JP6217002B2 - 抄紙装置、製紙機及び抄紙方法 - Google Patents

抄紙装置、製紙機及び抄紙方法 Download PDF

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本発明は抄紙装置、製紙機及び抄紙方法に関するものである。
従来、濾過部または脱水部に、紙原料であるパルプ含有液を吸引するサクションロールが設置された抄紙装置が知られている。下記特許文献1には、このようなサクションロールが真空ポンプに接続されており、真空ポンプの駆動によるサクションロールの吸引作用により紙原料液であるパルプ含有液から白水が吸引され、脱水される。
特開2003−49378号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の抄紙装置は、製紙工場に設置される大型のものである。大型の抄紙装置では通常抄紙速度が1000m/分以上となる。しかし、オフィスや企業敷地内等に設置される小型製紙機では、抄き網の走行速度がこれよりかなり遅くなる。このため、製紙工場用の真空ポンプを用いて大量に吸引すると抄紙速度が遅いためにかえって効率よく吸引できないことがある。また、真空ポンプ等を設置することで装置が大型化する。
本発明は上記した課題を解決するものであり、抄き網の走行速度が遅くても効率よくパルプ含有液を吸引可能な抄紙装置及び製紙機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる抄紙装置は、パルプ含有液を濾過しつつ0.1m/分〜100m/分の速度で動作する抄き網が設けられた濾過部と、脱水用ベルトを有し、濾過部の後段で濾過後のパルプ含有液を脱水する脱水部と、前記抄き網または前記脱水用ベルトの少なくともいずれかを介してパルプ含有液を吸引する吸引部とを備え、吸引部は、吸引口を有する吸引部材と、前記吸引口より0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引するための吸引ポンプとが設けられ、前記吸引ポンプは、可撓性チューブと、前記可撓性チューブを排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送する押圧部材とを備えたチューブポンプにより構成される。
そして、前記各構成において、吸引部は、脱水部に設けられ、吸引部材は、無端状の脱水用ベルトの内方に設置される。
更に、前記各構成において、吸引部は、濾過部に設けられ、吸引部材は、無端状の抄き網の内方に設置される。
本発明にかかる製紙機は、前記各構成の抄紙装置を備えた。
本発明にかかる抄紙方法は、濾過部に設けた0.1m/分〜100m/分の速度で動作する抄き網によりパルプ含有液を濾過し、濾過後のパルプ含有液を脱水部において脱水し、濾過部または脱水部の少なくともいずれかで、可撓性チューブを押圧部材によって排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送する吸引ポンプよって0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引する。
更に、前記各構成において、無端状の脱水用ベルトの内方に設置された吸引部材の吸引口から吸引する。
更に、前記各構成において、無端状の抄き網の内方に設置された吸引部材の吸引口から吸引する。
本発明にかかる抄紙装置によれば、吸引部は、吸引口を有する吸引部材と、前記吸引口より0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引するための吸引ポンプとが設けられ、前記吸引ポンプは、可撓性チューブと、前記可撓性チューブを排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送するので、抄き網の走行速度が遅い小型の抄紙装置であっても効率よくパルプ含有液を吸引可能である。また、装置をより小型化することができるとともに、消費電力を抑えることもできる。
