JP2015078100A - 光学ガラス - Google Patents

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俣野 高宏
Takahiro Matano
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Abstract

【課題】高屈折かつ高分散であり、ガラス転移点が低く、しかも近紫外域〜可視域の光透過率に優れる光学ガラスを提供する。【解決手段】屈折率が2.05以上、アッベ数が20以下、ガラス転移点が450℃以下、着色度λ70が500nm未満であり、質量%で、Bi2O377.5〜90%、B2O38.5〜20%、SiO20〜5%、TeO20〜7.5%、Li2O+Na2O+K2O 0.1〜3%、Li2O 0.1〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 1%以上、ZnO 0〜10%、TiO2+Nb2O5+WO30〜1%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、フッ素成分及びGeO2を実質的に含有しないことを特徴とする光学ガラス。【選択図】図1

Description

本発明は光学ガラスに関するものである。詳細には、高屈折かつ高分散であり、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等に好適な光学ガラスに関する。
CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズは、一般に以下のようにして作製される。
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、必要に応じて、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化させ、精密加工を施した金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。このような成形方法は、一般にモールドプレス成形法と呼ばれている。
モールドプレス成形法を採用する場合、金型の劣化を抑制しつつ、レンズを精密にモールドプレス成形するために、できるだけ低いガラス転移点を有するガラスが求められており、種々のガラスが提案されている。
プリフォームガラスを作製する際に失透が生じると、レンズとしての基本性能が損なわれることから、モールドプレスレンズは耐失透性に優れたガラスであることが重要である。さらに、近年の環境問題への意識の高まりから、ガラス成分に鉛等の有害な物質を使用しない光学ガラスが望まれている。また、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズや撮影用レンズといった光学レンズでは、コスト削減を目的として、レンズを薄くしたり、レンズの枚数を少なくしたりすることが検討されている。このように、レンズの薄肉化やレンズ枚数の低減を実現するために、高屈折かつ高分散の(アッベ数の小さい)ガラス材質が求められている。このような光学特性を有するガラスとして、ビスマスを主成分として含有する光学ガラスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2002−201039号公報 特開2007−106625号公報 特開2006−151758号公報
一般に、高屈折率の光学ガラスを作製しようとすると、光透過率、特に近紫外域〜可視域の光透過率が低下しやすいという問題がある。一方、光透過率の低下を抑制する成分を添加するとアッベ数が大きくなる、すなわち低分散になる傾向がある。このように、高屈折かつ高分散で、しかも光透過率に優れた光学ガラスを作製することは難しいとされている。
従って、本発明は、高屈折かつ高分散であり、ガラス転移点が低く、しかも近紫外域〜可視域の光透過率に優れる光学ガラスを提供することを課題とする。
本発明の光学ガラスは、屈折率が2.05以上、アッベ数が20以下、ガラス転移点が450℃以下、着色度λ70が500nm未満であり、質量%で、Bi 77.5〜90%、B 8.5〜20%、SiO 0〜5%、TeO 0〜7.5%、LiO+NaO+KO 0.1〜3%、LiO 0.1〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 1%以上、ZnO 0〜10%、TiO+Nb+WO 0〜1%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、フッ素成分及びGeOを実質的に含有しないことを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、質量%で、Bi+B+SiO+TeOが90%以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、質量比で、B/(SiO+Al)が5.5以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、質量比で、(Bi+TeO)/Bが10以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、質量%で、Sbを0〜1%含有することが好ましい。
