JP6214195B2 - 引戸装置及び該引戸装置の設置構造 - Google Patents

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Description

本発明は、引戸を横幅方向へ移動させることで開口部を開閉する引戸装置に関するものである。
従来、この種の発明には、例えば、特許文献1に記載されるもののように、通路用開口部(s)を囲む枠体(10)と、該枠体の上枠部(13)内に横幅方向へわたって装着されたガイドレール(70)と、該ガイドレール上を転動する吊車(21)と、該吊車によって吊持された引戸(開閉体20)と、開放時の前記引戸を収納する戸袋部材(50)と、前記上枠部内で前記吊車を移動させるリニアモータ部(30)とを具備したものがある。
ところで、上記従来技術のような引戸装置では、枠体(10)と引戸(開閉体20)の間には、引戸の屋内側と屋外側とを連通する隙間が形成される。より詳細に説明すれば、例えば、枠体(10)の上枠部(13)は中空状に形成され、この上枠部(13)と引戸(開閉体20)の上端側部分の間には、特許文献1の図2に示されるように、隙間が形成される。このため、万が一、火災が生じた場合には、前記隙間を通じて、炎が上枠部(13)内へ侵入し、上枠部(13)内のガイドレール(70)や、吊車(21)、その他の物を、溶融させたり脱落させたりするおそれがある。そして、このようにして生じた落下物は、床面や下枠面等に落ちて飛び散り、他の物を引火させる火種となる可能性がある。
そこで、前記のような溶融物や落下物等を、通行物等の被引火物が比較的少ない戸袋側に落下させる工夫等も考えられるが、このようにする場合には、戸袋側の耐火性を現状以上に向上する必要が生じる。また、火災時の炎が直接戸袋部材(50)等を引火してしまう可能性もある。
しかし、戸袋側の部材を例えば、耐火性の高い金属材料等により構成した場合には、高重量になるため、製造時の作業性を損ねてしまうおそれがある。
特開2005−90040号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、特に、戸袋側の耐火性及び製造性を向上した引戸装置及び該引戸装置の設置構造を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、横幅方向への移動により通路用開口部を開閉する引戸と、前記引戸の開閉範囲にわたってその上方側に設けられるとともに、前記引戸の上部側を挿入して開閉方向へ導く上側横枠と、該上側横枠の下方側における開放方向寄りに設けられて開放した際の前記引戸を収納する戸袋部とを備えた引戸装置において、前記戸袋部の戸厚方向の両側に耐火性の防火板を備え、前記防火板の上端側を前記上側横枠に引っ掛けて止着するようにし、前記引戸の開閉範囲の中央寄りに位置する中央側縦枠と、全開時の前記引戸の戸尻に対向するように位置する戸尻側縦枠とを備え、これら両縦枠の間に前記戸袋部を確保し、前記防火板における引戸横幅方向の一端側と他端側に、それぞれ戸袋部内側へ突出する突片部を設け、これら突片部の突端を、それぞれ前記中央側縦枠と前記戸尻側縦枠に当接し溶接してなり、この当接部分の外側に、前記溶接のための作業空間が確保されていることを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、特に、戸袋側の耐火性及び製造性を向上することができる。
本発明に係る開閉装置を室内側から視た正面図である。 図1における(II)-(II)線に沿う断面図である。 図1における(III)-(III)線に沿う断面図である。 図1における(IV)-(IV)線に沿う断面図である。 同開閉装置について、駆動装置を有する部分の縦断面図である。 図1における(VI)-(VI)線に沿う断面図である。 図1における(VII)-(VII)線に沿う断面図である。 引戸の要部を切欠して内部を示す構造図である。 引戸を上方から視た図である。 引戸を下方から視た図である。 引戸の要部横断面図である。 戸袋側のパネルの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 上端側の迂回路の一例を示す縦断面図である。 戸尻側の迂回路の一例を示す横断面図である。 引戸の下端側を示す要部拡大縦断面図である。 上端側防炎補助部材の他例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図である。
本実施の形態の第一の特徴は、横幅方向への移動により通路用開口部を開閉する引戸と、前記引戸の開閉範囲にわたってその上方側に設けられるとともに、前記引戸の上部側を挿入して開閉方向へ導く上側横枠と、該上側横枠の下方側における開放方向寄りに設けられて開放した際の前記引戸を収納する戸袋部とを備えた引戸装置において、前記戸袋部の戸厚方向の両側に耐火性の防火板を備え、前記防火板の上端側を前記上側横枠に引っ掛けて止着するようにした。
この構成によれば、戸袋部側の耐火性を防火板によって向上できる上、防火板を金属材料等の比較的高重量な耐火性材料から形成した場合であっても、該防火板を引っ掛けるようにして止着できるので、製造性が良好である。
第二の特徴としては、前記防火板の上端側に掛止部を設けるとともに、前記上側横枠には前記掛止部が引っ掛けられる被掛止部を設け、これら掛止部と被掛止部との掛合部分を、前記上側横枠の戸厚方向の最大幅部分から戸袋部内側へ凹んだ凹み位置にて溶接した。
この構成によれば、掛止部と被掛止部とを凹み部分で溶接する構造であるため、溶接部分が戸厚方向へ突出して建物の壁材等に干渉するのを防ぐことができる。
