JP6210458B2 - 故障検知システム及び故障検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、収音素子の故障を検知する故障検知システム及び故障検知方法に関する。
音声等、目的とする音を収音する際、騒音や妨害音声等、不要な音をなるべく収音しないようにする高SN比収音技術が強く望まれている。この技術を達成するために、複数のマイク素子から構成された収音器(マイクアレイ装置)を用いた信号処理が有効であると考えられている。
マイクアレイ装置を用いた信号処理の一例として、各マイク素子において収音された音声信号にマイク素子毎に異なる遅延時間を付加した後で音声信号の総和をとることで、所定方向に音声の指向性を形成する方法(遅延和方式)がある。この遅延和方式では、信号処理を行う信号処理装置における指向性の制御が容易である反面、低い周波数に対して指向性を得ようとすると指向性のビーム幅を狭くする必要があるため、マイク素子の配置数が増えることになり、結果的にマイクアレイ装置のサイズが大きくなってしまう。
また、上述した遅延和方式に対し、音声信号に遅延時間を付加した後に音声信号同士を減算して、雑音方向に死角(感度が低い)を形成することで所定方向に音声の指向性を形成する方法(遅延差方式)がある。このような遅延差方式を用いるマイクアレイ装置は、周囲の雑音環境に応じた指向特性を自動的に形成することから、適応型マイクアレイ装置と呼ばれる。
適応型マイクアレイ装置における指向性の形成原理は次の通りである(例えば、非特許文献1参照)。適応型マイクアレイ装置は、目的の音声信号の到来方向と各々のマイクロホンの配置位置とを用いて、目的方向の音声信号が各マイクロホンで収音される時の時間差を幾何学的に計算する。適応型マイクアレイ装置は、各マイクロホンにより収音された音声信号に、この時間差に相当する遅延量を付加する。これにより、音声信号は目的方向に同相化する。また、適応型マイクアレイ装置は、同相化した音声信号のうち隣り合う音声信号の差を取ることで、目的方向の音声信号を打ち消し合い、隣接数分の複数の雑音のみ含んだ信号(雑音信号)が得られる。適応型マイクアレイ装置は、各雑音信号に対して適応フィルタを通過させた後、第1のマイクロホンの遅延出力から各適応フィルタ出力を減算することで、周囲雑音を抑圧して目的方向に指向性が形成された音声信号が得られる。
大賀、山崎、金田 共著 「音響システムとディジタル処理」 (株)コロナ社出版、1995年3月25日、P190(Griffith-Jim形の適応マイクロホンアレー)
非特許文献1において説明した遅延差方式を用いた適応型マイクアレイ装置では、いずれかのマイク素子に特性劣化或いは故障が生じていると、音声信号の差分結果に影響が生じてしまい、周囲雑音が抑圧された目的方向の音声信号が得られず、指向性形成精度が劣化することがある。
このため、遅延差方式を用いた適応型マイクアレイ装置では、使用中にマイク素子やマイク素子により収音された音声信号を増幅する回路の特性を監視し、全てのマイク素子の特性が揃っていることを確認する必要がある。
しかしながら、マイクアレイ装置を用いて任意の方向に指向性を形成しようとする場合、非特許文献1では実際の使用前の時点において全てのマイク素子の特性が揃っていることが前提であるため、実際の使用中にマイク素子の特性劣化や故障が生じることは考慮されていない。このため、例えば実際の使用中に、マイク素子の特性劣化や故障があると、マイクアレイ装置から特定の方向への音声の指向性の形成精度が劣化すると考えられる。
本発明は、上述した従来の状況に鑑みて、実際の使用中であっても、マイクアレイ装置に含まれる各マイク素子の特性を監視し、マイク素子に異常が生じた場合でも、異常が生じたマイク素子を特定し、所定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制する故障検知システム及び故障検知方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の収音素子を含む収音部と、音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する第1算出部と、前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出する第2算出部と、前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定する故障判定部と、を備え、前記第1算出部は、所定の時間間隔毎に前記収音素子により収音された音声をサンプリングして、前記収音素子により収音された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する、故障検知システムである。
また、本発明は、複数の収音素子を含む収音部を有する故障検知システムにおける故障検知方法であって、音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出するステップと、前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出するステップと、前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定するステップと、を有し、前記音声の平均パワーを算出するステップでは、所定の時間間隔毎に前記収音素子により収音された音声をサンプリングして、前記収音素子により収音された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する、故障検知方法である。
本発明によれば、実際の使用中であっても、マイクアレイ装置に含まれる各マイク素子の特性を監視し、マイク素子に異常が生じた場合でも、異常が生じたマイク素子を特定し、所定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制することができる。
第1の実施形態の故障検知システムのシステム構成を示すブロック図 (A)〜(E)全方位マイクアレイ装置の外観図 全方位マイクアレイ装置により収音された音声に対して方向θに指向性を形成する原理の一例の説明図 全方位マイクアレイ装置の内部構成を示すブロック図 信号処理部及びメモリの内部構成を示すブロック図 (A),(B)全方位マイクアレイ装置が行うエラー検知処理の方法を説明する図 全方位マイクアレイ装置におけるエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャート 指向性制御装置における指向性形成動作及びエラー検出処理の動作手順を説明するフローチャート (A),(B)指向性制御装置におけるエラー検出処理の方法を説明する図 図8に示すステップS23における音声信号のエラー検出処理の動作手順を説明するフローチャート 図10に続くステップS23における音声信号のエラー検出処理の動作手順を説明するフローチャート (A)ディスプレイ装置の画面を示す図、(B)ディスプレイ装置の画面に表示されるパトランプのアイコンを示す図 (A)ディスプレイ装置の画面を示す図、(B)ディスプレイ装置の画面に表示されるポップアップウインドウを示す図 (A)ディスプレイ装置の画面においてログ表示を行わせる操作を示す図、(B)ログ表示が行われたディスプレイ装置の画面の一部を示す図 (A)第2の実施形態における全方位マイクアレイ装置の内部構成を示すブロック図、(B)全方位マイクアレイ装置から送信される音声パケットPKTの構造を示す図 指向性制御装置における指向性形成動作及びエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャート 第3の実施形態の指向性制御装置における指向性形成動作及びエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャート
以下、本発明に係る故障検知システム及び故障検知方法の各実施形態について、図面を参照して説明する。各実施形態の故障検知システムは、例えば工場、公共施設(例えば図書館、イベント会場)、又は店舗(例えば小売店、銀行)に設置される監視システム(有人監視システム及び無人監視システムを含む)に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の故障検知システム10のシステム構成を示すブロック図である。図1に示す故障検知システム10は、全方位マイクアレイ装置2と、カメラ装置C11と、指向性制御装置3と、レコーダ装置4とを含む構成である。全方位マイクアレイ装置2は、故障検知システム10が設置される収音領域における音声を収音し、例えば収音領域に存在する音源の一例としての人物の発する音声を収音する。
本実施形態の全方位マイクアレイ装置2の筐体形状は、円盤の形状を例示して説明するが、円盤の形状に限定されず、例えばドーナツ型形状又はリング型形状(図2(A)〜(E)参照)でも良い。
全方位マイクアレイ装置2では、例えば円盤状の筐体21の円周方向に沿って、複数のマイクロホンユニット22、23が同心円状に配置される(図2(A)参照)。マイクロホンユニット22、23には、例えば高音質小型エレクトレットコンデンサマイクロホン(ECM: Electret Condenser Microphone)が用いられる。ECMを用いることは、以下の各実施形態においても同様である。
図1に示す故障検知システム10において、全方位マイクアレイ装置2と、指向性制御装置3と、レコーダ装置4とは、ネットワークNWを介して相互に接続されている。ネットワークNWは、有線ネットワーク(例えばイントラネット、インターネット)でも良いし、無線ネットワーク(例えば無線LAN(Local Area Network))でも良い。ネットワークNWは、以下の各実施形態においても同様である。
撮像部の一例としてのカメラ装置C11は、例えばイベント会場の天井面に固定して設置される。カメラ装置C11は、収音領域の全方位の映像を示す画像データ(即ち、全方位画像データ)、又は全方位画像データに所定の歪み補正処理を施してパノラマ変換して生成した平面画像データを、ネットワークNWを介して指向性制御装置3又はレコーダ装置4に送信する。指向性制御装置3は、操作部32からの指示によって、画像信号処理部35において、指定位置の画像をズームアップして、ディスプレイ装置36に表示する。
カメラ装置C11は、ディスプレイ装置36に表示された画像の中で、ユーザによって任意の位置が指定されると、画像中の指定位置の座標データを指向性制御装置3から受信し、カメラ装置C11から、指定位置に対応する実空間上の音声位置(以下、単に「音声位置」と略記する)までの距離、方向(水平角及び垂直角を含む。以下同様。)のデータを算出して指向性制御装置3に送信する。なお、カメラ装置1における距離、方向のデータ算出処理は公知技術であるため、その説明は省略する。
