JP6208763B2 - 変形性関節症を治療するためのpedf−由来のポリペプチドの使用 - Google Patents

変形性関節症を治療するためのpedf−由来のポリペプチドの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6208763B2
JP6208763B2 JP2015532264A JP2015532264A JP6208763B2 JP 6208763 B2 JP6208763 B2 JP 6208763B2 JP 2015532264 A JP2015532264 A JP 2015532264A JP 2015532264 A JP2015532264 A JP 2015532264A JP 6208763 B2 JP6208763 B2 JP 6208763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mer
pharmaceutical composition
amino acid
pedf
osteoarthritis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015532264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015530392A (ja
Inventor
トサオ イエオウ‐ピング
トサオ イエオウ‐ピング
ホ ツング‐チュアン
ホ ツング‐チュアン
Original Assignee
マクカイ メモリアル ホスピタル
マクカイ メモリアル ホスピタル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マクカイ メモリアル ホスピタル, マクカイ メモリアル ホスピタル filed Critical マクカイ メモリアル ホスピタル
Publication of JP2015530392A publication Critical patent/JP2015530392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6208763B2 publication Critical patent/JP6208763B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/1703Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • A61K38/1709Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/55Protease inhibitors
    • A61K38/57Protease inhibitors from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K4/00Peptides having up to 20 amino acids in an undefined or only partially defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K4/12Peptides having up to 20 amino acids in an undefined or only partially defined sequence; Derivatives thereof from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

(発明の背景)
(1.発明の分野)
本開示は、変形性関節症の治療に関する。特に、開示された発明は、変形性関節症を治療するためのPEDF由来のポリペプチドの使用に関する。
(2.関連技術の説明)
変形性関節症は、退行性骨関節症であり、これはほとんどの場合、そこで相対し関節を形成している骨の末端を被覆する滑りやすい組織である軟骨に影響を及ぼす。健康な軟骨は、骨が他方の骨の上を滑らかに動くことを可能にし、且つ物理的運動の衝撃からエネルギーを吸収する。変形性関節症において、軟骨の表面層は、破壊され、摩耗し、その結果損傷された軟骨の下側の骨は、互いにこすれ合い、関節の痛み、腫れ、及び運動の喪失を引き起こす。変形性関節症は、老化に関連し、且つ膝、股関節部、指、及び下部脊椎領域を含む、長年連続してストレスがかかっている関節に恐らく影響を及ぼすであろう。
変形性関節症は、圧倒的に、最も一般的な関節炎の型である。2008年時点で、25歳以上のアメリカ人のうち推定2700万人が、変形性関節症を有する。世界規模の概算では、60歳以上の男性の9.6%及び女性の18.0%が、症候性変形性関節症を有する。世界保健機関(WHO)の調査は、変形性関節症患者の80%は、動作の制限を有し、且つ25%は、生活の上でその主な日常活動を行うことができないことを指摘している。
変形性関節症は治癒しない。現在の疾患管理は、関節痛及びこわばり(stiffness)の管理、並びに患者の日常活動を行う能力の維持を中心としている。理学療法は、筋肉及び骨の強化を助け、筋肉の柔軟性を増大し、これにより痛みを軽減するので、理学療法を推奨されることが多い。変形性関節症の薬物療法は、大半は痛みの緩和を中心としている。鎮痛薬及び局所性疼痛寛解剤は、不快感に効くが、炎症を鎮めることはない。経口及び注射用コルチコステロイドは、炎症を制御するが、頻繁な又は長期間の使用は推奨されない。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、痛み、腫れ及び炎症を軽減するために処方される;しかし、これらは、胃の苦痛感及び潰瘍を引き起こし得、更には一部の患者においては心臓発作のリスクを増大する。関節鏡法から全関節形成術まで範囲のある手術は、極度に損傷された関節の選択肢となり得る。
前述の観点から、変形性関節症を効果的に治療する手段が、当該技術分野において依然必要とされている。
(概要)
以下は、読者に基本的理解を提供するために、本開示の簡単な概要を提供する。この概要は、本開示の広範な全体像ではなく、本発明の鍵となる/重要な要素を確定せず、本発明の範囲の線引きもしない。その唯一の目的は、後に提供する、より詳細な説明への前置きとしての簡単な形で、本明細書に開示されるある種の概念を提供することである。
本開示は、色素上皮由来因子(PEDF)に由来する合成ペプチドが、軟骨細胞の増殖を刺激し、軟骨の再生を促進し、且つ間葉系幹細胞の軟骨形成を誘導することができ、これにより対象における変形性関節症を治療する上で有効であるという発見に少なくとも基づいている。従って、本発明のPEDF由来の合成ペプチドは、変形性関節症を治療するための医薬品として有用である。
従って、一態様では、本開示は、対象における変形性関節症を治療するための合成ペプチドの使用に関する。
本開示の実施態様によれば、合成ペプチドは、20〜39アミノ酸残基の長さであり、且つ、配列番号:1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する。また、該アミノ酸配列は、配列番号:1の残基11〜30と少なくとも90%同一である少なくとも20個の連続的な残基を含み、その結果、該合成ペプチドが、対象における変形性関節症を治療するのに有用となる。
本開示の任意の実施態様によれば、合成ペプチドの少なくとも4個の連続的な残基は、配列番号:1の残基11〜14と同一である。こうした合成ペプチドの非制限的な例としては、それぞれ、配列番号:1(39-mer)、配列番号:2(34-mer)、配列番号:3(29-mer)、配列番号:5(24-mer)、配列番号:6(20-mer)、配列番号:8(MO 29-mer)、及び配列番号:9(MO 20-mer)のアミノ酸配列を有するものが挙げられる。本開示のいくつかの実施態様では、合成ペプチドのアミノ酸配列は、配列番号:3(29-mer)、配列番号:5(24-mer)、又は配列番号:6(20-mer)のいずれかである。
本開示の様々な実施態様によれば、対象は、ヒトを含めた哺乳類に分類されるあらゆる動物であり得る。
別の態様において、本開示は、対象において変形性関節症を治療するための医薬組成物に関する。対象は、ヒトを含めた哺乳類に分類されるあらゆる動物であり得る。
本開示の一実施態様によれば、医薬組成物は、前述の態様/実施態様のいずれかによる合成ペプチドを含み、且つ、該合成ペプチドは、対象における変形性関節症を治療するのに十分な有効量で存在する。医薬組成物はまた、合成ペプチドのための医薬として許容し得る賦形剤も含む。
