JP6208508B2 - 燃料加熱システム、および、これを用いた燃料レール - Google Patents
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Description
加熱室形成部は、内側に加熱室を形成している。入口開口部は、燃料供給源からの燃料を加熱室内に導く。出口開口部は、加熱室内の燃料を燃料噴射弁に導く。
筒部は、一端に出口開口部が形成され、他端が加熱室形成部に接続するよう加熱室内に設けられ、内側に燃料噴射弁を接続可能である。
また、本発明では、入口開口部は、軸が発熱部の軸に対しねじれの関係となるよう形成されている。また、出口開口部は、燃料加熱システムが内燃機関または内燃機関近傍に取り付けられた状態において、発熱部に対し鉛直方向上側に位置している。
本発明の第1実施形態による燃料加熱システム、これを用いた燃料レール、および、その一部を図1〜7に示す。
本実施形態では、燃料レール1は、燃料噴射弁10とともに、エンジン2近傍のインテークマニホールド6に取り付けられ、燃料供給源としての燃料タンク7からの燃料を燃料噴射弁10に分配する。
図1、2に示すように、レール部20は、上部材21および下部材22からなる。
上部材21および下部材22は、例えば、所定の板厚の金属板をプレス加工等の塑性変形加工をすることにより形成されている。上部材21および下部材22は、長尺状に形成されている。ここで、上部材21と下部材22との長手方向の長さ、および、短手方向の長さは、概ね同じである。
下部材22は、上部材21に対し長手方向および短手方向が対応するよう、かつ、凹部が上部材21の凹部に対向するよう上部材21に接合している。これにより、上部材21の凹部と下部材22の凹部との間に燃料流路200が形成されている(図1、2参照)。
上部材40および下部材50は、例えば、所定の板厚の金属板をプレス加工や深絞り加工等の塑性変形加工をすることにより形成されている。
上部材40は、一方の面側から他方の面側へ凹む上凹部41を有している。下部材50は、一方の面側から他方の面側へ凹む下凹部51を有している。
第1壁面301、第2壁面302および第3壁面303は、上部材40の上凹部41に形成されている。第4壁面304は、第1壁面301に対向するよう、下部材50の下凹部51に形成されている。
第3壁面303は、第1壁面301と第2壁面302とを接続するよう角部310に形成されている。
第1筒部31は、上部材40と同じ材料により筒状に形成されている。第1筒部31は、加熱室300外に位置し、一端が上部材40に接続するよう上部材40と一体に形成されている。
入口開口部33は、上部材40の上凹部41の第1筒部31の一端に対応する位置に形成されている。入口開口部33は、第1壁面301上に位置している(図3、5参照)。
出口開口部34は、第2筒部32の底部に形成されている(図3〜7参照)。第2筒部32は、底部とは反対側の端部が、下部材50の下凹部51とは反対側の面に開口している(図6、7参照)。このように、第2筒部32は、一端(底部側端部)に出口開口部34が形成され、他端(底部とは反対側の端部)が加熱室形成部30の下部材50に接続するよう加熱室300内に設けられている。ここで、第2筒部32は、特許請求の範囲における「筒部」に対応している。
なお、入口開口部33および出口開口部34は、互いに所定距離以上離れるよう形成されている。
また、出口開口部34は、加熱室300を形成する壁面のうち互いに対向する第1壁面301と第4壁面304との間の距離の1/2の位置よりも第1壁面301側に寄った位置に形成されている(図3参照)。すなわち、第2筒部32の底部(出口開口部34)は、加熱室300の全体の高さの1/2よりも高い所に位置していると言うこともできる。
本体61は、略円筒状に形成されている。発熱部62は、例えば金属により棒状、より具体的には長い円柱状に形成されている。発熱部62は、本体61と同軸となるよう本体61に設けられている。発熱部62は、電力を供給されることにより発熱する。これにより、発熱部62は、周囲の媒体(気体または液体等)を加熱することができる。
図3、4に示すように、案内部材70は、本体71、遮蔽部72および固定部73を有している。
案内部材70は、入口開口部33と対向する位置に設けられた、燃料の主な流れの方向を誘導する向きに傾斜する傾斜面(本体71)を有している、と言うこともできる。
取付部材90は、本体91および取付部92を有している。
本体91は、例えば金属により長尺の板状に形成されている。取付部92は、本体91の長手方向の2箇所に形成されている(図2参照)。
燃料レール1は、取付部92の穴部に例えばボルト等の締結部材を通し、取付部92をインテークマニホールド6に固定することにより、インテークマニホールド6に取り付けられる。
また、出口開口部34は、燃料加熱システム100がエンジン2近傍のインテークマニホールド6に取り付けられた状態において、加熱室300の鉛直方向の長さの1/2の位置よりも鉛直方向上側の位置に形成されている(図5参照)。
第2筒部32は、一端に出口開口部34が形成され、他端が加熱室形成部30に接続するよう加熱室300内に設けられ、内側に燃料噴射弁10を接続可能である。