収音部の一例としての全方位マイクアレイ装置2は、ネットワークNWに接続され、等間隔毎に配置された収音素子の一例としてのマイク素子221,222,…,22n(図3参照)と、各マイク素子により収音された音声の音声データに対して所定の信号処理を施す各部とを少なくとも含む構成である。全方位マイクアレイ装置2の詳細な構成については、例えば図4を参照して後述する。
全方位マイクアレイ装置2は、各々のマイクロホンユニット22,23(図2(A)参照)により収音された音声の音声データを含む音声データパケット(パケットPKT(図15(B)参照)の一例)を、ネットワークNWを介して、指向性制御装置3又はレコーダ装置4に送信する。
指向性制御装置3は、全方位マイクアレイ装置2から送信された音声データを用いて、ユーザの操作によって操作部32から指定された位置(指定位置)に対応する指向方向(後述参照)に指向性を形成する際、音源から各々のマイク素子221,222,…,22n(図3参照)に伝搬される音の音速Vs及びマイク素子毎の異なる遅延時間(図3参照)を用いて、特定の方向である指向方向(θMAh,θMAv)に、音声データの指向性を形成する。
これにより、指向性制御装置3は、指向性が形成された指向方向(θMAh,θMAv)から収音した音声の音量レベルを他の方向から収音した音声の音量レベルよりも相対的に増大できる。なお、指向方向(θMAh,θMAv)の算出方法は公知技術であるため、本実施形態では詳細な説明は省略する。
また、全方位マイクアレイ装置2の各マイクロホンユニット22,23は、無指向性マイクロホンでも良いし、双指向性マイクロホン、単一指向性マイクロホン、又はこれらの組み合わせが用いられても良い。
また、カメラ装置C11は全方位を撮影する全方位カメラでなくとも、パン・チルト・ズーム機能を持ったカメラや、固定カメラで、監視したい位置の画像を撮影できれば構わない。この場合、カメラは一つでなく、複数を組み合わせても良い。
図2(A)〜(E)は、全方位マイクアレイ装置2A,2B,2C,2D,2Eの外観図である。図2(A)〜(E)に示す全方位マイクアレイ装置2A,2B,2C.2D,2Eでは、外観及び複数のマイクロホンユニットの配置が異なるが、全方位マイクアレイ装置自身の機能は同等である。なお、これらの全方位マイクアレイ装置を特に区別する必要が無い場合、全方位マイクアレイ装置2と総称する。
図2(A)に示す全方位マイクアレイ装置2Aは、円盤状の筐体21を有する。筐体21には、複数のマイクロホンユニット22,23が同心円状に配置されている。具体的には、複数のマイクロホンユニット22が、筐体21と同一の中心を有する大きな円形状に沿って同心円状に配置され、複数のマイクロホンユニット23が、筐体21と同一の中心を有する小さい円形状に沿って同心円状に配置されている。複数のマイクロホンユニット22は、互いの間隔が広く、直径が大きく、低い音域に適した特性を有する。一方、複数のマイクロホンユニット23は、互いの間隔が狭く、直径が小さく、高い音域に適した特性を有する。
図2(B)に示す全方位マイクアレイ装置2Bは、円盤状の筐体21を有する。筐体21には、複数のマイクロホンユニット22が、水平方向の縦方向と横方向との中心が筐体21の中心において交わるように一様な間隔毎に直線上に配置されている。全方位マイクアレイ装置2Bは、複数のマイクロホンユニット22が縦横の直線状に配置されているので、音声データの指向性の形成処理の演算量を低減できる。なお、縦方向又は横方向の1列だけに、複数のマイクロホンユニット22が配置されても良い。
図2(C)に示す全方位マイクアレイ装置2Cは、図2(A)に示す全方位マイクアレイ装置2Aに比べ、直径の小さい円盤状の筐体21Cを有する。筐体21Cには、複数のマイクロホンユニット22が、円周方向に沿って一様に配置されている。図2(C)に示す全方位マイクアレイ装置2Cは、各々のマイクロホンユニット22の間隔が短いので、高い音域に適した特性を有する。
図2(D)に示す全方位マイクアレイ装置2Dは、筐体中心に所定の直径を有する開口部21aが形成されたドーナツ型形状又はリング型の形状の筐体21Dを有する。筐体21Dでは、複数のマイクロホンユニット22が、筐体21Dの円周方向において、一様な間隔毎に同心円状に配置されている。
図2(E)に示す全方位マイクアレイ装置2Eは、矩形状の筐体21Eを有する。筐体21Eには、複数のマイクロホンユニット22が、筐体21Eの外周方向に沿って一様な間隔毎に配置されている。図2(E)に示す全方位マイクアレイ装置2Eでは、筐体21Eが矩形に形成されているので、例えばコーナー等の場所であっても全方位マイクアレイ装置2Eの設置を簡易化できる。
指向性制御装置3は、ネットワークNWに接続され、例えば監視システム制御室(不図示)に設置される据置型のPC(Personal Computer)でも良いし、ユーザが携帯可能な携帯電話機、タブレット端末、スマートフォン等のデータ通信端末でも良い。
指向性制御装置3は、通信部31と、操作部32と、信号処理部33と、ディスプレイ装置36と、スピーカ装置37と、メモリ38とを少なくとも含む構成である。図1では、信号処理部33は、指向方向算出部34aと出力制御部34cとを少なくとも含む構成であり、信号処理部33の詳細な構成例については、例えば図5を参照して後述する。
通信部31は、ネットワークNWを介して、全方位マイクアレイ装置2やレコーダ装置4から送信されたパケットPKT(図15(B)参照)を受信して信号処理部33に出力する。
操作部32は、ユーザの操作の内容を信号処理部33に通知するためのユーザインターフェース(UI:User Interface)であり、例えばマウス、キーボード等のポインティングデバイスである。また、操作部32は、例えばディスプレイ装置36の画面に対応して配置され、ユーザの指又はスタイラスペンによって操作が可能なタッチパネル又はタッチパッドを用いて構成されても良い。
操作部32は、ディスプレイ装置36に表示された画像(即ち、カメラ装置C11により撮像された画像。以下同様。)に対し、ユーザの操作によって指定された位置(即ち、スピーカ装置37から出力される音声の音量レベルの増大又は低減を所望する位置)を示す座標データを取得して信号処理部33に出力する。
信号処理部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成され、指向性制御装置3の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。
指向方向算出部34aは、ディスプレイ装置36に表示された画像からユーザの位置の指定操作に応じて、全方位マイクアレイ装置2から指定位置に対応する音声位置に向かう指向方向を示す座標(θMAh,θMAv)を算出する。指向方向算出部34の具体的な算出方法は、上述したように公知技術であるため、詳細な説明を省略する。
指向方向算出部34aは、カメラ装置C11の設置位置から、音声位置までの距離、方向のデータを用いて、全方位マイクアレイ装置2の設置位置から音声位置に向かう指向方向座標(θMAh,θMAv)を算出する。例えばカメラ装置C11の筐体を囲むように全方位マイクアレイ装置2の筐体とカメラ装置C11とが一体的に取り付けられている場合には、カメラ装置C11から音声位置までの方向(水平角,垂直角)を、全方位マイクアレイ装置2から音声位置までの指向方向座標(θMAh,θMAv)として用いることができる。
なお、カメラ装置C11の筐体と全方位マイクアレイ装置2の筐体とが離れて取り付けられている場合には、指向方向算出部34aは、事前に算出されたキャリブレーションパラメータのデータと、カメラ装置C11から音声位置までの方向(水平角,垂直角)のデータとを用いて、全方位マイクアレイ装置2から音声位置までの指向方向座標(θMAh,θMAv)を算出する。なお、キャリブレーションとは、指向性制御装置3の指向方向算出部34aが指向方向を示す座標(θMAh,θMAv)を算出するために必要となる所定のキャリブレーションパラメータを算出又は取得する動作であり、公知技術により予め行われているとする。
指向方向を示す座標(θMAh,θMAv)のうち、θMAhは全方位マイクアレイ装置2から音声位置に向かう指向方向の水平角を表し、θMAvは全方位マイクアレイ装置2から音声位置に向かう指向方向の垂直角を表す。なお、音声位置は、操作部32がディスプレイ装置36に表示された画像においてユーザの指又はスタイラスペンによって指定された指定位置に対応する実際の監視対象又は収音対象となる現場の位置である。
出力制御部34cは、ディスプレイ装置36及びスピーカ装置37の動作を制御し、例えばユーザの操作に応じて、カメラ装置C11から送信された画像データをディスプレイ装置36に表示させ、全方位マイクアレイ装置2から送信されたパケットPKT(例えば音声データパケット)に含まれる音声データをスピーカ装置37から出力させる。また、指向性形成部の一例としての出力制御部34cは、全方位マイクアレイ装置2から、指向方向算出部34aにより算出された座標(θMAh,θMAv)が示す指向方向に、全方位マイクアレイ装置2により収音された音声データの指向性を形成するが、全方位マイクアレイ装置2に指向性を形成させても良い。
表示部の一例としてのディスプレイ装置36は、例えばユーザの操作に応じて、出力制御部34cの制御の下で、例えばカメラ装置C11から送信された画像データを画面に表示する。
音声出力部の一例としてのスピーカ装置37は、全方位マイクアレイ装置2から送信されたパケットPKTに含まれる音声データ、又は指向方向算出部34aが算出した指向方向(θMAh,θMAv)に指向性が形成された音声データを出力する。なお、ディスプレイ装置36及びスピーカ装置37は、指向性制御装置3とは別々の構成としても良い。
記憶部の一例としてのメモリ38は、例えばRAM(Random Access Memory)を用いて構成され、指向性制御装置3の各部の動作時のワークメモリとして機能し、更に、指向性制御装置3の各部の動作時に必要なデータを記憶する。
音声記録部の一例としてのレコーダ装置4は、全方位マイクアレイ装置2から送信されたパケットPKTに含まれる音声データと、例えばカメラ装置C11から送信された画像データとを対応付けて記憶する。さらに、全方位マイクアレイ装置2から送信されたエラー通知パケットもログとして記録される。なお、図1に示す故障検知システム10には複数のカメラ装置が含まれるため、レコーダ装置4は、各カメラ装置から送信された画像データと、全方位マイクアレイ装置2から送信されたパケットPKTに含まれる音声データとを対応付けて記憶しても良い。
