JP6218993B2 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチホップネットワークを構成するとともに間欠制御を行う無線通信装置に経路情報を送信する技術に関する。
無線モジュールの低コスト化や周波数再編に伴う免許不要な帯域の拡張にワイヤレスM2M(Machine−to−Machine)システムの適用が広がっている。ワイヤレスM2Mシステムは、無線通信により、機器間で監視情報や制御データを送受信するシステムである。ワイヤレスM2Mシステムでは、広いエリアに配置される機器と通信を行うため、通信距離の伸長が課題の一つとして挙げられる。また、電源の確保できない環境に無線ノードを設置することも想定されるため、無線ノードが電池で長期間動作するように低消費電力化も課題である。
通信距離を伸長する技術として、送信元ノードと宛先ノードの間に中継ノードを配置し、送信元ノードから送信されたデータを中継ノードで受信し、中継ノードから宛先ノードに送信を行うマルチホップ通信技術がある。マルチホップ通信技術を適用することで、無線リンクの通信距離を延ばすことなく、送信元ノードと宛先ノードとの通信距離を伸長することが可能となる。マルチホップ通信技術の一つとして、IETFで標準化されているRPL(IPv6 Routing Protocol for Low Power and Lossy Networks)がある(下記非特許文献1参照)。
RPLは、制御メッセージを定期的に交換することで、通信経路の更新を行う。無線通信では、電波の状況が時々刻々と変化するため、定期的な経路更新が必要不可欠である。各ノードはゲートウェイを根とするツリー構造のマルチホップネットワークを構築している。自ノードからゲートウェイ方向の経路(以下、上り経路と称す)とゲートウェイから自ノード方向の経路(以下、下り経路と称す)があり、それぞれ次のような手段で経路を更新する。
まず、上り経路の更新について説明する。
ゲートウェイは、上り経路情報を上り経路制御メッセージに設定し、定期的にブロードキャストで送信する。上り経路制御メッセージを受信したノードは、自ノードが保持する上り経路情報を更新し、更新した上り経路情報を上り経路制御メッセージに設定し、ブロードキャストで送信する。
図9は、上り経路を更新するシーケンスを示す図である。図9には、ノードA〜Cが存在する。ノードAは、ノードBに隣接し、ノードBおよびノードCの下位のノードである。ノードBはノードCに隣接する下位ノードである。
上り経路制御メッセージを受信したノードCは、自ノードが保持する上り経路情報を更新し、更新した上り経路情報を上り経路制御メッセージに設定し、ブロードキャストで送信する(S901)。ノードBはノードCからの上り経路制御メッセージを受信し、上り経路情報を更新する(S902)。ノードBは、更新した自ノードの上り経路情報を上り経路制御メッセージに設定し、ブロードキャストで送信する(S903)。ノードAはノードBからの上り経路制御メッセージを受信し、上り経路情報を更新する(S904)。
次に、下り経路の更新について説明する。
図10は、下り経路を更新するシーケンスを示す図である。図10には、ノードA〜Cが存在する。ノードA〜Cは、下り経路制御メッセージを隣接する上位ノードに定期的にユニキャストで送信する。
ノードAは、下り経路制御メッセージをノードBにユニキャストで送信する(S1001)。下り経路制御メッセージを受信したノードBは、下り経路情報を更新する(S1002)。また、ノードBは、更新した内容の下り経路制御メッセージをノードCに送信する(S1003)。下り経路制御メッセージを受信したノードCは、下り経路情報を更新する(S1004)。
一方、低消費電力を実現する技術として、ノードが起動とスリープを繰り返す間欠制御がある。例えば、IEEE802.15.4eでは、間欠制御の方式として、RIP(Receiver Initiated Transmission)が標準化されている(下記非特許文献2参照)。
図11は、RIPによる間欠制御のシーケンスを示す図である。図11には、ノードA、Bが存在する。ノードA、Bは互いに隣接し、マルチホップネットワークを構成するノードである。ノードA、Bは、起動とスリープを繰り返す。ノードBは、あらかじめノードAが間欠制御を行うノードであることを把握している。
ノードBは、他ノードからノードA宛のデータを受信しても、すぐに転送しない(S1101)。ノードAは、起動すると隣接するノードBにデータの送信を要求するデータ要求を送信する(S1102)。ノードBは、ノードAからデータ要求を受信すると、ノードA宛てのデータを送信する(S1103)。ノードAはデータを受信し、間欠周期によりスリープのタイミングになるとスリープする。
