JP6213991B2 - ロジウム触媒、およびこれを用いる光学活性化合物の製造方法 - Google Patents

ロジウム触媒、およびこれを用いる光学活性化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、新規なロジウム触媒及びこれを用いる光学活性化合物の製造に関するものである。
光学活性化合物は、医薬や機能性材料などの製造において欠かせない出発物質である。金属触媒を用いるオレフィン類の不斉水素化は、光学活性化合物を製造する効率のよい手段として知られている。これらの触媒反応には、不斉誘導するため、光学活性配位子を用いる。これらの光学活性配位子の構造が生成物の不斉選択性に対し著しく影響を与える。代表的な光学活性配位子の例として、光学活性2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)配位子などが知られている。
しかし、過去40数年間の研究によって、いくつかの効率的な不斉水素化方法が開発されたものの、実用的な観点で依然多くの問題を抱えている。一つは、反応に使用する不斉配位子が極めて高価なものが多いことである。もう一つは、これらの配位子には光学活性なホスフィン類が多く用いられているが、これらのホスフィン類は空気に酸化されやすく、失活しやすいため、これらの取り扱いにあたっては、酸素のない環境が必要なことである(非特許文献1〜8)。
一方、近年、二置換ホスファイトH-P(O)(OR)2が金属触媒配位子として用い得ることがしられるようになった。ホスフィン類と異なり、二置換ホスファイト類は、空気中で安定であるため、化合物の取り扱いは空気中で行うことができる。(非特許文献9)
また、光学活性ホスフィンオキシドH-P(O)R1R2を金属触媒配位子として用いる不斉水素化反応も報告されている(非特許文献10、11)。しかしながら、これらの光学ホスフィン類は、カラム分割法により単離する必要があるため、微少量しか合成できない。また、不斉選択率も低い(最高不斉選択率85% ee)。
一方、光学活性H-ホスフィナート類HP(O)R(OR’)は、空気中で安定な化合物であり、また、安価な原料から大量に製造することが可能である(特許文献1、非特許文献12〜14)。
特許第4649590号
J. M. Brown,in:Comprehensive Asymmetric Catalysis (Eds.:E. N. Jacobsen,A. Pfaltz,H. Yamamoto),Springer,Berlin,1999,p. 121. T. Ohkuma,M. Kitamura,R. Noyori,in:Catalytic Asymmetric synthesis 2nd ed. (Ed.:I. Ojima),Wiley-Interscience,New York,2000,p. 1. A. Grabulosa,P-stereogenic ligands in enantioselective catalysis,(Ed.:A. Grabulosa),The Royal Society of Chemistry,2011,p. 361. R. Noyori,T. Ohkuma,Angew. Chem. 2001,113,40-75; Angew. Chem. Int. Ed. 2001,40,40-73. W. S. Knowles,Angew. Chem. 2002,114,2096-2107; Angew. Chem. Int. Ed. 2002,41,1998-2007. W. Tang,X. Zhang,Chem. Rev. 2003,103,3029-3069. G. Erre,S. Enthaler,K. Junge,S. Gladiali,M. Beller,Coord. Chem. Rev. 2008,252,471-491. S. Gladiali,E. Alverico,K. Junge,M. Beller,Chem. Soc. Rev . 2011,40,3744-3763. G. Y. Li,Angew. Chem. 2001,113,1561-1564; Angew. Chem. Int. Ed. 2001,40,1513-1516. X. Jiang,A. J. Minnaard,B. Hessen,B. L. Feringa,A. L. L. Duchateau,J. G. O. Andrien,J. A. F. Boogers,J. G. de Vieres,Org. lett. 2003,5,1503-1506. X. Jiang,M. van den Berg,A. J. Minnaard,B. L. Feringa and J. G. de Vieres,Tetrahedron:Asymmetriy,2004,15,2223-2229. Xu,C.-Q. Zhao,L.-B. Han,J. Am. Chem. Soc. 2008,130,12648-12655. D. Gatineau,L. Giordano,G. Buono,J. Am. Chem. Soc. 2011,133,10728-10731 R. Bodalski,J. Koszuk,Phosphorus,Sulfur,Silicon Relat. Elem. 1989,44,99-102.