本実施形態では、所定の板厚の上部材40と下部材50とを接合することにより加熱室300が形成されている。そのため、燃料噴射弁10から燃料を断続的に噴射するとき、上部材40または下部材50が弾性変形することにより、加熱室300内の燃料の脈動を低減することができる。これにより、燃料噴射弁10からの燃料の噴射を安定させることができる。
また、上部材40および下部材50が所定の板厚の材料により形成されているため、上凹部41または下凹部51の形状が複雑であったとしても、上部材40および下部材50を例えばプレス加工や深絞り加工等の塑性変形加工により容易に形成することができる。そのため、加熱室300を形成する上部材40および下部材50を例えば切削加工等により形成する場合と比べ、製造コストを低減することができる。
また、入口開口部33が上部材40に形成されているため、入口開口部33から加熱室300に流入する燃料により、上凹部41(第1壁面301近傍)に滞留した高温の燃料を撹拌することができる。したがって、加熱室300内の燃料の加熱効率を向上することができる。
レール部20は、長尺状に形成され、入口開口部33に接続し燃料タンク7からの燃料が流れる燃料流路200を有している。燃料加熱システム100は、レール部20の長手方向に沿って略等間隔で4つ設けられている。燃料噴射弁10は、4つの燃料加熱システム100のそれぞれに対応するよう4つ取り付けられる。
本実施形態では、エンジン2の4つの気筒3のそれぞれに対応するよう、4つの加熱室300が設けられるため、気筒3の燃焼室4に供給される燃料の温度に関する気筒間差を抑制しつつ、燃料タンク7からの燃料を効率的に加熱して各燃料噴射弁10に分配することができる。
本発明の第2実施形態による燃料加熱システムを図8〜10に示す。第2実施形態は、案内部材70の構成が第1実施形態と異なる。
図8〜10に示すように、穴部74は、第1筒部31の軸Ax1の近傍に形成されている。ここで、第1筒部31の軸Ax1は、本体71の穴部74以外の部位を通る。また、図9に示すように、入口開口部33を第1筒部31の軸Ax1方向、本体71に投影すると、穴部74の一部に重なる。
上記構成により、第1筒部31を経由して入口開口部33から加熱室300に流入した燃料の多くは、本体71に衝突し本体71に沿って発熱部62側へ流れる。そのため、発熱部62による燃料の加熱効率を向上することができる。また、第1筒部31を経由して入口開口部33から加熱室300に流入した燃料の一部は、穴部74を経由して本体71の遮蔽部72とは反対側へ流れる。そのため、本体71の遮蔽部72とは反対側、すなわち、角部310に滞留した高温の燃料を、入口開口部33から流入する燃料により撹拌することができ、加熱室300内の燃料の加熱効率を向上することができる。また、入口開口部33から流入する低温の燃料を、穴部74を経由して角部310側へ導き高温の燃料と混合することにより、角部310における燃料の沸騰および気泡の発生を抑制するとともに、入口開口部33から流入する燃料の早期加熱を図ることができる。
本発明の第3実施形態による燃料加熱システムを図11〜13に示す。第3実施形態は、案内部材70の構成が第1実施形態と異なる。
本発明の他の実施形態では、筒部(第2筒部32)は、加熱室形成部と別体に形成されることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、出口開口部とは反対側の端部が上部材40に接続するよう設けられていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、出口開口部は、加熱室を形成する壁面のうち互いに対向する第1壁面301と第4壁面304との間の距離の1/2の位置、または、当該位置よりも第4壁面304側に寄った位置に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1案内部(案内部材70)は、入口開口部から加熱室に流入した燃料を発熱部側へ案内可能であれば、どのような形状に形成されてもよく、加熱室内のどの位置に設けられていてもよい。また、第1案内部は、加熱室形成部と一体に形成されていてもよい。また、本発明の他の実施形態では、第1案内部を備えないこととしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1案内部の本体と傾斜部との境界は、入口開口部の中心軸(軸Ax1)上、または、当該中心軸に対し発熱部側に位置していてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、筒部(第2筒部32)の発熱部側の外壁と、加熱室を形成する壁面との距離は、筒部(第2筒部32)の発熱部とは反対側の外壁と、加熱室を形成する壁面との距離以下に設定されていてもよい。
また、上述の実施形態では、各部材同士をろう付けにより接合する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、各部材同士を、例えば溶接等、ろう付け以外の方法により接合することとしてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
30 ・・・・加熱室形成部
32 ・・・・第2筒部(筒部)
33 ・・・・入口開口部
34 ・・・・出口開口部
300 ・・・加熱室
60 ・・・・加熱装置
62 ・・・・発熱部
Claims (16)
