JP2004361405A - レーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造方法 - Google Patents

レーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーとその製造方法が開示される。
【解決手段】 試料ホルダー100は、金属プレート110と、金属プレート110の表面に形成されて分析する試料130がローディングされる薄膜120とを具備し、前記薄膜120は炭素を含有した物質、すなわち炭素または黒鉛からなる。薄膜120は、炭素棒170をアーク放電させてスパッタリングすることによって金属プレート110の表面に蒸着でき、炭素または黒鉛粉末と揮発性溶媒とをペースト状態に混合した後、このペーストを金属プレートの表面に塗布することによって形成されうる。このような本発明によれば、マトリックスとシリコンオイルに影響を受けずに、高分子物質だけでなく500Da以下の低分子量の物質も容易で正確に分析でき、塩のような別のイオン化添加剤がなくてもポリマーの質量を測定できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、レーザー脱離/イオン化質量分析に係り、より詳細には高分子物質だけでなく低分子量の物質も容易かつ正確に分析できるレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造方法に関する。
蛋白質などの生体物質やポリマーのような分子量が大きい物質の質量分析において、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析法(Matrix−Assisted Laser Desorption /Inoization Mass Spectrometry、MALDI MS)が多く利用されている。MALDI MSは、試料ホルダーにローディングされている試料に紫外線または赤外線レーザービームを照射して前記試料を脱離およびイオン化させた後、そのイオンの飛行時間(Time−of−Flight、TOF)を測定してその質量を分析する方法である。
図1Aは、従来のMALDI質量分析器の構成を簡略に図示した図面で、図1Bは図1Aに表示されたA部分を拡大図示した図面である。
図1Aと図1Bとを参照すれば、従来のMALDI質量分析器には、分析する試料21を提供するための試料ホルダーとして一般的にステンレススチールまたは金メッキされたステンレススチールからなった金属プレート10が使われている。前記金属プレート10の表面には試料21とマトリックス22とが混合された物質層20が塗布される。このように、試料21がローディングされた金属プレート10は真空チャンバー(図示せず)内の支持部材31に装着される。
前記金属プレート10の表面にローディングされた試料21とマトリックス22とに紫外線または赤外線レーザービームが照射されると、試料21はマトリックス22と共に脱離されイオン化される。イオンは、グリッド32により形成された電気場により加速され、偏向器33を通過して検出器34まで飛行するようになる。この時、検出器34で検出される信号からイオンの飛行時間を測定でき、この飛行時間を利用してイオンの質量を分析できる。
このようなMALDI MSでは、試料21の脱離とイオン化とを補助するマトリックス22が使われ、このマトリックス22には通常に紫外線をよく吸収できる有機酸が使われる。試料21のイオン化過程はまだ正確に明らかでないが、一般的に試料21に比べて過量で存在するマトリックス22がレーザービームのエネルギーを1次に吸収し、試料21と共に金属プレート10から脱離される過程やその後に、吸収されたエネルギーを試料21に伝達して試料21をイオン化させると知られている。
ところが、前記の従来のMALDI MSにおいては、試料21の脱離とイオン化とに役に立つために使われるマトリックス22、または試料21とマトリックス22とを混合するために使われる溶媒によって試料21の脱離およびイオン化の程度が異なる。これはマトリックス22と試料21とを金属プレート10の表面にローディングした後、溶媒が揮発しながらマトリックス22と試料21の固体状構造が形成されるが、この固体状構造が部位別に一定でないため、レーザービームを吸収する部位によって質量分析法により得られる質量スペクトルが異なって現れるためである。
したがって、同じ試料21を分析しても試料21の準備方法によって得られる質量スペクトルが異なるだけでなく、金属プレート10の位置ごとに測定結果が異なるため一貫性ある結果を得にくかった。また、高分子物質の分子量を測定する場合には、マトリックス22はまた溶媒によって分子量分布の変化が発生して正確な分子量を得にくかった。
そして、物質層20に対するレーザービームの照射により試料21だけでなくマトリックス22もイオン化されるため、マトリックス22に似た分子量を有した物質、例えば500Da以下の低分子量を有した試料21の質量を測定する場合には、マトリックス22イオンによる干渉のため試料21の質量を正確に分析し難かった。
図2Aには従来のMALDI MSにより低分子量の試料から得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。
