JP6215103B2 - 撥油性膜を包含するインクジェット印字ヘッド - Google Patents

撥油性膜を包含するインクジェット印字ヘッド Download PDF

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Description

本出願は、一般的にはインクジェットプリンタのサブアセンブリからの空気除去に関する。
インクジェットプリンタは、パーソナルコンピュータ業界において広く使用されており既知である。インクジェットプリンタは、コンピュータが生成する所定のパターンに従って、液体インクの小さな滴を印刷媒体上へ排出することによって動作する。典型的には、インクジェットプリンタは、即時に溶融した液体状態へ加熱され、インクジェット印字ヘッドノズルを通って印刷媒体上へ送られ、その後冷却により印刷媒体上に再固体化される液体または固体のワックスベースのインクを使用する。
一部の実施形態は、撥油性膜を含むインクジェット印字ヘッドに関与する。撥油性膜は、ナノ構造表面を有する金属構造および金属構造の上に配置される低表面エネルギー被覆を含む。一部の実施形態において、金属構造はステンレス鋼を有することができ、複数の細孔を有し得る。ナノ構造表面は、エッチング表面、金属ナノ繊維、金属ナノ粒子、またはナノ粒子の被覆のうちの1つ以上を含み得る。低表面エネルギー被覆は、実質的にフッ化された材料を含み得る。
一部の実施形態は、インクジェット印字ヘッドの開口プレートを記載する。開口プレートは、ナノ構造表面を有する金属構造および金属構造上に配置される低表面エネルギー被覆を備える撥油性膜を含む。開口部のパターンは撥油性膜を通じて延び、開口部のパターンおよび直径は、印刷パターンに従って位相変化インクのインク噴出を許容するよう構成される。
一部の実施形態は、インクジェットプリンタを動作させる方法に向けられる。本方法は、位相変化インクを印字ヘッドのインク流路を通して移動させることを含む。インク中の泡は、撥油性膜を使用してインク流路の外へ放出される。撥油性膜は、インク流路内にインクを含有する。
一部の実施形態は、インクジェット印字ヘッドを作製する方法に関与する。本方法は、撥油性膜を形成すること、および空気が撥油性膜を通って放出されることを許容し、一方でインクを印字ヘッドに含有する位置で撥油性膜を印字ヘッド上に配置することを含む。撥油性膜を形成することは、金属型にナノ構造表面を形成すること、および低表面エネルギー被覆でナノ構造表面を覆うことを含む。
上述した問題を解決するための手段は、開示される各実施形態または本開示の個々の実装を記載することに向けられていない。以下の図および詳細な記載は、図示される実施形態をより詳細に例示する。
本明細書を通して添付の図を参照し、ここで同様の参照番号は同様の要素を定義する。
図1は、インクジェットプリンタの透視図である。 図2は、インクジェットプリンタの透視図である。 図3は、図1および図2に図示されるインクジェットプリンタの詳細な内部部分のトップダウン透視図である。 図4は、図1および図2に図示されるインクジェットプリンタの詳細な内部部分のトップダウン透視図である。 図5は、一部の実施形態に従って、撥油性膜の可能な位置を示す指マニホルドおよびインクジェットの側面図を提供する。 図6は、撥油性膜の側面図である。 図7Aは、本明細書に記載される実施形態における撥油性膜の図である。 図7Bは、本明細書に記載される実施形態における撥油性膜の図である。 図7Cは、本明細書に記載される実施形態における撥油性膜の図である。 図8Aは、実施形態に従って、片面および両面が覆われた撥油性膜を図示する。 図8Bは、実施形態に従って、片面および両面が覆われた撥油性膜を図示する。 図8Cは、実施形態に従って、片面および両面が覆われた撥油性膜を図示する。 図8Dは、実施形態に従って、片面および両面が覆われた撥油性膜を図示する。 図9は、気泡をインクジェット印字ヘッド上に配置される撥油性膜を通して放出し、インクをインク流路内に含有し、かつ空気を撥油性膜に通して放出することを図示する。 図10Aは、撥油性膜を使用して空気をインクジェットプリンタのインク流路から放出するプロセスを図示するフロー図である。 図10Bは、撥油性膜を使用して空気をインクジェットプリンタのインク流路から放出するプロセスを図示するフロー図である。 図11は、本明細書に述べる実施形態に従って、撥油性膜を有するインクジェット印字ヘッドを作製するプロセスを図示するフロー図である。 