JP6210521B1 - 水素水 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の一般的なPET容器に充填して密封し長期間保存した場合でも、水素量が高く、長い間水素濃度を高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とすること。【解決手段】マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸としての有機酸50の酸処理により沈殿物がなく、好ましくは更にアルカリと混合され、pH1以上、pH10以下、より好ましくはpH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下とした分散液40に陽極及び陰極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1であって、密封容器に充填され、前記容器開封後は25℃〜35℃の範囲内の常温での管理下とする。【選択図】図2

Description

本発明は、水素を豊富に含む水素水に関するもので、特に、長い間高い水素濃度を維持でき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする水素水及びその製造方法に関するものである。
近年、還元力が高い水素(水素分子、原子状水素、マイナス水素イオン、水素化物イオン)には、強い酸化力によってタンパク質やDNA等に損傷を与えて癌、糖尿病、高血圧、心臓病等の生活習慣病を引き起こすとされている活性酸素を除去する働きがあることがわかってきており、健康志向の高まりと相俟って、水素が含まれている水(所謂、水素水、活性水素水と呼ばれるものである)に高い注目が集められている。
このような水素水、活性水素水(以下、両者を区別することなく単に水素水とする)への関心が高まるにつれ、それらの製造手法も様々開発されており、例えば、水の電気分解により水素水を製造する方法、マグネシウム等の金属と水の反応により水素水を製造する方法、水素ガスを加圧等により水に溶解させることで水素水を製造する方法(加圧溶解法/マイクロ・ナノバブル法)等が知られている。
ところが、一般的に、水素分子は分子が小さく水に溶けにくくて様々な材質を透過しやすいため、上述した従来の方法により製造された水素水では、工場で水素水を調製し、それを安価で取扱い易いPET(ポリエチレンテレフタレート)容器に充填しても、水素分子がPET容器から容易に抜け出てしまい、水素濃度を高い状態で長期間維持することは非常に困難で、PET容器での長期保管や流通には向かないとされていた。
また、従来の方法により製造された水素水では、PET容器よりも水素が抜け難いとされているアルミパウチ等のアルミ容器に充填した場合でも、容器を開封した直後から水素が大気中に散逸してしまい、開封後直ぐに一気に飲まなければ水素が急激に減って殆どなくなってしまっていた。そのうえ、アルミパウチ等のアルミ容器はコスト高である。
ここで、特許文献1や特許文献2において、水素水を充填したアルミ容器の空隙に水素を含む混合ガス等を置換して密封することにより、水素水の水素が抜け出るのを防止する技術も開示されているが、開封によって直ぐに水素が大気中に散逸してしまうため、開封後は水素を持続させることはできない。
また、特許文献3に開示されているように、水素水を入れる容器を特殊な構造として水素が抜け出るのを防止するする開発も行われているが、特殊な容器によりコスト高となるうえ、やはり開封によって直ぐに水素が散逸してしまうため、開封して直ぐに飲まなければ水素が急激に減ってしまうことに変わりはない。
一方で、特許文献4乃至特許文献6において、水が入ったPET等の容器にマグネシウム等の金属を含んだ水素発生剤(水素生成器)を取り付けて密封し、飲用する前に所定手段によりマグネシウム等の金属と水を接触させることで水素水を生成する技術も開示されている。
特開2008‐280057号公報 特開2011‐0875475号公報 特開2015‐209255号公報 実用新案登録第3164045号公報 特開2007‐001633号公報 特開2012‐1276395号公報
しかしながら、特許文献4乃至特許文献6の技術においては、使用前にマグネシウム等の金属が入った水素発生体が水と接触しないように容器を特殊な構造とする必要があることから、高額とならざるを得ない。更に、上記と同様、水素は生成された直後から大気中に散逸してしまうため、水素濃度を長時間高く維持するのが困難である。水素発生の持続性を得ようとすると、多量の水素発生体が必要となり、風味に影響を与えコスト上昇を招くことになる。また、大容量の供給にも不向きである。
特に、特許文献5では、水素生成器自体が水中に入るため飲用時にそれが邪魔となる。また、特許文献4は、容器を傾斜若しくは倒立させて容器内の水と水素発生剤を反応させるものであるため、ボトルの流通時の振動等により水素が発生して放散してしまう可能性があり、実用的でない。一方、特許文献6では、スポイドや注射器等を使用して水素と金属を接触させる必要があり、手間がかかり、利便性や手軽さに欠ける。
そこで、本発明は、長い間水素濃度を高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする水素水の提供を課題とするものである。
請求項1の水素水は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液が、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水が密封容器に充填され、前記容器開封後に25℃以上、35℃以下の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下の管理とするものである。
ここで、上記酸処理は、酸と混合して好ましくは、pH1以上、pH5以下、より好ましくは、pH2以上、pH4以下とする。上記酸には、好ましくは有機酸が使用される。そして、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水との混合により生じる沈殿物を、酸を混合することによる酸処理によって溶解(分散)するものである。
更に、上記励起は、分散液に陰極及び陽極を浸漬し、その両極を繋ぐ直流電源により直流電圧を印加することにより行われ、このときの陰極及び陽極の電圧は、例えば、水の電気分解に適した値に設定される。
また、上記容器としては、PET容器、アルミニウム、スチール等の金属缶、ガラスや陶器のビン、アルミ等のラミネートフィルムからなる袋状容器が挙げられる。
なお、上記32℃±1℃の±1℃は、誤差範囲の問題である。
請求項2の水素水は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液が、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水に外力を加え、かつ、25℃以上、35℃以下の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下で管理とするものである。
ここで、上記酸処理は、酸と混合して好ましくは、pH1以上、pH5以下、より好ましくは、pH2以上、pH4以下とする。上記酸には、好ましくは有機酸が使用される。そして、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水との混合により生じる沈殿物を、酸を混合することによる酸処理によって溶解(分散)するものである。
更に、上記励起は、分散液に陰極及び陽極を浸漬し、その両極を繋ぐ直流電源により直流電圧を印加することにより行われ、このときの陰極及び陽極の電圧は、例えば、水の電気分解に適した値に設定される。
また、上記外力は、例えば、圧力を変化させたり、振とう、攪拌等により振動を与えたりして、衝撃や刺激を与えることを意味する。
なお、上記32℃±1℃の±1℃は、誤差範囲の問題である。
請求項1の発明に係る水素水は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液を、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起してなる水素水であって、容器に密封され、前記容器の開封後は25℃〜35℃の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下にするものである。
本発明者は鋭意実験研究の結果、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液が、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水を既存の一般的なPET容器等の容器に入れて密封し、長期間(1年以上)保存後に開封しても溶存水素が検出され、特に容器の開封後に25℃〜35℃の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下で保管することで、安定的に溶存水素量のピーク値が高くなり、容器開封後も数日間の長い間溶存水素量が高くなることを見出し、この知見に基づいて設定されたものである。
即ち、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液がそれに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水を容器に密封した場合、容器の開封後は25℃〜35℃の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下に置くことで、反応性、反応速度等が高まり、水素濃度が高くなり、長い間高い濃度で水素が存在する。特に、既存の一般的なPET容器に密封し、長期保管後に開封した場合でも、開封後は長い間水素濃度を高くできる。
したがって、請求項1の発明の水素水によれば、既存の一般的なPET容器に充填して密封し長期間保管した場合でも水素濃度が高く、長い間水素濃度を高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
請求項2の発明に係る水素水は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液を、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起してなる水素水に外力を加え、かつ、25℃〜35℃の範囲内の常温下、より好ましくは32℃±1℃温度条件下に置くものである。
本発明者は鋭意実験研究の結果、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液が、それに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水を既存の一般的なPET容器等の容器に入れて密封し、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、特に、32℃±1℃温度条件下に置くことで、溶存水素量が高くなるが、容器が未開封の状態で25℃〜35℃の常温の温度条件下、特に、32℃±1℃温度条件下としても、容器開封後に高い溶存水素量が検出されたことから、溶存水素濃度の増大は、容器開封による圧力変化や攪拌、振動、振とう等の外力をきっかけに生じることを見出し、この知見に基づいて設定されたものである。
即ち、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液がそれに浸漬させた陽極及び陰極の電極間への所定の電圧印加により励起されてなる水素水に外力を加え、25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは、32℃±1℃温度条件下に置くことで、反応性、反応速度等が高まり、水素濃度が高くなり、長い間高い濃度で水素が存在する。特に、所定の電圧で励起してから飲用等の用途に供するサーバ等の形態で提供する場合においては、所定の電圧で励起してから外力を加え、25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは、32℃±1℃温度条件下に置くことで、長い間水素濃度を高くできる。また、既存の一般的なPET容器に密封し長期保管後に開封した場合でも、圧力変化や攪拌、振動、振とう等の外力が加わり、25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは、32℃±1℃温度条件下に置かれることで、長い間水素濃度を高くできる。