IETF RFC6550,"IPv6 Routing Protocol for Low−Powerand Lossy Networks" IEEE Std 802.15.4e−2012
しかしながら、非特許文献1のRPLによる通信経路の更新方式は、非特許文献2のRIPによる間欠制御と組合せた場合、ノードがスリープしているときはブロードキャストで送信される経路制御メッセージを受信できず、経路情報の更新を行うことができないという問題点があった。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、マルチホップネットワークを構成するノードが間欠制御を行っている場合であっても通信経路を更新できる無線通信装置を得ることを目的としている。
ツリー構造のマルチホップネットワークを構成するとともに、起動とスリープとを繰り返す無線通信装置であって、他の無線通信装置にデータを送信する経路の情報を保持するとともに、経路の情報を含む経路制御メッセージを生成するネットワーク制御部と、他の無線通信装置のうち隣接する無線通信装置がスリープから起動したことを示すとともにデータの送信を要求するデータ要求を隣接する無線通信装置から受信した場合、ネットワーク制御部が生成した経路制御メッセージを隣接する無線通信装置に送信する無線送受信部と、を備えた。
本発明によれば、マルチホップネットワークを構成するノードが間欠制御を行っている場合であっても通信経路を更新することができる。
実施の形態1に係るネットワークの構成を示すブロック図。 実施の形態1に係るノードの構成を示すブロック図。 実施の形態1に係るノードの受信処理の流れを示すフローチャート。 実施の形態1に係るノードの送信処理の流れを示すフローチャート。 実施の形態1に係るノードの上り経路を更新するシーケンスを示す図。 実施の形態1に係るノードの下り経路を更新するシーケンスを示す図。 実施の形態1に係るノードのハードウェア構成の一例を示すブロック図。 実施の形態2に係るネットワーク制御部が経路を更新する処理を示すフローチャート。 上り経路を更新するシーケンスを示す図。 下り経路を更新するシーケンスを示す図。 RIPによる間欠制御のシーケンスを示す図。
実施の形態1.
まず、本発明のネットワーク構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るネットワークの構成を示す図である。ネットワークは、無線通信装置としてのノード10a〜cおよびゲートウェイ11により構成されるマルチホップネットワークである。また、図1のネットワークは、ゲートウェイ11を根とするツリー構造のネットワークである。ゲートウェイ11は、ネットワークを構築するとともに管理し、ノードと直接または他のノードを介してデータを送受信する。また、ゲートウェイ11は、ゲートウェイ11の上位に接続する装置や他のネットワークとデータを送受信する。
ノードからゲートウェイ11に向かう方向が上り、ゲートウェイ11からノードに向かう方向が下りである。図1において、ゲートウェイ11から他のノードを介してノード10a、ノード10b、ノード10cにつながる経路が構築されている。ノード10aは、ノード10bおよびノード10cの下位ノードである。ノード10bは、ノード10cの下位ノードであるとともに、ノード10aの上位ノードである。ノードcは、ノードaおよびノードbの上位ノードである。なお、ノード10a〜cは間欠制御を行っている。
次に、ノード10の構成について説明する。ノード10a〜cは、ノード10と同様の構成である。
図2は、実施の形態1に係るノード10の構成を示すブロック図である。
ノード10は、アンテナ21、無線送受信部22、アプリケーションデータ送受信部23、ネットワーク制御部24、および間欠制御部25により構成される。また、ネットワーク制御部24は、上り経路管理部26、および下り経路管理部27により構成される。また、間欠制御部25は、ノード管理部28、および起動管理部29により構成される。ノード10にはセンサが接続される場合があり、アプリケーションデータ送受信部23がセンサとのデータ送受信を行う。
まず、ノード10がデータを受信する場合について説明する。