図2Aのスペクトルを見れば、マトリックスイオンによるピークのみが現れて、試料イオンによるピークはほとんど現れなかったことが分かる。このスペクトルで、試料の質量は一般的に電荷量に対するイオンの原子量(m/z)で表す。
そして、前記の従来のMALDI MSは、水溶性蛋白質分析では非常に容易に使われうるが、有機溶媒を使用すべきポリマーの分析ではイオン化に必要な陽性子や塩がないため、人為的に塩を添加しなければならない不便な点がある。
図2Bには、従来のMALDI MSによってポリマーから得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。
図2Bのスペクトルを見れば、塩を使わない場合にはポリマーによるピークがほとんど現れないことが分かる。
一方、マトリックス22と試料21との混合液が強酸性を有する場合には、金属プレート10が腐食される問題点が発生し、また腐食による金属プレート10の表面粗度の変化によってマトリックス22と試料21との脱離が難しくなるという問題が生じる。
前記のような従来のMALDI MSの問題点を解決するために多くの研究が進められ、その一例として、特許文献1には多孔性シリコンプレートを利用したレーザー脱離/イオン化質量分析法が開示されている。
そこに開示されているように、試料ホルダーとして多孔性シリコンプレートを使用する場合には、マトリックスが必要ないのでマトリックスと溶媒の影響を除去した質量スペクトルを得られる。また、マトリックスを使わないことにより、試料の質量分析が容易なだけでなく500Da以下の低分子量を有した試料の質量分析においてマトリックスによる干渉を排除できる。
しかし、シリコンプレートを利用したレーザー脱離/イオン化質量分析法においても、有機溶媒を使用しなければならないポリマーの分析では、イオン化に必要な陽性子や塩がないため、人為的にAgTFA(Silver Trifluoroacetate)のような塩を添加しなければならない不便な点がある。また、多孔性シリコンプレートの製造工程が多少複雑であるという問題点もある。
一方、図3には非特許文献1に開示された黒鉛プレートが図示されている。
図3に図示された黒鉛プレート60の表面には、マトリックスなしで分析する試料70が多数のスポット形態でローディングされる。このような黒鉛プレート60は、紫外線または赤外線を吸収してその一部分が試料70と共に脱離されながら試料70をイオン化させる特性がある。したがって、黒鉛プレート60を試料ホルダーとして利用する場合には、前述したシリコンプレートと同様にマトリックスが必要なく、これによりマトリックスの影響を除去した質量スペクトルを得られる。また、黒鉛プレート60にはNAイオンとKイオンとが入っており、特別に塩を添加しなくてもポリマーのイオン化が可能でその質量を測定できる。
ところが、このような黒鉛プレートは黒鉛棒をほぼ2mm〜3mmの厚さで切断して製造するが、この時黒鉛棒を切断するためにはシリコンオイルが使われる。このようなシリコンオイルは、ほぼ300〜400Daの低分子量を有したシリコン系化合物であり、黒鉛プレート内に入り込んで簡単に除去できない。したがって、シリコンオイルと同様の分子量を有した試料の質量分析においては、シリコンオイルによる干渉のため試料の質量を正確に分析し難い。
図4には黒鉛プレートから得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。
図4のスペクトルを見れば、ほぼ300〜400m/z付近でシリコンオイルによるピークが多いことが分かる。一方、図4のスペクトルで左側に現れた二つのピークは、各々NAイオンとKイオンのピークである。
米国特許US6,288,390号公報 キム・ヒジュン外 、Anal.Chem.72,5673−5678(2000)
本発明は、前記のような従来の問題点を解決するために案出されたもので、特に高分子物質だけでなく低分子量の物質も容易で正確に分析できるように、金属プレート表面に形成された高純度の炭素または黒鉛薄膜を有するレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造方法を提することを目的とする。
前記の技術的課題を達成するために本発明は、レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーにおいて、金属プレートと、前記金属プレートの表面に形成されて分析する試料がローディングされる薄膜とを具備し、前記薄膜は炭素を含有した物質からなることを特徴とするレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーを提供する。ここで、前記薄膜は炭素または黒鉛でなされ、その厚さは数μmないし数十μmであることが望ましい。
前記金属プレートはステンレス鋼でなりうる。そして、前記の技術的課題を達成するために本発明は、レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーの製造方法を提供する。
本発明の一つの特徴による試料ホルダー製造方法は、金属プレートを準備する段階と、前記金属プレートの表面にスパッタリングにより炭素薄膜を蒸着する段階とを含む。
ここで、前記炭素薄膜蒸着段階は、炭素棒をアーク放電させてスパッタリングすることが望ましい。そして、本発明の他の特徴による試料ホルダー製造方法は、金属プレートを準備する段階と、炭素粉末と溶媒とをペースト状態に混合した後、前記ペーストを前記金属プレートの表面に塗布する段階と、前記ペーストを乾燥させて前記金属プレートの表面に炭素薄膜を形成する段階とを含む。
