JP6210263B2 - 光学シート、スクリーン、及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学シート、光学シートを用いた画像を表示するスクリーン、及びこのスクリーンを有する表示装置に関する。
例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、コヒーレント光源を用いたプロジェクターが広く利用に供されている。コヒーレント光として、典型的には、レーザー光源から発振されるレーザー光が用いられる。プロジェクターからの画像光がコヒーレント光によって形成される場合、画像光が照射されるスクリーン上にスペックルが観察されるようになる。スペックルは、斑点模様として認識され、表示画質を劣化させる。特許文献1では、スペックルを低減する目的から、スクリーン上の各位置に入射する画像光の入射角度が、経時的に変化するようになっている。この結果、スクリーン上で相関の無い散乱パターンが発生し、観察面上で重畳されることにより、スペックルを低減することができる。
国際公開2012/033174パンフレット 特開2008−310260号公報
スペックルを低減するための別の方法として、拡散特性が経時的に変化するスクリーンも有効であると考えられる。ここで特許文献2は、電子ペーパーによって構成されたスクリーンを提案している。特許文献2のスクリーンでは、ラスタースキャン方式により照射される画像光の照射位置に対応して、反射率が変化する。
さらに、画像光が照射されない部分の反射率を低く制御することにより、この反射率の低い領域において外光や照明光などの環境光の反射が抑制され、高コントラストな画像を表示できる可能性がある。
しかしながら、特許文献2に開示されたスクリーンでは、反射率が白色粒子と黒色粒子の表示割合により変化するのみで、スクリーンで発生するスペックルに対しては何ら効果がない。スクリーンで発生するスペックルを効果的に低減させるには、スクリーンの拡散特性を維持したまま、拡散波面を時間変化させることが有効である。これまでにスクリーンを直接振動させる等の方式が提案されているが、実用面での制約が大きく、広く普及するにいたっていない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであって、従来とは異なる手法により、スペックルを十分に低減することができる光学シート、スクリーン、及び表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一実施形態にかかる光学シートは、
所定の厚みを有する透明な保持部と、
前記保持部に形成されたキャビティ内に収容され比誘電率の異なる第1部分と第2部分を含む粒子と、
を有する粒子層を備え、
前記第1部分は、透明な第1主部と、光を拡散する第1拡散成分を含み、
前記第2部分は、透明な第2主部と、光を拡散する第2拡散成分を含み、
前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分の直径dは、以下の条件式(1)を満足する。
0.1μm < d < 15μm (1)
また、本発明の一実施形態にかかる光学シートは、
前記粒子の体積に対する前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分の体積の和が占める割合を示す体積分率Viは、以下の条件式(2)を満足する。
Vi ≧ 3% (2)
また、本発明の一実施形態にかかる光学シートは、
前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分と前記第1主部及び前記第2主部との屈折率差Δnは、以下の条件式(3)を満足する。
|Δn| ≦ 0.2 (3)
また、本発明の一実施形態にかかるスクリーンは、
前記光学シートと、
電圧を印加されることによって、前記粒子層の前記粒子を駆動するための電場を形成する電極と、
を備える。
また、本発明の一実施形態にかかるスクリーンは、
前記電極は、光を拡散反射する機能を有する。
また、本発明の一実施形態にかかる表示装置は、
前記スクリーンと、
前記スクリーンにコヒーレント光を照射するプロジェクターと、
を備える。
また、本発明の一実施形態にかかる表示装置は、
前記スクリーンの前記電極に電圧を印加する電力源と、
前記電力源から前記電極に印加される印加電圧を制御する制御装置と、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記粒子層で前記粒子を動作させるよう、前記電力源の印加電圧を制御する。
また、本発明の一実施形態にかかる表示装置は、
前記制御装置は、180°未満の角度範囲内で前記粒子を繰り返し回転させるよう、前記電力源の印加電圧を制御する。
また、本発明の一実施形態にかかる表示装置は、
前記制御装置は、前記スクリーンの法線方向に沿って観察者側から前記第1部分が前記第2部分の少なくとも一部を覆うよう、前記電力源の印加電圧により、前記粒子の向き及び位置の少なくとも一方を制御する。
本発明の一実施形態にかかる光学シート、光学シートを用いた画像を表示するスクリーン、及びこのスクリーンを有する表示装置によれば、スペックルを低減することが可能となる。
本実施形態の表示装置を示す。 本実施形態の表示装置のスクリーンへ光を照射する方法を示す。 本実施形態の表示装置のスクリーンの断面の一部を示す。 本実施形態のスクリーンの粒子層の粒子の動作を示す。 シミュレーションのモデルを示す。 シミュレーションの散乱光の定義を示す。 シミュレーションでの体積分率に対する散乱の結果を示す。 シミュレーションでの屈折率差に対する散乱の結果を示す。 スクリーンへ印加される電圧の一例を示す。 他の実施形態のスクリーンの断面の一部を示す。 第1部分と第2部分の色を異ならせた例の粒子を示す。 第1部分と第2部分の体積比率を異ならせた例の粒子を示す。 複数の線状電極部を有するスクリーンの例を示す。 他の実施形態の透過型のスクリーンの断面の一部を示す。 本実施形態の透過型のスクリーンを用いた表示装置の一例を示す。 フレネルレンズの他の例を示す。 視野角拡大部の第2例を示す。 視野角拡大部の第3例を示す。 拡散部の他の例を示す。 粒子におけるキャビティの考え方を示す。
以下、図面を参照にして本発明にかかるスクリーン及び表示装置について説明する。
図1は、本実施形態の表示装置10を示す。
本実施形態の透過型の表示装置10は、プロジェクター20と、プロジェクター20から画像光を照射されるスクリーン40と、スクリーン40のプロジェクター20側に配置されるレンチキュラーレンズ70と、レンチキュラーレンズ70のプロジェクター20側に配置されるフレネルレンズ80と、図示しないブラックストライプと、を有する。なお、レンチキュラーレンズ70は、スクリーン40の第2面40b側に配置してもよい。また、レンチキュラーレンズ70の代わりに、マイクロレンズアレイを用いてもよい。この場合、ブラックストライプに代えて、ブラックマトリックス又はピンホールアレイを用いる。
スクリーン40は、後述するように、入射光に対して及ぼす拡散特性を経時的に変化させることができ、これにより、スペックルを目立たなくすることができる。このようなスクリーン40の機能に関連し、表示装置10は、電力源30及び制御装置35を有する。電力源30は、スクリーン40に対して電圧を印加する。制御装置35は、電力源30からの印加電圧を調整して、スクリーン40の状態を制御する。また、制御装置35は、プロジェクター20の動作を制御してもよい。一例として、制御装置35は、汎用コンピューターとすることができる。
プロジェクター20は、画像を形成する光、すなわち画像光を、スクリーン40へ投射する。図示された例において、プロジェクター20は、コヒーレント光を発振するコヒーレント光源21と、コヒーレント光源21の光路を調整する図示しない走査装置と、を有する。コヒーレント光源21は、一例として、レーザー光を発振するレーザー光源から構成される。コヒーレント光源21は、互いに異なる波長域の光を生成する複数のコヒーレント光源を有するようにしてもよい。透過型のスクリーン40の場合、観察者Eは、コヒーレント光源21のある第1面40aとは反対の第2面40b側からスクリーン40を透過した画像を観察することができる。プロジェクター20は、制御装置35とは別の図示しない制御装置を内部に設け、その内部の制御部分によって制御されるように構成してもよい。
