JP6215251B2 - モールドプレス成形用光学ガラス - Google Patents

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Description

本発明はモールドプレス成形用光学ガラスに関するものである。詳細には、高屈折率かつ高分散であり、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等に好適なモールドプレス成形用光学ガラスに関する。
CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズは、一般に以下のようにして作製される。
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、必要に応じて、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化し、精密加工を施した金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。このような成形方法は、一般にモールドプレス成形法と呼ばれている。
モールドプレス成形法を採用する場合、金型の劣化を抑制しつつ、レンズを精密にモールドプレス成形するために、できるだけ低いガラス転移点Tg(少なくとも650℃以下)を有するガラスが求められており、種々のガラスが提案されている。
プリフォームガラスを作製する際に失透が生じると、モールドプレスレンズとしての基本性能が損なわれることから、耐失透性に優れたガラスであることが重要である。さらに、近年の環境問題への意識の高まりから、ガラス成分に鉛等の有害な物質を使用しない光学ガラスが望まれている。なお、近年では、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズや撮影用レンズといった光学レンズには、コスト削減を目的として、レンズを薄くしたり、レンズの枚数を少なくしたりすることが検討されている。このように、レンズの薄肉化やレンズ枚数の低減を実現するために、高屈折率で高分散の(アッベ数の小さい)ガラス材質が求められている。このような光学特性を有するガラスとして、ビスマスを主成分として含有する光学ガラスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2002−201039号公報 特開2007−106625号公報 特開2006−151758号公報
一般に、高屈折率の光学ガラスを作製しようとすると、着色が生じ、透過率、特に可視域または近紫外域の透過率が低下しやすいという問題がある。一方、着色を抑制する成分を添加するとアッベ数が大きくなる、すなわち低分散になる傾向がある。このように、高屈折率かつ高分散で、しかも可視光透過率に優れた光学ガラスを作製することは難しいとされている。
したがって、本発明は、(1)環境上好ましくない成分を含有しない、(2)低ガラス転移点を達成しやすい、(3)高屈折率かつ高分散である、(4)可視光透過率に優れるガラスが得られやすい、(5)プリフォーム成形時の耐失透性に優れる、といった要求をすべて満足することが可能なモールドプレス成形用光学ガラスを提供することを課題とする。
本発明者等は種々の実験を行った結果、BiとBを主成分として含有する特定組成を含有するガラスによって上記目的が達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、屈折率ndが1.925以上、アッベ数νdが10〜30、ガラスの着色度λ70が500nm以下であり、質量%で、Bi 75〜90%、B 10〜30%、Bi+B 60〜99.9%、GeO 0〜5.5%、La+Gd+Taが0〜3.7%のガラス組成を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分を実質的に含有しないことを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラスに関する。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、高屈折率かつ高分散の光学特性を有する。さらに、屈折率が従来のガラスと同等である場合には、透過率のより高いガラスを作製可能である。このため、レンズの薄肉化やレンズ枚数の低減が可能になり、さらに高精細な光学デバイスを作製することができる。これにより、部品コストの削減や性能の向上を図ることが可能になる。
なお、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、組成中にBiを多量に含有しているため、低ガラス転移点を達成しやすい。そのため、低温でモールドプレス成形可能であり、ガラス成分の揮発物に起因する金型の劣化を抑制することができる。また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、プリフォーム成形時に透明性を阻害する失透物が生じにくいという特徴も有する。さらに、有害成分である鉛成分、砒素成分、およびF成分を実質的に含有しないため、環境上好ましいガラスである。
