JP6213952B2 - 伝達シャフト - Google Patents

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Description

この発明は、車両のステアリング装置等に設けられる伝達シャフトに関する。
下記特許文献1で開示されたステアリング装置では、回転トルクを伝達し合うヨークおよびシャフトにおいて、ヨークの基端面の内周部分とシャフトの外周面の先端寄り部分とに溶接金属が掛け渡されることで、ヨークとシャフトとが溶接されている。
特開2013−35469号公報
特許文献1のように回転トルクを伝達し合う2つの部品を溶接で固定する場合において、溶接部分に不良が存在していると、これらの部品が予見性なく分離してしまう虞がある。そこで、これらの部品が分離する不具合が発生しても回転トルクの伝達が最低限可能となるように、いわゆるフェイルセーフ構造を設けることが考えられる。ただし、フェイルセーフ構造が機能している状態は、通常状態とは言えないので、いち早く不具合をユーザに気付かせて不具合を解消する必要がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、ヨークとシャフト本体とが連結された構成において、これらの連結部分に不具合が生じたときにヨークとシャフト本体との空転を防止しつつ、不具合の発生をユーザに気付かせることができる伝達シャフトを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ステアリング装置(1)に用いられ、操舵部材(2)に連結されていて、軸周りに回転することで操舵部材の回転力を伝達する伝達シャフト(5)であって、軸方向(X)に延びるシャフト本体(22)と、前記軸方向における前記シャフト本体の端部(22A,28A)が挿入される嵌合筒(15)を含み、自在継手(4,6)を構成するヨーク(12)と、前記ヨークに対する前記シャフト本体の軸周りにおける空転を防止する空転防止機構(24)とを含み、前記空転防止機構は、前記シャフト本体の外周面(22B,28B)に形成され、前記伝達シャフトの回転方向(C)に延びるピン孔(25)と、前記嵌合筒の内周面(15E)から前記シャフト本体側へ突出し、前記回転方向に遊び(S)を持って前記ピン孔に嵌め込まれるように、前記嵌合筒に取り付けられたピン(27)と、を含み、前記シャフト本体が、前記ピン孔が貫通して形成された筒状のスリーブ部(28)と、前記スリーブ部に対して挿入され、前記軸方向に移動可能な軸部(29)とを含み、前記ピンが、前記軸部の移動軌跡から離れた位置に配置されていることを特徴とする、伝達シャフトである。
請求項2記載の発明は、前記シャフト本体と前記ヨークとは、溶接によって接合されていることを特徴とする、請求項1記載の伝達シャフトである
請求項記載の発明は、前記空転防止機構は、前記回転方向に複数設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の伝達シャフトである。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、シャフト本体とヨークとを含む伝達シャフトには、ヨークに対するシャフト本体の軸回りにおける空転を防止する空転防止機構が設けられている。空転防止機構は、シャフト本体の外周面に形成されたピン孔と、嵌合筒の内周面からシャフト本体側へ突出してピン孔に嵌め込まれるピンとを含んでいる。
例えば、請求項2記載の発明のようにシャフト本体とヨークとが溶接によって相対回転しないように接合されている場合、シャフト本体とヨークとの間では、溶接部分において操舵部材の回転力を伝達することができる。しかし、シャフト本体とヨークとの連結部分(請求項2の場合は溶接部分)が破損すると、シャフト本体とヨークとは、予見性なく(突然)分離し、回転力を伝達できなくなる虞がある。
しかし、前述したように、この伝達シャフトには、空転防止機構が設けられていて、空転防止機構では、ピンは、ピン孔に対して嵌め込まれている。そのため、前述した連結部分の破損等の不具合が起こったとしても、シャフト本体とヨークとの機械的な接続関係をピンによって最低限維持できる。
また、ピンとピン孔との間には、伝達シャフトの回転方向に遊びが設けられているため、前述した連結部分に不具合が生じたときには、操舵部材の動きに、遊びが生じる。そのため、ユーザは、操舵部材に遊びが生じたことによって、伝達シャフトにおける不具合の発生に気付くことができる。