図2は、本実施形態の表示装置のスクリーンへ光を照射する方法を示す。
図示された例において、プロジェクター20は、ラスタースキャン方式にて、スクリーン40上にコヒーレント光を投射する。図2に示すように、プロジェクター20は、スクリーン40上の全域を走査するよう、コヒーレント光を投射する。走査は、高速で実施される。プロジェクター20は、形成すべき画像に応じ、コヒーレント光源21からのコヒーレント光の射出を停止する。すなわち、スクリーン40上の画像が形成されるべき位置のみにコヒーレント光を投射する。この結果、スクリーン40上に画像が形成される。プロジェクター20の動作は、制御装置35によって制御される。
図3は、本実施形態の表示装置のスクリーンの断面の一部を示す。
まず、スクリーン40について説明する。図3に示す例において、スクリーン40は、複数の粒子を有した光学シート50と、電力源30と接続された電極41,42と、を有する。光学シート50の一方の主面上に、第1電極41が面状に広がっており、光学シート50の他方の主面上に、第2電極42が面状に広がっている。また、図3に示すスクリーン40は、第1電極41を覆ってスクリーン40の一方の最表面を形成する第1カバー層46と、第2電極42を覆ってスクリーン40の他方の最表面を形成する第2カバー層47と、を有する。
画像光が透過する第1電極41及び第1カバー層46、並びに、第2電極42及び第2カバー層47は、透明であって、それぞれ、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて、測定波長380nmから780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
第1電極41をなす導電材料として、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZno(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。一方、第1カバー層46は、第1電極41及び光学シート50を保護するための層である。この第1カバー層46は、透明樹脂、例えば優れた安定性を有するポリエチレンテレフタレート、あるいはポリカーボネートやアクリル樹脂、メタクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー等から、形成することができる。第2電極42は、第1電極41と同様に構成することができる。また、第2カバー層47は、第1カバー層46と同様に構成することができる。
光学シート50は、一対の基材51,52と、一対の基材51,52間に設けられた粒子層55と、を有する。第1基材51は、第1電極41を支持しており、第2基材52は、第2電極42を支持している。粒子層55は、第1基材51と第2基材52の間に封止されている。
第1基材51及び第2基材52は、粒子層55を封止することができ、且つ、第1電極41、第2電極42及び粒子層55の支持体として機能し得る強度を有した材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム等から構成される。なお、図3に示す例において、画像光は、スクリーン40の第1基材51を透過する。したがって、第1基材51は透明であって、第1電極41及び第1カバー層46と同様の可視光透過率を有することが好ましい。特に、第2基材52も第1電極41及び第1カバー層46と同様の可視光透過率を有することが好ましい。
粒子層55は、多数の粒子60と、粒子60を保持する保持部56と、を有する。保持部56は、粒子60を動作可能に保持している。図3に示すように、保持部56は、多数のキャビティ56aを有しており、各キャビティ56a内に粒子60が収容されている。各キャビティ56aの内寸法は、当該キャビティ56a内の粒子60の外寸法よりも大きくなっている。したがって、粒子60は、キャビティ56a内で動作可能となっている。保持部56は、液体57によって膨潤している。キャビティ56a内において、保持部56と粒子60との間は液体57で満たされている。液体57によって膨潤した保持部56によれば、粒子60の円滑な動作を安定して確保することができる。
液体57は、粒子60の動作を円滑にするために用いられる。液体57は、保持部56が膨潤することによってキャビティ56a内に保持されるようになる。液体57は、粒子60が電場に対応して動作することを阻害しないよう、低極性であることが好ましい。低極性の液体57として、粒子60の動作を円滑化させる種々の材料を用いることができる。液体57には、一例として、ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン系液体、及び直鎖アルカン等を用いることができる。
保持部56には、一例として、エラストマー材料からなるエラストマーシート等を用いることができる。エラストマーシートとしての保持部56は、液体57を膨潤することが可能である。エラストマーシートの材料としては、一例として、シリコーン樹脂、(微架橋した)アクリル樹脂、(微架橋した)スチレン樹脂及びポリオレフィン樹脂等を用いることができる。
粒子60は、図1に示したプロジェクター20から投射される画像光の進行方向を変化させる機能、例えば、画像光を拡散、反射又は屈折させる機能を有する。粒子60は、比誘電率が異なる第1部分61及び第2部分62を含む。したがって、この粒子60が電場内に置かれると、粒子60内に電気双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。
したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する光学シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置及び向きとなるようにキャビティ56aで動作する。このスクリーン40は光拡散機能を有した粒子60の動作にともなって、その拡散波面を変化させる。
例えば、制御装置35は、電力源30の印加電圧を制御することによって、粒子60を180°未満の角度範囲内で繰り返し回転させることができる。したがって、第1部分61及び第2部分62のうちの少なくとも一方を選択して、観察者側に位置させることが可能となる。
さらに、制御装置35は、スクリーン40の法線方向に沿って観察者側から粒子60の第1部分61が第2部分62の少なくとも一部を覆うよう、電力源30の印加電圧により、粒子60の向き及び位置の少なくとも一方を制御することができる。したがって、第1部分61と第2部分62が厳密に同一色でない場合においても、粒子60を動作させながら画像を表示している間、スクリーン40の色味が変化することを効果的に感知されにくくすることが可能となる。
比誘電率が異なる第1部分61及び第2部分62を含む粒子60は、公知技術を含む様々な方法で製造できる。例えば、有機物又は無機物の球状粒子を、粘着テープ等を用いて単層に配列させ、球状粒子と異なる正負に帯電する樹脂成分の層又は無機物層を半球面に蒸着する方法(蒸着法、例えば、特開昭56−67887号公報参照)、回転ディスクを用いる方法(例えば、特開平6−226875号公報参照)、比誘電率が異なる2種類の液滴をスプレー法やインクジェット法を用いて空気中で接触させて1つの液滴にする方法(例えば、特開2003−140204号公報参照)、及びマイクロチャンネル方法(例えば、特開2004−197083号公報参照)等、を用いる。
特開2004−197083号公報に提案されているように、比誘電率が互いに異なる第1部分61及び第2部分62は、帯電特性の互いに異なる材料を用いて形成することができる。一般にマイクロチャンネル方法では、互いに油性/水性(O/W型)又は水性/油性(W/O型)の関係にある連続相と粒子化相とを用いる。そして、連続相が移送される第1マイクロチャンネルから、第2マイクロチャンネルに流れる流動媒体の粒子化相内に、二種類の帯電特性の互いに異なる材料を含む連続相を、順次吐出することにより、二相ポリマー粒子60で、且つ、電荷的に(±)の極性を有する双極性粒子60を製造する。
