JP5193982B2 - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料加熱装置で加熱した燃料を燃料噴射弁で燃焼室に向けて噴射する内燃機関の燃料供給装置に係り、燃料の着火性を高めて内燃機関を円滑に始動させる技術に関する。
燃料噴射弁を用いて燃料を噴射する内燃機関では、低温時にも円滑な始動を可能とするために、燃料供給路に燃料加熱装置を設け、燃料噴射弁に供給される燃料を暖めることがある。このような燃料加熱装置として、例えば、燃料供給管における燃料噴射弁の上流側近傍に燃料を加熱するための領域を設け、この領域でヒータによる燃料の加熱を行い、暖められた燃料のみが燃料供給管に供給されるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
他方、燃料噴射弁が吸気通路に臨んで設けられた内燃機関では、燃料噴射弁から噴射された燃料は吸気マニホールドを経てから燃焼室に流入するため、燃料が噴射されてから燃焼室に到達するまでにタイムラグが生じ、特に低温時の始動性が悪い。このような問題を解決し得る技術として、特許文献2には、内燃機関の始動時(クランキング時)に燃料を燃焼室に存在させるべく、イグニッションスイッチの閉結(イグニッションキーのIG−ONポジションへの操作)と同期して所定量の燃料を予備噴射させることが開示されている。
特開平5−26130号公報 実開昭59−62245号公報
しかしながら、点火温度が高いエタノールやメタノールといった液化ガスを燃料とし、燃料加熱装置で暖めた燃料を燃料噴射弁で吸気マニホールドに噴射する内燃機関の場合、内燃機関の始動前に加熱前の冷たい燃料を燃料噴射弁に噴射させると、点火プラグの火花が燃料に着火せず、円滑な始動が行われない問題がある。また、燃料噴射弁内に燃料が残留している場合、燃料加熱装置を駆動しても、燃料噴射弁内の燃料を暖めることができないため、内燃機関の始動時に燃料噴射弁内の冷たい燃料が先に噴射され、点火プラグの火花が燃料に着火しない問題もある。
本発明は、このような従来技術に課せられた問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、燃料加熱装置で暖められた燃料を内燃機関の始動時に燃焼室に供給し、始動時における燃料の着火性を高めることのできる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、第1の発明は、内燃機関(E)の燃料供給装置(1)において、燃料供給路(5)に加熱室(18)を画定するヒータケース(15)と、該加熱室(18)の燃料を加熱するヒータ(16)とを有する燃料加熱装置(14)と、前記ヒータ(16)を駆動制御するヒータ駆動制御手段(23)と、内燃機関(E)の吸気通路(10)に望んで設けられ、前記燃料加熱装置(14)から供給される燃料を内燃機関(E)の燃焼室(11)へ向けて噴射する燃料噴射弁(4)と、前記燃料噴射弁(4)を駆動制御する噴射弁駆動制御手段(24)とを備え、前記ヒータ駆動制御手段(23)は、操作者による始動操作によって生成される第1始動信号に応じて前記ヒータ(16)を駆動し、前記噴射弁駆動制御手段(24)は、前記第1始動信号よりも後に生成されるクランキングを開始するための第2始動信号に応じ、通常モードで前記燃料噴射弁(4)を駆動するとともに、前記第1始動信号に応じ、前記燃焼室(11)に届かない駆動量で燃料を噴射させる予備噴射モードで前記燃料噴射弁(4)を駆動することを特徴とする。
この発明によれば、噴射弁制御手段が、燃料加熱装置の駆動に関連する第1始動信号に応じ、燃焼室に届かない駆動量で燃料を噴射させる予備噴射モードで燃料噴射弁を駆動することにより、燃料噴射弁内に残留した未加熱燃料が通常モードでの噴射前に噴射され、クランキングに関連する第2始動信号に応じた通常モードでの駆動時には、燃料加熱装置で暖められた燃料が噴射される。したがって、予備噴射モードで噴射された冷たい燃料は燃料室内の点火プラグにかかることがなく、内燃機関の始動時における燃料の不着火を防止できる。また、クランキング時には必ず暖められた燃料が燃焼室に噴射されるため、燃焼室における燃料の着火性を高めることができる。
また、第2の発明は、第1の発明に係る内燃機関(E)の燃料供給装置(1)において、前記ヒータ駆動制御手段(23)は、前記第1始動信号に応じて前記ヒータ(16)の駆動を開始し、前記噴射弁駆動制御手段(24)は、前記第1始動信号の入力と同期して前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁(4)の駆動を開始するとともに、前記第2始動信号の入力と同期して前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁(4)の駆動を停止することを特徴とする。
クランキング開始時には、燃料噴射弁が通常モードで駆動される必要がある。この発明によれば、第2始動信号に同期して予備噴射モードでの燃料噴射が停止されるため、クランキング開始時には、噴射弁制御手段が通常モードで燃料噴射弁を駆動することができる。そして、第1始動信号に同期して、ヒータによる燃料の加熱が開始されるとともに、予備噴射モードでの燃料噴射が開始されるため、第2始動信号の生成許可時期、即ち通常モードでの燃料噴射時期を早めることができる。
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係る内燃機関(E)の燃料供給装置(1)において、前記ヒータ駆動制御手段(23)は、燃料温度に関連する値および前記加熱室(18)の燃料圧力に関連する値に応じて前記ヒータ(16)を駆動し、前記噴射弁駆動制御手段(24)は、前記ヒータ駆動制御手段(23)が前記ヒータ(16)を駆動していない場合、前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁(4)の駆動を禁止することを特徴とする。
