JP6216786B2 - 質量スペクトルの再現性向上方法およびこれを用いた定量分析方法 - Google Patents
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Description
本発明は、質量スペクトルの再現性向上方法およびこれを用いた定量分析方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、化学物質の質量スペクトルにおいて、イオン生成反応の温度を互いに同一に調整し、或いはイオン生成反応温度が同じであるスペクトルを選択することにより、前記化学物質の質量スペクトルの再現性を向上させる方法に関する。また、本発明は、一定の温度で前記マトリックスと前記試料間のプロトン交換反応の平衡定数を測定する方法、定量分析用検定線(calibration curve)を求める方法、および質量スペクトルを用いた試料定量分析方法に関する。
[背景技術]
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix−assisted laser desorption/ionization、MALDI)方法は、化学物質をイオン化させる方法であって、主に、飛行時間型(time−of−flight、TOF)質量分析管と共に使用され、化学物質の質量分析に活用されている。MALDI−TOF質量分析方法は、分析可能な試料の選択範囲が広く、分析にかかる時間が短いため、様々な固体物質、特に生物の分子構造解析に広く用いられる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
よって、本発明の第1の目的は、化学物質の質量スペクトルにおいて、イオン生成反応の温度を互いに同一に調整し、或いはイオン生成反応の温度が同じであるスペクトルを選択することにより、前記化学物質の質量スペクトルの再現性を向上させる方法を提供することにある。
[A]=(IAH+/IMH+)[M]/K …(9)
[課題を解決するための手段]
本発明の第1の目的は、化学物質の質量スペクトルにおいて、イオン生成反応の温度を互いに同一に調整し、或いはイオン生成反応の温度が同じであるスペクトルを選択することにより、前記化学物質の質量スペクトルの再現性を向上させる方法を提供することによって達成できる。
典型的なMALDI質量分析では、マトリックス(M)と微量の分析試料(A)とからなる固体試片にレーザーパルスを照射する。マトリックスは、前記レーザーを吸収して前記分析試料(A)を加熱し、分析試料(A)のイオン化を助ける。MALDI質量スペクトルは、マトリックスと試料からなる混合物に対する質量スペクトルである。
MH++A→M+AH+ …(1)
前記反応式(1)の反応商は、下記数式(2)のとおり定義される。
前記数式(2)において、[M]/[A]値は、試片製作の際に使用したマトリックスと試料の濃度から直ちに求めることができる。
つまり、前記数式(3)の[M]/[A]値とIAH+/IMH+値を共に求めることができるので、マトリックスと試料間のプロトン交換反応に対する反応商を求めることができ、この反応は平衡状態にあるので、反応商は平衡定数と同じである。
S=1−I/I0 …(4)
多くの試料に対する測定の結果、マトリックス信号減衰効果が70%よりさらに大きい場合に線形性からの偏差が発生した。このような事実を試片の定量分析でガイドラインとして使用することができる。すなわち、本発明者らは、試片のMALDIスペクトルを得てマトリックス信号減衰効果を計算した。前記マトリックス信号減衰効果が70%以下であるとき、前記質量スペクトルを試料の定量分析に使用することができる。
c2/c1=(S1 −1−1)/(S2 −1−1) …(5)
式中、S1およびS2はそれぞれ試料1および試料2の濃度がc1およびc2であるときのマトリックス信号減衰効果を示す。
MALDIプルームにおけるイオンの量は、中性分子の量より遥かに少ないため、固体試片における[A]/[M]をMALDIプルームで相応する比率に設定した。前記数式(6)を変形させると、下記数式(7)および(8)の検定線を得る。
すなわち、IAH+/IMH+=K([A]/[M]) …(8)
1つのIAH+/IMH+測定値と1つの[A]/[M]値のみをもっても、前記数式(8)から検定線の傾き、すなわち平衡定数を求めることができる。
また、本発明の第4の目的は、一定量のマトリックスと未知量の試料とが混合された試片にエネルギーを加えて形成されるイオンから得られる多数の質量スペクトルの中で、(i)前記マトリックスイオンの分解パターンが互いに同じである質量スペクトルのみを選別する段階と、(ii)前記(i)で選別された質量スペクトルに現れた前記試料イオンの信号強度を前記マトリックスイオンの信号強度で割った値であるイオン信号比を測定する段階と、(iii)前記マトリックスのモル濃度と前記(ii)段階で測定したイオン信号比を下記数式(9)の定量分析用検定線に代入して前記試料のモル濃度を計算する段階とを含む、質量スペクトルを用いた試料定量分析方法を提供することによって達成できる。