本実施形態のマイクロチャンネル方法においては、まず、重合性樹脂成分を含有する油性又は水性の流動性媒体中に、この媒体に対して不溶性の重合性樹脂成分を分相して連続相を形成する。連続相中の重合性樹脂成分は、互いに異なる正負に帯電する重合性モノマーで形成する。次に、重合性モノマーを第1マイクロチャンネルに移送させ、次いで、この連続相を、第2マイクロチャンネル内を流れる水性又は油性の粒子化相中に、連続又は間欠的に順次吐出する。次に、粒子化相中に吐出した吐出物がマイクロチャンネル内での一連の吐出・分散・移送中に粒子化されるので、この粒子中の重合性樹脂成分をUV照射下及び/又は加熱下において重合硬化させる。このようにして、粒子60が適宜調製される。
粒子60に用いられる重合性樹脂成分としては、官能基又は置換基の種類によって、それぞれ(−)帯電性と(+)帯電性を示す傾向にあるモノマー種が挙げられる。したがって、少なくとも2種以上の複数種のモノマーを重合性樹脂成分として使用する場合には、その(+)帯電性及び(−)帯電性を示す傾向を周知の上で、好ましくは同種帯電性の傾向にあるモノマー同士を複数組み合わせて、適宜好適に使用する。その他、重合開始剤等のモノマー以外の添加剤は、材料全体での帯電性を失わないように調整して添加される。
少なくとも1種の官能基及び/又は置換基を分子内に有する重合性樹脂成分において、その官能基又置換基としては、例えば、カルボニル基、ビニル基、フェニル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、ハロゲン基、スルホン酸基、エポキシ基、及び、ウレタン結合等を挙げることができる。このような重合性モノマーにおける官能基又は置換基を有するモノマー種の単独又は2種以上の複数種を組み合わせて適宜好適に使用することができる。(−)帯電性又は(+)帯電性を示す傾向にある重合性モノマーとしては、特開2004−197083号公報に提案されているものを用いればよい。
マイクロチャンネル方法で粒子60を製造する場合、連続相をなす二種の重合性樹脂成分の合流時における速度や合流方向等、並びに、連続相の粒子相への吐出時における速度や吐出方向等を調整することにより、得られる粒子60の外形状、粒子60における第1部分61及び第2部分62の界面の形状等を、調整することができる。
図3に示された粒子60の例では、第1部分61と第2部分62の体積比率は、同一である。また、粒子60の第1部分61と第2部分62の界面は、平面状に形成される。すなわち、粒子60は球形状に形成され、第1部分61と第2部分62は半球状に形成される。
図4は、本実施形態のスクリーン40の粒子層55の粒子60を示す。
連続相をなす二種の重合性樹脂成分が、拡散成分を含む場合、粒子60の第1部分61及び第2部分62に内部拡散機能を付与することができる。図4に示すように、粒子60の第1部分61は、第1主部66a及び第1主部66a内に分散した第1拡散成分66bを有する。同様に、粒子60の第2部分62は、第2主部67a及び第2主部67a内に分散した第2拡散成分67bを有する。
すなわち、図4に示した球状粒子60は、第1部分61の内部を進む光及び第2部分62の内部を進む光に対して、拡散機能を発現することができる。ここで、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bとは、粒子60内を進む光に対し、反射や屈折等によって、光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの光拡散機能は、例えば、粒子60の第1主部66a及び第2主部67aをなす材料とは異なる屈折率を有する材料から第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bを構成することにより、付与される。
第1主部66a及び第2主部67aをなす材料とは異なる屈折率を有する第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bとして、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、金属化合物、気体を含有した多孔質物質等が挙げられる。また、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは、単なる気泡でもよい。
粒子60は、単一色が好ましい。すなわち、第1部分61と第2部分62は、同一色であることが好ましい。第1部分61と第2部分62の色は、顔料や染料等の色材を添加することにより、調整することができる。顔料や染料は、特開2005−99158号公報、特許第2780723号公報、及び、特許第5463911号公報等で開示されたものを用いればよい。
粒子60に対して用いる単一色とは、スクリーン40で画像の表示を行っていない状態において、粒子60が光学シート50内で動作したとしても、図1に示したスクリーン40を観察する観察者が、通常の観察力でスクリーン40の色の変化を認識できない程度に一様な色を有していることを意味する。すなわち、粒子60の第1部分61がスクリーン40の第1面40aに向いている状態でのスクリーン40の第2面40bと、粒子60の第2部分62がスクリーン40の第1面40aに向いている状態でのスクリーン40の第2面40bとを、画像の表示を行っていない状態で観察者が通常の注意力で観察した際に、同一の色として認識される場合、粒子60が単一色であるとする。
具体的には、粒子60の第1部分61がスクリーン40の第1面40aに向いている状態でのスクリーン40の第2面40bと、粒子60の第2部分62がスクリーン40の第1面40aに向いている状態でのスクリーン40の第2面40bとの色差ΔE*ab(=〔(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2)が、1.5以下となっていることが好ましい。なお、色差ΔE*abは、JIS Z8730に準拠して、コニカミノルタ社製の色彩計(CM−700d)を用いて計測されたL***表色系における明度ΔL*及び色度a*,b*に基づいて特定された値とする。また、透過光の明度ΔL*及び色度a*,b*に基づいて特定された色差ΔE*abの値で評価する。
このように、粒子60を単一色とすることで、画像等を表示していない時のスクリーン40を一定の色にすることが可能となる。そして、スクリーン40に画像を表示する際に、色味が変化したように感知されることが少なくなる。この結果、スクリーン40の色変化にともなった画質の劣化を効果的に回避することが可能となる。
粒子層55、光学シート50、及び、スクリーン40は、一例として以下のように製造する。
粒子層55は、例えば、特開平1−28259号公報に開始された方法により製造することができる。まず、粒子60を重合性シリコーンゴムに分散させたインキを作製する。次に、このインキを平滑な基材上にコーター等で延伸し、加熱及び乾燥等で重合させ、シート化する。以上の手順により、粒子60を保持した保持部56が得られる。次に、保持部56をシリコーンオイル等の液体57に一定期間浸漬する。その後、保持部56が膨潤することで、シリコーンゴム等からなる保持部56と粒子60との間に、液体57で満たされた隙間が形成される。この結果、液体57及び粒子60を収容したキャビティ56aが形成され、粒子層55が製造される。
次に、特開2011−112792号公報に開示された製造方法により、粒子層55を用いてスクリーン40を製造する。まず、図4に示す一対の第1基材51及び第2基材52によって粒子層55を覆い、ラミネート又は接着剤等を用いて粒子層55を封止する。これにより、光学シート50が製造される。次に、光学シート50上に第1電極41及び第2電極42を設け、さらに、第1カバー層46及び第2カバー層47を積層することで、スクリーン40が得られる。
このような方法を用いることにより、容易に大型の光学シート50及びスクリーン40を製造することが可能となる。