したがって、請求項2の発明の水素水によれば、長い間水素濃度を高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
図1は本発明の実施の形態に係る水素水の製造工程を示すフローチャートである。 図2は本実施の形態の実施例に係る水素水をPET容器に入れ、容器開封後の保管の温度条件を様々変化させたときの経時的な溶存水素量の測定結果を示すグラフである。 図3は本実施の形態の実施例に係る水素水をPET容器に入れ、数週間経過後(3週間〜1カ月後)に容器を開封し、容器開封後に所定の温度で保管したときの経時的な溶存水素量の測定結果を示すグラフである。 図4は本発明の実施の形態に係る水素水を加熱殺菌した後に容器に充填して密封することにより、加熱殺菌して密封容器入り水素水を製造する製造工程を示すフローチャートである。 図5は本発明の実施の形態に係る水素水を加熱殺菌することなく容器に充填して密封することにより、非加熱で密封容器入り水素水を製造する製造工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する詳細な説明を省略する。
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態に係る水素水1の製造方法について、図1を参照して説明する。
本実施の形態の水素水1の製造方法は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩のリン酸/リン酸塩20と、水30とを混合して分散液40を調製する混合工程(ステップS10)と、調製した分散液40に有機酸50を添加する酸混合工程(ステップS20)と、酸が添加された分散液40にアルカリ60を混合するアルカリ混合工程(ステップS30)と、アルカリ60が混合された分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起する電圧印加工程(ステップS40)を具備する。
以下、図1のフローチャートを参照して、本実施の形態の水素水1の製造方法を具体的に説明する。
本実施の形態では、最初に、混合工程(ステップS10)にて、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸/リン酸塩20と、水30とを混合して分散液40を調製する。
ここで、マグネシウム/カルシウム10は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物から選ばれる1種または2種以上であればよく、マグネシウム化合物としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、塩化マグネシウム(MgCl)等が挙げられ、カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム(CaCO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等が挙げられる。本実施の形態の水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。
本発明を実施する場合、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物は、そのままの形態で添加することも可能であるし、水と混合しマグネシウム/カルシウム分散液の形態で添加することも可能である。
リン酸/リン酸塩20は、リン酸またはリン酸塩のうちの何れか1種以上が使用され、リン酸塩としては、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸鉄、リン酸亜鉛等が挙げられる。本実施の形態の水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。
本発明を実施する場合、リン酸、リン酸塩は、そのままの形態で添加することも可能であるし、水と混合しリン酸/リン酸塩水溶液として添加することも可能である。
また、本実施の形態で使用する水30としては、天然水(ナチュラルウォータ、ナチュラルミネラルウォータ、ミネラルウォータ等)や、純水、滅菌水、蒸留水、イオン交換水、濾過水等の精製水、水道水等が挙げられる。但し、後述するように水素水1の分散媒がミネラル分を含む天然水(ナチュラルミネラルウォータ等)であれば確実に水素濃度を高くできることから、全体の溶液量等を考慮して水の種類が選択される。
そして、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して調製する分散液40を100重量部とするとき、マグネシウム/カルシウム10が、5〜20重量部の範囲内で配合され、リン酸/リン酸塩20が、10〜30重量部の範囲内で配合されるのが好ましい。上記範囲内の配合であれば、確実に長い間水素濃度を高くでき、かつ、風味や透明性が良好で飲用に好適な水素水1が得られる。
なお、本発明者の実験研究によれば、マグネシウム/カルシウム10としてマグネシウム化合物、特に酸化マグネシウムを使用した場合、溶存水素濃度の測定ピーク値(最高値)が高い水素水1が得られることを確認している。カルシウム及び/またはその化合物よりもマグネシウム及び/またはその化合物の方が反応性が高くなると考えている。
続いて、本実施の形態では、酸混合工程(ステップS20)にて、混合工程(ステップS10)で調製した分散液40に有機酸50を混合し、沈殿物を溶解(分散)する。好ましくは、pH1以上、pH5以下、より好ましくは、pH2以上、pH4以下の酸性とされる。
ここで、分散液40のpHは、pHメータよりもpH試験紙で測定することで、共存イオンの影響を排除して正確なpHを測定できることから、pH試験紙で測定したものである。
有機酸50としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、アスコルビン酸やそれらの水溶性の塩等が挙げられ、本実施の形態の水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。有機酸50は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
ここで、有機酸50の添加量は、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20との合計配合量100重量部に対して、100〜200重量部の範囲内とするのが好ましい。
また、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して作製した分散液(40)100重量部に対して、20〜50重量部の範囲内とするのが好ましい。
有機酸50の添加量を上記範囲内とすることで、その後の処理操作性も高くなり、確実に水素濃度を高くすることができ、また、風味や透明性が良好で飲用に好適なものとなる。
なお、有機酸50は、取扱い性や分散性等の観点から、水と混合して有機酸水溶液(例えば、3〜20質量%濃度)の形態で、混合工程(ステップS10)で調製した分散液40と混合させてもよい。
酸混合工程(ステップS20)において、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して調製した分散液40を有機酸50で酸処理して酸性にすることで、分散液40の分散性が高まり、沈殿物が溶解して、その後の処理操作性も良く、水素水1の水素濃度を高くできる。また、濁度が低下して透明度が増す。
次いで、本実施の形態では、アルカリ混合工程(ステップS30)にて、酸混合工程(ステップS20)で酸処理した分散液40にアルカリ60を混合する。好ましくは、pH試験紙による測定でpH1以上、pH10以下の分散液40とする。より好ましくは、pH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下とする。
アルカリ60としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等が挙げられ、本実施の形態の水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。アルカリ60は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
なお、アルカリ60の添加量は、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と有機酸50の合計配合量100重量部に対して、20〜50重量部の範囲内とするのが好ましい。
アルカリ60の添加量を上記範囲内とすることで、確実に水素濃度が高い水素水1が得られ、また、風味や透明性が良好で飲用にも好適なものとなる。
アルカリ60は、取扱い性や分散性等の観点から、水と混合してアルカリ水溶液(例えば、1〜12質量%濃度)の形態で、酸混合工程(ステップS20)で酸性にした分散液40と混合させてもよい。
アルカリ混合工程(ステップS30)において、酸性にした分散液40にアルカリ60を混合することで、確実に安定して長い間水素濃度が高い水素水1が得られ、また、風味が良好で飲用に好適な水素水1とすることができる。
なお、本発明を実施する場合には、酸処理後の分散液40にアルカリ60を混合することなく、次の電圧印加工程(ステップS40)に供することも可能であり、電圧印加する分散液40のpHが好ましくはpH1以上、pH10以下であればよい。pH1以上、pH10以下であれば、確実に水素濃度を長い間高くできる。より好ましくは、pH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下であれば、より水素濃度を高くできる。酸処理された分散液40がそのまま電圧印加に供されることもあれば、酸処理後にアルカリ60を混合してpHの調整を行っても良い。
次に、本実施の形態では、電圧印加工程(ステップS40)にて、アルカリ混合工程(ステップS30)でアルカリ60が混合された分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ、励起している。
このときの陰極及び陽極は、不活性な電極であれば良く、例えば、白金や炭素電極を用いることができる。陰極及び陽極の電圧は、水の電気分解に適した値に設定すれば良く(例えば、3〜20V)、電流は、電極の面積や溶液量等を考慮して適宜設定される(例えば、5〜10A)。電圧を印加し、励起する時間は、溶液量、溶液中の成分量、電圧をかけた後の所望とする溶存水素濃度(例えば、100〜1,500μg/L)等を考慮して適宜設定される(例えば、1〜200分間)。
なお、電圧印加工程(ステップS40)において、アルカリ60混合後の分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に電圧を印加し、励起することで、水が電気分解され、水の電気分解により水素が生成することが考えられる。また、電荷(電子)移動が生じ、水素のキャリアーやドナーとなる微粒子(例えば、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20の混合により生じるマグネシウム/カルシウムーリン酸系の錯体状物や、電極から溶出した電極材料からなる金属粒子や、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水30に含まれているミネラル分の粒子等が考えられる)が生成されたり、その電荷バランスが調整されたり、または、水との反応で水素を生成するマグネシウムやカルシウムが化学的に安定な状態となったりする等のことが考えられる。
このように、本実施の形態では、混合工程(ステップS10)において、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸/リン酸塩20と、水30とを混合して分散液40を調製し、酸混合工程(ステップS20)において、調製した分散液40を有機酸50との混合により酸処理し、アルカリ混合工程(ステップS30)において、酸処理した分散液40にアルカリ60を混合し、電圧印加工程(ステップS40)において、アルカリ60混合後の分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ励起する。