レコーダ装置4は、録音中(言い換えると、全方位マイクアレイ装置2から送信された音声データのパケットPKTを記録している間)に、全方位マイクアレイ装置2からエラー通知パケットを音声データのパケットPKTとは別個に受信した場合、又は故障中のマイク素子に関する情報が格納された音声データのパケットPKTを受信した場合には、レコーダ装置4の筐体前面に設けられた照明部の一例としてのLED(不図示)を点滅、又はレコーダ装置4の筐体前面に設けられた表示部の一例としてのLCD(不図示)に表示させる。これにより、レコーダ装置4は、故障中のマイク素子があることを操作者に対して視覚的に知らせることができる。
また、レコーダ装置4は、録音中(言い換えると、全方位マイクアレイ装置2から送信された音声データのパケットPKTを記録している間)に、全方位マイクアレイ装置2からエラー回復パケットを音声データのパケットPKTとは別個に受信した場合、又は復旧(回復)したマイク素子に関する情報が格納された音声データのパケットPKTを受信した場合には、レコーダ装置4の筐体前面に設けられたLED(不図示)の点滅、又はレコーダ装置4の筐体前面に設けられたLCD(不図示)の表示を停止させる。これにより、レコーダ装置4は、復旧(回復)したマイク素子があることを操作者に対して視覚的に知らせることができる。
図3は、全方位マイクアレイ装置2により収音された音声に対して方向θに指向性を形成する原理の一例の説明図である。図3では、例えば遅延和方式を用いた指向性形成処理の原理について簡単に説明するが、本実施形態では、図3に示す遅延和方式を用いた指向性形成処理が行われる場合に限定されず、例えば上述した非特許文献1に示す遅延差方式を用いた指向性形成処理が行われても良い。
図3において、音源80から発した音波は、全方位マイクアレイ装置2のマイクロホンユニット22,23に内蔵される各マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nに対し、ある一定の角度(入射角=(90−θ)[度])で入射する。図3に示す入射角θは、全方位マイクアレイ装置2から音声位置に向かう収音方向の水平角θMAhでも垂直角θMAvでも良い。
音源80は、例えば全方位マイクアレイ装置2が収音する方向に存在するカメラ装置の被写体であり、全方位マイクアレイ装置2の筐体21の面上に対し、所定角度θの方向に存在する。また、各マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22n間の間隔dは一定とする。
音源80から発した音波は、最初にマイク素子221に到達(伝搬)して収音され、次にマイク素子222に到達して収音され、同様に次々に収音され、最後にマイク素子22nに到達して収音される。
なお、全方位マイクアレイ装置2の各マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nの位置から音源80に向かう方向は、全方位マイクアレイ装置2の各マイク素子から、ユーザがディスプレイ装置36の画面上に指定した指定位置に対応する音声位置に向かう方向と同じである。
ここで、音波がマイク素子221,222,223,…,22(n−1)に到達した時刻から最後に収音されたマイク素子22nに到達した時刻までには、到達時間差τ1,τ2,τ3,…,τn−1が生じる。このため、各々のマイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nが収音した音声データがそのまま加算された場合には、位相がずれたまま加算されるため、音波の音量レベルが全体的に弱め合う。
なお、τ1は音波がマイク素子221に到達した時刻と音波がマイク素子22nに到達した時刻との差分の時間であり、τ2は音波がマイク素子222に到達した時刻と音波がマイク素子22nに到達した時刻との差分の時間であり、同様に、τn−1は音波がマイク素子22(n−1)に到達した時刻と音波がマイク素子22nに到達した時刻との差分の時間である。
本実施形態の指向性形成処理では、マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22n毎に対応して設けられるA/D変換器241,242,243,…,24(n−1),24nにおいて、アナログの音声信号がデジタルの音声信号に変換される。更に、デジタルの音声信号は、マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22n毎に対応して設けられる遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nにおいて所定の遅延時間が加算される。各遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nの出力は加算器39において加算される。
なお、全方位マイクアレイ装置2において指向性形成処理が行われる場合には、遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nは全方位マイクアレイ装置2に設けられ、指向性制御装置3において指向性形成処理が行われる場合には、遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nは指向性制御装置3に設けられる。
更に、図3に示す指向性形成処理では、遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nは、各々のマイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nにおける到達時間差に対応する遅延時間を付与して全ての音波の位相を揃えて同相化した後、加算器39において遅延処理後の音声データが加算される。これにより、全方位マイクアレイ装置2又は指向性制御装置3は、各マイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nにより収音された音声に対し、角度θの方向に指向性を形成することができる。
例えば図3では、遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nにおいて付与される各遅延時間D1,D2,D3,…,D(n−1),Dnは、それぞれ到達時間差τ1,τ2,τ3,…,τ(n−1)に相当し、数式(1)により示される。
Figure 0006210458
L1は、マイク素子221とマイク素子22nとにおける音波到達距離の差である。L2は、マイク素子222とマイク素子22nとにおける音波到達距離の差である。L3は、マイク素子223とマイク素子22nとにおける音波到達距離の差であり、同様に、L(n−1)は、マイク素子22(n−1)とマイク素子22nとにおける音波到達距離の差である。Vsは音波の音速である。この音速Vsは全方位マイクアレイ装置2により算出されても良いし、指向性制御装置3により算出されても良い(後述参照)。L1,L2,L3,…,L(n−1)は既知の値である。図3では、遅延器25nに設定される遅延時間Dnは0(ゼロ)である。
指向性形成処理では、各マイク素子により収音された音声の音声データに付与される遅延時間Di(i=1〜nの整数、nは2以上の整数)は、数式(1)に示すように、音速Vsに反比例する。
このように、全方位マイクアレイ装置2又は指向性制御装置3は、遅延器251,252,253,…,25(n−1),25nにおいて付与される遅延時間D1,D2,D3,…,Dn−1,Dnを変更することで、マイクロホンユニット22又はマイクロホンユニット23に内蔵された各々のマイク素子221,222,223,…,22(n−1),22nにより収音された音声の音声データの指向性を簡易かつ任意に形成することができる。
図4は、全方位マイクアレイ装置2の内部構成を示すブロック図である。図4に示す全方位マイクアレイ装置2は、複数(n個、例えばn=16)のマイク素子22iと、各マイク素子22iの出力信号を増幅するn個の増幅器(アンプ)28iと、各増幅器28iから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するn個のA/D変換器24iと、符号化部25と、検知部29と、エラーパケット生成部27と、送信部26とを含む構成である。ここで、マイク素子22iの添え字iは、マイク素子の番号であり、1〜n(マイク素子の総数)であり、増幅器28i及びA/D変換器24iについても同様である。
符号化部25は、n個のA/D変換器24iから出力されたデジタルの音声信号(音声データ)を符号化する。故障判定部の一例としての検知部29は、符号化部25において符号化された音声データを用いて、マイク素子22i毎の故障検知を行う。
エラーパケット生成部27は、いずれかのマイク素子が故障中であると検知部29により判定された場合には、故障中のマイク素子に関する情報を含むエラー通知パケットを生成する。また、エラーパケット生成部27は、例えば補修・点検等の工事によって、故障中であると判定されたマイク素子が回復(復旧)した場合(例えばマイク素子の音響特性が所望の特性となった場合)には、回復したマイク素子に関する情報を含むエラー回復パケットを生成する。上述したように、エラー通知パケット及びエラー回復パケットには、マイク素子を識別するための識別番号(マイクID)が付加される。
送信部26は、符号化された音声データのパケットPKTを生成し、指向性制御装置3または録音中のレコーダ装置4に送信する。また、送信部26は、エラー通知パケット及びエラー回復パケットを指向性制御装置3または録音中のレコーダ装置4に送信する。なお、送信部26は、音声データのパケットPKTに、故障中又は回復済みのマイク素子に関する情報を付加してから指向性制御装置3または録音中のレコーダ装置4に送信しても良い。
図5は、信号処理部33及びメモリ38の内部構成を示すブロック図である。図5に示す信号処理部33は、指向方向算出部34aと、出力制御部34cと、FFT部331と、例えば3個の故障検出部340,350,360と、指向性処理部335と、逆FFT部336と、判定部337とを含む構成である。なお、図5では、説明を簡単にするために、指向方向算出部34a及び出力制御部34cの図示を省略している。
FFT(Fast Fourier Transform)部331は、入力された時間軸信号に対してフーリエ変換を行い、音声データの時間軸信号を周波数軸信号に変換する。FFT部331の出力は、3個の故障検出部340,350,360と、指向性処理部335とに入力される。