第三の特徴としては、前記上側横枠の戸厚方向の端部側に、前記上側横枠の戸厚方向の最大幅部分から戸袋部内側へ凹んだ凹部を形成するとともに、この凹部内に、前記被掛止部を設け、前記防火板の上端側に、前記凹部内側で前記被掛止部に対し掛止するように前記掛止部を設け、前記掛止部と前記被掛止部の掛止状態において、前記凹部内における前記防火板よりも上方側に、前記掛止部と前記被掛止部の溶接のための作業空間を確保した。
この構成によれば、凹部内に溶接代や溶接作業のためのスペースが確保されるので、製造性をいっそう向上することができる。
第四の特徴としては、前記防火板は、上下方向に並ぶ複数の防火板構成部材をその上下間で溶接してなり、上下方向に隣り合う前記防火板構成部材のうち、上側の防火板構成部材の下端側に、戸袋内側へ凹んだ凹部を設けるとともにこの凹部内の下端部を連結用被掛止部とし、下側の防火板構成部材の上端側には、前記凹部内側で前記連結用被掛止部に対し掛止するように連結用掛止部を設け、前記連結用掛止部と前記連結用被掛止部の掛止状態において、前記凹部内における下側の前記防火板構成部材よりも上方側に、前記掛止部と前記被掛止部の溶接のための作業空間を確保した。
この構成によれば、防火板を比較的高重量な耐火性材料から形成した場合であっても、該防火板が複数の防火板構成部材を接続してなる構造であるため、各防火板構成部材を比較的軽量にして製造性を向上することができる。しかも、防火板構成部材間の凹部によって、溶接代や溶接作業のためのスペースを確保することができる。
第五の特徴としては、前記引戸の開閉範囲の中央寄りに位置する中央側縦枠と、全開時の前記引戸の戸尻に対向するように位置する戸尻側縦枠とを備え、これら両縦枠の間に前記戸袋部を確保するようにした引戸装置であって、前記防火板における引戸横幅方向の一端側と他端側に、それぞれ戸袋部内側へ突出する突片部を設け、これら突片部の突端を、それぞれ前記中央側縦枠と前記戸尻側縦枠に当接し溶接してなり、この当接部分の外側に、前記溶接のための作業空間が確保されている。
この構成によれば、防火板の横幅方向の端部に、溶接代や溶接作業のためのスペースが確保されるため、製造性をより向上することができる。
第六の特徴としては、戸厚方向両側の前記防火板をそれぞれ耐火性の金属板から形成するとともに、これら両防火板及び前記戸袋部を、建物の壁内に埋め込んで、引戸装置の設置構造を構成した。
この構成によれば、建物の壁内に耐火性の金属板からなる防火板が埋め込まれるため、防火性能の高い引戸装置の設置構造を提供することができる。
また、本実施の形態は、前記防火板の上端側の前記掛止部を、前記上側横枠の前記被掛止部に引っ掛けた後、これら掛止部と被掛止部との接触箇所を、該接触箇所が位置する前記凹部内で溶接するようにした引戸装置の製造方法を開示している(図3参照)。
この製造方法によれば、防火板の上端側を上側横枠に溶接する際の作業性を向上することができる。
また、本実施の形態は、下側の前記防火板構成部材の前記連結用掛止部を、上側の前記防火板構成部材の前記連結用被掛止部に引っ掛けた後、これら連結用掛止部と連結用被掛止部との接触箇所を、該接触箇所が位置する前記凹部内で溶接するようにした引戸装置の製造方法を開示している(図3参照)。
この製造方法によれば、下側の防火板構成部材を上側の防火板構成部材に溶接する際の作業性を向上することができる。
次に、上記特徴を有する好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の引戸装置は、病院や、ビル、住宅、倉庫、工場、車両の荷台等の構築・構造物における開口部分に配設され、開閉体をガイドレールに吊り下げて略水平方向へ略直線的に移動させる、上吊方式の引戸装置に適用した一例として説明する。
引戸装置1は、内側に正面視矩形状の通路用開口部Aを有する枠体10と、通路用開口部Aを横幅方向への移動により開閉する引戸20と、開放した際の引戸20を収納する戸袋部Bとを具備し(図1参照)、戸袋部Bの戸厚方向両側の耐火性の防火板11h,11i等によって、特に戸袋部B側の耐火性及び製造性等を向上している。
枠体10は、引戸20の開閉経路の上方側に位置する上側横枠11と、通路用開口部Aの開放方向側(図1によれば左端側)に位置する戸先側縦枠12と、引戸20の開閉範囲の中央寄りに位置する中央側縦枠13と、全開時の引戸20の戸尻に対向するように位置する戸尻側縦枠14とを具備する。
この枠体10は、図1に示す一例によれば、その枠内の左側部分に通路用開口部Aを配置し、同枠内の右側を部分に、引戸20を収納するための戸袋部Bを配置し、建築物等の開口部内縁に嵌め合せられるとともに、戸袋部Bを建築物等の壁材x,x(図3参照)の内側に埋め込んでいる。
上側横枠11は、通路用開口部Aの上方に位置する開口側部位11aと、戸袋部Bの上方に位置する戸袋側部位11bとからなり、引戸開閉方向へ連続する略中空箱状に形成される。これら開口側部位11aと戸袋側部位11bは、引戸横幅方向へわたる一体の部材としてもよいし、別体の部材を接合してなるものであってもよい。そして、上側横枠11の下端部には、引戸20の上端部が隙間を有する状態で挿入される。
上側横枠11の開口側部位11aは、図2に示すように、縦断面略逆L字状の基部11a1と該基部に対し着脱可能なカバー部11a2とを具備してなる。
上側横枠11内の基部11a1,11b1の壁面には、ガイドレール11cを長手方向にわたって固定するための面を、その下側の面よりも突出させてなる凸部11a12が設けられる。この凸部11a12は、上側横枠11の略全長にわたって連続するように形成され、その下面には、溶接やネジ止め、リベット止め等によって受部11gが固定される。
ガイドレール11cは、上側横枠11内の横幅方向の略全長にわたる断面略L字状の部材であり、例えば、アルミニウム合金等によって形成されている(図2及び図3参照)。