次に、粒子60の第1主部66a及び第2主部67aと第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの関係を説明する。
第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの直径dは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
0.1μm < d < 15μm (1)
第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの直径が0.1μm以下の場合、レイリー散乱の影響でレーザープロジェクターのRGB各色で散乱特性が大きく異なるようになる。例えば、波長の短い青、緑、赤の順に、拡散度合いが増すようになる。このような粒子を用いたスクリーン40は、例えば中央や四隅等の場所、又は、視聴角度によって、色むらが生じる可能性がある。
第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの直径が15μm以上の場合、粒子60に対し拡散成分が大きいため、粒子ごとの拡散成分の体積割合にばらつきが生じたり、球形を保持できなくなったりする原因となる。粒子60の直径は大きすぎると、粒子間距離も大きくなり、粒子層55においてプロジェクターから射出される光が粒子に当たらずに反射あるいは透過する抜け光が生じる原因となるので、粒子60の直径はなるべく小さいほうが好ましい。また、拡散成分の直径dが大きくなると、主部と拡散成分の界面の曲率は小さくなるため、屈折の作用によって光の進行方向が曲げられる角度は小さくなり、スペックル低減効果としては不利になる。以上の理由より、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの直径は15μm以下であることが望ましい。なお、拡散成分の直径dが大きくなると、主部と拡散成分の界面の屈折作用によって光が拡散される。後述するシミュレーションでは、dが十分に大きいときに幾何光学とMie散乱による計算結果は一致することが知られている。
また、粒子60の体積に対する第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの体積の和が占める割合を示す体積分率Viは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
Vi ≧ 3% (2)
さらに、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bと第1主部66a及び第2主部67aとの屈折率差Δnは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
|Δn| ≦ 0.2 (3)
ここで、体積分率の条件式(2)及び屈折率差の条件式(3)を求めたシミュレーションについて説明する。
図5は、シミュレーションのモデルを示す。
シミュレーションのモデルは、図3に示した保持部56及びキャビティ57を模した直方体101と、その直方体101の内部に埋め込んだ粒子60を模した球102と、からなる。直方体101の厚みは144μm、波長550nmに対する直方体101の屈折率は1.4である。球102の直径は90μmでアクリル樹脂を想定している。この直方体101に直径89.98μmの円光源100から波長550nmの平行光線を照射する。なお、各界面での反射又は透過はフレネル反射に従い、光線は分岐せず、確率的に反射又は透過が選択されるとする。また、キャビティ57は、シリコーンオイルで充填されており、シリコーンオイルと保持部56を構成するシリコーンゴムの屈折率はほぼ等しい。したがって、モデルでは、キャビティ57を省略している。
拡散はMie散乱に従うとし、球102の粒子数密度、屈折率、光学濃度、又は、粒径を設定した。粒子数密度(単位:/mm3)は、体積分率からあらかじめ計算して設定した。屈折率は1.43、光学濃度は10000、球径は全て1000nmと設定した。透過率は10-10000と換算されるため、球102に入射した光線は吸収されるものと考えられる。すなわち、このときの系の無限遠で受光される光線は、球102に一度も入射せずに直方体101から射出した光線である。この光線は、スペックル低減に寄与しないので、できるだけ少なくなることが望ましい。
図6は、シミュレーションの散乱光の定義を示す。図7は、シミュレーションでの体積分率に対する散乱の結果を示す。
図6に示すように、散乱光は、光源100から球102に射出される方向を0°とし、反時計回りを正として、−90°<θ<90°を前方散乱、90°<θ<270°を後方散乱とする。
図7は、球102の体積分率に対して入射光線数1,000,000本(波長550nm)の散乱の結果を示すものである。図10に示すように、体積分率が3%より小さい場合、多くの光線が無限遠で受光されると計算される。これらの光線は、スペックル低減に寄与しないので、体積分率Viは、3%以上とする条件式(2)を満足することが好ましい。
図8は、シミュレーションでの屈折率差に対する散乱の結果を示す。
次に、体積分率を3%、透過率を100%とし、屈折率を変えて計算を行った。図8に示すように、屈折率差|Δn|が0.2以内で条件式(3)を満足すると、前方散乱が後方散乱よりも多くなり、透過する光線が多くなる。例えば、直方体101がシリコーンゴムの場合、球102がシリカ等の無機材料又はポリスチレン等の有機材料が挙げられる。
次に、図1に示した表示装置10を用いて画像を表示する際の作用について説明する。
まず、制御装置35からの制御によって、プロジェクター20のコヒーレント光源21がコヒーレント光を発振する。プロジェクター20からの光は、図示しない走査装置によって光路を調整され、レンチキュラーレンズ70及びフレネルレンズ80を介して、スクリーン40に照射される。走査装置は、図2に示したようにスクリーン40上を光が走査するように光路を調整する。ただし、コヒーレント光源21によるコヒーレント光の射出は、制御装置35によって制御される。制御装置35は、スクリーン40上に表示したい画像に対応して、コヒーレント光源21からのコヒーレント光の射出を停止する。プロジェクター20に含まれる走査装置の動作は、人間の目Eでは分解不可能な程度にまで高速になっている。したがって、観察者は、時間を隔てて照射されるスクリーン40上の各位置に照射された光を同時に観察することになる。
スクリーン40上に投射された光は、第1カバー層46及び第1電極41を透過して、光学シート50に到達する。この光は、光学シート50の粒子60で拡散反射し、スクリーン40の観察者側となる種々の方向へ向けて射出する。したがって、観察者は、スクリーン40の観察者側となる各位置において、スクリーン40上の各位置からの反射光を観察することができる。この結果、観察者は、スクリーン40上のコヒーレント光が照射されている領域に対応した画像を観察することができる。
また、コヒーレント光源21が、互いに異なる波長域のコヒーレント光を射出する複数の光源を含むようにしてもよい。この場合、制御装置35は、各波長域の光に対応した光源を、他の光源から独立して制御する。この結果、スクリーン40上にカラー画像を表示することが可能となる。
ところで、一般に、コヒーレント光を用いてスクリーン上に画像を形成する場合、斑点模様のスペックルが観察されるようになる。スペックルの一原因は、レーザー光に代表されるコヒーレント光が、スクリーン上に拡散した後に、光センサ面上、又は、人間の場合は網膜上に干渉パターンを生じさせるためと考えられる。とりわけ、ラスタースキャンによってスクリーンにコヒーレント光を照射する場合、スクリーン上の各位置には一定の入射方向からコヒーレント光が入射する。したがって、ラスタースキャンを採用した場合、スクリーンの各点で発生するスペックル波面はスクリーンが揺動しない限り不動となり、スペックルパターンが画像と共に観察者に視認されると、表示画像の画質を著しく劣化させることになる。
一方、本実施形態の表示装置10のスクリーン40は、拡散波面を経時的に変化させるようになっている。スクリーン40での拡散波面が変化すれば、スクリーン40上でのスペックルパターンが経時的に変化するようになる。そして、拡散波面の経時的な変化を十分に高速にすると、スペックルパターンが重ねられ、平均化される。これによって、観察者にスペックルを目立たなくさせることが可能となる。