本発明において、「鉛成分、砒素成分、F成分を含まない」とは、これらの成分を意図的にガラス中に添加しないという意味であり、不可避的不純物まで完全に排除することを意味するものではない。客観的には、不純物を含めたこれらの成分の含有量が、質量%で、各々0.1%未満であることを意味する。
BiとBの合量を当該範囲に調整することにより、高屈折率かつ高分散で、しかも透過率に優れたガラスが得られやすくなる。
ガラス着色度λ70が上記範囲を満たすことにより、可視域または近紫外域における透過率に優れ、各種光学レンズ等に好適となる。なお、本発明において「着色度λ70」とは、透過率が70%になる波長をいう。また、本発明において、「La+Gd+Ta」とは、これらの成分の合量を示す。
第二に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、ZnO 0〜10%を含有することが好ましい。
第三に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量%で、SiO 0〜3%未満を含有することが好ましい。
第四に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、質量比で、Bi/Bが5以下であることが好ましい。なお、本発明において「Bi/B」とは、これらの成分の含有量の比を示す。
第五に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、Bi+Bが99%以上であることが好ましい。
BiとBの合量を99%以上と非常に多くすることにより、さらなる高屈折率化および高分散化が可能となる。
第六に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、Bi+B+TiOが99%以上であることが好ましい。
Bi、B、TiOの合量を99%以上と非常に多くすることにより、さらなる高屈折率化および高分散化が可能となる。
第七に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、レンズ用であることが好ましい。
以下に、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスにおける各成分の含有量を上記のように特定した理由を詳述する。なお、特に断りがない場合、以下の「%」は「質量%」を意味する。
Biは高屈折かつ高分散化、低Tg(ガラス転移点)化、化学耐久性向上等を実現させる必須成分であり、ガラスの失透抑制成分としても効果がある。Biの含有量は20〜90%、20〜85%、20〜83%、25〜80%、特に30〜75%が好ましい。Biの含有量が20%未満であると、ガラスが不安定になって耐失透性が悪化したり、所望の光学特性や低Tg化が達成されにくくなる。一方、Biは揮発性が高いため、その含有量が90%を超えると、モールドプレス成形時に金型が劣化しやすくなり、またガラスが金型に融着しやすくなったり、化学耐久性が低下する。また、透過率が低下しやすくなる。
はガラスの骨格を構成する成分である。また、ガラスの透過率を高める成分であり、紫外域の付近の透過率低下を抑制したり、吸収端を低波長側にシフトさせることができる。特に高屈折率のガラスの場合は、Bの透過率を高める効果が得られやすい。また、ガラスの失透を抑制する成分としても有効である。Bの含有量は10〜30%、12〜28%、14〜27%、特に17〜27%が好ましい。Bの含有量が10%未満であると、透過率の高いガラスを得ることが難しい。一方、Bはアッベ数を上昇させやすい成分であるため、その含有量が30%を超えると高分散のガラスが得られにくく、高屈折率なガラスが得られにくくなる。
本発明において、高屈折かつ高分散で、しかも透過率に優れたガラスを得る場合、BiとBの合量を調整することが好ましい。具体的には、これらの成分の合量が60〜100%、70〜100%、特に80〜99.99%が好ましい。なお、BiとBの合量を99%以上、特に99.9%以上と非常に多くすることにより、高屈折率および高分散の特性に特に優れたガラスを得ることが可能となる。
また、本発明において、着色度に優れたガラスを得るには、Bi/Bの比を調整することが好ましい。具体的には、Bi/Bの比が5以下、4.5以下、特に4以下が好ましい。これらの成分の比が5以上であると、着色度に優れたガラスを維持することが困難となる。
GeOは、高屈折率かつ高分散の光学特性を得るための成分である。ただし、多量に添加すると透過率が低下しやすくなる。また、GeOは高価な原料であるため、多量に使用するとガラスコストが高くなる。したがって、GeOの含有量は0〜5.5%、0〜5%、0〜4.5%、特に0.1〜4.5%が好ましい。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、上記成分以外にも、以下のような成分を含有することができる。