本発明の光学ガラスは、モールドプレス成形用であることが好ましい。
本発明の光学素子は、前記いずれかの光学ガラスからなることを特徴とする。
本発明によれば、高屈折かつ高分散であり、ガラス転移点が低く、しかも近紫外域〜可視域の光透過率に優れる光学ガラスを提供することが可能となる。
実施例であるNo.1の試料をモールドプレス成形した後の、金型表面におけるガラス成分の付着状態を示す写真である。 比較例であるNo.27の試料をモールドプレス成形した後の、金型表面におけるガラス成分の付着状態を示す写真である。
本発明の光学ガラスは、質量%で、Bi 77.5〜90%、B 8.5〜20%、SiO 0〜5%、TeO 0〜7.5%、LiO+NaO+KO 0.1〜3%、LiO 0.1〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 1%以上、ZnO 0〜10%、TiO+Nb+WO 0〜1%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、フッ素成分及びGeOを実質的に含有しないことを特徴とする。
本発明の光学ガラスはBiを多量に含有し、アルカリ金属酸化物や、アルカリ土類金属とZnOのいずれかを必須成分として含有するため、低ガラス転移点を達成しやすい。そのため、低温でモールドプレス成形可能であり、ガラス成分の揮発物に起因する金型の劣化を抑制することができる。また、有害成分である鉛成分、砒素成分及びフッ素成分を実質的に含有しないため、環境上好ましいガラスである。
以下に、各成分の含有量を上記のように特定した理由を説明する。なお、以下の各成分の含有量に関する記載において、特に断りがない限り、「%」は「質量%」を意味する。
Biは高屈折かつ高分散化、低ガラス転移点化、化学的耐久性向上等を実現するための必須成分である。また、失透を抑制する効果もある。Biの含有量は77.5〜90%であり、78〜89%が好ましく、79〜88%がより好ましく、80〜87%がさらに好ましく、80.5〜86%が特に好ましい。Biの含有量が少なすぎると、高屈折かつ高分散な光学特性が得られにくくなる。また、低ガラス転移点が得られにくくなる。一方、Biは揮発性が高いため、その含有量が多すぎると、モールドプレス成形時に金型が劣化しやすくなったり、ガラスが金型に融着しやすくなる。また、化学的耐久性が低下したり、光透過率が低下しやすくなる。
はガラス骨格の構成成分である。また、近紫外域〜可視域の光透過率を高める成分である。特に高屈折率のガラスの場合は、Bによる光透過率を高める効果が得られやすい。また、失透を抑制する効果もある。Bの含有量は8.5〜20%であり、9〜18%が好ましく、10〜16%がより好ましく、10.5〜15%がさらに好ましい。Bの含有量が少なすぎると、光透過率が低下しやすくなったり、化学的耐久性に劣る傾向がある。一方、Bはアッベ数を上昇させやすく、屈折率を低下させやすい成分であるため、その含有量が多すぎると、高屈折かつ高分散の光学特性が得られにくくなる。また、低ガラス転移点が得られにくくなる。
SiOは、Bと同様に、ガラス骨格の構成成分である。また、近紫外域〜可視域の光透過率を高める成分である。さらに、失透を抑制する効果もある。SiOの含有量は0〜5%であり、0.5〜4%が好ましく、1〜3%がより好ましく、1.5〜2.5%がさらに好ましい。SiOの含有量が多すぎると、高屈折かつ高分散な光学特性が得られにくくなる。また、低ガラス転移点が得られにくくなる。
TeOは、Biと同様に、高屈折かつ高分散化、低ガラス転移点化、化学的耐久性向上等の実現に有効な成分である。TeOの含有量は0〜7.5%であり、0〜5%が好ましく、0.5〜4%がより好ましく、1〜3%がさらに好ましく、1.5〜2.5%が特に好ましい。TeOの含有量が多すぎると、液相温度が上昇して失透しやすくなる。また、光透過率が低下しやすくなる。
LiO、NaO及びKOは低ガラス転移化を達成するための成分である。LiO+NaO+KOの含有量は0.1〜3%であり、0.25〜2.5%が好ましく、0.5〜2%がより好ましい。LiO+NaO+KOが少なすぎると、前記効果が得られにくくなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下したり、光学特性が低下しやすくなる。
なお、各アルカリ金属酸化物の含有量の範囲は以下の通りである。
LiOは、アルカリ金属酸化物のなかでガラス転移点を低下させる効果が最も大きい成分である。また、LiOは屈折率を低下させにくい成分である。LiOの含有量は0.1〜3%であり、0.25〜2.5%が好ましく、0.5〜2%がより好ましく、0.75〜1.5%がさらに好ましい。LiOの含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなる。一方、LiOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下したり、液相温度が上昇して失透しやすくなる。
