JP2018066897A - 表示装置 - Google Patents

表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018066897A
JP2018066897A JP2016206164A JP2016206164A JP2018066897A JP 2018066897 A JP2018066897 A JP 2018066897A JP 2016206164 A JP2016206164 A JP 2016206164A JP 2016206164 A JP2016206164 A JP 2016206164A JP 2018066897 A JP2018066897 A JP 2018066897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen
coherent light
projector
particle
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016206164A
Other languages
English (en)
Inventor
田 一 敏 石
Kazutoshi Ishida
田 一 敏 石
夏 織 中津川
Kaori Nakatsugawa
夏 織 中津川
翔 吾 久保田
Shogo Kubota
翔 吾 久保田
重 牧 夫 倉
Makio Kurashige
重 牧 夫 倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016206164A priority Critical patent/JP2018066897A/ja
Publication of JP2018066897A publication Critical patent/JP2018066897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

【課題】スクリーン上のスペックルが視認されにくく、かつスクリーンに投影される画像の解像度を高くする。【解決手段】表示装置は、コヒーレント光を射出するプロジェクタと、プロジェクタから射出されたコヒーレント光を投射するスクリーンと、を備える。スクリーンは、第1部分及び第2部分を含んだ複数の粒子と、複数の粒子を有した粒子層と、粒子層に電圧を印加されることによって、粒子層の粒子を駆動するための電場を形成する電極と、を有する。プロジェクタは、プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点からスクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、コヒーレント光を射出する。粒子層に印加される電圧に応じた複数の粒子の移動により、スクリーンに投射されたコヒーレント光の波面は時間変化する。【選択図】 図1

Description

本開示は、プロジェクタとスクリーンを備えた表示装置に関する。
コヒーレント光源を用いたプロジェクタが広く利用に供されている(特許文献1,2参照)。コヒーレント光として、典型的には、レーザー光源から発振されるレーザー光が用いられる。プロジェクタからの画像光がコヒーレント光によって形成される場合、画像光が照射されるスクリーン上にスペックルが観察される。スペックルは、斑点模様として認識され、表示画質を劣化させる。特許文献1では、スペックルを低減する目的から、スクリーン上の各位置に入射する画像光の入射角度が、経時的に変化するようになっている。この結果、スクリーン上に相関の無い散乱パターンが重畳され、スペックルを低減することができる。
国際公開2012/033174パンフレット 特開2008−310260号公報
スペックルを低減するための別の方法として、拡散特性が経時的に変化するスクリーンも有効であると考えられる。ここで特許文献2は、電子ペーパーによって構成されたスクリーンを提案している。特許文献2のスクリーンでは、ラスタースキャン方式により照射される画像光の照射位置に対応して、反射率が変化する。特許文献2では、スクリーンの拡散特性を経時的に変化させることにより、通常のプロジェクタを用いながら、スペックル低減を実現することができる。また、ラスタースキャン型のプロジェクタのように、引用文献1の手法を採用できないプロジェクタとの組み合わせにおいて、スペックルを低減できる点において非常に有用と言える。
しかしながら、特許文献2に開示されたスクリーンでは、耐久性が十分でなく且つ大型化が困難であるといった問題がある。この結果、スペックル低減機能を有したスクリーンとして広く普及するに至っていない。
また、コヒーレント光源は、LEDなどのその他の光源と比べて直進性が高く、ビーム径も小さいが、プロジェクタとスクリーンとの距離が離れるほど、ビーム径が大きくなり、解像度が低下してぼやけた表示になる。特許文献1と2には、コヒーレント光のビーム径が距離に応じて大きくなることについての対策は何ら開示されていない。
本開示は、スクリーン上のスペックルを視認されにくくし、かつスクリーンに投影される画像の解像度を高くすることができる表示装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本開示では、コヒーレント光を射出するプロジェクタと、
前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光を投射するスクリーンと、を備え、
前記スクリーンは、
第1部分及び第2部分を含んだ複数の粒子と、
前記複数の粒子を有した粒子層と、
前記粒子層に電圧を印加されることによって、前記粒子層の前記粒子を駆動するための電場を形成する電極と、を有し、
前記プロジェクタは、前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記コヒーレント光を射出し、
前記粒子層に印加される電圧に応じた前記複数の粒子の移動により、前記スクリーンに投射されたコヒーレント光の波面は時間変化する、表示装置が提供される。
前記プロジェクタは、
コヒーレント光を射出する光源と、
前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記光源から射出されたコヒーレント光の発散角度を抑制する発散角度抑制部材と、を有してもよい。
前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記プロジェクタと前記スクリーンとの少なくとも一方の位置を調整してもよい。
前記プロジェクタから射出される前記コヒーレント光の光軸中心方向は、前記スクリーン上の特定の位置の法線方向であってもよい。