特定の任意の実施態様において、医薬組成物は、ヒアルロン酸又はヒアルロン酸ナトリウムなどの、グリコサミノグリカンを更に含む。
本開示の様々な実施態様において、医薬組成物は、注射用剤形に製剤化されてよい。
更に別の態様において、本発明は、変形性関節症に罹患した病変を少なくとも一つ有する対象において、変形性関節症を治療する方法に関する。対象は、ヒトを含めた哺乳類に分類されるあらゆる動物であり得る。
一実施態様において、該方法は、対象に、前述の態様/実施態様のいずれかによる合成ペプチドの有効量を投与することを含む。特に、この合成ペプチドは、変形性関節症を治療するために、合成ペプチドが対象の滑液腔へ到達するような様式で投与される。
任意の実施態様によれば、合成ペプチドは、本開示の前述の態様/実施態様による医薬組成物に製剤化される。
いくつかの任意の実施態様において、合成ペプチド又は医薬組成物は、対象の滑液腔へ関節内注射される。
本開示の付随的な特徴及び利点の多くは、添付の図面と関連付けて考慮される以下の詳細な説明を参照して、いっそう良く理解されるようになるであろう。
本特許及び出願のファイルは、カラーで製作された少なくとも1つの図面を含む。カラーの図面を伴うこの特許又は特許出願公開の複写は、請求及び必要な料金の支払い後に、事務局によって提供されることとなる。
本発明の説明は、添付の図面に照らして読む以下の詳細な説明から、いっそう良く理解されるであろう:
図1は、本開示の一試験実施例による膝関節標本の代表的H&E染色された切片を提供する(F:大腿顆部;T:脛骨顆部、M:半月板);
図2は、図1の試験実施例からの膝関節組織切片の代表的顕微鏡写真を提供する(元の倍率、×400);
図3は、本開示の別の試験実施例による膝関節標本の代表的免疫染色した画像を提供する(元の倍率、×1000);
図4Aは、本開示の別の試験実施例による、関節軟骨-由来のコロニーの形態を描く代表的画像、及びそれらの同一性を示すコロニーの免疫染色された画像を提供する;並びに
図4Bは、図4Aの試験実施例によるラット関節軟骨由来の細胞の代表的免疫染色した画像を提供する(元の倍率、×1000)。
(説明)
添付の図面に関連して以下に提供する詳細な説明は、本発明の実施例の説明を目的とし、本発明の実施例が構成又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図しない。この説明は、実施例の機能、及び実施例を構成及び操作するための工程の順序を述べる。しかし、異なる例によって、同一又は同等の機能及び順序を実現することもできる。
便宜上、(明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲を含めて)出願全体において用いられるある種の用語を、ここにまとめる。本明細書で別段に定義されない限り、本開示で用いられる科学技術用語は、当分野の技術者によって普通に理解及び使用される意味を有するものとする。文脈によって他に必要とされない限り、単数形の用語には、複数形の同一のものが含まれるものとし、複数形の用語には、単数形が含まれるものとすることを理解されたい。具体的には、本明細書及び特許請求の範囲では、文脈によってそうではないと明らかに示されない限り、単数形「a」及び「an」には、複数の指示物が含まれる。
本発明の広い範囲を説明する数値範囲及びパラメータは、おおよその値であるものの、具体例において説明する数値は、可能な限り正確に報告する。しかし、いかなる数値も、それぞれの試験測定において判明する標準偏差から必然的に生じるある種の誤差を本質的に含んでいる。また、本明細書で使用する場合、用語「約」は一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%、又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当分野の技術者によって判断される場合には、平均の許容し得る標準誤差以内を意味する。具体例/試験実施例以外では、又は他に指定がない限り、本明細書に開示される、材料の量、時間、温度、操作条件、量の割合、及びこれらと同類のものに対するものなどの、数値範囲、量、値、及び割合は全て、全ての場合において、用語「約」によって修飾されるものと理解されるべきである。従って、そうではないと示されない限り、本開示及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、所望される場合に変動し得るおおよその値である。最低限でも、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効数字の数を考慮して、且つ、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
本明細書で使用する場合、用語「ペプチド」は、アミノ酸残基のポリマーを指す。用語「合成ペプチド」は、本明細書で使用する場合、天然に存在する全長タンパク質分子を含まないペプチドを意味する。ペプチドは、化学合成、組換え遺伝子技術、又は全長タンパク質の断片化などの技術を使用する、人の介入によって製造することができる点で、「合成」である。本開示全体を通して、あるペプチド内の任意の特定のアミノ酸残基の位置は、ペプチドのN末端を始点に番号付けされる。
本明細書で使用する場合、「増殖すること」及び「増殖」とは、細胞分裂による、集団中の細胞数の増加をいう。
本明細書で特定される合成ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性の割合(%)」は、配列を整列させ、且つ、最大の割合の配列同一性を得るために必要であればギャップを導入した後の、配列同一性の一部としてのいかなる保存的置換も考慮しない、特定のポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一である候補配列内のアミノ酸残基の割合と定義される。配列同一性の割合を決定する目的のアラインメントは、当分野の技術の範囲内の様々な方式で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、実現することができる。当分野の技術者は、比較される配列の完全長にわたる最大アラインメントを実現するために必要とされるあらゆるアルゴリズムを含めた、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。本明細書の目的では、2つのアミノ酸配列間の配列比較は、米国立生物工学情報センター(NCBI)によってオンラインで提供されているコンピュータプログラムBlastp(タンパク質-タンパク質BLAST)によって実施した。所与のアミノ酸配列Bに対する所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性の割合(或いは、これは、所与のアミノ酸配列Bに対するアミノ酸配列同一性が、いくらかの%である、所与のアミノ酸配列Aと表現することができる)は、以下の通りの式によって算出する:
Figure 0006208763
式中、Xは、配列アラインメントプログラムBLASTのAとBのアラインメントにおいて、このプログラムによって同一のマッチとしてスコア化されるアミノ酸残基の数であり、Yは、A又はB内のいずれか短い方のアミノ酸残基の総数である。
用語「治療」及び「治療すること」は、本明細書では、所望の医薬的及び/又は生理学的効果を生じる防御的(例えば予防的)、治癒的、又は緩和的治療を含むように使用される。該効果は、変形性関節症を部分的又は完全に治癒するという観点から、治療的であることが好ましい。特に、用語「治療すること」とは、ある特定の疾患、障害、及び/又は状態の1以上の症状又は特徴を部分的又は完全に、緩和する、改善させる、軽減する、発症を遅らせる、進行を妨げる、重篤度を軽減する、及び/又は発生率を低下させる目的での、医学的状態、該状態の症状、該状態に続発する疾患又は障害、又は該状態への素因を有する対象への、物理的及び/又は化学的介入の適用又は投与をいう。治療は、疾患、障害、及び/若しくは状態の徴候を示さない対象に、並びに/又は、疾患、障害、及び/若しくは状態の初期の徴候のみを示す対象に、該疾患、障害、及び/又は状態に関連する病理を発症するリスクを低下させる目的で、投与することができる。本開示の原理及び精神に従い、該疾患、障害、又は状態は、変形性関節症である。治療は、一般に、この用語が本明細書で定義される通り、1以上の症状又は臨床マーカーが低下した場合に「有効」である。