図12は、Au基板上に配置されるEvonik Industriesから入手可能なチタニアナノ粒子の画像であり、本明細書に述べるプロセスにおける型の表面組織を作成するために使用されてもよいナノ粒子を表す。 図13Aは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図13Bは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図14Aは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図14Bは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図15Aは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図15Bは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図16Aは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図16Bは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図17Aは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図17Bは、11mg(+/−1mg)の溶解インクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造上に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。 図18Aは、11mg(+/−1mg)のインクを3.3wt%のTiOナノ粒子とともにTEFLON AF2400で被覆されたステンレス鋼基板上に配置し、その後凝固させた結果を示す。 図18Bは、11mg(+/−1mg)のインクを3.3wt%のTiOナノ粒子とともにTEFLON AF2400で被覆されたステンレス鋼基板上に配置し、その後凝固させた結果を示す。 図19Aは、11mg(+/−1mg)のインクを3.3wt%のTiOナノ粒子とともにTEFLON AF2400で被覆されたステンレス鋼基板上に配置し、その後凝固させた結果を示す。 図19Bは、11mg(+/−1mg)のインクを3.3wt%のTiOナノ粒子とともにTEFLON AF2400で被覆されたステンレス鋼基板上に配置し、その後凝固させた結果を示す。 図20Aは、溶解した後、ガラスに被覆されたTEFLON1600上で凝固した11mg(+/−1mg)のインクの側面図を示す。 図20Bは、溶解した後、ガラスに被覆されたTEFLON1600上で凝固した11mg(+/−1mg)のインクの上面図を示す。 図21Aは、融解した後、ガラスに被覆されたTEFLON2400上で凝固した11mg(+/−1mg)のインクの側面図を示し、インクのTEFLONで被覆されたガラスとの接触角度は90度より小さい。 図21Bは、融解した後、ガラスに塗装されたTEFLON2400上で凝固した11mg(+/−1mg)のインクの上面図を示し、インクのTEFLONで被覆されたガラスとの接触角度は90度より小さい。 図22は、融解した後、3.3%TiOP25粒子とともにTEFLON2400で被覆されたステンレス鋼フェルト上で凝固した11mg(+/−1mg)のインクの3つの例の写真である。
図は必ずしも原寸に比例しない。図に使用される同様の番号は、同様のコンポーネントを指す。しかしながら、番号を使用して所与の図におけるコンポーネントを参照することは、同じ番号がつけられた別の図におけるコンポーネントを制限するものではないことを理解されたい。
以下の記載において、その記載の一部を形成し、いくつかの特定の実施形態を図示するために示される一連の添付の図を参照する。他の実施形態が熟考され、本開示の範囲から逸脱せずに作成される可能性があることを理解されたい。従って、以下の詳細な記載は、限定の意味に取られるべきではない。