この発明によれば、燃料温度に関連する値および加熱室の燃料圧力に関連する値に応じてヒータが駆動制御されることで、加熱する必要がない程度に燃料が暖かい状態や、燃料圧力が上昇せず燃料加熱装置が空焚きの状態で不要な燃料加熱を行うことを防止できる。そして、第1始動信号に応じてヒータが駆動されない場合、予備噴射をする必要もないため、予備噴射モードでの燃料噴射弁の駆動を禁止することで、無駄な燃料噴射弁の稼動を防止でき、燃料噴射弁の寿命を長くすることができる。
また、第4の発明は、第1〜第3の発明に係る内燃機関(E)の燃料供給装置(1)において、前記ヒータ駆動制御手段(23)は、前記ヒータ(16)への通電量を可変制御することで前記ヒータ(16)の発熱量を制御し、前記噴射弁駆動制御手段(24)は、前記ヒータ(16)への通電量が所定値(沸騰防止デューティーDpb)以下の場合、前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁(4)の駆動を禁止することを特徴とする。
この発明によれば、加熱必要度合いに応じてヒータへの通電量を変化させることでヒータによる燃料の加熱を必要以上に行うことを防止できる。一方、加熱必要度合いが小さく、ヒータへの通電量が所定値以下になったことは、加熱室の燃料が所望の温度まで加熱されたことを意味する。そこで、ヒータへの通電量が所定値以下の場合に予備噴射モードでの燃料噴射を禁止することで、燃料噴射弁の無駄な稼動を防止してその寿命を長くすることができる。
また、第5の発明は、第1〜第4の発明に係る内燃機関(E)の燃料供給装置(1)において、前記ヒータケース(15)は、軸状を呈するとともに、その軸線(15X)が水平面に対して傾斜した状態で設置され、前記燃料噴射弁(4)は、燃料の流入口(4a)が前記ヒータケース(15)の下端近傍に接続されたことを特徴とする。
この発明によれば、燃料噴射弁が軸状の加熱室の下端近傍に連通するため、未加熱で加熱室の下側に貯まった比較的冷たい燃料を、加熱されて加熱室の上側に貯まった暖かい燃料よりも先に燃料噴射弁に供給することができ、予備噴射モードで未加熱燃料を確実に噴射させることができる。
このように、本発明によれば、燃料加熱装置で暖められた燃料を内燃機関の始動時に燃焼室に供給し、始動時における燃料の着火性の高い内燃機関の燃料供給装置を提供することができる。
実施形態に係る燃料供給装置の全体概要図である。 実施形態に係る燃料供給ユニットの斜視図である。 実施形態に係る燃料加熱装置の断面図である。 実施形態に係る燃料供給装置のブロック図である。 実施形態に係る燃料供給装置によるヒータ駆動制御のフロー図である。 ヒータ作動条件判定処理のフロー図である。 プレヒート設定処理のフロー図である。 ヒータ通電デューティー決定処理のフロー図である。 実施形態に係る燃料供給装置による噴射弁駆動制御のフロー図である。 実施形態に係る予備噴射モードによる噴射弁駆動制御のフロー図である。 実施形態に係る燃料供給装置による噴射弁の作動状態を示すグラフである。 実施形態に係る燃料供給装置による制御例を示すグラフである。 予備噴射の有無による噴射燃料温度の違いを示すグラフである。 本発明に係る燃料加熱装置の変形実施形態を示す模式図である。
以下、添付の図面に示された一実施形態を参照して本発明に係る燃料供給装置1について詳細に説明する。なお、各部材や各部位について方向を示す場合、水平な平坦路に停止した自動車の内燃機関Eに燃料供給装置1が設置された状態において、鉛直方向を基準に上下を定め、水平方向を基準に前後およびこれに直交する左右を定めるものとする。
図1に示すように、本実施形態の燃料供給装置1は、エタノールを主燃料とする直列4気筒の自動車用アルコールエンジン(以下、内燃機関Eと記す。)に対して設けられ、燃料タンク2に貯留された燃料を気筒Sごとに設けられた4つの燃料噴射弁4で内燃機関Eに供給する。本実施形態では、4つの燃料噴射弁4に対し、それぞれ1つ、計4つの燃料加熱装置14が設けられている。
燃料タンク2の内部、即ち燃料タンク2と燃料噴射弁4とを接続する燃料供給路5の上流端には燃料ポンプ6が設けられている。燃料ポンプ6は、燃料タンク2に貯留された燃料を図示しないストレーナを介して汲み上げ、燃料噴射弁4へ向けて圧送する。燃料供給路5における燃料ポンプ6の下流側には、燃料噴射弁4に供給される燃料圧力を所定値以下に保つべく、余剰燃料を燃料タンク2へ還流させるプレッシャレギュレータ7が設けられている。
4つの燃料加熱装置14および4つの燃料噴射弁4は、後述する燃料ケース13と共にベース板19によって一体化され、1つの燃料供給ユニット3を構成している。燃料供給ユニット3における燃料供給系の上流端には燃料ケース13が位置しており、プレッシャレギュレータ7の下流側の燃料供給路5がこの燃料ケース13に接続している。
詳細な図示は省略するが、自動車には回動式のイグニッションスイッチ37(図3参照)、および内燃機関Eを始動するためのスタータモータ8(図3参照)が設けられている。操作者によってイグニッションスイッチ37がアクセサリポジション(以下、ACCポジションと記す)からイグニッションポジション(以下、IGポジションと記す)に操作されると、ECU(Electric Control Unit)20(図4参照)が起動するとともに、起動と同時に燃料ポンプ6を駆動する。また、詳細について後述するが、操作者がイグニッションスイッチ37をIGポジションからスタートポジション(以下、STポジションと記す)に回動させる始動操作を行うと、ECU20がバッテリからスタータモータ8へ通電させることにより、スタータモータ8が作動して内燃機関Eを始動させる。
なお、本実施形態では、始動操作は、イグニッションスイッチ37をIGポジションからSTポジションに回動させる方式で行われるが、イグニッションスイッチ37がIGポジションにある状態で、プッシュオン式のスタート釦を押す方式で行われてもよい。また、本実施形態の内燃機関Eでは、後述するように最初に行われる第1始動操作に応じて燃料加熱装置14による燃料の加熱が行われ、所定条件下で行われる2回目以降の第2始動操作に応じてスタータモータ8が駆動される。