用語「有効量」とは、本明細書で使用する場合、所望の反応をもたらすのに十分な成分の量をいう。具体的な有効量は、治療される特定の状態、患者の身体的状態(例えば、対象の体重、年齢、又は性別)、治療される哺乳類又は動物の種類、治療の期間、(もしあれば)併用療法の特性、及び用いられる具体的な製剤などの要因によって変動することとなる。有効量は、化合物又は組成物の治療的に有益な効果が、いかなる有毒又は有害な作用も上回る量でもある。
用語「適用」又は「投与」は、本明細書において、変形性関節症を治療するために、対象へ本発明の合成ペプチド又は医薬組成物を提供する手段を意味するよう、互換的に使用される。本開示の様々な実施態様により、関節内注射は、好ましい送達経路である。例えば、軟骨再生を促進し、これにより変形性関節症を治療するために、本発明の合成ペプチド又は医薬組成物は、対象の滑液腔へと、関節内注射される。
用語「賦形剤」は、本明細書で使用する場合、本開示の合成PEDFペプチドのためのビヒクル/担体を形成する任意の不活性物質(粉末又は液体など)を意味する。賦形剤は一般に、安全で、無毒であり、且つ広い意味で、充填剤、希釈剤、凝集剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、安定剤、着色剤、湿潤剤、崩壊剤などの、医薬組成物を調製するのに有用な製薬産業において任意の公知の物質を含むことができる。
本明細書において使用される「医薬として許容し得る」成分は、妥当なベネフィット/リスク比と釣り合いのとれた過度の有害な副作用(毒性、刺激、及びアレルギー反応など)を伴わずに、ヒト及び/又は動物での使用に適している成分である。また各賦形剤は、医薬製剤の他の成分と適合性があるという意味で、「許容し得る」ものでなければならない。担体は、固体の、半固体の、又は液体の希釈剤、クリーム、又はカプセルの形状であり得る。
用語「対象」とは、本発明の合成ペプチド、組成物、及び/又は方法で治療可能である、ヒト種を含めた哺乳類をいう。用語「対象」は、一方の性別が特に示されない限り、男性と女性の両方を指すものとする。
色素上皮由来因子(PEDF)は、抗血管新生機能、抗腫瘍形成機能、及び神経栄養機能を有する、多機能の分泌タンパク質である。ヒトPEDFタンパク質(配列番号:11)は、サイズおよそ50kDa及び長さ418個のアミノ酸の分泌タンパク質である。PEDFの34-mer断片(残基44〜77)及び44-mer断片(残基78〜121;配列番号:10)は、それぞれ、抗血管新生機能及び神経栄養特性を有することが確定されている。
本開示は、44-mer PEDFに由来する合成ペプチドが、様々な機序を介して、軟骨再生を促進することができるという発見に、少なくとも基づいている。本開示の例は、本合成ペプチドは、軟骨細胞の増殖を増加し、且つ間葉系幹細胞の軟骨形成を誘導し得ることを明らかにしている。本発明の別の独創的特徴は、この合成ペプチドが、完全長PEDFよりもかなり短い(20〜39アミノ酸残基)ので、高い製造コスト、低い生物学的利用能、及び不十分な薬物動態を含めた従来のタンパク質薬物の臨床使用に伴う制限を克服することにある。従って、本合成ペプチドは、変形性関節症を治療するために有用である。
従って、一態様では、本開示は、対象における変形性関節症を治療するための合成ペプチドの使用に関する。
本開示の実施態様によれば、この合成ペプチドは、長さが20〜39アミノ酸残基であり、且つ
Figure 0006208763
のアミノ酸配列とのアミノ酸配列同一性が、少なくとも80%である。例えば、合成ペプチドは、配列番号:1とのアミノ酸配列同一性が、約80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%であり得る。また、合成ペプチドは、配列番号:1の残基11〜30と少なくとも90%同一である少なくとも20個の連続的な残基を含む。具体的には、この20個の連続的なアミノ酸残基は、配列番号:1の残基11〜30とのアミノ酸配列同一性が、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%であり得る。
一実施態様では、合成ペプチドは、長さが39アミノ酸である配列番号:1の配列を有する。この合成ペプチドは、以下の説明では、39-merと呼ばれる。この39-merペプチドは、ヒトPEDFの残基83〜121に相当し、従って、これは、公知のPEDF 44-mer(PEDFの残基78〜121に相当する)に由来する短いバリアントである。
同時係属出願US 13/428,996(その全体を参照により本明細書に組み込む)に開示されているものなどの、本発明者らによって実施された以前の実験、及び、以下に提供される実験は、この39-merに由来するいくつかの短い合成のPEDFペプチドが、対象における変形性関節症を治療することが可能であることを明らかにしている。
例えば、先願と本出願との両方において開示されている実験に基づくと、
Figure 0006208763
の配列を有する34-mer合成ペプチドは、対象における変形性関節症を治療するのに有効である。この34-merペプチドは、ヒトPEDFの残基88〜121に相当する。上で提供された2つの所与の配列間の配列同一性の割合を推定するためのプロセスによれば、この34-merは、39-merとのアミノ酸配列同一性が100%であり、34-merの第6〜第25アミノ酸残基は、39-merのアミノ酸残基11〜30とのアミノ酸配列同一性が100%である。
さらに、以下の様々な実施例によれば、
Figure 0006208763
の配列を有する29-mer合成ペプチドは、対象における変形性関節症を治療するのに有効であることが確認されている。この29-merペプチドは、39-merに対する100%アミノ酸配列同一性を有するヒトPEDFの残基93〜121に相当する。また、29-merの第1〜第20アミノ酸残基は、39-merのアミノ酸残基11〜30とのアミノ酸配列同一性が100%である。
いくつかの実施例では、24-merが、対象における変形性関節症を治療するのに有効であることが確認されている。この24-merは、
Figure 0006208763
の配列を有し、これはヒトPEDFの残基93〜116に相当している。この24-merペプチドは、39-merとのアミノ酸配列同一性が100%であり、その最初の20個のアミノ酸残基は、39-merのアミノ酸残基11〜30とのアミノ酸配列同一性が100%である。
他の実施例では、20-merが、対象における変形性関節症を治療することができることが確立されている。この20-merは、
Figure 0006208763
の配列を有し、これはヒトPEDFの残基93〜112に相当している。この20-merペプチドは、39-merのアミノ酸残基11〜30と完全に同一(100%アミノ酸配列同一性)であり、且つ39-merとのアミノ酸配列同一性が100%である。
先願と本出願との両方において開示されている実験に基づくと、マウスPEDFに由来する2種の合成ペプチドもまた、対象における変形性関節症を治療することができる。最初のマウス由来ペプチドは、本開示では、「Mo 29-mer」と呼ばれる。Mo 29-merは、
Figure 0006208763
の配列を有し、これは、39-merとのアミノ酸配列同一性が83%であり、且つその最初の20アミノ酸残基の、39-merの11〜30アミノ酸残基とのアミノ酸配列同一性が90%である。別のマウス由来のペプチド、Mo 20-merは、
Figure 0006208763
の配列を有する。Mo 20-merは、39-mer又は39-merの11〜30アミノ酸残基のいずれかとのアミノ酸配列同一性が90%である。
任意に、この合成ペプチドは、配列番号:1の残基11〜14と同一である4つの連続する残基を含む。配列番号:1の残基11〜14(すなわちSLGA)は、本発明の短いPEDFペプチドの生物学的機能の維持において重要な役割を果たすと考えられている。例えば、以下で提供する様々な実施例によれば、SLGA残基を有しない18-merペプチド
Figure 0006208763
は、対象における変形性関節症に対するいかなる防御も引き起こすことができない。また、先願と本出願との両方において開示されている実験に基づくと、同じくSLGA残基を有しない25-merペプチド
Figure 0006208763
は、対象における変形性関節症を治療するのに有効でない。
