JP6209340B2 - 下着 - Google Patents

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Description

本発明は、左右の前身頃と後身頃とマチ部とを備え、前身頃の前打合せに縦長の排尿用の開口が形成されている下着に関し、特に軽度の尿漏れに対応可能な下着に関する。
一般に、男性は加齢とともに筋力の低下や前立腺肥大等によって排尿時の尿切れが悪くなり、尿道に溜まった尿がパンツの中で漏れる「尿漏れ」があることが知られている。そして、比較的若い世代でも、「尿漏れ」に悩んでいる人が意外に多く、漏れた尿がズボンに滲みだす場合もあり、その対策が望まれている。
老齢者の比較的多量の尿失禁に対応するために、成人用オムツや、吸水パッドが装着または縫着された下着が開発されている。そのような下着の例が、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、外装体と内装体の二重に構成し、内装体の着用者の股間部相当位置を、着用者の肌に接する内側に配置される保水部とその外側に配置される防水皿との二重構造にして、保水部と防水皿の間に吸収体を収容自在とするパンツが提案されている。
特許文献2には、着用者の股間部相当位置の前方から後方に向けて配置される外クロッチ布と内クロッチ布の間に尿吸収体を収容自在としたパンツで、尿吸収体に漏斗状部を形成すると共に、外クロッチ布と内クロッチ布をそれぞれその端部が円弧状を呈する前立てと股マチ布から構成し、前立ての端部と股マチ布の端部の縫合部の付近に尿吸収体の漏斗状部を位置させたパンツが提案されている。
特開2001‐25483号公報 特開2008‐223150号公報
しかし、特許文献1,2に記載された下着は、比較的多量の尿漏れに対応するための厚手の吸水パッドが装着された下着であり、心理的な抵抗感が強く、装着していることが外衣から認識され易いこともあり、軽度な尿失禁に悩む30代から50代の比較的若い世代の男性にとって容易に使用できるものではなく、より自然な履き心地で、且つ、外観上容易に判明しない形態の下着が望まれていた。
そこで、前身頃の中央部の内側に、漏れた尿を吸水する当て布を配設することも考えられるが、この部位には排尿用の開口が形成されており、その内側に別途の当て布を配設すると、その当て布を避けて尿道口を開口まで導くことが必要になり、排尿時の操作が煩わしくなるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、ごく軽い「尿漏れ」に悩む比較的若い世代の男性でも、周りの人に気付かれることなく、また、抵抗感なく着用でき、しかも水分が容易に身生地に滲んだりズボンに滲んだりすることがない下着を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による下着の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、左右の前身頃と後身頃とマチ部とを備え、前身頃の前打合せに縦長の排尿用の開口が形成されている下着であって、前打合せの持ち出し側となる前身頃の肌側面に、左右幅が上下方向に沿って略等しくまたは裾部が幅広に形成され、当該前身頃の開口側端部、上縁部及び下縁部でのみ縫着され、反開口側端部で前身頃から開放された第1吸水生地片が設けられ、前打合せの見返し側となる前身頃の肌側面に、左右幅が上下方向に沿って略等しくまたは裾部が幅広に形成され、当該前身頃の見返し側端部、上縁部及び下縁部でのみ縫着され、反開口側端部で前身頃から開放された第2吸水生地片が設けられ、尿道口の位置変動を許容しながらも、第1吸水生地片及び第2吸水生地片により尿滲みが防止される点にある。
前身頃の中央部の内側に配設された第1吸水生地片及び第2吸水生地片は、ともに前身頃の上縁部及び下縁部でその上縁及び下縁が縫着されるとともに、持ち出し側となる前身頃の開口側端部または見返し側となる前身頃の見返し側端部でも縫着されているため、排尿用の開口の左右方向及び上下方向で肌面が覆われるように展開されるようになる。そして、第1吸水生地片及び第2吸水生地片は、反開口側端部で前身頃から開放されているため、身生地から容易に離隔して肌側に撓み、姿勢の変化や歩行等の動作によって位置が変動しやすい下腹部の男性器、特に尿道口の位置が安定して覆われるようになる。その結果、排尿の後に尿道に残った僅かの尿が漏れ出ても、第1吸水生地片または第2吸水生地片で受け止められて、身生地に滲みだしたり、身生地を通してズボンに滲みだしたりするようなことが防止できる。