図1に示すように、スクリーン40は、一対の第1電極41及び第2電極42を有する。第1電極41及び第2電極42は、電力源30に電気的に接続している。すなわち、電力源30は、第1電極41及び第2電極42に電圧を印加することができる。第1電極41と第2電極42の間に電圧が印加されると、第1電極41と第2電極42の間に位置する光学シート50に電場が形成される。
図4に示すように、光学シート50の粒子層55には、比誘電率の異なる第1部分61及び第2部分62を有した粒子60が、動作可能に保持されている。この粒子60は、そもそも帯電している、又は、少なくとも電場が形成されると双極子モーメントが発生することから、形成された電場のベクトルに応じて動作する。そして、光の進行方向を変化させる機能、例えば反射機能や拡散機能を有した粒子60が、図5に示した矢印Aの方向に回転動作すると、スクリーン40の拡散特性が経時的に変化する。この結果、観察者に対してスペックルを目立たなくさせることができる。
なお、図5の矢印Laは、プロジェクター20からスクリーン40へ照射された画像光であり、矢印Lbは、スクリーン40で拡散された画像光である。また、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で、比誘電率が異なるとは、スペックル低減機能を発現し得る程度に比誘電率が異なっていれば十分である。したがって、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で比誘電率が異なるか否かは、動作可能に保持された粒子60が、電場ベクトルの変化にともなって動作し得るか否かにより、判定することができる。
ここで、粒子60が保持部56に対して動作する原理は、粒子60の電荷又は双極子モーメントが電場ベクトルに対して安定的な位置関係となるように、粒子60の向き及び位置を変化させる、というものである。したがって、粒子層55に一定の電場が印加され続けると、粒子60の動作は一定期間後には停止する。その一方で、スペックルを目立たなくするには、粒子60の保持部56に対する動作が継続する必要がある。そこで、電力源30は、粒子層55に形成される電場が経時的に変化するよう、電圧を印加する。本実施形態では、電力源30は、光学シート50内に生成させる電場のベクトルを反転させるように、第1電極41と第2電極42の間に電圧を印加する。
図9は、スクリーンへ印加される電圧の一例を示す。
図9に示すように、本実施形態の第1電極41と第2電極42の間の電圧は、X[V]と−Y[V]が交互に印加される。印加電圧のX[V]と−Y[V]は、絶対値が同一でも異なっていてもよい。また、3つ以上の異なる値の電圧を印加するようにしてもよい。さらに、通常の交流電圧を採用する等、印加電圧が連続的に変化するようにしてもよい。
なお、粒子60は、保持部56に形成されたキャビティ56a内に収容されている。そして、図4に示したように、粒子60は略球状の外形を有している。また、粒子60を収容するキャビティ56aは、略球状の内形を有している。したがって、粒子60は、図4の紙面に直交する方向に延びる回転軸線raを中心として、回転振動することができる。ただし、粒子60を収容するキャビティ56aの大きさに依存して、粒子60は、繰り返し回転運動だけでなく、並進運動も行うことができる。さらに、キャビティ56aには、液体57が充填されている。液体57は、粒子60の保持部56に対する動作を円滑にする。
図10は、他の実施形態のスクリーン40の断面の一部を示す。
図10に示すように、光学シート50及びスクリーン40は、曲面に製造してもよい。曲面に製造するには、シート層55をシート化する際に、曲面上で加熱し、重合させればよい。その後、予め曲面に形成された基材51,52を積層すればよい。
図11は、第1部分61と第2部分62の色を異ならせた例の粒子60を示す。
例えば、上述した実施形態において、第1部分61と第2部分62は、一方のみに拡散成分を有してもよい。第1部分61及び第2部分62の一方のみに拡散成分があれば、粒子60の向き、姿勢、位置が変化したとしても、光が透過する際に、拡散成分によって拡散する可能性が高いので、効果的に、スペックルを目立たなくすることができる。
図12は、第1部分61と第2部分62の体積比率を異ならせた例の粒子60を示す。
上述した実施形態において、第1部分61と第2部分62は、同一の体積比率を有する例を示したが、この例に限る必要はない。粒子60に占める第1部分61の体積比率と粒子60に占める第2部分62の体積比率が異なるようにしてもよい。図12に示す例では、第1部分61の体積比率が第2部分62の体積比率よりも大きい。このような粒子60を用いた場合、スクリーン40に光が照射されている間、スクリーンの法線方向ndに沿って観察者側から第1部分61が第2部分62の少なくとも一部を覆うようにすることが容易になる。さらに、粒子60の回転動作にともなって図13の二点鎖線で示された位置まで第2部分62が移動する場合、スクリーン40の法線方向ndに沿った観察者側から第1部分61によって第2部分62を完全に覆い隠すことが可能となる。したがって、第1部分61と第2部分62が厳密に同一色でない場合においても、粒子60を動作させながら画像を表示している間、スクリーン40の色味が変化することを効果的に感知されにくくすることが可能となる。
さらに、上述した実施形態において、正の帯電性を有するモノマーや負の帯電性を有するモノマーを合成樹脂の重合を用いて単一色の粒子60を作製し、この粒子60が帯電している例を示したが、この例に限る必要はない。液体57中での帯電特性が異なる複数部分を有する粒子60は、公知の材料を用いて、様々な方法で合成される。例えば、性能の異なる材料からなる板状体を二層積層し、この積層体を所望のサイズに粉砕することによって、粒子60を作製してもよい。帯電特性を有する材料は、例えば合成樹脂に、帯電制御剤を添加すればよい。帯電付与添加剤の例としては、静電気防止剤に用いられる、ポリアルキレングリコールを主成分とするポリマーに過塩素酸リチウム等を複合化させたイオン導電性付与剤を採用することができる。
さらに、上述した実施形態において、粒子60が球体である例を示したが、この例に限る必要はない。粒子60は、キャビティ56a内で動作可能であれば、回転楕円体、立方体、直方体、錐体、円筒体等の外径を有するようにしてもよい。球体以外の外形を有する粒子60を動作させることにより、粒子60の内部拡散機能によらず、表面反射によって、スクリーン40の拡散特性の経時変化を引き起こすことが可能となる。
さらに、光学シート50、粒子層55、及び粒子60を上述した実施形態で説明した方法とは異なる方法で製造してもよい。また、粒子60が、保持部56に対して動作可能に保持されれば、液体57が設けられていなくてもよい。
さらに、上述した実施形態において、スクリーン40の積層構造の一例を示したが、これに限らず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層をスクリーン40に設けてもよい。また、1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよい。例えば、第1カバー層46、第2カバー層47、第1基材51、又は第2基材52等が、この機能層として働くようにしてもよい。機能層に付与される機能として、例えば、反射防止機能、耐擦傷性を有したハードコート機能、紫外線遮蔽機能、紫外線反射機能、又は防汚機能等が挙げられる。
図13は、複数の線状電極部を有するスクリーン40の例を示す。
さらに、上述した実施形態において、第1電極41及び第2電極42が、面状に形成され、粒子層55を挟むように配置される例を示したが、この例に限る必要はない。第1電極41及び第2電極42の少なくとも一つがストライプ状に形成されるようにしてもよい。図15に示す例では、第1電極41及び第2電極42の両方が、透明なストライプ状に形成されている。すなわち、第1電極41は線状に延びる複数の第1線状電極部41aを有し、複数の第1線状電極部41aはその長手方向に直交する方向に配列されている。第2電極42も第1電極41と同様に、線状に延びる複数の第2線状電極部42aを有し、複数の第1線状電極部41aはその長手方向に直交する方向に配列されている。