故障検出部340は、平滑部341、比較部342、平均算出部343及び結果保持部345を有する。なお、故障検出部340,350,360の構成は同様であるので、例えば故障検出部340を例示して説明することとし、3個の故障検出部340,350,360に共通する同一内容の説明は簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
故障検出部340には、FFT部331の出力のうち、例えば250Hzを中心とした所定範囲の周波数成分の信号が入力される。また、故障検出部350には、FFT部331の出力のうち、例えば1kHzを中心とした所定範囲の周波数成分の信号が入力される。同様に、故障検出部360には、FFT部331の出力のうち、例えば4kHzを中心とした所定範囲の周波数成分の信号が入力される。
平滑部341は、マイク素子22iから出力される音声信号の1フレーム(例えば256個)のサンプリング結果を用いて音圧レベル(音響パワー)を算出して平滑化することで、音声信号の平均音響パワー(以下、単に「平均パワー」という)をマイク素子22i毎に得る。
平均算出部343は、全方位マイクアレイ装置2の全てのマイク素子のうち使用可能な(言い換えると、故障中ではない)全マイク素子の平均パワーを平滑化することで、音声信号の全平均音響パワー(以下、単に「全平均パワー」という)を算出する。
比較部342は、故障検知の検査対象となるマイク素子の平均パワーと、使用可能な全マイク素子の全平均パワーとの差分が所定の範囲(例えば±6dBの範囲)内にあるか否かを判別する。結果保持部345は、比較部342からの出力(比較結果)を記憶する。
指向性処理部335は、出力制御部34cの処理の一例として、マイク素子22iで収音された音声データと、ディスプレイ装置36の画面に表示された画像上の操作部32からの指定位置に対応する音声位置に向かう指向方向を示す座標とを用いて、音声の指向性を形成する。なお、上述した説明では、指向性処理部335は、出力制御部34cの一例として含まれる旨を説明したが、出力制御部34cとは別の信号処理部33内の処理部として構成されても良い。
逆FFT(Inverse Fast Fourier Transform)部336は、出力制御部34cの処理の一例として、指向性処理部335の出力(即ち、指向方向に音声の指向性が形成された音声の周波数軸信号)に対して逆フーリエ変換を行い、音声データの周波数軸信号を時間軸信号に変換してスピーカ装置37に出力する。なお、逆FFT部336も、指向性処理部335と同様に、出力制御部34cの一例として含まれる旨を説明したが、出力制御部34cとは別の信号処理部33内の処理部として構成されても良い。
故障判定部の一例としての判定部337は、3個の故障検出部340,350,360の各結果保持部345,355,365に保持されている比較結果を基に、いずれかのマイク素子22iが故障しているか否かを判定する。
メモリ38は、例えばRAM(Random Access Memory)を用いて構成され、使用可能マイク情報保持部381とログ情報保持部382とを含む構成である。使用可能マイク情報保持部381は、全方位マイクアレイ装置2の全てのマイク素子のうち、故障中ではない(言い換えると、使用可能な)マイク素子に関する情報を記憶する。なお、使用可能マイク情報保持部381は、使用可能なマイク素子の情報とともに、使用不可能なマイク素子の情報を記憶しても良い。
ログ情報保持部382は、判定部337によって故障中のマイク素子があると判定された結果を記憶する。
次に、本実施形態の故障検知システム10の動作について、図面を参照して説明する。本実施形態では、全方位マイクアレイ装置2がマイク素子22iの故障の有無を判定し、更に、指向性制御装置3もマイク素子22iの故障の有無を判定する。先ず、全方位マイクアレイ装置2におけるマイク素子22iの故障の有無の判定に関する動作について、図6(A),(B)を参照して説明する。図6(A)及び(B)は、全方位マイクアレイ装置2が行うエラー検知処理の方法を説明する図である。
図6(A)に示すように、検知部29は、マイク素子22iの故障検知に用いる平均パワー及び全平均パワーを求める際、例えば16チャンネル(16個のマイク素子)の32msec分の音声データを16kHzのサンプリング周波数でサンプリングすることで、512個のサンプリングデータを取得する。検知部29は、故障検知の検査対象のマイク素子22iに対し、512個のサンプリングデータのうち、先頭256個のサンプリングデータを用いて、平滑化後の音圧レベルであるパワー(平均パワー)を算出する。
更に、検知部29は、全方位マイクアレイ装置2のうち故障中でない(言い換えると、使用可能な)全てのマイク素子に対し、512個のサンプリングデータのうち、先頭の256個のサンプリングデータを用いて、平滑化後の音圧レベル(パワー)の平均値を算出し、全マイク素子(例えば16個のマイク素子)の全平均パワーを算出する。このように、検知部29は、所定の間隔(周期=1/16kHz)で音声データをサンプリングし、多くのサンプリングデータを用いて、その平均パワーを算出するので、平均パワーの算出精度を高めることができる。
図6(B)に示すように、検知部29は、マイク素子22iの故障判定を行う際、約1秒間隔で、16個のマイク素子の音声データのサンプリングを周期的に行い、サンプリングデータを用いて平滑化後の平均パワーを算出する。検知部29は、このマイク素子の平均パワーと全平均パワーとの差分が所定の範囲内(±6dBの範囲)にある場合には正常(図6(B)に示す「○」で表す)であると判定し、所定の範囲を超える場合にはエラー(図6(B)に示す「×」で表す)であると判定する。また、検知部29は、例えば比較結果として5回連続してエラーであると判定した場合には、そのマイク素子は故障中であると判定する。また、検知部29は、連続5回の途中で1回でも正常であると判定した場合には、正常であると判定した時までのエラー回数を0回にクリアし、そのマイク素子を正常であると判定する。また、検知部29は、一旦マイク素子が故障中と判定した後でも、例えば比較結果として5回連続して正常であると判定した場合には、そのマイク素子は回復(復旧)して正常であると判定する。
図7は、全方位マイクアレイ装置2におけるエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャートである。図7において、変数pは連続NG数(連続エラー数)を示し、変数mは連続OK数(連続正常数)を示す。また、図7に示すエラー検知処理は、マイク素子毎に行われ、例えば全マイク素子数が16個である場合、計16回実行されると、全マイク素子のエラー検知処理が完了する。
先ず、検知部29は、連続NG数p及び連続OK数mを値0に設定する(S1)。検知部29は、符号化部25で符号化された音声データをサンプリングする(S2)。このサンプリングでは、例えば1秒間隔で32msecの音声データの先頭256個のサンプリングデータが抽出される。
検知部29は、256個のサンプリングデータから平均パワーを算出する(S3)。更に、検知部29は、全チャンネル(即ち、全マイク素子)の平均パワー(全平均パワー)を算出する(S4)。例えば、検知部29は、個々のマイク素子の平均パワーを算出した後に全平均パワーを記憶し、最新の全マイク素子の平均パワーを平均化することで算出しても良いし、全マイク素子の256個のサンプリングデータを加算した後に、加算後のサンプリングデータを平均化することで算出しても良い。検知部29は、算出した全平均パワーをメモリ(不図示)に記憶しておく。
検知部29は、メモリに記憶された全平均パワーを読み込み(S5)、ステップS3で算出された平均パワーと全平均パワーを比較する(S6)。
検知部29は、平均パワーと全平均パワーの差分が所定のレベル差であるか、つまり所定の範囲を超えるか(ここでは、一例として、±6dBを超えるか)否かを判別する(S7)。レベル差が無く、所定の範囲を超えない場合、つまり、±6dB以内で正常である場合には(S7、NO)、検知部29は、エラー通知済みであるか否かを判別する(S8)。エラーを通知していない場合(S8、NO)、検知部29の処理は、ステップS2に戻る。
一方、ステップS8でエラー通知済みである場合(S8、YES)、検知部29は、連続OK数mの値を1つ増加させる(S9)。検知部29は、連続OK数mの値が5になったか否かを判別する(S10)。mの値が5未満である場合(S10、NO)、検知部29の処理はステップS2に戻る。一方、mの値が5である場合(S10、YES)、エラーパケット生成部27は、エラー回復パケットを生成する(S11)。ステップS11の処理が生じる一例としては、故障していたマイク素子が所定の作業員によって交換或いは修理によって正常なマイク素子に復旧したこと等が挙げられる。
送信部26は、エラーパケット生成部27によって生成されたエラー回復パケットを指向性制御装置3または録音中のレコーダ装置4に送信する(S12)。検知部29は、連続OK数mの値を0にクリアする(S13)。ステップS13の後、検知部29の処理はステップS2に戻る。
一方、ステップS7で、平均パワーと全平均パワーの差が所定の範囲を超える場合(S7、YES)、検知部29は、連続NG数pの値を1つ増加させる(S14)。検知部29は、連続NG数の値が5になったか否かを判別する(S15)。pの値が5でない場合(S15、NO)、検知部29の処理はステップS2に戻る。一方、pの値が5である場合(S15、YES)、エラーパケット生成部27は、エラー通知パケットを生成する(S16)。エラー通知パケットには、警報(アラーム)通知が含まれる。
送信部26は、エラーパケット生成部27によって生成されたエラー通知パケットを指向性制御装置3または録音中のレコーダ装置4に送信する(S17)。検知部29は、連続NG数pの値を0にクリアし(S18)。ステップS18の後、検知部29の処理はステップS2に戻る。
このように、全方位マイクアレイ装置2は、例えば約1秒間隔で、各チャンネル(1マイク素子)の32msecの音声データの先頭256個のサンプリングデータから平均パワーを算出し、全チャンネル(ここでは16個のマイク素子)の平均値と比較して、±6dBの範囲を超える状態が連続5回続くと、比較に用いたマイク素子は故障中であると判定し、エラー通知パケットを送信する。全方位マイクアレイ装置2は、連続5回継続した場合にマイク素子を故障中と判定することで、例えば一時的に発生する収音時のエラーを除くことができ、収音素子の故障の有無の判定精度を改善することができる。また、エラー通知パケットが送信されるので、指向性制御装置3は、故障データパケットによって故障中の収音素子を簡易に特定することができる。またレコーダ装置4は、エラー通知パケット又はエラー回復パケットによって、マイク素子の故障又は回復のログを記録するとともに、ユーザに対し、レコーダ装置4に設けられたLED(不図示)の点滅や、レコーダ装置4に設けられたLCD(不図示)への情報表示によって、マイク素子の故障や回復(復旧)を知らせることが出来る。