NaOの含有量は0〜3%が好ましく、0.1〜2.5%がより好ましく、0.1〜2%がさらに好ましく、0.1〜1.5%が特に好ましい。NaOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下したり、液相温度が上昇して失透しやすくなる。
Oの含有量は0〜3%が好ましく、0.1〜2.5%がより好ましく、0.1〜2%がさらに好ましく、0.1〜1.5%が特に好ましい。KOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下したり、液相温度が上昇して失透しやすくなる。
アルカリ土類金属酸化物やZnOは融剤として作用する成分である。これらの成分は、屈折率を大きく低下させたり、アッベ数を大きく上昇させたりしない。MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量は1%以上であり、1.5%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、2.5%以上がさらに好ましい。ただし、上記成分の含有量が多すぎると、液相温度が上昇して失透しやすくなる。また、化学的耐久性が低下して、研磨洗浄水や各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出量が増大しやすくなる。さらに、高温多湿雰囲気下において、ガラス表面が顕著に変質する傾向がある。さらに、光透過率が低下しやすくなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量は10%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましく、7%以下が特に好ましい。
なお、高屈折かつ高分散な光学特性を有し、光透過率に優れ、低ガラス転移点を有するガラスを得るためには、ZnO+BaOの含有量を調整することが好ましい。具体的には、ZnO+BaOの含有量は10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。ZnO+BaOの含有量が多すぎると、前記効果が得られにくくなるとともに、失透しやすくなる。
なお、各アルカリ土類金属酸化物及びZnOの含有量の範囲は以下の通りである。
MgOの含有量は0〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。MgOの含有量が多すぎると、失透しやすくなる。
CaOは化学的耐久性を向上させる効果が高い。ただし、その含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。従って、CaOの含有量は0〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。
SrOは屈折率を高める成分である。また、CaOに比べて化学的耐久性を向上させる効果が高い。従って、SrOを積極的に含有させることにより、化学的耐久性に優れたガラスを得ることができる。ただし、その含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。従って、SrOの含有量は0〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。
BaOは、CaOに比べて液相温度の上昇が小さく、化学的耐久性を向上させる効果が高い。ただし、その含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。従って、BaOの含有量は0〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。
ZnOは屈折率や光透過率をほとんど低下させることなく、粘度を低下させる成分である。また、アルカリ土類金属酸化物に比べて失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスを得ることができる。よって、ZnOはガラス転移点を低下させるために有効な成分である。なお、ZnOは耐候性を向上させる効果もある。ZnOの含有量は0〜10%であり、0.1〜8%が好ましく、0.25〜5%がより好ましい。ZnOの含有量が多すぎると、逆に耐候性が低下する傾向がある。また、高屈折かつ高分散な光学特性が得られにくくなる。
TiO、Nb及びWOは屈折率や分散を高める効果が大きく、耐候性を向上させる効果もある。ただし、その含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。従って、TiO+Nb+WOの含有量は0〜1%であり、0.1〜0.9%が好ましく、0.3〜0.75%がより好ましい。
なお、TiO、Nb及びWOの各成分の含有量の範囲は以下の通りである。