明示がない限り、明細書および請求項に使用される外観の大きさ、量、および物理的な特性を表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語により修正されるものとして理解される。従って、反対の明示がない限り、前述の明細書および添付の請求項に明記される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を使用する当業者によって得ようとされる所望の特性に応じて変化し得る概算である。終点による数値範囲の使用は、範囲(例えば、1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)内のすべての数字、および範囲内の任意の範囲を含む。
インクジェットプリンタは、所定のコンピュータが生成するパターンに従って、液体インクの小さい滴を印刷媒体上へ排出することにより動作する。一部の実装において、インクは、紙などの最終印刷媒体上へ直接的に排出され得る。一部の実装において、インクは、例えば印字ドラムなどの中間印刷媒体上へ排出される可能性があり、その後、中間印刷媒体から最終印刷媒体へ転写され得る。一部のインクジェットプリンタは、液体インクのカートリッジを使用してインク噴出を供給する。一部のプリンタは、室温で固体で、印刷媒体表面上へ噴出される直前に溶解され得る位相変化インクを使用する。室温で凝固する位相変化インクは、インクが、液体インクに典型的に使用されるパッケージまたはカートリッジを必要とせずに固体形状においてインクジェットプリンタ内へ搬送および装着されることを有利に許容する。一部の実装において、固体インクは、溶融インクをページ幅のパターンにおいて中間ドラム上へ進ませ得るページ幅の印字ヘッドにおいて溶解され得る。中間ドラム上のパターンは、紙の上へ加圧ニップを通って転写され得る。
インクジェットプリンタのワックスベースのインクは、インク内に気泡を閉じ込め得る凝固および融解サイクルを経由する。液体状態において、インクはインクジェット経路の管を詰まらせ得る気泡を包含する可能性がある。例えば、プリンタの電源が切れている場合にインクが凝固し、使用のためにプリンタの電源が入ると溶解するといったインクの凝固溶解サイクルに起因して、泡が固体インクプリンタ内に生じ得る。インクは凝固して固体化するにつれて収縮し、後に空気で満たされ得るインクの空洞を形成する。インク噴出の前に固体インクが溶解すると、空洞内の空気は液体インク内の泡になり得る。閉じ込められた気泡は、除去されない場合、印刷媒体上に保留または文字落ちなどの誤りを生じ得る。気泡は、インクをインクジェット印字ヘッドノズルを通して清浄することによって、液体印刷インクから除去され得る。しかしながら、清浄プロセスは、エンドユーザのインクおよび電力の浪費という結果をもたらし得る。
本開示に記載される実施形態は、泡軽減プロセスに関与し、溶解した位相変化インクなどの液体材料における気泡を削減する。位相変化インクは、加熱されると油性液体となることができ、本明細書に記載される泡軽減プロセスは、インクジェットプリンタのインク流路内に選択的にインクを含有し、一方で同時に空気が撥油性膜を通って放出されることを許容する撥油性膜を使用することができる。撥油性材料は、油またはワックスに対する親和性を欠く材料であり、油性物質をはじく傾向にある。泡軽減プロセスの典型的な位置は、インクジェット印字ヘッド内であってよい。本開示において、インクジェット印字ヘッドは、インクを排出する印字ヘッドの実部分と同時に、インクジェットインク(溶融または他のインク)を扱うインクジェットプリンタのすべての他の部分を意味すると解釈される。例えば、インクジェットプリンタ内のインク流路、溶融インク容器、ポート、およびマニホルド(指マニホルドなど)を含む。
図1および図2は、典型的なインクジェットプリンタの透視図である。インクジェットプリンタ100は、ドラム120をインクジェット印字ヘッド130と相対的に移動し、紙140をドラム120と相対的に移動するよう構成される移送機構110を含む。インクジェット印字ヘッド130は、ドラム120の長さに沿って完全にまたは部分的に延びてもよく、多数のインクジェットを含む。ドラム120が移送機構110により回転される際、インクジェット印字ヘッド130のインク噴出は、インクの滴をインクジェット開口部を通してドラム120上へ所望のパターンに沈着させる。紙140がドラム120の周囲を進む際、ドラム120上のインクのパターンは、紙140へ加圧ニップ160を通って転写される。
