JP6218301B2 - プラスチック字消し - Google Patents

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本発明は、プラスチック字消しに関し、更に詳しくは、消字率が高く、可塑剤の耐移行性に優れ(すなわち、可塑剤の移行量が少ない)、かつ、べたつきの少ないプラスチック字消しに関する。
字消し(通称、消しゴム)はその秀でた消字性を有することから、筆記線の消去に欠かすことのできないものとして、広範に使用されている。字消しは、一般に、基材樹脂に可塑剤を配合し、更に必要に応じて、安定剤、着色料、香料等の字消し材料を適宜添加して混合攪拌した後、プレス成形、射出成形、押出成形等の成形方法により加熱、成形して製造されている。
可塑剤は基材樹脂に柔軟性、耐久性、耐寒性、電気特性等を付与するために用いられているが、プラスチック字消しにおいては、消字性の側面から、消字対象物質である黒鉛等に親和性のある可塑剤が多用されている。従来は、フタル酸系の可塑剤が多用され、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−ブチルなどが用いられてきたが、近年では、脂肪族や芳香族のエステル系可塑剤、液状ポリマーなど、人体及び環境に対する負荷が少ない非フタル酸系の可塑剤が開発されている(例えば、特許文献1〜2を参照)。
しかしながら、プラスチック字消しは可塑剤を大量に含有するため、樹脂成形品に密着させると、それらを溶解・侵食する可塑剤のブリード(移行)が起こる。移行を抑えるために成形温度を上げることも考えられるが、基材樹脂や他の添加剤の熱安定性を考慮すると成形温度には限界があり、経済性も悪くなる。
一方、可塑剤によっては、耐移行性が良好でも、字消し表面に可塑剤が滲み出し、べたつきの原因になることがある。表面がべたつくと、消字時に消しカスが紙面に貼り付き紙面を汚してしまうことが起こる。
プラスチック字消し表面のべたつきは、可塑剤の配合量を減らすことで解消できるが、可塑剤の配合量を減らした場合は、字消し本来の消字性が低下してしまうことになる。
以上のように、従来品と同等の消字力を有し、耐移行性に優れ、表面のべたつきのない字消しが望まれているものの、この耐移行性と表面のべたつきはイコールの関係にはないため、これらの特性を同時に満たすようにすることは、予想以上に困難である。
特開2005−138359号公報 特開平5−147392号公報
本発明は、可塑剤の耐移行性に優れると共に、字消し表面のべたつきがなく、しかも消字性に優れるプラスチック字消しを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を行い、エステル系可塑剤は、消字率が高く、耐移行性に優れているが、該エステル系可塑剤を可塑剤の主成分として用いた際にべたつきの問題が生じやすいことに着目した。このエステル系可塑剤を可塑剤の主成分としつつ、規定のSP値を有する液状ポリマーを少量併用することにより、本来エステル系可塑剤が有している高い消字性を低下させることなく、課題であった消字性、耐移行性、べたつきの問題を一挙に解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤及び充填剤を含有するプラスチック字消しにおいて、可塑剤として、SP値が8.91以上10.00以下で常温で液状の液状ポリエステルと、前記液状ポリエステル以外の少なくとも1種のエステル系可塑剤とを含有してなり、かつ、全可塑剤中の前記液状ポリエステルの割合が、0.5質量%以上20質量%未満であることを特徴とするプラスチック字消しを提供する。
本発明のプラスチック字消しにおいては、エステル系可塑剤が、アルキルスルフォン酸フェニルエステルであることが好ましい。また、液状ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、800〜4,000であることが好ましい。
本発明によれば、消字率が高く、耐移行性に優れ、表面のべたつきのない、経済性にも優れるプラスチック字消しが提供される。また従来は、消字性が向上すると強度(耐折れ性)が低下する、もしくは強度が向上すると消字性が低下する傾向が見られたが、本発明のプラスチック字消しは、硬さ及び強度不足の問題は見られず、字消しとして充分使用できるものである。
