JP6806123B2 - 故障検出装置、音声入出力モジュール、及び故障検出方法 - Google Patents
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Description
また、このような装置には、二つのマイクが設けられる場合がある。こうすることで、いずれか一方のマイクが故障した場合でも緊急時の通報等を行うことが可能となる。また、二つのマイクをスピーカから等距離に配置すれば、二つのマイクに同等の音圧レベルで入力された音をスピーカから発している音とみなして、その音を除去することにより、ハウリングを抑制することもできる。
また、本発明の故障検出装置は、確認信号を音声出力装置から出力させる出力部と、音声入力装置が備える二つのマイクに入力される入力信号であって、前記音声出力装置から出力された確認信号が回り込んで入力される入力信号を取得する入力部と、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値に基づいて、前記二つのマイクの両方が正常であるか否かを検出する故障検出部と、を備え前記故障検出部は、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値が、前記入力信号が前記音声入力装置に入力される際の平均の音圧レベルとして予め調整された平均音圧レベルを合算した値である正常な音圧レベルに対応していない場合には、前記二つのマイクのうちいずれか一方が正常でないと判定する。
通信モジュール90は、図示しない無線送受信装置を備え、緊急センタ等と無線送受信装置を介して通信を行う。通信モジュール90は、音声入出力モジュール80から出力されるユーザからの緊急通報等の送信音信号を入力するとともに、送信音信号を緊急センタ等に送信する。通信モジュール90は、緊急センタ等から出力される緊急通報に対する応答等の受信音信号を受信するとともに、受信音信号を音声入出力モジュール80へ出力する。
また、通信モジュール90は、音声入出力モジュール80から出力される故障検出信号を入力するとともに、故障検出信号を緊急センタ等に送信する。
故障検出装置10、音声処理部20、信号生成部30、加算部40の各々は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらを組み合わせたプロセッサ等であり、プログラムメモリに格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのプログラムで実行される機能の一部または全部は、アナログ制御回路、またはLSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Scale Integration)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。
故障検出装置10は、音声入力装置60からの入力信号を入力する。また、故障検出装置10は、確認信号および入力信号に基づいて、音声出力装置50、および音声入力装置60が正常であるか否かを検出する。
Sin(3x)=3×Sin(x)−4×{Sin(x)}3 ・・・(2)
図2に示す通り、スピーカ51から出力された確認信号は、マイク61および62に回り込み、マイク61および62から入力される。故障検出装置10は、確認信号がマイク61及び62に回り込んで入力される際のマイク61及び62における音圧が、例えば、平均で70[dB SPL(Sound Pressure Level)]となるように、信号生成部30に確認信号の信号レベルを調整させる。
このような音声入出力モジュール80は、例えば、車両の車室内に搭載する場合、運転席と助手席の間であって、天井側のいずれかの位置に取り付けるようにしてもよい。この場合、スピーカ51から出力された確認信号は、運転手と助手席に搭乗した搭乗員の間にむけて放音されるため、運転手と搭乗員の耳に入りにくくすることができる。
また、音声処理部20が行う音声処理には、入力信号に含まれるハウリング等を防止する処理が含まれる。ハウリングは、音声出力装置50から出力された音が、音声入力装置60に回り込み、外部音とともに音声入力装置60から入力されることにより生じる。本実施形態においては、マイク61とマイク62が、スピーカ51からの距離が互いに等しくなるように設置されており、確認信号成分を含むスピーカ51から出力された音がスピーカ51に回り込んで入力される音は、マイク61とマイク62と同等となる。このため、音声処理部20は、音声入力装置60のマイク61からの入力信号、およびマイク62からの入力信号に対しその一方の入力信号から他方の入力信号を減算することにより、確認信号成分を含む音声出力装置50から出力された音が音声入力装置60に回り込んで入力された音を除去し、ハウリングが防止することができる。音声処理部20が、ハウリングを防止することにより、送信音信号の音声品質低下を抑制することができる。