図3および図4は、例示的なインクジェット印字ヘッドのより詳細な図を示す。最初に容器に含有される溶融インクの経路は、ポート310を通ってインクジェット印字ヘッドの主要マニホルド320内へ流れる。図4に最もよく見られるように、一部の場合において、重なり合う4つの主要マニホルド320があり、インク色ごとに1つのマニホルド320があって、これらのマニホルド320のそれぞれが密接に結合される指マニホルド330と接続する。インクは、指マニホルド330を通過し、その後インクジェット340内へ通る。図4に図示されるマニホルドおよびインクジェットの配列は、矢印370の方向に繰り返され、例えばドラムの全幅など、所望のインクジェット印字ヘッドの長さに達する。
本開示に述べられる一部の実施形態において、インクジェット印字ヘッドは、インク滴排出の他の方法が知られているが、インク滴排出に圧電変換器(PZT)を使用する。図5は、指マニホルド530およびインクジェット540のより詳細な図を提供する。PZT575を作動させると、インクをインクジェット本体565へマニホルド530から代わりに引き付け、インクをインクジェット排出口570を通して開口部580の外へ追い出すポンプ動作を引き起こす。
図5は、指マニホルド530における撥油性膜550の可能な位置を示す。撥油性材料は、空気の通路を許容するが、位相変化インクなどの油性液体の通路を遮断する半透過性膜を形成するために使用され得る。油性インクの形状は、撥油性材料との高い接触角度を形成し得る。本明細書に記載される半透過性撥油性膜は、空気を通過させる小さな細孔を有し得るが、撥油性材料のインクによって形成される高い接触角度は、インクが撥油性膜の小さな細孔を通過することを妨げ得る。インクの通路を遮断する撥油性膜の完全性は、インクと撥油性材料との間の十分に高い接触角度の圧力および十分に小さい細孔の大きさの下で維持され得る。撥油性膜550は、例えば主要マニホルドなど、印字ヘッドのどこか、またはインクジェットプリンタのどこかに位置づけられてよい。インクジェット印字ヘッドは、本明細書に開示される実施形態に従って、その一部または全部が撥油性膜を含む複数の粒子除去デバイスを含んでもよい。撥油性膜550は、空気が指マニホルドの外へ放出され、一方でインクを指マニホルド内に含有し、かつインク(実質的に気泡はない)がインクジェット本体565内へ流れ込むことを許容する。
図6は、一部の実施形態による撥油性膜650の一例を示すインク流路600の側面断面図である。図6は、通路610の一部にインク620および気泡630を含有するインク通路610を示す。インク620および気泡630は、矢印640によって示される方向に沿って通路610を流れる。撥油性膜650は、チャネル600の一部に沿って配置される。撥油性膜650は、細孔651を含む。図6は、部分660を拡大したものを示し、膜650の低表面エネルギー被覆652とのインクの接触角度を図示する。この詳細な図は、インク流路600および撥油性膜650の細孔651の側面図を示す。細孔651は直径Dを有する。インク620は、細孔651の位置で撥油性膜650との接触角度θを形成する。撥油性膜650の表面は、角度計を静的に使用して測定される場合、液体位相変化インク620などの液体材料との90度より大きい接触角度を提供する。一部の場合において、撥油性膜の適切な細孔の直径は、インクジェット用途と一致する圧力でのインクの流出を防ぐ直径である。例えば、平均約0.1〜約10μmの撥油性膜の細孔の直径は、インクをインク流路内に閉じ込め、一方で同時に泡を放出することができる。
図7Aは、金属構造710を備える撥油性膜700の断面図を示す。金属構造は、任意にナノ構造表面であってもよい表面730を任意に含む。低表面エネルギー被覆740は、金属構造710の表面730上に配置される。低表面エネルギー被覆740は、ナノ粒子750を任意にさらに備えてもよい。金属構造710は細孔720を含み、低表面エネルギー被覆は、金属構造の表面730を覆い、細孔720内へ延びる。
図7Bは、膜700の金属構造710の主要表面を示し、細孔720を図示する撥油性膜700の一部の図である。金属構造710の細孔720は、平均約0.1μm〜約10μmの直径を有する。低表面エネルギー被覆740は細孔720を実質的に遮断すべきでなく、ナノ構造表面730の構造を実質的に変更するべきでない。例えば、細孔表面領域の約70%より多い領域が被覆740によって塞がれる場合、細孔の実質的な遮断が起こる。被覆740が厚すぎる場合、ナノ構造表面730の変化が起こる可能性があり、表面のナノ構造を覆い隠す。例えば、被覆740は、表面730上のナノ構造の平均的な高さの約50%より細く、またはさらに約25%より細いことが望ましい。