ZnOは屈折率を低下させることなくガラス粘度を低下させることが可能な成分である。よって、ガラス転移点を低下でき、金型と融着しにくいガラスを得ることができる。さらに、耐候性を向上させる効果もある。また、アルカリ土類金属成分(MgO、CaO、SrO、BaO)に比べ失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができるとともに、着色しにくい成分である。ZnOの含有量は0〜10%、0〜8%、特に0.1〜5%が好ましい。ZnOの含有量が10%を超えると、逆に耐候性が悪化する傾向がある。また、高分散なガラスや高屈折なガラスが得られにくくなる。
ZrOは屈折率を高める成分であるとともにアッベ数を上昇させる成分である。また、中間酸化物としてガラスの骨格を形成するため、耐失透性(BおよびLaで形成される失透物の抑制)を改善したり、化学的耐久性を向上させたりする効果もある。ただし、ZrOの含有量が多くなるとガラス転移点が上昇し、モールドプレス成形性が悪化すると同時に、ZrOを主成分とする失透物が析出しやすくなる。ZrOの含有量は0〜10%、0〜7.5%、特に0.1〜5%が好ましい。
Laはガラスの透過率の低下を抑えつつ屈折率を高めることが可能な成分であるが、失透物が析出しやすくなるため多量に含有させないほうがよい。Laの含有量は0〜20%、0.1〜10%が好ましい。Laの含有量が20%を超えると、耐失透性が悪化すると同時に、高分散なガラスが得られにくくなる。
GdはLaと同様に、ガラスの透過率の低下を抑えつつ屈折率を高めることが可能な成分である。Gdの含有量は0〜20%、0〜10%、特に0.1〜10%が好ましい。Gdの含有量が20%を超えると、耐失透性が悪化すると同時に、高分散なガラスが得られにくくなる。
Taはガラスの透過率の低下を抑えつつ屈折率および分散を高める効果がある。Taの含有量は0〜20%、0〜15%、特に0.1〜10%が好ましい。Taの含有量が20%を超えると、ガラスの耐失透性が悪化しやすくなる。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、Biが少ない領域で高屈折率のガラスを得るには、La+Gd+Taを調整することが好ましい。具体的には、これらの成分の合量が7.5〜30%、8〜25%、特に10〜20%が好ましい。これらの成分の合量が7.5%未満であると、高屈折率を維持することが困難となり、一方、30%を超えると、高分散のガラスになりにくく、さらに、失透しやすくなる。なお、Biが少ない領域とは、75%以下の場合である。また、Biが多い領域では、La+Gd+Taの合量が多いと透過率が低下する原因となる。従って、その合量が、0〜20%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。なお、Biが多い領域とは、75%以上の場合である。
Nb、WO、TiOは屈折率を高める効果が大きい成分であると同時に、分散を高める効果もある。また、La、Gd、Taと比較して、耐失透性を抑制する働きが大きい。ただし、透過率を低下させやすいため、その含有量を制限することが好ましい。
Nbの含有量は0〜10%、0〜5%、特に0.1〜5%が好ましい。Nbの含有量が10%を超えると、Nbを主成分とする失透物がガラス表面に析出(表面失透)しやすくなる。また、透過率が低下する傾向がある。
WOはこれらのなかではガラスの耐失透性の向上に最も有効な成分である。しかし、その含有量が多すぎるとガラスの透過率が低下する傾向がある。したがって、WOの含有量は0〜10%、0〜5%、特に0.1〜5%が好ましい。なお、WOはLa、Gd、Taに比べ透過率を低下させる割合が小さいため、WOを積極的に添加することで、比較的高い透過率を維持しつつ高屈折率および高分散の光学特性が得られやすくなる。具体的には、上記効果を得るためにはWOを1%以上、特に2%以上添加することが好ましい。
TiOはWOと同様に、これらのなかでは高屈折率および高分散の光学特性を得るために特に有効であり、耐候性を向上させる効果も有する。また、TiOはガラスの耐失透性の向上に有効な成分であるが、これらの成分のなかで最も透過率を低下させやすい成分である。特に不純物Feがガラス中に多く含まれる場合、顕著に透過率の低下が起こる。したがって、TiOの含有量は0〜15%、0〜10%、0〜5%、特に0.1〜5%が好ましい。上記効果を得るためには、TiOの含有量は0.1〜15%であることが好ましい。尚、不純物のFe量は、20ppm以上含まれる場合に顕著な透過率の低下が発生する。
なお、BiとBとTiOの合量を99%以上、特に99.9%以上と非常に多くすることにより、高屈折率および高分散の特性に特に優れたガラスを得ることが可能となる。また、所望の光学特性および低Tg、さらには化学耐久性を維持しつつ、透過率低下を抑制するために、TiO/Bi+TiOの比を0.048以下、特に0.045以下に調整することが好ましい。