受部11gは、引戸開閉方向へわたってガイドレール11cを下方側から覆い受ける縦断面略L字状の部材である。この受部11gの材質は、耐熱性及び耐腐食性の良好な材料であればよく、例えば、亜鉛メッキ鋼板等とされる。この受部11gは、引戸20の横幅寸法よりも若干長く形成され、通路用開口部Aの横幅方向へ連続するとともにその開放方向の端部側に、戸袋部B内に突出する突出部分11g11(図1参照)を有する。この突出部分11g11は、引戸20が全開した際に戸袋部B内で戸尻側縦枠14に近接するようにすればよいが、他例としては、引戸20が全開した際に戸尻側縦枠14内の横向き穴(図示せず)に挿入し逃がされるようにしてもよい。
また、この受部11gは、図2に示すように、ガイドレール11c及び吊車24を、該吊車24の軸方向において下方側から覆うように上側横枠11の内面から開閉体厚さ方向へ突出しており、その突端側に、上方向きの突片部11g1を有する。この突片部11g1は、受部11gの前記突端側を上方に曲げてなり、開閉体横幅方向へわたって受部11gと一体に構成され、吊車24及び支持ブラケット23との干渉や当接を避けるために、吊車24と支持ブラケット23の間に入り込むように位置する。
そして、この受部11gは、火災時の高熱により、ガイドレール11c、吊車24、制動装置11d、駆動装置11e(図5参照)等が溶融した場合に、その溶融物を下方から受け、該溶融物が床面等に落下して飛び散り火種になるのを防ぐ。
その他、上側横枠11内には、全閉時(又は全開時)の衝撃を緩和する制動装置11d(図2参照)、引戸20を閉鎖方向へ付勢する駆動装置11e(図5参照)、全開時の引戸20を受ける戸当たり部材11f(図3参照)等が設けられる。
また、上側横枠11の逆L字状の基部11a1は、図2に示すように、その下端側が、枠体側突片部11a11を有する断面凹状に形成され、同様に、カバー部11a2も、その下端側が、枠体側突片部11a21を有する断面凹状に形成される。これら断面凹状の部分は、火災時の溶融物等の落下物を受ける受部としても機能する。
枠体側突片部11a11,11a21の各々は、上側横枠11の開口側部位11a(図1参照)の下端面において、引戸20を挿入する開口部の縁(図2参照)を、引戸20面に近接した位置で上方へ折り曲げることで形成され、引戸20の横幅方向へ連続している。
また、上側横枠11の戸袋側部位11bは、開口側部位11aの引戸開放方向側に連通する部位であり、図3に示すように、縦断面略逆L字状であって引戸横幅方向へ連続する基部11b1等を備え、その下方側を、戸袋部Bに連通している。
基部11b1は、上述した基部11a1(図2参照)に連続する一体の部材とすればよいが、基部11a1と別体の部材とすることも可能である。
この基部11b1の引戸厚さ方向の一端側(図3によれば左端側)における下端側には、上側横枠11の最大幅部分から凹む凹部11b11と、該凹部の下端側のフック状の被係止部11b12とが設けられる。これら凹部11b11及び被係止部11b12は、引戸横幅方向へ連続している。
また、戸袋部Bは、戸袋側部位11bの下方側で、中央側縦枠13と戸尻側縦枠14の間に位置し、開放した際の引戸20を収納する。
この戸袋部Bの戸厚方向の両端面は、図3に示すように、耐火性の防火板11h,11iにより構成される。また、戸袋部B内の底部には、縦断面凹状の底部材11qが戸幅方向へ連続して設けられる。
戸厚方向に並ぶ二つの防火板11h,11iのうち、その一方(図3中の左側)の防火板11hは、上下方向に並ぶ複数の防火板構成部材11h1,11h2をその上下間で溶接してなる。同様に、他方(図3中の右側)の防火板11iも、上下方向に並ぶ複数の防火板構成部材11i1,11i2をその上下間で溶接してなる。
防火板構成部材11h1,11h2,11i1,11i2は、それぞれ、耐火性を有する金属板(例えば、鉄板等)によって構成される。
図3に示す一例によれば、戸厚方向の一端側(図3の左側)において、上側の防火板構成部材11h1は、その上端側に、被係止部11b12に対し上方から当接して掛止する掛止部11h11を有する。この掛止部11h11は、被係止部11b12を略180度回転させた断面フック状に形成され、引戸横幅方向へ連続している。この掛止部11h11の上側の凹部11b11内には、断面凹状の作業空間cが確保され、掛止部11h11と被係止部11b12は、作業空間c側からの作業により溶接される。
また、上側の防火板構成部材11h1は、その下端側に、引戸横幅方向へ連続して戸袋内側へ凹んだ凹溝状の凹部11h12を有するとともに、この凹部内の下端部を、引戸横幅方向へ連続する断面フック状の連結用被掛止部11h13としている。
また、下側の防火板構成部材11h2は、その上端側に、凹部11h12内で連結用被掛止部11h13に対し上方から当接して掛止する連結用掛止部11h21を有する。
この連結用掛止部11h21は、連結用被掛止部11h13を略180度回転させた断面フック状に形成され、引戸横幅方向へ連続している。この連結用掛止部11h21の上側の凹部11h12内には作業空間cが確保され、連結用掛止部11h21と連結用被掛止部11h13は、前記作業空間c側からの作業により溶接される。
また、下側の防火板構成部材11h2は、その下端側に、引戸横幅方向へ連続して戸袋内側へ凹んだ凹片部11h22を有し、この凹片部11h22を、底部材11qの上縁側に溶接固定している。図3中、凹片部11h22内の符号11pは溶接部である。溶接部11pは、横幅方向に連続して設けてもよいし、横幅方向に間欠的に設けるようにしてもよい。
同様に、他方(図3中の右側)の防火板11iを構成する上側の防火板構成部材11i1は、その上端側に、被係止部11b13に対し上方から当接し掛止する掛止部11i11を有する。この掛止部11i11の上側の凹部11b14内には、断面凹状の作業空間cが確保され、掛止部11i11と被係止部11b13は、作業空間c側からの作業により溶接される。