しかも、第1吸水生地片及び第2吸水生地片は、開口を構成する前身頃の身生地とともに開口側で縫着されているため、男性器の尿道口を開口まで導く排尿時の操作に、通常の下着と異なる特段の操作が要求されることも無い。このような第1吸水生地片及び第2吸水生地片は、少し大きな裏地であるという程度の認識で済み、殊更尿漏れ用の専用の下着と判別されることも無いので、着用にも抵抗感が無く、また履き心地も違和感がない。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部の上下長さが、縫着側端部の上下長さより長く形成されている点にある。
第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部の上下長さが、縫着側端部の上下長さより長く形成されているので、第1吸水生地片及び第2吸水生地片の下縁が裾部側つまり大腿部内側にまで延出されるようになり、男性器の尿道口が前身頃の前打合せの下端よりも裾部側に位置しても、漏れ出た尿を受け止めることができるようになる。また、前打合せの開口の内側近辺で漏れ出した尿量が多く、第1吸水生地片または第2吸水生地片で吸水されながら下方に伝え漏れした場合でも、裾部側への延出部位に到るまでに十分に吸水されるので、第1吸水生地片または第2吸水生地片から身生地側に伝え漏れするようなことも回避できるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前打合せに開き止めとなる縫着部が形成され、第1吸水生地片は当該縫着部で身生地と縫着されずに浮いた状態に維持されている点にある。
第1吸水生地片に吸収された尿がこれら縫着部の針孔から身生地側に漏洩することがない。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部がかがり縫いされている点にある。
開放側端部がかがり縫いされていると、第1吸水生地片または第2吸水生地片に尿が漏れ出てその端部まで浸潤した場合でも、かがり縫いされた糸部及び縫目が防波堤のような役割を担い、その端部を越えて身生地が浸潤するようなことが効果的に回避できるようになる。また、かがり縫いされた部位で糸の太さ分だけ生地片が厚くなり、また僅かに重量になるので、第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部が身生地から離隔して下方に垂れ下がりやすくなり、それだけ第1吸水生地片及び第2吸水生地片の下縁側が男性器側に接触しやすく、また、身生地との間隙が広くなるため、漏れ出た尿が身生地に浸潤することが効果的に回避できるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、第1吸水生地片及び第2吸水生地片の左右方向の延べ幅が、左右の前身頃とマチ部との縫着部の長さの60〜90%の範囲に設定されている点にある。
第1吸水生地片及び第2吸水生地片の左右方向の延べ幅が、左右の前身頃とマチ部との縫着部の長さの60〜90%の範囲に設定されていれば、多少の尿漏れがあっても十分に吸水でき、また、尿道口の位置が変化しても十分にカバーできるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第一から第の何れかの特徴構成に加えて、前身頃とマチ部との縫着部及び後身頃とマチ部との縫着部の双方で縫着され、左右端部がマチ部から開放された第3吸水生地片がさらに設けられている点にある。
尿の漏れ量が多く、第1吸水生地片または第2吸水生地片で吸収できない場合でも、マチ部に配された第3吸水生地片で余剰の尿が受け止められ、身生地やズボンに滲みだすようなことが回避できる。また、排尿が終わって男性器を下着内に収容した状態で尿道口から尿が滴下するような場合でも、マチ部に配された第3吸水生地片で確実に吸収されるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第の特徴構成に加えて、第3吸水生地片の左右幅が、マチ部の左右幅の60〜90%の範囲に設定されている点にある。
第1吸水生地片または第2吸水生地片から伝え漏れした場合でも、確実に受け止めて吸収できるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第または第の特徴構成に加えて、第1吸水生地片、第2吸水生地片及び第3吸水生地片の反肌側面が撥水加工されている点にある。
それらの吸水生地片で吸収された尿が身生地側に浸潤することが回避できるようになる。