以上のように、この伝達シャフトでは、ヨークとシャフト本体との連結部分に不具合が生じたときに、ヨークとシャフト本体との空転を防止しつつ、不具合の発生をユーザに気付かせることができる。
また、2次衝突の際、シャフト本体では、2次衝突の衝撃を吸収するために軸部がスリーブ内で移動するのだが、ピンは軸部の移動軌跡から離れた位置に配置されているので、軸部はピンと干渉することなく軸方向に移動可能である。そのため、2次衝突の衝撃を吸収するため軸部の移動量(ストローク量)を大きく確保できる。
請求項記載の発明によれば、空転防止機構が複数設けられているで、ヨークとシャフト本体との連結部分に不具合が発生した後においても、ヨークとシャフト本体との機械的な接続を確実に維持することができる。
図1は、本発明の一実施形態のステアリング装置1の概略平面図である。 図2は、伝達シャフト5の要部の部分断面図である。 図3は、伝達シャフト5に含まれる第1ヨーク12およびスリーブ部28の分解斜視図である。 図4は、図2におけるIV−IV線に沿う伝達シャフト5の断面図の一部を示したものである。 図5は、2次衝突後の伝達シャフト5の要部の部分断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のステアリング装置1の概略平面図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、操舵部材2と、ステアリングシャフト3と、自在継手4と、伝達シャフト5と、自在継手6と、ピニオン軸7と、ラックバー8と、ラックハウジング9とを主に含んでいる。
操舵部材2として、たとえば、ステアリングホイールを用いることができる。操舵部材2には、ステアリングシャフト3の一端が連結されている。ステアリングシャフト3の他端と伝達シャフト5の一端とが自在継手4によって連結されている。また、伝達シャフト5の他端とピニオン軸7の一端とが自在継手6によって連結されている。ステアリングシャフト3と、伝達シャフト5と、ピニオン軸7とは、同一直線上に存在しない。
ピニオン軸7の他端にはピニオン7Aが一体的に設けられている。ラックバー8は、車幅方向(図1の左右方向)に長手の棒状である。ラックバー8には、ピニオン7Aと噛み合うラック8Aが形成されており、ピニオン軸7およびラックバー8によってラックアンドピニオン機構が構成されている。
ラックハウジング9は、車幅方向に長手の中空体であり、車体(図示せず)に固定されている。ラックバー8は、ラックハウジング9内に挿通され、ラックハウジング9によって、軸受等(図示せず)を介して支持されている。この状態で、ラックバー8は、車幅方向にスライド可能である。ラックバー8の両端部は、ラックハウジング9の両外側へ突出しており、ラックバー8の各端部には、タイロッド10が連結されている。タイロッド10は、ナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪11に連結されている。
このようなステアリング装置1において、操舵部材2が操舵されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン7Aおよびラック8Aによって、車幅方向に沿ったラックバー8のスライド(直線運動)に変換される。これにより、ラックバー8の両側の転舵輪11の転舵が達成される。
図2は、伝達シャフト5の要部の部分断面図である。図3は、伝達シャフト5に含まれる第1ヨーク12およびスリーブ部28の分解斜視図である。
伝達シャフト5は、ステアリング装置1に用いられ、操舵部材2に連結されていて、軸周りに回転することで操舵部材2の回転力をピニオン軸7に伝達することができる。
伝達シャフト5は、円筒状のシャフト本体22と、自在継手6の一部とを含んでいる。ここで、シャフト本体22が延びる方向を軸方向Xとする。また、図2において、軸方向Xに垂直な方向のうち図2の紙面に向かって延びる方向を左右方向Yとし、軸方向Xに垂直な方向のうち図2の上下に延びる方向を上下方向Zとする。左右方向Yは、ステアリング装置1が備えられる車両の左右方向と同じであり、上下方向Zは、車両の上下方向とほぼ同じである。また、シャフト本体22の径方向には、符号「R」を付することにし(後述する図4参照)、シャフト本体22の周方向には、符号「C」を付することにする。