また、上側の防火板構成部材11i1は、その下端側に、引戸横幅方向へ連続して戸袋内側へ凹んだ凹溝状の凹部11i12を有するとともに、この凹部内の下端部を、引戸横幅方向へ連続する断面フック状の連結用被掛止部11i13としている。
また、下側の防火板構成部材11i2は、その上端側に、凹部11i12内で連結用被掛止部11i13に対し上方から当接するように、連結用掛止部11i21を有する。
この連結用掛止部11i21は、連結用被掛止部11i13を略180度回転させた断面フック状に形成され、引戸横幅方向へ連続している。この連結用掛止部11i21の上側の凹部11i12内には作業空間cが確保され、連結用掛止部11i21と連結用被掛止部11i13は、作業空間c側からの作業により溶接される。
また、下側の防火板構成部材11i2は、その下端側に、引戸横幅方向へ連続して戸袋内側へ凹んだ凹片部11i22を有するとともに、この凹片部11i22を、底部材11qの上縁側に溶接固定している。
また、防火板11h,11iを構成する防火板構成部材11h1,11h2,11i1,11i2における引戸横幅方向の一端側と他端側には、それぞれ戸袋部内側へ突出する突片部11h14,11h24,11i14,11i24が設けられる(図12参照)。そして、これら各突片部の突端は、図4に示すように、壁材xの内面から戸袋部B内側へ凹んだ位置で、中央側縦枠13又は戸尻側縦枠14に当接され、この当接部分の外側には、前記溶接のための作業空間cが確保される。前記各突片部の突端は、作業空間c側からの作業により、中央側縦枠13又は戸尻側縦枠14に溶接される。図4中、符号11pが溶接部である。
また、各防火板構成部材11h1,11h2,11i1又は11i2の内面には、断面コ字状の補強材11jが固定される(図3参照)。この補強材11jは、各防火板構成部材11h1,11h2,11i1又は11i2の横幅方向の略全長にわたって溶接等により固定され(図12参照)、火災時等の加熱により各防火板構成部材11h1,11h2,11i1又は11i2が熱変形するのを防ぐ。
また、底部材11qは、耐火性の金属板からなり、火災時に落下した溶融物等が建物等の床面に接触して引火等の原因になるのを防ぐ(図3参照)。
この底部材11qにおける戸厚方向両端側における各上縁側には、上側横枠11の戸厚方向の最大幅部分よりも凹むように、受片部11q1が引戸幅方向へ連続して設けられる。この受片部11q1は、溶接のための作業空間cを確保しており、この受片部11q1には、上述したように、防火板構成部材11h2又は11i2の凹片部11h22、凹片部11i22が溶接固定される。
また、戸先側縦枠12は、通路用開口部Aの引戸閉鎖方向側の端部に位置する部材であり、上側横枠11から床面にわたる上下方向へ連続している(図1参照)。この戸先側縦枠12における引戸20に対向する面には、引戸20の戸先を嵌脱する凹部12a(図4参照)が上下方向へわたって形成される。
なお、図4中、符号12bは、火災時に戸先側縦枠12が熱変形するのを防ぐ板状の補強材であり、上下方向に間隔を置いて複数溶接されている。
中央側縦枠13は、開閉体開放方向側にて通路用開口部Aの内縁を形成する部材であり、上側横枠11の下端から床面にわたる上下方向へ連続するとともに、開放動作した際の引戸20を挿入する開口部を有する(図4参照)。
そして、中央側縦枠13における前記開口部内側には、図4に示すように、引戸20を挟んで戸厚方向の両側に位置するように、枠体側突片部13a,13aが設けられる。
これら枠体側突片部13a,13aの各々は、中央側縦枠13の前記開口部の内縁から引戸20面側へ突出するとともに、引戸20面に沿って戸尻方向へ折れ曲った横断面略L字状に形成され(図4参照)、通路用開口部Aの上下方向の略全長にわたり連続している。
また、中央側縦枠13は、図4に示すように、その引戸開放方向の端部側に、上側横枠11の戸厚方向の最大幅部分(換言すれば壁材xの内面)から段状に凹むように、受片部13bを有する。この受片部13bは、上述した防火板11h(又は11i)の突片部11h14(11h24,11i14又は11i24)を受けるとともに、前記突片部よりも引戸閉鎖方向側に溶接のための作業空間cを確保している。前記突片部は、受片部13bに当接されて、作業空間c側から受片部13bに溶接される。図4中の符号11pは溶接部である。
また、戸尻側縦枠14は、戸袋部Bの引戸開放方向側の端部を構成する部材であり(図1参照)、上側横枠11から床面にわたる上下方向へ連続している。この戸尻側縦枠14には、全開時の引戸20の戸尻側端部を受けて、その衝撃を緩和する緩衝材15(例えばゴム等の弾性体)が固定されている(図4参照)。
また、この戸尻側縦枠14の戸厚方向の端部側には、上側横枠11の戸厚方向の最大幅部分(換言すれば壁材xの内面)よりも戸袋部B内側に位置するように、受面14aが設けられる。この受面14aは、上述した防火板11h(又は11i)の突片部11h14(11h24,11i14又は11i24)を受けるとともに、前記突片部よりも引戸開放方向側に溶接のための作業空間cを確保している。前記突片部は、受面14aに当接されて、作業空間c側から受面14aに溶接される。図4中の符号11pは溶接部である。
また、引戸20は、正面視略矩形状の引戸本体21と、該引戸本体21の上端面に固定された上端側防炎補助部材22(受部)(図2参照)と、上端側防炎補助部材22から上方へ突出する移動支持部20a(支持ブラケット23及び吊車24)(図2参照)と、引戸本体21の戸尻側の端面に固定された戸尻側防炎補助部材25(図4参照)とを具備する。そして、この引戸20は、移動支持部20aによりガイドレール11cに吊るされるとともに、下端側が床面のガイドローラ26(図2参照)に嵌め合せられて、横幅方向へ直進運動する。