また、本発明の第4の目的は、一定量のマトリックスおよび第3物質に未知量の試料が混合された試片にエネルギーを加えて形成されるイオンから得られる多数の質量スペクトルの中で、(i)前記第3物質イオンの分解パターンが互いに同じである質量スペクトルのみを選別する段階と、(ii)前記(i)で選別された質量スペクトルに現れた前記試料イオンの信号強度を前記マトリックスイオンの信号強度で割った値 (イオン信号比) を測定する段階と、(iii)前記マトリックスのモル濃度と前記(ii)段階で測定したイオン信号比を下記数式(9)の定量分析用検定線に代入して前記試料のモル濃度を計算する段階とを含む、質量スペクトルを用いた試料定量分析方法を提供することによって達成できる。
本発明のMALDI質量分析法を用いた試料定量分析方法において、前記試片にエネルギーを加える手段がレーザー、または粒子線、その他の放射線などを含む様々な種類の電磁気波でありうる。また、前記レーザーは窒素レーザーまたはNd:YAGレーザーでありうる。しかも、前記レーザーを試片に照射する際に、前記試片の一地点に多数回照射して多数個の試料イオンスペクトルを得ることができる。
すなわち、MALDI質量分析法を用いた定量分析において、前記数式(9)を、試料の絶対的な量を求めるための検定線(または検定式) として用いることができる。
[発明の効果]
本発明の方法によれば、MALDI質量スペクトルから試料とマトリックスのイオン比を求め、これから定量分析検定線を作成することにより、低コストで正確かつ迅速に極微量の試料をMALDI質量スペクトルを用いて精度よく定量分析することができる。
実験
本発明者らが自体製作したMALDI−TOF機器を使用した(Bae, Y. J.;Shin, Y. S.;Moon, J. H.;Kim.M. S. J. Am. Soc. Mass Spectrom. in press;Bae, Y. J.;Yoon, S. H.;Moon, J. H.;Kim, M. S. Bull.Korean Chem. Soc.2010, 31, 92−99;Yoon, S. H.;Moon, J. H.;Choi, K. M.;Kim, M. S. Rapid Commun.Mass Spectrom.2006, 20, 2201−2208)。前記機器の重要な側面の1つは、内部電圧に一次および二次成分があるリフレクトロン (reflectron)を装着しているということである(Oh, J. Y.;Moon, J. H.;Kim, M. S. J. Am. Soc. Mass Spectrom.2004, 15, 1248−1259;Bae, Y. J.;Yoon, S. H.;Moon, J. H.;Kim, M. S. Bull.Korean Chem. Soc.2010, 31, 92−99)。したがって、プロンプトイオン(prompt ion)とこれらのISDおよびPSD生成物を同時に検出することができる(Bae, Y. J.;Moon, J. H.;Kim, M. S. J. Am. Soc. Mass Spectrom.2011, 22, 1070−1078)。
実施例1.Tearlyを求める方法
本発明者らの初期プルーム(early plume)温度を求めるための反応速度論的方法に従う(Bae, Y. J.;Moon, J. H.;Kim, M. S. J. Am. Soc. Mass Spectrom.2011, vol 22, 1070−1078;Yoon, S. H.;Moon, J. H.;Kim, M. S. J. Am. Soc. Mass Spectrom.2010, vol 21, 1876−1883)。
実施例2.照射数(shot number)による全体スペクトルパターンの変化