鉛成分(PbO)、砒素成分(As)およびF成分(F)は、環境上の理由から、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。それゆえ本発明ではこれらの成分は実質的に含有しない。
また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、上記成分に加えて、LiO、NaO、KOを含有することができる。このようなアルカリ金属酸化物(R’O)は軟化点を低下させるための成分である。
LiOはR’Oのなかで最も軟化点を低下させる効果が大きい。しかし、LiOは分相性が強いため、含有量が多すぎると、液相温度が上昇(液相粘度が低下)して失透物が析出し、作業性を悪化させるおそれがある。また、モールドプレス成形時に発生する揮発物が増加したり、ガラスが金型と融着しやすくなったりする。さらに、LiOは化学耐久性が低下したり、屈折率を大きく低下させる成分であるため、多量に含有すると高屈折率なガラスが得られにくくなる。したがって、その含有量は0〜5%、0〜3%、特に0.1〜1.5%が好ましい。
NaOはLiOと同様に軟化点を低下させる効果を有する。しかしながら、その含有量が多すぎると、屈折率が大幅に低下したり、ガラス溶融時にBとNaOで形成される揮発物が多くなり脈理の生成を助長してしまう傾向がある。また、液相温度が上昇して、ガラス中に失透物が析出しやすくなる。さらに、モールドプレス成形時に発生する揮発物が増加したり、ガラスが金型と融着しやすくなったりする。また、屈折率を大きく低下させる成分である。したがって、NaOの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。
OもLiO同様に軟化点を低下させる効果を有する。KOの含有量が多くなりすぎると、屈折率が大幅に低下したり、耐候性が悪化する傾向がある。また、液相温度が上昇して、ガラス中に失透物が析出しやすくなる。さらに、モールドプレス成形時に発生する揮発物が増加したり、ガラスが金型と融着しやすくなったりする。したがって、KOの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。
また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、上記成分以外にも種々の成分を本発明のガラスの特性を損なわない範囲で添加することが可能である。このような成分として、例えばSiO、Al、CaO、BaO、SrO、Y、Yb、清澄剤などが挙げられる。
SiOはBとともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特にガラス中のBやアルカリ金属酸化物等の成分が水へ選択的に溶出することを抑制する効果が顕著である。SiOの含有量は0〜3%、特に0.1〜2%が好ましい。SiOの含有量が3%を超えると、ガラスの溶融性が悪化し、例えば1100℃以下の低いガラス溶融温度では未溶解が発生したり、脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
AlはSiOやBとともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特にガラス中のBやアルカリ金属酸化物等の成分が水へ選択的に溶出することを抑制する効果が顕著である。Alの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。Alの含有量が10%を超えると、ガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの溶融性が悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスにおいて、Bi、B、SiO、WO、TiO、Nbの合量は、95.5%以上、96%以上、97%以上、98%以上、特に99%以上であることが好ましい。これらの成分を当該範囲に限定することにより、高屈折率かつ高分散の光学特性を達成しやすくなる。
CaO、SrO、BaOといったアルカリ土類金属酸化物(RO)は融剤として作用するとともに、屈折率を大きく低下させず、アッベ数を上昇させない効果がある。ROが多くなりすぎると、液相温度が上昇してガラスの溶融、成形工程中に失透物が析出し、作業範囲が狭くなる傾向がある。その結果、ガラスを量産化しにくくなる傾向がある。また、逆に耐候性が悪化しやすくなり、研磨洗浄水や各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出量が増大したり、高温多湿状態でのガラス表面の変質が顕著になったりする。さらに、透過率の高いガラスが得られにくくなる。よって、CaO、SrOおよびBaOは合量で0〜20%、0.1〜10%、0.1〜5%、特に0.1〜3%が好ましい。
CaOはアッベ数を低下させることなく屈折率を大きく低下させない成分である。また、耐候性向上のための有効成分であり、耐水性や耐アルカリ性を向上させる効果が高い。しかし、添加量が多くなるとガラスが着色し、着色度が悪くなる。CaOの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。