図7Cは、低表面エネルギー被覆740の表面の図である。低エネルギー表面被覆740は、任意にナノ粒子750を含む。ナノ粒子750は、撥油性膜700の高いインク接触角度が達成されるように、インク表面の接触面のユニット領域ごとのエネルギーを低下させる表面の粗さをさらに増加させる。ナノ粒子750が被覆で使用される場合、ナノ粒子の大きさは、金属表面710のナノ構造の外観の大きさとほぼ同じか、または小さくてもよい。ナノ粒子および/またはナノ構造の外観は、約25nmの直径を有してもよい。様々な実施形態において、ナノ粒子および/またはナノ構造の外観の大きさは、約1nm〜約100nmの範囲の直径を有してもよい。一部の実施形態において、ナノ構造粒子750の主要な断面の直径は、平均すると表面730金属構造710のナノ構造の外観の平均的な主要断面の直径の約50%より小さく、または約25%より小さく、またはさらに約10%より小さい。表面の「ナノ構造の外観」という用語は、表面の構造的な完全性を指すことに留意されたい。
本明細書に記載される例示的な撥油性表面の粗さは、以下のように測定された:Ra=1.79μm,Rq=3.61μm,Rz=60.44μm,Rt=78.98μm。ここで、Ra=平均的な粗さ、Rq=二乗平均平方根(RMS)の粗さ、Rz=10個の谷の間隔のピーク平均、およびRt=谷の差のピークである。比較すると、滑らかなシリコン表面は、Ra=94.99nm,Rq=114.57nm,Rz=940.60nm,およびRt=2.17nmが測定された。このデータから、上記の粗さのパラメータRa、Rq、Rz、Rtは、撥油性表面が滑らかなシリコンより10倍以上大きくてもよい。
図8A〜図8Dは、様々な実施形態に従って、撥油性膜801〜804を図示する。図8Aは、型のような構造810を備える撥油性膜801を示す。多くの実施形態において、構造810は金属であるが、他の材料(セラミック、プラスチック、ガラス)が使用される可能性もある。典型的な構造は、約8.6×10−6−1〜約39.7×10−6−1の熱膨張の係数を有する金属(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、および/またはチタン)を備える。例示的な構造810は、ステンレス鋼および/または他の金属および/または同様の耐久性および熱膨張を有する他の材料を含んでもよい。撥油性膜は、インクジェットプリンタ用途に使用される場合、少し壊れやすい可能性がある。例えばステンレス鋼の型のような構造など、金属型のような構造を使用することにより、使用中の膜の実質的な屈曲および機械的な故障を防ぐのに十分な機械的強度が提供され得る。図7と併用して、先に述べたように、複数の細孔(図8A〜図8Dに図示せず)が撥油性膜801〜804を通って延びる。
任意に、金属構造810の表面830はナノ構造化される。ナノ構造の表面組織は、金属型のような構造810上へ、一般的にエッチング、電気スピニング、ナノ組織化された金属粒子の焼結、金属ナノ粒子またはナノ繊維の焼結、または金属ナノ粒子の被覆を含む様々な方法を通して与えられ得る。
低表面エネルギー被覆840は、表面830上に配置される。低表面エネルギー被覆840は表面830と一致し、影響を及ぼし合う共形被覆であり、撥油性膜の撥油性を向上させる。高いインク接触角度は、一般的に、被覆されない金属構造810単独よりもインクを寄せ付けない撥油性膜850を実質的に確保する。低表面エネルギー被覆840は、典型的にはペルフルオロ化または実質的にフッ素化された材料を備える。本開示において、「実質的にフッ素化された」はヒドロフルオロカーボンを指し、CH結合の少なくとも75%がフッ素化される。典型的な低表面エネルギー被覆840は、例えば(CまたはCHF13S・Cを含んでもよく、浸漬被覆、スパッタリング、蒸着を含む様々な手段を通して、または沈着の同様の方法によって配置されてもよい。
図8Bは、一時的に留まり、はめ込まれ、または被覆されたナノ粒子850を一般的に備えてもよいか、またはその表面上にナノ粒子850が配置される低表面エネルギー被覆840を含む撥油性膜802を図示する。典型的なナノ粒子850は、位相変化インクの溶解に必要な高温に耐えられる酸化物、ホウ化物、および窒化物を含んでもよい。位相変化インクの典型的な溶解温度は、約80℃〜130℃である。例えば、一実施形態において、ナノ粒子850はTiOを備えてもよい。