ここで、本発明を実施する場合、電圧印加工程(ステップS40)後に、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水で、例えば、10〜1000倍に希釈してもよい。
例えば、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸/リン酸塩20と水30とを混合して調製する分散液40を100重量部とするとき、マグネシウム/カルシウム10が5〜20重量部の範囲内で混合され、リン酸/リン酸塩20が10〜30重量部の範囲内で混合され、また、有機酸50の添加総量が、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20の合計配合量100重量部に対して100〜200重量部の範囲内とした水素水1にそれの9〜999倍の水を混合して、10〜1000倍に希釈することで、風味や透明性が良好な飲料水として好適なものとなる。
そして、特に、本発明者らの実験研究により、水素水1の分散媒を主に天然水(ナチュラルミネラルウォータ等)、好ましくは、pH10以下の軟水とすることにより水素濃度が高くなることを確認しており、希釈された水素水1は、好ましくは、pH1以上、pH10以下、より好ましくは、pH3以上、pH8以下であれば、確実に水素濃度が高くなる。pH5以上、pH8以下であれば、飲用にも適する。
なお、このような希釈を行った場合には、再度、陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起する第2の電圧印加工程を実施してもよい。これにより、より安定的に水素水1の水素濃度が高くなる。
こうして、本実施の形態の水素水1が製造される。
このようにして製造した水素水1は、既存の一般的なPET容器等に入れて密封保管し、長期間(例えば12カ月以上)経過後に容器を開封して溶存水素濃度を測定しても、所定濃度の溶存水素が検出される。
この理由について科学的な根拠は未詳であるが、例えば、容器開封による圧力変化や振動、振とう、攪拌等の外力をきっかけに水素生成反応が生じるためと考えられる。或いは、水素水1中の水素のキャリアーやドナーとなる微粒子に、生成した水素が吸着・固定されるためと考えられる。例えば、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20の混合によりマグネシウム/カルシウムーリン酸系の錯体状物(一例として、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH)の錯体状物や、Mg10(PO(OH)の錯体状物等)が生成され、このマグネシウム/カルシウムーリン酸系の錯体状物に生成した水素が吸着・固定されることで、或いは、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水に含まれているミネラル分の粒子等に水素が吸着・固定されることで水素が散逸し難くなり、また、PET容器に充填して密封しても、水素が吸着固定されている微粒子がPET容器のPET樹脂よりも高分子であることで水素がPET容器から抜け難くなっていることが考えられる。
なお、本発明者らの実験研究では、このようにして製造された水素水1について、市販の一般的なPET容器に入れて密封保管し、所定期間経過後に開封して測定した溶存水素濃度が、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水で希釈する前の電圧印加工程(ステップS40)直後に測定した溶存水素濃度に対して希釈倍率で換算した値と比較して、高くなることを確認しており、このことからも、生成した水素が上記のキャリアーやドナーとなる微粒子に吸着・固定されて散逸し難くなっていること、或いは、開封による圧力変化や振動、振とう、攪拌等の外力をきっかけに水素生成反応が生じることを裏付けできる。
因みに、本実施の形態の水素水1においては、分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に電圧を印加し、励起することで水が電気分解され、水の電気分解により水素が生成されたことが考えられる。
また、混合工程(ステップS10)におけるマグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30の混合により、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20の反応でMg2+、Ca2+が生じ(以下、Mg2+の例で示すが、Ca2+も同様である)、例えば、以下の反応式(1)、(2)に示した反応によって水素が生成された可能性もある。
Mg2++4e+H0→2H+2MgO・・・(1)
Mg2++2HO+2e→Mg(OH)+H・・・(2)
または、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水に含まれるミネラルが同様に反応した可能性もある。
更に、酸混合工程(ステップS20)での有機酸50による酸処理で、MgH(PO)、Mg(POが生じ、その後のアルカリ混合工程(ステップ30)でのアルカリ60の混合によって以下の反応式(3)と(4)に示した反応が生じ、この反応によっても水素が生成された可能性もある。
Mg(PO+5H0+Mg+4H
→Mg10(PO(OH)+12H・・・(3)
12H+12e→6H・・・(4)
その他、水素化マグネシウムや水素化カルシウム等と水との反応により水素が生成された可能性や、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水と電圧印加された分散液40との反応による水素生成の可能性や、水素マグネシウム/カルシウムーリン酸系の錯体状物等の触媒的作用によって、以下の反応式(5)と(6)に示した反応が促進されて水素が生成された可能性もある。
2HO→2H+2OH・・・(5)
2H+2e→H・・・(6)
このように本実施の形態の水素水1は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合して調製した分散液40を酸としての有機酸50と混合して沈殿物を溶解(分散)し、また、アルカリ60と混合し、その後、分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ、励起することにより得られたものである。
また、本実施の形態の水素水1の製造方法は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合して分散液40を調製する混合工程(ステップS10)と、調製した分散液40を酸としての有機酸50の混合により酸処理して沈殿物を溶解(分散)する酸混合工程(ステップS20)と、酸処理した分散液40をアルカリ60と混合するアルカリ混合工程(ステップS30)と、アルカリ60混合後の分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ、励起する電圧印加工程(ステップS40)を具備するものである。
ところで、本発明を実施する場合には、混合工程(ステップS10)で分散液40を調製するときに、及び/または、混合工程(ステップS10)、酸混合工程(ステップS20)、アルカリ混合工程(ステップS30)、電圧印加工程(ステップS40)の何れか1以上の工程後の分散液40に、更に、鉄、鉄化合物、亜鉛、亜鉛化合物のうちの少なくとも1種の鉄/亜鉛を添加してもよい。鉄/亜鉛を混合することで、水素濃度が増大し、より高い溶存水素濃度の測定ピーク値が得られ、かつ、長い間水素濃度を高くできる。
このときの鉄/亜鉛は、鉄、鉄化合物、亜鉛、亜鉛化合物から選ばれる1種または2種以上であればよく、鉄化合物としては、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、硫酸第1鉄(FeSO・7HO)、酸化鉄(II)(FeO)、四酸化三鉄(Fe)、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム等が挙げられる。亜鉛化合物としては、塩化亜鉛(ZnCl)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、グルコン酸亜鉛(C122214Zn)等が挙げられる。水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。また、本発明を実施する場合、鉄/亜鉛は、そのまま添加することも可能であるし、水と混合し鉄/亜鉛水溶液として添加することも可能である。
鉄/亜鉛を添加するタイミングは、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して分散液40を調製するときでも良いし、これらを混合して分散液40を調製した後でも良いし、有機酸50と混合して酸性の分散液40とした後でも良いし、アルカリ60と混合した後の分散液40であっても良いし、陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけて励起した後の分散液40であっても良い。
特に、分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけて励起することによって電子の移動(供受)が生じることから、電圧印加を行う前までに分散液40に鉄/亜鉛を添加した場合、鉄/亜鉛による高い水素濃度の増大効果が期待できる。更には有機酸50と混合する前の分散液40を調製する段階で添加した場合、鉄/亜鉛によるより高い水素濃度の増大効果が期待できる。
鉄/亜鉛は、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水で希釈される前の水素水(1)1Lに対して1〜100mgの範囲内で配合されることが好ましい。鉄/亜鉛の配合を上記範囲内とすることで、風味や透明性の低下を招くことなく顕著に水素濃度を高くすることができ、飲用にも適する。
また、本発明を実施する場合には、混合工程(ステップS10)で分散液40を調製するときに、及び/または、混合工程(ステップS10)、酸混合工程(ステップS20)、アルカリ混合工程(ステップS30)、電圧印加工程(ステップS40)の何れか1以上の工程後の分散液40に、糖類及び/または多糖類を添加してもよい。糖類及び/または多糖類を添加することによっても、水素濃度が増大し、より高い溶存水素濃度の測定ピーク値が得られ、かつ、長い間水素濃度を高くできる。
このときの糖類/多糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、砂糖、乳糖、麦芽糖等の糖類や、オリゴ糖、デキストリン、でんぷん等の多糖類が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明を実施する場合、糖類/多糖類は、そのまま添加することも可能であるし、水と混合して糖類/多糖類水溶液の形態で添加することも可能である。
糖類/多糖類を添加するタイミングは、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して分散液40を調製するときでも良いし、これらを混合して分散液40を調製した後でも良いし、有機酸50が混合されて酸性の分散液40とした後でも良いし、アルカリ60混合後の分散液40であっても良いし、電圧印加後の分散液40であっても良い。
特に、電圧の印加によって電子の移動(供受)が生じることから、電圧印加を行う前までに分散液40に糖類/多糖類を添加した場合、糖類/多糖類による高い水素濃度の増大効果が期待できる。更には有機酸50と混合する前の分散液40を調製する段階で添加した場合、糖類/多糖類によるより高い水素濃度の増大効果が期待できる。
糖類/多糖類の配合は、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水で希釈される前の水素水(1)1Lに対して10〜100mgの範囲内で配合されるのが好ましい。
糖類/多糖類の配合を上記範囲内とすることで、風味や透明性の低下を招くことなく顕著に水素濃度を高くすることができ、飲用にも適する。