引戸本体21は、通路用開口部Aを略覆う矩形板状に構成され、その上端側部分を、上側横枠11に挿入している。この引戸本体21は、ある程度の厚みを有する中空状に構成され、その内部には、当該引戸装置1の使用目的に応じた材料(例えば、断熱材や防音材、耐火部材、補強材等)からなる芯材21a(図2参照)が設けられる。
上端側防炎補助部材22(受部)は、開閉体横幅方向(図1によれば左右方向)にわたって、引戸本体21の上端面に固定された略矩形板状の部材であり(図8及び図9参照)、開閉体厚さ方向(図2によれば左右方向)の両端部を、引戸本体21の表裏面から突出している(図2参照)。そして、この突端側には、下方へ突出して後述する迂回路s1を構成する引戸側突片部22aと、上方へ突出する上向き突片部22bとを有する。開閉体厚さ方向の両側の上向き突片部22b,22b間は、火災時の溶融物等の落下物を受ける受部として機能する(図2及び図13参照)。
また、上端側防炎補助部材22の戸尻側には、引戸20の戸尻側端部から戸袋部B内側へ突出して(図8参照)、火災時の溶融物が戸袋部B内で戸尻近傍に落下するのを防ぐ戸尻側突出部22cが設けられる。
上端側防炎補助部材22の材質は、耐熱性及び耐腐食性の良好な材料であればよく、例えば、亜鉛メッキ鋼板等とされる。
受部11gの突出部分11g11、及び上端側防炎補助部材22(受部)の戸尻側突出部22cの長さは、火災時の溶融物等の落下物が通路用開口部Aから離れて戸袋部B内に落下するように、全閉状態の引戸20の戸尻よりも戸袋部B内側へ突出するとともに、戸袋部Bの横幅方向の全長よりも短い適宜長さに設定すればよい。
特に好ましくは、図1に示すように、上側に位置する受部11gの突出部分11g11を、その下側の戸尻側突出部22cよりも戸袋部B内側へ突出するように形成する。この構成によれば、全閉状態において、火災時の溶融物等の落下物が突出部分11g11に落下し、さらに突出部分11g11からこぼれ落ちたとしても、その落下物を、戸尻側突出部22c上に留まらせることなく、比較的被引火物の少ない戸袋部B内の奥側へ落下させることができる。
なお、他例としては、受部11gの突出部分11g11と、戸尻側突出部22cとのうち、その一方または双方を、戸尻から突出させない構成とすることも可能である。
また、受部11gの突出部分11g11の戸先側の端部は、移動支持部20aの下方側を覆うように、ガイドレール11cの戸先側の端部と略同じ位置とすればよく、図1の一例によれば、戸先側縦枠12の位置よりも若干戸尻側に位置する。なお、他例としては、受部11gの突出部分11g11の戸先側の端部を戸先側縦枠12の位置まで延ばすことも可能である。
また、上端側防炎補助部材22(受部)の戸先側の端部は、錠前装置28との干渉等を避けるために、引戸20の戸先部分よりも若干戸尻寄りに位置する(図1参照)。
引戸側突片部22aは、図13に示すように、上端側防炎補助部材22の開閉体厚さ方向の突端側を、枠体側突片部11a21よりも引戸20面から離隔するとともに、引戸面に沿うように下方へ曲げることで形成される。
この引戸側突片部22aは、引戸20における横幅方向の略全長にわたって連続している。
また、上側横枠11側の上向き突片部22bは、図13に示すように、上端側防炎補助部材22の戸厚方向の突端側を、引戸20面から離隔した位置で、引戸側突片部22aとは逆に上方へ突出させてなり、上端側防炎補助部材22(受部)における開閉体横幅方向の略全長にわたって連続している。
この上向き突片部22bは、ガイドレール11c、吊車24及び支持ブラケット23等を、開閉体厚さ方向の略全長に連続して覆うことで、例えば、火災時にガイドレール11c(アルミニウム合金)や吊車24(合成樹脂材材料)が溶融して落下した場合に、これらを開閉体厚さ方向へこぼれ落ちないように受ける。
また、上端側防炎補助部材22の上面には、図9に示すように、複数のガス抜き孔22dが設けられる。これらガス抜き孔22dは、引戸20内の空間に連通しており、火災時の高温により発生した引戸20内のガスを上側横枠11内へ逃がす。
上端側防炎補助部材22の上面において、ガス抜き孔22dの周囲には、上端側防炎補助部材22上面よりも上方へ突出した円筒状の堤部22eが設けられる(図9参照)。この堤部22eは、火災時の高温による溶融物が、ガス抜き孔22dから引戸20内へ侵入するのを防ぎ、ひいては、前記溶融物により、引戸20内の芯材21aや接着剤等が溶融したり引火したりするのを防ぐ。
また、図9に示すように、上端側防炎補助部材22の上面における戸先側と戸尻側には、それぞれ、戸先側突片部22fと、戸尻側突片部22gが設けられる。これら突片部22f,22gは、上端側防炎補助部材22上面から上方へ突出するとともに、戸厚方向両側の上向き突片部22b,22bの間にわたって連続している。
戸先側突片部22fは、火災時の溶融物が戸先側へ落下するのを阻んで、その落下量を最小限にする。また、戸尻側突片部22gは、火災時の溶融物の戸尻側への落下量を最小限にする。
なお、図9中、符号22hは、移動支持部20aの支持ブラケット23を固定する取付孔であり、火災時に移動支持部20aの溶融物がガス抜き孔22dに落下するのを防ぐように、ガス抜き孔22dに対し開閉体幅方向へ離れた位置に設けられる。
また、移動支持部20aは、ガイドレール11c上を転動する吊車24と、該吊車24を回転可能に支持するとともにその下端側に引戸20(開閉体)を止着した支持ブラケット23を具備してなる。
支持ブラケット23及び吊車24は、引戸本体21(詳細には上端側防炎補助部材22)の上端面に、開閉体横幅方向へ間隔を置いて複数(図示例によれば二つ)支持される。
支持ブラケット23は、図示例によれば、断面L字状の金具であり、その底片部分を引戸本体21上端に固定するとともに、上方へ突出する垂直状片部分に、吊車24を回転自在に支持している。