また、エラーと判定されたマイク素子でも、5回連続で平均パワーが±6dB以内になっている場合、全方位マイクアレイ装置2は、このマイク素子は交換又は修理されたこと等により復旧したと判定し、エラー回復パケットを送信する。これにより、全方位マイクアレイ装置2は、マイク素子の回復を簡易に判定することができる。
次に、指向性制御装置3の動作を示す。図8は、指向性制御装置3における指向性形成動作及びエラー検出処理の動作手順を説明するフローチャートである。図8において、信号処理部33は、通信部31を介して、全方位マイクアレイ装置2またはレコーダ装置4から送信されたパケットPKTを受信する(S21)。信号処理部33は、パケットPKTに警報(アラーム)の通知が含まれているか否かを判別する(S22)。アラーム通知が含まれていない場合(S22、NO)、信号処理部33内の故障検出部340,350,360は、音声信号のエラー検出処理を行う(S23)。このエラー検出処理の詳細については、図10及び図11を参照して後述する。
信号処理部33内の判定部337は、故障検出部340,350,360によってマイク素子の故障が検出されたか否かを判別する(S24)。故障が検出されていない場合(S24、NO)、信号処理部33内の指向性処理部335は、使用可能マイク情報保持部381に記憶されている使用可能なマイク素子の情報を読み込む(S25)。
指向性処理部335は、故障しているマイク素子を使用せず、つまり、FFT部331で高速フーリエ変換された音声データの周波数軸信号のうち、故障しているマイク素子の音声データを用いることなく、正常なマイク素子の音声データを用いて、全方位マイクアレイ装置2から、操作部32の操作によって指向方向算出部34aにより算出された指向方向に対し、音声データの指向性を形成する(S26)。このように、指向性制御装置3は、故障しているマイク素子を除外して使用しないようにすることで、特定の方向に音声の指向性を形成することができるので、特定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制することができる。
逆FFT部336は、指向性が形成された音声データの周波数軸信号に対して逆フーリエ変換を行い、音声データの時間軸信号を出力する。これにより、スピーカ装置37から音声が出力される(S27)。これにより、信号処理部33の動作は終了する。
一方、ステップS24で、判定部337は、マイク素子の故障が検出された場合(S24、YES)、ディスプレイ装置36に対し、エラー通知を出力する(S30)。このエラー通知には、マイク素子を識別するための識別番号が付加される。また、判定部337は、メモリ38内のログ情報保持部382にエラーログを記録(保存)する(S31)。更に、判定部337は、使用可能マイク情報保持部381に記憶されている使用可能なマイク素子の情報を更新する(S32)。この後、信号処理部33の処理はステップS25に進む。
また、ステップS22で、信号処理部33は、全方位マイクアレイ装置2から受信したパケットに警報(アラーム)通知が含まれている場合(S22、YES)、信号処理部33は、ディスプレイ装置36に対し、エラー通知を出力する(S28)。このエラー通知には、マイク素子を識別するための識別番号が付加される。このエラー通知により、後述するように、ディスプレイ装置36の画面には、パトランプのアイコン41(図12(B)参照)が表示される。また、信号処理部33は、メモリ38内のログ情報保持部382にエラーログを記録(保存)する(S29)。この後、信号処理部33の処理はステップS21に戻る。
図9(A)及び(B)は、指向性制御装置3におけるエラー検出処理の方法を説明する図である。指向性制御装置3側で、3つの特定周波数(例えば250Hz、1kHz、4kHz)でマイク素子の故障の有無の判定処理が行われる。故障検出部340,350,360は、それぞれ250Hz,1kHz,4kHzの音声データを用いて、マイク素子の故障の有無の判定処理を行い、判定処理の対象となる周波数の違いを除けば、故障検出部340,350,360における故障判定の動作は同様である。
図9(A)に示すように、故障検出部340は、図6(A)と同様の方法で、250Hzの先頭256個のサンプリングデータを用い、各々のマイク素子の平均パワーを算出する。更に、故障検出部340は、各々のマイク素子の平均パワーを平均した全平均パワーを算出する。故障検出部340は、各々のマイク素子の平均パワーと全平均パワーとの差分が所定の範囲(±6dBの範囲)内にある場合には正常(図9(B)に示す「○」で表す)であると判定し、所定の範囲を超える場合にはエラー(図9(B)に示す「×」で表す)であると判定する。
同様に、故障検出部350は、1kHzの先頭256個のサンプリングデータを用いて、各々のマイク素子の平均パワー及び全平均パワーを算出し、同様にして平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲(±6dBの範囲)とを比較する。また同様に、故障検出部360は、4kHzの先頭256個のサンプリングデータを用いて、各々のマイク素子の平均パワー及び全平均パワーを算出し、同様にして平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲(±6dBの範囲)とを比較する。
図9(B)に示すように、故障検出部340は、所定の期間(一例として約12.5秒)間隔で故障の有無の判定処理を行う。故障検出部340は、故障検知の検査対象のマイク素子の音声のサンプリングデータ(250Hz)を用いて、その平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲(±6dBの範囲)とを比較する。故障検出部340は、平均パワーと全平均パワーとの差分が所定の範囲内(±6dBの範囲)にある場合には正常(図9(B)に示す「○」で表す)であると判定し、一方、所定の範囲を超える場合にはエラー(図9(B)に示す「×」で表す)であると判定する。故障検出部340は、この比較を、約12.5秒の期間毎に繰り返す。故障検出部340は、約12.5秒の期間内で、エラーの数が全体の割合で80%以上を示している場合には、マイク素子が故障中であると判定する。また、次の約12.5秒の期間では、故障検出部340は、次のマイク素子を検査対象として同様の動作を行う。
また、故障検出部350は、検査対象のマイク素子の音声のサンプリングデータ(1kHz)を用いて、その平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲(±6dBの範囲)とを比較し、同様の動作を行う。更に、故障検出部360は、検査対象のマイク素子の音声のサンプリングデータ(4kHz)を用いて、その平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲(±6dBの範囲)とを比較し、同様の動作を行う。
図10は、図8に示すステップS23における音声信号のエラー検出処理手順を説明するフローチャートである。図11は、図10に続くステップS23における音声信号のエラー検出処理の動作手順を説明するフローチャートである。
図10において、まず各結果保持部345,355,365の内容をクリアする(S41−B)。次に、信号処理部33は、通信部31を介して全方位マイクアレイ装置2から入力される音声データをサンプリングする(S41)。FFT部331は、音声データを高速フーリエ変換の処理を行い、音声データの周波数軸信号を前述した250Hz、1kHz、4kHzの3つの特定周波数に分割する(S42)。なお、この3つの周波数は一例であり、可聴範囲内を問わず、他の周波数であってもよい。
250Hzの音声データの場合、故障検出部340内の平滑部341は、各々のマイク素子のパワー(音圧レベル)を平滑化し、平均パワーを算出する(S43)。更に、平均算出部343は、検査対象のマイク素子を含む使用可能な(言い換えると故障中ではない)全てのマイク素子のパワーを平均して全平均パワーを算出する(S44)。
比較部342は、平均算出部343で算出された全平均パワーを読み込み(S45)、検査対象のマイク素子の平均パワーと比較する(S46)。比較部342は、この比較結果を結果保持部345に記憶する(S47)。この後、信号処理部33の処理はステップS58に進む。
また、1kHzの音声データの場合、故障検出部350内の平滑部351は、各々のマイク素子のパワー(音圧レベル)を平滑化し、平均パワーを算出する(S48)。更に、平均算出部353は、検査対象のマイク素子を含む使用可能な(言い換えると故障中ではない)全てのマイク素子のパワーを平均して全平均パワーを算出する(S49)。
比較部352は、平均算出部343で算出された全平均パワーを読み込み(S50)、検査対象のマイク素子の平均パワーと比較する(S51)。比較部352は、この比較結果を結果保持部355に記憶する(S52)。この後、信号処理部33の処理はステップS58に進む。
また、4kHzの音声データの場合、故障検出部360内の平滑部361は、各々のマイク素子のパワー(音圧レベル)を平滑化し、平均パワーを算出する(S53)。更に、平均算出部363は、検査対象のマイク素子を含む使用可能な(言い換えると故障中ではない)全てのマイク素子のパワーを平均して全平均パワーを算出する(S54)。
比較部362は、平均算出部363で算出された全平均パワーを読み込み(S55)、検査対象のマイク素子の平均パワーと比較する(S56)。比較部362は、この比較結果を結果保持部365に記憶する(S57)。この後、信号処理部33の処理はステップS58に進む。
信号処理部33は、一定の期間(例えば約12.5秒)分の比較結果が記憶(保存)されたか否かを判別する(S58)。一定の期間分の比較結果が保存されていない場合(S58、NO)、信号処理部33の処理はステップS41に戻る。一方、一定の期間分の比較結果が保存された場合(S58、YES)、判定部337は、一定の期間における比較の結果として、エラーと判定された数が所定の割合(一例として80%)を超えているか否かを判別する(S59)。