更に、本発明を実施する場合には、アルカリ混合工程(ステップS30)と電圧印加工程(ステップS40)との間に、アルカリ60混合後の分散液40に再度、有機酸を混合する第2の酸混合工程を入れ、第2の酸混合工程(ステップ120)にてアルカリ60混合後の分散液40に再度、有機酸を混合し、そして、電圧印加工程(ステップS40)にて、再度の有機酸混合後の分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ、励起するようにしても良い。
第2の酸混合工程で使用する有機酸としては、酸混合工程(ステップ20)で使用される有機酸50と同様、クエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、アスコルビン酸やそれらの水溶性の塩等が挙げられ、本実施の形態の水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。酸混合工程(ステップS20)で使用した有機酸50と同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。
なお、第2の酸混合工程を実施する場合、有機酸の添加総量が、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩の合計配合量100重量部に対して、100〜200重量部の範囲内とするのが好ましい。また、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30を混合して作製した分散液(40)100重量部に対して、20〜50重量部の範囲内とするのが好ましい。添加総量を上記範囲内とすることで、その後の処理操作性も高くなり、確実に水素濃度を高くできる水素水1が得られ、また、風味や透明性が良好な飲用に好適なものとなる。
このように、アルカリ混合工程(ステップS30)後に、第2の酸混合工程として、アルカリ60混合後の分散液40に再度、有機酸を混合し、pH試験紙による測定でpH1以上、pH5以下、好ましくはpH3以上、pH5以下の分散液40としてから、電圧印加工程(ステップS40)にて、pH1以上、pH5以下とした分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけ、励起することによっても、水素濃度が増大する。
なお、第2の酸混合工程を実施した場合、本実施の形態の水素水1の目的、用途等に応じて電圧印加工程(ステップS40)後にpH調整を行ってもよい。例えば、本実施の形態の水素水1を飲用水として提供する場合には、電圧印加工程(ステップS40)後に、第2のアルカリ混合工程を実施し、第2のアルカリ混合工程にて、陰極及び陽極が浸漬されてそれら電極間に所定の電圧がかけられた分散液40に再度アルカリを混合して、pH試験紙による測定でpH5以上、pH8以下の分散液40として、風味が良好で飲用に好適な水素水1とするpH調整を行う。最終的に希釈された水素水1は、好ましくはpH1以上、pH10以下、より好ましくは、pH3以上、pH8以下であれば確実に水素濃度が高くなる。特に、pH5以上、pH8以下であれば飲用にも適する。
第2のアルカリ混合工程で使用するアルカリも、アルカリ混合工程(ステップS30)で使用されるアルカリ60と同様、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等が挙げられ、水素水1を飲用とする場合には、食品添加物として許可されているものが使用される。アルカリ混合工程(ステップS30)で使用したアルカリ60と同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。
そして、この第2のアルカリ混合工程を実施した後、天然水等(ナチュラルミネラルウォータ等)の水で、例えば、10〜1000倍に希釈することで、風味的に飲用に好適なものとなる。
加えて、本発明を実施する場合には、混合工程(ステップS10)で分散液40を調製するときに、及び/または、混合工程(ステップS10)、酸混合工程(ステップS20)、アルカリ混合工程(ステップS30)、電圧印加工程(ステップS40)の何れか1以上の工程後の分散液40に塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ナトリウム(NaCl)等の金属の塩化物を混合してもよい。塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ナトリウム(NaCl)等の金属の塩化物を混合することで、細菌、カビ等の微生物の増殖が抑制され保管性(日持ち)が向上することを確認している。
これは、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の塩化物イオンが細菌、カビ等の微生物の増殖抑制に関与しており、特に、上記のマグネシウム/カルシウム‐リン酸系の錯体状物等がイオン交換能を有し、この錯体状物に塩化物イオンが取り込まれることで、希釈しても微生物の増殖を抑制する効果が持続的に発揮されるものと思われる。
なお、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等はマグネシウム/カルシウム10として使用することも可能であり、マグネシウム/カルシウム10として塩化マグネシウム、塩化カルシウム使用した場合でも同様の効果が得られる。塩化物として塩化マグネシウム、塩化カルシウムを使用する場合には、電圧印加工程(ステップ40)に至るまでの間に分散液40に混合されることで塩化マグネシウムのマグネシウムや塩化カルシウムのカルシウムが水素の生成や吸着・固定に関与し、水素濃度の増大を期待できる。
加えて、本発明を実施する場合には、更に、植物エキスを添加してもよい。植物エキスを添加することで、水素濃度が増大し、長く水素が高い濃度で存在する。
植物エキスの植物としては、例えば、野菜類、果実類、穀物類、豆類、茶類、竹類、木の実類(種実類)、花木類等が挙げられる。
好適には、果実類、緑黄色野菜類、ハーブ・薬草類、木の実類(種実類)、花木類のエキスである。より好適には、柑橘類のエキスを添加することにより、安定的に水素濃度のピーク値が高くなり、長い間水素水1の水素濃度が高くなる。
柑橘類としては、例えば、イヨカン、甘夏カン、ハッサク、柚子、キンカン、ミカン、ネーブル、グレープフルーツ、レモン、スダチ、ライム、ダイダイ、カボス、ザボン等が挙げられる。中でも、伊予柑、デコポン、柚子、グレープフルーツ、レモン等の添加により、極めて高い水素濃度のピーク値が得られ、安定的に長い間水素水1の水素濃度が高くなる。
緑黄色野菜類としては、例えば、ブロッコリー、大麦若葉、ケール、カボチャ、ニラ、ニンジン、小松菜、トマト、ホウレンソウ、モロヘイヤ、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、メキャベツ等が挙げられ、中でも、ブロッコリー、大麦若葉、ケール、カボチャ、ニラ等の添加により高い水素濃度のピーク値が得られ、安定的に長い間水素水1の水素濃度が高くなる。
ハーブ・薬草類としては、例えば、カモミール、ドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウ葉、レモンバーム、ミント、シソ、エゴマ、ローズマリー、タイム、セージ、レモングラス等が挙げられ、中でも、カモミール、ドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウ葉、シソ等の添加により高い水素濃度のピーク値が得られ、安定的に長い間水素水1の水素濃度が高くなる。
また、果実類としてはキウイ、イチゴ、リンゴ、ライチ等が挙げられ、豆類としては大豆等、木の実(種実類)としては胡桃等、花木類としては椿等が挙げられる。
植物エキスは、天然の植物から採取されたものが使用され、例えば、原料である植物から搾取した搾汁や、水やエタノール等の溶媒と混合し、必要に応じて加熱、加圧・減圧、乾燥、遠心分離等による固液分離、濃縮等を行って、抽出した抽出物が使用され、搾取や抽出方法については特に限定されない。添加する形態も粉末状等の固体形態であってもよいし液体等の流動体の形態であってもよい。
また、エキスを採取する植物の部位や成長時期は、特に限定されず、例えば、根、葉、実、実の皮、茎、枝、芽、種子等からの採取が可能であるが、好適には、食用とされる部位、または種子、または種子から発芽した芽(新芽)から採取されたエキスの添加により極めて高い水素濃度のピーク値が得られ、安定的に長い間水素水1の水素濃度が高くなる。食用部位としては、例えば、植物の実、葉、花のつぼみ、茎(地下の茎を含む)、根が挙げられる。
更に、本発明を実施する場合、電圧印加工程(ステップS40)後の分散液40にミネラルを添加することも可能である。ミネラルを添加することで、本実施の形態の水素水1を飲用とした場合には、ミネラルの摂取による栄養補給が可能となる。特に、ミネラルとして硫酸銅を添加した場合、細菌、カビ等の微生物の増殖を抑制でき保管性(日持ち)を向上できる。例えば、硫酸銅を電圧印加工程(ステップS40)後の分散液(40)100重量部に対し0.0002重量部〜0.02重量部の範囲内で添加することで、本実施の形態の水素水1を製造後加熱することなく蓋をして放置した場合、6カ月経過後も濁度が上昇することなく微生物の増殖が抑制されることを確認している。
何れにせよ、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20と水30とを混合して調製した分散液40を有機酸50と混合して酸処理により沈殿物を溶解(分散)した後、分散液40に陽極及び陰極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなるものであればよい。
即ち、本実施の形態の水素水1はマグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合して分散液40を調製する混合工程(ステップS10)と、調製した分散液40を酸としての有機酸50の混合により沈殿物を溶解(分散)する酸混合工程(ステップS20)と、沈殿物をなくした分散液40を電気分解する電気分解工程(ステップS40)とを具備するものであればよい。また、好ましくは、酸混合工程(ステップS20)と電圧印加工程(ステップS40)の間で酸処理した分散液40にアルカリ60を混合するアルカリ混合工程(ステップS30)を具備する。
ここで、上記酸混合工程(ステップS20)は、酸50の混合により、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30との混合により生じた沈殿物を溶解(分散)させる工程であり、好ましくはpH1以上、pH5以下、より好ましくは、pH2以上、pH4以下の酸性とする。
また、上記アルカリ混合工程(ステップS30)では、アルカリ60と混合しても好ましくは、pH1以上、pH10以下とされ、より好ましくはpH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下とされる。
更に、上記電圧印加工程(ステップS40)は、沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、その両極を繋ぐ直流電源により直流電圧を印加することにより行われ、このときの陰極及び陽極の電圧は、例えば、水の電気分解に適した値に設定される。
次に、実施例を具体的に説明する。
まず、本実施例に係る水素水1は、図1のフローチャートにしたがい、表1に示した配合内容で製造した。なお、表1の数値は各配合成分を重量部で示したものである。
Figure 0006210521
具体的に、本実施例の水素水1においては、まず、マグネシウム/カルシウム10としての酸化マグネシウム(MgO)と、水30としての精製水とを混合して酸化マグネシウムの分散液Aを作製し、この酸化マグネシウム分散液Aを、リン酸/リン酸塩20としてのリン酸(HPO)及び水30としての精製水を混合して作製したリン酸水溶液Bに加えて攪拌した後、所定時間(例えば、10〜30分間)静置して分散液40を調製することで、混合工程(ステップS10)を実施した。得られた分散液40全体は、混合直後はコロイド状に白濁し、静置後には白い沈殿物と透明な上澄みに分かれた。