試片上の一地点(spot)を337nmの窒素レーザーパルスで繰り返し照射しながらデータを収集することにより、1セットのMALDIスペクトルを得た。25nmolのCHCAに3pmolのY5Rが含有された試片を閾値の6倍のパルスエネルギーで200回照射して得たスペクトルの一部が図2に示されている。図2の各スペクトルは、(a)1回〜20回、(b)41回〜60回、(c)81回〜100回、(d)141回〜160回および(e)181回〜200回の照射数(shot number)にわたってのスペクトルを合わせたものである。ペプチド([Y5R+H]+)とマトリックス([CHCA+H]+)イオンだけでなく、これらのISD生成物、例えば、ペプチドイオンから作られるインモニウムイオンYとマトリックスイオンから作られる[CHCA+H−H2O]+と[CHCA+H−CO2]+だけでなく、マトリックス二量体イオン([2CHCA+H]+)も前記スペクトルに示されている(PSDピークは*で表示した)。前記スペクトルには、ペプチドイオンの分解生成物であるb、y、およびこれらの分解生成物も示されているが、その強度はインモニウムYよりも非常に小さい。ペプチドイオンのPSD生成物のピークも非常に小さく示されている。小さいけれども明らかに現れるピークの大部分は、マトリックスから作られたものである。図2に示されるイオンの種類は照射数を問わずに同一であるが、照射数が変わるにつれてそれらの相対強度が変わることを確認することができる。驚くべきことに、照射数によるスペクトルパターンの変化様相が再現性あることを観測したとともに、その誤差は10〜20回の照射(shot)に過ぎなかった。
実施例3.照射数による有効温度の変化
照射が続けられるにつれて生成物の相対強度が減少するというのは、ペプチドの平均内部エネルギーが減少することを意味する。初期プルームで熱平衡が成り立つと仮定すると、これはTearlyが益々低くなることを意味する。レーザーを照射し続けるときに起こることの一つは、レーザーを照射した地点の厚さが益々薄くなることである。よって、試片が薄くなるにつれてTearlyが益々低くなる。試片が薄くなるほどTearlyが減少することは熱伝導効率が良くなるためであるかを確認するために、組成が同じで(Y5R:CHCA=1:25000)厚さが異なる(0.9〜2.1μm)試片を準備した。また、厚さ50nmのフルオロカーボン(fluorocarbon)層をコートしたアンカーチッププレート(anchor chip plate)の疎水性部分の上に試片を準備した。レーザーパルスエネルギーは閾値の6倍を使用し、初期20回の照射で得たスペクトルを加えた。各スペクトルで測定したSinからTearlyを計算した。試片の厚さによるTearlyの変化が図5(ステンレス鋼の表面:●、フルオロカーボン層:○)に示されており、これは、試片が薄いほど熱伝導が効率的であることを意味する。フルオロカーボン層上の試片に対して求めたTearlyは、露出した金属板上の試片から得た値よりも高かった。これは、フルオロカーボン層が熱流れに対して不導体として作用していることを意味する。結論的に、ペプチドイオンの分解収率からTearlyを決定することができ、照射が続けられるにつれて温度が下がる。
実施例4.照射数による[CHCA+H]+分解パターンの変化
PSDが起こる時間領域(約10μs)は、ISDが起こる時間領域(数十ナノセカンド(nanosecond))よりも遥かに長いので、すなわちPSDの反応速度が遥かに遅いので、低エネルギー反応はISDよりはPSDでさらに有利である。[CHCA+H]+のPSDスペクトル(図6)において、[CHCA+H−H2O]+イオンが最も大きい生成物であり、[CHCA+H−CO2]+イオンは[CHCA+H−H2O]+の10%に過ぎなかった。これは水の損失反応が二酸化炭素の損失反応よりもさらに低エネルギー反応であることを意味する。図2にあるMALDIスペクトルにおいて、照射が続けられるにつれて、[CHCA+H−H2O]+に比べて、ISDによって生成された[CHCA+H−CO2]+イオンが減少した。これは、照射が続けられるにつれてTearlyが低くなるという意味である。すなわち、CHCA質量スペクトルのパターンも温度によって決定される。
実施例5.ペプチドとマトリックスのイオン信号比
Y5R:CHCA(ペプチドとマトリックスの比)が1:8300である試片に対し、4つの条件の下で実験を行った。実験条件を(Y5Rのpmol、CHCAのnmol、閾値を単位とするレーザーパルスエネルギー、レーザー波長)で表示するとき、使用した実験条件は、(a)(3、25、×6、337)(照射数71〜90の範囲)、(b)(3、25、×4、337)(照射数51〜70の範囲)、(c)(4.2、35、×6、337)(照射数101〜120の範囲)、(d)(3、25、×6、355)(照射数31〜50の範囲)であった。各セットからTearlyが968Kであるスペクトルを一つずつ選び出し、4つのスペクトルを図7(a)〜(d)に示した。前記4つのスペクトルは実質的に同じである。他の温度でもこのような類似性が観測された。
実施例6.プロトン交換反応の平衡