SrOは屈折率を高める成分である。また、CaOに比べるとガラスの耐水性や耐アルカリ性を向上させる効果が高い。したがって、SrOを積極的に使用することにより、耐候性に優れた製品を得ることができる。しかし、添加量が多くなるとガラスが着色し、着色度が悪くなる。SrOの含有量は0〜20%、0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。
BaOは大きく低下させない成分である。また、CaOに比べ、液相温度の上昇を抑えることができることやガラスの耐水性や耐アルカリ性を向上させる効果が高い。しかし、添加量が多くなるとガラスが着色し、着色度が悪くなる。BaOの含有量は0〜20%、特に0.1〜5%が好ましい。
なお、CaO、BaOおよびSrO以外にも、屈折率を高めるためにRO成分としてMgOを含有してもよい。MgOの含有量は0〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。MgOの含有量が10%を超えると、失透しやすくなる。
およびYbは屈折率を高める成分であるが、分散を低下させる成分である。また、分相を抑制する効果がある。YおよびYbは、Laとの置換により耐失透性を改善することができる。YおよびYbの含有量は各々0〜10%、0.1〜8%が好ましい。YまたはYbの含有量が10%を超えると、失透しやすくなり、作業温度範囲が狭くなる傾向がある。また、ガラス中に脈理が発生しやすくなる。
清澄剤として、例えばSbやSnOを添加することができる。特に、Sbは低温で溶融するガラスの清澄に有効であり、不純物であるFe等による着色を抑制することができる。ただし、清澄剤の添加量が多なりすぎると、Sbのブツが発生しやすくなる。清澄剤の含有量は0〜1%、0.001〜0.1%が好ましい。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスの屈折率(nd)は1.925以上であり、1.93以上、特に1.95以上であることが好ましい。また、本発明のモールドプレス成形用光学ガラスのアッベ数(νd)は10〜30であり、12〜28、特に15〜26が好ましい。これらの光学特性を満たすことにより、色分散が少なく、高機能で小型の光学素子用の光学レンズとして好適となる。
このように、高屈折率かつ高分散の光学特性を達成するためには、Bi以外に、GeO、La、Gd、Ta、Nb、WO、TiO等の成分を添加することが効果的である。ただし、中には耐失透性や透過率を低下させる成分もあるため、添加量は適宜調整することが必要である。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、着色度λ70が500nm以下、450nm以下、特に400nm以下であることが好ましい。着色度λ70が500nmを超えると、可視域または近紫外域における透過率に劣り、各種光学レンズ等に使用することが困難となる。
着色度λ70を上記範囲に調整するためには、Bi/Bの比を調整したり、Nb、WO、TiO等の透過率を低下させる成分の含有量を制限することが効果的である。また、後述するように、ガラスの溶融を酸化雰囲気下で行って金属ビスマスの析出を抑制することも好ましい。なお、不純物として白金が混入すると透過率が低下する傾向があるため、溶融炉の材質としては極力、白金を含有しないものが好ましい。例えば、溶融炉としては金を主成分として含有する材質を採用することが好ましい。なお、バッチ原料として粒径の小さいものや、一旦ガラス化したものを使用することで溶解性を向上させ、未溶解不純物の混入を抑制することができる。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、ガラス転移点が650℃以下、640℃以下、特に630℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が低くなると、低温でのモールドプレス成形が可能となり、金型の酸化あるいはガラス成分の揮発による金型の汚染や、ガラスと金型との融着などの問題を抑制することができる。
次に、本発明のガラスを用いて光ピックアップレンズや撮影用レンズ等を製造する方法を説明する。
まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉中で溶融する。本発明のモールドプレス成形用光学ガラスを製造するためには、所定の組成になるように最適なガラス原料を選択し、不純物の混入を抑制したり、ガラスの溶融雰囲気を調整する必要がある。特に、酸化ビスマスは溶融時に他の成分を酸化させたり、ビスマス自身が還元されて金属ビスマスとなり、透過率低下の原因となりやすい。したがって、酸化雰囲気で溶融することが好ましい。酸化溶融雰囲気を実現するためには、酸化剤として働く硝酸原料、炭酸原料、水和物等を多く含む原料、例えば硝酸ビスマス、硝酸ランタン、硝酸ガドリニウム、硝酸バリウム等を多く使用することが好ましい。また、溶融時に酸素を多く含むガスをガラス中に導入することで、より酸化方向の溶融雰囲気が達成できる。