図8Cに図示される撥油性膜803は、金属構造810の第1の主要表面812上に形成されるナノ構造表面830a、および金属構造810の第2の主要表面814上に形成されるナノ構造表面830bを図示する。ナノ構造表面830a、830bは、金属構造810の第1および第2の表面812、814上へ、エッチング、電気スピニング、ナノ組織化された金属粒子の焼結、または金属ナノ粒子の焼結を一般的に含む様々な方法を通して与えられてもよい。第1のナノ構造表面830aを形成するために使用される特徴、材料、および/または方法は、第2のナノ構造表面830bを形成するために使用される特徴、材料、および/または方法と異なってもよく、または同じであってもよい。
図8Dに描写される撥油性膜804は、第1のナノ構造表面830aに配置される第1の低表面エネルギー被覆840a、および第2のナノ構造表面830bに配置される第2の低表面エネルギー被覆840bを含んでもよい。先に述べたように、低表面エネルギー被覆840a、840bは、ペルフルオロ化または実質的にフッ素化された材料を備えてもよく、浸漬被覆、スパッタリング、蒸着を含む様々な手段を通して、または沈着の同様の方法によって配置されてもよい。第1の低表面エネルギー被覆840aを形成するために使用される特徴、材料、および/または方法は、第2の低表面エネルギー被覆840bを形成するために使用される特徴、材料、および/または方法と異なってもよく、または同じであってもよい。例えば、第1の低表面エネルギー被覆840aは、第2の低表面エネルギー被覆840bと異なる量のナノ粒子850を含んでもよい。
図9は、一実施形態に従って、撥油性膜900の配置の図を示す。膜900は、気泡980を液体位相変化インク970を通って矢印990の方向に放出させるよう構成される。先に述べたように、本明細書に記載される撥油性膜アセンブリは、インクジェットプリンタのインク流路991に沿った様々な位置に配置され得る。例えば、一部の場合において、本明細書に述べられる撥油性膜は、インクジェットプリンタの開口プレートの一部または全部を形成するために使用されてもよい。図5に戻ると、開口プレート590は、インクをPZTまたは他の変換器によって印刷媒体上へ噴出させるのに適切な平均約20μm〜約30μmの直径を有する開口部を含む。一部の場合において、開口プレートの全部またはかなりの割合(例えば、表面領域の50%より多い)は、撥油性膜550であってもよい。
図10Aは、一部の実施形態による、空気を撥油性膜を通して放出するインクジェットプリンタを動作させる方法を図示するフロー図である。インクは、インク流路内部で凝固される(1000)。ステップ1010では、凝固中にインクが収縮する際、隙間がインク内に生じる。インクがステップ1020で溶解すると、隙間は閉じ込められた気泡になる。ステップ1030の撥油性膜の使用により、気泡は膜を通って放出されるが、同時にインクがインク流路を通って移動する際、インクが通過することを防ぐ。
別の態様において、インクジェットプリンタを動作させる方法が示され、図10Bに図式的に図示される。本方法は、位相変化インクをインクジェット印字ヘッドのインク流路を通して移動させること(1015)を含む。インク内に存在する気泡は、インク流路の外へ撥油性膜を通して放出され(1025)、一方でインクはインク流路内に撥油性膜によって保持される(1035)。撥油性膜は、ナノ構造表面を有する金属構造および金属表面上に配置される低表面エネルギー被覆を含む。撥油性膜の追加的な詳細および実施形態が、上記の記載において開示される。
図11は、撥油性膜を含むインクジェットプリンタ印字ヘッドを作製するプロセスを図示するフロー図である。細孔を含む型の表面を低表面エネルギー被覆で覆う(1120)撥油性膜が形成される。低表面エネルギー被覆は、90度より大きいインクとの接触角度を提供するよう構成される。表面を低表面エネルギー被覆で覆う前に、ナノ構造表面が型の表面に与えられてもよい(1110)。撥油性膜は、インクをインク流路に保持しながら、インクジェット印字ヘッドのインク流路から撥油性膜を通して泡の放出を許容する位置においてインクジェット印字ヘッド内に配置される(1130)。