図2に示すように、燃料供給ユニット3は、燃料供給管12と、燃料供給管12の下流端に接続する燃料ケース13と、燃料ケース13に形成された4つの流出口にそれぞれ接続された燃料加熱装置14と、ベース板19を介してそれぞれ燃料加熱装置14の下流側に接続された燃料噴射弁4とを備えている。燃料供給管12、燃料ケース13および燃料加熱装置14は、それぞれ燃料供給路5を構成している。燃料ケース13は、燃料供給管12よりも断面積が大きくされた扁平形状の配管部材であり、内部に燃料を貯めて4つの流出口から均等な圧力で燃料を各燃料加熱装置14に分配する。
図3に示すように、燃料加熱装置14は、加熱室18を画定して燃料供給路5を構成するヒータケース15と、先端側に発熱部17hを有し、発熱部17hが加熱室18に収容される態様でヒータケース15に挿着されたヒータ16とを備え、発熱部17hに内蔵された電熱線への通電がECU20によってデューティー制御されることにより、加熱室18内の燃料を適宜に加熱する。なお、燃料ケース13の上面には、燃料加熱装置14に供給される燃料圧力PFを検出する燃料圧力センサ35が設けられている。
燃料噴射弁4は、基端側に燃料の流入口4aを備え、この流入口4aがベース板19に形成された貫通孔19aを介してヒータケース15に形成された流出口15bと連通するように内燃機関Eの吸気通路10に望んで設けられる。燃料噴射弁4は、ECU20により駆動制御される電磁弁を内蔵し、電磁弁の開閉制御によって開弁時間に比例する量の燃料を所定の時期に内燃機関Eの燃焼室11へ向けて吸気通路10に噴射する。なお、全ての燃料加熱装置14および燃料噴射弁4がベース板19によって一体化された燃料供給ユニット3を構成することにより、これら部材の内燃機関Eへの組み付けが容易にされるとともに、内燃機関Eに対する燃料噴射弁4の組み付け精度を高められるようになっている。
ヒータケース15は、その軸線15Xが水平方向に対して傾斜した略円筒状を呈するとともに、軸方向長さが直径よりも長い長筒状を呈しており、軸線15Xが水平面に対して約45度傾斜した状態で内燃機関Eに取り付けられる。そして、ヒータケース15の上側の軸端部には、ヒータ16を装着するための開口15oが形成されている。
ヒータ16は、発熱部17hが形成された棒状のヒータ部材17をその先端に備えており、ヒータ部材17の先端17a側の7割〜8割程度に発熱部17hが設定されている。ヒータ部材17は、その先端17aを下側にし、且つその先端17aとヒータケース15との間に所定の空隙を形成するようにヒータケース15の軸線15Xに沿って同軸に延在する状態でヒータケース15に収容される。
したがって、発熱部17hの上方に位置するヒータケース15の上壁15uは、円筒の一部をなす湾曲状の壁が傾斜した状態で発熱部17hの上方を覆っている。そして、ヒータケース15の上壁15uには、軸線15Xに直交する各断面におけるヒータケース15の最も高い点を結んだ稜線15r、即ち上壁15uの中心線上の最上部近傍に、燃料ケース13から加熱室18に燃料を流入させる円形の流入口15aが形成されている。つまり、発熱部17hよりも高い位置に流入口15aが配置されている。
一方、発熱部17hの下方に位置するヒータケース15の下壁15lは、傾斜した円筒の一部をなす湾曲状の筒壁部15ltと、傾斜した円筒の下側軸端部を閉塞する円形状の底壁部15lbとによって構成されている。そして、ヒータケース15の下壁15lには、軸線15Xに直交する各断面におけるヒータケース15の最も低い点を結んだ谷線15v、即ち筒壁部15ltの中心線上の最下部近傍に、加熱室18から燃料噴射弁4に向けて燃料を流出させる流出口15bが形成されている。このような構成により、流出口15bが、発熱部17hよりも低い位置に配置されるとともに、発熱部17hを挟んで流入口15aと相反する側に配置されている。
ベース板19には、ヒータケース15の流出口15bに整合する位置に貫通孔19aが形成されている。そして、燃料噴射弁4が、流入口4aをこの貫通孔19aに整合させるようにベース板19に取り付けられることで、加熱室18と連通する状態で燃料噴射弁4がヒータケース15の筒壁部15lt下部に接続している。このように、燃料噴射弁4がヒータケース15の下壁15lの筒壁部15ltに直交して取り付けられることにより、燃料噴射弁4は、その軸線4Xが水平面に対して約45度傾斜し、即ちヒータケース15の軸線15Xと直交して設置される。
燃料加熱装置14がこのような構成とされることにより、燃料噴射弁4が加熱室18の下端近傍に連通するため、未加熱で加熱室18の下側に貯まった比較的冷たい燃料が、加熱されて加熱室18の上側に貯まった暖かい燃料よりも先に燃料噴射弁4に供給される。したがって、後述する予備噴射モードにおいて未加熱燃料が確実に噴射されることとなる。
次に、図4を参照して、実施形態に係る燃料供給装置1の機能について説明する。ECU20は、内燃機関Eの冷却水温度TWを検出する水温センサ31、クランク角を検出して機関回転速度NEを把握するための機関回転速度センサ32、排気ガス中に含まれる酸素濃度からエタノールの残留濃度を検出して燃料中に含まれるエタノール濃度KREFBSを把握するためのLAFセンサ33、吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ34、上述したヒータ16へ供給される燃料圧力PFを検出する燃料圧力センサ35、およびバッテリに蓄電されたバッテリチャージ量SOCを検出するバッテリセンサ36等からの検出信号、並びにイグニッションスイッチ37の状態信号が入力する入力インターフェース21と、各センサ等の信号に基づいて、燃料ポンプ6を駆動制御する燃料ポンプ制御部22と、ヒータ16を駆動制御するヒータ制御部23と、燃料噴射弁4を駆動制御する燃料噴射弁制御部24と、スタータモータ8を駆動制御するスタータモータ制御部25と、インストルメントパネルに設けられたプレヒートインジケータ9に対し、プレヒート状態の表示制御を行うプレヒート表示制御部26と、出力インターフェース27とを備えている。
ECU20は、イグニッションスイッチ37がACCポジションからIGポジションに操作されたると起動する。燃料ポンプ制御部22は、ECU20の起動と同時に燃料ポンプ6の駆動を開始する。
