JP6209908B2 - 成形材料用樹脂組成物の製造方法およびその成形体 - Google Patents
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Description
(1)(a)熱可塑性樹脂、
(b)疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維、及び
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量が5,000〜500,000であるエポキシ基を有する添加剤
を、前記(a)/前記(b)/前記(c)=25〜94/5〜55/1〜25の質量比にて混合することを特徴とする、成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(2)前記(c)のエポキシ当量が150〜1000g/eqである、前記(1)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(3)前記(a)が、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、前記(1)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(4)前記(b)が、セルロース繊維中の水酸基を、(d)多価塩基酸無水物と反応させて疎水基とカルボキシル基を導入したものおよび/またはその多価金属塩である、前記(1)の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(5)(d)多価塩基酸無水物が、アルキル若しくはアルケニルコハク酸無水物から選ばれる少なくとも1種である、前記(4)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(6)前記(c)が、スチレン/(メタ)アクリレート/グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーの共重合体および/または(メタ)アクリレート/グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーの共重合体である、前記(1)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(7)前記グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーがグリシジル(メタ)アクリレートである、前記(6)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(8)
前記(c)中のグリシジル基と不飽和結合を有するモノマー単位の含有比率が、5〜99質量%である、前記(6)または(7)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(9)前記(a)、前記(b)、及び前記(c)を混合した後、更に前記(a)を加えて、混合して得られる、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法、
(10)混合が溶融混練である、前記(1)又は(9)に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
(11)前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法で得られた成形材料用樹脂組成物を成形加工したものである、前記(a)/前記(b)/前記(c)=67〜92/5〜30/3〜10なる質量比を有する成形体、
である。
前記多価塩基酸無水物としては、特に限定されないが、アルキル若しくはアルケニルコハク酸無水物、マレイン酸無水物、フマル酸無水物、コハク酸無水物などが挙げられる。樹脂との相溶性の観点から、アルキル若しくはアルケニルコハク酸無水物が好ましく、より好ましくは、オクテニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物である。
エポキシ当量(g/eq)=(グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーの分子量)×100÷((c)中のグリシジル基と不飽和結合を有するモノマー単位の含有比率(質量%))
(1)疎水基とカルボキシル基置換度(DS)の算出
DSの算出は以下の式より算出した。
(2)引張弾性率(ヤング率)…(a)熱可塑性樹脂がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂の樹脂組成物はJISK−6732に準拠して、オリエンテック(株)製引張試験機「テンシロンRTM−50」で測定した。(a)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂の複合材料はJISK−6732に準拠してオリエンテック(株)製万能引張圧縮試験機「テンシロンUTM−10」で測定した。
(3)色目
(a)熱可塑性樹脂がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂である樹脂組成物について、手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)により作製した成形材料用樹脂組成物成形体を試料として、ORBECO ANALYTICAL SYSTEMS,INC.製ガードナー・ヘリーゲ色相計(カラーディスク:No.620C−43、No.620C−44)を用いて、試料とカラーディスクとの色調を比較し、最も近い標準色のカラーナンバーを選択した。
(4)カルシウム量の算出
セルロース繊維に疎水基とカルボキシル基を導入した後、塩化カルシウムによりカルボン酸塩としたものについては、ICP発光分光分析装置(Seiko Instruments Inc.製、SPS7800)を用いて、カルシウム量を測定した。
含水の針葉樹漂白パルプ(以下、NBKPと略することがある。)250g(固形分50g)にN−メチルピロリドン(以下、NMPと略することがある。)を2000g加え、撹拌機でよく攪拌した後、ブフナー漏斗で吸引濾過を行った。この操作を3回繰り返し、NMPで膨潤させたNBKP500gを得た。得られたNMPで膨潤させたNBKP500gを、攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたセパラブルフラスコに入れ、NMPを500g加えた後、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、ヘキサデセニルコハク酸無水物(分子量322)を99.4g、炭酸カリウムを21.3g加え、70℃で1時間反応させた。反応後、エタノール、酢酸水、水で順次洗浄し、エタノールで溶剤置換することで、エタノールに膨潤した疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維を得た。得られたセルロース繊維の多価塩基酸無水物の置換度(DS)は0.35であった。これを(B−1)とした。
含水のNBKP500g(固形分100g)にNMPを4000g加え、撹拌機でよく攪拌した後、ブフナー漏斗で吸引濾過を行った。この操作を3回繰り返し、NMPで膨潤させたNBKP1000gを得た。得られたNMPで膨潤させたNBKP1000gをセパラブルフラスコに入れ、NMPを1000g加えた後、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、ヘキサデセニルコハク酸無水物(分子量322)を198.8g、炭酸カリウムを42.6g加え、70℃で1時間反応させた。反応後、全体の半量を取り出し、エタノール、酢酸水、水で順次洗浄し、エタノールで溶剤置換することで、エタノールに膨潤した疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維を得た。得られたセルロース繊維の多価塩基酸無水物の置換度(DS)は0.35であった。