型は、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、または他の適切な材料を備えてもよい。使用される場合、ナノ構造表面は、表面エッチングにより、ナノ繊維および/またはナノ粒子の電気スピニングにより、および/またはナノ粒子/繊維を型の表面上へ被せることにより、型の表面へ与えられてもよい。例えば、一部の配置において、金属酸化物ナノ粒子および/またはナノ繊維は、適切な有機基質の表面に置かれる。金属酸化物ナノ粒子/繊維は、その後焼結されて金属ナノ粒子/繊維が表面に残る。一部の実施形態において、ナノ構造組織は、一時的に留まりはめ込まれたナノ粒子/ナノ繊維を有する被覆で表面を覆うことにより、表面に与えられ得る。技術の任意の組み合わせが、ナノ構造表面を型に与えるのに使用されてもよい。
被覆は、浸漬被覆、スパッタリング、または蒸着を含む様々なプロセスによって型に配置され得る。表面組織および/または被覆のナノ外観は、撥油性を提供する低エネルギー表面を提供する。
図12は、Au基板に配置されるEvonik Industriesから入手可能なTitaniaナノ粒子の画像であり、上述したプロセスに従って、型の表面組織を作り出すために使用されてもよいナノ粒子を表す。
図13〜図17は、11mg(+/−1mg)の溶解したインクを様々な被覆されていないステンレス鋼構造に配置し、その後インクを凝固させた結果を示す。図13A〜図17Aは、インクの配置および凝固後の被覆されていないステンレス鋼構造の側面図であり、図13B〜図17Bは上面図である。図13Aおよび図13Bはそれぞれ、TWPから入手可能な2μmの細孔の定格Dutchあや織りステンレス鋼基板上へインクを配置した結果を示す。図14Aおよび図14Bはそれぞれ、Mottから入手可能な焼結されたステンレス剛Type316媒体結合度10へインクを配置した結果を示す。図15Aおよび図15Bはそれぞれ、Mottから入手可能な焼結されたステンレス鋼Type316媒体結合度5へインクを配置した結果を示す。図16Aおよび図16Bはそれぞれ、Mottから入手可能な焼結されたステンレス鋼Type316媒体結合度2へインクを配置した結果を示す。図17Aおよび図17Bはそれぞれ、Mottから入手可能な焼結されたステンレス鋼Type316媒体結合度0.5へインクを配置した結果を示す。図13〜図17に図示される各例において、インクはステンレス鋼基板の表面全体に広がり、基板内へ染み込み、インクを含有するには不十分な撥油性を示す。
図18〜図19は、11mg(+/−1mg)のインクを、3.3wt%のTiOナノ粒子のTEFLON AF2400で覆ったステンレス鋼基板に配置し、その後凝固させた結果を示す。図18Aおよび図19Aは、インクの配置および凝固後の被覆されたステンレス鋼構造の側面図を示す。図18Bおよび図19Bは、インクの配置および凝固後のステンレス鋼構造の上面図を示す。図18Aおよび図18Bはそれぞれ、1%のTEFLON AF2400溶液における3.3%TiOP25粒子で被覆された10μmの細孔304ステンレス鋼フェルト上へインクを配置および凝固した結果を示す。図19Aおよび図19Bはそれぞれ、1%のTEFLON AF2400溶液における3.3%TiOP25粒子で被覆された2μmの細孔Dutch Twill Weaveステンレス鋼メッシュ上へインクを配置および凝固した結果を示す。図18〜図19に図示されるそれぞれの場合において、基板に対する図18Aおよび図19Aにおいて特に明らかなビーズ形状のインクは、撥油性膜との高いインク接触角度を図示する。
図20Aおよび図20Bはそれぞれ、溶解した後、ガラスに被覆されたTEFLON1600上に凝固した11mg(+/−1mg)のインクの側面図および上面図を示す。図21Aおよび図21Bはそれぞれ、溶解した後、ガラスに被覆されたTEFLON2400上に凝固した11mg(+/−1mg)のインクの側面図および上面図を示す。それぞれの場合において、インクのTEFLONで被覆されたガラスとの接触角度は、90度より小さい。
対照的に、図22は、溶解した後、3.3%TiOP25粒子のTEFLON2400で被覆されたステンレス鋼フェルトに凝固した11mg(+/−1mg)のインクの3つの例の写真である。各サンプルにおいて、インクは表面でビーズ状になり、90度より大きい表面との接触角度を表す。
融解して溶けたインク中にすぐに泡が生じ、また、現時点で一般的に実施される泡の除去は、印刷ノズルを通してインクが清浄されることが固体インクジェットプリンタにおいて立証されている。この実施により、エンドユーザは、室温と噴出温度との融解サイクルごとにインク供給量の多くを犠牲にする必要があり、従ってプリンタの電源を完全に切ることに関連する節電を妨げる。