次に、混合工程(ステップS10)で調製した分散液40と、有機酸50としてのクエン酸及び精製水を混合して作製した有機酸水溶液Cとを混合し攪拌して酸処理を行うことで、酸混合工程(ステップS20)を実施した。酸処理後の分散液40は、沈殿物がなく殆ど透明であり、pH試験紙による測定でpH=2〜3であった。
続いて、酸混合工程(ステップS20)で有機酸50が添加された分散液40と、アルカリ60としての水酸化カリウム(KOH)及び精製水を混合して作製したアルカリ水溶液Dとを混合し攪拌して、アルカリ混合工程(ステップS30)を実施した。アルカリ60混合後の分散液40全体は、沈殿物もなく殆ど透明であり、pH試験紙による測定でpH=3〜4であった。
次いで、アルカリ混合工程(ステップS30)でアルカリ60が混合された分散液40に対して4〜7Vで7Aの直流を5分間流して電圧印加を行い、電圧印加工程(ステップS40)を実施した。このようにして水素水1を得た。
本実施例では、電圧印加後に、岐阜県の奥長良川(岐阜県関市洞戸)で採水した地下水を原水として後述の図4及び図5で示すような所定の濾過や殺菌等を行った天然水(ナチュラルミネラルウォータ)で100倍に希釈して水素水1を得た。
なお、100倍希釈した後の水素水1は、pH試験紙による測定でpH=5〜8であり、透明で風味も良いことから飲料にも適する。
念のため、希釈に使用した天然水(ナチュラルミネラルウォータ)の成分を表2に示す。
Figure 0006210521

次に、このようにして図1で示した製造方法で製造された水素水1について、上記100倍希釈してから、90℃で30分加熱を行った後、既存の一般的なPET容器に充填しキャップをして密封し、流水で冷却してから保管し、所定期間経過後に密封系を開封し、容器開封後の保管温度の条件を様々変化させて溶存水素量の測定を行った。
具体的には、図1で示した製造方法で製造された水素水1について、既存の一般的なPET容器に入れて充填しキャップをして密封し、それを流水で冷却して密封容器入り水素水を作製した。そして、この密封容器入り水素水について、所定期間経過後に開封し、まず、初回の溶存水素量の測定を行い、初回の溶存水素量の測定を終えた後、再度PET容器に入れてキャップを閉めてから、所定の温度条件下で保管を行い、経時的に溶存水素濃度の測定を行った。
溶存水素量の測定に際しては、水素水1が入ったPET容器のキャップを開け、PET容器内の水素水1を測定用の容器に移し、磁気スターラで所定時間(30秒〜1分程度)攪拌しながら、測定を行った。そして、測定後の水素水1はPET容器に再度戻し、キャップを閉めて、次の測定時で使用するまで所定条件下で保管した。測定は、密封されたPET容器の開封直後に初回測定を開始し、1日に1回とした。
溶存水素量の測定は、共栄電子研究所製KM2100DH(隔膜式ポーラロ方式、溶存水素を定量的に測定する)によって行った。
まず、容器の密封系を開封し、初回の溶存水素濃度の測定を終えた密封容器入り水素水について、所定の温度(32℃、37℃)制御下での保管と、所定範囲の室温下での保管を行ったときの溶存水素量の測定結果を下記の表3及びそれに対応した図2のグラフに示す。
なお、ここでは、図1で示した製造方法で製造された水素水1をPET容器に入れて密封してから1週間以内に容器の開封を行い、溶存水素量の測定を開始した。
下記の表3で示すように、図2のグラフにおいて、18℃は、約18℃±1℃の室温下で開封後(初回測定後)の保管を行い、22℃は、約22℃±1℃の室温下で開封後の保管を行い、24℃は、約24℃±1℃の室温下で開封後の保管を行い、26℃は、約26℃±1℃の室温下で開封後の保管を行ったときの溶存水素量の経時的な測定結果を示したものである。
また、32℃、37℃は、各温度に保温したインキュベータに水素水1が入ったPET容器を入れて、各所定温度制御下で開封後の保管を行ったときの溶存水素量の経時的な測定結果を示したものである。
Figure 0006210521

表3及び図2のグラフに示したように、開封後の保管温度条件が18℃〜32℃の範囲内では、温度が高くなるほど、溶存水素濃度の測定ピーク値が高くなり、溶存水素が数日間の長い間高い濃度で存在し、また、開封後の早い段階で溶存水素濃度の増大が確認された。しかし、37℃といった高い温度の保管条件では、溶存水素濃度の測定ピーク値が低く、溶存水素の検出も短い間しか見られなかった。特に、32℃の温度条件下とすることで、最も溶存水素濃度の測定ピーク値が高くなり、しかも、開封後の早い段階で高いピーク値が得られ、溶存水素が数日間の長い間最も高い濃度で存在した。
そして、本発明者の実験研究により、18℃〜37℃では、32℃前後をピークとし、それよりも低温条件下では、温度が高くなるほど溶存水素濃度のピーク値が高くなる正の比例関係の傾向となる一方で、32℃前後でピークを迎えた後は、温度が高くなると溶存水素濃度のピーク値が低くなる負の比例関係の傾向となることが判明した。
特に、JIS Z 8703で規定される20℃±15℃(5℃〜35℃)の常温の温度範囲のうち、好ましくは25℃〜35℃の範囲内の常温下で開封後に保管を行うことにより、開封後の早い段階で溶存水素濃度が増大し、安定して高い溶存水素量が得られ、溶存水素が数日間の長い間高い濃度で存在した。より好ましくは、32℃±1℃の温度条件下で保管することにより溶存水素量のピーク値が最も高くなり、長い間溶存水素が高い濃度で存在した。
なお、このように容器開封後の保管の温度条件によって溶存水素量の測定値が変動する理由について科学的な根拠は未詳であるが、所定の温度条件とすることにより反応性(水素生成、水素遊離の促進、酸素の溶解が少なくなることによる水素消費の低減化等)、反応速度等が高くなったことが考えられる。
また、表3に示したように、図1で示した製造方法で製造された水素水1においては、容器開封後の溶存水素量の測定値は経時的に増大したのち減少して0に収束していくが、溶存水素量の増大に伴い、酸化還元電位が減少し、また、溶存水素量の減少に伴い、酸化還元電位の増大が見られる。一方、容器開封後、pHは徐々に上昇している。
ここで、念のため、図1で示した製造方法で製造された水素水1をPET容器に入れて密封してから3週間後〜1カ月後に容器の開封を行い、溶存水素量の測定を開始し、開封後に所定条件の温度下で保管を行ったときの溶存水素量の測定結果についても下記の表4及びそれに対応する図3のグラフに示す。
図3においては、表4に示したように、水素水1をPET容器に入れて密封してから室温条件(10〜25℃)下で保管を行い、容器を密封してから3週間後に開封して初回の溶存水素量測定後に約21℃±1℃の室温下で保管を行ったもの(21℃;3週間後に開封)と、容器を密封してから1カ月後に開封して初回の溶存水素量測定後に約21℃±1℃の室温下で保管を行ったもの(21℃;1カ月後に開封)についての溶存水素量の経時的な測定結果を示した。
また、水素水1をPET容器に入れて密封してから室温条件(10〜25℃)下で保管を行い、容器を密封してから3週間後に開封して初回の溶存水素量測定後に水素水1が入ったPET容器を32℃に保温したインキュベータに入れて保管を行ったもの(32℃;3週間後に開封)と、容器を密封してから1カ月後に開封して初回の溶存水素量測定後に水素水1が入ったPET容器を32℃に保温したインキュベータに入れて保管を行ったもの(32℃;1カ月後に開封)についての溶存水素量の経時的な測定結果も図3に併せて示した。
Figure 0006210521
表4及び図3のグラフに示したように、本実施例に係る水素水1をPET容器に入れて密封してから3週間〜1カ月後に容器の開封を行った場合でも、溶存水素が検出され、開封後に21℃の室温条件下で保管を行った場合よりも、32℃の温度条件下で保管を行った方が開封後の早い段階で溶存水素量が増大し、溶存水素量の測定ピーク値が高くなり、長く高い濃度で溶存水素が存在することが確認された。
更に、本発明者の実験研究によれば、1年以上もの長い間未開封の状態で常温保管し、長期間保管後に開封して溶存水素量を測定しても、所定の溶存水素量が検出され、特に、25℃〜35℃の範囲内の常温下、より好ましくは、32℃±1℃の温度条件下で開封後に保管を行うことにより、開封後の早い段階で溶存水素濃度が増大し、より安定的に溶存水素量が高くなり、溶存水素が数日間の長い間高い濃度で存在することを確認している。
このように、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸処理により沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1を既存の一般的にPET容器等の容器に入れて密封し長期間(1年以上)保管後に開封しても、溶存水素が検出され、特に容器の開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、開封後の早い段階で溶存水素濃度が増大し、安定的に溶存水素量が高くなり、容器開封後も数日間の長い間溶存水素量が高くなる。
つまり、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸処理により沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1をPET等の容器に密封した場合、容器の開封後は25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、反応性、反応速度等が高まり、高い溶存水素量が長い間得られる。
ここで、図1で示した製造方法で製造された水素水1においては、容器開封直後の初回測定よりもその次回(開封日の翌日)以降の測定で溶存水素量の測定値の増大が確認されていることから、開封をきっかけに(例えば、開封時の圧力(気圧)変化や振動、振とう、攪拌等の外力が加わることにより、或いは、溶存水素量や溶存酸素量等の変化により)溶存水素量の変化が生じるものと推測される。
例えば、図1で示した製造方法で製造された水素水1においては、開封時の圧力(気圧)変化や振動、振とう、攪拌等の外力が加わること等により上記の反応式(1)〜(6)等で示したような水素生成反応が促進されることが考えられる。或いは、開封時の圧力(気圧)変化や振動、振とう、攪拌等の外力が加わること等により、上記の水素のキャリアーやドナーとなる微粒子(例えば、マグネシウム/カルシウム10とリン酸/リン酸塩20の混合により生じるマグネシウム/カルシウム‐リン酸系の錯体状物や、天然水等(ミネラルウォータ等)の水に含まれているミネラル分の粒子等)に吸着・固定された水素の遊離が促進されて、溶存水素として検出されることが考えられる。また、これらの反応が持続的に生じることで、長く溶存水素が高い濃度で存在していることが考えられる。更に、上述したように、容器開封後、pHが徐々に上昇していることから、圧力変化や攪拌、振とう、振動等の外力が加えられたことで、化学的反応が生じた可能性も考えられる。なお、外力を継続的に加えることで反応性や反応速度が高まり早くに水素濃度の増大が見られることが予測される。
更に、本発明者は、図1で示した製造方法で製造された水素水1をPET容器に密封してから、未開封状態でも所定期間32℃の温度条件下で保管を行い、更に、容器開封後も32℃の温度条件下で保管を行った場合においても、高い溶存水素量が検出されることを確認しており、PET等の容器に密封されて未開封の状態で単にその温度条件下とするだけでは反応性が遅く水素が容器から抜け出ていく恐れも少なく、容器の開封をきっかけとする開封時の圧力(気圧)変化や振動、振とう、攪拌等の外力が加わること等により生じる反応の促進効果が特定温度条件下で高まるものと推測される。
つまり、温度条件によって上記反応性(水素生成、水素遊離の促進や、酸素の溶解が少なくなることによる水素消費の低減化等)、反応速度等が変化し、反応促進は温度依存性が高いものと考えている。
よって、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸処理により沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1に外力を加え、25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことにより、反応性が高まって高い溶存水素量のピーク値が得られ、長い間溶存水素量が高くなる。