TiOは高屈折かつ高分散の光学特性を得るために特に有効な成分である。ただし、特に不純物としてFe成分がガラス中に多く含まれる場合(例えば20ppm以上)は、光透過率を顕著に低下させる傾向がある。従って、TiOの含有量は0〜1%が好ましく、0.1〜0.9%がより好ましく、0.3〜0.75%がさらに好ましい。
Nbの含有量は0〜1%が好ましく、0〜0.5%がより好ましく、0〜0.1%がさらに好ましい。Nbの含有量が多すぎると、失透物や脈理等が発生しやすくなる。また、光透過率が低下する傾向がある。
WOは、TiOと同様に、高屈折かつ高分散の光学特性を得るために特に有効な成分である。また、耐失透性の向上に有効な成分である。ただし、WOは光透過率を低下させやすい。従って、WOの含有量は0〜1%が好ましく、0〜0.5%がより好ましく、0〜0.1%がさらに好ましい。
本発明の光学ガラスには、上記成分以外にも、以下の成分を含有させることができる。
ZrOは高屈折かつ高分散な光学特性を得るための成分である。また、中間酸化物としてガラス骨格を形成するため、耐失透性を改善したり、化学的耐久性を向上させたりする効果もある。ただし、ZrOの含有量が多すぎると、ガラス転移点が上昇し、モールドプレス成形性が低下すると同時に、ZrOを主成分とする失透物が析出しやすくなる。従って、ZrOの含有量は0〜10%が好ましく、0〜7.5%がより好ましく、0.1〜5%がさらに好ましい。
Laは屈折率を高める成分である。だだし、その含有量が多すぎると、失透しやすくなったり、高分散なガラスが得られにくくなる。また、光透過率が低下しやすくなる。従って、Laの含有量は0〜12%が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。
GdはLaと同様に、屈折率を高める成分である。だだし、その含有量が多すぎると、失透しやすくなったり、高分散なガラスが得られにくくなる。また、光透過率が低下しやすくなる。従って、Gdの含有量は0〜5%が好ましく、0〜2%がより好ましく、0.1〜1%がさらに好ましい。
Taは屈折率及び分散を高める効果がある。だだし、その含有量が多すぎると、失透しやすくなったり、光透過率が低下しやすくなる。また、原料コストが高くなりやすい。従って、Taの含有量は0〜5%が好ましく、0〜2%がより好ましく、0.1〜1%がさらに好ましい。
本発明において、光透過率の高いガラスを得るためには、La+Gd+Taの含有量を調整することが好ましい。具体的には、La+Gd+Taの含有量は0〜5%が好ましく、0〜2.5%がより好ましく、0〜1%がさらに好ましく、0.1〜0.5%が特に好ましい。
Alは、SiOやBとともにガラス骨格を構成する成分である。また、化学的耐久性を向上させる効果があり、特にガラス中のBやアルカリ金属酸化物等の成分が、研磨洗浄水等の各種洗浄溶液中へ選択的に溶出することを抑制する効果が大きい。Alの含有量は0〜2.5%が好ましく、0.1〜2%がより好ましい。Alの含有量が多すぎると、失透しやすくなる。また、溶融性が低下し、溶融温度が高くなる傾向がある。結果として、ビスマス成分が還元されて金属ビスマスが析出し光透過率低下の原因となったり、未溶解による脈理や泡がガラス中に残存する傾向がある。
及びYbは屈折率を高める成分であり、分相を抑制する効果もある。Y及びYbの含有量は各々0〜10%が好ましく、0.1〜8%がより好ましい。YまたはYbの含有量が多すぎると、失透や脈理が発生しやすくなる。また、高分散な光学特性が得られにくくなる。
清澄剤として、SbやSnOを含有させることができる。特に、Sbは低温で溶融するガラスの清澄に有効であり、不純物として混入するFe成分等による着色を抑制することができる。Sbの含有量は0〜1%が好ましく、0.001〜0.1%がより好ましい。Sbの含有量が多すぎると、Sbのブツが発生しやすくなる。
鉛成分(PbO等)、砒素成分(As等)及びフッ素成分(F等)は、環境上の理由から、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。従って、本発明の光学ガラスは、これらの成分を実質的に含有しない。
GeOは高屈折かつ高分散の光学特性を得るために有効であるが、光透過率を低下させやすく、原料コストが高くなりやすい。従って、本発明の光学ガラスはGeOを実質的に含有しない。
なお、本発明において、「実質的に含有しない」とは、原料として意図的に含有させないことを意味する。客観的には、含有量として0.1%未満であることをいう。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、光透過率の高いガラスを得るためには、Bi+B+SiO+TeOの含有量を調整することが好ましい。具体的には、Bi+B+SiO+TeOの含有量は90%以上が好ましく、92.5%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。ただし、Bi+B+SiO+TeOの含有量が多すぎると、低ガラス転移点が得られにくくなるため、98.5%以下であることが好ましい。