JP6217461B2 - 液体吐出装置及び加熱部制御方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、媒体を加熱可能な乾燥用ヒーターと本体ケースに設けられたカバー部材の開閉に連動して移動する遮蔽板(遮熱部)とを有する液体吐出装置が開示されている。
また、特許文献2には、媒体に液体を吐出可能な液体吐出装置ではないが、熱転写方式の画像形成装置において記録紙(媒体)の表面温度をセンサーにより検出可能な構成が開示されている。
なお、特許文献2に開示されるセンサーは、媒体の表面温度を検出するためのセンサーにすぎず、このようなセンサーを設けただけでは加熱部による遮熱部の過剰加熱を抑制することはできない。
[記録装置の実施例](図1〜図11)
最初に、本実施例の記録装置1における概要について説明する。
図1は本発明の一実施例に係る記録装置1を表す概略側面図である。
そして、同様に、本実施例の巻取部15は媒体Pの記録面16が外側になるように巻き取るので、巻取部15の回転軸は回転方向Cに回転する。一方、記録面16が内側になるように巻き取る場合は、巻取部15の回転軸は回転方向Cとは逆回転して媒体Pを巻き取ることが可能である。
なお、本実施例の記録装置1は、ヒーター6を用いて、媒体Pの記録面16とは反対側の面17側から媒体Pを記録前に加熱(プレ加熱)する構成となっている。しかしながら、例えば、媒体Pの記録面16側から赤外線を照射して媒体Pを加熱可能なヒーターを用いて、記録面16側から媒体Pをプレ加熱する構成としてもよい。なお、ヒーター6は媒体Pを記録前に加熱する役割を持っていることから、プレヒーター、記録前加熱部、などとも呼称することができる。
また、媒体Pを搬送方向Aに搬送する際は、駆動ローラー5は回転方向Cに回転し、従動ローラー7は回転方向Cとは逆方向に回転する。そして、媒体Pを搬送方向Aとは逆方向に搬送する際は、駆動ローラー5は回転方向Cとは逆方向に回転し、従動ローラー7は回転方向Cに回転する。
なお、本実施例の記録装置1は、記録部に対して媒体Pを搬送方向A及び搬送方向Aとは逆方向に搬送する構成であるが、媒体Pに対して記録部のみを移動させる構成や、媒体Pと記録部とを共に移動させる構成としてもよい。
なお、本実施例の記録装置1は、往復移動しながら記録する記録ヘッド9を備えているが、インクを吐出するノズルを搬送方向Aと交差する方向Bに複数設けた所謂ラインヘッドを備える記録装置でもよい。
ここで、「ラインヘッド」とは、媒体Pの搬送方向Aと交差する方向Bに形成されたノズルの領域が、媒体Pの方向B全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッドの位置と媒体Pの位置とを相対的に移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの方向Bのノズルの領域は、記録装置が対応している全ての媒体Pの方向B全体をカバー可能でなくてもよい。
なお、本実施例のヒーター10はプラテン3と対向する位置に設けられ、例えば、媒体Pの記録面16側の表面を35℃から50℃に加熱可能な赤外線ヒーターである。ここで、好ましい赤外線の波長は0.76〜1000μmである。一般的に、赤外線は波長によってさらに、近赤外線、中赤外線、遠赤外線に区分され、区分の定義は様々であるが、おおよそ波長域は、0.78〜2.5μm、2.5〜4.0μm、4.0〜1000μmとなる。なかでも中赤外線を用いることが好ましい。
なお、キャリッジ8、ヒーター10、シャッター11及びセンサー12等を覆う外装部には、パネル35が設けられており、ユーザーは、パネル35を介して記録装置1に情報及び指示を入力することができる。また、パネル35は、記録装置1の状態などを表示することができるように構成されている。
なお、記録装置1の構成部材として、従来の記録装置に設けられる構成部材をさらに備えていてもよい。
図2は、本実施例の記録装置1のブロック図である。
制御部20は、記録装置1における種々の制御を行う。例えば、制御部20は、センサー12が検出したエネルギーに基づいて加熱部の出力を変更可能である。換言すれば、制御部20は、センサー12が検出したエネルギーに基づいて加熱部を制御する。制御部20には、記録装置1の全体の制御を司るCPU21が設けられている。CPU21は、システムバス22を介して、CPU21が実行する各種制御プログラムやメンテナンスシーケンス等を格納したROM23と、データを一時的に格納可能なRAM24と、接続されている。
また、CPU21は、システムバス22を介して、キャリッジ8を移動させるためのキャリッジモーター28、セット部14の駆動源である送出モーター29、駆動ローラー5の駆動源である搬送モーター30、巻取部15の駆動源である巻取モーター31、を駆動させるためのモーター駆動部27と接続されている。
また、CPU21は、システムバス22を介して、ヒーター6、10及び18を駆動するためのヒーター駆動部26と接続されている。
さらに、CPU21は、システムバス22を介して、センサー12、パネル35、記録データ等を記録装置1に入力するPC36、と接続される入出力部33と接続されている。
図3から図6は、本実施例の記録装置1の要部を表す概略側面断面図である。また、図7及び図8は、本実施例の記録装置1の要部を表す概略平面図である。また、図9は本実施例の記録装置1におけるセンサー12とシャッター11との位置関係を表す概略斜視図であり、図10は本実施例の記録装置1におけるセンサー12とシャッター11との位置関係を表す概略底面図である。また、図11は、本実施例の記録装置1におけるシャッター11を表す概略平面図である。そして、図12は、本実施例の記録装置1における非遮熱状態でのセンサー12の検出領域Rを示す概略平面図である。