同第の特徴構成は、同請求項に記載した通り、上述の第から第の何れかの特徴構成に加えて、少なくとも第3吸水生地片は、熱融着弾性糸とそれ以外の糸をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で前記熱融着弾性糸を溶融することによりほつれ止め加工した編地で構成され、左右端縁が切りっ放し処理されている点にある。
吸水性の生地片として、このようなほつれ止め加工を施した編地を採用すれば、洗濯を繰り返しても切りっ放し処理された脇部から繊維がほつれるようなことが無く、見栄えの悪化を招くこと無く肌に優しい下着が提供できる。
以上説明した通り、本発明によれば、ごく軽い「尿漏れ」に悩む比較的若い世代の男性でも、周りの人に気付かれることなく、また、抵抗感なく着用でき、しかも水分が容易に身生地に滲んだりズボンに滲んだりすることがない下着を提供することができるようになった。
(a)は本発明による下着の一例であるトランクスの正面視の説明図、(b)は同背面視の説明図、(c)は同着用状態を示す説明図 (a)は前打合せの左右に配された第1吸水生地片及び第2吸水生地片と、マチ部に配された第3吸水生地片の表面視の説明図、(b)は前打合せに形成された排尿用の開口を開いた状態の表面視の説明図、(c)は前打合せの左右に配された第1吸水生地片及び第2吸水生地片と、マチ部に配された第3吸水生地片の裏面視の説明図 (a)は本発明による下着の一例であるトランクスのサンプルの正面表側の写真、(b)は同正面裏側の写真、(c)は同背面裏側の写真 は本発明による下着の一例であるトランクスを構成する身頃等の裁断生地片の説明図 (a),(b),(c)はそれぞれ別実施形態を示し、前打合せの左右に配された第1吸水生地片及び第2吸水生地片と、マチ部に配された第3吸水生地片の裏面視の説明図
以下、本発明による下着の一例であるトランクスを図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)は、それぞれトランクス1を正面から視た図、裏面から視た図、着用状態を示す図であり、図2(a),(b),(c)は、それぞれトランクス1の表面の見上げ図、開口を開いた状態の見上げ図、トランクス1の裏面の見上げ図である。
図1(a),(b),(c)に示すように、トランクス1は、左右の前身頃2,3と後身頃4とマチ部5とを備え、左右の前身頃2,3と後身頃4とが左右の脇で縫着されるとともに上端側で腰ゴム6と縫着されて構成されている。
トランクス1の下端に左右の脚部を挿入する裾部7,8が形成され、前身頃2,3の前打合せ9に縦長の排尿用の開口10が形成されている。前身頃2,3の前打合せ9付近の肌側面に第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12が設けられ、マチ部5の肌側面に第3吸水生地片13が設けられている。
身頃及びマチ部となる身生地を編成する原糸として、綿等の天然繊維以外に、キュプラ、ビスコースレーヨン等の再生セルロース繊維、吸水性加工されたポリエステル等の合成繊維等、吸水性を有する極細繊維を用いることができ、また、編地としてフライス編みやスムース編み、更には天竺編み等のヨコ編地や、ラッセル編み等のタテ編地が好適に用いられる。
また、ポリウレタン等の弾性糸を地組織に編成することにより、伸縮性に富んだ下着が得られる。さらに後述するほつれ止め加工した編地を用いることも可能で、その場合には脚部側エッジを切りっ放し処理すればよく、縫製等の特別のほつれ止め処理を行なう必要は無い。
以下、さらに詳しく説明する。
図2(a),(b),(c)に示すように、前打合せ9の持ち出し側となる前身頃3の肌側面に、当該前身頃3の開口側端部3a、上縁部3b及び下縁部3cでのみ縫着され、反開口側端部11dで前身頃3から開放された第1吸水生地片11が設けられている。
また、前打合せ9の見返し側となる前身頃2の肌側面に、当該前身頃2の見返し側端部2a、上縁部2b及び下縁部2cでのみ縫着され、反開口側端部12dで前身頃2から開放された第2吸水生地片12が設けられている。これら第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12により尿漏れによる身生地2,3側への尿滲みが防止される。
前身頃2,3の中央部の内側に配設された第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12は、ともに前身頃2,3の上縁部2b,3b及び下縁部2c,3cでその上縁及び下縁が縫着されるとともに、持ち出し側となる前身頃3の開口側端部3aまたは見返し側となる前身頃2の見返し側端部2a、つまり前立て生地の見返し側縫着部でも縫着されているため、着用状態で、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12が排尿用の開口10の左右方向及び上下方向で肌面を覆うように展開される。図2(a),(b)から判るように、前身頃2の見返し側端部2aと開口側端部3aは、開口10が閉じた状態で直線状に重なるように位置している。