本発明は、空気中で安定で、取り扱いが容易であり、且つ、安価な光学活性H-ホスフィナート類HP(O)R(OR’)を配位子とする新規なロジウム錯体を合成し、これを用いる効率のよいオレフィン類の不斉水素化方法を開発することを課題とする。
本発明者らは、光学活性H-ホスフィナート類のロジウムへの配位挙動を研究する過程で、偶然にも、リン上の立体配置が保持されたまま、P(O)H基がP(OH)基に互変異性化し、ゆっくりとロジウムに配位することを究明した。X線構造解析の結果、驚くべきことに、二つのP(OH)基がロジウムスルホン酸塩のスルホン酸アニオンと水素結合を形成し、環状錯体が形成されることがわかった。この環状構造の形成により、安定な立体構造の錯体が形成される。
そこで、本発明者らは、これを用いてオレフィン類の不斉水素化を試みたところ、高い不斉収率で効率よく不斉水素化反応が進行することを見出した。また、本発明者らは、この不斉水素化反応が、予め形成されたロジウム錯体を反応系に加えるのではなく、光学活性H-ホスフィナート類とロジウムスルホン酸塩を反応系に加えることによっても、良好に進行することを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、この出願は、以下の発明を提供する。
〈1〉以下の一般式(I)で表される構造を有する、ロジウム錯体化合物。
Figure 0006213991
(上記式(I)中、R1 2は、同じでも異なってもよい炭素置換基であり、Rhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
〈2〉以下の一般式(II)で表される光学活性H-ホスフィナート類と以下の一般式(III)で表されるロジウムスルホン酸塩を反応させることを特徴とする、〈1〉に記載のロジウム錯体化合物の製造方法。
Figure 0006213991
(上記式(II)中のR1 2は、同じでも異なってもよい炭素置換基である)
Figure 0006213991
(上記式(III)中のRhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
〈3〉〈1〉に記載のロジウム錯体化合物からなる、オレフィン類の不斉水素化反応用触媒。
〈4〉〈1〉に記載のロジウム錯体化合物を触媒として、以下の一般式(IV)で表されるオレフィン類を不斉水素化することを特徴とする、以下の一般式(V)で表される光学活性化合物の製造方法。
Figure 0006213991
(上記式(IV)中のR5〜R8は、水素、炭素置換基、ヘテロ原子官能基から選択される基を表す。但し、R5及びR7、または、R6およびR8は、互いに異なる基であり、また、R5〜R8中、水素の個数は0か1である)
Figure 0006213991
(上記式(V)中のR5〜R8は、式(IV)中のR5〜R8と同じ基である)
〈5〉以下の一般式(II)で表される光学活性H-ホスフィナート類と以下の一般式(III)で表されるロジウムスルホン酸塩を反応系に加え、系中で形成されるロジウム錯体化合物を単離することなく、そのまま触媒として用いることを特徴とする、〈4〉に記載の光学活性化合物の製造方法。
Figure 0006213991
(上記式(II)中のR1 2は、同じでも異なってもよい炭素置換基である)
Figure 0006213991
(上記式(III)中のRhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
一般式(I)のロジウム錯体化合物を触媒として用いることにより、オレフィン類を効率よく不斉水素化することができる。
また、一般式(I)のロジウム錯体は、空気中で安定で、取り扱いが容易であり、且つ、安価な光学活性H-ホスフィナート類HP(O)R(OR’)と、ロジウムスルホン酸塩類とから、高い収率で容易に得ることができる。
(RP)-[(-)MenO]PhP(O)HとRh(COD)2]OTfとから形成されたロジウム錯体(Ib)のORTEP図(MenOはメントキシをCODはロジウムに対し2座配位した1,5−シクロオクタジエンを、また、OTfはトリフルオロメチルスルホン酸基を、それぞれ表す)。
本発明のロジウム錯体化合物は、以下の一般式(I)で表される。
Figure 0006213991
(上記式(I)中、R1 2は、同じでも異なってもよい炭素置換基であり、Rhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
1 2の炭素置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基などのC1〜C4アルキル基、2−i−プロピル−5−メチル−シクロヘキシル基(メンチル基)などのシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアリールアルキル基が挙げられる。
Rhに配位するオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、2−ノルボルネンが挙げられる。二つのオレフィンが環構造を形成する例としては、1,5−シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエンが挙げられる。