こうして、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸処理により沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1をPET容器に密封し、容器開封後には25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下で保管することで、既存の一般的なPET容器に充填して密封し長期間保存した場合でも、容器開封後の水素濃度を長い間高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
また、マグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸処理により沈殿物が溶解(分散)された分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1に外力を加え、25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下で保管することにより、水素濃度を長い間高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
特に、製造後の直ぐに飲用可能とするサーバ等の形態で提供する際でも、圧力(気圧)変化や振動、振とう、攪拌等の外力を加えることにより反応性、反応速度等が高まり、その反応促進効果は25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下とすることで、更に高めることができ、長い間溶存水素量が高くなる。
そして、このように数日間の長い間水素が顕著に高い濃度で存在するため、飲用に好適とされるほか、化粧品(育毛剤、整髪料等を含む)、農業用水(植物の生育、肥料、活力用等)、精密機械部品(例えば、半導体用シリコン基板、液晶用ガラス基板等)の洗浄水(酸化防止用等)、食品の日持ち向上、酸化防止等の用途にも適する。
ここで、図1で示した製造方法で製造された水素水1について、PET等の容器に充填して密封容器入り水素水を製造する方法を図4及び図5を参照しながら説明する。
最初に、加熱殺菌を行って密封容器入り水素水を製造する方法について、製造方法の概略工程図を示した図4を参照して説明する。
加熱殺菌を行って密封容器入り水素水1を製造する方法においては、汲み上げた地下水(天然水)Wを原水として例えば、30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過する原水濾過工程(ステップS111)と、このようにして濾過した水に上記図1に示した電圧印加工程(ステップS40)後の水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一にする混合工程(ステップS112)と、希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起する(第2の)電圧印加工程(ステップS114)と、電圧印加工程(ステップS114)後の水素水1を例えば、1μm以下のフィルタ114に通過させることにより精密濾過する精密濾過工程(ステップS116)と、精密濾過した水素水1を容器130aに充填し、容器130aをキャップ130bで密封する容器充填工程(ステップS117)と、混合工程(ステップS112)で希釈を行って後から容器充填工程(ステップS117)に至る間に85℃〜135℃、30分の加熱殺菌を行う加熱殺菌工程(ステップS115)とを有する。
図4において、原水の地下水Wは、所謂、天然水等であり、例えば鉱化された地下水等が使用される。地下水(天然水)Wは、地下水汲み上げ用の市販の汲み上げポンプ等によって汲み上げられ、1次フィルタ111に通過させる濾過工程(ステップS111)に入り、1次フィルタ111によって異物、不純物等が除去される。
1次フィルタ111は、例えば、濾過精度(ポアサイズ)が30μm〜20μm以下の1種または2種以上のフィルタからなり、殆どの地下水Wに入っている鉱物種類の粒子等の異物、不純物が除去できるようになっている。
この1次フィルタ111によって地下水W中の異物、不純物等を除去することにより、水素濃度を安定させることができる。また、下流側のフィルタの負荷を軽減する。更に、微生物の栄養源でもある地下水W中の異物、不純物等が除去されることで、後の製造工程における微生物の繁殖を抑制し、タンク、配管等の設備における衛生管理の負担を軽減できる。
そして、図4においては、汲み上げポンプ等で汲み上げられ1次フィルタ111を通過して濾過された水は、一時的な汲み上げ用の天然水補助タンク121に収容される流れとなっている。
なお、天然水補助タンク121は、1次フィルタ111からの濾過水を逆流させて1次フィルタ111の洗浄、所謂、逆洗を行う容量を少なくとも有する濾過水のタンクであり、逆洗を行う1次フィルタ111を使用するために必要なもので、使い捨てのフィルタを使用する場合には必要でない。
一時的な汲み上げ用の天然水補助タンク121に収容され、所定容量を満たしたのちは、天然水補助タンク121の下流側に配設された混合タンク123に供給される。
本発明を実施する場合には、後述する1μm以下のファイナルフィルタ114の負荷を軽減して寿命を延ばすために、また、後の製造工程における微生物の繁殖を抑制し、タンク、配管等の設備における衛生管理の負担を軽減するために、必要に応じて、天然水補助タンク121と混合タンク123と間に、2次フィルタ112や3次フィルタ113が配設される。
2次フィルタ112は、1次フィルタ111よりも濾過精度の高いフィルタ、例えば、濾過精度(ポアサイズ)が30μm〜10μm以下の1種または2種以上のフィルタからなり、3次フィルタ113は、2次フィルタ112よりも更に濾過精度の高いフィルタ、例えば、濾過精度(ポアサイズ)が10μm〜1μm以下の1種または2種以上のフィルタからなる。この2次フィルタ112や3次フィルタ113を1次フィルタ111の下流側で混合タンク123の直前の入力側に設けることによって、1次フィルタ111のときよりも更に細かい異物、不純物、細菌等が除去される。また、後述する1μm以下のファイナルフィルタ114の負荷を軽減して寿命を延ばすことができる。更に、微生物の栄養源でもある地下水W中の異物、不純物等が除去されることで、後の製造工程における微生物の繁殖を抑制し、タンク等の設備における衛生管理の負担をより軽減できる。
なお、1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113の濾過精度(ポアサイズ)については、上述のサイズに限定されるものではなく、密封容器入り水素水の製造工程の各機能が効率よく動作するように設定されればよい。原水の汲み取り場所によっては、また、後述のファイナルフィルタ114を短期間に交換することを好む場合には、何れかを省略することも可能であり、結果的に、水素水1と混合される前段階で地下水Wに入っている鉱物種類の粒子等の不純物を除去できていればよい。勿論、2次フィルタ112、3次フィルタ113についても逆洗可能なフィルタとすることも可能である。 このような1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113としては、例えば、ポリプロピレン製ワインドフィルタカートリッジ等を使用できる。各フィルタにおいて、2種以上のフィルタを組み合わせて使用する場合には、フィルタの負荷を軽減するために、上流側から下流側にむかってポアサイズが順に小さくなるように配置するのが望ましい。
このように汲み上げポンプ等で汲み上げられた地下水Wは、濾過工程(ステップS111)において、1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113を順に通過させることにより濾過されたのち、混合タンク123に流れ込み、収容される。
そして、混合工程(ステップS112)において、1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113にて濾過されて混合タンク123に収容された濾過水に、上述の図1に示す電圧印加(ステップS40)された水素水1が混合される。即ち、上述した製造工程を経た水素水1は、1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113にて濾過されて混合タンク123に収容された濾過水と混合されることで希釈される。
なお、図4において、上述した図1の製造工程の電圧印加工程(ステップS40)後の水素水1は、一時的な貯留用の水素水貯留タンク122aに所定量収容され、この水素水貯留タンク122aから混合タンク123内へ供給される。
即ち、濾過水と混合される水素水1には、図1で示した混合工程(ステップS10)、酸混合工程(ステップS20)、アルカリ混合工程(ステップS30)、電圧印加工程(ステップ40)を経て得られたものが使用される。
この混合工程(ステップS112)においては、例えば、上記図1の電圧印加工程(ステップ40)後の水素水1(電圧印加直後の測定で溶存水素濃度が例えば、100〜1,500μg/L)の総量1Lに対して、濾過水が9〜999L混合され、水素水1が濾過された水との混合により10〜1000倍に希釈されるようにする。即ち、電圧印加後の水素水(1)1Lに対し、水素水1の9〜999倍量の濾過水が混合される。これにより、地下水(天然水)W本来の風味が生かされて、かつ、水素濃度を長い間高くできる密封容器入りの水素水が得られる。
また、この混合工程(ステップS112)では、所定の容積を有し、1次フィルタ111、2次フィルタ112、3次フィルタ113を通過した濾過水が収容され、この濾過水に対応した供給量で水素水貯留タンク122aから水素水1が供給される。そして、混合タンク123において、電動機で回転させる攪拌ファン等からなる撹拌手段によって撹拌され均一になるようにしている。なお、混合タンク123において水素水1に対して濾過水を添加するようにしてもよいし、水素水1と濾過水が同じタイミングで混合されるようにしてもよい。
そして、混合タンク123にて希釈された水素水1は、紫外線殺菌工程(ステップS113)にて、紫外線装置が組み込まれた紫外線タンク装置内に収容され、所定時間紫外線殺菌される。後述する加熱殺菌工程(ステップS115)前に紫外線殺菌工程(ステップS113)を組み込むことにより、後の製造工程における微生物の繁殖を抑制し、タンク、配管等の設備における衛生管理の負担を軽減でき、衛生面での製造管理が容易となる。
続いて、紫外線殺菌を終えた水素水1は、(第2の)電圧印加工程(S114)にて、電圧印加装置が組み込まれたタンク装置内に収容され、陰極及び陽極が浸漬されてそれら電極間に所定の電圧が所定時間かけられ、励起される。陰極及び陽極は、不活性な電極であれば良く、例えば、白金や炭素電極を用いることができる。陰極及び陽極の電圧は、水の電気分解に適した値に設定すれば良く(例えば、3〜20V)、電流は、電極の面積や溶液量等を考慮して適宜設定される(例えば、5A〜10A)。電圧印加時間は、溶液量、溶液中の成分量、電圧をかけた後の所望とする溶存水素濃度等を考慮して適宜設定される(例えば、1〜200分間)。
混合工程(S112)後に、電圧印加工程(S114)を組み込むことで、水素濃度が安定的に高くなり、安定した品質を確保できる。
そして、陰極及び陽極が浸漬されてそれら電極間に所定の電圧がかけられ励起された水素水1は、加熱殺菌工程(S115)にて、プレートヒータや加熱管路が配設された加熱タンク内に収容され、例えば、85〜135℃の温度で30分間加熱殺菌される。
そして、加熱殺菌を終えた水素水1は、精密濾過工程(S116)におけるファイナルフィルタ114に供給される。
ファイナルフィルタ114は、例えば、少なくとも精密濾過により異味、異臭、不純物や、水素水1の製造段階で生じた沈殿物を除去できる程度の濾過性能を有していればよく、濾過精度(ポアサイズ)が1μm以下のフィルタを使用する。負荷の軽減のためには、例えば、1μm〜5μmのフィルタと0.5μm以下のフィルタとが併用される。
このファイナルフィルタ114としては、例えば、濾材をポリサルホンとしたポリサルホン製のメンブレンフィルタカートリッジ等が使用できる。
特に、ファイナルフィルタ114の前に加熱殺菌を行っている場合には、加熱殺菌の余熱(例えば、85℃〜135℃、30分保持した余熱)が存在するから、ファイナルフィルタ114において微生物の繁殖が抑制され、長寿命化を図ることができる。