本発明の合成ペプチドは、α-アミノ基のt-BOC又はFMOC保護などの一般に使用される方法によって合成することができる。どちらの方法も、ペプチドのC末端から開始する、各ステップで単独のアミノ酸が付加される段階的合成に関与している。本発明のペプチドは、周知の固相ペプチド合成方法によって合成することもできる。
39-merに関する保存的変形を伴う他の合成ペプチドも考えられる。用語「保存的変形」は、本明細書で使用する場合、アミノ酸残基の、別の生物学的に類似の残基による置き換えを示す。保存的変形の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシン、若しくはメチオニンなどのある疎水性残基への、別の疎水性残基からの置換、又は、ある極性残基への、別の極性残基からの置換、例えば、リジンからアルギニンへの、アスパラギン酸からグルタミン酸への、アスパラギンからグルタミンへの置換などが挙げられる。用語「保存的変形」はまた、置換されたポリペプチドに対して産生される抗体が、置換されていないポリペプチドとも免疫反応するという条件で、置換されていない親アミノ酸の代わりの置換されたアミノ酸の使用も含む。
本開示の様々な実施態様によれば、対象は、ヒトを含めた哺乳類に分類されるあらゆる動物であり得る。
前述の実施態様による合成ペプチドは、対象における変形性関節症を治療するための医薬組成物に製剤化することができ、これは、本開示の他の態様に含まれる。
本開示の一実施態様によれば、医薬組成物は、前述の態様/実施態様のいずれかによる合成ペプチドを含み、且つ、該合成ペプチドは、対象における変形性関節症を治療するのに十分に有効な量で存在する。該医薬組成物はまた、合成ペプチドのための、医薬として許容し得る賦形剤も含む。
本開示の任意の実施態様によれば、この合成ペプチドは、約1〜1,000μM;好ましくは、約10〜500μM;及び、より好ましくは、約25〜250μMの量で、医薬組成物中に存在する。例えば、合成ペプチドの濃度は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1,000μMであることができる。具体的には、下記試験実施例においてラット(体重約310g)について使用される濃度は、約200μMである。当分野の技術者は、本合成ペプチド又は医薬組成物に関するヒト相当量(HEQ)を、本明細書に提供された動物投与量を基に、算出することができる。例えば、ヒト対象において使用するための最大安全投与量の見積りに際し、米国食品医薬品局(FDA)発行の「健常成人志願者の治療に関する初期臨床試験における安全な最大開始用量の算出(Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers)」と題する産業用指針に従うことができる。
医薬組成物は、「レミントン薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、第17版、Alfonoso R. Gennaro編集、Mack Publishing社、ペンシルバニア州、Easton (1985)に記載されたような、許容し得る製薬手法に従い、調製される。
合成ペプチドと共に使用されることとなる医薬として許容し得る賦形剤の選択は、基本的には、医薬組成物が投与されることとなる方式によって決定される。
本開示の任意の一実施態様によれば、医薬組成物は、関節内注射を介して局所的に投与することができる。この場合、合成ペプチドは、レシピエントの体液と等張であることが好ましい滅菌水溶液などの、医薬として許容し得る賦形剤と共に製剤化することができる。こうした製剤は、固体の活性成分を、塩化ナトリウム、グリシンなどの生理的に適合性のある物質を含有し、且つ生理的条件と適合性のある緩衝化されたpHを有する水に溶解又は懸濁して、水溶液を生じ、前記溶液を無菌にすることによって調製することができる。無菌注射用液剤又は懸濁剤の製造に適した他の希釈剤又は溶媒としては、1,3-ブタンジオール、マンニトール、水、及びリンゲル液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。オリーブ油又はヒマシ油などの、天然の医薬として許容し得る油類のように、オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸も、注射剤を調製するのに有用である。これらの油性液剤又は懸濁剤はまた、アルコール希釈剤又はカルボキシメチルセルロース又は類似の分散剤も含んでよい。他の通常使用される界面活性剤、例えばTween又はSpan若しくは他の類似の乳化剤、又は医薬として許容し得る剤形の製造において通常使用される生物学的利用能増強剤も、製剤を目的として使用することができる。
本発明の任意の実施態様によれば、医薬組成物は、更にグリコサミノグリカンを含んでよい。グリコサミノグリカンは、カルボキシル基及び1個以上の硫酸基を持つ反復二糖単位で構成される線状多糖である。グリコサミノグリカンは、コアタンパク質に結合され、骨の細胞外マトリックスの主要成分であるプロテオグリカンを形成する。変形性関節症に罹患した軟骨において、マトリックス内のグリコサミノグリカンの量は低下し、且つグリコサミノグリカンとII型コラーゲンの間の結合は減少し、このことはこの病変に更なる損傷を科し得る。従って、外来性グリコサミノグリカンを該病変に提供することは、変形性関節症の治療を促進することができる。グリコサミノグリカンの例としては、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウムを含むが、これらに限定されるものではない。非限定的例として、本発明の医薬組成物は、ヒアルロン酸を1〜15%(wt%)含有することができる。
更に任意に、本発明の医薬組成物は、当該技術分野において周知の、様々な医薬として許容し得る添加剤も含むことができる。該添加剤としては、乾燥剤、抗掻痒剤、消泡剤、緩衝液、中和剤、pH調整剤、着色剤、脱色剤、緩和剤、乳化剤、エマルション安定剤、粘度上昇剤、保湿剤、着香剤、保存剤、抗酸化剤、化学安定剤、増粘剤、硬化剤、又は懸濁化剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に別の態様において、本発明は、対象において変形性関節症を治療する方法に関する。対象は、ヒトを含めた哺乳類に分類されるあらゆる動物であり得る。本開示の原理及び精神により、本方法は、軟骨再生を促進し、これは次に対象における変形性関節症を改善又は治癒する。
一実施態様において、この方法は、合成ペプチドが病変の近傍の滑液腔へ到達するように、前述の態様/実施態様のいずれかによる合成ペプチドの有効量を対象へ投与することを含む。
任意の実施態様によれば、合成ペプチドは、前述の本開示の態様/実施態様による医薬組成物に製剤化される。
いくつかの任意の実施態様において、合成ペプチド又は医薬組成物は、滑液腔へと関節内注射される。
本発明のある種の態様を明らかにするために、また、当分野の技術者が本発明を実施するのを助けるために、以下の実施例を提供する。これらの実施例は、決して、本発明の範囲をいかなる方法によっても制限するものとみなされるべきではない。さらなる詳説がなくとも、当分野の技術者は、本明細書の説明に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書に引用した全ての刊行物の全体を、参照により本明細書に組み込む。
(実施例)
(材料及び方法)
(材料)
ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ウシ胎仔血清(FBS)、0.25%トリプシン、抗生物質、TRIzol、及びDynabeadsは、Invitrogen社(カリフォルニア州、Carlsbad)から購入した。ヒアルロン酸(HA)、モノ-ヨード酢酸(MIA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、フィブロネクチン、Percoll、インスリン、ヒドロコルチゾン、ウシ血清アルブミン(BSA)、5-ブロモ-2'-デオキシウリジン(BrdU)、Hoechst 33258色素は全て、Sigma-Aldrich社(ミズーリ州、St. Louis)から得た。抗-BrdU抗体、抗-アグリカン抗体、及び抗-2型コラーゲン抗体は、GeneTex社(台湾、台北)から得た。蛍光色素-結合型二次抗体は全て、BioLegend社(カリフォルニア州、San Diego)から購入した。プロナーゼ及びコラゲナーゼは、Roche社(インディアナ州、Indianapolis)から入手した。ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)色素は、Merck社(米国、ニュージャージー州、Rayway)から購入した。