そして、吸引部は、脱水部に設けられ、吸引部材は、無端状の脱水用ベルトの内方に設置される場合は、脱水部においてパルプ含有液を効率よく脱水することができる。
更に、吸引部は、濾過部に設けられ、吸引部材は、無端状の抄き網の内方に設置される場合は、濾過部においてパルプ含有液を効率よく脱水することができる。
本発明にかかる製紙機は、前記各構成の抄紙装置を備えたので、パルプ含有液を効率よく脱水することができる。
本発明にかかる抄紙方法は、濾過部に設けた0.1m/分〜100m/分の速度で動作する抄き網によりパルプ含有液を濾過し、濾過後のパルプ含有液を脱水部において脱水し、濾過部または脱水部の少なくともいずれかで、可撓性チューブを押圧部材によって排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送する吸引ポンプよって0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引するので、抄き網の走行速度に合わせた効率のよいパルプ含有液の吸引が可能である。また、消費電力を抑えつつパルプ含有液を効率よく吸引可能である。
そして、無端状の脱水用ベルトの内方に設置された吸引部材の吸引口からパルプ含有液を吸引する場合は、脱水部においてパルプ含有液を効率よく脱水することができる。
更に、無端状の抄き網の内方に設置された吸引部材の吸引口からパルプ含有液を吸引する場合は、濾過部においてパルプ含有液を効率よく脱水することができる。
本発明の一実施形態に係る抄紙装置の概略構成図である。 前記抄紙装置の吸引部材の斜視図である。 前記抄紙装置の吸引ポンプの構成概略図である。 前記吸引部材の他の実施形態の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明にかかる抄紙装置は、オフィスにも設置可能な小型製紙機の一部として構成される。そして、この製紙機は、オフィスで生じる古紙が製紙原料として用いられ、このような古紙を再生処理して再生紙を製造可能な古紙再生処理装置として構成される。図示を省略するが、製紙機は、抄紙装置の他に、パルプ製造装置、脱墨装置及び裁断装置を備える。パルプ製造装置及び脱墨装置は、抄紙装置の前段に設置される。パルプ製造装置は、古紙に加水し、攪拌することで古紙を離解処理しパルプ含有液を製造する。脱墨装置は、パルプ製造装置で製造されたパルプ含有液からインク、トナー等を分離除去し脱墨処理を行う。裁断装置は、抄紙装置の後段に設けられる。裁断装置は、抄紙装置で得られた帯状の再生紙を定型サイズの再生紙に裁断する。
図1は、抄紙装置2の構成概略図である。同図に示すように、抄紙装置2は、ヘッドボックス4、濾過部5、脱水部6、乾燥部7、制御部9を備えている。ヘッドボックス4は、貯留部41、流入部42及び流出部43を備える。貯留部41は箱状に形成される。流入部42は、貯留部41の下部に設けられる。流入部42には、配管19が接続され、配管19の途中に設けられたポンプ20により脱墨装置から送られた脱墨後のパルプ含有液が貯留部41へ流入される。流出部43は、貯留部41の上部の一端縁から濾過部5の抄き網56上面へかけて設置される。
濾過部5は、パルプ含有液を濾過する抄き網56が設けられる。抄き網56は、複数のローラ51に掛け渡して展張した無端状のメッシュベルトにより構成される。図1において、右側のローラ51aは、駆動部57に連結され、駆動部57の駆動により抄き網56が周回走行する。ヘッドボックス4の流出部43から抄き網56の上面に流出されたパルプ含有液は、抄き網56により濾過されて、繊維の層をなす湿紙10が形成される。
抄き網56の動作速度は、製紙機が小型であるので、製紙工場に設置される大型の製紙機に比較して遅く設定される。例えば、抄き網56の走行速度が0.1m/分〜100m/分程度、好ましくは0.5m/分〜50m/分程度に設定される。