前記プロジェクタから射出される前記コヒーレント光の光軸中心方向は、前記スクリーン上の任意の位置の法線方向から傾斜した方向であってもよい。
前記プロジェクタは、
コヒーレント光を二次元方向に走査させる走査デバイスを有し、
前記走査デバイスで走査されたコヒーレント光が前記スクリーンに投射されてもよい。
前記スクリーンは、平面または曲面であってもよい。
本開示によれば、スクリーン上のスペックルが視認されにくくし、かつスクリーンに投影される画像の解像度を高くすることができる。
本開示の一実施形態による表示装置を示す図。 プロジェクタがラスタースキャン方式にてスクリーン上にコヒーレント光を投射する例を示す図。 プロジェクタ内の反射ミラーで反射されたコヒーレント光の光路を模式的に示す図。 プロジェクタから射出されるコヒーレント光の光軸中心方向がスクリーン上の特定の位置の法線方向である例を示す図。 プロジェクタから射出されるコヒーレント光の光軸中心方向がスクリーン上の任意の位置の法線方向から傾斜した方向である例を示す図。 スクリーンの断面構造を示す断面図。 粒子の拡大図。 一対の電極に印加される電圧波形を示す図。 図6とは異なる構造の粒子を用いたスクリーンの断面図。 図6および図9とは異なる構造の粒子を用いたスクリーンの断面図。 図6、図9および図10とは異なる構造の粒子を用いたスクリーンの断面図。 図11に示す粒子を90度反転させたスクリーンの断面図。 第1電極と第2電極がストライプ状に配置されたスクリーンの断面図。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は本開示の一実施形態による表示装置10を示す図である。図1の表示装置10は、コヒーレント光を射出するプロジェクタ20と、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光を投射するスクリーン40とを備えている。スクリーン40は、後述するように、出射光の拡散波面を経時的に変化させることができ、これにより、スペックルを目立たなくすることができる。
この他、図1の表示装置10は、駆動回路30をさらに備えている。駆動回路30は、スクリーン40に対して交流電圧を印加する。
プロジェクタ20は、画像を形成する光、すなわち画像光を、スクリーン40へ投射する。図示された例において、プロジェクタ20は、コヒーレント光を発振するコヒーレント光源21と、コヒーレント光源21の光路を調整する走査デバイス22とを有する。コヒーレント光源21は、典型例として、レーザー光を発振するレーザー光源21から構成されている。コヒーレント光源21は、互いに異なる波長域の光を生成する複数のコヒーレント光源21を有していてもよい。走査デバイス22は、少なくとも一軸方向に回転自在の反射ミラー23を有する。コヒーレント光源21から射出したコヒーレント光は、反射ミラー23に入射されて反射される。反射ミラー23を回転させることで、反射ミラー23で反射されたコヒーレント光をスクリーン40上で走査させることができる。
図2はプロジェクタ20がラスタースキャン方式にてスクリーン40上にコヒーレント光を投射する例を示す図である。プロジェクタ20内の反射ミラー23を二次元方向に回転させることで、反射ミラー23で反射されたコヒーレント光をスクリーン40上の全域で走査させることができる。また、反射ミラー23の回転速度を高速化させることで、スクリーン40上のコヒーレント光のスキャン速度を高速化できる。反射ミラー23は、決められた角度範囲で周期的に回転させてもよいし、スクリーン40上の特定の位置のみにコヒーレント光が照射されるように、不連続な角度範囲で回転させてもよい。あるいは、反射ミラー23を決められた角度範囲で周期的に回転させつつ、コヒーレント光源21からコヒーレント光を射出するタイミングを調整することで、スクリーン40上の特定の位置のみにコヒーレント光が照射されるようにしてもよい。プロジェクタ20は、駆動回路30がスクリーン40に交流電圧を印加するタイミングに同期して、コヒーレント光の射出タイミングと反射ミラー23の回転を制御する。
スクリーン40は、第1部分および第2部分を含んだ複数の粒子と、複数の粒子を有する粒子層と、粒子層に電圧を印加することにより粒子層の粒子を駆動するための電場を形成する電極とを有する。スクリーン40の詳細説明は後述する。
本実施形態によるプロジェクタ20は、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40に至るまでの最短光路長L1と最長光路長L2との間の距離で、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、コヒーレント光を射出する。図1では、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になる距離上の位置をP1としている。
ここで、コヒーレント光の発散点20aとは、プロジェクタ20の出射口であり、より詳細には、コヒーレント光が拡散し始める位置である。コヒーレント光の発散点20aは、反射ミラー23上であってもよいし、プロジェクタ20内の反射ミラー23よりも光軸後方側に何らかの光学系がある場合には、この光学系の出射位置であってもよい。
図3はプロジェクタ20内の反射ミラー23で反射されたコヒーレント光の光路を模式的に示す図である。図3では、説明のために、コヒーレント光のビーム径を意図的に大きく図示している。実際の表示装置10内の各構成部品および各光路の縮尺比は図3とは異なっている。
図3のプロジェクタ20は、その内部に、コヒーレント光源21から射出されたコヒーレント光の発散角度を小さくする光学系(発散角度抑制部材)24を有する。この光学系24を通過したコヒーレント光は反射ミラー23に入射されて反射される。コヒーレント光源21から射出されたコヒーレント光は、小さいとはいえ、有限のビーム径を有するため、光学系24を介して反射ミラー23で反射されたコヒーレント光も、有限のビーム径を有する。反射ミラー23での反射光は、徐々に収束し、スクリーン40に到達する前の位置P1で最小のビーム径になる。この位置P1を通過したコヒーレント光は、再び徐々にビーム径が大きくなりながら進行して、最終的にはスクリーン40に投射される。
図4および図5は、プロジェクタ20とスクリーン40との位置関係を示す斜視図である。図4は、プロジェクタ20から射出されるコヒーレント光の光軸中心方向がスクリーン40上の特定の位置の法線方向である例を示している。図5は、プロジェクタ20から射出されるコヒーレント光の光軸中心方向がスクリーン40上の任意の位置の法線方向から傾斜した方向である例を示している。