ヒータ制御部23は、イグニッションスイッチ37がIGポジションからSTポジションに切り換えられたことを示す状態信号(以下、始動信号と称する。)が入力すると、より詳細には、イグニッションスイッチ37がACCポジションからIGポジションに移行された後、最初に入力するST信号(以下、第1始動信号と称する。)が入力すると、ヒータ16の駆動を開始する。換言すれば、ヒータ制御部23は、後述する第1始動操作によって生成されたST信号が入力すると、ヒータ16の駆動を開始する。なお、ヒータ制御部23は、内燃機関Eが始動する前には、後述する加熱用プレヒートデューティーDsおよび保温用プレヒートデューティーDsに基づく駆動を行い、内燃機関Eが始動した後には、後述する始動後デューティーDadに基づく駆動を行う。
燃料噴射弁制御部24は、第1始動信号の入力に同期して、具体的に第1始動信号の入力と同時に、後述する予備噴射モードで燃料噴射弁4を駆動するとともに、イグニッションスイッチ37がACCポジションからIGポジションに移行された後に入力する始動信号のうち、後述するクランキングが許可された後に入力する2回目以降の信号(以下、第2始動信号と称する。)の入力に同期して、具体的には第2始動信号の入力と同時に、燃料噴射弁4の駆動を予備噴射モードから後述する通常モードに切り換える。換言すれば、燃料噴射弁制御部24は、後述する第2始動操作によって生成された第2始動信号の入力と同時に、予備噴射モードでの燃料噴射弁4の駆動を禁止して、通常モードで燃料噴射弁4を駆動する。
スタータモータ制御部25は、第2始動信号が入力する間、スタータモータ8を駆動する。プレヒート表示制御部26は、ヒータ16がプレヒート駆動されている間、即ち第1始動信号の入力から加熱用プレヒートデューティーDsに基づく駆動が終了するまでの間、プレヒートインジケータ9のランプを点灯させる。
次に、図5〜図8を参照して、実施形態に係るヒータ16の制御フローについて説明する。操作者がイグニッションスイッチ37をACCポジションからIGポジションに操作すると、ECU20が起動するとともに、起動と同時に燃料ポンプ6を駆動し、燃料圧力PFを監視すべき所定の燃圧監視時間t1が設定された燃圧監視タイマを作動させた上で、図5のフローチャートにその手順を示すヒータ駆動制御を所定の処理周期をもって繰り返し実行する。なお、本実施形態では、燃圧監視時間t1が予め設定してある。
ヒータ駆動制御として、ECU20はまず、後述するヒータ条件フラグFcを読み込んで、当該フラグが0に設定されているか否か、即ちヒータ16の作動条件が不成立となっているか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でヒータ条件フラグFcが0に設定されている場合(Yes)、ECU20は、後に詳細に説明するヒータ作動条件判定処理を行った(ステップS2)後、後に詳細に説明するプレヒートタイマ設定処理を行ってヒータ16への後述する各タイマの作動/非作動を設定する(ステップS3)。一方、ステップS1でヒータ条件フラグFcが1に設定されている場合(No)、ECU20は、ヒータ作動条件判定処理を行わずにプレヒートタイマ設定処理を行う(ステップS3)。その後、ECU20は、後に詳細に説明するヒータ通電デューティー設定処理を行ってヒータ16へ通電する目標デューティーDを決定する(ステップS4)。
ヒータ作動条件判定処理では、図6に示すように、ECU20は、まず、イモビライザによる専用キーの照合が一致するか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11でイモビライザによる照合が一致しないと判定された場合(No)、ECU20は、ヒータ作動条件を不成立と判定し、ヒータ条件フラグFcを0に設定する(ステップS16)。一方、ステップS11でイモビライザによる照合が一致すると判定された場合(Yes)、ECU20は内燃機関Eに対する第1始動操作が行われたか否か、即ち操作者に機関始動の意思があるか否かを判定する(ステップS12)。なお、第1始動操作とは、イグニッションスイッチ37をIGポジションにした後に最初にSTポジションに移行させる操作のことである。
ステップS12で第1始動操作が行われず内燃機関Eを始動する意思がないと判定された場合(No)、ECU20はヒータ条件フラグFcを0に設定する(ステップS16)。一方、ステップS12で第1始動操作が行われたと判定された場合(Yes)、ECU20は、使用する燃料の種類などに応じて燃料を加熱する必要がある程度に内燃機関Eの温度が低下しているか否かを判定するために、冷却水温度TWが所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で冷却水温度TWが所定の閾値より高く、燃料を加熱する必要がない場合(No)、ECU20はヒータ条件フラグFcを0に設定する(ステップS16)。一方、ステップS13で冷却水温度TWが所定の閾値以下である場合(Yes)、ECU20は、加熱によって着火が可能となる程度に燃料内にエタノールが含まれているか否かを判定するために、エタノール濃度KREFBSの前回値が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14でエタノール濃度KREFBSが所定の閾値と判定された場合(No)、ECU20はヒータ条件フラグFcを0に設定する(ステップS16)。一方、ステップS14でエタノール濃度KREFBSが所定の閾値より高いと判定された場合(Yes)、ECU20はヒータ通電条件を成立と判定してヒータ条件フラグFcを1に設定し(ステップS15)、本処理を終了する。なお、ヒータ条件フラグFcは、ECU20の停止により(イグニッションスイッチ37がACCポジションに戻されると)0にリセットされる。