具体的なロジウム錯体の一例として、R1が(−)メンチル基であり、R2がベンジル基またはフェニル基であり、Rhに配位するオレフィンが1,5−シクロオクタジエンである場合を、以下の一般式(I’)に示す。
Figure 0006213991
本発明のロジウム錯体化合物は、以下の一般式(II)で表される光学活性H-ホスフィナート類と以下の一般式(III)で表されるロジウムスルホン酸塩を反応させることにより得られる。
Figure 0006213991
(上記式(II)中のR1 2は、同じでも異なってもよい炭素置換基である)
Figure 0006213991
(上記式(III)中のRhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
一般式(II)および(III)における炭素置換基およびRhに配位するオレフィンとしては、一般式(I)について上述したものと同様のものが挙げられる。
具体的なロジウムスルホン酸塩の一例として、Rhに配位するオレフィンが1,5−シクロオクタジエンである場合を、以下の式(III’)に示す。
Figure 0006213991
本発明のロジウム錯体化合物を触媒として不斉水素化されるオレフィン類は、以下の一般式(IV)で表すことができる。
Figure 0006213991
(上記式(IV)中のR5〜R8は、水素、炭素置換基、ヘテロ原子官能基から選択される基を表す。但し、R5及びR7、または、R6およびR8は、互いに異なる基であり、また、R5〜R8中、水素の個数は0か1である)
5〜R8の炭素置換基としては、例えば、C1〜C4アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアリールアルキル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R5〜R8のヘテロ原子官能基としては、例えば、保護基で保護されていてもよいアミノ基、カルボキシル基などの官能基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
当該水素化により得られる光学活性化合物は、以下の一般式(V)で表すことができる。
Figure 0006213991
(上記式(V)中のR5〜R8は、式(IV)中のR5〜R8と同じ基である)
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1.ロジウム錯体化合物の合成
(1)ロジウム錯体(Ia)の合成
窒素雰囲気下、(RP)-[(-)MenO](PhCH2)P(O)H(MenOはメントキシを表す)(0.183g,0.62mmol)とRh(COD)2]OTf((COD)2はロジウムに対し2座配位した1,5−シクロオクタジエンを、また、OTfはトリフルオロメチルスルホン酸基を、それぞれ表す)(145.2mg,0.31mmol)をトルエン(4mL)に溶かし、室温で一晩攪拌した。オレンジ色の沈殿が生じた。沈殿を濾過し乾燥させることにより、0.285gグラム(収率94%)のロジウム錯体(Ia)が得られた。
(2)ロジウム錯体(Ib)の合成
同様な操作により、(RP)-[(-)MenO]PhP(O)Hを用いることにより、対応するロジウム錯体(Ib)が95%の収率で得られた。
これらの錯体の物理的特性および1H NMRのデータは、以下のとおりである。
ロジウム錯体(Ia)
オレンジ色の固体,融点:162℃(分解).1H NMR(400MHz,CD2Cl2):δ8.32(br,2H),7.51(d,J = 7.2Hz,4H),7.34-7.24(m,6H),5.321(br,2H),5.318(br,2H),4.39-4.30(m,2H),3.43-3.37(m,2H),2.34-2.20(m,4H),1.94(br,4H),1.73(br,4H),1.62-1.54(m,6H),1.34-1.21(m,4H),1.18-1.09(m,2H),1.05(d,J = 7.2Hz,6H),0.99(d,J = 6.4Hz,6H), 0.95(d,J = 6.8Hz,6H),0.92-0.83(m,2H). 13C NMR(101MHz,CD2Cl2):133.90,130.46,128.83,127.04,102.86(d,J = 89.1Hz),77.11(t,J = 6.6Hz),50.14,44.91,42.25,34.50,32.09,30.98,28.87,26.07,23.18,22.54,21.78,15.98. 13C NMR(101MHz,THF-d8):134.36,130.56,128.59,126.74,102.35(d,J = 70.9Hz),76.75,50.26,44.94,41.99,34.56,31.90,30.75,28.66,26.04,23.07,22.28,21.57,15.85. 31P NMR(162MHz,CD2Cl2):141.9(d,J = 209.6).