また、本発明のさらに他の特徴による試料ホルダー製造方法は、金属プレートを準備する段階と、黒鉛粉末と溶媒とをペースト状態に混合した後、前記ペーストを前記金属プレートの表面に塗布する段階と、前記ペーストを乾燥させて前記金属プレートの表面に黒鉛薄膜を形成する段階とを含む。
前記製造方法において、前記溶媒は揮発性溶媒であり、前記揮発性溶媒は前記ペーストの乾燥時に揮発されて除去されることが望ましい。そして、前記薄膜は数μmないし数十μmの厚さで形成されうる。
前記金属プレートは、所定厚さのステンレス鋼板を切断加工して製造されうる。
本発明に係るレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造方法によると、まず、金属プレートの表面に形成された炭素または黒鉛薄膜を有した試料ホルダーを利用するので、マトリックスの影響を排除した質量スペクトルを得られる。また、炭素または黒鉛薄膜がスパッタリングまたは粉末の塗布方法により形成されるので、シリコンオイルによる影響を排除できる。したがって、高分子物質だけでなく500Da以下の低分子量の物質も容易で正確に分析できる。
次に、炭素または黒鉛薄膜には、NAイオンとKイオンとが入っており、別途のイオン化添加剤がなくてもポリマーのイオン化が可能でその質量を測定できる。
最後に、金属プレートはリサイクルできるので、分析の度に炭素または黒鉛薄膜だけを薄く形成すれば試料ホルダーが準備でき、従来のシリコンプレートに比べて試料ホルダーの製造工程が簡単である。
以下、添付された図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。しかし、以下に例示される実施例は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明をこの技術分野での当業者に十分に説明するために提供されるものである。以下の図面で各構成要素の大きさは説明のため便宜上の誇張もありうる。
図5は本発明によるレーザー脱離/イオン化質量分析法に使われる試料ホルダーを示す斜視図であり、図6は図5に示す試料ホルダーの部分断面図である。
図5と図6とを共に参照すれば、本発明による試料ホルダー100は、レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料130をローディングするためのものであり、金属プレート110および金属プレート110の表面に形成された炭素薄膜120を含む。
前記金属プレート110は、ステンレス鋼からなることが望ましく、その厚さは容易に変形されない程度、例えば2mm〜3mm程度であることが望ましい。このような金属プレート110は、一般的に知られた金属材料の様々な加工方法により製造されうる。例えば、金属プレート110は、2mm〜3mm程度の厚さを有するステンレス鋼板を切断加工して製造されうる。
前記炭素薄膜120は、前記金属プレート110の表面にほぼ数μmないし数十μm程度の厚さを有する薄膜で形成される。そして、前記炭素薄膜120は、黒鉛薄膜に代替できる。前記炭素薄膜120はスパッタリングまたは炭素粉末の塗布方法により形成でき、黒鉛薄膜は黒鉛粉末の塗布方法により形成されうる。以下では、添付された図面を参照して前記炭素または黒鉛薄膜の形成方法を説明する。
図7は、金属プレートの表面にスパッタリングにより炭素薄膜を蒸着させる方法を説明するための図面である。
図7を参照すれば、まず真空チャンバー150内のレセプター160上に前記の方法により準備された金属プレート110を装着する。次いで、金属プレート110の表面にスパッタリングによりほぼ数μmないし数十μm程度の厚さで炭素薄膜120を形成する。具体的に、前記炭素薄膜120は、二つの高純度炭素棒170に比較的高い電圧を印加して炭素棒170をアーク放電させ、この時炭素棒170から落ちる炭素をスパッタリングして金属プレート110の表面に蒸着させることで形成されうる。
一方、前記炭素薄膜120は、炭素粉末を金属プレート110の表面に塗布することによっても形成出来る。具体的には、高純度の微細な炭素粉末を溶媒と混合してペースト状態に作る。この時、前記溶媒は揮発性溶媒であることが望ましい。次いで、前記ペーストを金属プレート110の表面に所定の厚さで塗布する。そして、前記ペーストを常温または高温で乾燥させて炭素薄膜120を形成する。この時、前記のように揮発性溶媒を使用すると、乾燥過程で揮発性溶媒が揮発されて除去されるので、純粋な炭素のみからなる炭素薄膜120が形成されうる。
そして、金属プレート110の表面に炭素薄膜120の代りに黒鉛薄膜を形成する場合にも、上記のような方法が適用されうる。すなわち、高純度の微細な黒鉛粉末を揮発性溶媒と混合してペースト状態に作った後、このペーストを金属プレート110の表面に所定厚さで塗布して乾燥させることによって、黒鉛薄膜を形成できる。
このように、本発明による試料ホルダー100の炭素薄膜120または黒鉛薄膜は、スパッタリングや粉末の塗布方法により形成されるので、従来の黒鉛プレートとは異なってシリコンオイルを使わない。したがって、シリコンオイルによる影響を排除できる長所がある。