吊車24は、例えば、合成樹脂材料等から薄肉円柱状に形成され、その外周面をガイドレール11c上で転動させるように係合している。
また、戸尻側防炎補助部材25は、引戸上下方向の略全長にわたって、引戸本体21の戸尻側の端面に固定された略矩形板状の部材である(図4、図10及び図11参照)。この戸尻側防炎補助部材25における戸厚方向の両端側には、引戸本体21面から突出するとともに戸先方向へも突出した引戸側突片部25aが形成される。
また、引戸20上端側の迂回路s1は、図13に示すように、引戸20上端から戸厚方向へ突出して下方へ向く引戸側突片部22aや、上側横枠11の下端側から突出して引戸面と引戸側突片部22aとの間に下方から入り込む枠体側突片部11a21,11a11、上側横枠11内の空間等によって構成される。そして、この迂回路s1は、引戸20を挟む一方の空間と他方の空間(例えば、図13の引戸20左右の空間)を、上側横枠11内を介して連通している。
この迂回路s1は、引戸20内からガス抜き孔22dを介して上側横枠11(ガス収容部)内に収容されるガスが、上側横枠11と引戸20との隙間から外部に洩れるのを最小限に食い止めるように、上側横枠11(ガス収容部)内から前記隙間に侵入する流体の進行方向を一旦逆方向へ向けた後に元の方向へ戻す略蛇行状の経路を形成している(図13の二点鎖線参照)。
また、引戸20戸尻側の迂回路s2は、図14に示すように、引戸20の戸尻側端部から戸厚方向へ突出するとともに戸先方向へ延設された引戸側突片部25aや、中央側縦枠13の戸先側端部から引戸20面側へ突出するとともに引戸20面と引戸側突片部25aとの間に入り込む枠体側突片部13a、戸袋部B内の空間等によって構成される。そして、この迂回路s2は、引戸20を挟む一方の空間と他方の空間(例えば、図14の引戸20上下の空間)を、戸袋部B内を介して連通している。
この迂回路s2は、引戸20内からガス抜き孔22dを介して上側横枠11(ガス収容部)内及び戸袋部B内に収容されるガスが、中央側縦枠13と引戸20との隙間から外部に洩れるのを最小限に食い止めるように、戸袋部B(ガス収容部)内から前記隙間に侵入する流体の進行方向を一旦逆方向へ向けた後に元の方向へ戻す略蛇行状の経路を形成している(図14の二点鎖線参照)。
なお、図13中、符号21b,21cは、引戸本体21を表部と裏部を構成する表面板であり、引戸本体21の表部と裏部の各々に略矩形板状に設けられる。
同図13中、符号21dは、引戸幅方向へ連続する断面コ字状の骨材であり、その戸厚方向の両端面に表面板21b,21cを接着している。
同図13中、符号21eは、引戸幅方向へ連続する断面コ字状の補強材であり、引戸本体21の上端部に厚み方向へ跨って嵌り合うことで、火災時の高熱により表面板21b,21cが骨材21dから剥がれるのを防ぐ。
また、図14中、符号21fは、引戸本体21の戸尻側の内面に沿って上下方向へ連続する断面コ字状の骨材であり、その戸厚方向の両端面に表面板21b,21cを接着している。
同図14中、符号21gは、引戸本体21の戸尻側の外面に沿って上下方向へ連続する断面コ字状の補強材であり、引戸本体21の戸尻側端部に厚み方向へ跨って嵌り合うことで、火災時の高熱により表面板21b,21cが骨材21fから剥がれるのを防ぐ。
また、図15中、符号21hは、引戸本体21の下端側の内面に沿って引戸横幅方向へ連続する断面コ字状の骨材であり、その戸厚方向の両端面に表面板21b,21cを接着している。
同図15中、符号21b1,21c1は、表面板21b,21cの下端側を、それぞれ潰し曲げしてなる断面略U字状の曲げ部である。これら曲げ部21b1,21c1は、それぞれ、骨材21hの下端縁に凹状に嵌り合うことで、火災時の高温によって表面板21b,21cが骨材21hから剥がれるのを防ぐ。
特に、図10の引戸20の下面図に示すように、曲げ部21b1,21c1と補強材21mの隙間c、曲げ部21b1,21c1と補強材21gの隙間c、骨材21hと補強材21mの隙間c、骨材21hと補強材21gの隙間cは、何れも0mm又は0mmに近い寸法に設定される。よって、火災時等の高熱により引戸本体21内のガスが前記隙間cから外部へ流出するのを防ぐことができる。
また、図6中、符号27は、耐熱板ガラスからなる矩形板状の小窓であり、符号27aは、小窓27の周囲をパッキン等を介して支持する枠材である。
同図6中、符号21i,21jは、小窓27の枠材27aを受ける骨材である。これら骨材21i,21jは、図8に示すように、引戸本体21の上下方向の略全長にわたって連続している。特に、戸尻側の骨材21jは、引戸本体21内の戸尻側に上下方向に連続する通路状の空間を確保し、この空間によって、火災時に発生したガスを横幅方向や下方へ逃がさずに上方のガス抜き孔22dへ導く(図8の二点鎖線参照)。
また、図1及び図7中、符号28は、全閉時の引戸20を施錠する錠前装置である。また、符号21k1(図7参照)は、引戸本体21の最戸先側部分を補強する骨材であり、該骨材21k1の上端側には錠前装置28を組付けるための切欠部21k11が形成される。この切欠部21k11による強度低下を防ぐために、骨材21k1における前記切欠部21k11を有する部分の内側には、横断面コ字状の補強材21k2が設けられる。
すなわち、仮に補強材21k2を有さない構造であった場合には、火災時の高温により、骨材21k1が戸厚方向の内側へ変形するおそれがあるが、このような熱変形を、断面略コ字状の補強材21k2によって阻むことができる。
そして、前記補強材21k2には、戸厚方向に間隔を置いた二枚の補強板21k3,21k3が溶接固定される。そして、これら補強板21k3,21k3を間に挟むとともに挿通するようにして錠前装置28が組み付けられている。
