JP6209749B2 - 非水性貼付剤 - Google Patents

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Description

本発明は、リドカインを用いた医家用および家庭用の非水性貼付剤に関する。
リドカインは、局所麻酔、表面麻酔を目的として用いられる。その使用態様は、リドカインを配合した外用剤、またはリドカインを配合した貼付剤として供用される。外用剤としては、軟膏、クリーム、ゼリー、スプレー等があり、帯状疱疹後神経痛の治療の皮膚表面麻酔等に使用されている。貼付剤としては、水性基剤貼付剤(パップ剤)と非水性貼付剤(テープ剤)とがある。
水性基剤貼付剤としては、例えば、米国、エンドーファーマシューティカルズ社のLIDODERM(登録商標)があり、主に帯状疱疹後神経痛の治療の皮膚表面麻酔に使用される他、各種筋肉の疼痛緩和にも使用される。水性基剤貼付剤は、水分を含んでいるために膏体が厚くなり、皮膚へのなじみが悪く、しかも、粘着力がほとんどないために長時間の貼付が難しく、また、水分の揮発により、粘着力や物性の変化が発生するという問題がある。また、リドカインを筋肉まで浸透させるためには、リドカインを溶解させなければならないため、リドカインの溶解用に水分が必要となっている。
次に、非水性貼付剤としては、例えば、特許文献1に、局所麻酔剤としてリドカインを5〜30重量%配合した帯状疱疹後神経痛の軽減をはかる技術が示されている。また、特許文献2に、リドカインを5〜100重量%配合した局所麻酔経皮吸収テープの技術が示されている。また、特許文献3および特許文献4に、リドカインを0.5〜5質量%配合した貼付剤の技術が示されている。また、特許文献5に、リドカインを10〜40質量%配合した貼付剤の技術が示されている。これらの非水性貼付剤においては、リドカインが溶解せずに結晶状態で存在するため、皮膚下への浸透性が悪い。
しかも、特許文献5に示された技術においては、リドカインが高濃度の配合となっている。リドカインは、心臓への悪い影響が指摘され、高濃度のリドカインを長時間使用することによるショック、発赤、刺激感等の副作用があり、5質量%を超えて含有する外用剤は劇薬指定されており、家庭用(一般用)医薬品としては使用することができない。
一方、特許文献3および特許文献4に示された技術は、リドカインの配合量が少なく、家庭用として使用されうるものであるが、その少量のリドカインを確実に溶解させて、例えば12時間以上というような長時間に渡って安定してリドカインを放出して皮膚下に浸透させることができず、疼痛軽減の効果に問題がある。
特許第3159688号公報 特開平7−215850号公報 特開平9−315964号公報 特開2001−392501号公報 WO2009/060629の国際公開パンフレット
発明者は、針穿刺時の皮膚の疼痛緩和の効果があるリドカインを、皮膚を通して筋肉痛の緩和のための非水性貼付剤として開発することに着目した。
そのためには、まず、膏体中に、高濃度のリドカインの配合でなく、少量のリドカインの配合とし、さらに、その少量のリドカインを長時間に渡って安定した状態で経皮吸収させて筋肉に浸透させるため、リドカインを確実に溶解させることに着目した。この要求を満たすことによって、長時間にわたって筋肉の疼痛緩和をはかることのできる非水性貼付剤として使用することが可能となる。
そこで本発明は、有機酸と多価アルコールとからなる溶解剤を用い、0.5〜7質量%のリドカインおよび/もしくはその反応物を膏体中に含有させることによって、リドカインを確実に溶解させて、長時間に渡って筋肉の各種疼痛緩和に有効な非水性貼付剤とした。なお、リドカインおよび/もしくはその反応物の膏体中の配合量は、0.1〜1mg/cm2とするのが好ましい。
非水性貼付剤としては、膏体質量を軽くすることが必要であり、1枚の貼付剤の大きさを14×10cmとした場合、膏体質量を0.84〜2.8gとする。この膏体中のリドカインの配合量は0.5〜7質量%であるので、貼付剤1枚中のリドカインを196mg以下とすることができる。
膏体中にリドカインを均一かつ安定的に存在させて効率的に利用するため、リドカインの配合量を0.5〜7質量%に設定した。この理由は、リドカインの配合量が0.5質量%未満では、筋肉の各種疼痛緩和作用が弱く、所望の有効性が得られないからである。また、リドカインの配合量が7質量%を超えると、リドカインの放出性を確保するために多くの溶解剤が必要となり、これにより貼付剤の粘着力が弱くなって貼付剤としての物性を維持することができなくなり、患部に貼付剤を十分に付着させることができなくなるからであり、また、リドカインの配合量を少量にとどめたいことによる。
本発明によると、少量のリドカインを効率よく溶解させることによって長時間に渡って安定的かつ確実にリドカインを放出させることができることになる。
特に、本発明は、リドカインを長時間にわたって効率よく溶解させる溶解剤に注目し、その溶解剤を有機酸と多価アルコールの混合物によって構成することにより、持続的かつ確実なリドカインの溶解を可能にすることがわかった。
有機酸としては、酢酸、オレイン酸、イソステアリン酸等がある。
多価アルコールとしては、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等がある。
溶解剤とリドカインの配合比率は、リドカイン1質量%に対して0.5〜5質量%が最も効果的であり、この配合比率によってリドカインを溶解状態で安定的に配合でき、皮膚への放出率を上げ、筋肉へ薬剤を浸透させる有効性を得ることができる。ここで、リドカイン1質量%に対して溶解剤を0.5〜5質量%にしたのは、0.5質量%未満では、リドカインを安定して溶解することができず、リドカインの良好な放出を得ることができないからである。また、5質量%を超えると、貼付剤の粘着力が弱くなり、皮膚に対する貼付力が十分でなくなるためである。
膏体には非水性貼付剤に使用される一般的な原料を使用することができるが、基剤にエラストマーを使用することにより、貼付剤として適度な柔軟性を保つことができる。基剤に用いられるエラストマーとしては、例えば、イソプレンゴム、ポリイソブチレン、スチレンイソプレンゴムが好適であり、エラストマーの配合量としては、膏体100質量%の内10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。
また、粘着力を増強する粘着付与樹脂は、自由に配合することができ、一般的に貼付剤に使用されているロジン系樹脂、合成石油樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂環族石油樹脂等が使用できる。軟化剤として、ポリブテンや流動パラフィン、皮膚刺激剤として、メントールやカンフル等を配合してもよい。また、調整剤として、無水ケイ酸や酸化亜鉛等の無機類やステアリン酸亜鉛やポリビニルピロリドン等を使用することができる。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、金属封鎖剤等、製剤の劣化防止を目的とした添加剤を使用してもよい。
これらの原料を混合した膏体を保持する支持体には、一般的に貼付剤に使用することができる不織布、織布、編布およびフィルムの単体、またはこれらの組み合わせから構成されるものを使用する。膏体面を覆う剥離フィルムには、通常適度に離形処理されたフィルムを使用する。支持体や剥離フィルムには薬剤が吸着されることがあるため、一般的には材質はポリエステルがよいが、問題がなければ特に材質にはこだわらない。