本実施形態は、図4と図5のいずれにも適用可能である。図4の場合、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40の拡散面に垂直に入射される光路長が最短光路長L1になる。また、図4の場合、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40の四隅に至るまでの距離のうち最大の距離が最長光路長L2となる。図5の場合、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40に至るまでの光路のうち、最短距離となる光路が最短光路長L1であり、最長距離となる光路が最長光路長L2である。
本実施形態では、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40に至るまでの間の位置P1で、コヒーレント光のビーム径が最小になるため、スクリーン40上のビーム径は、位置P1よりは大きくなるが、位置P1をスクリーン40にできるだけ近づけることができれば、スクリーン40上のビーム径は最小ビーム径に近づく。よって、スクリーン40に投影される画像の解像感が向上し、ぼけを抑制できる。
プロジェクタ20が図3に示すような光学系24を内蔵している場合、例えば光学系24の位置を光軸方向にずらすことにより、上述した位置P1をスクリーン40に近づけるような調整を行うことができる。あるいは、プロジェクタ20とスクリーン40の少なくとも一方の位置を変更することができる場合は、その位置の変更を行うことで、上述した位置P1をできるだけスクリーン40に近づけてもよい。
仮に、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になる位置P1がスクリーン40よりも遠方であったとすると、スクリーン40上でのコヒーレント光のビーム径は、最小値よりも確実に大きくなり、しかも位置P1がスクリーン40から離れるほど、スクリーン40上でのコヒーレント光のビーム径が大きくなり、スクリーン40に投影される画像のぼけ具合が大きくなる。
次に、スクリーン40について説明する。図6はスクリーン40の断面構造を示す断面図である。一実施形態によるスクリーン40は、複数の粒子を有した粒子シート50と、駆動回路30と接続された電極41,42と、を有する。粒子シート50の一方の主面上に、第1電極41が面状に広がっており、粒子シート50の他方の主面上に、第2電極42が面状に広がっている。また、スクリーン40は、図1に示すように、第1電極41を覆ってスクリーン40の一方の最表面を形成する第1カバー層46と、第2電極42を覆ってスクリーン40の他方の最表面を形成する第2カバー層47と、を有する。
図1のスクリーン40は、反射型のスクリーン40を構成している。プロジェクタ20は、第1カバー層46によって形成される表示側面40aに、画像光を照射する。画像光は、スクリーン40の第1カバー層46及び第1電極41を透過し、その後、粒子シート50において拡散反射する。この結果、スクリーン40の表示側面40aに対面して位置する観察者は、画像を観察することが可能となる。
画像光が透過する第1電極41及び第1カバー層46は、透明となっている。第1電極41及び第1カバー層46は、それぞれ、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
第1電極41をなす導電材料として、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)、InZnO(Indium Zinc Oxide;インジウム亜鉛酸化物)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。一方、第1カバー層46は、第1電極41及び粒子シート50を保護するための層である。この第1カバー層46は、透明樹脂、例えば優れた安定性を有するポリエチレンテレフタレート、あるいはポリカーボネートやシクロオレフィンポリマー等から、形成することができる。
第2電極42は、第1電極41と同様に構成することができる。また、第2カバー層47は、第1カバー層46と同様に構成することができる。ただし、第2電極42は、透明である必要がない。したがって、第2電極42は、例えば、アルミニウムや銅等の金属薄膜によって形成され得る。金属膜からなる第2電極42は、反射型のスクリーン40において、画像光を反射する反射層としても機能することができる。第2カバー層47は、第1カバー層46と同様に構成することができる。
次に、粒子シート50について説明する。図6に示すように、粒子シート50は、一対の基材51,52と、一対の基材51,52間に設けられた粒子層55と、を有する。第1基材51は、第1電極41を支持し、第2基材52は、第2電極42を支持する。粒子層55は、第1基材51及び第2基材52の間に封止されている。第1基材51及び第2基材52は、粒子層55を封止することができ且つ電極41,42及び粒子層55の支持体として機能し得る強度を有した材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムから構成され得る。なお、図示された実施形態において、スクリーン40は、反射型のスクリーン40として構成され、画像光が、第1基材51を透過する。したがって、第1基材51は、透明となっており、第1電極41及び第1カバー層46と同様の可視光透過率を有することが好ましい。
次に、粒子層55について説明する。図6によく示されているように、粒子層55は、多数の粒子60と、粒子60を保持する保持部56と、を有する。保持部56は、粒子60を動作可能に保持している。図示された例において、保持部56は、多数のキャビティ56aを有しており、各キャビティ56a内に粒子60が収容されている。各キャビティ56aの内寸法は、当該キャビティ56a内の粒子60の外寸法よりも大きくなっている。したがって、粒子60は、キャビティ56a内で動作可能となっている。保持部56は、溶媒57によって膨潤している。キャビティ56a内において、保持部56と粒子60との間は溶媒57で満たされている。溶媒57によって膨潤した保持部56によれば、粒子60の円滑な動作を安定して確保することができる。以下、保持部56、溶媒57及び粒子60について、順に説明する。
まず、保持部56及び溶媒57について説明する。溶媒57は、粒子60の動作を円滑とするために用いられる。溶媒57は、保持部56が膨潤することによって、キャビティ56a内に保持されるようになる。溶媒57は、粒子60が電場に対応して動作することを阻害しないよう、低極性であることが好ましい。低極性の溶媒57として、粒子60の動作を円滑化させる種々の材料を用いることができる。溶媒57の一例として、ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン系溶媒、および直鎖パラフィン系溶媒、ドデカン、トリデカン等の直鎖アルカンを例示することができる。