本発明のプラスチック字消しに用いられる基材樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリイソプレン(天然ゴム)、スチレン系、ブタジエン系、イソプレン系、エチレン−プロピレン系、ニトリル系、クロロプレン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、オレフィン系のエラストマー等が挙げられる。これらの基材樹脂は単独で、又は必要に応じて2種類以上組み合わせて用いられる。これらの樹脂の中でも、可塑剤との混和が容易で消字力に優れる塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂としては、従来用いられている塩化ビニル系樹脂を全て用いることができ、例えば、重合度400〜3,000程度のポリ塩化ビニルの他、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン、塩化ビニル−アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合体、及び塩化ビニル−アクリル酸オクチル共重合体が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じて2種類以上組み合わせて用いられる。塩化ビニル系樹脂としてはペーストレジンが可塑剤等との混和、加工が容易な点で好ましい。
本発明で用いる液状ポリマーは、SP値が8.91以上、10.00以下であることが必要であり、SP値が8.91未満の場合は、エステル系可塑剤との相溶性が劣り、プラスチック字消し表面のべたつきを改善する効果が乏しく、所望の字消しを得ることが困難になる。SP値は、さらに好ましくは8.91以上、9.50以下である。SP値が10.00を超えると、SP値が低い場合と同様、エステル系可塑剤との相溶性が劣ることになり、また液状ポリマーがべたつく傾向にある。
液状ポリマーの粘度は、200〜20,000(mPa・s/25℃)が好ましく、より好ましくは400〜10,000(mPa・s/25℃)である。粘度が200(mPa・s/25℃)未満の場合は字消し材料の分散後の保存性が悪くなり、一方、粘度が20,000(mPa・s/25℃)を超えるとハンドリング性が悪くなると共に、それ自体がべたつきの原因となる。
本発明で用いる液状ポリマーは、常温で液状であり、ガラス転移点(Tg)が10℃以下であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)が高い場合はハンドリング性に劣るだけでなく、基材樹脂やエステル系可塑剤等との混和性が悪くなり、エステル系可塑剤の耐移行性を改善することが困難となるからである。ガラス転移点(Tg)は、DSC法によって測定される。
液状ポリマーとしては、液状ポリエステルが、好適に用いられる。これらの液状ポリマーは、それ自身べたつきが少なく、しかも、エステル系可塑剤ならびに基材樹脂(特に塩化ビニル系樹脂)との相溶性が良く、成形性及びハンドリング性も優れているからである。これらの液状ポリマーは、それぞれ単体で又は必要に応じ組み合せて用いることができる。
状ポリエステルにおいては、ガラス転移点(Tg)が、低くなる程、字消し材料の混練攪拌時のハンドリング、成形がより容易となる。液状ポリエステルの場合は、ガラス転移点(Tg)は、より好ましくは0℃以下である。
液状ポリエステルとしては、アジピン酸と、多価アルコールの少なくとも1種と、一価アルコール又は一価カルボン酸から選ばれた少なくとも1種とを縮合して得られるアジピン酸系ポリエステル系可塑剤が好ましく用いられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2,4−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等の炭素数2〜18の脂肪族グリコールならびにジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。これらの多価アルコールは、1種又は2種以上の混合物が使用される。
一価アルコールとしては、例えば、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等の炭素9〜18の一価アルコールが挙げられ、1種又は2種以上の混合物が使用される。
一価カルボン酸としては、例えば、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸等の炭素数9〜18のカルボン酸が挙げられ、1種又は2種以上の混合物が使用される。
アジピン酸系ポリエステルは、必要に応じて、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価又はそれ以上の多価アルコール及び多塩基酸を変性剤として使用したものでもよい。
アジピン酸系ポリエステルとしては、具体的には、アデカサイザーPN−150、PN−170、PN−230、PN−250、PN−260、PN−280、PN−310、PN−350、PN−400、PN−446、PN−650、PN−1030、PN−1430、PN−7230、PN−7550、PN−7650、PN−9302、P−200、P−300、P−5040(以上いずれも商品名、(株)ADEKA)、ポリサイザーW−230−H、W−305−ELS、W−320、W−360−ELS、W−365、W−1410−EL、W−1641−S、W−2050、W−2060、W−2070、W−2145、W−2300−EL、W−2310、W−2340−S、W−2350、W−2370、W−2388、W−2610、W−2630、W−2640−S、W−2650−S、W−4010、P−103(以上いずれも商品名、DIC(株))等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明における液状ポリマー以外のエステル系可塑剤は、公知の可塑剤を用いることができるが、基材樹脂(特に塩化ビニル系樹脂)との混和性に優れ、消字率の高いプラスチック字消しを得ることができる可塑剤が好ましい。