アンテナ21は、他のノードから無線信号を受信すると無線信号を無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、無線信号をフレームに変換し、フレームの宛先を確認する。フレームには、宛先としてネットワークアドレスとMACアドレスの2種類が設定される。ネットワークアドレスは、フレームの送信するデータの宛先である。MACアドレスは、マルチホップの経路上の次のノードを示す宛先である。ネットワークアドレスおよびMACアドレスはノードを一意に識別できる値であればよい。また、送信元についても、宛先と同様に送信元ネットワークアドレスと送信元MACアドレスがフレームに設定されている。
無線送受信部22は、フレームの送信するデータの内容に応じて、アプリケーションデータ送受信部23またはネットワーク制御部24に出力する。アプリケーションデータ送受信部23は、無線送受信部22から入力されるアプリケーションデータを処理する。ネットワーク制御部24は、経路制御メッセージが無線送受信部22から入力されると経路情報を更新する。
上り経路管理部26は、上位ノードのMACアドレス、ランク情報、次ノードのMACアドレスおよび経路情報の有効期限を対応付けて保持する。ランク情報とは、ゲートウェイ11からノードまでの距離を示す値である。距離は例えばホップ数で表される。ホップ数は宛先のノードまでに経由するノードの数である。次ノードのMACアドレスは、上位ノード宛のデータを送信するときの経路の次のノードであり、ノード10に隣接するノードである。上り経路管理部26は、次ノードのMACアドレスとして上り経路制御メッセージの送信元MACアドレスを保存する。上位ノードのMACアドレス、ランク情報および経路情報の有効期限は上り経路制御メッセージによって通知された値である。
また、下り経路管理部27は、下位ノードのMACアドレス、ランク情報、次ノードのMACアドレスおよび経路情報の有効期限を対応付けて保持する。次ノードは、下位ノード宛のデータを送信するときの経路の次のノードであり、ノード10に隣接するノードである。下り経路管理部27は、次ノードのMACアドレスとして下り経路制御メッセージの送信元MACアドレスを保存する。下位ノードのMACアドレス、ランク情報および経路情報の有効期限は下り経路制御メッセージによって通知された値である。
上り経路管理部26および下り経路管理部27は、複数のノードの経路情報を保持する場合がある。
ノード管理部28は、隣接するノードのMACアドレスおよび各ノードが間欠制御を行っているかを対応付けて保持する。ノードはネットワークに参入するときに、自ノードのMACアドレスおよび間欠制御を行うかどうかを周囲のノードに送信する。このときの情報からノード管理部28は、隣接するノードが間欠制御を行っているかを把握することができる。
また、起動管理部29は自ノードの間欠周期を保持する。
次に、ノード10がデータを送信する場合について説明する。
アプリケーションデータ送受信部23は、ノード10に接続されたセンサやアプリケーションが生成したアプリケーションデータを無線送受信部22に出力する。ネットワーク制御部24は、上り経路管理部26または下り経路管理部27を参照するとともに、自ノードの情報を付加して経路制御メッセージを生成する。上り経路制御メッセージは、上位ノードのMACアドレス、ランク情報および経路の有効期限により構成される。ネットワーク制御部24は、自ノードの経路情報として、上位ノードのMACアドレスに自ノードのMACアドレスを設定する。ネットワーク制御部24は自ノードのランク情報および経路の有効期限を保持しており、保持している値を上り経路制御メッセージに設定する。ネットワーク制御部24は、生成した上り経路制御メッセージおよび次ノードのMACアドレスを無線送受信部22に出力する。
下り経路制御メッセージは、下位ノードのMACアドレス、ランク情報および経路の有効期限により構成される。ネットワーク制御部24は、自ノードの経路情報として、下位ノードのMACアドレスに自ノードのMACアドレスを設定する。ネットワーク制御部24は自ノードのランク情報および経路の有効期限を保持しており、保持している値を下り経路制御メッセージに設定する。ネットワーク制御部24は、生成した下り経路制御メッセージおよび次ノードのMACアドレスを無線送受信部22に出力する。
無線送受信部22は、ノード管理部28に次ノードが間欠制御をしているか否かを問合わせる。次ノードが間欠制御をしている場合、無線送受信部22は、次ノードからデータ要求を受信すると、アンテナ21を介して経路制御メッセージとアプリケーションデータとを次ノードに送信する。次ノードが間欠制御をしていない場合、無線送受信部22は、データ要求の受信を待たずに経路制御メッセージとアプリケーションデータとを次ノードに送信する。
次に、ノード10が他のノードからデータを受信する動作の詳細について説明する。