プレヒートタイマ設定処理では、図7に示すように、ECU20は、まず、ヒータ条件フラグFcを読み込んで、ヒータ条件フラグFcが1であるか否かを判定し(ステップS21)、ステップS21でヒータ条件フラグFcが0である場合(No)、ECU20はそのまま処理を終える。一方、ステップS21でヒータ条件フラグFcが1に設定され、ヒータ通電条件が成立している場合(Yes)、ECU20は、プレヒートタイマ設定フラグFteを読み込んで、プレヒートタイマ設定フラグFteが0であるか否かを判定する(ステップS22)。なお、プレヒートタイマ設定フラグFteは、タイマが既に設定され作動している場合、1に設定され、タイマが未設定である場合、0に設定されている。そして、イグニッションスイッチ37がACCポジションに戻されると、プレヒートタイマ設定フラグFteは0にリセットされる。
ステップS22でプレヒートタイマ設定フラグFteが1である場合(No)、ECU20はそのまま処理を終える。一方、ステップS22でプレヒートタイマが未設定(プレヒートタイマ設定フラグFte=0)と判定された場合(Yes)、ECU20は、ヒータ16に対して最大デューティーDmaxで通電し、供給電力量の積算値が所定の沸騰判定閾値Wbに達するまでの最大加熱通電時間t2と、ヒータ16に対して最大デューティーDmaxよりも小さな沸騰防止デューティーDpbで通電し、供給電力量の積算値が沸騰判定閾値Wbからこれよりも大きな所定値に設定された始動許可閾値Wsに達するまでの沸騰防止通電時間t3と、最大加熱通電時間t2と沸騰防止通電時間t3との合計値であり、燃料のプレヒートに要するプレヒート時間t4とを設定した上で、最大加熱通電時間t2およびプレヒート時間t4のタイマを作動させる(ステップS23)。次いで、ECU20は、プレヒートタイマ設定フラグFteを1に設定して(ステップS24)、本処理を終了する。
ヒータ通電デューティー設定処理では、図8に示すように、ECU20はまず、ヒータ条件フラグFcが1に設定されているか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31でヒータ条件フラグFcが1に設定されている場合(Yes)、ECU20は、内燃機関Eが始動モード(内燃機関Eが停止中またはアイドリング状態に向けてクランキング中)にあるか、通常運転モード(少なくともアイドリング回転速度で内燃機関Eが運転中)にあるかを判定するために、機関回転速度NEが所定の閾値(ここでは500rpm)未満であるか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32で機関回転速度NEが所定の閾値未満と判定された場合(Yes)、ECU20は、次に、内燃機関Eが停止中であるかアイドリング状態に向けてクランキング中であるかを判定するために、機関回転速度NEが0であるか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33で機関回転速度NEが0であると判定された場合(Yes)、ECU20は、燃料のプレヒートが済んでいるか否かを判断するために、プレヒート時間t4が経過したか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34でプレヒート時間t4時間が経過していない場合(No)、ECU20は、ヒータ16内の空気量を燃料圧力PFで検知するために必要な時間が経過しているか否かを判断するために、イグニッションスイッチ37がIG−ONにされた時に始動した燃圧監視タイマの燃圧監視時間t1が経過したか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35で所定の燃圧監視時間t1が経過している場合(Yes)、ECU20は、燃料圧力PFが所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS36)。燃料圧力PFは、燃料加熱装置14内に空気が混入していなければ、イグニッションスイッチ37がIGポジションに操作されたときに駆動開始した燃料ポンプ6によって燃圧監視時間t1経過時点で所定の閾値以上になるはずであるが、燃料加熱装置14内に所定量以上の空気が混入していると所定の閾値に達しないため、この処理では、燃圧監視時間t1経過時点での燃料圧力PFを閾値と比較することにより、燃料加熱装置14内に所定量以上の空気が混入していないか否かが判定される。なお、本実施形態では、燃料加熱装置14の空焚きが懸念される加熱室18における気層の割合が20%の場合の燃料圧力PFとして、閾値が350kPaに設定されている。
ステップS36で燃料圧力PFが所定の閾値以上であると判定された場合(Yes)、ECU20は、プレヒートタイマの経過時間に基づいて、ヒータ16に対するプレヒートデューティーDsを設定する。具体的には、プレヒートタイマの経過時間が最大加熱通電時間t2を超えていない場合には、プレヒートデューティーDsを最大デューティーDmaxに設定し、プレヒートタイマの経過時間が最大加熱通電時間t2を超えている場合には、燃料の沸騰を防止するためにプレヒートデューティーDsを沸騰防止デューティーDpbに設定する。(ステップS37)。そしてECU20は、プレヒートデューティーDsの重み付け係数Kr1を1に設定し(ステップS38)、プレヒートデューティーDsと後述する始動後デューティーDasとを重み付け計算してヒータ16に対する通電目標値である目標デューティーDを決定し(ステップS39)、本処理を終了する。なお、本フローでは、始動後デューティーDasの重み付け係数Kr1は0であり、プレヒートデューティーDsがそのまま目標デューティーDとして設定される。
一方、ステップS36で燃料圧力PFが所定の閾値より小さいと判定された場合(No)、ECU20は、プレヒートデューティーDsを0に設定し(ステップS40)、ステップS38およびステップS39の処理を行い、本処理を終了する。このように、ステップS36での判定において燃料圧力PFが所定の閾値より小さい(No)場合に、プレヒートデューティーDsが0に設定され、目標デューティーDが0に設定されることにより、燃料加熱装置14内に所定量以上の空気が混入している状態でヒータ16を加熱することにより空気が過熱されて空焚き状態となることが回避される。