例えば所定の割合(例えば80%とする。以下同様。)を超えている場合(S59、YES)、判定部337は、このマイク素子が故障中であるとの判定を確定する(S61)。ここでは、判定部337は、例えば250Hz、1kHz、4kHzのいずれかの周波数帯域において、エラーと判定された数が所定の割合(80%)を超えている場合にはマイク素子が故障中であるとの判定を確定するが、全ての周波数帯域において80%を超えている場合にマイク素子が故障中であるとの判定を確定しても良い。
一方、所定の割合(80%)以下である場合(S59、NO)、判定部337は、このマイク素子は正常であると判定する。ステップS59またはS61の後、信号処理部33の処理はステップS24に進む。
図12(A)は、ディスプレイ装置36の画面を示す図である。ディスプレイ装置36の画面には、プルダウンメニューの一覧36A、各種操作ボタン36B、詳細情報提示欄36C等が表示される。
プルダウンメニューの一覧36Aでは、機器ツリー、グループ、シーケンス、簡単再生、検索、ダウンロード、アラームログ、機器障害ログ等のメニューがプルダウン形式で展開する。各種操作ボタン36Bには、ズーム、フォーカス、明るさ、プリセット等の操作ボタンが含まれる。詳細情報提示欄36Cには、選択された情報の詳細が表示される。
図12(B)は、ディスプレイ装置36の画面に表示されるパトランプのアイコン41を示す図である。指向性制御装置3の通信部31が全方位マイクアレイ装置2からエラー通知パケットを受信し、信号処理部33が前述したステップS28でエラー通知を行うと、出力制御部34cは、ディスプレイ装置36において、画面の右上隅にパトランプのアイコン41を赤色で点滅表示させる。操作者(ユーザのこと。以下同様。)は、画面の右上隅に、赤色で点滅表示されたパトランプのアイコン41を見ることで、マイク素子に故障が発生したことを知ることができる。
その後、指向性制御装置3の通信部31が全方位マイクアレイ装置2からエラー復旧パケットを受信すると、出力制御部34cは、ディスプレイ装置36において、赤色で点滅表示していたパトランプのアイコン41を緑色の点滅表示に変更する。操作者がパトランプのアイコン41をクリックすると、パトランプのアイコン41の表示が消える。
図13(A)は、ディスプレイ装置36の画面を示す図である。図13(B)は、ディスプレイ装置36の画面に表示されるポップアップウインドウ36Dを示す図である。指向性制御装置3がエラー検出を行い、信号処理部33が前述したステップS30でエラー通知を行うと、出力制御部34cは、ディスプレイ装置36の画面の右下隅に、イベント発生を知らせるポップアップウインドウ36Dを表示させる。このポップアップウインドウ36Dには、例えば「マイクNo.3に異常があります 2014/04/01 13:45」のメッセージが表示される。そして、操作者は、画面の右下隅に表示されたポップアップウインドウを見ることで、マイク素子に故障が発生したことを知ることができる。
また、ディスプレイ装置36の画面に、パトランプのアイコン41の表示或いはポップアップウインドウ36Dの表示があった場合や、レコーダ装置4のデータを再生する時にエラー通知パケットの受信に基づいて記録されたログが有った場合に、操作者はディスプレイ装置36の画面にマイク素子の故障に関するログ(図14(A)に示す機能障害ログ参照)を表示させることが可能である。図14(A)は、ディスプレイ装置36の画面においてログ表示を行わせる操作を示す図である。
操作者がプルダウンメニューの一覧36Aに含まれる機器障害ログ36eをクリックして選択すると、出力制御部34cが機器障害ログ36eを展開して表示させることで、機器障害ログの一覧36fが表示される。
図14(B)は、ログ表示が行われたディスプレイ装置36の画面の一部を示す図である。機器障害ログとして、日時、内容、機器名が、例えば「2014/04/01 12:25 MIC1 ECM」と表示される。操作者は、ログを見ることで、マイク素子の故障を知ることができる。
なお、機器障害ログは、プルダウンメニューの一覧36Aに展開される代わりに、別画面で表示されてもよい。また、操作者への通知方法として、出力制御部34cは、ディスプレイ装置36に表示するだけでなく、スピーカ装置37から警報音を出力しても良いし、予め登録されたメールアドレスに自動的に電子メールを送信するようにしても良い。
以上により、本実施形態の故障検知システム10では、全方位マイクアレイ装置2は、簡易に(例えば1秒毎に16msecの平均音響パワーと比較して)マイク素子22iの故障の有無を検知することができ、更に、故障中のマイク素子に関する情報を含むエラー通知パケット、或いは故障が復旧したマイク素子に関する情報を含むエラー回復パケットを指向性制御装置3に送信する。指向性制御装置3は、エラー通知パケット或いはエラー回復パケットに対応した表示を行う。操作者は、パトランプが点滅表示することで、或いはログを確認することで、マイク素子22iの故障を簡易に知ることができる。
また、指向性制御装置3は、全方位マイクアレイ装置2の故障検知結果によることなく、250Hz、1kHz、4kHzの平均パワーから故障検知を常時行う。これにより、指向性制御装置3は、特定の周波数に依存してエラーが生じるようなマイク素子の故障検知が可能となる。従って、指向性制御装置3は、特定の周波数で故障の有無を監視することで、マイク素子の周波数特性の変化も監視でき、精度の高い故障検出が可能である。
また、例えば、12.5秒の間にいずれかの周波数帯域でエラー(異常)が80%以上ある場合、指向性制御装置3は、マイク素子22iが故障と判定する。このように、エラーの発生頻度が高い場合にマイク素子が故障していると判定することで、故障判定の精度を高めることができる。また、割合は80%以外の値に変更可能に設定されてもよく、状況に合わせた故障判定が可能となる。なお、ここでは、復帰判定は行われない。操作者は、ポップアップウインドウが表示されることで、或いはログを確認することでマイクロホン素子22iの故障を知ることができる。
これにより、指向性制御装置3は、全方位マイクアレイ装置に搭載される各マイク素子の特性を監視し、マイク素子に異常が生じても、所定の方向に形成される指向性の特性の劣化を抑制することができる。
なお、全方位マイクアレイ装置2で簡易なマイク素子の故障検知が行われ、故障が検知された場合に限って、指向性制御装置3が高精度なマイク素子の故障検出を行うようにしても良く、連携した故障検知を行うことで、効率的な故障検知システムを実現させることも可能である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、全方位マイクアレイ装置2は、音声データのパケットとは別に、エラー通知パケット或いはエラー回復パケットを送信していた。第2の実施形態では、全方位マイクアレイ装置2Gは、音声データのパケットPKT(音声データパケット)のヘッダHDにマイク故障データを付加して送信する例を説明する。また、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、指向性制御装置3は個々のマイク素子の故障の有無の検出処理の実行を省略する。
また、第2の実施形態の故障検知システムの構成は第1の実施形態とほぼ同一の構成を有するので、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
図15(A)は、第2の実施形態における全方位マイクアレイ装置2Gの内部構成を示すブロック図である。全方位マイクアレイ装置2Gは、第1の実施形態に示す全方位マイクアレイ装置2と比べて、エラーパケット生成部27が省略され、検知部29Aの出力先が異なる点を除き、同様である。検知部29Aは、マイク素子が故障中であると判定すると、故障中のマイク素子に関する情報の通知を符号化部25に出力する。
符号化部25は、故障中のマイク素子に関する情報の通知を受けると、音声データのパケットPKTのヘッダHDに、故障中のマイク素子に関する情報をマイク故障データとして格納する。図15(B)は、全方位マイクアレイ装置2Gから送信される音声パケットPKTの構造を示す図である。送信部26は、音声データVDを含んだパケットPKTを指向性制御装置3またはレコーダ装置4に送信する。
図16は、指向性制御装置3が行う指向性形成動作及びエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャートである。図16の説明では、図8に示す第1の実施形態と同一のステップ処理については同一のステップ番号を付すことによりその説明を省略する。指向性制御装置3は、第1の実施形態と同様の構成を有するが、前述したように、第2の実施形態では、音声信号のエラー検出処理の実行を省略する。
図16において、指向性制御装置3の信号処理部33は、通信部31を介して、全方位マイクアレイ装置2Gまたはレコーダ装置4から音声データのパケットを取得する(S21A)。信号処理部33内の判定部337は、音声データのパケットにマイク故障データがあるか否かを判定する(S24A)。マイク故障データがある場合(S24A、YES)、判定部337の処理はステップS30に進み、ステップS30,S31,S32において図8に示す第1の実施形態と同様の処理を行う。一方、ステップS24Aでマイク故障データが無い場合(S24A、NO)、判定部337の処理はステップS25に進み、ステップS25,S26,S27において第1の実施形態と同様の処理を行う
以上により、本実施形態の故障検知システム10では、全方位マイクアレイ装置2Gだけがマイク素子の故障判定を行っているので、簡易にマイク素子の故障の有無の判定処理を行うことができる。
また、故障検知システム10は、故障中のマイク素子に関する情報(故障データ)が音声データVDのパケットPKTに付加されるので、例えば操作者の操作部32への入力操作によって、録音された音声データを再生する際に、全方位マイクアレイ装置2Gまたはレコーダ装置4から送信された音声データVDのパケットPKTのエラー通知ログを詳細に解析する処理を省略することができ、故障中のマイクを簡易に特定することができる。また、故障検知システム10は、ユーザの操作によって、レコーダ装置4から録音された音声データをどこの時点からから再生処理させても、レコーダ装置4に記録されたログの解析を行う必要がなくマイク素子の故障の有無を簡易に把握でき、使用可能な収音素子を用いて指向性を形成することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、全方位マイクアレイ装置2がマイク素子22iの故障検知を行っていた。第3の実施形態では、全方位マイクアレイ装置2は音声データのパケットを送信するだけでマイク素子の故障の有無の検知処理を行わず、指向性制御装置3がマイク素子の故障の有無の検出処理を行う例を説明する。