- 内燃機関(2)に燃料を供給する燃料噴射弁(10)とともに前記内燃機関または前記内燃機関近傍に取り付けられ、燃料供給源(7)からの燃料を加熱して前記燃料噴射弁に導く燃料加熱システム(100)であって、
内側に加熱室(300)を形成する加熱室形成部(30)と、
前記燃料供給源からの燃料を前記加熱室内に導く入口開口部(33)と、
前記加熱室内の燃料を前記燃料噴射弁に導く出口開口部(34)と、
発熱可能な発熱部(62)を有し、当該発熱部が前記加熱室内に位置するよう前記加熱室形成部に設けられ、前記加熱室内の燃料を前記発熱部により加熱可能な加熱装置(60)と、
一端に前記出口開口部が形成され、他端が前記加熱室形成部に接続するよう前記加熱室内に設けられ、内側に前記燃料噴射弁を接続可能な筒部(32)と、を備え、
前記入口開口部は、軸が前記発熱部の軸に対しねじれの関係となるよう形成されており、
前記出口開口部は、前記燃料加熱システムが前記内燃機関または前記内燃機関近傍に取り付けられた状態において、前記発熱部に対し鉛直方向上側に位置している燃料加熱システム。 - 前記発熱部は、棒状に形成されており、
前記発熱部の軸を含む仮想平面で前記加熱室を2つの領域に分けたとき、前記入口開口部および前記出口開口部は、いずれも、前記2つの領域の一方側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の燃料加熱システム。 - 前記筒部は、前記加熱室形成部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料加熱システム。
- 前記加熱室形成部は、
所定の板厚の材料により形成され、上凹部(41)を有する上部材(40)と、
所定の板厚の材料により形成され、下凹部(51)を有し、前記上部材と接合することにより前記上凹部と前記下凹部との間に前記加熱室を形成する下部材(50)と、
からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。 - 前記入口開口部は、前記上部材に形成され、
前記筒部は、前記下部材に接続するよう設けられていることを特徴とする請求項4に記載の燃料加熱システム。 - 前記入口開口部と前記出口開口部とは、互いに対向するのを避けた位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 前記出口開口部は、前記加熱室を形成する壁面のうち互いに対向する壁面(301、304)間の距離の1/2の位置よりも一方の壁面(301)側に寄った位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 前記出口開口部は、前記燃料加熱システムが前記内燃機関または前記内燃機関近傍に取り付けられた状態において、前記加熱室の鉛直方向の長さの1/2の位置よりも鉛直方向上側の位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 前記加熱室内に設けられ、前記入口開口部から前記加熱室に流入した燃料を前記発熱部側へ案内可能な第1案内部(70)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 前記第1案内部は、前記入口開口部の軸上に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の燃料加熱システム。
- 前記発熱部は、棒状に形成され、
前記第1案内部により案内された燃料を前記発熱部の長手方向に沿って流れるよう案内可能な第2案内部(305)をさらに備えることを特徴とする請求項9または10に記載の燃料加熱システム。 - 前記第2案内部は、前記加熱室を形成する壁面のうち、前記第1案内部により案内される燃料が衝突する曲面状の壁面(305)であることを特徴とする請求項11に記載の燃料加熱システム。
- 前記第1案内部は、板状の本体(71)、および、当該本体を板厚方向に貫く穴部(74)を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 前記第1案内部は、板状の本体(71)、および、前記本体の外縁部から前記本体に対し傾斜しながら延びる傾斜部(75)を有し、
前記本体と前記傾斜部との境界は、前記入口開口部の中心軸(Ax1)に対し前記発熱部とは反対側に位置していることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。 - 前記筒部の前記発熱部側の外壁と、前記加熱室を形成する壁面との距離は、前記筒部の前記発熱部とは反対側の外壁と、前記加熱室を形成する壁面との距離よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の燃料加熱システム。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の燃料加熱システムと、
前記入口開口部に接続し前記燃料供給源からの燃料が流れる燃料流路(200)を有する長尺状のレール部(20)と、を備え、
前記燃料加熱システムは、前記レール部の長手方向に沿って複数設けられ、
前記燃料噴射弁は、複数の前記燃料加熱システムのそれぞれに対応するよう複数取り付けられることを特徴とする燃料レール(1)。
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