〜72hおよびすべての外部周辺標示点73)を、設定されていない撮影位置としての状態Veとして白色としつつ内部を抜く(図25(a)参照)。
この後、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS21へと進むことにより、内部固視点投影光学系38の対応する1つの内部周辺固視光源38bを点灯して、1番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3d(図16参照)に対応する内側周辺固視点fif(図9(b)参照)を形成する。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS22へと進むことにより、内側周辺固視点fifを被検者に固視目標として注視させつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。
このとき、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS12→ステップS13→ステップS14へと進むことにより、r=nとなる内部周辺標示点72dを今から撮影する撮影位置としての状態Va(緑色で塗り潰し)とし、r=n+1となる中心位置標示点71を次に撮影する予定の撮影位置としての状態Vb(橙色で塗り潰し)とする(図25(b)参照)。なお、この段階では、1番目の撮影位置である内部周辺位置P3dでの角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面であることからr=n−1となる標示点(既に撮影した撮影位置)は存在しないので、ステップS14は実質的に実行されず状態Vdとされる標示点もない。このように生成された図25(b)に示す測定状態標示記号70は、1番目の撮影位置である内部周辺位置P3dでの角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面において、前眼部観察画面So(図20参照)および撮影結果画面Sr(図21参照)に表示される。なお、その前眼部観察画面So(図20参照)および撮影結果画面Sr(図21参照)では、撮影動作が実行されていない側(サイド)の被検眼Eを示す測定状態標示記号70では、当該側(サイド)の撮影(測定)が完了していない場合には図25(a)に示す態様となり、当該側(サイド)の撮影(測定)が完了している場合には後述する図25(f)に示す態様となる。この撮影動作が実行されていない側(サイド)の測定状態標示記号70の態様は下記の動作に拘わらず変化することはない。
その後、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS23へと進むことにより、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させる。そして、撮影結果画面Sr(図21参照)において、決定記号55を操作するもしくは前眼部観察画面Soに表示された画像表示領域56の前眼部像E´(その瞳孔)に触れられたものとする。すると、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS24→ステップS25→ステップS26へと進むことにより、1番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3d(図16参照)の撮影動作を終了し、2番目の撮影位置とされた中心位置記号C1(図16参照)の撮影動作へと移行すべくカウント数nを2とする。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS21へと進むことにより、内部固視点投影光学系38の中心固視光源38aの中心光源部38c(図8等参照)を点灯して、2番目の撮影位置とされた中心位置記号C1(図16参照)に対応する中心固視点fc(図9(a)参照)を形成する。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS22へと進むことにより、中心固視点fcを被検者に固視目標として注視させつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。
このとき、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS12→ステップS13→ステップS14へと進むことにより、r=nとなる中心位置標示点71を今から撮影する撮影位置としての状態Va(緑色で塗り潰し)とし、r=n+1となる内部周辺標示点72eを次に撮影する予定の撮影位置としての状態Vb(橙色で塗り潰し)とし、r=n−1となる内部周辺標示点72dを既に撮影した撮影位置としての状態Vd(橙色としつつ内部を抜く)とする(図25(c)参照)。このように生成された図25(c)に示す測定状態標示記号70は、2番目の撮影位置である中心位置記号C1での角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面において、前眼部観察画面So(図20参照)および撮影結果画面Sr(図21参照)に表示される。
その後、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS23へと進むことにより、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させる。そして、撮影結果画面Sr(図21参照)において、決定記号55を操作するもしくは前眼部観察画面Soに表示された画像表示領域56の前眼部像E´(その瞳孔)に触れられたものとする。すると、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS24→ステップS25→ステップS26へと進むことにより、2番目の撮影位置とされた中心位置記号C1(図16参照)の撮影動作を終了し、3番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3e(図16参照)の撮影動作へと移行すべくカウント数nを3とする。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS21へと進むことにより、内部固視点投影光学系38の対応する1つの内部周辺固視光源38bを点灯して、3番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3e(図16参照)に対応する内側周辺固視点fie(図9(b)参照)を形成する。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS22へと進むことにより、内側周辺固視点fieを被検者に固視目標として注視させつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。