図13に示す例において、第1電極41をなす複数の第1線状電極部41a及び第2電極42をなす複数の第2線状電極部42aは、共に、光学シート50の観察者とは同じ側の面上に配置されている。そして、第1電極41をなす複数の第1線状電極部41a及び第2電極42をなす複数の第2線状電極部42aは、同一の配列方向に沿って、交互に配列されている。図13に示された第1電極41及び第2電極42によっても、電力源30から電圧を印加されることにより、光学シート50の粒子層55に電場を形成することができる。
さらに、上述した実施形態において、プロジェクター20がラスタースキャン方式で、光をスクリーン40に投射する例について説明したが、この例に限る必要はない。プロジェクターがラスタースキャン方式以外の方式、例えば、各瞬間にスクリーンの全領域に画像光を投射するようにしてもよい。このようなプロジェクターを用いた場合においてもスペックルが生じることになるが、上述のスクリーンを用いることによって、スクリーン40での拡散波面が経時的に変化することになり、スペックルを効果的に目立たなくすることができる。さらに、背景技術の欄で説明した国際公開2012/033174に開示されたプロジェクターと組み合わせて、上述したスクリーンを用いることも可能である。このプロジェクターによれば、スペックルを有効に低減することができるが、このプロジェクターと上述のスクリーンとの組み合わせによれば、さらに効果的に、スペックルを目立たなくすることができる。
図14は、他の実施形態の透過型のスクリーン140の断面の一部を示す。
透過型のスクリーン140は、図3に示したスクリーン40の光学シート50において、拡散透過層58を加える。拡散透過層58は、光を透過する際に拡散する機能を有する。透過型のスクリーン140のその他の構成は、図3に示したスクリーン40と同様でよい。
また、透過型のスクリーン140は、拡散透過層58を第2基材52と第2電極42の間に設けてもよい。さらに、図示しない拡散微粒子58aを第2基材52に埋め込み、第2基材52に拡散透過層58としての機能を持たせてもよい。さらに、図示しない拡散微粒子58bは粒子層55の保持部56や液体57に含まれていて、粒子層55に拡散透過層58としても機能を持たせても良い。
図15は、本実施形態の透過型のスクリーン140を用いた表示装置10の一例を示す。
本実施形態の透過型の表示装置10は、プロジェクター20と、プロジェクター20から画像光を照射されるスクリーン140と、を有する。ここで、スクリーン140は、図14に示した構成のうち、少なくとも電極41,42と、粒子層55及び拡散透過層58を有していればよい。
また、表示装置10は、プロジェクター20とスクリーン140の間に配置されるフレネルレンズ70、スクリーン140の視野角を拡大する視野角拡大部71、コントラストを向上させる着色部72のうち、少なくとも1つを用いてもよい。さらに、スクリーン140の耐久性を向上させるため、ハードコート部73を用いてもよい。
フレネルレンズ70は、プロジェクター20から射出される光を屈折させて略平行光として射出する。フレネルレンズ70は、プロジェクター20とスクリーン140の間に配置される。フレネルレンズ70は、同心円状フレネルレンズ又はシリンドリカルレンズと同様の効果があるリニアフレネルレンズのどちらでもよい。また、フレネルレンズ70のフレネル面70aは、プロジェクター20とスクリーン140のどちらに向けてもよい。フレネルレンズ70は、シート状に形成されてもよい。
このようなフレネルレンズ70を用いることによって、プロジェクター20から射出される光を略平行光として射出することができ、スクリーン140上の画質を向上させることが可能となる。また、フレネルレンズ70をシート状に形成することによって、スクリーン140を薄く形成することが可能となる。
視野角拡大部71は、スクリーン140の視野角を拡大する。図15に示す第1例では、視野角拡大部71は、透明樹脂又は空気等の基材71aと、基材71aに黒色の三角形プリズム状に形成される光吸収部71bと、を有する。基材71aは、光吸収部71bよりも屈折率が高い。
プロジェクター20から射出した光は、視野拡大部71の基材71a側から入射し、基材71aと光吸収部71bの境界の斜面で全反射し、視野角を拡大させる。したがって、光吸収部71bには、光はほとんど入射せず、光の利用効率を高くすることが可能となる。また、光吸収部71bは、観察者E側からの外光を吸収する。したがって、コントラストを向上させることが可能となる。
なお、図15に示した視野角拡大部71は、光を上下方向に拡散させるように紙面の上下方向に光吸収部71bを並べて形成しているが、光を左右方向に拡散させるように紙面の手前から奥へ向かう方向に光吸収部71bを並べて形成してもよい。また、紙面の上下方向に並べた光吸収部71bを有する視野拡大部71と紙面の手前から奥へ向かう方向に並べた光吸収部71bを有する視野拡大部71を、プロジェクター20と観察者Eの間に重ねて使用してもよい。視野拡大部71を重ねて使用することで、光の利用効率を低下させることなく、効率的に広視野角で高コントラストなスクリーンを実現することが可能となる。
着色部72は、半透明又は着色染料等によって着色された層であって、透過率を低くしてコントラストを向上させる。着色部72は、独立した層として設けず、同様の機能を他の部分に持たせてもよい。例えば、保持部56、液体57及び粒子60を着色してコントラストを向上させてもよい。また、着色部72は、光源としてレーザーを用いる場合、輝線のみを通すように着色されていてもよい。
ハードコート層73は、スクリーン最表層に公知のハードコート材料をコーティングすることによって形成され、耐久性を向上させる。ハードコート層73は、浸水性又は撥水性を有してもよい。例えば、低温環境においてスクリーン140を使用する場合、ハードコート層73に結露が発生するおそれがある。そのため、ハードコート層73の表面は、フッ素又はシリコン等によるコーティング、凹凸構造、吸湿層の貼付、又は、電熱層等によって、形成されてもよい。このように形成することによって、結露及び汚れを防止することができる。
表示装置10は、タッチパネル機能を搭載としてもよい。赤外光学イメージング方式では、表示装置10の一部に赤外センサーを設けておき、赤外線を外部から照射すれば、表示装置10と接触した位置を赤外照射が遮断された部位として赤外センサーが検知するので、タッチパネル機能を有することとなる。赤外線照射部は別途照射装置を設けてもよい。同様に、超音波方式では、表示装置10の表面に超音波表面弾性波の発信子と受信子を設置しておき、この弾性波の減衰で接触位置を特定する。また表示装置10の内部または外付けで、静電容量方式や膜抵抗方式のタッチパネルを搭載させてもよい。表示装置の内部にタッチパネルを搭載させるには、図16に示したスクリーン140と着色部72の間、又は着色部72とハードコート層73の間にタッチパネル層を形成すればよい。
図16は、フレネルレンズ70の他の例を示す。
フレネルレンズ70は、フレネル面70あとは反対の面を、拡散性を有する拡散面70bに形成してもよい。拡散面70bは、表面に凹凸等を形成すればよい。このような拡散面70bを形成することによって、スクリーン全体の拡散性を向上させることが可能となる。
図17は、視野角拡大部の第2例を示す。
図17に示す第2例の視野角拡大部171は、基材としてのレンチキュラーレンズ171aと、レンチキュラーレンズ171aの一部に形成される光吸収部171bと、を有する。
レンチキュラーレンズ171aは、シートのプロジェクター20側の表面に微細な細長い第1シリンドリカルレンズ171a1が並べられ、シートの観察者E側の表面に微細な細長い第2シリンドリカルレンズ171a2と平面部171a3とが交互に形成される。光吸収部171bは、レンチキュラーレンズ171aの平面部171a3に形成される。レンチキュラーレンズ171aは、透明な樹脂で形成される。光吸収部171bは、黒色の塗装等によって形成される。