次に、保持部56は、一例として、エラストマー材料からなるエラストマーシートを用いて構成され得る。エラストマーシートとしての保持部56は、前述の溶媒57を膨潤することが可能である。エラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、(微架橋した)アクリル樹脂、(微架橋した)スチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を例示することができる。
図示された例において、保持部56内において、キャビティ56aは、スクリーン40の面方向に高密度で分布している。また、キャビティ56aは、スクリーン40の法線方向ndにも分布している。図示された例では、面状に広がったキャビティ56aの群が、スクリーン40の厚み方向に三層並んでいる。
次に、粒子60について説明する。粒子60は、プロジェクタ20から投射される画像光の進行方向を変化させる機能を有する。図示された例において、粒子60は、画像光を拡散させる、とりわけ拡散反射させる機能を有する。
粒子60は、比誘電率が異なる第1部分61及び第2部分62を含んでいる。したがって、この粒子60が電場内に置かれると、当該粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置および向きをとるよう、キャビティ56a内で動作する。このスクリーン40は、光拡散機能を有した粒子60の動作にともなって、その拡散波面を変化させる。
比誘電率が異なる第1部分61及び第2部分62を含む粒子60は、公知技術を含む様々な方法で製造できる。例えば、有機物または無機物の球状粒子を粘着テープなどを用いて単層に配列させ、球状粒子と異なる正負に帯電する樹脂成分の層または無機物層を半球面に蒸着する方法(蒸着法、例えば特開昭56−67887)、回転ディスクを用いる方法(例えば、特開平6−226875号公報)、比誘電率が異なる2種類の液滴をスプレー法やインクジェット法を用いて空気中で接触させて1つの液滴にする方法(例えば、特開2003−140204号公報)、及びJP2004−197083Aで提案されているマイクロチャンネル製造方法を用いて製造することができる。
図7は粒子60の拡大図である。粒子60は、球形状であり、第1部分61及び第2部分62は、それぞれ、半球状となっている。粒子60の第1部分61は、第1主部66a及び第1主部66a内に分散した第1拡散成分66bを有する。同様に、第2部分62は、第2主部67aと第2主部67a内に分散した第2拡散成分67bを有する。したがって、球状粒子60は、第1部分61の内部を進む光および第2部分62の内部を進む光に対して、拡散機能を発現することができる。ここで拡散成分66b,67bとは、粒子60内を進む光に対し、反射や屈折、散乱等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分66b,67bの光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、粒子60の主部66a,67aをなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分66b,67bを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分66b,67bを構成することにより、付与され得る。主部66a,67aをなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分66b,67bとして、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
図示された例において、粒子60は、単一色となっている。すなわち、第1部分61および第2部分62は、同一色となっている。第1部分61及び第2部分62の色は、第1部分61及び第2部分62に、顔料や染料等の色材を添加することにより、調整され得る。顔料や染料は、種々の公知の顔料や染料等を用いることができる。
粒子60に対して用いる単一色とは、スクリーン40で画像の表示を行っていない状態において、粒子60が粒子シート50内で動作したとしても、スクリーン40の表示側面40aを観察する観察者が、通常の観察力でスクリーン40の色の変化を認識できない程度に一様な色を有していることを意味する。すなわち、粒子60の第1部分61がスクリーン40の表示側面40aに向いている状態でのスクリーン40の表示側面40aと、粒子60の第2部分62がスクリーン40の表示側面40aに向いている状態でのスクリーン40の表示側面40aが、当該スクリーン40で画像の表示を行っていない状態において、観察者の通常の注意力での観察において、同一の色として認識される場合、粒子60が単一色であると言える。
なお、粒子層55、粒子シート50及びスクリーン40は、一例として次のようにして作製することができる。
粒子層55は、公知の製造方法により製造することができる。すなわち、まず、粒子60を重合性シリコーンゴムに分散させたインキを作製する。次に、このインキをコーターなどで延伸し、更に、加熱等で重合させ、シート化する。以上の手順により、粒子60を保持した保持部56が得られる。次に、保持部56を、シリコーンオイルなどの溶媒57に一定期間浸漬する。保持部56が膨潤することで、シリコーンゴムからなる保持部56と粒子60との間に、溶媒57で満たされた隙間が形成される。この結果、溶媒57及び粒子60を収容したキャビティ56aが、画成される。以上のようにして、粒子層55を製造することができる。
次に、JP2011−112792Aに開示された製造方法により、粒子層55を用いてスクリーン40を作製することができる。まず、一対の基材51,52によって粒子層55を覆い、ラミネート又は接着剤等を用いて粒子層55を封止する。これにより、粒子シート50が作製される。次に、粒子シート50上に第1電極41及び第2電極42を設け、更に、第1カバー層46及び第2カバー層47を積層することで、スクリーン40が得られる。
次に、この表示装置10を用いて画像を表示する際の作用について説明する。
まず、制御装置35からの制御によって、プロジェクタ20のコヒーレント光源21がコヒーレント光を発振する。プロジェクタ20からの光は、図示しない走査装置によって光路を調整され、スクリーン40に照射される。図2に示すように、図示しない走査装置は、スクリーン40の表示側面40a上を光が走査するよう、当該光の光路を調整する。