残る半量について、エタノール、水で順次洗浄した。さらにこれを水に分散させて、3質量%の水分散液とし、攪拌している所に16質量%の塩化カルシウム水溶液150gを添加して1時間攪拌した。これを水洗し、エタノールで溶剤置換することにより、エタノールに膨潤したカルボキシル基の一部がカルシウムで変性されたカルボキシル基と疎水基を有するセルロース繊維を得た。これを(B−2)とした。(B−2)についてカルシウム量を測定したところ、カルシウム量は1.2質量%であり、カルボキシル基の半量がカルシウム塩となっていることがわかった。
含水のNBKP500g(固形分100g)にNMPを4000g加え、撹拌機でよく攪拌した後、ブフナー漏斗で吸引濾過を行った。この操作を3回繰り返し、NMPで膨潤させたNBKP1000gを得た。得られたNMPで膨潤させたNBKP1000gを攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたセパラブルフラスコに入れ、NMPを1000g加えた後、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、変性化剤としてドデセニルコハク酸無水物(分子量266)を164.2g、炭酸カリウムを42.6g加え、70℃で1時間反応させた。反応後、全体の半量を取り出し、エタノール、酢酸水、水で順次洗浄し、エタノールで溶剤置換することで、エタノールに膨潤した疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維を得た。得られたセルロース繊維の多価塩基酸無水物の置換度(DS)は0.35であった。残る半量について、エタノール、水で順次洗浄した。さらにこれを水に分散させて、3質量%の水分散液とし、攪拌している所に16質量%の塩化カルシウム水溶液150gを添加して1時間攪拌した。これを水洗し、エタノールで溶剤置換することにより、エタノールに膨潤したカルボキシル基の一部がカルシウムで変性されたカルボキシル基と疎水基を有するセルロース繊維を得た。これを(B−3)とした。(B−3)についてカルシウム量を測定したところ、カルシウム量は1.3質量%であり、カルボキシル基の約半量がカルシウム塩となっていることが分かった。
セルロース繊維(B−1)〜(B−3)と同じ含水のNBKP250g(固形分50g)にエタノールを1000g加えて攪拌した後濾過することで、エタノールに膨潤した未変性セルロース繊維(B−4)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた5000mLセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらフラスコ内が140℃になるように油浴の温度を調整した。スチレン500g、メチルメタクリレート230g、グリシジルメタクリレート270gとジ−t−ブチルパーオキサイド5gを、3時間にわたり滴下して反応させた。滴下終了後、140℃で3時間反応を行った後、フラスコ内が185℃になるまで常圧でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去した。その後アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、フラスコ内が185℃でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、エポキシ基含有の樹脂組成物の固形品を得た。得られたエポキシ基を有する添加剤(C−1)のエポキシ当量は526g/eqである。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量は47,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた5000mLセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらフラスコ内が140℃になるように油浴の温度を調整した。メチルメタクリレート710g、グリシジルメタクリレート270g、n−ブチルアクリレート20gとジ−t−ブチルパーオキサイド10gを、3時間にわたり滴下して反応させた。滴下終了後、140℃で3時間反応を行った後、フラスコ内が185℃になるまで常圧でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去した。その後アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、フラスコ内が185℃でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、エポキシ基含有の樹脂組成物の固形品を得た。得られたエポキシ基を有する添加剤(C−2)のエポキシ当量は526g/eqである。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量は28,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた5000mLセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1000gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらフラスコ内が140℃になるように油浴の温度を調整した。スチレン500g、メチルメタクリレート230g、グリシジルメタクリレート270gとジ−t−ブチルパーオキサイド35gを、3時間にわたり滴下して反応させた。滴下終了後、140℃で3時間反応を行った後、フラスコ内が185℃になるまで常圧でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去した。その後アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、フラスコ内が185℃でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、エポキシ基含有の樹脂組成物の固形品を得た。得られたエポキシ基を有する添加剤(C−3)のエポキシ当量は526g/eqである。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量は10,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた5000mLセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1000gを入れ、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらフラスコ内が140℃になるように油浴の温度を調整した。スチレン500g、メチルメタクリレート305g、グリシジルメタクリレート195gとジ−t−ブチルパーオキサイド35gを、3時間にわたり滴下して反応させた。滴下終了後、140℃で3時間反応を行った後、フラスコ内が185℃になるまで常圧でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを除去した。その後アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら、フラスコ内が185℃でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの除去を1時間行い、減圧終了後、反応物を取り出し、冷却することで、エポキシ基含有の樹脂組成物の固形品を得た。得られたエポキシ基を有する添加剤(C−4)のエポキシ当量は728g/eqである。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量は10,000であった。