そして、金属プレート110はリサイクルできるので、分析のたびに炭素薄膜120または黒鉛薄膜だけを薄く形成すれば、試料ホルダー100が準備できることとなる。したがって、従来のシリコンプレートに比べて試料ホルダーの製造工程を単純化できる。
再び図5と図6とを参照すれば、前記のように金属プレート110の表面に形成された炭素薄膜120または黒鉛薄膜には、試料130が多数のスポットを有する形態にローディングされる。このように試料130がローディングされた試料ホルダー100は、質量分析器のチャンバー(図示せず)内部に設けられる。
前記試料ホルダー100がチャンバー内部に設けられた状態で、試料ホルダー100の炭素薄膜120にローディングされた試料130に紫外線または赤外線レーザービームを照射する。それにより、レーザービームが照射された部位の炭素薄膜120は、レーザービームのエネルギーを吸収して金属プレート110から脱離される。この時、試料130も炭素薄膜120と共に脱離され、脱離された試料130は炭素薄膜120内に含まれていたNAイオンとKイオンとによりイオン化される。
前記試料130のイオンは、前述したようにグリッド(図示せず)により形成された電気場により加速されて所定距離ほど飛行して検出器140に到達する。この時、検出器140で検出される信号から試料130のイオンの飛行時間を測定でき、この飛行時間を利用して試料イオンの質量を分析する。
上記のように、本発明による試料ホルダー100は、炭素薄膜120または黒鉛薄膜に試料をローディングする。前記炭素薄膜120または黒鉛薄膜は、前述したように紫外線または赤外線を吸収して金属プレート110から脱離されながら試料130をイオン化させる特性がある。これにより、試料130の脱離とイオン化とにおいて、従来のマトリックスが不要となり、マトリックスの影響を受けない質量スペクトルが得られるという長所がある。また、マトリックスに使われる有機酸により金属プレート110が腐食されたり、その表面粗度が変わるという従来の問題点が解消される。
図8Aには、本発明による試料ホルダーを使用したレーザー脱離/イオン化質量分析法により低分子量の試料から得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。図8Aのスペクトルは、図2Aのスペクトルと同じ試料から得られたスペクトルである。
図8Aのスペクトルを見れば、図2Aのスペクトルと異なってマトリックスによる影響が排除されて試料イオンのピークが明確に現れていることが分かる。
このように、本発明による炭素薄膜または黒鉛薄膜を利用した試料ホルダーによれば、マトリックスを使用しないことによって試料の質量分析が容易なだけでなく、500Da以下の低分子量を有する試料の質量分析においてマトリックスの干渉を排除できるので、正確な質量分析が可能な長所がある。
そして、本発明による試料ホルダーの炭素または黒鉛薄膜には、NAイオンとKイオンとが入っており塩のような別途のイオン化添加剤なしにポリマーのイオン化が可能になり、その質量を測定できるという長所もある。
図8Bには、本発明による試料ホルダーを使用したレーザー脱離/イオン化質量分析法によりポリマーから得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。図8Bのスペクトルは、図2Bのスペクトルと同じ試料から得られたスペクトルである。
図8Bのスペクトルを見れば、図2Bのスペクトルと異なってポリマーイオンのピークが明確に検出されていることが分かる。
特に、本発明による試料ホルダーの炭素薄膜または黒鉛薄膜は、前記のようにスパッタリングや粉末の塗布方法により形成されるので、従来の黒鉛プレートとは異なってシリコンオイルを使わないため、シリコンオイルによる影響を排除できる。したがって、ほぼ300〜400Daの低分子量を有した試料の質量も正確に分析できるという長所がある。
図8Cには、本発明による試料ホルダーの炭素薄膜から得られた質量スペクトルのグラフが図示されている。
図8Cのスペクトルを見れば、図4のスペクトルと異なって300〜400m/z付近でシリコンオイルのピークは全く現れず、20〜30m/z附近でNAイオンとKイオンのピークだけ検出されたことが分かる。
本発明は開示された実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものにすぎず、当該分野での当業者ならば多様な変形および均等な他の実施例が可能であるということを理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求範囲により決まるべきものである。
本発明は、高分子物質だけでなく低分子量の物質も容易で正確に分析されうるレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーおよびその製造に関わるものであり、例えば蛋白質などの生体物質やポリマーのような分子量が大きい物質の質量分析に効果的に適用可能である。