膏体質量は、60〜200g/m2の範囲がよく、80〜180g/m2がより好ましい。なお、60g/m2未満の膏体質量では、十分なリドカインの効能を維持するためには膏体全体に対するリドカインの配合比率を上げる必要があるが、その場合にはリドカインの十分な溶解性が確保できず、リドカインが結晶化して効率的な皮膚移行ができなくなる。また、粘着力の調整が困難で、皮膚に対して柔らかでかつ適度な粘着の維持ができない。また、200g/m2を超える質量では、膏体が重すぎて膏体だれを起こしやすくなる。
本発明の非水性貼付剤の製造方法は、ホットメルト法や溶剤法等の従来から行われている一般的な製造方法でよい。
本発明の非水性貼付剤によると、皮膚に12時間貼付後の膏体中のリドカインの放出率を10%以上確保することが可能となる。また、リドカインの配合量を低く設定することで、長時間の貼付や損傷皮膚等において異常な皮膚透過を示すことや血中濃度の急激な上昇がなく、副作用の軽減を図ることができ、各種筋肉疼痛の緩和に用いる貼付剤としての有効性と安全性を有する非水性貼付剤となる。
また、リドカインの配合量が少量であるにもかかわらず溶解性がよいために、非水性貼付剤の皮膚表面麻酔としての利用も可能なものとなる。
薬剤残存率を示すグラフである。 血中濃度を示すグラフである。
本発明の実施例を表1により説明する。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):18質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):5質量%
水素添加ロジンエステル(商品名「パインクリスタルKE−311」荒川化学社製):12質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):10質量%
リドカイン:7質量%
1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業社製):1.5質量%
オレイン酸(「精製オレイン酸」日油社製」):2質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):43.8質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.2質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、水素添加ロジンエステル、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、リドカイン、1,3−ブチレングリコール、オレイン酸を80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が140g/m2になるように展膏し、ポリエステルからなる織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は0.5となる。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):15質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):10質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):20質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):48.3質量%
イソステアリン酸(高級アルコール工業社製):1.5質量%
リドカイン:3質量%
1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業社製):1.5質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.2質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、イソステアリン酸、リドカイン、1,3−ブチレングリコールを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が140g/m2になるように展膏してポリエステルからなる織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は1となる。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):18質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):10質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):20質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):46.9質量%
イソステアリン酸(高級アルコール工業社製):1.8質量%
ジプロピレングリコール(日油社製):0.5質量%
リドカイン:2質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.3質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、イソステアリン酸、リドカイン、ジプロピレングリコールを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が140g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は1.15となる。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):20質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):8質量%
水素添加ロジンエステル(商品名「パインクリスタルKE−311」荒川化学社製):20質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):48.2質量%
イソステアリン酸(高級アルコール工業社製):1.5質量%
リドカイン:0.5質量%
1,3−ブチレングリコール(ダイセル化学工業社製):1質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.3質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、水素添加ロジンエステル、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、イソステアリン酸、リドカイン、1,3−ブチレングリコールを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が160g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は5となる。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):18質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):5質量%
水素添加ロジンエステル(商品名「パインクリスタルKE−311」荒川化学社製):12質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):10質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):38.1質量%