また、図7中、符号21mは、引戸本体21の戸先側の外面に沿って上下方向へ連続する断面コ字状の補強材であり、引戸本体21の戸先側端部に厚み方向へ跨って嵌り合うことで、火災時の高熱により表面板21b,21cが骨材21k1から剥がれるのを防ぐ。
次に、上記構成の引戸装置1について、特徴的な作用効果を詳細に説明する。
引戸装置1は、建築物等の壁面の開口部に設置される。この設置作業の際、前記開口部に対し、枠体10(詳細には上側横枠11,戸先側縦枠12,中央側縦枠13及び戸尻側縦枠14)が固定され、その後に、枠体10に対し防火板11h,11iが固定される。この際、防火板11h,11iの上部側の防火板構成部材11h1,11i1は、それぞれ、上端側の掛止部11h11,11i11が、基部11b1側の被係止部11b12,11b13に引っ掛けられ、基部11b1の戸厚方向の最大幅部分よりも凹んだ位置で、作業空間c側から溶接される。
次に、下側の防火板構成部材11h2,11i2の連結用掛止部11h21,11i21が、上側の防火板構成部材11h1,11i1における連結用被掛止部11h13,11i13に引っ掛けられ、上側横枠11の戸厚方向の最大幅部分よりも凹んだ位置で、作業空間c側から溶接される。
そして、下側の防火板構成部材11h2,11i2における下端側の凹片部11h22,凹片部11i22が、それぞれ、底部材11qの受片部11q1,11q1に当接され、上側横枠11の戸厚方向の最大幅部分よりも凹んだ位置で、作業空間c側から溶接固定される。
上記のように、上下に分割されて比較的軽量な防火板構成部材11h1,11h2,11i1、11i2を、ぞれぞれ、引っ掛けて溶接するようにしているため、その組立作業性が良好である。
しかも、防火板11h,11iの表面側の凹状の作業空間cを介して溶接作業を行えるため、防火板構成部材11h1,11h2,11i1、11i2の端部が溶接棒や溶接具等に干渉し難く、その作業性が良好である。
また、前記溶接作業により溶接部11pが、凹状の作業空間c内に位置するため、該溶接部11p及び該溶接部11pによる接合箇所が壁材xに干渉するようなことを防ぐことができる。
そして、前記のようにして構成された戸袋部Bは、防火板11h,11iの四方端部が前記のように溶接固定されるため、密閉性が高い。
また、火災時等に、戸袋部Bが外側から炎を受け、壁材x等が燃焼や熱劣化したとしても、耐火性の高い防火板構成部材11h1,11h2,11i1,11i2によって、前記炎を遮ることができる(図3及び図4参照)。
また、全閉状態において、引戸20の上端側や閉尻側に炎を受けた場合、この炎が、引戸20と上側横枠11との隙間や、上側横枠11と中央側縦枠13との隙間を通過するのを、蛇行状の迂回路s1,s2によって阻むことができる(図13及び図14参照)。
また、炎が上側横枠11内に侵入し、上側横枠11内の物(例えば受部11gや移動支持部20a等)が熱溶融して脱落したとしても、その落下物を受部11gや上端側防炎補助部材22により受けて通路用開口部A側の床面等への落下を抑制することができる。前記落下物は、受部11gや上端側防炎補助部材22からこぼれて、戸袋部B内へ落下する場合もあるが、戸袋部B内は比較的被引火物等の少ないので、前記落下物が火種となる発火を効果的に防ぐことができる。
また、火災時の高熱により引戸20内に有機ガスが発生した場合には、このガスを、引戸20上端のガス抜き孔22dを通して上側横枠11へ導き、さらに上側横枠11に連通した戸袋部B内へ導いて収容することができる。この際、戸袋部B内が溶接された防火板11h,11iにより覆われた空間であるため、防火板11h,11iの端部側からのガス洩れを防ぐことができる。前記ガスが、上側横枠11と引戸20の隙間や、中央側縦枠13と引戸20の隙間等から洩れる場合があっても、蛇行状の迂回路s1,s2(図13及び図14参照)の抵抗によって、その洩れを抑制することができる。
なお、上記態様において、上端側防炎補助部材22は、図16に示す上端側防炎補助部材22’に置換することが可能である。上端側防炎補助部材22’は、上記上端側防炎補助部材22(図9参照)の堤部22eを堤部22e’に置換したものである。
堤部22e’は、戸先側及び戸尻側の突片部22f,22gと同構成の部材であり、ガス抜き孔22dを間に置くようにして一対に設けられ、火災時等に引戸20上方から落下した溶融物がガス抜き孔22d内へ侵入するのを阻む。
また、上記態様では、防火板11h,11iの各々を、二枚の防火板構成部材11h1,11h2又は11i1,11i2により構成したが、他例としては、防火板11h,11iの各々を、一枚の耐火性板材や、三枚以上の耐火性板材から構成することも可能である。
また、上記態様では、特に好ましい態様としては、防火板11h,11iを溶接によって止着固定したが、他例としては、防火板11h,11iをねじ止めやリベット止め等によって止着固定することも可能である。
また、上記態様では、上吊式の引戸装置1を構成したが、他例としては、上記ガイドレール11c及び移動支持部20aに換えて、引戸20と床面との間にローラ及び該ローラを案内するレール等を設け、床面を転がって開閉動作する引戸装置を構成することも可能である。
なお、上記態様において、掛止部11h11,11i11を省いて複数の防火板構成部材11h1,11h2,11i1,11i2をそれぞれ溶接で固定することも可能であるが、施工時に防火板を持ち上げて支える作業を容易にする観点からは、図3に示すように、上方側の防火板構成部材には掛止部を設けた方がよく、特に一番上の防火板構成部材11h1,11i1には、掛止部11h11,11i11を設けるのが好ましい。
また、上記態様では、特に耐火性能の高い引戸装置を構成したが、掛止部11h11,11i11及び溶接部11p等の構造は、上記態様よりも耐火性能の低い通常の引戸装置に適用した場合にも、上述した作業性等の作用効果を奏する。