抄き網56の内方には、抄き網用受け皿55が設置される。抄き網用受け皿55は、白水を受け止める。白水は、パルプ含有液が抄き網56により濾過されて生じる液体であり、微細なパルプ繊維と水を含む。また、抄き網56の下方には、白水タンク54が設置される。図示省略するが、抄き網用受け皿55は、白水タンク54に接続されており、抄き網用受け皿55で受け止められた白水は、白水タンク54に送られる。
また、濾過部5には、抄き網56を介してパルプ含有液を吸引する吸引部52が設けられる。吸引部52は、吸引部材22、吸引用配管23、吸引ポンプ25を備える(図3参照)。吸引部材22は、無端状の抄き網56の内方に、長手方向が抄き網56の幅方向に沿う向きに設置される。そして、吸引部材22は、抄き網56と抄き網用受け皿55との間に設置される。吸引部材22は、流出部43の設置位置から、上方を走行する抄き網56の走行方向下流側に所定量離間して設置される。吸引箱26の上面は、上方を走行する抄き網56の下面に摺接する。
図2は吸引部材22の斜視図である。吸引部材22は、長尺の箱状に形成された吸引箱26を備える。吸引部材22の上面には、抄き網56の幅方向Wに長く伸びた矩形状の吸引口28が設けられている。吸引口28は、吸引箱26の上板26aに平面視コ字状の切込部30が形成され、この切込によってできた切込片31が、吸引箱26の内方へ向けて直角に折り曲げられることで形成される。
上板26aが摺接する抄き網56の走行方向は、図2において矢印Fで示す向きである。切込片31が折り曲げられることで形成された折曲部29は、上方を走行する抄き網56の走行方向F下流側となる位置に設置され、一方、折曲部29に対向し、抄き網56の幅方向Wに伸びた切込部30aは、抄き網56の走行方向F上流側となる位置に設置される。吸引口28の幅方向Wの長さは、抄き網56上をパルプ含有液が流通する幅と略同程度に形成される。また、吸引箱26の一方の側板26bには、吸引元部33が開口して形成されている。
図3は、吸引ポンプ25及びその周辺の概略図である。図3に示すように、吸引元部33には吸引用配管23の一端側が接続される。吸引用配管23の他端側は、白水タンク54に接続される。そして、吸引用配管23の途中位置には、吸引ポンプ25が設置される。吸引ポンプ25は、吸引口28よりパルプ含有液を吸引するために設けられる。吸引ポンプ25は、少なくとも水及び空気を吸引可能に構成される。
図3では、吸引ポンプ25としてチューブポンプ35を用いた例を示した。チューブポンプ35は、少なくとも水分と空気とを吸引可能であり、消費電力が小さく、設置スペースが小さい点で好ましい。また、吸引ポンプ25は、吸引した微細パルプ等の固形分を含む液体成分と空気等の気体成分とを分離する気液分離器と、送風機とを組み合わせて用いることも可能である。送風機としては、シロッコファン、ターボファン、リミットロードファンなどの各種送風ファンを用いることができる。
チューブポンプ35は、可撓性チューブ36、ケーシング37、押圧部材38、ロータ40、ロータ駆動部(図示省略)を備える。可撓性チューブ36は、ケーシング37内の円弧状のガイド面37aによって支持される。
押圧部材38は、略正三角形のロータ40の頂部に回転自在に軸支された押圧ローラにより構成される。押圧部材38は、ロータ40の回転に伴って、ケーシング37のガイド面37aに沿って旋回可能であり、ガイド面37aとの間で可撓性チューブ36を排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブ36の内容物を移送する。ロータ駆動部は、ロータ40を回転駆動する。
濾過部5の吸引部52による吸引力は、例えば、0.2MPa〜2MPaとすることができる。濾過部5の吸引部52による吸引量は、例えば、0.01L/分〜200L/分、好ましくは0.05L/分〜100L/分、更に好ましくは0.3L/分〜50L/分である。この吸引部52の吸引量は、以下の方法によって算出可能である。即ち、図3に示す可撓性チューブ36は内径が5/8インチであるとし1インチ=25mmとする。可撓性チューブ36が真円であると仮定したときその断面積は、