プロジェクター20から射出した光は、視野拡大部171のレンチキュラーレンズ171aの第1シリンドリカルレンズ171a1から入射し、第2シリンドリカルレンズ171a2から射出して、視野角を拡大させる。したがって、光吸収部171bには、光はほとんど入射せず、光の利用効率を高くすることが可能となる。また、光吸収部171bは、観察者E側からの外光を吸収する。したがって、コントラストを向上させることが可能となる。
なお、図17に示した視野角拡大部71は、光を上下方向に拡散させるように紙面の上下方向に第1シリンドリカルレンズ171a1及び第2シリンドリカルレンズ171a2を並べて形成しているが、光を左右方向に拡散させるように紙面の手前から奥へ向かう方向に第1シリンドリカルレンズ171a1及び第2シリンドリカルレンズ171a2を並べて形成してもよい。また、紙面の上下方向に並べた第1シリンドリカルレンズ171a1及び第2シリンドリカルレンズ171a2を有する視野拡大部171と紙面の手前から奥へ向かう方向に並べた第1シリンドリカルレンズ171a1及び第2シリンドリカルレンズ171a2を有する視野拡大部171を、プロジェクター20と観察者Eの間に重ねて使用してもよい。視野拡大部171を重ねて使用することで、光の利用効率を低下させることなく、効率的に広視野角で高コントラストなスクリーンを実現することが可能となる。
また、視野角拡大部71は、マイクロレンズアレイ等でもよい。光吸収部171bは、ピンホールアレイ等でもよい。
図18は、視野角拡大部の第3例を示す。
図18に示す第3例の視野角拡大部271は、基材としてのレンチキュラーレンズ271aと、レンチキュラーレンズ271aの一部に形成される光吸収部271bと、を有する。
レンチキュラーレンズ271aは、シートのプロジェクター20側の表面に微細な細長いシリンドリカルレンズ271a1が並べられ、シートの観察者E側の表面に平面部271a3が形成される。レンチキュラーレンズ271aは、透明な樹脂で形成される。光吸収部271bは、レンチキュラーレンズ271aのシリンドリカルレンズ271a1を覆うように形成される。光吸収部271bは、塗装等によって層状に形成される。
プロジェクター20から射出した光は、視野拡大部271の光吸収部271bから入射し、平面部271a3から射出して、視野角を拡大させる。また、光吸収部271bは、内部反射を繰り返し、観察者E側からの外光を減衰する。したがって、コントラストを向上させることが可能となる。
なお、図18に示した視野角拡大部71は、光を上下方向に拡散させるように紙面の上下方向にシリンドリカルレンズ271a1を並べて形成しているが、光を左右方向に拡散させるように紙面の手前から奥へ向かう方向にシリンドリカルレンズ271a1を並べて形成してもよい。また、紙面の上下方向に並べたシリンドリカルレンズ271a1を有する視野拡大部271と紙面の手前から奥へ向かう方向に並べたシリンドリカルレンズ171a1を有する視野拡大部271を、プロジェクター20と観察者Eの間に重ねて使用してもよい。視野拡大部271を重ねて使用することで、光の利用効率を低下させることなく、効率的に広視野角で高コントラストなスクリーンを実現することが可能となる。
また、視野角拡大部71は、マイクロレンズアレイ等でもよい。
次に本実施形態の拡散部58についてさらに説明する。本実施形態では、拡散透過層58は、拡散微粒子58aを含むことによって、光を拡散する機能を有すればよい。
拡散透過層58の場合、拡散微粒子58aは、アクリル樹脂等の主成分との屈折率差が小さい樹脂ビーズや二酸化ケイ素等の材料を用いればよい。拡散微粒子58aは、主成分との屈折率差が小さいと、前方散乱が起こりやすくなり、透過型として用いることが好ましい。
拡散部58は、粒子層55から離れていてもよい。拡散部58と粒子層55の間は、空気の層であってもよい。拡散部58は、粒子層55の両側にそれぞれ設けてもよい。
図19は、拡散部58の他の例を示す。
拡散部58は、表面に不規則な凹凸を形成することで拡散透過層58としてもよい。この場合、拡散部58の凹凸は、粒子層55側に形成されてもよい。また、図19に示すように、拡散部58は、粒子層55から離れていてもよい。拡散部58と粒子層55の間は、空気の層であってもよい。拡散部58は、粒子層55の両側にそれぞれ設けてもよい。
次に、粒子60についてさらに説明する。本実施形態では、図4に示したように、粒子60は、多相ポリマー粒子であって、第1部分61と第2部分62とを有する。第1部分61と第2部分62は、第1ポリマー部分61と第2ポリマー部分62に言い換えてもよい。
反射型の粒子60の場合、粒子60の第1主部66a及び第2主部67aは、アクリル樹脂等を用い、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは、第1主部66a及び第2主部67aとの屈折率差が大きい酸化チタン等の金属化合物を用いればよい。第1主部66a及び第2主部67aと第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは、屈折率差が大きいと、後方散乱が起こりやすくなり、反射型として用いることが好ましい。
透過型の粒子60の場合、粒子60の第1主部66a及び第2主部67aは、アクリル樹脂等を用い、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは、第1主部66a及び第2主部67aとの屈折率差が小さい二酸化ケイ素等の材料を用いればよい。第1主部66a及び第2主部67aと第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは、屈折率差が小さいと、前方散乱が起こりやすくなり、透過型として用いることが好ましい。
なお、粒子層55では、保持部56、液体57、粒子60に対して着色料を用いて色をつけてもよい。
図20は、粒子60におけるキャビティ56aの考え方を示す。
本実施形態では、単一のキャビティ56a内に単一の粒子60が含まれる。キャビティ56aは、粒子60が移動できない単位を1つと考える。したがって、図20(a)に示した例では、2つのキャビティ60aにそれぞれ粒子60が含まれている。また、図20(b)に示した例では、3つのキャビティ60aにそれぞれ粒子60が含まれている。すなわち、単一のキャビティ56a内に単一の粒子60が含まれていることになる。
なお、図4に示した粒子60では、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bは球体である例を示したが、この例に限る必要はない。第1拡散成分66b第2拡散成分67bは、回転楕円体、立方体、直方体、錐体、円筒体等の外径を有するようにしてもよい。
第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bが回転楕円体、立方体、直方体、錐体、円筒体等の形状の場合、直径とは、面積円相当径(Heywood径)を意味する。面積円相当径dは、以下の式から求められる。
d=(4×S/π)1/2
ただし、
dは、面積円相当径、
Sは、拡散成分断面の透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)像から取得される面積、
である。
また、粒子60の直径は、30μm〜200μmが好ましい。粒子60の場合も形状が球で無い場合、上述した式から面積円相当径dを求める。
直径は、顕微鏡写真又は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像から取得する。体積分率は、粒子断面のSEM像又はTEM像から、面積分率を取得し、面積分率がx:yの時のx3/2:y3/2とする。
屈折率差は、まず粒子の薄片試料を集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)で作製し、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡に、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry)又は電子エネルギー損失分光法(EELS:Electron energy-loss spectroscopy)の検出器を組み合わせた装置を用いて、主部と拡散成分の定性/定量的な元素分析、さらに必要であれば元素の化学状態分析をすることで、主部と拡散成分の成分を水停止、それぞれの成分の屈折率の差を取って求められる。