エステル系可塑剤は、重量平均分子量(Mw)が300〜900の範囲が好ましい。前記分子量が300未満の場合は耐移行性が著しく低下するおそれがあり、前記分子量が900を超えると、基材樹脂との相溶性が悪化するため、それ自体がべたつきの原因となるおそれがあるからである。より好ましい重量平均分子量(Mw)は、300〜600の範囲である。
液状ポリマー以外のエステル系可塑剤としては、例えば、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート(n−DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジノニルフタレート(DNP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジトリデシルフタレート(DTDP)、ジウンデシルフタレート(DUP)等のフタル酸系可塑剤;
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソデシルトリメリテート(TIDTM)、トリイソオクチルトリメリテート(TIOTM)、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸系可塑剤;
トリオクチルピロメリット酸(TOPM)等のピロメリット酸系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)等のアジピン酸系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等のセバシン酸系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルアゼレート(DOZ)等のアゼライン酸系可塑剤;
トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリ−2−エチルヘキシルフォスフェート(TOP)等のリン酸系可塑剤;トリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート等のクエン酸系可塑剤;
メザモール、メザモールII(いずれも商品名、バイエル社)等のアルキルスルフォン酸フェニルエステル;
DINCH(商品名、BASF社)等のシクロヘキサンジカルボン酸エステル;
等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
これらの可塑剤の中でも、消字率が高くべたつきが少ない可塑剤である点より、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸エステルが好ましく、特にアルキルスルフォン酸フェニルエステルが好ましい。
本発明では、液状ポリマーを他のエステル系可塑剤と所定の量範囲で併用することにより、他の可塑剤の耐移行性を向上させることができると共に、表面がべたつかない、消字性の高い字消しを得ることが可能になる。その作用は明らかではないが、液状ポリマーの鎖の中にエステル系可塑剤が取り込まれ、エステル系可塑剤のブリードアウトが抑制されることで、耐移行性及びべたつきが改善されるものと推察する。
本発明の字消しにおける可塑剤の配合量は、基材樹脂100質量部に対し、合計で20〜200質量部とすることが好ましく、より好ましくは50〜180質量部である。可塑剤の配合量が20質量部未満では字消しが硬くなり弾力性が低下し、消字性も低下する場合があり、200質量部を超えると字消しが柔らかくなり過ぎたり、消字性が低下したりすることで、字消しとしての使用が困難となりやすい。
液状ポリマーとその他のエステル系可塑剤とを併用する際、全可塑剤中の液状ポリマーの割合は0.5質量%以上20質量%未満とする必要がある。液状ポリマーの割合が0.5質量%未満の場合は、エステル系可塑剤の移行を抑制する効果が充分ではなく、字消しの耐移行性及びべたつき改善効果が不十分となるため、好ましくない。一方、液状ポリマーの割合が20質量%を超える場合は、液状ポリマー自身がべたつきの原因となり易くなるため、好ましくない。全可塑剤中の液状ポリマーの割合は、より好ましくは5質量%以上18質量%以下、特に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
本発明のプラスチック字消しには、適度な硬度を付与するために充填剤を配合することもできる。充填剤としては、珪石粉あるいは石灰石粉(重質炭酸カルシウム)を用いるのが一般的であり、これらの無機粉体は、筆記面を痛めないように微粉化して用いられる。他に珪藻土、タルクあるいはシラス粉末、酸化珪素の微粉末であるアエロジル、無機及び有機の中空粒子等を使用することができる。これらの充填剤の配合量は、基材樹脂によって異なるが、基材樹脂100質量部に対して、30〜250質量部であることが好ましい。