(a)熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂16部(住友精化(株)製「フロービーズHE3040」)、(b)セルロース繊維として(B−1)17部をとり、エタノールを加えて5%のエタノール分散液を作成し、撹拌機でよく攪拌した後、濾過、乾燥して前記(a)と前記(b)の混合粉末を得た。混合粉末にポリエチレン樹脂57部(住友精化(株)「フロービーズHE3040」)、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)10部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、100rpm、140℃で10分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度170℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
混合粉末に加えるポリエチレン樹脂57部を67部にし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)を用いない以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂80部(住友精化(株)製「フロービーズHE3040」)と、(b)セルロース繊維として(B−4)10部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)10部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に分投入し、100rpm、140℃で10分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度170℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂100部(住友精化(株)製「フロービーズHE3040」)を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度170℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
実施例1、比較例1、2、参考例1で得られた成形体の物性(色目、ダンベル型試験片の弾性率)を表3に示す。
(a)熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂81部((株)プライムポリマー製「H−700」)、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−3)16部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、100rpm、180℃で10分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度190℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂81部を73部に、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−3)16部を(B−1)17部に、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部を10部にした以外は実施例2と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
加えるポリプロピレン樹脂81部を83部に、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−3)16部を(B−1)17部に、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)を用いない以外は、実施例2と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリプロピレン樹脂100部((株)プライムポリマー製「H−700」)を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度190℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
実施例2、3、比較例3、参考例2で得られた成形体の物性(色目、ダンベル型試験片の弾性率)を表4に示す。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂88部(ダイセルエボニック(株)製「ベストジント2159natural」)、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−2)9部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、100rpm、180℃で5分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度210℃、金型温度120℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂88部を91部にし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)を用いない以外は実施例4と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂100部(ダイセルエボニック(株)製「ベストジント2159natural」)を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度210℃、金型温度120℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
実施例4、比較例4、参考例3で得られた成形体の物性(色目、ダンベル型試験片の弾性率)を表5に示す。
[実施例5]
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂88部(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユピタールF30−01F」)、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−2)9部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、75rpm、180℃で5分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度190℃、金型温度120℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)の代わりに(C−2)とし、75rpmで溶融混錬する代わりに150rpmで溶融混錬する以外は実施例5と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)の代わりに(C−3)とし、5分間溶融混錬する代わりに20分間溶融混錬する以外は実施例5と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂88部を85部とし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部を(C−4)6部とし、5分間溶融混練する代わりに20分間溶融混練する以外は実施例5と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
加えるポリアセタール樹脂88部を91部にし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)を用いない以外は、実施例5と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に激しい臭気が感じられた。