イソステアリン酸(高級アルコール工業社製):2.1質量%
リドカイン:7質量%
ジプロピレングリコール(日油社製):7質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.3質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、水素添加ロジンエステル、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、イソステアリン酸、リドカイン、ジプロピレングリコールを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。上記膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が100g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は1.3となる。
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):20質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):8質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):20質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):49.165質量%
イソステアリン酸(高級アルコール工業社製):1.4質量%
リドカイン:0.7質量%
ジプロピレングリコール(日油社製):0.035質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.2質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、イソステアリン酸、リドカイン、ジプロピレングリコールを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が150g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。この製剤は、リドカインと溶解剤の配合比率は質量比で、リドカイン1に対して溶解剤は2.05となる。
比較例1
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):20質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):5質量%
水素添加ロジンエステル(商品名「パインクリスタルKE−311」荒川化学社製):15質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):5質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):48.2質量%
ポリソルベート80(日油社製):4質量%
リドカイン:2質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.3質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、水素添加ロジンエステル、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、ポリソルベート80、リドカインを80°Cで別途混合溶解した液を投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が140g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。
比較例2
スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンD1161」ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製):15質量%
ポリイソブチレン(商品名「ハイモール6H」日鉱日石社製):10質量%
テルペン樹脂(商品名「YSレジン1150N」ヤスハラケミカル社製):20質量%
流動パラフィン(商品名「ハイコール」カネダ社製):51.3質量%
リドカイン:3質量%
軽質無水ケイ酸(商品名「サイリシア350」富士シリシア化学社製):0.5質量%
ジブチルヒドロキシトルエン(商品名「BHT」本州化学工業社製):0.2質量%
上記配合の材料による製造方法は、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、テルペン樹脂、軽質無水ケイ酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを溶解ミキサーに入れ、150°Cで加熱溶解した後、リドカインを投入し、均一になるまで140°Cで加熱混合して膏体液とした。この膏体液を、シリコン処理したポリエステル製のフィルムに、膏体重量が140g/m2になるように展膏してポリエステルからなる不織布を貼り合わせて冷却した後、約14cm×10cmの長方形に裁断した。
Figure 0006209749
実施例1〜6および比較例1、2により得られた製剤について、次の項目の実験を行った。
粘着力試験
医薬品製造指針に記載の試験法に基づいて、ボールタック粘着力試験を行った。表2に示すように、実施例1〜実施例6(以下本発明品という。)は良好な粘着力を示した。それに対し、比較例1は約半分の値を示した。比較例2は溶解剤を使用していないため、粘着力には問題はない。
Figure 0006209749
薬剤残存量試験
図1に示すように、人皮膚に4時間、8時間および12時間の貼付を行い、それぞれ経過時間毎に製剤をはがして製剤中に残存している薬剤を測定し、貼付前の薬剤量を100%とした場合の薬剤残存率を算出した。
12時間貼付後の薬剤残存率は、比較例は96〜99%に対し、本発明品はいずれも80%以下を示し、人皮膚への薬剤放出量は20%以上であった。

血中濃度試験
人皮膚に12時間貼付後、製剤をはがし、製剤貼付中の4時間、8時間および12時間と、製剤をはがした後の24時間経過後に、血液を採取し、リドカインの血中濃度を測定した。その結果を図2のグラフに示す。
溶解剤をイソステアリン酸とジプロピレングリコールとより構成したものは総じて良い結果が得られることがわかる。

Claims (3)

  1. 基材中にリドカインを0.5〜7質量%含有させ、溶解剤として有機酸であるオレイン酸と多価アルコールであるジプロピレングリコールおよび/または1,3-ブチレングリコールを含有し、リドカインと溶解剤の配合比率を、リドカイン1質量%に対して溶解剤を0.5〜5質量%とし、かつリドカインの膏体中の配合量を0.1〜1mg/cm2として、リドカインが溶解剤中に確実に溶解され、人皮膚への貼付時にリドカインの皮膚への放出が12時間継続することを特徴とする非水性貼付剤。
  2. 12時間貼付後の膏体中のリドカインの放出率を10%以上確保できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の非水性貼付剤。
  3. 膏体質量が60〜200g/m 2であることを特徴とする請求項1記載の非水性貼付剤。

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