他方、ステップS35で所定の燃圧監視時間t1が経過していないと判定された場合(No)、ECU20は、燃料圧力PFを判定することなく、ステップS37、ステップS38およびステップS39の処理を行い、本処理を終了する。このように、ステップS35での判定において所定の燃圧監視時間t1が経過していない(No)場合に、燃料圧力PFの如何に拘わらず、プレヒートデューティーDsをそのまま目標デューティーDとして設定することにより、燃圧監視時間t1が経過する前に始動操作が行われたような場合には、即座にヒータ16へ通電して燃料の早期加熱を実現している。
次に、ステップS34に戻って説明を続ける。ステップS34でプレヒート時間t4が経過している場合(Yes)、ECU20はバッテリチャージ量SOCが所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41でバッテリチャージ量SOCが所定の閾値以下と判定された場合(Yes)、ECU20は、保温を目的としたプレヒートデューティーDsを0に設定し(ステップS40)、ステップS38およびS39の処理を行い、本処理を終了する。この処理により、過度なバッテリ電力の低下が予防され、電力不足によるスタータモータ8の作動不良などが防止される。
一方、ステップS41でバッテリチャージ量SOCが所定の閾値より大きいと判定された場合(No)、ECU20は、冷却水温度TWおよびエタノール濃度KREFBSに基づいて、予め格納された保温用のマップ(或いはテーブル、以下同様)を検索して保温用のプレヒートデューティーDsを設定し(ステップS42)、上記同様にステップS38およびS39の処理を行い、本処理を終了する。この処理により、燃料の加熱処理後、操作者による始動操作が行われない場合であっても、過度なバッテリ電力の低下を抑制した範囲で始動に備えて燃料が適温に保持される。
また、ステップS33で機関回転速度NEが0でなく、内燃機関Eがアイドリング状態に向けてクランキング中と判定された場合(No)、ECU20は、プレヒートデューティーDsに対して処理ごとにその値を徐々に減少させる漸減処理を行う(ステップS43)。その後、ECU20は、ステップS39の処理を行い、本処理を終了する。
ステップS32において、機関回転速度NEが所定の閾値以上で、内燃機関Eが通常運転中と判定された場合(No)、ECU20は、機関回転速度NEおよび吸気圧PBAに基づいて、始動後用マップを検索して始動後用の基本デューティーDasbを求める(ステップS44)。その後、ECU20は、エタノール濃度KREFBSに基づいて、エタノール濃度KREFBSが高いほどその値が小さくなるように設定されたマップを検索して補正係数Kを求め(ステップS45)、ステップS44で求めた始動後用の基本デューティーDasbに当該補正係数Kを乗算することにより、始動後用の基本デューティーDasbを補正する(ステップS46)。その後、ECU20は、始動後用の基本デューティーDasbに対し、漸減処理を行って始動後デューティーDasを設定する(ステップS47)。この漸減処理では、最終的に始動後デューティーDasが0に設定される。
続いて、ECU20は、始動後デューティーDasの重み付け係数Kr2を算出するためのタイマをセットし(ステップS48)、重み付け係数算出用タイマの経過時間に基づいて、タイマ経過時間が大きくなるにつれて漸増し、最終的にその値が1になるように設定されたマップを検索して始動後デューティーDasの重み付け係数Kr2を設定する(ステップS49)。その後、ECU20は、ステップS39の処理を行い、本処理を終了する。なお、本フローでは、ステップS39の重み付け計算において、プレヒートデューティーDsの重み付け係数Kr1が1に設定されているが、始動後デューティーDasの重み付け係数Kr2が優先適用され、プレヒートデューティーDsの重み付け係数Kr1は、1−Kr2として扱われる。
このようなステップS44〜S49およびS39の処理により、機関回転速度NEが所定の閾値以上となった後(ステップS32:No)には、目標デューティーDの値が、プレヒートデューティーDsの値から始動後デューティーDasの値に徐々にシフトする(ステップS49)とともに、始動後デューティーDas自体が徐々に小さくなること(ステップS47)によって最終的に0になる。
また、ステップS31において、ヒータ通電条件が不成立(ヒータ条件フラグFc=0)となっている場合(No)、ECU20は、目標デューティーDを0に設定して(ステップS50)本処理を終了する。
次に、図9および図10を参照して、実施形態に係る燃料噴射弁4の制御フローについて説明する。操作者がイグニッションスイッチ37を操作してACCポジションからIGポジションに移行させると、起動したECU20が図9のフローチャートにその手順を示す噴射弁制御を所定の処理周期をもって繰り返し実行する。
噴射弁駆動制御として、ECU20はまず、前述したヒータ条件フラグFcが1に設定されているか否か、即ちヒータ16の作動条件が成立しているか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41でヒータ条件フラグFcが1に設定されている場合(Yes)、ECU20は、プレヒートタイマ設定フラグFteが1に設定されているか否か、即ちプレヒートタイマが設定済みであるか否かを判定する(ステップS42)。ヒータ条件フラグFcが0であり、ステップS41の判定がNoの場合、およびプレヒートタイマ設定フラグFteが0であり、ステップS42の判定がNoの場合、ECU20は燃料噴射弁4の駆動に関する処理を何ら行わず(燃料噴射弁4を駆動せず)本処理を終了する。
一方、ヒータ条件フラグFcおよびプレヒートタイマ設定フラグFteがともに1に設定され、ステップS42の判定がYesの場合、ECU20は、燃料のプレヒートが完了しているか否かを判断するために、プレヒート時間t4が経過しているか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43でプレヒート時間t4が経過していないと判定された場合(No)、ECU20は次に、最大加熱通電時間t2が経過しているか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44で最大加熱通電時間t2が経過していないと判定された場合(No)、ECU20は、後に詳細に説明する予備噴射モードで燃料噴射弁4を駆動して(ステップS45)本処理を終了する。一方、ステップS44で最大加熱通電時間t2が経過していると判定された場合(Yes)、ECU20は、燃料噴射弁4の駆動に関する処理を何ら行わず本処理を終了する。