第3の実施形態の故障検知システムは、第1の実施形態とほぼ同一の構成を有するので、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
図17は、第3の実施形態における指向性制御装置3が行う指向性形成動作及びエラー検知処理の動作手順を説明するフローチャートである。図17の説明では、第1の実施形態(図8参照)及び第2の実施形態(図16参照)と同一のステップ処理については同一のステップ番号を付すことによりその説明を省略する。
図17において、指向性制御装置3の信号処理部33は、全方位マイクアレイ装置2から音声データのパケットを取得する(S21B)。信号処理部33内の故障検出部340,350,360は、音声信号のエラー検出処理を行う(S23)。このエラー検出処理は、前述した図10及び図11に示す通りであるため、説明を省略する。
信号処理部33内の判定部337は、ステップS24で、故障検出部340,350,360によってマイク素子の故障の有無が検出されたか否かを判別する。この後、ステップS25〜S27の処理、及びステップS30〜S32の処理は図8に示す同一のステップ番号の処理の内容と同一であるため、説明を省略する。
以上により、本実施形態の故障検知システム10では、全方位マイクアレイ装置2は、マイク素子22iの故障の有無の検知処理の実行を省略するので、全方位マイクアレイ装置2の構成を第1の実施形態の全方位マイクアレイ装置2に比べて簡易化することができ、更に、全方位マイクアレイ装置2の処理の負荷を軽減することができる。
最後に、本発明に係る故障検知システム及び故障検知方法の構成、作用、効果について説明する。
本発明の一実施形態は、複数の収音素子を含む収音部と、音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する第1算出部と、前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出する第2算出部と、前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定する故障判定部と、を備える、故障検知システムである。
この構成では、第1算出部は、音源から各々の収音素子に伝搬された音声の平均パワーを収音素子毎に算出する。第2算出部は、収音部に含まれる使用可能な複数の収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出する。故障判定部は、収音素子毎の平均パワーと全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の収音素子があるか否かを判定する。
これにより、故障検知システムは、実際の使用中であっても、収音部に含まれる各収音素子の音響的な特性(例えば音響パワーとしての収音素子の個別の音響パワーの平均値、使用可能な複数の収音素子の全音響パワーの平均値)を監視するので、収音素子毎に、個別の平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲との比較結果によって故障中の収音素子を特定することができる。従って、故障検知システムは、実際の使用中であっても、収音部に含まれる各収音素子に異常が生じた場合でも、所定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記故障判定部により故障中と判定された収音素子を除く使用可能な複数の前記収音素子により収音された音声と、前記音源から各々の使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の遅延時間とを用いて、特定の方向に音声の指向性を形成する指向性形成部、を更に備える、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、実際の使用中に故障中の収音素子を除く使用可能な複数の収音素子により収音された音声と、音源から各々の使用可能な複数の収音素子に伝搬された音声の遅延時間とを用いて、特定の方向に音声の指向性を形成することができるので、特定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記故障判定部は、前記差分が前記所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、前記所定の範囲との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、収音素子毎の個別の平均パワーと全平均パターとの差分が所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、比較に用いた収音素子を故障中と判定することで、例えば一時的に発生する収音時のエラーを除くことができ、収音素子の故障の有無の判定精度を改善することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記故障判定部は、少なくとも1つの特定周波数において、前記差分が前記所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、前記所定の範囲との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、少なくとも1つの特定周波数において、収音素子毎の個別の平均パワーと全平均パターとの差分が所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、比較に用いた収音素子を故障中と判定することで、特定周波数に依存して収音時のエラーが生じるような収音素子の故障を検知することができる。従って、故障検知システムは、少なくとも1つの特定周波数において収音素子の故障の有無を監視することで、収音素子の周波数特性の変化も監視することができ、精度の高い故障検出を行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記故障判定部は、所定の期間において前記差分が前記所定の範囲を超える割合が所定の閾値以上である場合に、前記所定の閾値との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、所定の期間において収音素子毎の個別の平均パワーと全平均パターとの差分が所定の範囲を連続して複数回にわたって超える割合が所定の閾値以上である場合に、所定の閾値との比較に用いた収音素子を故障中と判定することで、収音時のエラーの発生頻度が高い場合に収音素子が故障していると判定することで、故障の有無の判定精度を改善することができる。また、所定の閾値は変更可能に設定されても良いので、故障検知システムは、故障検知システムが設置された周囲の状況に合わせて柔軟に収音素子の故障の有無の判定を行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1算出部は、所定の時間間隔毎に前記収音素子により収音された音声をサンプリングして、前記収音素子により収音された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、所定の時間間隔毎に収音素子により収音された音声のデータをサンプリングして音声の平均パワーを収音素子毎に算出するので、多くのサンプリングデータを用いれば用いる程、収音素子毎の音声の平均パワーの信頼性を向上することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1算出部、前記第2算出部及び前記故障判定部は、前記収音部に含まれ、前記収音部は、故障中の前記収音素子があると判定された場合に、故障中の前記収音素子に関する故障データを、故障中の前記収音素子を除く各収音素子により収音された音声を含む音声データパケットに付加して前記指向性形成部又は前記レコーダ装置に送信する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、故障中の収音素子に関する故障データが音声データパケットに付加されるので、例えば録音された音声データを再生する際に、収音部から送信された音声データパケットのエラー通知ログを詳細に解析する処理を省略することができ、故障中の収音素子を簡易に特定することができる。また、故障検知システムは、ユーザの操作によって、録音された音声データをどこの時点からから再生処理させても、レコーダ装置のログの解析を行うことなく、収音素子の故障の有無を簡易に把握でき、使用可能な収音素子を用いて指向性を形成することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1算出部、前記第2算出部及び前記故障判定部は、前記収音部に含まれ、前記収音部は、故障中の前記収音素子があると判定された場合に、故障中の前記収音素子を除く各収音素子により収音された音声を含む音声データパケットとは別個に、故障中の前記収音素子に関する故障データパケットを前記指向性形成部又は前記レコーダ装置に送信する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、故障中の収音素子を除く収音素子により収音された音声を含む音声データパケットとは別個に、故障中の収音素子に関する故障データパケットを指向性制御装置又はレコーダ装置に送信するので、故障データパケットによって故障中の収音素子を簡易に特定することができる。
また、本発明の一実施形態は、故障中の前記収音素子があることを通知する通知部を備える、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、操作者に対し、収音素子に故障が発生したことを知らせることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記通知部は、表示部の画面に、所定のアイコンを表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、操作者に対し、表示部の画面に表示された所定のアイコンによって、収音素子に故障が発生したことを知らせることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記通知部は、表示部の画面に、故障中の前記収音素子の情報を含むポップアップウインドウを表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、操作者に対し、表示部の画面に表示されたポップアップウインドウによって、収音素子に故障が発生したことを知らせることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記通知部は、表示部の画面に、故障中の前記収音素子に関する故障ログ情報を表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、操作者に対し、表示部の画面に表示された故障ログ情報によって、収音素子に故障が発生したことを知らせることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記収音部により収音された音声の音声データを記録するレコーダ装置、を更に備え、前記レコーダ装置は、前記レコーダ装置の表示部又は照明部に、故障中又は修復後の前記収音素子に関する情報を表示又は点灯させる、故障検知システムである。