スピーカ等の出力機器およびマイク等の入力機器は、一般に可聴帯域の音信号を出力および入力させる機器である。このため、20[kHz]程度までの信号を表現できればよく、これらの機器で一般に処理されるサンプリング周波数は、48[kHz]程度か、その逓倍の96[kHz]、又は192[kHz]程度である場合が多い。
また、周波数が低い(波長が長い)信号ほど回り込み易く、周波数が高い(波長が小さい)信号ほど信号の直進性が高くなるため回り込み難いことが一般に知られている。本実施形態において、確認信号が音声入力装置60に回り込んで入力されるためには、直進性がさほど高くない周波数(例えば、100[kHz]以下)であることが好ましい。
また、本実施形態において確認信号は、信号歪のない信号であることが望ましい。確認信号に信号歪を生じさせないためには、確認信号がもつ周波数の4倍程度以上のサンプリング周波数で確認信号を生成する処理を行うことが望ましい。音声出力装置50から出力される確認信号に信号歪を抑制することで、信号歪に起因する可聴帯域の信号が出力されることを低減させることができる。
以上説明したような観点から、汎用的な音声入出力機器で入出力可能であり、適度に回り込み易く、歪の少ない周波数で、確認信号が構成されることが望ましい。本実施形態の故障検出装置において、確認信号は、16〜24[kHz]の周波数で構成されているものとする。
図4(a)の例では、区間A1と区間A2の長さは等しく、周期(区間A1と区間A2とを合わせた区間A、例えば1秒間)に対する有信号区間(区間A1、例えば0.5秒間)の比(デューティ比)は、50%程度である。確認信号をバースト信号とする際、バースト周期及びデューティ比は任意であってよい。本実施形態の故障検出装置10は、確認信号のバースト周期及びデューティ比を人為的に設定することで、確認信号と自然界に存在する雑音とを区別し易くし、故障検出をより正確に行うことができる。
ここで、故障検出装置10は、音声入力装置60からの入力信号のデューティ比が、所定の範囲内にある場合に、正常であると判定する。ここでいう所定の範囲は、任意に設定することができるが、例えば、確認信号を生成する際に設定したデューティ比に、自然界に存在し得る雑音が含まれる場合を考慮して設定してもよい。こうすることにより、雑音が混在したことによる誤判定を低減することができる。
振幅比較部17は、入力信号の振幅と予め定めた所定のしきい値とを比較する。振幅比較部17は、比較結果を判定部16へ通知する。
判定部16は、振幅比較部17から比較結果を受け取るとともに、一定時間内の比較結果を保持し、バースト周期に対する入力信号がしきい値以上である時間の比(図4(a)における、区間Aに対する区間Cの比、以下、区間比とする)を求める。
判定部16は、求めた区間比に基づいて、区間比が予め定めた所定の範囲内である場合に、音声出力装置50と音声入力装置60とが正常であると判定する。また、判定部16は、区間比が予め定めた所定の範囲外である場合に、音声出力装置50と音声入力装置60とのいずれか正常ではないと判定する。
判定部16は、判定結果を、故障検出信号として出力する。
合算した入力信号について故障検出を行う場合、例えば、故障検出部15は、合算した入力信号の信号振幅がしきい値以上であって、正常に音声入力装置60から入力信号が入力され合算された入力信号の信号振幅の値に対応している場合には、マイク61と62との双方から入力信号が入力されているものとして判定することができる。一方、合算した入力信号の信号振幅がしきい値以上であるが、正常にマイク61と62から入力信号が入力され合算された入力信号の信号振幅の値に対応していない場合には、マイク61と62とのうちいずれか一方から入力信号が正常に入力され、他方からは正常に入力されていないものとして判定することができる。
それぞれ故障検出を行う場合、例えば、故障検出部15は、まず、入力部13にマイク61からの信号を入力させ故障検出を行う。次に、故障検出部15は、入力部13にマイク62からの信号を入力させ故障検出を行う。こうすることで、故障検出部15は、マイク61と62との各々について正常であるか否かを検出することができる。例えば、マイク61または62のいずれか一方が正常でない場合に軽故障であると判定し、マイク61と62の両方が正常でない場合に重故障であると判定し、軽故障または重故障であることを表す情報を含む故障検出信号を出力するようにしてもよい。
このように、この実施形態においては、音声入出力モジュール80が正常の動作をしていない場合、故障検出信号を反転させないようにした。すなわち、故障検出信号が反転(変化)していることによって、少なくとも故障検出装置10を含む音声入出力モジュール80が正常に動作していることを示すことができる。また、本実施形態の故障検出装置10が、故障検出信号をトグル信号として出力させることで、音声出力装置50および音声入力装置60が正常であるか否かだけでなく、プロセッサ70自身が正常であるか否かを通信モジュール90に通知することができる。