MALDI質量分析法において、マトリックス(M)からペプチド(P)にプロトンが移動する反応、すなわち、MH++P→M+PH+が起こる。前記MH+はプロトン提供者であって、本実施例の場合には[CHCA+H]+、[CHCA+H−H2O]+、または[CHCA+H−CO2]+である。ペプチドとマトリックスのイオン信号比が温度によって決定されるというのは、プロトン交換反応がほぼ熱平衡にあることを意味する。これを確認するために、一つは濃度が異なる試片に対して同じTearlyで反応商(reaction quotient)、Q=([M]/[P])([PH+]/[MH+])を求め、これが濃度に応じて変わるかを調べた。CHCA25nmolにY5RまたはY5Kが0.3pmol〜20pmol含有された試片にレーザーを繰り返し照射してMALDIスペクトルセットを得た後、各スペクトルに対してTearlyを計算した。そして、定められたTearlyを有するスペクトルのみを選別することにより、Tearlyは同じが試片の組成は異なるスペクトルセットを得た。前記セットにあるスペクトルに対して、マトリックスとペプチドに由来するイオンの強度を測定した。Qを計算するためには、MH+が何であるかを知らなければならないが、Qが一定であるかどうかを知ることだけが目的であれば、プロトン提供者になれるどんなイオンの強度を使用しても問題になることはない。なぜならTearlyが決まったら、マトリックスに由来するすべてのイオンの相対強度は決まるからである。マトリックスイオンの分解パターンが濃度に関係ないというのは、[CHCA+H−H2O]+のような断片イオンが主なプロトン提供者でないことを意味する。もし断片イオンの一つが主なプロトン提供者であれば、ペプチドの量が増加するにつれて[CHCA+H]+よりもその断片イオンがより速く減少するからである。したがって、主なプロトン提供者は[CHCA+H]+イオンである可能性が高い。プロトンを失っていないマトリックスイオンの一部は分解するだろうという仮定の下に、マトリックスに由来するすべてのイオンの強度の和、すなわちΣ[matrix−derived ion]をQの計算において[MH+]とした。同様に、Σ[peptide−derived ion]を[PH+]とした。気相中性分子の比、すなわち([M]/[P])の計算のために、固体試片におけるマトリックスとペプチドの比を使用した。図10には950KのTearlyで得たQ値を固体試片に含有されたペプチド(●:Y5R、○:Y5K)の量に対する関数で示した。図10より、Q値がペプチド量に関係ないことを明らかに確認することができる。これはプロトン交換反応がほぼ熱平衡にあることを意味する。つまり、図10のQ値は実質的に平衡定数Kに該当する。マトリックスからペプチドへプロトンが移動する反応の平衡定数Kは、Y5Rの場合がY5Kの場合よりも大きい。これは、アルギニン(R)がリジン(K)よりも強い塩基であるという事実に符合する。
実施例7.検定線
25nmolのCHCAに10fmol〜30pmolのY5RまたはY5Kが含有された試片の一地点にレーザーパルスを照射した。イオン信号が消えるまで、前記地点にレーザーパルスを照射してMALDI質量スペクトルを得た。各スペクトルに対して、ペプチドイオンの断片化パターンを分析してTearlyを決定した。その後、各スペクトルセットから同じTearlyを有するスペクトル、すなわちTearlyが870K〜900Kのスペクトルを選択した。前記マトリックスイオンの断片化パターンがTearlyに応じて変わるので、前記断片化パターンをTearlyの測定手段として使用した。[CHCA+H−H2O]+/[CHCA+H]+の強度比が3〜4.5であるスペクトルを選択した。図11の検定線から分かるように、Y5R(図11(a)および図11(b))とY5K(図11(c)および図11(d))で[AH+]/[MH+]と[A]/[M] との間に明確に正比例関係が成り立つ。
実施例8.定量分析−検定線の使用
25nmolのCHCAに9種のペプチド(それぞれ0.3pmol)および1.0pmolのタモキシフェン(tamoxifen)を含有している試片を準備した。前記試片のMALDIスペクトルが図12に示されている。図12において、[CHCA+H−H2O]+/[CHCA+H]+が3〜4.5、すなわちTearlyが870K〜900Kに該当するように温度を選択した。前記試料に含有されたペプチドのうちY5RおよびY5Kを、図11の検定線を用いて定量分析した結果が表1に示されている。
実施例 9.スペクトル温度(spectral temperature)の尺度−全イオン数(TIC)
試料として、ペプチドY6、Y5KおよびアンギオテンシンII(angiotensin II(DRVYIHPF))をペプトロン社(大田、韓国)から購入した。マトリックスCHCAおよびDHBをSigma社(St.Louis、MO、USA)から購入した。CHCAまたはDHBの1:1水とアセトニトリル溶液と試料水溶液を混合した。CHCA−MALDIにおいて、0pmol〜250pmolの試料と25nmolのCHCAを含有する溶液1μLをターゲットに載せた後、真空乾燥または空気乾燥させた。Y6のDHB−MALDI試片を2つの段階で製作した。各段階で、0.5pmol〜320pmolのY6および50nmolのDHBを含有する溶液1μLをターゲットに載せた後、真空乾燥させた。