そして、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12は、反開口側端部11d,12dで前身頃3,2から遊離しているため、前身頃3,2を構成する身生地から容易に離隔して肌側に撓み、姿勢の変化や歩行等の動作によって位置が変動しやすい下腹部の男性器、特に尿道口の位置が安定して覆われるようになる。その結果、排尿の後に尿道に残った僅かの尿が漏れ出ても、第1吸水生地片11または第2吸水生地片12で受け止められて、身生地に滲みだしたり、身生地を通してズボンに滲みだしたりするようなことが防止できる。
しかも、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12は、開口10を構成する前身頃2,3の身生地とともに開口10側で縫着されているため、男性器の尿道口を開口まで導く排尿時の操作に、通常の下着と異なる特段の操作が要求されることも無い。
図2(a)に示すように、前打合せ9に形成される前立てには、開口10の上下に開き止めとなる縫着部10a,10bが形成されているが、図2(c)に破線で示すように、第1吸水生地片11は当該縫着部10a,10bで身生地と縫着されず、また前身頃3の開口側端部3aでも縫着されずに、身生地から浮いた状態となるので、第1吸水生地片11に吸収された尿がこれら縫着部10a,10b,3aの針孔から身生地側に漏洩することもない。
第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の左右方向の延べ幅が、左右の前身頃2,3とマチ部5との縫着部の長さの60〜90%の範囲に設定されていることが好ましく、70〜90%の範囲に設定されているとさらに好ましい。このようなサイズに構成されていれば、多少の尿漏れがあっても十分に吸水でき、また、尿道口の位置が変化しても十分にカバーできるようになる。
前身頃2,3とマチ部5との縫着部及び後身頃4とマチ部5との縫着部の双方で縫着され、左右端部がマチ部5から開放された第3吸水生地片13がさらに設けられている。
尿の漏れ量が多く、第1吸水生地片11または第2吸水生地片12で吸収できない場合でも、マチ部5に配された第3吸水生地片13で余剰の尿が受け止められ、身生地やズボンに滲みだすようなことが回避できる。また、排尿が終わって男性器を下着内に収容した状態で尿道口から尿が滴下するような場合でも、マチ部5に配された第3吸水生地片13で確実に吸収されるようになる。
第3吸水生地片13の左右幅は、マチ部5の左右幅の60〜90%の範囲に設定されていることが好ましく、70〜90%の範囲に設定されているとさらに好ましい。第1吸水生地片11または第2吸水生地片12から伝え漏れした場合でも、確実に受け止めて吸収できるようになる。
さらに、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の開放側端部11d,12dが、かがり縫いされていることが好ましく、第1吸水生地片11または第2吸水生地片12に漏れ出た尿がその端部まで浸潤した場合でも、かがり縫いされた糸部及び縫目で速やかに拡散吸水され、その端部を越えて身生地が浸潤するようなことが効果的に回避できるようになる。
また、かがり縫いされた部位で糸の太さ分だけ生地片が厚くなり、また僅かに重量になるので、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の開放側端部11d,12dが身生地から離隔して下方に垂れ下がりやすくなり、それだけ第1吸水生地片及び第2吸水生地片の下縁側が男性器側に接触しやすくなるとともに、身生地との間隙が広くなるため、漏れ出た尿が身生地に浸潤することが効果的に回避できるようになる。
例えば、かがり縫いの種類は特に問わないが、オーバーロックミシンを用いることが好ましく、中でも1本の針と2本のルーパーで構成する1本針3本糸タイプにより縫製されることが特に好ましい。また、縫目のピッチが2.5cmで10針から15針の範囲に設定されていることが好ましく、11針から14針の範囲に設定されているとより好ましい。10針より少ないと漏れ出た尿をせき止める効果が十分に働かない虞があり、15針より多いとミシンによる針穴から尿が漏れ落ちてしまう虞がある。さらに、30番手から90番手の糸が用いられることが好ましく、防水性、撥水性または疎水性の糸であれば特に好ましい。