29-mer(配列番号:3)、24-mer(配列番号:5)、20-mer(配列番号:6)、及び18-mer(配列番号:7)を含む、合成PEDFペプチドを合成し、NH2末端でのアセチル化、及びCOOH末端でのアミド化により修飾した。修飾されたペプチドは引き続き、質量分析(>95%純度)によって特徴付けを行った(GenScript社(ニュージャージー州、Piscataway))。各PEDF-由来の短い合成ペプチド(29-mer、24-mer、又は20-mer;以後本明細書において、PEDFペプチド)は、DMSO中にストック液(5mM)として再構成し、且つ更なる使用まで-20℃で貯蔵した。
(動物)
本開示の試験実施例において使用される全ての動物は、温度コントロール(24〜25℃)及び12:12明暗周期下で、動物飼育室で飼育した。標準の実験用飼料及び水道水は、自由に摂取可能であった。実験手順は、Mackay Memorial Hospital Review Board(台湾(R.O.C.)、New Taipei City)によって承認され、国内の動物福祉規定に従って実施した。
変形性関節症の動物モデルは、MIAの関節内注射により確立した。具体的には、成体10週齢の雄のSprague-Dawleyラット(開始時体重wt=312±11g)に、キシラジン(10mg/kg)の腹腔内注射により麻酔をかけ、引き続き右膝へのMIA (滅菌食塩水25μl中MIA 1mg)の関節内単回注射を行った。特に、MIA溶液は、脚を膝で90°の角度に曲げ、27G針を使用することにより、膝蓋靱帯を通して注射した。
インビボにおける細胞増殖の検出のために、BrdUを、ストック液(80mM)としてDMSO中に再構成した。BrdU 150μlを、PBS 350μlと混合し、安楽死させる16時間前の時点で、ラットへ腹腔内注射した。その後DNA合成を、下記に示す手順に従い、抗-BrdU抗体によるBrdU標識により評価した。
(関節軟骨細胞の単離及び培養)
関節軟骨は、8週齢の雄のSprague-Dawleyラットの大腿顆部(前方部、後方部及び側方部)から収集した。この採取過程において、滑膜の夾雑、及び骨質構造物の破壊を避けるよう注意した。切除した組織を、小片(約0.5mm3)へ細断し、順次プロナーゼ(70U/ml、37℃で1時間)及びコラゲナーゼ(300U/ml、37℃で3時間)で消化した。消化後、コラゲナーゼを、滅菌したリン酸-緩衝食塩水(PBS)中の単回洗浄により除去し、引き続き2%FBSを補充したDMEM中で、更に2回洗浄した。初代培養に関して、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充した10%FBS-DMEM中の6-ウェルプレートに、1ウェル当たり6000個のトリパンブルー-陰性細胞を、10μg/mlフィブロネクチン-コートされたカバースリップ上にプレーティングした。翌日、培地を、50nM PEDFペプチドを補充した又は補充していない、標準増殖培地(10%FBS-DMEM、0.1mMアスコルビン酸、0.5mg/ml L-グルコース、100mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L-グルタミン及び抗生物質からなる)と交換した。この培地は、12日間にわたり、3日毎に交換した。
(間葉系幹細胞の単離及び培養)
成体8週齢の雄のSprague-Dawleyラットを、キシラジン(10mg/kg)の腹腔内注射により麻酔をかけた。大腿を、無菌的に収集し、PBS及び抗生物質の混合液で5分間洗浄し、全ての軟部組織を切除し、それらの骨端で横に切断し、それらの髄腔を、ヘパリン及びDMEMの混合液で反復洗浄した。収集した細胞を、1000×gで10分間遠心分離した。細胞ペレットを、DMEM中に再懸濁させ、その後細胞懸濁液を、Percoll(1.073g/ml) 5mlの入った15-ml遠心チューブに移した。1500×gで30分間遠心分離後、中間層の単核細胞を分離し、PBSにより3回洗浄し、その後10%熱で失活したFBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含む低-グルコースDMEM中に再懸濁した。次に細胞を、大気95%及びCO2 5%下、37℃でインキュベーションし;培地を、4日毎に交換した。未接着の細胞を廃棄し、接着細胞を保持した。初代間葉系幹細胞(MSC)は、1週間の培養後、およそ80%〜90%のコンフルエンスまで成長させた。
MSCの軟骨形成性の分化を誘導するために、5×105個に増殖したMSCを、10ng/ml TGF-β2(R&D Systems社;ミネソタ州、Minneapolis)を補充した、軟骨形成性培地(100nMデキサメタゾン、0.17mMアスコルビン酸-2リン酸、10μg/mlインスリン、5μg/mlトランスフェリン、5ng/mlセレン、1mMピルビン酸ナトリウム、2mM L-グルタミン、及び2%FBSを含む高-グルコースDMEM)に曝した。PEDF処置群においては、細胞を、軟骨形成性培地+50nM PEDFペプチドにおいて培養した。この培地は、1週間にわたり隔日交換した。
(組織診断)
膝関節を切除し、周囲の軟部組織を取り除いた。標本を、4%パラホルムアルデヒド中に固定し、その後Shandon TBD-2脱灰装置(Thermo Scientific社;ユタ州、Logan)により脱灰した。次に関節を、正中線矢状方向に(mid-sagittally)切断し、パラフィンブロック中に包埋した。切片(厚さ5μm)を、細長に切断した。
使用前に、固定された試料を、キシレン中で脱パラフィン処理し、段階的な一連のエタノール中で再水和した。次に試料を、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)により染色するか、又は、免疫組織化学的検査に使用した。膝1個につき20個の切片を、最も重篤に変性された領域を含むように、注意深く調製した。
(免疫蛍光測定及びBrdU染色)
パラフィン-包埋した関節標本を、キシレン中で脱パラフィン処理し、段階的な一連のエタノール中で再水和した。次に脱パラフィン処理した標本を、後続の免疫蛍光測定試験のために、1N HClに室温で1時間曝した。
免疫蛍光測定試験に関して、標本を、10%ヤギ血清及び5%BSAで1時間ブロッキングした。免疫染色を、アグリカンに対する一次抗体(1:100希釈)、II型コラーゲンに対する一次抗体(1:100希釈)、及びBrdUに対する一次抗体(1:100希釈)を用い、37℃で2時間行い、続いて、適切なローダミン-又はFITC-結合型ロバIgGと共に1時間室温でインキュベーションした。核を、Hoechst 33258により7分間対比染色により、位置を決めた。画像を、CCDカメラを備えたZeiss落射蛍光顕微鏡を用いて撮影した。盲検化された定量(blinded quantification)を、各切片における20個の無作為に選択した視野から細胞を手作業でカウントすることにより、3つ組で行った。
(RNA抽出及び逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR))
TRIzolを使用して、細胞から全RNAを抽出し、RNase-非含有DNase I(Qiagen社、カリフォルニア州、Santa Clarita)で処理してゲノムDNAを除去し、次いで、RNA精製キット(Dynabeads)で精製した。BM-MSCから回収した1μgの全RNAを、0.25μgのランダムプライマー及び0.8mM dNTPを含有する20μlの反応緩衝液中で、200単位のエキスパント逆転写酵素(Roche社、独国、Mannheim)によって、42℃で1時間、cDNAに逆転写させた。
PCR反応における鋳型として、2μlのcDNAを使用した。PCRは、15μlのEconoTaq(登録商標)PLUS GREEN 2×マスターミックス(Lucigen(登録商標)社)、1μMの各プライマー、及び2μlの鋳型DNAを含有する30μlの反応体積中で実施した。18〜22サイクルの増幅反応(変性、20秒、94℃;アニーリング、30秒、57℃;及び重合、40秒、72℃)で、cDNAを合成した。プライマーセットに対するサイクル数は、増幅の線形範囲内であるように選択した。特異的PCRプライマーの配列は、ラットアグリカン(寄託番号:J03485)のセンス、