図3は、実施の形態1に係るノード10の受信処理の流れを示すフローチャートである。
無線送受信部22は、アンテナ21から無線信号を受信するとステップS301より処理を開始する。
ステップS301において、無線送受信部22は、フレームの送信するデータが自ノード宛か否かを判定する。フレームの宛先ネットワークアドレスが自ノードの場合、処理はステップS302に進む。
ステップS302において、無線送受信部22は、フレームの送信するデータがアプリケーションデータか否かを判定する。フレームの送信するデータがアプリケーションデータの場合、無線送受信部22は、アプリケーションデータをアプリケーションデータ送受信部23に出力する。
ステップS303において、アプリケーションデータ送受信部23は、入力されたアプリケーションデータを処理する。アプリケーションデータ送受信部23は、さらにデータを、自ノードに接続されるセンサに出力する場合もある。処理は終了する。
ステップS302において、フレームの送信するデータがアプリケーションデータでない場合、処理はステップS304に進む。
ステップS304において、フレームの送信するデータが経路制御メッセージの場合、
無線送受信部22は、経路制御メッセージをネットワーク制御部24に出力する。
ステップS305において、ネットワーク制御部24は、経路情報を更新する。上り経路に関する経路制御メッセージの場合、ネットワーク制御部24は、上り経路管理部26に経路情報を保存する。下り経路に関する経路制御メッセージの場合、ネットワーク制御部24は、下り経路管理部27に経路情報を保存する。処理は終了する。
ステップS304において、フレームの送信するデータが経路制御メッセージでない場合、無線送受信部22は、メッセージの内容に応じた処理を行い、処理は終了する。
ステップS301において、フレームの宛先ネットワークアドレスが自ノードでない場合、処理はステップS306に進む。フレームを他のノードに転送するケースである。
ステップS306において、フレームの宛先MACアドレスが自ノードの場合、処理はステップS307に進む。
ステップS307において、無線送受信部22は、他のノードから受信したデータを次ノードに転送する。処理の詳細は後述する。
ステップS306において、フレームの宛先MACアドレスが自ノードでない場合、ステップS311に進む。
ステップS311において、無線送受信部22は、フレームを破棄する。処理は終了する。
次に、ノード10が他のノードにデータを送信する動作の詳細について説明する。
図4は、実施の形態1に係るノード10の送信処理の流れを示すフローチャートである。ノード10が生成したデータを送信する場合、他のノードから受信したデータを転送する場合ともに本フローチャートの処理を行う。他のノードから受信したデータを転送する場合は、図3のステップS307である。
アプリケーションデータ送受信部23は、センサからの入力や受信したアプリケーションデータに応じた処理により、アプリケーションデータを他のノードに送信する。アプリケーションデータ送受信部23は、アプリケーションデータと宛先ネットワークアドレスを無線送受信部22に出力する。
無線送受信部22は、アプリケーションデータ送受信部23から送信するデータが入力されるとステップS401より処理を開始する。
ステップS401において、無線送受信部22は、宛先ネットワークアドレスをネットワーク制御部24に出力し、次ノードを問い合わせる。ネットワーク制御部24は、宛先ネットワークアドレスに対応する次ノードのMACアドレスを無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、アプリケーションデータ送受信部23から入力された宛先ネットワークアドレスをフレームの宛先ネットワークアドレスに設定する。また、無線送受信部22は、ネットワーク制御部24から入力された次ノードのMACアドレスをフレームの宛先MACアドレスに設定する。
ステップS402において、無線送受信部22は、次ノードのMACアドレスを間欠制御部25に出力し、次ノードが間欠制御を行っているか問い合わせる。間欠制御部25は、ノード管理部28を参照し、次ノードが間欠制御中かどうかを無線送受信部22に出力する。次ノードが間欠制御中の場合、処理はステップS403に進む。また、次ノードが間欠制御中でない場合、処理はステップS404に進む。
ステップS403において、無線送受信部22は、次ノードからデータ要求を受信するか、または送信データを保持するタイマがタイムアウトすると、処理はステップS404に進む。