本実施形態において確認信号を構成する周波数は、少なくとも確認信号の持つ周波数が可聴帯域以外で構成されていればよく、例えば、故障検出装置10は、確認信号の周波数を、19[kHz]、20[kHz]、21[kHz]の順に、一定の区間出力させるように時間の経過に応じて周波数を変えるようにした確認信号を出力させてもよい。
この場合、まず、故障検出部15は、しきい値1より大きい信号の区間比が所定の範囲内となる信号が検出されることを確認する。次に、故障検出部15は、しきい値1より大きい信号の区間比が所定の範囲内とならない信号が検出されるとともに、しきい値2より大きい信号の区間比が所定の範囲内となる信号が検出されることを確認する。さらに、故障検出部15は、しきい値2より大きい信号の区間比が所定の範囲内とならない信号が検出されるとともに、しきい値1より大きい信号の区間比が所定の範囲内となる信号が検出されることを確認する。以上述べた順に信号が検出された場合、故障検出部15は、正常であると判定してもよい。
20 音声処理部
30 信号生成部
40 加算部
50 音声出力装置
51 スピーカ
60 音声入力装置
61,62 マイク
70 プロセッサ
80 音声入出力モジュール
90 通信モジュール
100 緊急通報モジュール
200 筐体
Claims (7)
- 確認信号を音声出力装置から出力させる出力部と、
音声入力装置が備える二つのマイクに入力される入力信号であって、前記音声出力装置から出力された確認信号が回り込んで入力される入力信号を取得する入力部と、
前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値に基づいて、前記二つのマイクの両方が正常であるか否かを検出する故障検出部と、
を備え、
前記故障検出部は、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値が、前記入力信号が前記音声入力装置に入力される際の平均の音圧レベルとして予め調整された平均音圧レベルを合算した値である正常な音圧レベルに対応している場合には、前記二つのマイクの両方が正常であると判定する、
故障検出装置。 - 確認信号を音声出力装置から出力させる出力部と、
音声入力装置が備える二つのマイクに入力される入力信号であって、前記音声出力装置から出力された確認信号が回り込んで入力される入力信号を取得する入力部と、
前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値に基づいて、前記二つのマイクの両方が正常であるか否かを検出する故障検出部と、
を備え、
前記故障検出部は、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値が、前記入力信号が前記音声入力装置に入力される際の平均の音圧レベルとして予め調整された平均音圧レベルを合算した値である正常な音圧レベルに対応していない場合には、前記二つのマイクのうちいずれか一方が正常でないと判定する、
故障検出装置。 - 前記確認信号は、可聴帯域以外の周波数で構成される信号である、
請求項1又は請求項2に記載の故障検出装置。 - 前記確認信号は、バースト信号である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の故障検出装置。 - 前記二つのマイクは、前記音声出力装置が備えるスピーカからの距離が互いに等しくなるように設置される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の故障検出装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の故障検出装置と、
前記音声出力装置と、
前記音声入力装置と、
を備える音声入出力モジュール。 - 出力部が、確認信号を音声出力装置から出力し、
入力部が、音声入力装置が備える二つのマイクに入力される入力信号であって、前記音声出力装置から出力された確認信号が回り込んで入力される入力信号を取得し、
故障検出部が、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値に基づいて、前記二つのマイクの両方が正常であるか否かを検出する、
故障検出方法であって、
前記故障検出部は、前記二つのマイクに入力された前記入力信号の振幅を合算した値が、前記入力信号が前記音声入力装置に入力される際の平均の音圧レベルとして予め調整された平均音圧レベルを合算した値である正常な音圧レベルに対応している場合には、前記二つのマイクの両方が正常であると判定する、
故障検出方法。
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