本明細書に開示される実施形態は、「撥油性」であると区分される膜、またはより詳細には、特に溶解したポリエチレンベースのワックスが混合するインクとの90度より大きい接触角度を形成する膜に向けられる。上述したように、一部の実装は、例えば細孔の大きさが約0.1〜10μmでナノ構造組織のステンレス鋼型などの構造金属の使用、およびTEFLONまたはNafionの形状でペルフルオロ化された材料などの低表面エネルギー材料でのこのような表面の被覆を適用する。撥油性膜の様々な実施形態は、ワックスベースのインクの融解プロセス中に形成される泡の放出を可能とし、一方でインクが確実に印字ヘッド内に保持され、それによって泡に関連するインクの除去の必要性が低減または削除される。
印字ヘッド構造の土台である、ステンレス鋼は、膜基板(型)として適切な熱膨張および耐久性特徴を有するが、他の金属も適用可能である。高い粗さのナノ構造は、表面エッチング、電気スピニング(これによって、適切な有機基質における金属酸化物のナノ繊維が置かれ、その後焼結されて比較的純粋な金属ナノ繊維が残る)、ナノ組織化された金属粒子の焼結、金属ナノ粒子の焼結を通して与えられ得るか、または一時的に留まり/はめ込みされたナノ粒子(例えば、TiOナノ粒子を示す図12を参照)としての被覆の一部または上記の組み合わせとして導入され得る。
ナノ外観は、高いインク接触角度に十分な相互作用の表面インクエネルギーをより低くするよう作用する。
浸漬被覆、スパッタリング、蒸着などを通して配置されてもよい被覆は、被覆されない鋼よりはるかにインクをはじく表面を提供する(例えば、図13〜図19の比較例を参照)。このような被覆の一例は、P25 Degussa TiOナノ粒子の3.3wt%荷重のTEFLON AF2400を含む(例えば、図19、図20、および図23を参照)。本明細書に開示される被覆は、TEFLON単体よりもはるかにインクをはじく(例えば、図21〜図22を参照)。
被覆の沈着中、ナノ外観が厚いブランケット層の下に埋もれ、それによって消去されないように表面のナノ構造を維持すること、および泡の放出に十分な膜の多孔性を可能とすることに注意を払わなければならない。厳格な実施形態は、細孔の大きさ、撥油性、放出圧力、期間全体にわたる周期的な熱状態での機械的な耐久性の間の設計バランスであろうことが理解される。
加えて、本明細書に開示される撥油性膜は、拡張開口プレートの役割をすることができる。標準のステンレス鋼開口プレートは、インク撥水およびメニスカスピン止めに役立つ耐水フッ化炭素フィルムで被覆される。高められた耐水被覆は、印字ヘッドの噴出および保守の信頼性を促進する。本明細書に開示されるプロセスを使用することによって、撥油性膜(または、そのコンポーネント)は、開口プレートの両側に配置され得る。従って、本明細書に述べられる撥油性膜は、インク室側の呼吸膜および外面の被覆された開口プレートの両方として使用され得る。従って、本明細書に述べられる撥油性膜の被覆は、従来のインクジェット印字ヘッド製造プロセスと比較して、向上した特性を提供し得る。
開示される例に列挙される特定の材料およびその量は、他の状態および詳細と同様に、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。

Claims (4)

  1. ピエゾ素子によってインクを吐出するインクジェット印字ヘッドであって、
    インクが吐出される開口部へインクを送るインク流路に沿って設けられた撥油性膜を備え、
    前記撥油性膜は、一方の面において前記インク流路を流れるインクと接し、他方の面において外界に開放されているとともに、
    前記撥油性膜は、ナノレベルの構造を備えたナノ構造表面を有するとともに、平均直径が約0.1μm〜約10μmの複数の細孔を有する金属構造と、
    前記金属構造に配置される低表面エネルギー被覆と、
    を備える、インクジェット印字ヘッド。
  2. 前記金属構造はステンレス鋼を備える請求項1に記載のインクジェット印字ヘッド。
  3. 前記金属構造は、熱膨張係数が8.6×10 −6 −1 〜39.7×10 −6 −1 である請求項1に記載のインクジェット印字ヘッド。
  4. 前記ナノ構造表面は、エッチングされた表面、金属ナノ繊維、金属ナノ粒子、およびナノ粒子の被覆のうちの少なくとも1つを有する請求項1に記載のインクジェット印字ヘッド。
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