以下では、図1に加えて図2および図3も参照して説明する。
図2を参照して、自在継手6は、1対のヨーク(第1ヨーク12および第2ヨーク13)と、十字軸14とを含んでいる。
第1ヨーク12は、図2では第2ヨーク13より左側に位置し、円筒状の嵌合筒15と一対の腕部16とを含んでいる。また、嵌合筒15は、図2では、腕部16よりも左側(伝達シャフト5側)に位置している。図3も参照して、嵌合筒15の中心軸は、軸方向Xに沿っている。嵌合筒15には、軸方向Xから見て円形状の嵌合穴15Aが嵌合筒15の一端部15B(図3では左手前側の端部)を貫通して形成されている。嵌合穴15Aは、嵌合筒15の他端部15C(図3では右奥側の端部)を貫通していない。そのため、嵌合筒15の他端部15Cには、嵌合穴15Aの底面をなす奥面15Dが形成されている。
一対の腕部16は、嵌合筒15と一体的に設けられており、嵌合筒15の他端部15Cから延び出る平板状である。一対の腕部16は、嵌合筒15の外周部分において、周方向に180°隔てた位置に配置され、図2では左右方向Yに対向配置されている。一対の腕部16の先端部16Aには、それぞれ貫通孔17が形成されている。それぞれの貫通孔17は、左右方向Yから見て、同じ位置に配置されている。一対の腕部16は、一対の腕部16の基端部16Bにおいて緩やかに幅広になりながら嵌合筒15の他端部15Cに接続されている。
図2を参照して、第2ヨーク13は、筒部18と一対の腕部19とを含んでいる。図2では、筒部18は、一対の腕部19よりも右側に位置している。一対の腕部19は、筒部18の外周部分において、周方向に180°隔てた位置に配置され、図2では上下方向Zに対向配置されている。一対の腕部19の先端部19Aには、それぞれ貫通孔20が形成されている。それぞれの貫通孔20は、上下方向Zから見て、同じ位置に配置されている。
そして、第2ヨーク13の一対の腕部19は、第1ヨーク12の一対の腕部16と互い違いに並んでいる。そのため一対の腕部19および腕部16は、1つの環状をなしている。
十字軸14は、ブロック状の中心部(図示しない)と、中心部から放射状に延びた4つの円柱部21とを一体的に含んでいる。各円柱部21のうち、一対の円柱部21Aは、同一直線状にあり、残りの一対の円柱部21Bは、円柱部21Aと直交する方向に延びる同一直線状にある。そのため、4つの円柱部21は、全体で十字をなしている。
図2において、十字軸14では、円柱部21Aの延びる方向が左右方向Yと一致し、円柱部21Bの延びる方向が上下方向Zと一致している。この状態で、円柱部21Aは、一対の腕部16の貫通孔17に1つずつ挿通されており、円柱部21Bは、一対の腕部19の貫通孔20に1つずつ挿通されている。そのため、第1ヨーク12と第2ヨーク13とは、ステアリングシャフト3および伝達シャフト5を回転自在に支持する自在継手6を構成している。
伝達シャフト5は、シャフト本体22と、自在継手6を構成するヨークの1つである第1ヨーク12とを含んでいる。
次に、シャフト本体22について詳説する。
シャフト本体22は、筒状のスリーブ部28と、軸部29とを含んでいる。
スリーブ部28は、第1ヨーク12の嵌合筒15と同軸状に配置されている。そのため、第1ヨーク12の嵌合筒15の周方向は、シャフト本体22の周方向Cと一致している。スリーブ部28の一端部28Aは、嵌合筒15の嵌合穴15Aに軸方向Xにおける外側(図2では左側)から挿通されている。言い換えると、嵌合筒15には、軸方向Xにおけるシャフト本体22の一端部(図2では右側の端部)22Aが挿入されている。この状態で、スリーブ部28と第1ヨーク12とは、周方向Cに一体回転可能である。
軸部29は、スリーブ部28に対して同軸状に挿入されている。軸部29は、スプライン嵌合などによって連結されているため、周方向Cにスリーブ部28一体回転可能であり、またスリーブ部28に対して軸方向Xに相対移動可能である。通常状態では、軸部29の一端部29Aは、スリーブ部28の一端部28Aから軸方向Xに外れて(図2では左側へ外れて)配置されている。軸部29の他端部29B(図2では左端部)は、自在継手4(図1参照)と連結されている。また、軸部29は、後述する2次衝突などの強い衝撃を受けることで、軸方向Xに移動可能である。