他方、ステップS43でプレヒート時間t4が経過していると判定された場合(Yes)、ECU20は、第2始動操作が行われたか否か、即ち第2始動信号が入力したか否かを判定する(ステップS46)。なお、第2始動操作とは、イグニッションスイッチ37がIG−ON状態にあるときに、最初にSTポジションに移行させる第1始動操作の後、且つクランキングが許可された状態で、クランキングを開始するためにイグニッションスイッチ37を再度STポジションに移行させる操作のことである。つまり、第2始動操作は、2回目の始動操作で内燃機関Eが始動しなかった場合に行う3回目以降の始動操作を含み、クランキングが許可される前に行われた始動操作を含まない。なお、クランキングは、第1始動操作が行われた時点から、プレヒート時間t4よりも若干短い時間が経過した時点で許可される。
ステップS46で第2始動操作があったと判定された場合(Yes)、ECU20は通常モードで燃料噴射弁4を駆動し(ステップS47)、本処理を終了する。一方、ステップS46で第2始動操作がなかったと判定された場合(No)、ECU20は、燃料噴射弁4の駆動に関する処理を何ら行わず本処理を終了する。
次に、図10を参照して、ステップS45の予備噴射モードでの燃料噴射弁4の駆動制御について説明する。予備噴射モードでは、ECU20はまず、噴射時間設定フラグFiを読み込んで、噴射時間設定フラグFiが0であるか否か、即ち燃料噴射弁4の1回あたりの予備噴射時間(開弁時間)Tiが設定されているか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51で噴射時間設定フラグFiが0で、予備噴射時間Tiが未設定の場合(No)、ECU20は、最大加熱通電時間t2に基づき、内燃機関Eの燃焼室11に燃料が届かない範囲でその値が設定された図11に示すマップを検索して予備噴射時間Tiを設定する(ステップS52)。このマップでは、最大加熱通電時間t2が長いほど予備噴射時間Tiが短く設定されており、最大加熱通電時間t2が長い場合には、より確実に燃料を燃焼室11に届かせないようにしている。次に、ECU20は、噴射時間設定フラグFiを1に設定し(ステップS53)、予備噴射時間Tiで開弁させるように各燃料噴射弁4を駆動して(ステップS54)本処理を終了する。一方、ステップS51で予備噴射時間Tiが既に設定され、噴射時間設定フラグFiが1である場合(Yes)、ECU20は、直接ステップS54の処理を行い、本処理を終了する。
このような処理により、4つの燃料噴射弁4は図12に示すように駆動される。即ち、第1始動操作が行われた時点P1から、予備噴射時間Ti(例えば1.7ms)で開弁するように各燃料噴射弁4を駆動することにより、燃料噴射弁4の内部およびヒータケース15の下部にある冷たい燃料を内燃機関Eの燃焼室11に届かないように予め予備噴射モードで噴射し、プレヒートタイマの経過時間が最大加熱通電時間t2を超えてプレヒートデューティーDsが沸騰防止用の値に設定された時点P2で、予備噴射モードでの燃料噴射を終了する。つまり、予備噴射モードでの燃料噴射がプレヒートデューティーDsが最大値に設定されている間だけ行われる。なお、この予備噴射モードでの燃料噴射を、時点t2に引き続いて第2始動信号が入力する時点P3まで行ってもよい。
そして、プレヒートタイマの経過時間がプレヒート時間t4を超えてヒータ16のプレヒート終了し(保温用のプレヒートデューティーDsに移行し)、第2始動操作が行われた時点P3から、予備噴射時間Tiよりも長い開弁時間(例えば262ms)をもって通常モードでの燃料噴射が行われる。
次に、図13を参照して実施形態に係る燃料供給装置1による制御の一例について説明する。操作者がイグニッションキーでイグニッションスイッチ37をOFFからACCポジションに切り替えると(時点P11)、メータ類が起動し、更にイグニッションスイッチ37をACCポジションからIGポジションに切り替えると(時点P12)、ECU20が起動して燃圧監視タイマを作動させるとともに、燃料ポンプ6を駆動することによって燃料圧力PFが上昇する。なお、燃料圧力PFは、燃料加熱装置14内に大量の空気が混入している場合には、燃料加熱装置14内に空気が混入していない通常時に比べて緩やかな上昇カーブを示す。
燃圧監視タイマに設定された燃圧監視時間t1が経過する時点P14の前に、所定の条件の基、操作者が始動操作を行うと(時点P13)、燃料圧力PFに拘わり無く最大加熱通電時間t2およびプレヒート時間t4をもってプレヒートタイマが作動するとともに、最大デューティーDmax(100%)のプレヒートデューティーDsをもってヒータ16への通電が開始される。また、燃料噴射弁4が予備噴射モードで駆動され、燃料加熱装置14内の冷たい燃料を噴射する。この間、燃料加熱装置14内の燃料温度は徐々に上昇する。
そして、最大加熱通電時間t2が経過して、加熱用プレヒート供給電力量の積算値が沸騰判定閾値Wbに達すると(時点P14)、ヒータ16へのプレヒートデューティーDsが沸騰防止デューティーDpbに変更されるとともに、燃料噴射弁4の駆動が禁止される。一方、沸騰防止デューティーDpbでの加熱により、燃料温度は沸騰することなく破線で示す始動可能温度を超える。そして、プレヒート時間t4が経過する所定時間前に、クランキングが許可される(時点P15)。なお、燃料温度等に関連付けてクランキングを許可するような形態としてもよい。
さらに、沸騰防止デューティーDpbでの通電が継続されながらプレヒート時間t4が経過して、加熱用プレヒート供給電力量の積算値が沸騰判定閾値Wbに達すると(時点P16)、加熱用のプレヒートデューティーDsに基づく通電が終了して保温用のプレヒートデューティーDsに基づく通電に切り替わる。この時点で、加熱用のプレヒート供給電力量の積算値は0にリセットされる。クランキングが許可された時点P15以降に第2始動操作が行われると(時点P17)、スタータモータ8の始動とともに、燃料噴射弁4が通常モードで駆動される。