Figure 0006208763
アンチセンス、
Figure 0006208763
PCR産物:149bpであり;並びに、ラットグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH;寄託番号:X02231.1)のセンス、
Figure 0006208763
アンチセンス、
Figure 0006208763
PCR産物:207bpである。これらのPCR産物を、臭化エチジウムを含有する2%アガロースゲル中で電気泳動させ、UV照明によって視覚化した。PCR産物の強度は、FUJI LAS-3000システム及びMulti Gauge Ver. 1.01ソフトウェア(富士フイルム社、日本、東京)を使用して、濃度測定的に定量化した。
(統計)
結果は、平均±平均値の標準誤差(SEM)として表した。統計比較のために、一元配置ANOVAを使用した。別段の指定がない限り、P<0.05を、有意であるとみなした。
(実施例1)
(PEDFペプチドはインビボにおいて軟骨細胞増殖及び軟骨再生を刺激する)
膝の変形性関節症は、関節軟骨の喪失を特徴とする、一般的な慢性変性疾患である。齧歯類の大腿脛骨の関節腔への、解糖の阻害剤であるモノ-ヨード酢酸(MIA)の注射は、ヒトOAにおいて注目されるものに類似した関節軟骨の喪失を誘導することが報告されている。MIA注射後7日目に、広範囲の軟骨細胞変性/壊死が通常生じることが、確立されている。従って、本PEDFペプチドが、軟骨再生を促進するかどうかを解明するために、PEDFペプチド治療を、MIA注射後8日目に開始した。
ラットを、6実験群(n=6、各群)に無作為に割り当て、下記のように処置した。HA群において、ラットは、5%ヒアルロン酸25μl注射を受け取った。ビヒクル/HA群において、ラットは、5%HA 25μl中に再溶解したDMSOビヒクルにより処置した。29-mer/HA群、24-mer/HA群、20-mer/HA群、及び18-mer/HA群に関して、ラットは、5%HA 25μl中に再溶解した0.2mM PEDFペプチド(29-mer、24-mer、20-mer又は18-mer)を受け取った。処置は、MIA注射後、各々8、12、16及び20日目の、単回関節内注射の方式により適用した。
関節標本を、MIA注射後、18日目及び25日目に入手し、H&E染色した切片の代表的画像を、図1に提供した。MIA注射に供されなかった正常関節と比較することにより、変形性関節症(軟骨の減少、軟骨の表層線維形成及び軟骨下骨崩壊を含む)に関連した形態学的変化が、ビヒクル/HA群及び18-mer/HA群において、特に体重のかかる部分において顕著である。対照的に、20-mer/HA群からの標本において、ビヒクル/HA群及び18-mer/HA群のものとくらべ、軟骨表面は、より滑らかであり、且つ軟骨及び軟骨下骨は、比較的完全である。29-mer及び24-merなどの他のPEDFペプチドは、20-merと類似した効果を発揮している(データは示さず)。これらの知見は、変形性関節症に関連した病理学的変化は、本PEDFペプチドにより消失し得ることを指摘している。
正常な軟骨は、機能的に及び構造的に3つの層に分割され得る組織化された層化された構造を有する:表層、中間層(又は移行層)、及び放射層/深層。表層は、滑らかで滑るような(gliding)表面を提供する関節のある表面であり;この層は、関節軟骨の厚さのおよそ10%〜20%を構成している。表層内の軟骨細胞は、長い、紡錘形の外観により特徴付けられ、且つこの層内のコラーゲン線維は、関節の表面と平行した高度に配向された並びを有する。移行層は、関節軟骨容積の40%〜60%に広がる。この層は、コラーゲン線維がより少なく配向されて並び、この層内の軟骨細胞は、表層内よりもより丸みを帯びている。深層は、軟骨の30%を構成し、関節表面に対し垂直に配向された直径の大きいコラーゲン原線維からなる。軟骨細胞は典型的には、コラーゲン線維に平行し、関節線に対し垂直の様式の円柱で配置される。層化された構造を図示する代表的顕微鏡画像を、図2に提供し、ここで画像は、MIA注射後25日目に得た膝標本から撮影した。
図2に認められるように、正常軟骨は、低細胞性である;それに対し、ビヒクル/HAで処置した膝においては、広範囲に軟骨細胞が、表層から喪失され、散乱された細胞クローニング(矢印で示した)が、移行層及び放射層において生じている。対照的に、29-mer/HA及び20-mer/HA処置は、軟骨全体にわたる、新たに生成された多数の軟骨細胞による占拠に繋がっている。加えて、本PEDFペプチドにより処置した膝において、軟骨細胞は、各層においてより組織化された。この知見は、軟骨細胞増殖及び構造再組織化で構成される軟骨再生プロセスが、本PEDFペプチドにより開始されることを示唆している。
変形性関節症は、変性された軟骨における、アグリカン及びII型コラーゲンなどの細胞外マトリックス(ECM)の喪失を引き起こす。図3に図示したように(左側パネル)、アグリカン-陽性シグナル(緑色)が、20-merで処置した膝の軟骨の表層、移行層及び深層において濃密に積層されたが、ビヒクル-処置した膝からの軟骨の染色はかすかであった。抗-2型コラーゲン抗体を使用する膝切片の免疫組織化学的分析は、本PEDFペプチドによるECMの類似の回復を示し(データは示さず)、このことは、本PEDFペプチドは、軟骨修復を促進するという考えを裏付けている。加えて、アグリカン染色により示されるように、軟骨細胞の集団は、20-mer-処置した軟骨において、ビヒクル-処置した軟骨と比べ、はるかに濃かった。
アグリカン及び核(Hoechst 33258により青色に染色された;図3中央パネル)の二重免疫蛍光染色は、20-mer/HA群において、細胞の95%以上は、アグリカン-陽性細胞であることを指摘し、このことは、本PEDFペプチドは、軟骨細胞増殖を誘発することにより、軟骨の治癒を促進することができることを示唆している。
更に、抗-BrdU抗体による免疫組織化学的分析は、20-mer/HA群におけるBrdU-陽性細胞の数は、ビヒクル/HA群における数と比べ、有意に増加したことを明らかにした(図3、右側パネル)。定量分析を、先に説明したように、1膝関節標本につき3切片で、各群6匹のラットで行った。BrdU/アグリカン標識指標(%)を、アグリカン-陽性細胞の総数で除算したBrdU-及びアグリカン-二重陽性細胞の数としてコンピュータにより算出した。結果を、表1にまとめている;* ビヒクル/HA群に対し、P<0.0001。
Figure 0006208763
表1のデータは、本PEDFペプチド(例えば、29-mer、24-mer及び20-mer)の処置は、HA又はビヒクル/HAの処理に比べ、軟骨細胞増殖を促進することを指摘している。これはまた、「SLGA残基」を含まない18-merは、そのような促進効果を誘発しないことを注記している。
結論づけると、実施例1の結果は、本PEDFペプチドは、損傷した軟骨において軟骨細胞増殖を促進する上で有効であり、このことは、軟骨再生の基本的機序であることを明らかにしている。従って、軟骨再生は、本PEDFペプチドにより増強することができると考えられる。
(実施例2)
(PEDFペプチドはインビトロにおいて関節の軟骨細胞増殖を促進する)
初代軟骨細胞を、ラット関節軟骨から単離し、且つ本PEDFペプチドの存在下又は非存在下で培養し、本PEDFペプチドの軟骨細胞増殖に対する刺激効果を解明した。
図4Aの写真は、本PEDFペプチド(例えば20-mer)の存在下で、軟骨細胞は、より迅速に成長し、且つ巨大な3次元コロニーへと凝集することを明らかにしている。対照的に、ビヒクル群において、コロニーは、PEDFペプチド非存在下で、はるかに小さかった。コロニー内の細胞の軟骨細胞同一性は、アグリカン免疫染色により確認した(図4A、挿入図)。単層培養物中のアグリカン-陽性細胞のレベル(図4B)は、20の無作為に選択した視野から定量し、アグリカン標識指標(%)を、細胞の総数(Hoechst 33258による核標識)で除算したアグリカン-標識細胞の数としてコンピュータにより算出した。結果を、表2にまとめている;* 未処置細胞に対し、P<0.01。
Figure 0006208763
まとめると、本PEDFペプチド(例えば、29-mer、24-mer、及び20-mer)は、培養物において軟骨細胞の増殖を促進し;この知見は、これらのPEDFペプチドは、インビボにおける軟骨細胞増殖を刺激するという結論を裏付けている。培養された軟骨細胞における増強されたアグリカン生成はまた、インビボにおける軟骨マトリックスの再生を反映している。