このとき、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS12→ステップS13→ステップS14へと進むことにより、r=nとなる内部周辺標示点72eを今から撮影する撮影位置としての状態Va(緑色で塗り潰し)とし、r=n+1となる内部周辺標示点72fを次に撮影する予定の撮影位置としての状態Vb(橙色で塗り潰し)とし、r=n−1となる中心位置標示点71を既に撮影した撮影位置としての状態Vd(橙色としつつ内部を抜く)とする(図25(d)参照)。このように生成された図25(d)に示す測定状態標示記号70は、3番目の撮影位置である内部周辺位置P3eでの角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面において、前眼部観察画面So(図20参照)および撮影結果画面Sr(図21参照)に表示される。
その後、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS23へと進むことにより、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させる。そして、撮影結果画面Sr(図21参照)において、決定記号55を操作するもしくは前眼部観察画面Soに表示された画像表示領域56の前眼部像E´(その瞳孔)に触れられたものとする。すると、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS24→ステップS25→ステップS26へと進むことにより、3番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3e(図16参照)の撮影動作を終了し、4番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3f(図16参照)の撮影動作へと移行すべくカウント数nを4とする。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS21へと進むことにより、内部固視点投影光学系38の対応する1つの内部周辺固視光源38bを点灯して、4番目の撮影位置とされた内部周辺位置P3f(図16参照)に対応する内側周辺固視点fid(図9(b)参照)を形成する。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS22へと進むことにより、内側周辺固視点fidを被検者に固視目標として注視させつつ、上述した角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。
このとき、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS12→ステップS13→ステップS14へと進むことにより、r=nとなる内部周辺標示点72fを今から撮影する撮影位置としての状態Va(緑色で塗り潰し)とし、r=n−1となる内部周辺標示点72eを既に撮影した撮影位置としての状態Vd(橙色としつつ内部を抜く)とする(図25(e)参照)。なお、この段階では、4番目すなわち設定された最後の撮影位置である内部周辺位置P3fでの角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面であることからr=n+1となる標示点(次に撮影する予定の撮影位置)は存在しないので、ステップS13は実質的に実行されず状態Vbとされる標示点もない。このように生成された図25(e)に示す測定状態標示記号70は、4番目の撮影位置である内部周辺位置P3fでの角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する場面において、前眼部観察画面So(図20参照)および撮影結果画面Sr(図21参照)に表示される。
その後、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS23へと進むことにより、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させる。そして、撮影結果画面Sr(図21参照)において、決定記号55を操作するもしくは前眼部観察画面Soに表示された画像表示領域56の前眼部像E´(その瞳孔)に触れられたものとする。すると、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、図24のフローチャートにおいてステップS24→ステップS25へと進むことにより、カウント数n(=4)が選択数k(=4)と等しくなったことから、4番目すなわち設定された最後の撮影位置である内部周辺位置P3f(図16参照)の撮影動作を終了したので、連続取得制御処理を終了する。そして、角膜内皮細胞撮影装置10(制御部21)では、表示部14(その表示面14a)への操作に従って、各位置で角膜内皮細胞S2cを撮影して得られた角膜内皮細胞画像Jやその解析結果(細胞解析画像Jaおよび画像解析の結果)を表示部14(その表示面14a)に適宜表示させる。
このとき、測定状態標示記号70では、図23のフローチャートにおいてステップS15→ステップS16へと進むことにより、r=nとなる内部周辺標示点72fを既に撮影した撮影位置としての状態Vd(橙色としつつ内部を抜く)とする(図25(f)参照)。これにより、測定状態標示記号70では、連続取得制御処理が終了したことから、最後に撮影された内部周辺位置P3f(図16参照)に対応する内部周辺標示点72fを状態Vd(橙色としつつ内部を抜く)とすることで、設定した全ての位置の撮影が終了したことを示す態様となる(設定された4つの標示部がすべて既に撮影した撮影位置としての状態Vdとなる)。このように生成された図25(f)に示す測定状態標示記号70は、上述したように、各位置で角膜内皮細胞S2cを撮影して得られた角膜内皮細胞画像Jやその解析結果(細胞解析画像Jaおよび画像解析の結果)を表示部14(その表示面14a)に適宜表示させる場面や、撮影動作が実行されていない側(サイド)で撮影動作が完了した被検眼Eを示す場面において、適宜表示される。
本発明に係る角膜内皮細胞撮影装置の一実施例としての角膜内皮細胞撮影装置10では、角膜内皮細胞S2cの撮影を行っている際に、測定状態標示記号70により、今から撮影する撮影位置の把握と、次に撮影する予定の撮影位置の把握と、を可能とすることができる。このため、検者は、今から撮影する撮影位置が適切なものであるのかを確認することができるとともに、次に撮影する予定の撮影位置も併せて確認することができる。このことから、検者は、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置とを管理することなく、それぞれの撮影位置を容易に把握することができる。このことは、例えば、検者による検診の作業の効率を向上させることができるとともに、被検者に次の撮影のために視線を向ける方向を知らせることができる。これにより、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置とを確実に把握させることができ、角膜内皮細胞S2cの撮影を円滑なものとすることができるとともに使い勝手を向上させることができる。