ただし、コヒーレント光源21によるコヒーレント光の射出は、制御装置35によって制御される。制御装置35は、スクリーン40上に表示したい画像に対応して、コヒーレント光源21からのコヒーレント光の射出を停止する。プロジェクタ20に含まれる走査装置の動作は、人間の目で分解不可能な程度にまで高速となっている。したがって、観察者は、時間を隔てて照射されるスクリーン40上の各位置に照射された光を、同時に観察することになる。
スクリーン40上に投射された光は、第1カバー層46及び第1電極41を透過して、粒子シート50に到達する。この光は、粒子シート50の粒子60で拡散反射し、スクリーン40の観察者側となる種々の方向へ向けて射出する。したがって、スクリーン40の観察者側となる各位置において、スクリーン40上の各位置からの反射光を観察することができる。この結果、スクリーン40上のコヒーレント光を照射されている領域に対応した画像を観察することができる。
また、コヒーレント光源21が、互いに異なる波長域のコヒーレント光を射出する複数の光源21を含むようにしてもよい。この場合、制御装置35は、各波長域の光に対応した光源21を、他の光源21から独立して制御する。この結果、スクリーン40上にカラー画像を表示することが可能となる。
ところで、コヒーレント光を用いてスクリーン40上に画像を形成する場合、斑点模様のスペックルが観察されるようになる。スペックルの一原因は、レーザー光に代表されるコヒーレント光が、スクリーン40上で拡散した後に、光センサ面上(人間の場合は網膜上)に干渉パターンを生じさせるためと考えられる。とりわけ、ラスタースキャンによってスクリーン40にコヒーレント光を照射する場合、スクリーン40上の各位置には一定の入射方向からコヒーレント光が入射する。したがって、ラスタースキャンを採用した場合、スクリーン40の各点で発生するスペックル波面はスクリーン40が搖動しない限り不動となり、スペックルパターンが画像とともに観察者に視認されると、表示画像の画質を著しく劣化させることになる。
一方、本実施形態における表示装置10のスクリーン40は、拡散波面を経時的に変化させるようになっている。スクリーン40での拡散波面が変化すれば、スクリーン40上でのスペックルパターンが経時的に変化するようになる。そして、拡散波面の経時的な変化を十分に高速にすると、スペックルパターンが重ねられて平均化され、観察者に観察されるようになる。これにより、スペックルを目立たなくさせることができる。
図示されたスクリーン40は、一対の電極41,42を有する。この一対の電極41,42は駆動回路30に電気的に接続している。駆動回路30は、一対の電極41,42に電圧を印加することができる。一対の電極41,42間に電圧が印加されると、一対の電極41,42間に位置する粒子シート50に電場が形成される。粒子シート50の粒子層55には、比誘電率の異なる複数の部分61,62を有した粒子60が、動作可能に保持されている。この粒子60は、そもそも帯電していることから、或いは、少なくとも粒子層55に電場が形成されると双極子モーメントが発生することから、形成された電場のベクトルに応じて、動作する。光の進行方向を変化させる機能、例えば反射機能や拡散機能を有した粒子60が動作すると、スクリーン40の拡散特性が経時的に変化することになる。
この結果、スペックルを目立たなくさせることができる。図7の符号「La」は、プロジェクタ20からスクリーン40へ照射された画像光であり、符号「Lb」は、スクリーン40で拡散された画像光である。
なお、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で比誘電率が異なるとは、スペックル低減機能を発現し得る程度に比誘電率が異なっていれば十分である。したがって、粒子60の第1部分61及び第2部分62の間で比誘電率が異なるか否かは、動作可能に保持された粒子60が、電場ベクトルの変化にともなって動作し得るか否かにより、判定することができる。
ここで、粒子60が保持部56に対して動作する原理は、粒子60の電荷または双極子モーメントが電場ベクトルに対して安定的な位置関係となるよう、粒子60の向き及び位置を変化させる、というものである。したがって、粒子層55に一定の電場が印加され続けると、粒子60の動作は一定期間後には停止する。その一方で、スペックルを目立たなくするには、粒子60の保持部56に対する動作が継続する必要がある。そこで、駆動回路30は、粒子層55に形成される電場が経時的に変化するよう、電圧を印加する。図示された例において、駆動回路30は、粒子シート50内に生成される電場のベクトルを反転させるよう、一対の電極41,42間に電圧を印加する。例えば、図8に示された例では、駆動回路30からスクリーン40の一対の電極41,42に、X〔V〕の電圧と−Y〔V〕の電圧とを繰り返す交流電圧が印加される。
なお、粒子60は、保持部56に形成されたキャビティ56a内に収容されている。キャビティ56aは、略球状の内形を有する。したがって、粒子60は、図7の紙面に直交する方向に延びる回転軸線raを中心として、回転振動することができる。ただし、粒子60を収容するキャビティ56aの大きさに依存して、粒子60は、繰り返し回転運動だけでなく、並進運動も行うようになる。さらに、キャビティ56aには、溶媒57が充填されている。溶媒57は、粒子60の保持部56に対する動作を円滑にする。
粒子60は、図6に示すような、ほぼ半球状の第1部分61と第2部分62を含む構造に限定されない。以下では、粒子60の第1変形例〜第3変形例を順に説明する。
(粒子60の第1変形例)
図9は図6とは異なる構造の粒子60を用いたスクリーン40の断面図である。図9に示す第1変形例による粒子60は、互いに体積が異なる第1部分61と第2部分62とを有する。図9は、第1部分61の体積が第2部分62の体積よりも大きい例を示している。図9の場合、第2部分62は、球体または楕円球体に近い形状であり、第2部分62の表面、すなわち第1部分61との界面は、凸面になっている。なお、粒子60は、必ずしも理想的な球体とは限らないし、第2部分62も理想的な球体または楕円体から少し歪んだ形状となることもありうる。
第1部分61は、透明部材である。第1部分61の具体的な材料としては、例えばシリコーンオイルや透明な樹脂部材である。第1部分61は、理想的には、図9に示すように、観察者側に配置される。第1部分61に入射された光は、そのまま第1部分61を通過して、第2部分62に到達する。第2部分62は、第1部分61とは比誘電率が異なっており、また、光の散乱または反射機能を有する。さらに、第2部分62は、第1部分61とは異なる屈折率で構成されている。また、第2部分62の内部には、光を拡散させる拡散成分62cが含まれていてもよい。これら拡散成分62cは、粒子60内を進む光に対して、反射や屈折等によって、光の進路方向を変化させる作用を行う。