ステップS404において、無線送受信部22は、データ要求の送信元MACアドレスをネットワーク制御部24に出力する。データ要求の送信元のノードが上り経路のノードの場合、ネットワーク制御部24は上り経路制御メッセージを生成し、無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、フレームのデータ部分に上り経路制御メッセージを設定し、フレームを無線信号に変換する。無線送受信部22は、アンテナ21を介して、無線信号を次ノードに送信する。
データ要求の送信元のノードが下り経路のノードの場合、ネットワーク制御部24は下り経路制御メッセージを生成し、無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、上り経路制御メッセージと同様にして、次ノードに送信する。処理はステップS405に進む。
ステップS405において、無線送受信部22は、フレームの宛先MACアドレスに次ノードのMACアドレスを設定し、フレームのデータ部分にアプリケーションデータを設定する。また、無線送受信部22は、フレームを無線信号に変換し、アンテナ21に出力する。アンテナ21は、無線信号を次ノードに送信する。処理は終了する。
なお、無線送受信部22は、隣接するノードからデータ要求を受信したときに、当該隣接するノードに送信するアプリケーションデータを保持していない場合、経路制御メッセージのみを送信する。このとき、無線送受信部22は、経路制御メッセージを送信するフレームに、送信するアプリケーションデータを保持していないことを示す情報を付加して隣接するノードに送信してもよい。
次に、上り経路を更新する動作について説明する。なお、説明の簡略化のため、装置名を主体に動作を説明する。
図5は、実施の形態1に係るノード10bの上り経路を更新するシーケンスを示す図である。
ノード10bは、ノード10a宛のデータを受信する(S501)。ノード10bのノード管理部28は、ノード10aが間欠制御を行うノードか否かを判定する。ノード10aは間欠制御を行うため、ノード10bはノード10aへの送信を保留する(S502)。ノード10aは、スリープを終了し、起動するとデータ要求を送信する。ノード10bは、ノード10aからのデータ要求を受信すると、上り経路管理部26にノード10aが上り経路のノードか問い合わせる(S503)。ノード10aが上り経路のノードであれば、ノード10bはノード10aに上り経路制御メッセージをユニキャストで送信する(S504)。ノード10aは、ノード10bから受信した上り経路制御メッセージに基づいて、上り経路情報を更新する(S505)。ノード10bは、上り経路制御メッセージの送達確認を受信すると、保留していたデータを送信する(S506)。ノード10aは、データを受信し、間欠周期になるとスリープする。
ノード10aからデータ要求を受信したときにノード10a宛の保留データが無い場合、ノード10bは、上り経路制御メッセージに保留データが無いことを明示してノード10aに送信してもよい。上り経路制御メッセージに保留データが無いことを明示することにより、ノード10aはデータを待たずにスリープ状態に移行することができる。よって、消費電力を低減させる効果がある。
また、ノード10bは、ノード10aへの上り経路制御メッセージをブロードキャストで送信してもよい。ブロードキャストにより、周囲のノードも上り経路の情報を得て、情報を更新することができる。
次に、下り経路を更新する動作について説明する。なお、説明の簡略化のため、装置名を主体に動作を説明する。
図6は、実施の形態1に係るノード10bの下り経路を更新するシーケンスを示す図である。
ノード10bは、ノード10c宛のデータを受信する(S601)。ノード10bのノード管理部28は、ノード10cが間欠制御を行うノードか否かを判定する。ノード10cは間欠制御を行うため、ノード10bはノード10cへの送信を保留する(S602)。ノード10cは、スリープを終了し、起動するとデータ要求を送信する。ノード10bは、ノード10cからのデータ要求を受信すると、下り経路管理部27にノード10cが下り経路のノードか問い合わせる(S603)。ノード10cが下り経路のノードであれば、ノード10bはノード10cに下り経路制御メッセージをユニキャストで送信する(S604)。ノード10cは、ノード10bから受信した下り経路制御メッセージに基づいて、下り経路情報を更新する(S605)。ノード10bは、下り経路制御メッセージの送達確認を受信すると、保留していたデータを送信する(S606)。ノード10cは、データを受信し、間欠周期になるとスリープする。