(実施例3)
(PEDFペプチドは間葉系幹細胞の軟骨形成を促進する)
間葉系幹細胞(MSC)は、軟骨修復のための軟骨形成性の細胞給源として提言されている。この実施例は、本PEDFペプチドが、培養物中のMSCの軟骨形成性の分化を増強するかどうかを調べることを目的としている。
MSCは、先の「材料及び方法」の項に記したように、単離し且つ培養した。アグリカンmRNAの発現レベルを、RT-PCR分析により定量し、結果を、GAPDH遺伝子の発現レベルにより、規準化した。ビヒクル群に対する誘導(1に設定)の倍率を、表3にまとめた;* ビヒクル群に対し、P<0.0002。
Figure 0006208763
表3に認められるように、アグリカンmRNAは、増殖培地において培養したMSCにおいてかろうじて検出可能であった。対照的に、軟骨形成性培地において培養されたMSC(ビヒクル群)は、アグリカンmRNAの実質的発現により証明されたように、軟骨細胞へ分化するであろう。本PEDFペプチド(29-mer、24-mer及び20-mer)への細胞の曝露は、アグリカンmRNAの、ビヒクル群のそれと比べ、少なくとも3.5倍の増加を誘導した。同じく18-mer(すなわち、「SLGA」残基を有さない合成ペプチド)による処置は、軟骨形成性の分化の促進に効果がなかった。
アグリカン及びII型コラーゲンの免疫染色も、本PEDFペプチドの分化促進性(pro-differentiation)活性を調べるために行った。アグリカン-陽性細胞のレベルを、20の無作為に選択した視野から定量し、アグリカン標識指標(%)を、細胞の総数(Hoechst 33258による核標識)で除算したアグリカン-標識細胞の数としてコンピュータにより算出した。結果を、表4にまとめている;* ビヒクル群に対し、P<0.0001。
Figure 0006208763
表4の結果は、本PEDFペプチド(例えば、29-mer、24-mer、及び20-mer)の存在下で、ビヒクル群のそれと比べ、より多くの細胞が、軟骨細胞へ分化したことを指摘している。対照的に、18-merは、BM-MSCの軟骨細胞への分化効率のそのような増強を提供することに失敗した。まとめると、これらの知見は、本PEDFペプチドは、MSCの軟骨形成性の分化を促進することを明らかにしている。
本開示は、短い合成PEDFペプチドは、変形性関節症により引き起こされた軟骨損傷に対する保護作用を有することを明らかにする最初のものである。従来の完全長PEDFペプチドを発現しているベクターの送達と比べ、そのような短い合成PEDFペプチドの適用は、安全で経費のかからない方策である。
実施態様の上記の説明は、例示目的でのみ与えられ、当分野の技術者によって様々な改変を行うことができることが理解されよう。上記の明細書、実施例、及びデータは、本発明の例示的な実施態様の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の種々の実施態様を、ある程度の具体性を伴って、又は、1以上の個々の実施態様に関して先に記載してきたが、当分野の技術者は、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、開示した実施態様に対して多くの変更を行うことができるであろう。

Claims (9)

  1. 長さ20〜39のアミノ酸残基を有し、且つ、配列番号:1と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列であって、配列番号:1の残基11〜30とのアミノ酸配列同一性が少なくとも90%である少なくとも20個の連続的な残基を含む前記アミノ酸配列からなる合成ペプチドの有効量を含む、対象における変形性関節症を治療するための医薬組成物。
  2. 前記合成ペプチドの少なくとも4個の連続的な残基が、配列番号:1の残基11〜14と同一である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記対象が、ヒトである、請求項1記載の医薬組成物。
  4. 更にグリコサミノグリカンを含む、請求項1記載の医薬組成物。
  5. 前記グリコサミノグリカンが、ヒアルロン酸又はヒアルロン酸ナトリウムである、請求項4記載の医薬組成物。
  6. 前記医薬組成物が、液剤、噴霧剤、エアゾール剤、泡剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏、ゲル剤、又は貼付剤の形状である、請求項1記載の医薬組成物。
  7. 前記合成ペプチドが滑液腔に到達して変形性関節症を治療するように、該医薬組成物が有効量で該対象に投与されるように製剤化されている、請求項1記載の医薬組成物
  8. 前記医薬組成物が、滑液腔へ、関節内注射される、請求項7記載の医薬組成物
  9. 前記対象が、ヒトである、請求項7記載の医薬組成物
JP2015532264A 2012-09-20 2012-09-20 変形性関節症を治療するためのpedf−由来のポリペプチドの使用 Active JP6208763B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2012/081659 WO2014043871A1 (en) 2012-09-20 2012-09-20 Use of pedf-derived polypeptides for treating osteoarthritis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015530392A JP2015530392A (ja) 2015-10-15
JP6208763B2 true JP6208763B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=50340531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015532264A Active JP6208763B2 (ja) 2012-09-20 2012-09-20 変形性関節症を治療するためのpedf−由来のポリペプチドの使用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9777048B2 (ja)
EP (1) EP2897974B1 (ja)
JP (1) JP6208763B2 (ja)
KR (1) KR101770252B1 (ja)
CN (1) CN104903344B (ja)
AU (1) AU2012390210B2 (ja)
EA (1) EA030022B1 (ja)
IL (1) IL237835B (ja)
WO (1) WO2014043871A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2012389654B2 (en) 2012-09-17 2017-05-25 Mackay Memorial Hospital Use of PEDF-derived polypeptides for treating alopecia and/or hair depigmentation
US9815878B2 (en) 2012-09-19 2017-11-14 Mackay Memorial Hospital Use of PEDF-derived polypeptides for preventing and/or ameliorating skin aging
WO2016014786A2 (en) 2014-07-24 2016-01-28 Yale University Pigment epithelium-derived factor (pedf) and peptide derivatives thereof for use in osteoblast differentiation and bone growth
KR20230169375A (ko) * 2016-10-07 2023-12-15 브림 바이오테크놀로지, 인코퍼레이티드 Pedf-유래 짧은 펩타이드를 포함하는 조성물 및 그것의 사용
CN106581666A (zh) * 2016-11-23 2017-04-26 新乡医学院 Pedf在制备治疗糖尿病骨组织并发症药物中的应用