このように、第1部分61と第2部分62は光学特性が異なっており、さらに、第2部分62の表面は凸面形状である。これにより、第1部分61から第2部分62に到達した光は、第2部分62の表面の凸面形状に応じた方向に散乱または反射される。よって、プロジェクタ20からの投射光が第2部分62で散乱または反射されてスクリーン40に映し出される。
第2部分62の表面が凸面形状で有るため、第1部分61を通過して第2部分62の表面に到達した光は、凸面の曲率に応じた方向に散乱または反射される。凸面に入射された光は、凹面に入射された光よりも光の拡散範囲が広くなる。よって、本実施形態のように、第1部分61よりも第2部分62の体積が小さくて、第2部分62の表面が凸面になる場合には、各粒子60に入射された光の拡散範囲を広げることができる。
第1および第2電極41,42に電圧を印加していない状態では、粒子層55内の各粒子60は、種々の方向を向いていることがありうる。この場合、第1および第2電極間に所定の初期電圧を印加することで、図9に示すように、各粒子60の第1部分61が観察者側を向くように整列させることが可能となる。あるいは、第1部分61と第2部分62の比重を調整することで、図9のような向きに各粒子60を整列させることも可能である。
図9の状態で、第1および第2電極41,42間に電圧が印加されると、第1および第2電極41,42間に電場が発生し、この電場により、粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置や向きをとるようキャビティ56a内で動作する。図9の状態では、粒子60内の第2部分62は、粒子層55の面方向に対向配置されているが、第1電極41および第2電極42間の電圧を変化させることで、粒子60の姿勢が変化し、これにより、粒子層55の面方向に対する第2部分62の表面方向が変化する。第2部分62は、第1部分61に入射された光を散乱または反射させる機能を有するため、第2部分62の表面方向が変化することで、第2部分62の表面に入射される光の入射角度が変化し、第2部分62での光の散乱または反射方向も変化する。これにより、スクリーン40の拡散特性を変化させることができる。
(粒子60の第2変形例)
図10は図6および図9とは異なる構造の粒子60を用いたスクリーン40の断面図である。図10に示す第2変形例による粒子60は、第1部分61と、第1部分61よりも体積が大きい第2部分62とを有する。第1部分61と第2部分62の材料は、第2の実施形態と同様であり、第1部分61は透明部材であり、第2部分62は光の散乱または反射機能を有する。
第1部分61と第2部分62との界面は、第1部分61から見ると凸面であり、第2部分62から見ると凹面である。第1部分61から第2部分62に入射された光は、収束する方向に進行する。これにより、本実施形態による粒子60を有するスクリーン40は、狭い範囲に光を拡散させることができる。したがって、スクリーン40の正面側の特定の位置にいる観察者に集中的に拡散光を集めることができ、この観察者から見ると、高コントラストでスクリーン40を視認できることになる。
上述した図6、図9および図10では、反射型のスクリーン40について説明したが、透過型のスクリーン40にも適用可能である。透過型のスクリーン40の場合、プロジェクタ20からの光が粒子60を通過する必要がある。このため、例えば、第2部分62の体積を第1部分61に対してより小さくすることで、第1部分61を通過して第2部分62に入射される光の割合を減らしてもよい。あるいは、第2部分62がある粒子60と第2部分62がない粒子60を混在させてもよい。透過型のスクリーン40の場合、粒子層55の全体での光の透過率が反射率よりも高くなるように、各粒子60の第1部分61と第2部分62との体積比を調整するのが望ましい。
(粒子60の第3変形例)
図11は図6、図9および図10とは異なる構造の粒子60を用いたスクリーン40の断面図である。図11に示す第3変形例による粒子60は、第1部分61、第3部分63および第2部分62がこの順に並んだ3層構造であり、第1部分61が観察者側に配置されている。第3部分63は、第1部分61に面接触しており、第1部分61からの入射光を制御する。第2部分62は、第3部分63の第1部分61に面接触する第1面63aとは反対側の第2面63bに面接触しており、第1部分61とは比誘電率が異なっている。このように、第3部分63は、第1部分61と第2部分62によって挟まれており、第3部分63は第1部分61と第2部分62に面接触している。
第1部分61と第2部分62は透明部材である。第3部分63は、第1部分61に入射された光を散乱または反射させる機能を有する。第3部分63は、第1部分61とは異なる屈折率で構成されている。また、第3部分63の内部には、光を拡散させる拡散成分63cが含まれていてもよい。これら拡散成分63cは、粒子60内を進む光に対して、反射や屈折等によって、光の進路方向を変化させる作用を行う。このような拡散成分63cの光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、粒子60の主部をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分63cを構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分63cを構成することにより、付与され得る。第3部分63の母材とは異なる屈折率を有する拡散成分63cとして、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
粒子60は、典型的には球形であり、その中心付近を通過する薄い層が第3部分63であり、第3部分63の両面(第1面63aと第2面63b)側に第1部分61と第2部分62が面接触している。なお、粒子60の形状は、理想的な球体であるとは限らない。よって、第1部分61、第3部分63および第2部分62の形状も、粒子60の形状に応じて変化する。
粒子60の第3部分63の第1面63aと第2面63bとの間の厚さは、第1部分61の第1面63aの法線方向における最大厚さよりも薄い。第3部分63の第1面63aと第2面63bとの間の厚さは、第3部分63の第2面63bの法線方向における最大厚さよりも薄い。第1面63aと第2面63bは、例えば円形または楕円形であり、第3部分63は、例えば円板、楕円板、円筒体、または楕円筒体の形状である。