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、低ガラス転移点を有するガラスを得るためには、Bi+B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量を調整することが好ましい。具体的には、Bi+B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量は95%以上が好ましく、96%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、99%以上が特に好ましく、99.5%以上が最も好ましい。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、低ガラス転移点を有するガラスを得るためには、Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)の比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)の比率は8〜80が好ましく、10〜75がより好ましく、15〜70がさらに好ましく、20〜70が特に好ましい。Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が小さすぎると、高屈折かつ高分散の光学特性が得られにくく、また光透過率が低下しやすくなる。一方、Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が大きすぎると、液相温度が上昇して失透しやすくなる。また、化学的耐久性が低下して、研磨洗浄水や各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出量が増大しやすくなる。さらに、高温多湿雰囲気下において、ガラス表面が顕著に変質する傾向がある。
本発明において、高屈折かつ高分散の光学特性を有するガラスを得るためには、Bi+B+TeO+LiO+NaO+KO+TiO+Nb+WOの含有量を調整することが好ましい。具体的には、Bi+B+TeO+LiO+NaO+KO+TiO+Nb+WOの含有量は87%が好ましく、90%以上がより好ましい。ただし、Bi+B+TeO+LiO+NaO+KO+TiO+Nb+WOの含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなるため、98.5%以下が好ましく、98%以下がより好ましく、97.5%以下がさらに好ましい。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、低ガラス転移点を有し、しかも光透過率に優れたガラスを得るためには、(ZnO+LiO)/Bの比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、(ZnO+LiO)/Bは0.01〜0.5が好ましく、0.02〜0.4がより好ましい。(ZnO+LiO)/Bが小さすぎると、高屈折かつ高分散な光学特性や低ガラス転移点が得られにくい。一方、(ZnO+LiO)/Bが大きすぎると、光透過率が低下したり、失透物が析出しやすくなる。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、低ガラス転移点を有し、しかも光透過率に優れたガラスを得るためには、(ZnO+LiO)/(B+TeO)の比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、(ZnO+LiO)/(B+TeO)は0.01〜0.45が好ましく、0.02〜0.35がより好ましい。(ZnO+LiO)/(B+TeO)が小さすぎると、高屈折かつ高分散な光学特性や低ガラス転移点が得られにくい。一方、(ZnO+LiO)/(B+TeO)が大きすぎると、化学的耐久性が低下したり、失透物が析出しやすくなる。
本発明において、光透過率の高いガラスを得るためには、(Bi+TeO)/Bの比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、(Bi+TeO)/Bは10以下が好ましく、9以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。ただし、(Bi+TeO)/Bの比率が小さすぎると、高屈折かつ高分散な光学定数や低ガラス転移点が得られにくくなるため、4以上であることが好ましい。
本発明において、光透過率に優れたガラスを得るには、SiO+Alを調整することが好ましい。具体的には、SiO+Alの含有量は0〜5%が好ましく、0.1〜4%がより好ましい。SiO+Alが多すぎると、前記効果が得られにくくなる。また、高屈折かつ高分散な光学特性や、低ガラス転移点が得られにくくなる。