また、角膜内皮細胞撮影装置10では、角膜内皮細胞S2cの撮影を行っている際に、測定状態標示記号70により、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置との把握に加えて、設定されていて未だ撮影していない撮影位置の把握を可能とすることができる。このため、検者は、今から撮影する撮影位置が適切なものであるのかを確認することができ、次に撮影する予定の撮影位置を確認することができ、かつ設定されていて未だ撮影していない撮影位置およびその個数も併せて確認することができる。このことから、検者は、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置とを管理することなく、それぞれの撮影位置を容易に把握することができる。このことは、例えば、検者による検診の作業の効率を向上させることができるとともに、被検者に次の撮影のために視線を向ける方向を知らせることや残りの個数を知らせることができる。これにより、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置とを確実に把握させることができ、角膜内皮細胞S2cの撮影を円滑なものとすることができるとともに使い勝手をより向上させることができる。
さらに、角膜内皮細胞撮影装置10では、角膜内皮細胞S2cの撮影を行っている際に、測定状態標示記号70により、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置との把握に加えて、既に撮影した撮影位置の把握を可能とすることができる。このため、検者は、今から撮影する撮影位置が適切なものであるのかを確認することができ、次に撮影する予定の撮影位置を確認することができ、設定されていて未だ撮影していない撮影位置およびその個数を確認することができ、かつ既に撮影した撮影位置も併せて確認することができる。このことから、検者は、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置と既に撮影した撮影位置とを管理することなく、それぞれの撮影位置を容易に把握することができる。このことは、例えば、検者による検診の作業の効率を向上させることができるとともに、被検者に次の撮影のために視線を向ける方向を知らせることや残りの個数を知らせることができる。また、検者は、既に撮影した撮影位置を確認することができるので、撮影(設定)し忘れたか否かの確認を容易なものとすることができる。これにより、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置と既に撮影した撮影位置とを確実に把握させることができ、角膜内皮細胞S2cの撮影を円滑なものとすることができるとともに使い勝手をより向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、角膜内皮細胞S2cの撮影を行っている際に、測定状態標示記号70により、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置と既に撮影した撮影位置との把握に加えて、各固視点により規定される位置であって設定されていない位置の把握を可能とすることができる。このため、検者は、設定されていない位置も含めて設定可能な全体の位置の中で、設定された各撮影位置を確認することができるので、今から撮影する撮影位置が適切なものであるのかの確認や、次に撮影する予定の撮影位置の確認や、設定されていて未だ撮影していない撮影位置およびその個数の確認や、既に撮影した撮影位置の確認が、より容易なものとなる。このことから、検者は、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置と既に撮影した撮影位置とを管理することなく、それぞれの位置をより容易に把握することができる。このことは、例えば、検者による検診の作業の効率をさらに向上させることができるとともに、被検者に次の撮影のために視線を向ける方向を知らせることや残りの個数を知らせることができる。これにより、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置と設定されていて未だ撮影していない撮影位置と既に撮影した撮影位置とをより確実に把握させることができ、角膜内皮細胞S2cの撮影を円滑なものとすることができるとともに使い勝手をより向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、測定状態標示記号70の各標示点における各状態(VaからVe(図22等参照))のいずれであるかを一見して把握することを可能としている。このため、角膜内皮細胞撮影装置10では、測定作業を行っている検者への負担をさらに軽減することができ、検者による検診の作業の効率をさらに向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定された被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する撮影位置に対応する固視点を形成して、当該角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することを、設定された全ての撮影位置に対して行う。このため、検者は、いずれの撮影位置で撮影するのかを管理することなく、確実に設定した全ての撮影位置で角膜内皮細胞S2cを撮影することができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を確実に行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定された被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cの撮影位置に対応する固視点を形成しつつ当該角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。このため、検者は、対応する固視点を形成するための操作を行うことなく、設定された被検眼Eにおける各撮影位置で角膜内皮細胞S2cを撮影することができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に煩雑な操作を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を確実に行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、検者に複雑な管理や煩雑な操作を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を確実に行うことができることから、結果として角膜内皮細胞S2cの撮影のための時間の低減を図ることができるので、使い勝手を向上させるとともに被検者の負担を低減することができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定された順番に応じて、当該設定された被検眼Eにおける各撮影位置に対応する固視点を形成して、その角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。