第1および第2電極41,42に電圧を印加していない初期状態では、第3部分63の面方向は、粒子層55の面方向に略平行に配置されている。なお、初期状態で、第3部分63の面方向を粒子層55の面方向に略平行に配置するには、例えば、粒子60の第1部分61、第2部分62および第3部分63の比重を調整することで、実現可能である。あるいは、初期状態のときに第1および第2電極41,42に所定の初期電圧を印加して、粒子層55内の各粒子60の第3部分63の面方向が粒子層55の面方向に略平行になるようにしてもよい。
第1および第2電極41,42間に電圧が印加されると、第1および第2電極41,42間に電場が発生し、この電場により、粒子60内に電子双極子モーメントが発生する。
このとき、粒子60は、その双極子モーメントのベクトルが電場のベクトルと真逆を向く位置へ向けて動作するようになる。したがって、第1電極41及び第2電極42の間に電圧が印加され、第1電極41及び第2電極42の間に位置する粒子シート50に電場が発生すると、粒子60は、電場に対して安定した姿勢、すなわち電場に対して安定した位置や向きをとるよう、キャビティ56a内で動作する。第1電極41および第2電極42間の電圧を変化させることで、粒子60の姿勢が変化し、これにより、粒子層55の面方向に対する第3部分63の面方向の角度が変化する。第3部分63は、第1部分61に入射された光を散乱または反射させる機能を有するため、第3部分63の角度が変化することで、スクリーン40の拡散特性を変化させることができる。
図11に示す粒子を図12のように90度回転させて配置することで、透過型スクリーン40として用いることもできる。図12のように粒子60を回転させるには、粒子層55の内部に、図11とは90度異なる方向に電場をかければよい。例えば、観察者とは反対側のみに第1電極41と第2電極42を交互にストライプ状に配置し、これら電極41,42にて粒子層55の面方向への電場、すなわち図11とは90度異なる方向の電場を形成する。より具体的には、本実施形態では、隣接する第1電極41および第2電極42間に交流電圧を印加することで、粒子層55の面方向に形成される電場を周期的に切り替える。これにより、対応する第1電極41および第2電極42間の近傍に位置する粒子60は、交流電圧の周波数に応じて回転する。
上述した各スクリーン40では、第1電極41及び第2電極42が面状に形成され、粒子層55を挟むように配置される例を示したが、この例に限られない。第1電極41及び第2電極42の一以上がストライプ状に形成されるようにしてもよい。例えば、図13の例では、第1電極41及び第2電極42の両方がストライプ状に形成されている。すなわち、第1電極41は、線状に延びる複数の線状電極部41aを有し、複数の線状電極部41aは、その長手方向に直交する方向に配列されている。第2電極42も、第1電極41と同様に、線状に延びる複数の線状電極部42aを有し、複数の線状電極部42aは、その長手方向に直交する方向に配列されている。図13に示された例において、第1電極41をなす複数の線状電極部41aおよび第2電極42をなす複数の線状電極部42aは、ともに、粒子シート50の観察者とは反対側の面上に配置されている。そして、第1電極41をなす複数の線状電極部41aおよび第2電極42をなす複数の線状電極部42aは、同一の配列方向に沿って交互に配列されている。図13に示された第1電極41及び第2電極42によっても、駆動回路30から電圧を印加されることにより、粒子シート50の粒子層55に電場を形成することができる。
上述した各スクリーン40は、粒子層55内の粒子60を電極に印加した交流電圧に応じて回転させることで、スペックルが視認されないようにしている。これに対して、粒子層55内の粒子60を電極に印加した交流電圧に応じて移動させることで、スペックルが視認されないようにしてもよい。
また、上述したスクリーン40は、必要に応じて、フレネルレンズ層や光拡散層、光吸収層、レンズアレイ、ブラックマトリクス、光吸収材料を使用したルーバー層等の各種の光制御層を積層してもよい。
このように、本実施形態では、プロジェクタ20におけるコヒーレント光の発散点20aからスクリーン40に至るまでの最短光路長L1と最長光路長L2との間の距離で、プロジェクタ20から射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、コヒーレント光を射出する。これにより、スクリーン40上に投射されたコヒーレント光のビーム径を小さくでき、スクリーン40に投影される画像の解像度が高くなり、ボケを防止できる。
本実施形態では、粒子層に印加される電圧に応じた複数の粒子の移動により、スクリーン40に投射されるコヒーレント光の波面が時間変化するため、スクリーン40に投射される画像のスペックルが視認されにくくなる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
10 表示装置、20 プロジェクタ、21 コヒーレント光源、40 スクリーン、40a 表示側面、41 第1電極、42 第2電極、46 第1カバー層、47 第2カバー層、50 粒子シート、51,52 基材、55 粒子層、56 保持部、60 粒子、61 第1部分、62 第2部分、66b、67b 拡散成分

Claims (7)

  1. コヒーレント光を射出するプロジェクタと、
    前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光を投射するスクリーンと、を備え、
    前記スクリーンは、
    第1部分及び第2部分を含んだ複数の粒子と、
    前記複数の粒子を有した粒子層と、
    前記粒子層に電圧を印加されることによって、前記粒子層の前記粒子を駆動するための電場を形成する電極と、を有し、
    前記プロジェクタは、前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記コヒーレント光を射出し、
    前記粒子層に印加される電圧に応じた前記複数の粒子の移動により、前記スクリーンに投射されたコヒーレント光の波面は時間変化する、表示装置。
  2. 前記プロジェクタは、
    コヒーレント光を射出する光源と、