(5/8×25/2)×π=約191.65mm
となる。また、ロータ40の回転中心からガイド面37aまでの距離が82.5mmとし、可撓性チューブ36は外径が7/8インチすると、ロータ40の回転中心から可撓性チューブ36の筒心までの距離が、
82.5−7/8×25/2=約71.56mm
となる。可撓性チューブ36の円弧状部分のうち図3において上半分のみ吸引物を移送可能であるとし、押圧部材38は、3個設置されているので、ロータ40が1回転する間に移送する距離は、
(71.56×2×π)/2×3=約674.10mm
となる。ロータ40の回転速度が146回/分とすると、1分間にチューブポンプ35が移送する量は、
191.75×674.10×146=約18,871,767mm/分
=約18.9L/分
となる。よって、この条件における吸引ポンプ25の吸引量は約18.9L/分となる。
図1に示す脱水部6は、脱水用ベルト63、プレスローラ65、プレス用受け皿68、吸引部66を備える。脱水用ベルト63は、無端状に形成され、抄き網56から転移した湿紙10を搬送する。該脱水用ベルト63は、吸水性を有するフェルト又は毛布等によって構成される。脱水用ベルト63は、複数のローラ64及び下側のプレスローラ65bに掛け渡されている。プレスローラ65は、上下一対設置され、下側のプレスローラ65bは、脱水用ベルト63の内方に、上側のプレスローラ65aは、乾燥部7の乾燥用ベルト73の内方に設置される。上側のプレスローラ65aはプレス駆動部67に接続され、プレス駆動部67の駆動によって下側のプレスローラ65bを従動回転するとともに、脱水用ベルト63及び乾燥部7の乾燥用ベルト73を走行させる。
脱水用ベルト63の走行速度は、抄き網56の動作速度と同じ速度に設定されている。即ち、脱水用ベルト63の走行速度は、例えば、0.1m/分〜100m/分程度、好ましくは0.5m/分〜5m/分程度に設定される。
プレス用受け皿68は、脱水用ベルト63の内方であって、下側のプレスローラ65bの下方に設置される。プレス用受け皿68は、プレスローラ65によって湿紙10として搬送されるパルプ含有液を押圧することでパルプ含有液から出た白水を受け止める。プレス用受け皿68は図示省略するが、白水タンク54に接続されている。
吸引部66は、脱水用ベルト63を介して、湿紙10として搬送されるパルプ含有液を吸引する。脱水部6の吸引部66は、濾過部5に設置される吸引部52と略同様の構成を有し、吸水ベルト63の幅方向に沿って伸びる矩形状の吸引口を有する吸引部材69と、図示しない吸引用配管と、少なくとも水及び空気を吸引可能に構成される図示しない吸引ポンプとが設けられる。吸引部材69は、プレスローラ65よりも脱水用ベルト63の走行方向上流側の近傍、またはプレスローラ65から脱水用ベルト63の走行方向上流側に所定量離間した位置に設けられる。
吸引部材69の上面は、上方を走行する脱水用ベルト63の下面に摺接する。吸引ポンプは、濾過部5の吸引ポンプ25と同様に、チューブポンプを用いることができ、吸引した液体成分と空気等の気体成分とを分離する気液分離器と、送風機とを組み合わせて用いることも可能である。
脱水部6の吸引部材69の図示しない折曲部は、濾過部5の折曲部29と同様に、上方を走行する脱水用ベルト63の走行方向下流側に設置され、折曲部に対向する切込部は、折り曲げ部より脱水用ベルト63の走行方向上流側に設置される。また、脱水部6の吸引部66に設置される吸引用配管の下流側端部は、白水タンク54に接続される。
脱水部6の吸引部66による吸引力は、例えば、0.2MPa〜2MPaとすることができる。そして、脱水部6の吸引部66による吸引量は例えば、0.01L/分〜200L/分とし、好ましくは0.05L/分〜100L/分、更に好ましくは0.06L/分〜60L/分とする。この吸引量は、濾過部5の吸引部29と同様の方法で算出できる。