そして、精密濾過工程(S116)において、ファイナルフィルタ114を通過させることにより精密濾過された水素水1は、クリーンルーム内の充填タンク124に供給される。
充填タンク124に収容された水素水1は、容器充填工程(ステップS117)において、クリーンルーム内にて、所定の充填速度で、液体充填機130によりPET容器、アルミニウム、スチール等の金属缶、ガラスや陶器のビン、アルミ等のラミネートフィルムからなる袋状容器等の容器130aに充填される。そして、液体充填機130では、容器130aに水素水1を充填し、充填した後に容器130aのキャップ130bで密封する。キャップ130bには、例えば、バキュームで異物を吸い取った後に、紫外線殺菌処理がなされたものが使用される。なお、必要に応じてスチーム殺菌や無菌エアーブロー処理が行われることもある。また、容器130aは、例えば、消毒薬により殺菌洗浄がなされた後、殺菌洗浄液を除去する濯ぎ洗浄を行って薬剤等を完全に落とし、その後、ビンロウ紫外線処理がなされたものが使用される。このときの洗浄には、濾過水や水素水1を使用できる。
このとき、好ましくは容器の空間容量の90%〜100%の範囲内、より好ましくは95%〜100%の範囲内に水素水1が充填される。これによって、容器内での水素水1の移動や内壁面の衝突を最小限にして、上記反応(水素の生成や水素の遊離の促進等)を抑えることができる。
更に、水素水1が充填された容器130aをキャップ130bで密封した後は、加熱殺菌の余熱(85℃〜135℃、30分保持した余熱)が存在するから、必要に応じて、水素水1が充填された容器130aを転倒することにより、キャップ130bの裏を殺菌することができる。また、図26においては、低温殺菌・冷却工程(ステップS118)にて、パストライザー等を使用し時間をかけながら低温殺菌し、冷却する。これにより、水素水1の味を変化させないようにすることできる。その他、キャップ130bで密栓した容器130aごと水槽内を潜らせることにより、冷却を行っても良い。この低温殺菌・冷却工程(ステップS118)を経て出荷される。このようにして、密封容器入り水素水が製造される。
ここで、上述したように、図1で示した製造方法で製造された水素水1においては、25℃〜35℃の範囲内、特に、32℃±1℃の温度条件下で溶存水素濃度が高くなるから、品質の安定化を図るために、この一連の製造工程は、20℃以下で行うのが望ましい。なお、上記の図1で示した製造方法で製造された水素水1は、殺菌の加熱温度(85℃〜135℃、30分保持)では、水素が消失してしまう可能性が低い。
こうして製造された密封容器入り水素水は、上述したように、既存の一般的なPET容器に充填して密封し長期間保存した場合でも、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、容器開封後の早い段階で水素濃度が増大し、水素濃度を数日間の長い間高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
ところで、本発明を実施する場合には、加熱殺菌のタイミングは、水素水1を希釈した後から、容器充填工程(ステップS117)に至るまでの間であればよく、例えば、混合タンク123にジャケットを有する加熱タンク等を使用して加熱殺菌を行ってもよいし、ファイナルフィルタ114を通過後に加熱殺菌を行っても良い。加熱手段も特に限定されることなく、例えば、ヒータや熱交換が可能な所定の蒸気圧の螺旋状の加熱管路をタンクに配設し加熱蒸気で加熱殺菌を行うことも可能である。加熱タンクには通常、温度を均一化するための撹拌手段が設けられる。
加熱殺菌工程(ステップS115)によって菌を死滅させることで、薬剤による殺菌処理を行うことなく容器入りを可能としており、地下水(天然水)Wの本来の風味を生かした密封容器入り水素水とすることができる。
次に、加熱殺菌を行わず非加熱で密封容器入り水素水を製造する方法について、製造方法の概略工程図を示した図5を参照して説明する。
非加熱で密封容器入り水素水を製造する方法においては、汲み上げた地下水Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過する原水濾過工程(ステップS111)と、このようにして濾過した水に上記図1に示した電圧印加工程(ステップS40)後の水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一にする混合工程(ステップS122)と、希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起する電圧印加工程(ステップS114)と、水素水1を0.2μm以下のフィルタ114Aに通過させることにより除菌濾過する除菌濾過工程(ステップS116A)と、除菌濾過した水素水1を容器130aに非加熱除菌常温充填し、容器130aをキャップ130bで密封する容器充填工程(ステップS117)とを有する。
非加熱で密封容器入り水素水を製造する場合においては、ファイナルフィルタ114Aに0.2μm以下のフィルタを使用して除菌機能を持たせることにより、水素水1を非加熱除菌し、クリーンルーム内で容器130aに充填した。
即ち、図5に示したように、非加熱で密封容器入り水素水を製造する場合、加熱殺菌を行う図4と比較して、電圧印加工程(ステップS114)までは形式的には同一であり、陰極及び陽極が浸漬されてそれら電極間に所定の電圧がかけられ励起された後に水素水1を0.2μm以下のファイナルフィルタ114Aを通過させることにより、異味、異臭、不純物の除去に加え除菌を行うことで、加熱殺菌工程を省略している。それ以降の処理は、図4と同様、除菌されたクリーンルームで行われ、ファイナルフィルタ114Aを通過した水素水1は、クリーンルーム内の充填タンク124に収容され、所定の充填速度で、充填タンク124から液体充填機130で容器130aとしてのPET容器、アルミニウム缶、スチール缶等に非加熱状態の常温で充填され、充填後に容器130aのキャップ130bで密封された後、出荷される。
このときのファイナルフィルタ114Aは、例えば、非加熱で水素水1の除菌効果があることが確認されている濾過精度(ポアサイズ)が少なくとも0.2μm以下のフィルタを使用することによって、異味、異臭、不純物の除去に加え除菌を行い、加熱殺菌工程を省略できる。この0.2μm以下のフィルタとしては、例えば、濾材をポリサルホンとしたポリサルホン製のメンブレンフィルタカートリッジ等が使用できる。
特に、0.2μm以下のフィルタの前に、それよりも2.5倍〜5倍以上の濾過精度の開きがあるフィルタを配設することにより、0.2μm以下のフィルタの負荷を軽減して非加熱での除菌効果を上げることができる。即ち、0.2μm以下のフィルタの負荷の軽減のためには、それの5倍以下の濾過精度のフィルタを前に配設するのが好適であり、それによって、水素水1の非加熱での除菌効果を上げることができる。このため、0.2μm以下のフィルタの上流側に、1μm〜0.5μmの濾過精度のフィルタを配設するのが好ましい。
しかし、ファイナルフィルタ114Aについては、0.2μm以下のフィルタの機能があれば、フィルタの組合せは上記に限定されない。勿論、ファイナルフィルタ114Aについても逆洗可能なフィルタとしてもよい。
このように、図5では、0.2μm以下のファイナルフィルタ114Aを通過させることによって除菌及び異味、異臭、不純物を除去し、塩素処理等の薬剤による殺菌処理及び加熱による殺菌処理を行うことなく容器130aに非加熱除菌常温充填した。
特に、殺菌のために温度を上昇させないから、塩素処理等の薬剤処理及び加熱処理による風味の劣化もなく、天然水Wの本来の風味をより生かすことができる。また、より安定的に水素濃度が高くなることが期待できる。
加えて、除菌濾過工程(ステップ116A)前に紫外線殺菌を行うことで、除菌濾過工程(ステップ116A)前までの細菌の増殖を抑制でき、製造設備、衛生管理が容易となり、特に、0.2μmフィルタ114Aの長寿命化を図ることができる。
以上説明してきたように、図4において、密封容器入り水素水は、原水濾過工程(ステップS111)で汲み上げた原水Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過し、混合工程(ステップS112)で濾過水と水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一にして、電圧印加工程(ステップS114)で混合工程(ステップS112)で希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起し、更に、水素水1を精密濾過工程(ステップS116)で1μm以下のフィルタ114に通過させることにより精密濾過し、容器充填工程(ステップS117)で、精密濾過した水素水1を容器130aに充填し、容器130aをキャップ130bで密封することにより製造される。また、この間の水素水1が希釈された後から容器充填工程(ステップS117)に至る間に85℃〜135℃の30分の加熱殺菌工程(ステップS115)を設けて加熱殺菌する。
したがって、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合したのち、酸としての有機酸50を混合して沈殿物をなくした分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極を所定の電圧で励起し、容器に充填され密封された密封容器入り水素水の製造方法であって、汲み上げた原水Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過する原水濾過工程(ステップS111)と、このようにして濾過した水に水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一にする混合工程(ステップS112)と、混合工程後(ステップS112)の希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起する電圧印加工程(ステップS114)と、励起した水素水1を1μm以下のフィルタ114に通過させることにより精密濾過する精密濾過工程(ステップS116)と、精密濾過した水素水1を容器130aに充填し、容器130aをキャップ130bで密封する容器充填工程(ステップS117)と、水素水1が希釈された後から容器充填工程(ステップS117)に至る間に85℃〜135℃、30分の加熱殺菌を行う加熱殺菌工程(ステップS115)を経て水素水1が容器に密封され、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置く密閉容器入り水素水として捉えることができる。
また、図5において、非加熱の密封容器入り水素水は、原水濾過工程(ステップS111)で汲み上げた天然水Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過し、混合工程(ステップS112)で原水濾過工程(ステップS111)を経て濾過された水に水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一し、電圧印加工程(ステップS114)で混合工程(ステップS112)後の水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起し、除菌濾過工程(ステップS116A)で、水素水1を0.2μm以下のフィルタ114Aに通過させることにより除菌濾過し、容器充填工程(ステップS117)で、除菌濾過した水素水1を容器130aに非加熱除菌常温充填し、容器130aをキャップ130bで密封することにより製造される。