第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の開放側端部11d,12dの上下長さは、縫着側端部3a,2aの上下長さより長く形成されていることが好ましく、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の下縁が裾部側つまり大腿部内側にまで延出されるようになり、男性器の尿道口が前身頃2,3の前打合せ9の下端よりも裾部側に位置しても、漏れ出た尿を受け止めることができるようになる。
また、前打合せ9の開口10の内側近辺で漏れ出した尿量が多く、第1吸水生地片11または第2吸水生地片12で吸水されながら下方に伝え漏れした場合でも、裾部側への延出部位に到るまでに十分に吸水されるので、第1吸水生地片11または第2吸水生地片12から身生地側に伝え漏れするようなことも回避できる。
第1吸水生地片11、第2吸水生地片12及び第3吸水生地片13の反肌側面は、撥水加工されていることが好ましく、それらの吸水生地片で吸収された尿が身生地側に浸潤することがより確実に回避できるようになる。
フッ素を主成分とする加工薬剤を用いた撥水加工によって、着用者の肌に悪影響を与えることなくズボンへの尿の移行を防止することができる。ローラー捺染やスクリーン捺染、インクジェットプリント等の捺染手段により生地の片面に容易に撥水加工を施すことができる。
捺染による撥水加工は、生地面積に対して40%以上に施されていることが好ましい。捺染による撥水加工が40%未満では、身生地やズボンへの尿の移行を防止するための撥水性が不足する虞があるためである。尚、撥水加工は、捺染手段以外の手段(例えば、スプレー式)を用いて行なってもよい。
第1吸水生地片11、第2吸水生地片12及び第3吸水生地片13のうち、少なくとも第3吸水生地片13に、熱変形性弾性糸とそれ以外の糸、例えばセルロース系の繊維等の吸水性を有する繊維をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で熱変形性弾性糸を溶融することによりほつれ止め加工した編地で構成することが好ましい。熱変形性弾性糸として低融点ポリウレタン弾性糸のような熱融着性弾性糸を用いる以外に、ポリウレタンウレア弾性繊維を用いることも可能である。
第3吸水生地片13の左右端縁を身生地に縫着すると縫針の孔から尿が滲みだす虞があり、単独でほつれ止めのための端部処理を行なうと、肌にごわごわした違和感を与えることになる。そのような場合でも、ほつれ止め加工した編地を用いれば、左右端部を切りっ放し処理しても洗濯等により繊維がほつれるようなことが無く、良好な着心地が得られる。
他に、第1吸水生地片11、第2吸水生地片12及び第3吸水生地片13の素材として、身生地と同様に、綿等の天然繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン等の再生セルロース繊維、吸水性加工されたポリエステル等の合成繊維等、吸水性を有する極細繊維で編成された編地を用いることができ、フライス編みやスムース編み、更には天竺編み等のヨコ編地や、ラッセル編み等のタテ編地を用いることも可能である。
図3(a),(b),(c)には、上述の構造を備えたトランクス1のサンプルの正面表側、同正面裏側、同背面裏側の写真が示されている。尚、写真は、各部の構成が認識しやすくするために、明暗及びコントラストが調整されている。さらに、図4には、当該トランクス1を構成する身生地2,3,4,5及び吸水性生地片11,12,13の各裁断生地片が示されている。
以下、本発明の別実施形態を説明する。
第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12に上述したほつれ止め加工した編地を採用することも可能である。この場合、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の開放側端部11d,12dをかがり縫いすることなく、切りっ放し処理することも可能になる。図5(a)には、当該開放側端部11d,12dにかがり縫いが行なわれていない態様が示されている。
第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の開放側端部11d,12dの上端から下端に到る長さを、前身頃3,2の対応する部位の長さよりも長くなるように構成すると、開放側端部11d,12dが前身頃3,2の生地面から浮き上がって肌面側に接触しやすくなるため、尿道口の位置変動があっても捕捉しやすくなる。