なお、高温で溶融すると、ビスマス自身が還元されて金属ビスマスが析出しやすくなるため、溶融温度はなるべく低いほうが好ましい。具体的には、溶融温度は1200℃以下、1150℃以下、特に1100℃以下が好ましい。下限は特に限定されないが、ガラス原料を十分に溶融してガラス化するために、700℃以上、特に800℃以上が好ましい。
次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して液滴状ガラスを作製し、プリフォームガラスを得る。または、溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを得る。
続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスを投入して軟化状態となるまで加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をプリフォームガラスに転写させる。このようにして光ピックアップレンズや撮影用レンズを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜7は本発明の実施例(No.1〜38、42〜57)および比較例(No.39〜41)を示している。
各試料は次のようにして調製した。
まず、表に示す各組成になるようにガラス原料を調合し、金ルツボを用いて800〜1050℃で1時間溶融した。溶融後、ガラス融液をカーボン板上に流し出し、さらにアニール後、各測定に適した試料を作製した。
得られた試料について、屈折率、アッベ数、ガラス転移点、着色度λ70を評価した。それらの結果を表1〜7に示す。
屈折率は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
アッベ数は、上記d線の屈折率と水素ランプのF線(486.1nm)、同じく水素ランプのC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数(νd)=[(nd−1)/(nF−nC)]式から算出した。
ガラス転移点は、熱膨張測定装置(dilato meter)にて測定される値によって評価した。
着色度は、分光光度計を用いて、厚さ10mm±0.1mmの光学研磨されたガラス試料について、200〜800nmの波長域での透過率を0.5nm間隔で測定し、透過率70%を示す波長により評価した。
耐候性は、恒温恒湿槽を用いて、厚さ10mm±0.1mmの光学研磨したガラス試料を60℃、90%の恒温恒湿中で168時間静置した後、ガラス試料表面の状態を光学顕微鏡にて観察し、◎、○、△の3段階で評価した。評価は、ほぼ変質が見られなかったものを◎、若干変質が見られたが十分使用可能なレベルのものを○、表面に除去不可能な曇り等の変質が見られたものを△とした。
本発明のモールドプレス成形用光学ガラスは、高屈折率かつ高分散であり、透過率に優れるため、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等を高性能化することができる。またモールドプレス成形以外の成形方法で製造されるガラス硝材として使用することも可能である。

Claims (7)

  1. 屈折率ndが1.925以上、アッベ数νdが10〜30、ガラスの着色度λ70が500nm以下であり、質量%で、Bi 75〜90%、B 10〜24.9%、Bi+B 85〜99.9%、GeO 0〜2.8%(ただし、GeOが1.0%以上である場合を除く)、CaO+SrO+BaO 0〜3%、La+Gd+Taが0〜3.7%のガラス組成を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分を実質的に含有しないことを特徴とするモールドプレス成形用光学ガラス(ただし、TeOを含有する場合を除く)。
  2. 質量%で、ZnO 0〜10%を含有することを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  3. 質量%で、SiO 0〜3%未満を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  4. 質量比で、Bi/Bが5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  5. Bi+Bが99%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  6. Bi+B+TiOが99%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
  7. レンズ用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモールドプレス成形用光学ガラス。
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