ここで、第1ヨーク12の嵌合筒15の端面15Fと、スリーブ部28の外周面28B(シャフト本体22の外周面22Bでもある)とは、溶接によって接合されている。この溶接によって、嵌合筒15の端面15Fと、スリーブ部28の外周面28Bとの間には、溶接ビード23が周方向C全域に亘って形成されている。そのため、シャフト本体22と、第1ヨーク12とは、周方向Cおよび軸方向Xに移動不可能な状態で固定されている。このように、伝達シャフト5において、シャフト本体22と第1ヨーク12とは、機械的に接続されており、一体回転する。そのため、伝達シャフト5は、操舵部材2からの回転力を転舵輪11まで伝達することができる。
ただし、溶接ビード23が溶接不良などによって破損する場合が想定される。しかし、溶接ビード23は、破壊検査でしか品質を保証することができず、製品の良否判断を厳密に行うことが難しい。そのため、シャフト本体22と第1ヨーク12とは、溶接ビード23だけで連結されているのであれば、予見性なく分離し、第1ヨーク12に対してシャフト本体22が空転してしまう虞がある。空転が生じると、シャフト本体22と第1ヨーク12との間で回転力を伝達できなくなる。そのため、ユーザが操舵部材2を操舵しても、回転トルクは、転舵輪11まで伝達されないという現象が起こり得る。
そこで、この伝達シャフト5には、空転防止機構24が設けられている。
ちなみに、空転を防止するために、スリーブ部28と第1ヨーク12との互いの対向面にセレーションを設けることも考えられるが、スリーブ部28は、薄肉円筒状であることから、スリーブ部28にセレーションを設ける加工が困難である。
空転防止機構24は、スリーブ部28の外周面28B(シャフト本体22の外周面22B)に形成されたピン孔25と、嵌合筒15の外周面15Gに設けられた挿通孔26と、ピン孔25に対して嵌め込まれるピン27とを含んでいる。
挿通孔26は、嵌合筒15にスリーブ部28が挿通されている領域(図2において溶接ビード23とスリーブ部28の一端部28Aとの間)において、嵌合筒15を貫通して形成されている。挿通孔26は、全体として径方向Rに延びる円筒状であり、第1空間26Aと、第1空間26Aよりも小径の第2空間26Bとを含むように内径が途中で1段変わっている。
第1空間26Aは、嵌合筒15の外周面15Gから嵌合筒15の外部へ露出されている。一方、第2空間26Bは、第1空間26Aと連通しており、嵌合筒15の内周面15Eから嵌合穴15Aに露出している。また、第1空間26Aと第2空間26Bとは、同軸状に配置されている。
ピン27は、全体として円柱状である。ピン27は、円板状の第1部分27Aと、第1部分27Aよりも小径で円柱状をなす第2部分27Bとを一体的に含んでいる。図2の姿勢を基準として、第1部分27Aにおいて径方向Rの内側における部分が、第2部分27Bと接続されている。また、第1部分27Aと第2部分27Bとは、同軸状に配置されている。
ピン孔25は、円形状または周方向Cに延びる長孔状であり、スリーブ部28において嵌合筒15に挿通されている領域(図2において溶接ビード23が形成されている部分よりも右側)を貫通して形成されている。
図2に示すようにシャフト本体22と第1ヨーク12とが組み付けられた状態では、ピン27は、第2部分27Bを上下方向Zの下側に向けて(図3においては、径方向Rの内側に向けて)挿通孔26に挿通されている。この状態で、ピン27の第1部分27Aは、挿通孔26の第1空間26Aに対して圧入などによって固定されている。また、ピン27の第2部分27Bは、挿通孔26の第2空間26Bに対して圧入などによって固定されている。また、第2部分27Bは、周方向Cへの移動が規制されない程度に軸方向Xおよび周方向Cの両方において遊びを持って、ピン孔25に挿通されている。このように、ピン27は、嵌合筒15の内周面15Eからシャフト本体22側へ突出している。
図4は、図2におけるIV−IV線に沿う伝達シャフト5の断面図の一部を示したものである。ここで、図4における紙面に対して直交する方向は、図2における軸方向Xと一致している。また、図4の左右方向は、図2における紙面に対して直交する方向(左右方向Yと一致している。また、図4の上下方向は、図2における上下方向Zと一致している。
以下では、図1〜図3に加えて図4も参照して説明する。