次に、ノード10のハードウェア構成について説明する。
図7は、実施の形態1に係るノード10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
ノード10は、メモリ71、プロセッサ72、及び無線通信機73により構成される。無線通信機73にはアンテナ21が接続されている。
メモリ71は、無線送受信部22、アプリケーションデータ送受信部23、ネットワーク制御部24、および間欠制御部25の各機能を実現するためのプログラム及びデータを記憶する。また、メモリ71は、上り経路管理部26、下り経路管理部27、ノード管理部28、および起動管理部29の各機能を実現するためのデータを記憶する。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)で構成される。
プロセッサ72は、メモリ71に記憶されたプログラム及びデータを読み出し、無線送受信部22、アプリケーションデータ送受信部23、ネットワーク制御部24、および間欠制御部25の各機能を実現する。プロセッサ72は、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路により、実現される。
なお、複数の処理回路が連携して、無線送受信部22、アプリケーションデータ送受信部23、ネットワーク制御部24、および間欠制御部25の機能を実行するように構成してもよい。
無線通信機73は、メモリ71及びプロセッサ72とともに、無線送受信部22の機能を実現する。無線通信機73は、無線送信機と無線受信機とから構成され、無線回線を介して他の装置と無線信号を送受信する。
したがって、本実施の形態では、ツリー構造のマルチホップネットワークを構成するとともに、起動とスリープとを繰り返す無線通信装置であって、他の無線通信装置にデータを送信する経路の情報を保持するとともに、経路の情報を含む経路制御メッセージを生成するネットワーク制御部と、他の無線通信装置のうち隣接する無線通信装置がスリープから起動したことを示すとともにデータの送信を要求するデータ要求を隣接する無線通信装置から受信した場合、ネットワーク制御部が生成した経路制御メッセージを隣接する無線通信装置に送信する無線送受信部と、を備えたので、マルチホップネットワークを構成する無線通信装置が間欠制御を行っている場合であっても通信経路を更新することができる。
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、データ要求を受信したことを契機に上り経路制御メッセージまたは下り経路制御メッセージを送信するようにしたものであるが、本実施の形態においては、通信経路の有効期限を考慮して経路制御メッセージを送信する実施形態を示す。
なお、本実施の形態においては、実施の形態1と異なる部分について、説明する。
図8は、実施の形態2に係るネットワーク制御部24が経路情報を更新する処理を示すフローチャートである。
ネットワーク制御部24は、経路制御メッセージにより上り経路の有効期限および下り経路の有効期限を取得し、それぞれ上り経路管理部26および下り経路管理部27に保存している。
ノード10は、ステップS801より処理を開始する。
ステップS801において、ネットワーク制御部24は、上り経路タイマおよび下り経路タイマを起動する。タイマ値は0からカウントアップする。
ステップS802において、無線送受信部22は、データ要求を受信する。無線送受信部22は、データ要求のフレームの送信元MACアドレスをネットワーク制御部24に出力する。データ要求の送信元が上り経路のノードの場合、ステップS804に進む。
ステップS803において、ネットワーク制御部24は上り経路タイマの値を閾値と比較する。上り経路タイマの値が閾値より小さい場合、ステップS805に進む。上り経路タイマの値が閾値より小さくない場合、ステップS802に戻る。
ステップS804において、ネットワーク制御部24は、上り経路制御メッセージを生成し、無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、アンテナ21を介してユニキャストで上り経路制御メッセージを送信する。
ステップS805において、ネットワーク制御部24は、上り経路タイマの値をリセットし、0を設定する。処理はステップS802に戻る。
ステップS802において、データ要求の送信元が下り経路のノードの場合、ステップS806に進む。
ステップS806において、下り経路タイマの値を閾値と比較する。下り経路タイマの値が閾値より小さい場合、ステップS807に進む。下り経路タイマの値が閾値より小さくない場合、ステップS802に戻る。