なお、燃圧監視タイマに設定された燃圧監視時間t1が経過した時点で、燃料加熱装置14内に所定量以上の空気が混入している場合には、燃料圧力PFが所定の閾値(350kPa)未満となるため、一旦ヒータ16への通電が遮断(断電)されるが、燃料圧力PFが上昇して所定の閾値を超えた時点で、ヒータ16への通電が再開される。
このように、燃料噴射弁4が内燃機関Eの始動前にプレ噴射モードで駆動されることにより、図14のグラフに示すように、実線で示す噴射燃料の温度は、破線で示す予備噴射を行わない場合と比べて早期に上昇し、クランキング開始時の噴射燃料温度を、予備噴射を行わない場合よりも高くすることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明に係る燃料供給装置1を、エタノールを主燃料とする内燃機関Eに適用したが、軽油やガソリン等、他の成分を燃料とする内燃機関にも適用可能であり、直列4気筒以外の内燃機関にも当然に適用可能である。また、上記実施形態では、イグニッションスイッチ37がACCポジションからIGポジションにされた時にはヒータ16への通電を開始せず、最初の始動操作を始動意思の判断条件にしてヒータ16への通電を開始しているが、イグニッションスイッチ37がIGポジションにされたことをもって始動意思ありとしてヒータ16への通電を開始してもよい。また、上記実施形態では、クランキングが許可された後の始動操作を第2始動操作とし、操作者による第2始動操作をスタータモータ8の始動条件にしているが、第1始動操作に応じ、例えばプレヒートに要する所定時間が経過した時にクランキングを開始するような形態であってもよい。また、上記実施形態では、イグニッションスイッチ37で全ての操作を行っているが、ヒータ16始動用のスイッチとスタータモータ8始動用のスイッチとを別途設けてもよい。また、上記実施形態では、燃料供給ユニット3が、4つの燃料噴射弁4に対してそれぞれ設けられた4つの燃料加熱装置14を備えているが、複数の燃料噴射弁4に共通の1つの燃料加熱装置(或いは2や3つでもよい)を備える形態でもよい。この他、各装置の具体的構成や配置など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
1 燃料供給装置
3 燃料供給ユニット
4 燃料噴射弁
4a 流入口
5 燃料供給路
10 吸気通路
11 燃焼室
14 燃料加熱装置
15 ヒータケース
15X 軸線
16 ヒータ
18 加熱室
20 ECU(ヒータ駆動制御手段、噴射弁駆動制御手段)
23 ヒータ制御部
24 燃料噴射弁制御部
37 イグニッションスイッチ
E 内燃機関
Fc ヒータ条件フラグ
Fi 噴射時間設定フラグ
Fte プレヒートタイマ設定フラグ
Ti 予備噴射時間
t1 燃圧監視時間
t2 最大加熱通電時間
t3 沸騰防止通電時間
t4 プレヒート時間

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃料噴射装置であって、
    燃料供給路に加熱室を画定するヒータケースと、該加熱室の燃料を加熱するヒータとを有する燃料加熱装置と、
    前記ヒータを駆動制御するヒータ駆動制御手段と、
    内燃機関の吸気通路に臨んで設けられ、前記燃料加熱装置から供給される燃料を内燃機関の燃焼室へ向けて噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁を駆動制御する噴射弁駆動制御手段と
    を備え、
    前記ヒータ駆動制御手段は、操作者による始動操作によって生成される第1始動信号に応じて前記ヒータを駆動し、
    前記噴射弁駆動制御手段は、前記第1始動信号よりも後に生成されるクランキングを開始するための第2始動信号に応じ、通常モードで前記燃料噴射弁を駆動するとともに、前記第1始動信号に応じ、前記燃焼室に届かない駆動量で燃料を噴射させる予備噴射モードで前記燃料噴射弁を駆動することを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 前記ヒータ駆動制御手段は、前記第1始動信号に応じて前記ヒータの駆動を開始し、
    前記噴射弁駆動制御手段は、前記第1始動信号の入力と同期して前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁の駆動を開始するとともに、前記第2始動信号の入力と同期して前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁の駆動を停止することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 前記ヒータ駆動制御手段は、燃料温度に関連する値および前記加熱室の燃料圧力に関連する値に応じて前記ヒータを駆動し、
    前記噴射弁駆動制御手段は、前記ヒータ駆動制御手段が前記ヒータを駆動していない場合、前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁の駆動を禁止することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 前記ヒータ駆動制御手段は、前記ヒータへの通電量を可変制御することで前記ヒータの発熱量を制御し、
    前記噴射弁駆動制御手段は、前記ヒータへの通電量が所定値以下の場合、前記予備噴射モードでの前記燃料噴射弁の駆動を禁止することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 前記ヒータケースは、軸状を呈するとともに、その軸線が水平面に対して傾斜した状態で設置され、
    前記燃料噴射弁は、燃料の流入口が前記ヒータケースの下端近傍に接続されたことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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