また、必要に応じて基材樹脂、特に塩化ビニル系樹脂の成形時による高温劣化防止のため、安定剤を用いる。光安定性向上のため、紫外線吸収剤等の光安定剤を配合することもできる。その他、粘度調整剤、滑剤、溶剤、着色剤、防腐剤、防黴剤、香料等の添加剤を含有することもできる。これらの添加剤は、本発明による効果を阻害しない範囲内であれば、配合量も特に制限されない。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いた材料を表1に示す。以下の記載において、「部」は特に断らない限り「質量部」を表す。
Figure 0006218301
SP値の求め方;液状ポリエステルは、Small式を用いた。
また、以下の実施例、比較例において、得られた字消しの硬さ、消字率、移行性、べたつき及び強度は、下記の方法により測定又は評価した。
[硬さ]
(1)C型(表面の硬さ);JIS S 6050:2002 6.2に準拠した。硬さ試験機を用い、水平に保持した試験片の表面に、試験機の押針が鉛直になるようにして加圧面を接触させ、直ちに目盛を読み取った。
(2)A型(内部の硬さ);JIS K 6253−3:2006に準拠したタイプAデュロメータを用い、上記JIS S 6050の硬度測定(C型)と同様に、水平に保持した試験片の表面に試験機の押針が鉛直になるようにして加圧面を接触させ、直ちに目盛を整数で読み取った。
[消字率]
JIS S 6050:2002 6.4に準拠した。
(1)字消しを厚さ5mmの板状に切り、着色紙と接触する先端部分を半径6mmの円弧に仕上げたものを試験片とした。
(2)画線機を用いて、JIS S 6006に規定する鉛筆のHBと、坪量90g/m以上、白色度75%以上の上質紙を使用して着色紙を作製し、この着色紙に対して、試験片を垂直に、しかも着色線に対して直角になるように接触させ、試験片におもりとホルダの質量の和が0.5kgとなるようにおもりを載せ、150±10cm/minの速さで着色部を4往復摩消させた。
(3)濃度計によって、着色紙の非着色部分の濃度を0として、着色部及び摩消部の濃度をそれぞれ測定した。
(4)消字率は次の式によって算出し、3回の平均値を求めた。
消字率(%)=(1−(摩消部の濃度÷着色部の濃度))×100
[耐移行性]
JIS S 6050:2002 6.3に準拠した。
○:塗料が試験片に付着しない。
×:塗料が試験片に付着する。
[べたつき]
字消しをパラフィン紙に載せ、60±2℃の恒温器の中に入れ、12日間後に取り出し、評価者が手で触った際のべたつき感で評価した。評価者は6名とした。
◎:全員がべたつかないと感じた。
○:1〜2名がべたつくと感じた。
△:3〜4名がべたつくと感じた。
×:5名以上がべたつくと感じた。
[強度(耐折れ性)]
字消しを片手で把持し折り曲げた際に、折れるまでに要した回数を測定した。
(実施例1〜、比較例1〜
に示す配合割合(数字は質量部)で配合した組成物を減圧下にて攪拌した後、100〜150℃で成形して、プラスチック字消しを作製した。各字消しについての評価結果を表に示す。
Figure 0006218301
また表より、エステル系可塑剤に、液状ポリエステルを少量併用することにより、消字率の低下がなく、耐移行性に優れる、べたつきの無いプラスチック字消しが得られた。べたつき改善効果は液状ポリエステルを5質量%以上併用することにより向上した。
一方、表より、エステル系可塑剤に液状ポリマーを25質量%以上併用した場合(比較例1〜3)は、べたつきが生じる結果となった。
得られた字消しは、消字率が高く、耐移行性に優れ、表面のべたつきも見られなかった。また耐折れ性に関しても、硬さが充分であることから実使用上問題ない値であり、これらは字消しとして充分な性能を有していた。

Claims (4)

  1. 塩化ビニル系樹脂、可塑剤及び充填剤を含有するプラスチック字消しにおいて、可塑剤として、SP値が8.91以上10.00以下で常温で液状の液状ポリエステルと、前記液状ポリエステル以外の少なくとも1種のエステル系可塑剤とを含有してなり、かつ、全可塑剤中の前記液状ポリエステルの割合が、0.5質量%以上20質量%未満であることを特徴とするプラスチック字消し。
  2. エステル系可塑剤が、アルキルスルフォン酸フェニルエステルである請求項1に記載のプラスチック字消し。
  3. 液状ポリエステルの重量平均分子量(Mw)が、800〜4,000である請求項1に記載のプラスチック字消し。
  4. 液状ポリエステルが、アジピン酸と、多価アルコールの少なくとも1種と、一価アルコール又は一価カルボン酸から選ばれた少なくとも1種とを縮合して得られるアジピン酸系ポリエステルであり、SP値が8.91以上9.50以下である請求項1に記載のプラスチック字消し。
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