このため、検者は、いずれの撮影位置での撮影をどのような順番で行うのかを管理することなく、確実に設定した各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を設定した順番で行うことができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に複雑な管理を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を設定した順番通りに確実に行うことができ、使い勝手をより向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定された順番に応じて、当該設定された被検眼Eにおける各撮影位置に対応する固視点を形成する。このため、検者は、設定した順番に対応する固視点を形成するための操作を行うことなく、設定された各撮影位置を設定された順番通りに撮影することができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける複数の撮影位置で角膜内皮S2の角膜内皮細胞S2cを撮影する場合であっても、検者に煩雑な操作を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を設定した順番通りに確実に行うことができ、使い勝手をより向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、検者に複雑な管理や煩雑な操作を要求することなく、設定された各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を設定した順番通りに確実に行うことができることから、結果として角膜内皮細胞S2cの撮影のための時間の低減を図ることができるので、使い勝手を向上させるとともに被検者の負担を低減することができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する複数の任意の撮影位置の設定を可能とし、その設定された撮影位置に対応する固視点を形成して当該角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行することを、設定された全ての撮影位置に対して行う。このため、検者は、被検者の被検眼Eの状態に応じて、任意の数だけ任意の撮影位置で角膜内皮細胞S2cを撮影する設定とすることができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、任意の数だけ任意の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影を設定させることを可能とするとともに、使用者(検者)に当該設定を記憶して管理させることなく設定した各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を確実に行うことができる。よって、角膜内皮細胞撮影装置10では、より効果的に使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する複数の任意の撮影位置の設定を可能としつつ、その設定された各撮影位置における撮影の順番の設定を可能とするものであり、その設定された順番に応じて設定された撮影位置に対応する固視点を形成して当該角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。このため、検者は、被検者の被検眼Eの状態に応じて任意の数だけ任意の撮影位置の角膜内皮細胞S2cを撮影する設定とすることができるとともに、撮影する順番を設定することができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、任意の数だけ任意の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影を任意の順番に設定させることを可能するとともに、使用者(検者)に当該設定を記憶させて管理させることなく設定した各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を任意の順番で確実に行うことができる。よって、角膜内皮細胞撮影装置10では、より効果的に使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する複数の任意の撮影位置の設定を可能としつつ、その設定された各撮影位置における撮影の順番の設定を可能とする。このため、検者は、被検者の視線の移動のし易さや、被検者の視線の移動に伴う負担等を考慮しつつ、被検者に応じて角膜内皮細胞S2cを撮影する順番を設定することができる。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、使い勝手を向上させるとともに、より被検者の負担を低減することができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、被検眼Eにおける角膜内皮細胞S2cを撮影する複数の任意の撮影位置の設定を可能とし、その設定された各撮影位置における撮影の順番を自動的に設定して、その順番に応じて設定された撮影位置に対応する固視点を形成して当該角膜内皮細胞S2cの撮影動作を実行する。このため、検者は、被検者の被検眼Eの状態に応じて任意の数だけ任意の撮影位置での角膜内皮細胞S2cを撮影する設定とするだけでよい。このことから、角膜内皮細胞撮影装置10では、任意の数だけ任意の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影を設定させることを可能とするとともに、使用者(検者)に当該設定を記憶して管理させることなくかつ順番の設定を要求することなく、設定した各撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影を確実に行うことができる。よって、角膜内皮細胞撮影装置10では、より効果的に使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定した撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影が終了する毎に、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させて、当該撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影結果を確認させる。そして、角膜内皮細胞撮影装置10では、その撮影結果画面Srにおいて、表示した撮影結果に問題があるとの操作がされた場合、再度同じ撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影動作を行い、表示した撮影結果で問題ないとの操作がされた場合に次の撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影動作へと移行する。このため、検者は、設定した撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影結果を確認して、納得したものを得てから次の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影へと移行させることができる。このため、角膜内皮細胞撮影装置10では、設定した全ての撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影が終了した後に、いずれかの撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影をやり直すことを防止することができ、使い勝手を向上させることができる。