従来の MALDI質量分析器の構成を簡略に図示した図面である。 図1Aに表示されたA部分を拡大図示した図面である。 従来のMALDI MSにより得られた質量スペクトルのグラフであり、低分子量の試料から得られた質量スペクトルのグラフである。 従来のMALDI MSにより得られた質量スペクトルのグラフであり、有機溶媒を使用するポリマーから得られた質量スペクトルのグラフである。 従来の黒鉛プレートからなる試料ホルダーを示す写真である。 従来の黒鉛プレートから得られた質量スペクトルのグラフである。 本発明によるレーザー脱離/イオン化質量分析法に使われる試料ホルダーを図示した斜視図である。 図5に図示された試料ホルダーの部分断面図である。 金属プレートの表面にスパッタリングにより炭素薄膜を蒸着させる方法を説明するための図面である。 本発明による試料ホルダーを使用したレーザー脱離/イオン化質量分析法により得られた質量スペクトルを図示したグラフであり、低分子量の試料から得られた質量スペクトルのグラフである。 本発明による試料ホルダーを使用したレーザー脱離/イオン化質量分析法により得られた質量スペクトルを図示したグラフであり、有機溶媒を使用するポリマーから得られた質量スペクトルのグラフである。 本発明による試料ホルダーを使用したレーザー脱離/イオン化質量分析法により得られた質量スペクトルを図示したグラフであり、本発明による試料ホルダーの炭素薄膜から得られた質量スペクトルのグラフである。
符号の説明
10…金属プレート、
20…物質層、
21…試料、
22…マトリックス、
31…支持部材、
32…グリッド、
33…偏向器、
34…検出器、
60…黒鉛プレート、
70…試料、
100…試料ホルダー、
110…金属プレート、
120…炭素薄膜、
130…試料、
140…検出器、
150…真空チャンバー、
160…レセプター、
170…高純度炭素棒。

Claims (12)

  1. レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーにおいて、
    金属プレートと、
    前記金属プレートの表面に形成され、分析する試料がローディングされる薄膜とを具備し、
    前記薄膜は、炭素を含有した物質からなることを特徴とするレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダー。
  2. 前記薄膜は炭素からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダー。
  3. 前記薄膜は黒鉛からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダー。
  4. 前記薄膜は、数μmないし数十μmの厚さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダー。
  5. 前記金属プレートは、ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダー。
  6. レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーの製造方法において、
    金属プレートを準備する段階と、
    前記金属プレートの表面にスパッタリングにより炭素薄膜を蒸着する段階と、
    を含むことを特徴とするレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  7. 前記炭素薄膜蒸着段階は、炭素棒をアーク放電させてスパッタリングすることを特徴とする請求項6に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  8. レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーの製造方法において、
    金属プレートを準備する段階と、
    炭素粉末と溶媒とをペースト状態に混合した後、前記ペーストを前記金属プレートの表面に塗布する段階と、
    前記ペーストを乾燥させて前記金属プレートの表面に炭素薄膜を形成する段階と、
    を含むことを特徴とするレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  9. レーザー脱離/イオン化質量分析により分析する試料をローディングするための試料ホルダーの製造方法において、
    金属プレートを準備する段階と、
    黒鉛粉末と溶媒とをペースト状態に混合した後、前記ペーストを前記金属プレートの表面に塗布する段階と、
    前記ペーストを乾燥させて前記金属プレートの表面に黒鉛薄膜を形成する段階と、
    を含むことを特徴とするレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  10. 前記溶媒は揮発性溶媒であり、前記揮発性溶媒は前記ペーストの乾燥時に揮発されて除去されることを特徴とする請求項8または9に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  11. 前記薄膜は数μmないし数十μmの厚さで形成されることを特徴とする請求項6、8および9のうちいずれかの一項に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
  12. 前記金属プレートは所定厚さのステンレス鋼板を切断加工して製造されることを特徴とする請求項6、8および9のうちいずれかの一項に記載のレーザー脱離/イオン化質量分析用試料ホルダーの製造方法。
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