本発明において、光透過率の高いガラスを得るためには、B/(SiO+Al)の比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、B/(SiO+Al)は5.5以上が好ましく、6以上がより好ましく、7以上がさらに好ましい。ただし、B/(SiO+Al)の比率が大きすぎると、低ガラス転移点が得られにくくなるため、25以下が好ましく、20以下がより好ましい。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、かつ、低ガラス転移点を有するガラスを得るためには、B/(LiO+NaO+KO)の比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、B/(LiO+NaO+KO)は2〜100が好ましく、5〜80がより好ましい。B/(LiO+NaO+KO)が小さすぎると、光透過率が低下したり、失透物が析出しやすくなる。一方、B/(LiO+NaO+KO)が大きすぎると、低ガラス転移点が得られにくくなる。
本発明において、高屈折かつ高分散であり、かつ、低ガラス転移点を有するガラスを得るためには、(SiO+B)/(LiO+NaO+KO)の比率(質量比)を調整することが好ましい。具体的には、(SiO+B)/(LiO+NaO+KO)は2〜100が好ましく、5〜80がより好ましい。(SiO+B)/(LiO+NaO+KO)が小さすぎると、光透過率が低下したり、失透物が析出しやすくなる。一方、(SiO+B)/(LiO+NaO+KO)が大きすぎると、低ガラス転移点が得られにくくなる。
本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)が2.05以上であり、2.07以上が好ましく、2.1以上がより好ましい。屈折率の上限は特に限定されないが、現実的には2.3以下である。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は20以下であり、19以下が好ましく、18以下がより好ましい。これらの光学特性を満たすことにより、色分散が少ない光学レンズを得ることが可能となる。それにより、レンズの薄肉化やレンズ枚数の低減が可能になり、光学デバイスの高機能化や小型化が可能となる。アッベ数の下限は特に限定されないが、現実的には10以上である。
本発明の光学ガラスは、着色度λ70が500nm未満であり、490nm以下が好ましく、480nm以下がより好ましい。着色度λ70が大きすぎると、近紫外域〜可視域における光透過率に劣り、各種光学レンズ等に使用することが困難となる傾向がある。なお、「着色度λ70」とは、光透過率が70%となる最短波長をいう。
着色度λ70を上記範囲に調整するためには、Bi/Bの比率を調整したり、Nb、WO、TiO等の光透過率を低下させる成分の含有量を制限することが効果的である。また、酸化雰囲気下で溶融を行うことにより、金属ビスマスの析出を抑制することも好ましい。なお、不純物として白金が混入すると光透過率が低下する傾向があるため、溶融炉の材質としては極力、白金を含有しないものが好ましい。例えば、溶融炉としては金を主成分として含有する材質を採用することが好ましい。なお、バッチ原料として粒径の小さいものや、一旦ガラス化したものを使用することで溶解性を向上させ、未溶解不純物を低減することができる。
本発明の光学ガラスは、ガラス転移点が450℃以下であり、425℃以下が好ましく、420℃以下がより好ましい。ガラス転移点が上記範囲を満たすことにより、低温でのモールドプレス成形が可能となり、金型の酸化あるいはガラス成分の揮発による金型の汚染や、ガラスと金型との融着等の問題を抑制することができる。
次に、本発明の光学ガラス、及び、それを用いた光ピックアップレンズや撮影用レンズ等の光学素子を製造する方法を説明する。
まず、所望のガラス組成になるように原料を調合した後、溶融炉中で溶融する。酸化ビスマスは溶融時に他の成分を酸化したり、ビスマス自身が還元されて金属ビスマスとなり、光透過率低下の原因となりやすい。従って、酸化雰囲気で溶融することが好ましい。酸化溶融雰囲気を実現するためには、酸化剤として働く硝酸原料、炭酸原料、水和物等を多く含む原料、例えば硝酸ビスマス、硝酸ランタン、硝酸ガドリニウム、硝酸バリウム等を多く使用することが好ましい。また、酸素を多く含むガスを溶融ガラス中に導入することで、より酸化方向の溶融雰囲気が達成できる。
なお、高温で溶融すると、ビスマス自身が還元されて金属ビスマスが析出しやすくなるため、溶融温度はなるべく低いほうが好ましい。具体的には、溶融温度は1200℃以下が好ましく、1150℃以下がより好ましく、1100℃以下がさらに好ましい。下限は特に限定されないが、原料を十分に溶解してガラス化するために、700℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましい。
次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して液滴状ガラスを作製し、プリフォームガラスを得る。または、溶融ガラスを急冷鋳造して一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを得る。