ステップS807において、ネットワーク制御部24は、下り経路制御メッセージを生成し、無線送受信部22に出力する。無線送受信部22は、アンテナ21を介してユニキャストで下り経路制御メッセージを送信する。
ステップS808において、ネットワーク制御部24は、下り経路タイマの値をリセットし、0を設定する。処理はステップS802に戻る。
上り経路タイマおよび下り経路タイマと比較する閾値は、自ノードの間欠制御周期のn倍の値に設定する。間欠制御周期はノードが起動してからスリープし、再び起動するまでの時間である。nは1以上の整数である。
閾値を間欠制御周期のn倍の値にすることで、経路の有効期限がタイムアウトするまでに、上り経路および下り経路制御メッセージをn回送信することが可能となる。nを1に設定した場合、経路制御メッセージの送信に1度失敗すると、経路の有効期限がタイムアウトし、経路の更新に失敗する。一方、nを大きく設定した場合、経路制御メッセージの送信間隔が短くなり、無線ネットワークのトラフィック量が増加し、ノードの消費電力が増加してしまう。そのため、nを適切に設定することで、経路更新の失敗を減少させ、さらに無線ネットワークのトラフィック増加やノードの消費電力増加を抑えることが可能となる。
したがって、本実施の形態では、ネットワーク制御部は、経路制御メッセージを無線送受信部に出力してから経過した時間をカウントし、無線送受信部は、隣接する無線通信装置からデータ要求を受信したときに経過した時間が閾値より小さい場合、経路制御メッセージを送信しないので、経路の有効期限がタイムアウトするまでに経路を更新することができる。
10、10a〜c ノード
11 ゲートウェイ
21 アンテナ
22 無線送受信部
23 アプリケーションデータ送受信部
24 ネットワーク制御部
25 間欠制御部
26 上り経路管理部
27 下り経路管理部
28 ノード管理部
29 起動管理部
71 メモリ
72 プロセッサ
73 無線通信機

Claims (5)

  1. ツリー構造のマルチホップネットワークを構成するとともに、起動とスリープとを繰り返す無線通信装置であって、
    の無線通信装置にデータを送信する経路の情報を保持するとともに、前記経路の情報を含む経路制御メッセージを生成するネットワーク制御部と、
    前記他の無線通信装置のうち隣接する無線通信装置がスリープから起動したことを示すとともにデータの送信を要求するデータ要求を前記隣接する無線通信装置から受信した場合、前記ネットワーク制御部によって生成された前記経路制御メッセージを前記隣接する無線通信装置に送信する無線送受信部と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記無線送受信部は、前記データ要求を前記隣接する無線通信装置から受信したときに、前記隣接する無線通信装置に送信するデータを保持していない場合、送信するデータがない旨を示す情報を付加した前記経路制御メッセージを送信する請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記ネットワーク制御部は、前記経路制御メッセージを前記隣接する無線通信装置に送信してから経過した時間をカウントし、
    前記無線送受信部は、前記隣接する無線通信装置から前記データ要求を受信したときに前記経過した時間が閾値より小さい場合、前記経路制御メッセージを送信しない請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 自装置の間欠制御周期を保持するとともに、自装置の間欠制御を行う間欠制御部を備え、
    前記ネットワーク制御部は、前記閾値を自装置の間欠制御周期のn(nは正の整数)倍の値に設定する請求項3に記載の無線通信装置。
  5. ツリー構造のマルチホップネットワークを構成するとともに、起動とスリープとを繰り返す無線通信方法であって、
    他の無線通信装置にデータを送信する経路の情報を保持するとともに、前記経路の情報を含む経路制御メッセージを生成するネットワーク制御ステップと、
    前記他の無線通信装置のうち隣接する無線通信装置がスリープから起動したことを示すとともにデータの送信を要求するデータ要求を前記隣接する無線通信装置から受信した場合、前記ネットワーク制御ステップによって生成された前記経路制御メッセージを前記隣接する無線通信装置に送信する無線送受信ステップと、
    を有する無線通信方法。
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