図5(b)に示すように、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の下端縁11e,12eを裾部7,8まで延出させて、吸水生地片の面積を拡大することにより吸水容量を大きくすることができる。この場合も、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の反開口側端部11d,12dは開放端部に構成されている必要がある。
図5(c)に示すように、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の下端縁11e,12eを反開口側端部11d,12dの下方で左右幅方向に延出させて、より男性器の尿道口を捕捉しやすくするとともに、吸水生地片の面積を拡大して吸水容量を大きくするとともに、より男性器の尿道口を捕捉しやすくしてもよい。この場合も、第1吸水生地片11及び第2吸水生地片12の反開口側端部11d,12dは開放端部に構成されている必要がある。
第1吸水生地片11、第2吸水生地片12及び第3吸水生地片13が、消臭・抗菌加工されていれば、さらに好ましく、生地片に吸収された尿の臭いが消臭機能によって消臭され、長時間快適な状態を維持することができる。
例えば、特許第3787675号に開示されているように、原糸となる繊維をキトサン及び/または修飾キトサン、カルボン酸ポリマー、酸化亜鉛及びバインダー樹脂を含む処理液で処理し、これらの被覆層が形成された繊維を用いればよい。
以上の説明は、本発明による下着を、トランクスを例に説明したが、トランクスの着丈は特に限定されるものではなく、また身生地として編地を用いたトランクスの他に綿等の布帛(織地)を用いたトランクスに適用してもよい。
本発明による下着は、軽い「尿漏れ」に悩む男性が、抵抗感無く日常的に着用できる快適な下着として、30代以降の比較的若い世代に好適に提供できるようになる。
1:トランクス
2,3:前身頃
4:後身頃
5:マチ部
6:腰ゴム
7,8:裾部
9:前打合せ
10:開口
11:第1吸水生地片
12:第2吸水生地片
13:第3吸水生地片

Claims (9)

  1. 左右の前身頃と後身頃とマチ部とを備え、前身頃の前打合せに縦長の排尿用の開口が形成されている下着であって、
    前打合せの持ち出し側となる前身頃の肌側面に、左右幅が上下方向に沿って略等しくまたは裾部が幅広に形成され、当該前身頃の開口側端部、上縁部及び下縁部でのみ縫着され、反開口側端部で前身頃から開放された第1吸水生地片が設けられ、
    前打合せの見返し側となる前身頃の肌側面に、左右幅が上下方向に沿って略等しくまたは裾部が幅広に形成され、当該前身頃の見返し側端部、上縁部及び下縁部でのみ縫着され、反開口側端部で前身頃から開放された第2吸水生地片が設けられ、
    尿道口の位置変動を許容しながらも、第1吸水生地片及び第2吸水生地片により尿滲みが防止される下着。
  2. 第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部の上下長さが、縫着側端部の上下長さより長く形成されている請求項1記載の下着。
  3. 前打合せに開き止めとなる縫着部が形成され、第1吸水生地片は当該縫着部で身生地と縫着されずに浮いた状態に維持されている請求項1または2記載の下着。
  4. 第1吸水生地片及び第2吸水生地片の開放側端部がかがり縫いされている請求項1から3の何れかに記載の下着。
  5. 第1吸水生地片及び第2吸水生地片の左右方向の延べ幅が、左右の前身頃とマチ部との縫着部の長さの60〜90%の範囲に設定されている請求項1からの何れかに記載の下着。
  6. 前身頃とマチ部との縫着部及び後身頃とマチ部との縫着部の双方で縫着され、左右端部がマチ部から開放された第3吸水生地片がさらに設けられている請求項1からの何れかに記載の下着。
  7. 第3吸水生地片の左右幅が、マチ部の左右幅の60〜90%の範囲に設定されている請求項記載の下着。
  8. 第1吸水生地片、第2吸水生地片及び第3吸水生地片の反肌側綿が撥水加工されている請求項または記載の下着。
  9. 少なくとも第3吸水生地片は、熱融着弾性糸とそれ以外の糸をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で前記熱融着弾性糸を溶融することによりほつれ止め加工した編地で構成され、左右端縁が切りっ放し処理されている請求項からの何れかに記載の下着。
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