角膜内皮細胞撮影装置10では、設定した撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影が終了する毎に、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させて、当該撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影結果とその解析結果とを確認させる。そして、角膜内皮細胞撮影装置10では、その撮影結果画面Srにおいて、表示した撮影結果やその解析結果に問題があるとの操作がされた場合、再度同じ撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影動作を行い、表示した撮影結果とその解析結果とで問題ないとの操作がされた場合に次の撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影動作へと移行する。このため、検者は、設定した撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影結果とその解析結果との双方を確認して、双方ともに納得したものを得てから次の撮影位置の角膜内皮細胞S2cの撮影へと移行させることができる。このため、角膜内皮細胞撮影装置10では、測定結果の良し悪しの判断の幅を広げることができ、より使い勝手を向上させることができる。
したがって、本発明に係る角膜内皮細胞撮影装置の一実施例としての角膜内皮細胞撮影装置10では、撮影を実行する被検眼Eの角膜内皮細胞S2cにおける撮影位置を複数設定した場合であっても、使い勝手を向上させることができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る角膜内皮細胞撮影装置の一実施例としての角膜内皮細胞撮影装置10について説明したが、被検眼の角膜に向けてスリット光を照射するスリット光照射光学系と、前記角膜の角膜内皮細胞からの反射光を受光して角膜内皮細胞を撮影する角膜内皮細胞撮影光学系と、を備える角膜内皮細胞撮影装置であって、前記角膜内皮細胞撮影光学系による前記被検眼の前記角膜内皮細胞における撮影する位置を規定すべく前記被検眼の視線を任意の方向に固定する複数の固視点と、前記各固視点を形成するとともに、前記スリット光照射光学系と前記角膜内皮細胞撮影光学系との動作を制御する制御部と、前記制御部の制御下で表示を行う表示部と、を備え、前記角膜内皮細胞撮影光学系により撮影される前記角膜内皮細胞における撮影位置が複数設定され、前記制御部は、前記スリット光照射光学系と前記角膜内皮細胞撮影光学系とによる前記角膜内皮細胞の撮影動作を実行する際、今から撮影する前記撮影位置の把握と、次に撮影する予定の前記撮影位置の把握と、を可能とする測定状態標示記号を前記表示部に表示する角膜内皮細胞撮影装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、測定状態標示記号70において、各固視点により規定される位置の全てに対応する標示点(71、72、73)を設けるとともに、それぞれの標示点がいずれの状態であるかを一見して把握とすることにより、今から撮影する撮影位置と、次に撮影する予定の撮影位置と、設定されていて未だ撮影していない撮影位置と、既に撮影した撮影位置と、の把握を可能としていたが、今から撮影する撮影位置と次に撮影する予定の撮影位置との把握を可能とするものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、角膜内皮細胞撮影光学系35により角膜内皮細胞S2cを撮影する被検眼Eの角膜内皮S2における撮影位置を任意に設定可能な構成とされていたが、予め設定されているものであってもよく、自動的(制御部21により)に設定されるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、設定した撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影が終了する毎に、撮影結果画面Sr(図21参照)を表示部14(その表示面14a)に表示させて、当該撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影結果を確認させるものとしていたが、確認させることなく次の撮影位置での角膜内皮細胞S2cの撮影動作へと移行するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、撮影結果画面Sr(図21参照)として、撮影結果としての角膜内皮細胞画像J(取得画像領域61)と、それに基づく解析結果としての細胞解析画像Ja(解析画像領域62)および各種の数値(解析結果表示領域64)と、を表示部14(その表示面14a)に表示させていたが、撮影結果(角膜内皮細胞画像J(取得画像領域61))のみを表示させるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、図4に示す構成として光学系を搭載していたが、被検眼Eの角膜Ecに向けてスリット光を照射するスリット光照射光学系(34)と、角膜Ecの角膜内皮細胞S2cからの反射光を受光して角膜内皮細胞S2cを撮影する角膜内皮細胞撮影光学系(35)と、を備えるものであれば、光学的な構成、各光学部材の配置および測定原理が異なるものであってもよく、測定の内容(種類)が異なるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、撮像素子33gの光像の強度分布に基づいて液晶シャッタ35eの遮光部分を求めているが、ラインセンサ39aの光像の強度分布に基づいて液晶シャッタ35eの遮光部分を求めるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の角膜内皮細胞撮影装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。