ロジウム錯体(Ib)
オレンジ色固体,142℃(分解).1H NMR(400MHz,CD2Cl2):δ9.23(br,2H),7.83-7.78(m,4H),7.46(d,J = 3.6Hz,6H),5.51(br,2H),5.33(br,2H),3.65-3.55(m,2H),2.71-2.61(m,2H),2.55-2.51(m,2H),2.30-2.20(m,6H),1.57-1.53(m,2H),1.45-1.42(m,2H),1.08-1.02(m,2H),0.94(d,J = 7.2Hz,6H),0.90-0.80(m,6H),0.78(d,J = 6.8Hz,6H),0.61-0.54(m,4H),0.51(d,J = 6.4Hz,6H). 13C NMR(101MHz,CD2Cl2):131.4,130.9(t,J = 7.6),128.4,105.4(d,J = 5.7),103.9(d,J = 5.7),77.11(t,J = 6.7),48.9,42.0,34.4,31.7,31.7,28.9,25.1,23.0,22.1,21.4,15.4. 31P NMR(162MHz,CD2Cl2):122.9(d,J = 206.2).
また、ロジウム錯体(Ib)については、X線構造解析によりその構造を確認した。図1にそのORTEP図を示す。
図1の(a)においては、明瞭化のため、水素原子の表示が省かれている。図1の(b)においては、明瞭化のため、水素原子、1,5−シクロオクタジエン、および、メントール基の表示が省かれている。選択された結合距離(A)および角度(°)は、以下のとおりである:P(1)-Rh(1)=2.2580(13),P(2)-Rh(1) 2.2558(13),P(1)-O(1) 1.621(4),P(1)-O(2) 1.580(5),P(2)-O(3) 1.592(4),P(2)-O(4) 1.598(4),O(2)-O(6) 2.550,O(3)-O(5) 2.568,S(1)-O(5) 1.386(7),S(1)-O(6) 1.311(11),S(1)-O(7) 1.602(15);O(1)-P(1)-O(2) 105.1(2),O(3)-P(2)-O(4) 106.6(2),P(1)-Rh(1)-P(2) 90.77(5).
図1に示すように、この錯体には、二分子のH-ホスフィナート配位子から生じたOH基とスルホン酸基の二つのO原子の間に水素結合が二つ存在し、これにより、P-Rh-Pの配位を含めた環状構造が形成されている。
これらの結果から、上記ロジウム錯体(Ia)および(Ib)の構造は、以下の式(I’)に示すとおりであり、また、上述のロジウム錯体の合成反応は以下の反応式(VI)に示すとおりであることが確認された。
なお、下記の式(I’)および(VI)において、Rは、錯体(Ia)ではCH2Phであり、錯体(Ib)ではPhである。
Figure 0006213991
Figure 0006213991
実施例2.予め形成されたロジウム錯体化合物を反応系に加えることによる、オレフィン類の不斉水素化
実施例1で合成したロジウム錯体(Ia)(R=CH2Ph)を用いて、以下に示すオレフィンの不斉水素化反応を行った。
Figure 0006213991
具体的には、ロジウム錯体(Ia)(0.3mg,0.00048mmol)と各種オレフィン類(10.5mg,0.048mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶かし、室温で5気圧の水素を加えた。10分後、反応を止め、生成物をシリカゲルカラムにより単離した。光学活性カラムを用いて、液体クロマトグラフィーを用いて、光学純度を決定した。オレフィン2bについては、反応時間を12時間とした。
用いた原料オレフィンと得られた反応生成物の収率および光学純度(鏡像体過剰率ee)を以下の表1にまとめた。
表1.ロジウム錯体(Ia)触媒による各種オレフィン類の不斉水素化
Figure 0006213991
実施例3.光学活性H-ホスフィナート類とロジウムスルホン酸塩を反応系に加えることによる、オレフィン類の不斉水素化