この構成によれば、故障検知システムは、レコーダ装置の表示部又は照明部において、故障中又は修復後のマイク素子に関する情報を表示又は点灯させるので、操作者に対し、故障中のマイク素子があること又は修復後(回復済み、復旧済み)のマイク素子があることを簡易かつ視覚的に知らせることができる。
また、本発明の一実施形態は、複数の収音素子を含む収音部を有する故障検知システムにおける故障検知方法であって、音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出するステップと、前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出するステップと、前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定するステップと、を有する、故障検知方法である。
この方法では、故障検知システムは、音源から各々の収音素子に伝搬された音声の平均パワーを収音素子毎に算出し、更に、収音部に含まれる使用可能な複数の収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出する。また、故障検知システムは、収音素子毎の平均パワーと全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の収音素子があるか否かを判定する。
これにより、故障検知システムは、実際の使用中であっても、収音部に含まれる各収音素子の音響的な特性(例えば音響パワーとしての収音素子の個別の音響パワーの平均値、使用可能な複数の収音素子の全音響パワーの平均値)を監視するので、収音素子毎に、個別の平均パワーと全平均パワーとの差分と所定の範囲との比較結果によって故障中の収音素子を特定することができる。従って、故障検知システムは、実際の使用中であっても、収音部に含まれる各収音素子に異常が生じた場合でも、所定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、実際の使用中であっても、マイクアレイ装置に含まれる各マイク素子の特性を監視し、マイク素子に異常が生じた場合でも、異常が生じたマイク素子を特定し、所定の方向への音声の指向性形成精度の劣化を抑制する故障検知システム及び故障検知方法として有用である。
2、2A〜2E、2G 全方位マイクアレイ装置
3 指向性制御装置
4 レコーダ装置
10 故障検知システム
21、21C、21D、21E 筐体
22、23 マイクロホンユニット
25 符号化部
26 送信部
27 エラーパケット生成部
29、29A 検知部
31 通信部
32 操作部
33 信号処理部
34a 指向方向算出部
34c 出力制御部
34g 指向性形成部
36 ディスプレイ装置
36A プルダウンメニューの一覧
36B 各種操作ボタン
36C 詳細情報提示欄
36D ポップアップウインドウ
36e 機器障害ログ
36f 機器障害ログの一覧
37 スピーカ装置
38 メモリ
39 加算器
41 アイコン
80 音源
221、222、223、22i、22n マイク素子
241、242、243、24i、24n A/D変換器
251、252、253、25n 遅延器
281、28i、28n 増幅器(アンプ)
331 FFT部
335 指向性処理部
336 逆FFT部
337 判定部
340、350、360 故障検出部
341、351、361 平滑部
342、352、362 比較部
343、353、363 平均算出部
345、355、365 結果保持部
381 使用可能マイク情報保持部
382 ログ情報保持部
C11 カメラ装置

Claims (13)

  1. 複数の収音素子を含む収音部と、
    音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する第1算出部と、
    前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出する第2算出部と、
    前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定する故障判定部と、を備え
    前記第1算出部は、
    所定の時間間隔毎に前記収音素子により収音された音声をサンプリングして、前記収音素子により収音された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する、
    故障検知システム。
  2. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    前記故障判定部により故障中と判定された収音素子を除く使用可能な複数の前記収音素子により収音された音声と、前記音源から各々の使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の遅延時間とを用いて、特定の方向に音声の指向性を形成する指向性形成部、を更に備える、
    故障検知システム。
  3. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    前記故障判定部は、
    前記差分が前記所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、前記所定の範囲との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、
    故障検知システム。
  4. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    前記故障判定部は、
    少なくとも1つの特定周波数において、前記差分が前記所定の範囲を連続して複数回にわたって超える場合に、前記所定の範囲との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、
    故障検知システム。
  5. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    前記故障判定部は、
    所定の期間において前記差分が前記所定の範囲を超える割合が所定の閾値以上である場合に、前記所定の閾値との比較に用いた前記収音素子が故障中であると判定する、
    故障検知システム。
  6. 請求項2に記載の故障検知システムであって、
    前記収音部により収音された音声の音声データを記録する音声記録部、を更に備え、
    前記第1算出部、前記第2算出部及び前記故障判定部は、前記収音部に含まれ、
    前記収音部は、
    故障中の前記収音素子があると判定された場合に、故障中の前記収音素子に関する故障データを、故障中の前記収音素子を除く各収音素子により収音された音声を含む音声データパケットに付加して前記指向性形成部又は前記音声記録部に送信する、
    故障検知システム。
  7. 請求項2に記載の故障検知システムであって、
    前記収音部により収音された音声の音声データを記録する音声記録部、を更に備え、
    前記第1算出部、前記第2算出部及び前記故障判定部は、前記収音部に含まれ、
    前記収音部は、
    故障中の前記収音素子があると判定された場合に、故障中の前記収音素子を除く各収音素子により収音された音声を含む音声データパケットとは別個に、故障中の前記収音素子に関する故障データパケットを前記指向性形成部又は前記音声記録部に送信する、
    故障検知システム。
  8. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    故障中の前記収音素子があることを通知する通知部を、更に備える、
    故障検知システム。
  9. 請求項に記載の故障検知システムであって、
    前記通知部は、
    表示部の画面に、所定のアイコンを表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、
    故障検知システム。
  10. 請求項に記載の故障検知システムであって、
    前記通知部は、
    表示部の画面に、故障中の前記収音素子の情報を含むポップアップウインドウを表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、
    故障検知システム。
  11. 請求項に記載の故障検知システムであって、
    前記通知部は、
    表示部の画面に、故障中の前記収音素子に関する故障ログ情報を表示させることで、故障中の前記収音素子があることを通知する、
    故障検知システム。
  12. 請求項1に記載の故障検知システムであって、
    前記収音部により収音された音声の音声データを記録するレコーダ装置、を更に備え、
    前記レコーダ装置は、
    前記レコーダ装置の表示部又は照明部に、故障中又は修復後の前記収音素子に関する情報を表示又は点灯させる、
    故障検知システム。
  13. 複数の収音素子を含む収音部を有する故障検知システムにおける故障検知方法であって、
    音源から各々の前記収音素子に伝搬された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出するステップと、
    前記収音部に含まれる使用可能な複数の前記収音素子に伝搬された音声の全平均パワーを算出するステップと、
    前記収音素子毎の平均パワーと前記全平均パワーとの差分が所定の範囲を超えるか否かの比較結果を基に、使用不可な故障中の前記収音素子があるか否かを判定するステップと、を有し、
    前記音声の平均パワーを算出するステップでは、所定の時間間隔毎に前記収音素子により収音された音声をサンプリングして、前記収音素子により収音された音声の平均パワーを前記収音素子毎に算出する、
    故障検知方法。
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