乾燥部7は、乾燥用ベルト73、カンバス74、乾燥ローラ75を備える。乾燥用ベルト73は、ローラ77、上側のプレスローラ65a及び乾燥ローラ75の間に掛け渡され、脱水用ベルト63から転移された脱水後の湿紙10を搬送する。乾燥用ベルト73の湿紙10の搬送面は、平滑に加工され、シリコーン樹脂コーティングもしくはフッ素樹脂コーティングが施されている。
カンバス74は、樹脂製で網状をなす。カンバス74は複数のローラ79に掛け渡され、展張されている。カンバス74は、乾燥用ベルト73との間で湿紙10を挟持して搬送する。図1において、右側の上のローラ79aは、カンバス駆動部82に連結され、カンバス駆動部82の駆動によりカンバス74が周回走行する。尚、カンバス74は、カンバス駆動部82に替えてプレス駆動部67に連結し、このプレス駆動部67の駆動により走行する構成としてもよい。この場合カンバス駆動部82は省略可能である。
乾燥ローラ75は複数の支持軸85により回転自在に支持される。乾燥ローラ75の内部には、加熱部86が設けられる。加熱部86は、電熱ヒータ等により構成される。また、乾燥ローラ75には、接触式の温度センサ87を設けている。温度センサ87は、乾燥ローラ75の表面温度を検出する。尚、この温度センサ87は、非接触式とすることも可能である。
制御部9は、RAM及びROM等により構成される記憶部、CPU等を備えている。記憶部にはCPUが動作するための各種プログラムが記憶されている。制御部9は、この記憶部に記憶された各種プログラムに従って、ヘッドボックス4、濾過部5、脱水部6、乾燥部7の動作を制御する。
以下、上記構成の作用を説明する。製紙機の運転を開始すると、パルプ製造装置では、原料としての古紙が離解処理されパルプ含有液が製造される。得られたパルプ含有液は脱墨装置で脱墨処理される。脱墨後のパルプ含有液は、制御部9がポンプ20を駆動することで、配管19内を流通しヘッドボックス4へ流入される。貯留部41に流入したパルプ含有液は流出部43から溢流され、走行する抄き網56上面へ供給される。このようにパルプ含有液が抄き網56で濾過されることで、均一な繊維の層である湿紙10が形成される。パルプ含有液が抄き網56で濾過されることで生じた白水は、抄き網用受け皿55に受け止められた後、白水タンク54へ送られ、該白水タンク54内に収容される。
またこのとき、制御部9が、ロータ駆動部を駆動することで、ロータ40を図3における反時計方向Gに回転し、押圧部材38とケーシング37のガイド面37aとの間で可撓性チューブ36を押し潰しつつ押圧部材38を旋回させる。すると、吸引箱26の内部は負圧となり、抄き網56上のパルプ含有液を吸引口28から吸引する。これよりパルプ含有液に含まれる液体成分や空気等の気体成分が吸引され、吸引口28から吸引箱26内へ引き込まれる。吸引される液体成分には、水分のほか、微細な繊維、離解処理によってパルプ含有液中に浮遊するようになったかつて古紙原料に含まれていた炭酸カルシウムやサイジング剤等の添加剤、脱墨処理のために添加された脱墨剤等が含まれる。そして、この吸引により、パルプ含有液の自重による濾過を助けて脱水効率を向上させることができる。
また、吸引口26を構成する矩形状の開口部のうち、抄き網56の走行方向下流側に摺接する箇所が、切込片31が折り曲げられ形成された折曲部29とされているので、抄き網56の吸引部材22と摺接する面を傷つけ難い。
吸引口28から吸引箱26の内部に流入した白水は、吸引元部33から吸引用配管23へ移送され、吸引ポンプ25を経て白水タンク54へ送られ、収容される。
濾過によって抄き網56上に形成された湿紙10は、抄き網56の走行に伴って下流側へ搬送され、抄き網56と脱水用ベルト63との接触部分で脱水用ベルト63へ転移される。そして、吸水性の脱水用ベルト63により搬送されることで、湿紙10に含まれる水分が吸収され脱水される。