なお、図3、図5及び図7は非遮熱状態を表す図であり、図4、図6、図8、図9及び図10は遮熱状態を表す図である。また、図3及び図4に対して、図5及び図6は、異なる方向から見た記録装置1の要部を表す概略側面断面図である。
一方、センサー12は、遮熱状態においては、媒体Pにおける4列目R4に相当する領域において温度検出を行うことが可能であるが、図9で表されるように、3列目R3に相当する領域には被検出部38が位置するので、媒体Pではなく被検出部38における温度検出を行うことが可能である。言い換えれば、センサー12は、遮熱状態では被検出部38のエネルギーを検出することができる。そして、制御部20は、センサー12が検出した被検出部38のエネルギーに基づいて加熱部を制御することができる。
ここで、「遮熱状態よりも熱エネルギーの遮熱効果の小さい非遮熱状態」とは、熱エネルギーを完全に遮熱する状態のほか、熱エネルギーを完全には遮熱していないが遮熱状態よりは熱エネルギーを多く遮熱している状態も含む意味である。なお、遮熱状態、非遮熱状態という名称は、シャッター11の状態を区別するための一例にすぎない。したがって、遮熱状態を第1状態、非遮熱状態を第2状態などと呼称してもよい。
このように、被検出部38は、遮熱状態において検出領域Rに位置する。ここで、制御部20は、遮熱状態におけるシャッター11の温度を検出し、該検出結果に基づいてヒーター10を制御する。すなわち、遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を抑制している。
このため、該判断結果に基づいて遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を効果的に抑制することができる。
このため、シャッター11の状態を検出するための部品を新たに設けることなく、シャッター11が遮熱状態であると判断することができる。なお、必要に応じて、シャッター11の状態を検出するための部品を新たに設ける構成としてもよい。例えば、シャッター11の状態、又はカバー部13の開閉を検出するために、図示しないセンサー34を新たに設けてもよい。ただし、センサー34を設けても、故障して作動しなくなる場合もある。このような場合には、センサー34を設けた場合でも、上述のように、ヒーター10により加熱される検出領域Rにおける媒体Pの温度と、遮熱状態において検出領域Rに位置する被検出部38の温度と、の差、即ち、4列目R4の検出温度と3列目R3の検出温度との差が所定以上であるとセンサー12により検出された場合に、シャッター11が遮熱状態であると判断することが好ましい。
このため、温度により、簡単にシャッター11が遮熱状態であると判断することができる。
詳細には、制御部20は、シャッター11が遮熱状態であると判断した場合に、ヒーター10からの熱エネルギーの放出を停止するようにヒーター10を制御する。
このため、遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を効果的に抑制している。なお、上述したように、必ずしもヒーター10からの熱エネルギーの放出を停止させなくてもよく、ヒーター10からの熱エネルギーの放出を弱めるだけでもよい。
このため、パネル35及びPC36に情報を表示させることやスピーカーからエラー音を出させることにより、シャッター11が遮熱状態であると判断されたことをユーザーに報知することができる。このとき、情報を表示するパネル35や種々のディスプレイ、及びエラー音を鳴らすスピーカーなど、情報を出力する部分が出力部に相当する。
次に、上記実施例の記録装置1を用いた加熱部制御方法の実施例について説明する。
図13は、本実施例の加熱部制御方法のフローチャートである。
カバー部13が開けられた場合は、図4、図6、図8、図9及び図10で表される遮熱位置にシャッター11を移動させる(遮熱状態にする)とともに、ヒーター10を停止するよう制御部20により制御するフローが、本実施例の加熱部制御方法とは別に実行されている。
ここで、上記のように、遮熱状態となる場合には、被検出部38は検出領域Rの3列目R3に位置する。
ステップS130で、4列目R4の検出温度と3列目R3の検出温度との差が20℃未満であると判断した場合はステップS120に戻り、4列目R4の検出温度と3列目R3の検出温度との差が20℃以上であると判断した場合はステップS140に進む。
すなわち、ステップS130では、検出領域Rのエネルギーに基づいて、シャッター11が遮熱状態であるか非遮熱状態であるかを判断している。なお、遮熱状態である場合は、該判断に先立ってシャッター11の少なくとも一部である被検出部38が検出領域Rに位置している。
そして、ステップS150で、シャッター11が遮熱状態であると判断されたことをパネル35に出力し、その旨パネル35に表示させ、本実施例の加熱部制御方法を終了する。なお、本実施例の記録装置1は、カバー部13の開閉を検出するセンサー34を備えてもよい。ただし、本実施例の加熱部制御方法は、例えば、センサー34が故障等した場合においても、遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を抑制することが可能な方法である。
以上、本発明について具体的な実施例に基づいて詳述した。ここで、本発明について、もう一度まとめて説明する。
本態様によれば、被検出部38は、遮熱状態において検出領域Rに位置する。したがって、遮熱状態におけるシャッター11の温度を検出可能なため、制御部20により該検出結果に基づいてヒーター10を制御することができる。すなわち、遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を抑制することができる。