    前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記光源から射出されたコヒーレント光の発散角度を抑制する発散角度抑制部材と、を有する、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記プロジェクタにおけるコヒーレント光の発散点から前記スクリーンに至るまでの最短光路長と最長光路長との間の距離で、前記プロジェクタから射出されたコヒーレント光のビーム径が最小になるように、前記プロジェクタと前記スクリーンとの少なくとも一方の位置を調整する、請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記プロジェクタから射出される前記コヒーレント光の光軸中心方向は、前記スクリーン上の特定の位置の法線方向である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
  5. 前記プロジェクタから射出される前記コヒーレント光の光軸中心方向は、前記スクリーン上の任意の位置の法線方向から傾斜した方向である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
  6. 前記プロジェクタは、
    コヒーレント光を二次元方向に走査させる走査デバイスを有し、
    前記走査デバイスで走査されたコヒーレント光が前記スクリーンに投射される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置。
  7. 前記スクリーンは、平面または曲面である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置。
JP2016206164A 2016-10-20 2016-10-20 表示装置 Pending JP2018066897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206164A JP2018066897A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206164A JP2018066897A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018066897A true JP2018066897A (ja) 2018-04-26

Family

ID=62086094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016206164A Pending JP2018066897A (ja) 2016-10-20 2016-10-20 表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018066897A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046035A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本電気株式会社 画像投射装置、画像投射方法、距離測定装置及び距離測定方法
WO2011046034A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本電気株式会社 画像投射装置、画像投射方法および画像表示装置
WO2011070777A1 (ja) * 2009-12-11 2011-06-16 三菱電機株式会社 光学素子、スクリーンおよび表示装置
WO2011074572A1 (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 日本電気株式会社 走査装置、画像表示装置及びその制御方法
JP2011170034A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、スクリーンおよび画像投写装置
JP2013223176A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、画像投写装置、及び光拡散装置の駆動方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046035A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本電気株式会社 画像投射装置、画像投射方法、距離測定装置及び距離測定方法
WO2011046034A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本電気株式会社 画像投射装置、画像投射方法および画像表示装置
WO2011070777A1 (ja) * 2009-12-11 2011-06-16 三菱電機株式会社 光学素子、スクリーンおよび表示装置
WO2011074572A1 (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 日本電気株式会社 走査装置、画像表示装置及びその制御方法
JP2011170034A (ja) * 2010-02-17 2011-09-01 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、スクリーンおよび画像投写装置
JP2013223176A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、画像投写装置、及び光拡散装置の駆動方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10955736B2 (en) Screen, display apparatus, screen use method, particle, particle layer, particle sheet, and light control sheet
JP6210263B2 (ja) 光学シート、スクリーン、及び表示装置
JP2019133161A (ja) スクリーンおよび表示装置
JP2019148706A (ja) スクリーンおよび表示装置
JP6347343B2 (ja) スクリーン及び表示装置
JP2018185494A (ja) 表示装置
JP2018066897A (ja) 表示装置
JP2019135517A (ja) スクリーン、表示装置、スクリーンの使用方法、および、表示装置の使用方法
US20200041880A1 (en) Display device
JP2019095514A (ja) スクリーンおよび表示装置
JP2018185495A (ja) 表示装置
JP2018031990A (ja) スクリーンおよび表示装置
JP2017072745A (ja) 光学シート、スクリーン、及び表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210312