脱水部6の吸引箱69設置位置において、脱水部66により脱水用ベルト63を介してパルプ含有液が吸引される。脱水部6の吸引部66では、濾過部5の吸引部52と同様に、吸引口から吸引箱の内部に流入した微細パルプ等を含む液体成分や空気等の気体成分が、吸引元部から吸引用配管へと送られ、吸引ポンプを経て白水タンク54へ送られ、収容される。吸引部66の吸引により、パルプ含有液から水分が除去され、湿紙10は更に脱水されるが、脱水部6では濾過部5よりも湿紙10の含水率が低いので、吸引部66で吸引される成分は、空気等の気体成分の割合が高くなり、液体成分の割合が低くなる。
また、脱水部6においても折曲部が切込部よりも脱水用ベルト63の走行方向下流側に設置されているので、脱水用ベルト63の内面を傷つけ難い。
このように、濾過部5及び脱水部6の双方にそれぞれ設けた吸引部52,66によって、ともに0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引するので、抄き網の走行速度が遅い小型の抄紙装置であっても効率よくパルプ含有液を吸引可能であり、パルプ含有液に含まれる液体成分や空気等の気体成分を効率よく除去可能である。また、吸引量が0.01L/分〜200L/分である吸引ポンプ25を用いることで、より大きな吸引量を有する吸引ポンプを用いる場合に比較して装置の小型化が可能である。
そして、吸引ポンプ25にチューブポンプ35を用いることにより、吸引した水分に微細な繊維や炭酸カルシウム等の固形分が含まれていても、詰まることなく適正に移送することができる。製紙工場に設置される大型の製紙機では、抄紙速度が1000m/分以上と非常に速いために吸引ポンプ25としてチューブポンプ35を用いた場合、吸引力が不足し、効率よく脱水できない可能性がある。しかし、抄き網56の走行速度が0.1m/分〜100m/分程度の小型製紙機では抄紙速度が大型製紙機より遅いので、チューブポンプ35を用いても効率よく脱水できる。
また、チューブポンプ35は、真空ポンプ等と比較して小型であり、小さい設置スペースに設置可能である。また、チューブポンプ35は真空ポンプより消費電力が小さく、コストを抑えることも可能である。
湿紙10がプレスローラ65の設置位置に至ると、脱水用ベルト63と乾燥ベルト73との間に該湿紙10が挟まれ、この状態で、一対のプレスローラ65によって、湿紙10が両側より押圧され、脱水される。そして、該湿紙10は、脱水用ベルト63から乾燥ベルト73へ転移される。
このプレスローラ65による脱水の際、抄き網56で吸引部52によって湿紙に含まれる水分が吸引され、湿紙の含水率が十分低く抑えられているので、湿紙10の均一な状態を損なうことなくプレスローラ65で大きなプレス圧によって湿紙10を押圧することが可能となる。そして、吸引部52の吸引がない場合には、プレスローラ65のプレス圧によって湿紙を極端に脱水すると、湿紙の均一な地合が乱れ、得られる再生紙に局部的に紙厚が薄い部分や穴が開いた部分が形成されるといったこともない。
また、脱水部6で、吸引部66の吸引によって多くの空気を吸引し、パルプ含有液及び脱水用ベルト62に含まれている空気等の気体成分を除去する。これによって、プレスローラ65で、高いプレス圧で押圧する場合であってもパルプ含有液及び脱水用ベルト63に含まれていた空気が一気に押し出され、空気の塊が両プレスローラ65の上流側へ移動し、均一な繊維の層を乱すのを防止することができる。よって、濾過部5において、一旦均一に形成された湿紙10が適正に脱水され、得られる再生紙の品質を良好に維持可能である。
乾燥ベルト73に転移した湿紙10は、カンバス74との間に挟まれ、この状態で乾燥ベルト73を介して乾燥ローラ75に圧接され、乾燥される。このとき、温度センサ87によって乾燥ローラ75の表面温度が検出され、制御部9は、温度センサ87から送られる乾燥ローラ75の表面温度と、予め設定した加熱部86の加熱温度との比較を行って、乾燥ローラ75の表面温度を適正温度に維持するよう制御を行う。
乾燥部7において、湿紙10が乾燥され、得られた帯状の再生紙は、裁断装置において所定のシートサイズに裁断され、再生紙が完成する。