(c)エポキシ基を有する添加剤としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量が5,000未満であるポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製「デナコールEX−830」)3部を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂100部(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユピタールF30−01F」)を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度190℃、金型温度120℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
実施例5〜8、比較例5、6、参考例4で得られた成形体の物性(ダンベル型試験片の弾性率)を表6に示す。
EX:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製「デナコールEX−830」)
(b)セルロース繊維として(B−2)の代わりに(B−1)を用いた以外は実施例5と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂88部を85部とし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部を6部とする以外は実施例9と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂88部を81部とし、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)3部を10部とする以外は実施例9と同様にして、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は感じられなかった。
実施例9〜11で得られた成形体の物性(ダンベル型試験片の弾性率)を表7に示す。
[実施例12]
(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂54部(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユピタールF30−01F」)、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−2)34部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)12部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、25rpm、180℃で5分間溶融混練した。
(a)熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂29部(住友精化(株)製「フロービーズHE3040」)、(b)セルロース繊維として減圧乾燥により乾固した(B−1)51部、(c)エポキシ基を有する添加剤として(C−1)20部をプラスチックカップにとり、薬さじでよく攪拌した後、小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、100rpm、140℃で10分間溶融混練した。
実施例12で得られた混練物のうち25部をとり、(a)熱可塑性樹脂としてポリアセタール樹脂75部(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユピタールF30−01F」)と併せて小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、150rpm、180℃で5分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度190℃、金型温度120℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。射出成形時に臭気は検出されなかった。
実施例13で得られた混練物のうち33部をとり、(a)熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂67部(住友精化(株)製「フロービーズHE3040」)と併せて小型二軸混練機(東洋精機(株)製、商品名ラボプラストミル)に投入し、100rpm、140℃で10分間溶融混練した。得られた混練物を手動射出成形機(井元製作所(株)製;型式18D1)に投入し、射出温度170℃、金型温度25℃で射出成形し、厚さ2mmのダンベル型試験片を得た。
また、(a)熱可塑性樹脂に(b)疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維を添加し、(c)エポキシ基を有する添加剤を用いなかった比較例1、3、4、5に比べて、得られる成形体の弾性率が向上し、(a)熱可塑性樹脂にポリアセタール樹脂を用いた場合には、成形加工時の臭気発生を抑制でき、また、ポリオレフィン樹脂やポリアミド樹脂を用いた場合には、同じ樹脂を用いて得られる樹脂組成物から作成した成形体の着色が抑制できた。
さらに、本発明の範囲外である、重量平均分子量が極めて低い(c)エポキシ基を有する添加剤を用いた比較例6では、臭気の発生は抑制できるが成形体の弾性率を低下させる結果となった。
加えて、疎水基とカルボキシル基を導入していないセルロース繊維(B−4)を用いた比較例2では成形体の弾性率が不十分であった。
Claims (10)
- (a)ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種である熱可塑性樹脂、
(b)疎水基とカルボキシル基を有するセルロース繊維、及び
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算での重量平均分子量が5,000〜500,000であるエポキシ基を有する添加剤
を、前記(a)/前記(b)/前記(c)=25〜94/5〜55/1〜25の質量比にて混合することを特徴とする、成形材料用樹脂組成物の製造方法。 - 前記(c)のエポキシ当量が150〜1000g/eqである、請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 前記(b)が、セルロース繊維中の水酸基を、(d)多価塩基酸無水物と反応させて疎水基とカルボキシル基を導入したものおよび/またはその多価金属塩である、請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- (d)多価塩基酸無水物が、アルキル若しくはアルケニルコハク酸無水物から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 前記(c)が、スチレン/(メタ)アクリレート/グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーの共重合体および/または(メタ)アクリレート/グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーの共重合体である、請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 前記グリシジル基と不飽和結合を有するモノマーがグリシジル(メタ)アクリレートである、請求項5に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 前記(c)中のグリシジル基と不飽和結合を有するモノマー単位の含有比率が、5〜99質量%である、請求項5または6に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 前記(a)、前記(b)、及び前記(c)を混合した後、更に前記(a)を加えて、混合して得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 混合が溶融混練である、請求項1又は8に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の成形材料用樹脂組成物の製造方法で得られた成形材料用樹脂組成物を成形加工したものである、前記(a)/前記(b)/前記(c)=67〜92/5〜30/3〜10なる質量比を有する成形体。
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