また、本発明の加熱部制御方法は、媒体Pに液体としてのインクを吐出し、インクが吐出される媒体Pを加熱部としてのヒーター10によって加熱し、検出領域Rのエネルギーを検出し、検出したエネルギーに基づいてヒーター10の出力を変更可能とする加熱部制御方法であって、ヒーター10から放出される熱エネルギーの少なくとも一部を遮熱する遮熱状態と、遮熱状態よりも熱エネルギーの遮熱効果の小さい非遮熱状態とに変位可能な遮熱部としてのシャッター11の少なくとも一部である被検出部38を、遮熱状態において検出領域Rに位置させることを特徴とする加熱部制御方法であってもよい。本態様によれば、遮熱状態でのヒーター10によるシャッター11の過剰加熱を抑制することができる。
5 駆動ローラー、6 ヒーター、7 従動ローラー、8 キャリッジ、
9 記録ヘッド(吐出部)、10 ヒーター(加熱部)、
11 シャッター(遮熱部)、12 センサー(検出部)、13 カバー部、
14 セット部、15 巻取部、16 媒体Pの記録面、
17 媒体Pの記録面とは反対側の面、18 ヒーター、19 支点、
20 制御部、21 CPU、22 システムバス、23 ROM、
24 RAM、25 ヘッド駆動部、26 ヒーター駆動部、27 モーター駆動部、
28 キャリッジモーター、29 送出モーター、30 搬送モーター、
31 巻取モーター、33 入出力部、34 センサー、35 パネル、
36 PC、38 被検出部、P 媒体、R 検出領域
Claims (9)
- 媒体に液体を吐出可能な吐出部と、
前記液体が吐出される前記媒体を加熱可能な加熱部と、
検出領域のエネルギーを検出可能な検出部と、
前記検出部が検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能な制御部と、
前記加熱部から放出される熱エネルギーの少なくとも一部を遮熱する遮熱状態と、前記遮熱状態よりも熱エネルギーの遮熱効果の小さい非遮熱状態とに変位可能な遮熱部と、を備え、
前記遮熱部の少なくとも一部は、前記遮熱状態において前記検出領域に位置することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記遮熱部のうち前記遮熱状態において前記検出領域に位置する部分の輻射率は、0.7以上1未満であることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1又は2に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記検出領域のエネルギーに基づいて、前記遮熱部が前記遮熱状態であるか前記非遮熱状態であるかを判断することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項3に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記加熱部により加熱される前記検出領域における前記媒体のエネルギーと、前記遮熱部のうち前記遮熱状態において前記検出領域に位置する部分のエネルギーと、の差が所定以上であると前記検出部により検出された場合に、前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項3に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記遮熱部のうち前記遮熱状態において前記検出領域に位置する部分のエネルギーが所定以上であると前記検出部により検出された場合に、前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項3から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断した場合に、前記加熱部から放出される熱エネルギーが、前記非遮熱状態における前記加熱部から放出される熱エネルギーよりも、小さくなるように前記加熱部を制御することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項6に記載の液体吐出装置において、
前記制御部は、前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断した場合に、前記加熱部からの熱エネルギーの放出を停止するように前記加熱部を制御することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項3から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記制御部により前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断された場合に、前記遮熱部が前記遮熱状態であると判断されたことを表す情報を出力する出力部を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 媒体に液体を吐出し、
前記液体が吐出される前記媒体を加熱部によって加熱し、
検出領域のエネルギーを検出し、
検出したエネルギーに基づいて前記加熱部の出力を変更可能とする加熱部制御方法であって、
前記加熱部から放出される熱エネルギーの少なくとも一部を遮熱する遮熱状態と、前記遮熱状態よりも熱エネルギーの遮熱効果の小さい非遮熱状態とに変位可能な遮熱部の少なくとも一部を、前記遮熱状態において前記検出領域に位置させることを特徴とする加熱部制御方法。
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