以下の表2に示す種々の光学活性H-ホスフィナート類と以下の表3のRhの欄に示すロジウム化合物を反応系において混合し、形成されるロジウム錯体を単離することなく、そのまま直接不斉水素化に用いた。その結果を表3に示す。光学活性H-ホスフィナート類とロジウムスルホン酸塩を反応系に加えることによっても、光学活性なオレフィン類が得られることが示される。
表2.実験に用いた光学活性H-ホスフィナート類
Figure 0006213991
表3.光学活性H-ホスフィナート類とロジウムスルホン酸塩を反応系に加えることによる、不斉水素化反応[a]
表3中の注[a]〜[h]は、以下のとおりである。
[a]:他に断りのない限り、反応は原料オレフィン2aの0.048M溶液を用いて行われた。
[b]:収率は1H NMRによる収率である。
[c]:鏡像体過剰率(ee)はキラルHPLCにより測定した。その絶対配置は報告されたデータとの対比により決定した。
[d]:リガンドは5mol%用いた。
[e]:35℃で反応を行った。
[f]:水素圧20atmで反応を行った。
[g]:Rp体及びその対掌体であるSp体を50/50の比率で使用した。
[h]:0.1当量の水を添加した。
Figure 0006213991

Claims (5)

  1. 以下の一般式(I)で表される構造を有する、ロジウム錯体化合物。
    Figure 0006213991
    (上記式(I)中、R1、R2は、同じでも異なってもよい炭化水素基であり、Rhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
  2. 以下の一般式(II)で表される光学活性H-ホスフィナート類と以下の一般式(III)で表されるロジウムスルホン酸塩を反応させることを特徴とする、請求項1に記載のロジウム錯体化合物の製造方法。
    Figure 0006213991
    (上記式(II)中のR1、R2は、同じでも異なってもよい炭化水素基である)
    Figure 0006213991
    (上記式(III)中のRhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
  3. 請求項1に記載のロジウム錯体化合物からなる、以下の一般式(IV)で表されるオレフィン類の不斉水素化反応用触媒。
    Figure 0006213991
    (上記式(IV)中のR 5 〜R 8 は、水素、炭化水素基、保護基で保護されているか、又は、保護されていないアミノ基、並びに、保護基で保護されているか、又は、保護されていないカルボキシル基から選択される基を表す。但し、R 5 及びR 7 、または、R 6 およびR 8 は、互いに異なる基であり、また、R 5 〜R 8 中、水素の個数は0か1である)
  4. 請求項1に記載のロジウム錯体化合物を触媒として、以下の一般式(IV)で表されるオレフィン類を不斉水素化することを特徴とする、以下の一般式(V)で表される光学活性化合物の製造方法。
    Figure 0006213991
    (上記式(IV)中のR5〜R8は、水素、炭化水素基保護基で保護されているか、又は、保護されていないアミノ基、並びに、保護基で保護されているか、又は、保護されていないカルボキシル基から選択される基を表す。但し、R5及びR7、または、R6およびR8は、互いに異なる基であり、また、R5〜R8中、水素の個数は0か1である)
    Figure 0006213991
    (上記式(V)中のR5〜R8は、式(IV)中のR5〜R8と同じ基である)
  5. 以下の一般式(II)で表される光学活性H-ホスフィナート類と以下の一般式(III)で表されるロジウムスルホン酸塩を反応系に加え、系中で形成されるロジウム錯体化合物を単離することなく、そのまま触媒として用いることを特徴とする、請求項4に記載の光学活性化合物の製造方法。
    Figure 0006213991
    (上記式(II)中のR1、R2は、同じでも異なってもよい炭化水素基である)
    Figure 0006213991
    (上記式(III)中のRhに配位する二つのオレフィンは、点線で示すように互いに結合し、環構造を形成してもよい)
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