図4も参照して、ピン27の第2部分27Bとピン孔25との間には、周方向C(伝達シャフト5の回転方向でもある)に遊びSが設けられている。つまり、ピン27は、ピン孔25に対して伝達シャフト5の回転方向に遊びSを持って嵌め込まれている。遊びSは、具体的には、ピン孔25の周方向Cにおける幅Wとピン27の第2部分27Bの直径Dとの差を最大寸法とする隙間である。初期状態では、ピン27の周方向Cにおける両側に、同じ大きさの遊びSが存在するように設定されている。また、このようにピン27がピン孔25に挿通された状態で、ピン27の第2部分27Bにおいて径方向Rの内側の先端部27Cは、少なくともスリーブ部28の外周面28Bよりも径方向Rの内側に到達している。通常状態では、ピン27は、ピン孔25の周縁部28D(スリーブ部28においてピン孔25を縁取る部分)とは非接触だが、後述する不具合発生時には、ピン27は、ピン孔25の周縁部28Dと係合することができる。つまり、スリーブ部28と第1ヨーク12とは、溶接ビード23だけでなく、空転防止機構24によっても機械的に接続されている。
そのため、前述した連結部分(シャフト本体22と第1ヨーク12との溶接部分)の破損などの不具合が起こったとしても、ピン27とピン孔25の縁とが周方向Cで係合することによって、シャフト本体22(スリーブ部28)と第1ヨーク12との機械的な接続関係をピン27によって最低限維持できる。この状態でユーザが操舵部材2を操舵すると、回転トルクは、ピン27とピン孔25の周縁部28Dとの係合部分を介して、第1ヨーク12とスリーブ部28(シャフト本体22)との間で伝達される。このように、溶接ビード23が破損する不具合が発生した場合でも、伝達シャフト5の機械的接続が維持されているため、ユーザは、操舵部材2を操舵し、回転トルクを転舵輪11まで伝達させることができる。
また、ピン孔25とピン27とは、遊びSに相当する距離を相対移動できる。そのため、ユーザが操舵部材2を回転させようと操舵しても、ピン27がピン孔25内を周方向Cに移動する間、操舵部材2は、遊びSに相当する回転角だけ空転する。そのため、ユーザは、操舵部材2を操舵する際に、操舵の違和感を感じることができる。ちなみに、遊びSが小さすぎると、ユーザが操舵の違和感を感じることができない。逆に、遊びSが大きすぎると、運転しにくくなる可能性がある。そのため、遊びSに相当する操舵部材2の回転角は、10°〜15°であることが望ましい。
そして、ピン27がピン孔25内を周方向Cに移動した後、ピン27の先端部27Cは、スリーブ部28においてピン孔25の周縁部28Dと当接する。このとき、当該当接によって、ピン27の先端部27Cと周縁部28Dとが接触する音(接触金属音)が発生する。ピン27の先端部27Cと周縁部28Dとが当接している間、ユーザは、通常時と同じ感覚(操舵の違和感を感じることなく)で操舵部材2を操舵し、転舵輪11を転舵させることができる。ピン27は、ユーザが操舵部材2を操舵する毎にピン孔25内を移動する。そのため、操舵の違和感および接触金属音は、操舵部材2の操舵毎(操舵部材2を操舵し直す度)に発生する。
そのため、ユーザは、操舵の違和感や金属接触音によって(操舵部材2に遊びが生じたことによって)、自在継手6を構成する第1ヨーク12とシャフト本体22との溶接部分の破損(伝達シャフト5における不具合の発生)に気付くことができる。このように、空転防止機構24は、いわゆるフェイルセーフ機構として機能し、第1ヨーク12に対するシャフト本体22の軸回りにおける空転を防止することができる。なお、空転防止機構24は、少なくとも溶接ビード23が破損しても暫くは操舵することができる程度の強度を有していればよい。ピン27の径や材質によって空転防止機構24の強度を調節することができる。
図5は、2次衝突後の伝達シャフト5の要部の部分断面図である。ここで、各部材の姿勢は図2と同じである。
以下では、図1〜図4に加えて図5も参照して説明する。
図5を参照して、ステアリング装置1は、いわゆる2次衝突の際には、操舵部材2から伝達される衝撃を吸収する(図1参照)。伝達シャフト5は、シャフト本体22が縮むことによって2次衝突の衝撃を吸収する。詳述すると、2次衝突により、軸部29は、スリーブ部28に対して右側(車体の前側)に移動しながら衝撃を吸収する。そして、軸部29の一端部29Aが嵌合筒15の奥面15Dと当接するまで、軸部29は、スリーブ部28内を軸方向Xに移動する。ここで、ピン27(詳しくは、ピン27の先端部27C)は、軸部29の移動軌跡(図5の軸部29の輪郭と同じ)から径方向Rの外側へ離れた位置に配置されているので、軸部29はピン27と干渉することなく軸方向Xに移動可能である。そのため、2次衝突の衝撃を吸収するため軸部29の移動量(ストローク量)を大きく確保できる。