なお、本実施形態で透明とは、ミクロトームで切片を作製し、顕微分光法で透過率と反射率をそれぞれ測定し、可視光領域のいずれかの波長で透過率が反射率を上回っていることをいう
以上、本実施形態の光学シート50の一例によれば、所定の厚みを有する透明な保持部56と、保持部56に形成されたキャビティ56a内に収容され比誘電率の異なる第1部分61と第2部分62を含む粒子60と、を有する粒子層55を備え、第1部分61は、透明な第1主部66aと、光を拡散する第1拡散成分66bを含み、第2部分62は、透明な第2主部67aと、光を拡散する第2拡散成分67bを含み、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの直径dは、以下の条件式(1)を満足するので、レーザープロジェクターのRGB各色での散乱特性の差を小さくすることができ、スクリーン40の中央や四隅等の場所、又は、視聴角度による色むらを小さくすることが可能となる。また、マイクロチャネル内で2つの組成の層流が形成され、円滑に粒子60が形成でき、且つ、流路や流路入口の詰まりを抑制することが可能となる。
0.1μm < d < 15μm (1)
また、本実施形態の光学シート50の一例によれば、粒子60の体積に対する第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bの体積の和が占める割合を示す体積分率Viは、以下の条件式(2)を満足するので、スペックル低減に寄与しない光線をできるだけ少なくすることが可能となる。
Vi ≧ 3% (2)
また、本実施形態の光学シート50の一例によれば、第1拡散成分66b及び第2拡散成分67bと第1主部66a及び第2主部67aとの屈折率差Δnは、以下の条件式(3)を満足するので、前方散乱が後方散乱よりも多くなり、透過する光線が多くなる。
|Δn| ≦ 0.2 (3)
また、本実施形態のスクリーン40の一例によれば、光学シート50と、電圧を印加されることによって、粒子層56の粒子60を駆動するための電場を形成する電極41,42と、を備えるので、電極41,42によって形成される電場に応じて、比誘電率の異なる第1部分61と第2部分62を含む粒子60を的確に動作させることが可能となる。そして、反射拡散機能を有する粒子60が動作することによって、スクリーン40の拡散特性が経時的に変化し、スペックルを十分に低減することが可能となる。
また、本実施形態のスクリーン40の一例によれば、電極41,42は、拡散反射層53として光を拡散反射する機能を有するので、拡散反射層53を新たに設ける必要がなく、光学シート50を薄膜化することが可能となる。
また、本実施形態の表示装置10の一例によれば、スクリーン40と、スクリーン40にコヒーレント光を照射するプロジェクター20と、を備えるので、プロジェクター20から照射されたコヒーレント光のスペックルを十分に低減することが可能となる。
また、本実施形態の表示装置10の一例によれば、スクリーン40の電極41,42に電圧を印加する電力源30と、電力源30から電極41,42に印加される印加電圧を制御する制御装置35と、をさらに備え、制御装置35は、粒子層55で粒子60を動作させるよう、電力源30の印加電圧を制御するので、粒子60をさらに的確に動作させることができ、スペックルをさらに十分に低減することが可能となる。
また、本実施形態の表示装置10の一例によれば、制御装置35は、180°未満の角度範囲内で粒子60を繰り返し回転させるよう、電力源30の印加電圧を制御するので、第1部分61及び第2部分62のうちの少なくとも一方を選択して、的確に観察者側に位置させることが可能となる。
また、本実施形態の表示装置10の一例によれば、制御装置35は、スクリーン40の法線方向に沿って観察者側から第1部分61が第2部分62の少なくとも一部を覆うよう、電力源30の印加電圧により、粒子60の向き及び位置の少なくとも一方を制御するので、第1部分61と第2部分62が厳密に同一色でない場合においても、粒子60を動作させながら画像を表示している間、スクリーン40の色味が変化することを効果的に感知されにくくすることが可能となる。
なお、光学シート50、スクリーン40、及び表示装置10をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の組み合わせ又は変形が可能である。
10…表示装置
20…プロジェクター
21…コヒーレント光源
30…電力源
35…制御装置
40…スクリーン
41…第1電極
42…第2電極
46…第1カバー層
47…第2カバー層
50…光学シート
51…第1基材
52…第2基材
55…粒子層
56…保持部
56a…キャビティ
57…液体
60…粒子
61…第1部分
66a…第1主部
66b…第1拡散成分
62…第2部分
67a…第2主部
67b…第2拡散成分

Claims (9)

  1. 所定の厚みを有する透明な保持部と、
    前記保持部に形成されたキャビティ内に収容され比誘電率の異なる第1部分と第2部分を含む粒子と、
    を有する粒子層を備え、
    前記粒子は、前記キャビティ内で回転運動可能であって、
    前記第1部分は、透明な第1主部と、光を拡散する第1拡散成分を含み、
    前記第2部分は、透明な第2主部と、光を拡散する第2拡散成分を含み、
    前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分の直径dは、以下の条件式(1)を満足する
    光学シート。
    0.1μm < d < 15μm (1)
  2. 前記粒子の体積に対する前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分の体積の和が占める割合を示す体積分率Viは、以下の条件式(2)を満足する、
    請求項1に記載の光学シート。
    Vi ≧ 3% (2)
  3. 前記第1拡散成分及び前記第2拡散成分と前記第1主部及び前記第2主部との屈折率差Δnは、以下の条件式(3)を満足する、
    請求項2に記載の光学シート。
    |Δn| ≦ 0.2 (3)
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光学シートと、
    電圧を印加されることによって、前記粒子層の前記粒子を駆動するための電場を形成する電極と、
    を備える、
    スクリーン。
  5. 前記電極は光を拡散反射する機能を有する、
    請求項4に記載のスクリーン。
  6. 請求項4又は5に記載のスクリーンと、
    前記スクリーンにコヒーレント光を照射するプロジェクターと、
    を備える、
    表示装置。
  7. 前記スクリーンの前記電極に電圧を印加する電力源と、
    前記電力源から前記電極に印加される印加電圧を制御する制御装置と、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、前記粒子層で前記粒子を動作させるよう、前記電力源の印加電圧を制御する、
    請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記制御装置は、180°未満の角度範囲内で前記粒子を繰り返し回転させるよう、前記電力源の印加電圧を制御する、
    請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記制御装置は、前記スクリーンの法線方向に沿って観察者側から前記第1部分が前記第2部分の少なくとも一部を覆うよう、前記電力源の印加電圧により、前記粒子の向き及び位置の少なくとも一方を制御する、
    請求項7又は8に記載の表示装置。
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