JP2021521115A (ja) * 2018-04-08 2021-08-26 ブリム バイオテクノロジー インクBrim Biotechnology, Inc. 変形性関節症の治療におけるpedf由来短鎖ペプチドの使用
CN115151243A (zh) * 2019-10-06 2022-10-04 全福生物科技股份有限公司 包含pedf-衍生短肽(pdsp)的组合物及其用途

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2004285562B2 (en) 2003-10-29 2011-06-09 The Johns Hopkins University Pigment epithelium-derived factor, novel biological activity and methods of use
WO2006054278A2 (en) * 2004-11-16 2006-05-26 Yeda Research And Development Co. Ltd. At The Weizmann Institute Of Science Variants of pigment epithelium derived factor and uses thereof
EP1986676A4 (en) * 2006-02-15 2009-11-04 Univ Yale Inc COMPOSITIONS AND METHODS USING PIGMENT EPITHELIUM DERIVED FACTOR (PEDF) PEPTIDE FRAGMENTS
ITPD20060219A1 (it) 2006-05-31 2007-12-01 Fidia Farmaceutici Composizioni farmaceutiche contenenti acido ialuronico solfatato nel trattamento dell'osteoartrosi
RU2488592C2 (ru) * 2007-08-08 2013-07-27 Дзе Борд Оф Риджентс Оф Дзе Юниверсити Оф Техас Систем Пептиды направленного действия на vegfr-1/nrp-1
EP2508196B1 (en) 2011-03-23 2018-09-26 Mackay Memorial Hospital Use of PEDF-derived polypeptides for promoting stem cells proliferation and wound healing
CA2882479C (en) 2012-08-09 2018-07-24 Yeou-Ping Tsao Use of pedf-derived polypeptides for promoting muscle or tendon regeneration or arteriogenesis
AU2012389654B2 (en) 2012-09-17 2017-05-25 Mackay Memorial Hospital Use of PEDF-derived polypeptides for treating alopecia and/or hair depigmentation
US9815878B2 (en) 2012-09-19 2017-11-14 Mackay Memorial Hospital Use of PEDF-derived polypeptides for preventing and/or ameliorating skin aging

Also Published As

Publication number Publication date
US20150239942A1 (en) 2015-08-27
KR101770252B1 (ko) 2017-08-22
EP2897974A4 (en) 2016-05-18
EA201590601A1 (ru) 2015-08-31
CN104903344A (zh) 2015-09-09
CN104903344B (zh) 2018-09-04
KR20150058365A (ko) 2015-05-28
EA030022B1 (ru) 2018-06-29
AU2012390210B2 (en) 2017-06-29
WO2014043871A1 (en) 2014-03-27
EP2897974A1 (en) 2015-07-29
AU2012390210A1 (en) 2015-04-09
US9777048B2 (en) 2017-10-03
JP2015530392A (ja) 2015-10-15
IL237835B (en) 2020-04-30
EP2897974B1 (en) 2018-03-28
IL237835A0 (en) 2015-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6208763B2 (ja) 変形性関節症を治療するためのpedf−由来のポリペプチドの使用
ES2684349T3 (es) Péptidos y composiciones para el tratamiento de daños de las articulaciones.
AU2012387503B2 (en) Use of PEDF-derived polypeptides for promoting muscle or tendon regeneration or arteriogenesis
RU2700582C2 (ru) Схема применения соединения fgf-18
WO2020104917A1 (en) Composition and methods for regulating chondrocyte proliferation and increasing of cartilage matrix production
Jiang et al. PD0325901, an ERK inhibitor, attenuates RANKL‐induced osteoclast formation and mitigates cartilage inflammation by inhibiting the NF-κB and MAPK pathways
JP2024054274A (ja) 変形性関節症の治療におけるpedf由来短鎖ペプチドの使用
KR101736280B1 (ko) 관절염 예방 또는 치료용 약학적 조성물
Yu et al. Cartilage-targeting mRNA-lipid nanoparticles rescue perifocal apoptotic chondrocytes for integrative cartilage repair
TWI491407B (zh) 色素上皮衍生因子衍生之多胜肽於治療骨性關節炎之用途
RU2745453C2 (ru) Комбинированная композиция, содержащая соединение fgf-18
JP6489487B2 (ja) テトラペプチド−3 gekgまたはペンタペプチド−3 gekgfにより変形性関節症を治療するための新規用途
Tang et al. An Injectable Sustained Release Hydrogel of Hyaluronic Acid Loaded with β‐Ecdysterone Ameliorates Cartilage Damage in Osteoarthritis via Activating Autophagy
US11679178B2 (en) Methods for improving mechanical properties of a tissue or for regenerating an injured or diseased tissue
Lu et al. FGF21 Promotes Senescence, Apoptosis, and Extracellular Matrix Degradation in Osteoarthritis via the AMPK Signaling Pathway

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6208763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250