なお、ピン27が軸部29の移動軌跡から離れているのであれば、ピン27の先端部27Cは、スリーブ部28の内周面28Cよりも径方向Rの内側にはみ出していてもよい。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、本実施例において、第1ヨーク12および第2ヨーク13は、自在継手6を構成しているとしたが、第1ヨーク12および第2ヨーク13は、自在継手4を構成していてもよい。この場合、伝達シャフト5は、シャフト本体22と、自在継手4を構成する第1ヨーク12と、空転防止機構24とを含むことになる。また、本実施例において、シャフト本体22のスリーブ部28は、軸部29よりも自在継手6側に配置されているが、第1ヨーク12が自在継手4を構成する場合は、スリーブ部28は、軸部29よりも自在継手4側に配置されることになる。この場合においても、スリーブ部28と第1ヨーク12とは、空転防止機構24(ピン孔25、挿通孔26およびピン27)によって機械的に接続された状態となっている。
また、空転防止機構24(ピン孔25、挿通孔26およびピン27)は、周方向C(伝達シャフト5の回転方向)においてシャフト本体22の一箇所のみに設けられていることに限定されることはなく、複数設けられていてもよい。これにより、第1ヨーク12とシャフト本体22との連結部分(溶接部分)に不具合が発生した後においても、第1ヨーク12とシャフト本体22との機械的な接続を確実に維持することができる。なお、空転防止機構24の数(ピン27の数)によって、空転防止機構24全体の強度を調節することができる。
また、第1ヨーク12とシャフト本体22とは、溶接によって接合されているとしたが、溶接以外の手段(例えば圧入など)で第1ヨーク12とシャフト本体22とを接続することもあり得る。
また、ピン27は、挿通孔26に挿入されてから嵌合筒15とかしめられることによって、嵌合筒15に固定されていてもよい。この場合、ピン27が、挿通孔26に対して、より強固に固定されるため、シャフト本体22と第1ヨーク12との機械的接続を確実に維持することができる。
また、ピン孔25は周方向Cに延びる長孔状としたが、必ずしも長孔状である必要はなく、周方向Cにおいて隙間が存在すればよい。ピン孔25の形状としては、例えば、円形状や長方形などが挙げられる。また、周方向Cにおける隙間の大きさを調整することで、前述した金属接触音や操舵の違和感を調整することができる。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、4…自在継手、5…伝達シャフト、6…自在継手、12…第1ヨーク、15…嵌合筒、15E…内周面、22…シャフト本体、22A…一端部、22B…外周面、24…空転防止機構、25…ピン孔、27…ピン、28…スリーブ部、28A…一端部、28B…外周面、29…軸部、C…周方向、S…遊び、X…軸方向

Claims (3)

  1. ステアリング装置に用いられ、操舵部材に連結されていて、軸周りに回転することで操舵部材の回転力を伝達する伝達シャフトであって、
    軸方向に延びるシャフト本体と、
    前記軸方向における前記シャフト本体の端部が挿入される嵌合筒を含み、自在継手を構成するヨークと、
    前記ヨークに対する前記シャフト本体の軸周りにおける空転を防止する空転防止機構とを含み、
    前記空転防止機構は、
    前記シャフト本体の外周面に形成され、前記伝達シャフトの回転方向に延びるピン孔と、
    前記嵌合筒の内周面から前記シャフト本体側へ突出し、前記回転方向に遊びを持って前記ピン孔に嵌め込まれるように、前記嵌合筒に取り付けられたピンと、を含み、
    前記シャフト本体が、前記ピン孔が貫通して形成された筒状のスリーブ部と、前記スリーブ部に対して挿入され、前記軸方向に移動可能な軸部とを含み、
    前記ピンが、前記軸部の移動軌跡から離れた位置に配置されていることを特徴とする、伝達シャフト。
  2. 前記シャフト本体と前記ヨークとは、溶接によって接合されていることを特徴とする、請求項1記載の伝達シャフト。
  3. 前記空転防止機構は、前記回転方向に複数設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の伝達シャフト。
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