また、上記態様では、受部材11gと上端側防炎補助部材(受部材)22の二つの受部材を設けたが、他例として、特に使用上の支障等がなければ、一方の前記受部材を省くことも可能である。
また、上記態様では、上端側防炎補助部材22及び戸尻側防炎補助部材25をそれぞれ戸厚方向において対称形状とし、製造性の向上をはかったが、他例としては、これらを非対称形状とすることが可能である。
また、上記態様では、特に好ましい具体例として、下方向きの引戸側突片部22a及び上方向きの突片部22bを、戸厚方向の両側に設けたが、使用上特に支障等がなければ、何れか一方を省くことが可能である。
また、上記態様では、特に好ましい具体例として、下方向きの引戸側突片部22a及び上方向きの突片部22bを、戸厚方向の一方と他方に設けたが、使用上特に支障等がなければ、何れか一方を省くことが可能である。
また、溶融物等の落下防止のみを要する場合や、迂回路s1による作用効果のみを要する場合等、使用上の目的によっては、引戸側突片部22aと突片部22bのうち、その一方を省くことも可能である。
また、引戸20の補強を目的に引戸20内に一つ又は複数の骨材や補強材を組み込む場合、これら骨材等は、引戸20の上下方向、横幅方向等、方向については任意とすることが可能である。しかし、図8の一例のように、ガス抜き孔22dが上方に設けられている場合には、中空部C1,C2内に発生したガスの移動を妨げにくくするために、前記骨材等を上下方向に組み込むことが好ましい。
また、他例として、ガス抜き孔22dを戸尻側のみに設けた場合には、中空部C1,C2内に発生したガスの戸尻側への流れを妨げないように、前記骨材等を横幅方向(左右方向)へ組み込むのが好ましい。なお、前記何れの場合にも、前記骨材の端部は、ガス抜き孔22dを塞がないように避けた位置とするのが好ましい。
1:引戸装置
10:枠体
11:上側横枠
11b11,11h12,11b14,11i12:凹部
11h,11i:防火板
11h1,11h2,11i1,11i2:防火板構成部材
11h11,11i11:掛止部
11h21,11i21:連結用掛止部
11b12,11b13:被係止部
11h13,11i13:連結用被掛止部
11h22,11i22:凹片部
11p:溶接部
12:戸先側縦枠
13:中央側縦枠
14:戸尻側縦枠
20:引戸
A:通路用開口部
B:戸袋部
c:作業空間
x:壁材

Claims (7)

  1. 横幅方向への移動により通路用開口部を開閉する引戸と、前記引戸の開閉範囲にわたってその上方側に設けられるとともに、前記引戸の上部側を挿入して開閉方向へ導く上側横枠と、該上側横枠の下方側における開放方向寄りに設けられて開放した際の前記引戸を収納する戸袋部とを備えた引戸装置において、
    前記戸袋部の戸厚方向の両側に耐火性の防火板を備え、前記防火板の上端側を前記上側横枠に引っ掛けて止着するようにし
    前記引戸の開閉範囲の中央寄りに位置する中央側縦枠と、全開時の前記引戸の戸尻に対向するように位置する戸尻側縦枠とを備え、これら両縦枠の間に前記戸袋部を確保し、
    前記防火板における引戸横幅方向の一端側と他端側に、それぞれ戸袋部内側へ突出する突片部を設け、これら突片部の突端を、それぞれ前記中央側縦枠と前記戸尻側縦枠に当接し溶接してなり、この当接部分の外側に、前記溶接のための作業空間が確保されていることを特徴とする引戸装置。
  2. 前記中央側縦枠は、その引戸開放方向の端部側に、前記上側横枠の戸厚方向の最大幅部分から段状に凹むように、受片部を有し、この受片部は、前記突片部を受けるとともに、前記突片部よりも引戸閉鎖方向側に前記作業空間を確保していることを特徴とする請求項1記載の引戸装置。
  3. 戸厚方向両側の前記防火板をそれぞれ耐火性の金属板から形成するとともに、これら両防火板及び前記戸袋部を、建物の壁材の内側に埋め込んだことを特徴とする請求項1又は2記載の引戸装置の設置構造。
  4. 前記作業空間は、前記壁材の内面よりも戸袋部内側に位置していることを特徴とする請求項3記載の引戸装置の設置構造。
  5. 前記防火板の上端側に掛止部を設けるとともに、前記上側横枠には前記掛止部が引っ掛けられる被掛止部を設け、
    これら掛止部と被掛止部との掛合部分を、前記上側横枠の戸厚方向の最大幅部分から戸袋部内側へ凹んだ凹み位置にて溶接したことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の引戸装置。
  6. 前記上側横枠の戸厚方向の端部側に、前記上側横枠の戸厚方向の最大幅部分から戸袋部内側へ凹んだ凹部を形成するとともに、この凹部内に、前記被掛止部を設け、
    前記防火板の上端側に、前記凹部内側で前記被掛止部に対し掛止するように前記掛止部を設け、
    前記掛止部と前記被掛止部の掛止状態において、前記凹部内における前記防火板よりも上方側に、前記掛止部と前記被掛止部の溶接のための作業空間を確保したことを特徴とする請求項5記載の引戸装置。
  7. 前記防火板は、上下方向に並ぶ複数の防火板構成部材をその上下間で溶接してなり、上下方向に隣り合う前記防火板構成部材のうち、上側の防火板構成部材の下端側に、戸袋内側へ凹んだ凹部を設けるとともにこの凹部内の下端部を連結用被掛止部とし、下側の防火板構成部材の上端側には、前記凹部内側で前記連結用被掛止部に対し掛止するように連結用掛止部を設け、
    前記連結用掛止部と前記連結用被掛止部の掛止状態において、前記凹部内における下側の前記防火板構成部材よりも上方側に、前記連結用掛止部と前記連結用被掛止部の溶接のための作業空間を確保したことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の引戸装置。
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