実施例10.TIC によって選択されたスペクトルの定量的再現性
まず、反復的なレーザーパルス照射によるスペクトルの変化を考察してみた。25nmolのCHCAに10pmolのY5Kを添加した試片を真空乾燥させた後、閾値パルスエネルギー(threshold pulse energy)の2倍であるレーザーパルスを用いて、前記試片の一地点(spot)からMALDIスペクトルセットを得た。
実施例11.TIC制御による再現性のあるスペクトルの獲得
MALDIスペクトルにおいて、TICを制御するためにレーザーパルスエネルギーを変化させた。レーザーの後端に設置された円形の可変中性密度フィルター(circular variable neutral density filter)(Model CNDQ−4−100.OM、CVI Melles Griot、Albuquerque、NM、USA)を回転させてレーザーパルスエネルギーを手動で調節した。前記円形の可変中性密度フィルターをステップモーターの上に設置し、データシステムからの命令によって前記フィルターを回転させることにより、前記レーザーパルスエネルギーをシステム的に調整した。
実施例12.マトリックス信号減衰効果
50pmolのDLGEEHFKと、25nmolのCHCAに含まれた6.5pmolのシトクロムCのトリプシン消化液を含有する試片を準備した。実施例11に記載されたTIC制御方法に従って、1回のレーザー照射あたりTICを3000個に設定して質量スペクトルを得た。こうして得た質量スペクトルから求めた、前記試料DLGEEHFKに対する検定線が図20に示されている。前記試片に対するマトリックス信号減衰効果は94%であった。質量スペクトルを用いてDLGEEHFKを定量分析した結果は9.7pmolであり、正確な値は50pmolであった。
Claims (4)
- 一定量のマトリックスと一定量の試料とが混合された試片にエネルギーを加えて形成されるイオンから得られる多数の質量スペクトルの中で、
(i)前記試料イオンまたはマトリックスイオンの分解パターンが互いに同じである質量スペクトルのみを選別する段階と、
(ii)前記(i)で選別された質量スペクトルに現れた前記試料イオンの信号強度をマトリックスイオンの信号強度で割った値であるイオン信号比を測定する段階を含むことを特徴とし、
前記イオン信号比を、前記試料の濃度を前記マトリックスの濃度で割った値である濃度比で割って、一定の温度で前記マトリックスと前記試料間のプロトン交換反応の平衡定数を測定する方法。 - 一定量のマトリックスと一定量の試料とが混合された試片にエネルギーを加えて形成されるイオンから得られる多数の質量スペクトルの中で、
(i)前記試料イオンまたはマトリックスイオンの分解パターンが互いに同じである質量スペクトルのみを選別する段階と、
(ii)前記(i)段階で選別された質量スペクトルに現れた試料イオンの信号強度をマトリックスイオンの信号強度で割った値であるイオン信号比を測定する段階と、
(iii)前記(ii)段階のイオン信号比を、前記試片の試料濃度をマトリックスの濃度で割った値である濃度比の変化に従って図示し、定量分析用検定線を求める方法。 - 前記マトリックスの濃度を一定にしたままで前記試料の濃度を変化させながら前記(i)段階〜前記(iii)段階を多数回繰り返し行って得た前記イオン信号比の変化を前記濃度比の変化に従って図示して線形回帰分析することにより、定量分析用検定線を求めることを特徴とする、請求項2に記載の定量分析用検定線を求める方法。
- 一定量のマトリックスと未知量の試料とが混合された試片にエネルギーを加えて形成されるイオンから得られる多数の質量スペクトルの中で、
(i)前記試料イオンまたはマトリックスイオンの分解パターンが互いに同じである質量スペクトルのみを選別する段階と、
(ii)前記(i)段階で選別された質量スペクトルに現れた前記試料イオンの信号強度を前記マトリックスイオンの信号強度で割った値であるイオン信号比を測定する段階と、
(iii)前記マトリックスのモル濃度と前記(ii)段階で測定したイオン信号比を下記数式(9)の定量分析用検定線に代入して前記試料のモル濃度を計算する段階とを含んでなる、質量スペクトルを用いた試料定量分析方法。
[A]=(IAH+/IMH+)[M]/K …(9)
(前記式(9)において、[A]は、試料のモル濃度、I AH+ は、試料イオンの信号強度、I MH+ は、マトリックスイオンの信号強度、[M]は、マトリックスのモル濃度、Kは、平衡定数である)
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