即ち、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合したのち、酸としての有機酸50を混合して沈殿物をなくした分散液40に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極を所定の電圧で励起し、容器に充填され密封された密封容器入り水素水の製造方法であって、汲み上げた天然水Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることにより濾過する原水濾過工程(ステップS111)と、このようにして濾過した水に水素水1を混合して希釈し攪拌手段によって均一にする混合工程(ステップS112)と、混合工程後(ステップS112)の希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起する電圧印加工程(ステップS114)と、励起した水素水1を0.2μm以下のフィルタ114Aに通過させることにより除菌濾過する除菌濾過工程(ステップS116A)と、除菌濾過した水素水1を容器130aに充填し、容器130aをキャップ130bで密封する容器充填工程(ステップS117)を経て水素水1が容器に密封され、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置く密閉容器入り水素水として捉えることができる。
ここで、上記原水濾過工程(ステップS111)は、汲み上げた原水としての地下水(天然水)Wを30μm以下のフィルタ111、112、113に通過させることによって、殆どの地下水に含まれる鉱物種類の粒子等の異物、不純物を除去する工程である。汲み上げた原水は地下水であるか否かを問わず、湧水、井戸水、精製水、蒸留水、水道水等であっても良い。
上記30μm以下のフィルタ111、112、113は、ここでは、不純物の除去の対象が、主に、地下水Wに含まれる鉱物種類等であることから、鉱物種類等を除去できる能力を持つフィルタとして、濾過精度が30μm以下と規定したものである。なお、かかるフィルタとしては、2種以上(2段以上)を適宜組み合わせて用いてもよく、複数のフィルタを使用する場合には、原水が濾過性能の低いフィルタから濾過性能の高いフィルタへと順に通過すようにフィルタを配設してフィルタの負荷を軽減する構成とするのが望ましい。
上記混合工程(ステップS112)は、濾過された水と水素水1を混合して希釈し、撹拌手段によって均一な混合状態とする工程であり、上記攪拌手段は、濾過水と水素水1が均一な混合となるように攪拌するものであればよく、例えば、攪拌ファンを用いたり、超音波振動器を用いたりすることによって、均質にすることができる。
また、上記電圧印加工程(ステップS114)は、混合工程(ステップS112)後の希釈された水素水1に陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間に所定の電圧をかけて、励起する工程である。
更に、図4において、上記精密濾過工程(ステップS116)は、水素水1を1μm以下のフィルタに通過させることによって精密濾過処理を施し異味、異臭、不純物を除去する工程である。
上記1μm以下のフィルタとは、本工程では、除去の対象が、主に、異味、異臭、不純物等の微粒子であることから、かかる微粒子を除去できる能力を持つフィルタとして、濾過精度が1μm以下と規定したものである。特に、0.2μm以下のフィルタを用いることで除菌も可能となる。なお、かかるフィルタとしては、2種以上(2段以上)を適宜組み合わせて用いてもよく、複数のフィルタを使用する場合には、フィルタの目詰まりを少なくして負荷が軽減されるよう、水素水1が濾過性能の低いフィルタから濾過性能の高いフィルタへと順に通過すようにフィルタを配設する構成とし、順次細かいものを除去するのが望ましい。
一方、図5において、上記除菌濾過工程(ステップS116A)は、水素水1を0.2μm以下のフィルタに通過させることによって精密濾過処理を施し除菌及び異味、異臭、不純物を除去する工程である。
上記0.2μm以下のフィルタとは、本工程での除去の対象が、主に、一般細菌及び真菌の微生物等であることから、一般細菌及び真菌の微生物等を除去できる能力を持つフィルタとして濾過精度が0.2μm以下と規定したものであり、除菌効果がある0.2μm以下のフィルタを使用することで、加熱殺菌を不要とすることができる。特に、0.2μm以下のフィルタの前に、0.2μm以下のフィルタの2.5倍〜5倍の濾過精度の開きがある1μm〜0.5μmの範囲内のフィルタを設け、水素水を1μm〜0.5μmの範囲内のフィルタ及び0.2μm以下のフィルタの順に通過させる2段構成とすることにより、0.2μm以下のフィルタの目詰まりを少なくして負荷を軽減し、非加熱で除菌効果を上げることができる。
加えて、図4において、上記容器充填工程(ステップS117)は、水素水1をPET容器等の容器130aに充填し、容器130aをキャップ(栓)130bで密封する工程である。容器130aの材質は特に問われず、PET等の樹脂、アルミやスチール等の金属、陶器、ガラス等が使用できる。特に、図1に示した製造方法で製造された水素水1をPET容器に入れて長期間保存後に開封したときでも、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、高い水素濃度が長く検出される。
また、図5において、上記容器充填工程(ステップS117)は、水素水1をPET容器等の容器130aに非加熱除菌常温充填し、130aをキャップ(栓)130bで密封する工程である。上記非加熱除菌常温充填とは、水素水1をクリーンルーム等の除菌された(無菌の)常温下で充填するものであればよい。なお、容器130aの材質は特に問われず、PET等の樹脂、アルミやスチール等の金属、陶器、ガラス等が使用できる。特に、図1に示した製造方法で製造された水素水1をPET容器に入れて長期間保存後に開封したときでも、容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、高い水素濃度が長く検出される。
また、図4において、上記加熱殺菌工程(ステップS115)は、水素水1が希釈された後から容器充填工程(ステップS117)に至る間に135℃、30分の加熱を設け、そこで殺菌を行う工程である。
更に、図4及び図5において、混合工程(ステップS112)で水素水1が希釈された後から電圧印加工程(ステップS114)に至るまでに混合液の紫外線殺菌を行う紫外線殺菌工程(ステップS113)を具備することから、混合工程後(ステップS112)の細菌の増殖が抑制され、衛生面での製造管理が容易となる。
特に、図4において、加熱殺菌前に紫外線殺菌を行うことで、混合工程(ステップS112)後から加熱殺菌工程(ステップ115)までの細菌の増殖を抑制でき、製造設備の衛生管理が容易となる。
また、図5において、除菌濾過工程(ステップ116A)前に紫外線殺菌を行うことで、混合工程(ステップS112)後から除菌濾過工程(ステップ116A)までの細菌の増殖を抑制でき、製造設備、衛生管理が容易となり、特に、0.2μmフィルタ114Aの長寿命化を図ることができる。
このように製造された密封容器入り水素水を容器開封後に25℃〜35℃の常温の温度条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下に置くことで、容器開封後の早い段階で溶存水素濃度が増大し、数日間の長い間水素濃度を高くでき、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
そして、上述した密封容器入り水素水では、30μm以下のフィルタ111、112、113で濾過された水と水素水1が混合されて攪拌手段によって攪拌された後、(第2の)電圧印加工程(ステップS114)で陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起することで、安定的に水素濃度が高くなり、安定した品質が得られる。
また、水素濃度が100〜1,500μg/Lである水素水1に対し、9〜999倍の濾過された水(天然水)を混合することで水素水1を10〜1000倍に希釈する。これにより、天然水W本来の風味が生かされ風味が良好で飲用に適し、かつ、長い間水素濃度を高くできる。特に、濾過された水(天然水)と混合して水素水1を希釈した後、(第2の)電圧印加工程(ステップS114)で陰極及び陽極を浸漬してそれら電極間を所定の電圧で励起することにより、安定して水素濃度を高くできる。
以上説明してきたように、本発明の水素水1は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸としての有機酸50の酸処理により沈殿物がなく、好ましくは更にアルカリと混合され、pH1以上、pH10以下、より好ましくはpH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下とした分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1であって、容器に密封され、容器開封後に25℃〜35℃の範囲内の常温条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下で保管するものである。
マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸としての有機酸50の酸処理により沈殿物のない分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1を容器に密封し、容器開封後に25℃〜35℃の範囲内の常温条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下とすることにより、容器開封後の早い段階で水素濃度が増大し、水素量を高くでき、長い間水素濃度を高くできる。
したがって、本発明の水素水1によれば、長い間水素が高い濃度で存在し、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
そして、本発明の水素水1によれば、既存の一般的なPET容器に充填して密封し長期間保存した場合でも、開封後、長い間水素が高い濃度で持続し、容器を特殊な構造とする必要もないため、低コストである。
また、本発明の水素水1は、マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸としての有機酸50の酸処理により沈殿物がなく、好ましくは更にアルカリと混合され、pH1以上、pH10以下、より好ましくはpH3以上、pH8以下、更に好ましくは、pH3以上、pH5以下とした分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1であって、外力を加え、かつ、25℃〜35℃の範囲内の常温条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下とするものである。
マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種のマグネシウム/カルシウム10と、リン酸及び/またはリン酸塩20と、水30とを混合してなり、酸としての有機酸50の酸処理により沈殿物のない分散液40に陰極及び陽極を浸漬し、それら電極間を所定の電圧で励起してなる水素水1に外力を加え、かつ、25℃〜35℃の範囲内の常温条件下、より好ましくは32℃±1℃の温度条件下とすることにより、容器開封後の早い段階で水素濃度が増大し、水素量を高くでき、長い間水素濃度を高くできる。
したがって、本発明の水素水1によれば、長い間水素が高い濃度で存在し、水素濃度が高い状態での摂取を可能とする。
1 水素水
10 マグネシウム/カルシウム
20 リン酸/リン酸塩
30 水
40 分散液
50 有機酸
60 アルカリ

Claims (2)

  1. マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液に陽極及び陰極の電極を浸漬して前記陽極及び前記陰極の前記電極間へ電圧印加し、前記電圧印加により電気分解されて水素が生成されてなる水素水であって、
    密封容器に充填された前記密封容器開封後に25℃以上、35℃以下の温度下に制御されていることを特徴とする水素水。
  2. マグネシウム、マグネシウム化合物、カルシウム、カルシウム化合物のうちの少なくとも1種と、リン酸及び/またはリン酸塩と、水とが混合されてなり、酸処理により沈殿物のない分散液に陽極及び陰極の電極を浸漬して前記陽極及び前記陰極の前記電極間へ電圧印加し、前記電圧印加により電気分解されて水素が生成されてなる水素水であって、
    外力が加えられ、かつ、25℃以上、35℃以下の温度下に制御されていることを特徴とする水素水。
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