続いて、精密加工を施した金型中にプリフォームガラスを投入して軟化状態となるまで加熱しながら加圧成形し、金型の表面形状をプリフォームガラスに転写させる(モールドプレス成形)。このようにして、光ピックアップレンズや撮影用レンズ等の光学素子を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜4は本発明の実施例(No.1〜24)及び比較例(No.25〜27)を示している。
各試料は次のようにして作製した。
まず、表に示す各ガラス組成になるように原料を調合し、金ルツボを用いて800〜1050℃で1時間溶融した。得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、さらにアニール後、各測定に適した試料を作製した。
得られた試料について、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移点、着色度λ70を測定した。結果を表1〜4に示す。また、No.1及び27の試料について、モールドプレス性を評価した結果を図1及び2に示す。
屈折率は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
アッベ数は、上記d線の屈折率と、水素ランプのF線(486.1nm)及びC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、アッベ数(νd)=[(nd−1)/(nF−nC)]式から算出した。
ガラス転移点は、熱膨張測定装置(dilato meter)を用いて測定した。
着色度λ70は次のようにして測定した。分光光度計を用いて、厚さ10mm±0.1mmの光学研磨された試料について、200〜800nmの波長域での光透過率を0.5nm間隔で測定し、光透過率曲線を作製した。光透過率曲線において、光透過率70%を示す最短波長を着色度λ70とした。
モールドプレス性は次のようにして評価した。直径5mm、厚み5mmの円柱状の各試料を、直径15mm、厚み5mmのタングステンカーバイド(WC)製の金型2枚の間に挟み込み、ガラス転移点+50℃で加熱しながら、20KPaの荷重で10分間のプレスを行った。プレス後の金型表面において、ガラス成分の付着状態を観察した。
表1〜4から明らかなように、実施例であるNo.1〜24の試料は、屈折率が2.0512〜2.1489、アッベ数が16.3〜19.0と所望の光学定数を有しており、ガラス転移点が432℃以下と低く、着色度λ70が473nm以下であった。一方、比較例であるNo.25、26の試料は屈折率が2.0110〜2.0380と低く、着色度λ70が500nm以上と高かった。また、比較例であるNo.27の試料は屈折率が2.0340と低く、アッベ数が20.5と高かった。
また、実施例であるNo.1の試料では、モールドプレス成形後において金型表面にガラス成分が僅かに付着した程度であったのに対し、比較例であるNo.27の試料では、金型表面にはっきりとガラス成分の融着跡が見られた。
本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズ、ビデオカメラ、一般のカメラの撮影用レンズ等に好適である。また、モールドプレス成形以外の成形方法で製造される硝材として使用することも可能である。

Claims (7)

  1. 屈折率が2.05以上、アッベ数が20以下、ガラス転移点が450℃以下、着色度λ70が500nm未満であり、
    質量%で、Bi 77.5〜90%、B 8.5〜20%、SiO 0〜5%、TeO 0〜7.5%、LiO+NaO+KO 0.1〜3%、LiO 0.1〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO 1%以上、ZnO 0〜10%、TiO+Nb+WO 0〜1%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、フッ素成分及びGeOを実質的に含有しないことを特徴とする光学ガラス。
  2. 質量%で、Bi+B+SiO+TeOが90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 質量比で、B/(SiO+Al)が5.5以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 質量比で、(Bi+TeO)/Bが10以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス。
  5. 質量%で、Sbを0〜1%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学ガラス。
  6. モールドプレス成形用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
  7. 請求項1〜6に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
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