尚、上記実施形態では、吸引部52,66を濾過部5及び脱水部6の双方に設置したが、いずれか一方のみに設置することとしてもよい。また、製紙機において脱墨装置により脱墨処理を行ったが、脱墨処理を省略することも可能である。また、ヘッドボックス4は溢流式である場合を示したが、抄紙ワイヤーより上方に設置された貯留部の下部から、貯留部内のパルプ含有液を自然落下等により下方の抄紙ワイヤーへ流出させるといったものでもよい。
また、吸引部材22は、長尺箱状の吸引箱26を備えたが、吸引箱の形状を例えば図4(a)に示す略楕円形の筒状や、同図(b)に示す台形筒状、図示しない三角形筒状、多角形筒状、棒状、球形状等他の形状としてもよい。また、吸引口28は折曲部29を備え、矩形状で幅方向Wに長く伸びて形成されたが、図4(a)(b)に示す吸引口28a、28bのように、打ち抜かれて形成されてもよく、形状が図4(a)に示す楕円形や図4(b)に示す真円形であってもよく、図示しない三角形や四角形、多角形、不揃いな形状またはこれらの組み合わせであってもよい。また、図4(a)(b)に示すように吸引口28a、28bが分割され、複数設けられてもよい。吸引元部33は、吸引箱26の一方の側板26bに設けられたが、他のいずれかの側面に設けてもよく、図4(a)に示すように、吸引元部33aが底面に開口して設けられてもよい。また、吸引元部33を1個に替えて複数設けてもよい。折曲部29は、上方を走行する抄き網56の走行方向F下流側となる位置に設置され、折曲部29に対向する切込部30aは、抄き網56の走行方向F上流側となる位置に設置されたが、これとは異なる他の配置であってもよい。
2 抄紙装置、5 濾過部、6 脱水部、22 吸引部材、25 吸引ポンプ、28,28a,28b 吸引口、35 チューブポンプ、36 可撓性チューブ、38 押圧部材、52,66 吸引部。

Claims (7)

  1. パルプ含有液を濾過しつつ0.1m/分〜100m/分の速度で動作する抄き網が設けられた濾過部と、
    脱水用ベルトを有し、濾過部の後段で濾過後のパルプ含有液を脱水する脱水部と、
    前記抄き網または前記脱水用ベルトの少なくともいずれかを介してパルプ含有液を吸引する吸引部とを備え、
    吸引部は、吸引口を有する吸引部材と、前記吸引口より0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引するための吸引ポンプとが設けられ
    前記吸引ポンプは、可撓性チューブと、前記可撓性チューブを排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送する押圧部材とを備えたチューブポンプにより構成される抄紙装置。
  2. 吸引部は、脱水部に設けられ、
    吸引部材は、無端状の脱水用ベルトの内方に設置される請求項1に記載の抄紙装置。
  3. 吸引部は、濾過部に設けられ、
    吸引部材は、無端状の抄き網の内方に設置される請求項1または請求項2に記載の抄紙装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の抄紙装置を備えた製紙機。
  5. 濾過部に設けた0.1m/分〜100m/分の速度で動作する抄き網によりパルプ含有液を濾過し、
    濾過後のパルプ含有液を脱水部において脱水し、
    濾過部または脱水部の少なくともいずれかで、可撓性チューブを押圧部材によって排出側へ向けて押し潰しながら該可撓性チューブの内容物を移送する吸引ポンプよって0.01L/分〜200L/分の吸引量で吸引する抄紙方法。
  6. 無端状の脱水用ベルトの内方に設置された吸引部材の吸引口からパルプ含有液を吸引する請求項に記載の抄紙方法。
  7. 無端状の抄き網の内方に設置された吸引部材の吸引口からパルプ含有液を吸引する請求項5または請求項6に記載の抄紙方法。
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