JP6207988B2 - マイクロメータおよび測定器 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物の寸法や形状の測定に用いられるマイクロメータ等の測定器に関し、具体的には、デジタル式マイクロメータの防水構造に関する。
デジタル式のマイクロメータが知られている。デジタル式マイクロメータは、本体と、スピンドルと、エンコーダと、表示部と、を備える。
スピンドルは、送りネジを有し、本体に螺合されている。スピンドルを回転させると、送りネジによってスピンドルは本体に対して進退する。エンコーダは、本体に内蔵されており、スピンドルの変位を検出する。表示部は、例えば液晶パネルであり、エンコーダの検出値から求めたスピンドルの変位量を表示する。
マイクロメータはそのハンディさを活かして工場などの現場で使用されることが想定されるが、そのような使用環境には水、油、粉塵などが存在しており、電子機器には過酷な悪環境である。したがって、従来、デジタル式マイクロメータには様々な防水策が採用されてきた。例えば、本出願人は、特許文献1(特許2786801号)において複数の防水手段を有するデジタル式マイクロメータを提案している。
デジタル式マイクロメータの防水機構において問題になる箇所としてクランプ機構がある。クランプ機構は、スピンドルの位置を固定したり移動可能なように開放したりするものである。クランプは雄ネジを有し、本体に螺入される。クランプを回して本体に押し込むと、クランプの先端がスピンドルの側面に直接または間接的に当接し、これによりスピンドルの位置が固定されるようになっている。
本体にはクランプの雄ネジと螺合する雌ネジの孔が空けられており、この雌ネジ孔は本体の内部に通じている。(この雌ネジ孔をクランプ孔と称することとする。)このクランプ孔から水、油、粉塵が侵入すると内部の電子回路(具体的にはエンコーダおよびその周辺回路)が破壊されてしまう。したがって、クランプと本体との間にはクランプ孔を囲むようにパッキン(Oリング)が介装されている。(特許文献1の段落0017、図4)
特許2786801号
個々の部品寸法にはバラツキがあるので、クランプと本体との間の隙間寸法が製品によって異なってくる。当然、Oリングにも寸法バラツキがある。さらに、クランプは複数の部品で構成されている。すなわち、クランプは、クランプネジと、クランプネジの頭に冠着(被せるように着ける)されたクランプノブと、を有する。したがって、誤差が積み上がると、最悪のケースでは防水性を保てない場合がある。
防水性が十分でない製品に対しては、組み立て工程のなかで部品を選定し直したり、組み付け直したりする必要がある。しかし、このような作業は大変な手間、時間、コストが掛かり、製造効率に大きく影響する。さらに、クランプネジとクランプノブとは圧入部品であるため、適合するOリングが無ければ、交換された部品は最悪廃棄処分になる。
また、クランプは、クランプノブを所定角度回転操作することでスピンドルを固定したり開放したりできるようになっていることが望ましい。例えば、クランプノブを120°回転させることでスピンドルの固定と開放とを切り替えるようにしたいとする。クランプネジのネジピッチが例えば0.5mmとすると、クランプノブの120°回転で、クランプは0.167mm変位することになる。この程度の隙間の変化を見込んでおくことが必要になるが、従来のOリングではこれはかなり難しい。まして、複数の部品の組み合わせによって積み上げ誤差が生じることを考慮しなければならないとなると、従来構造のままでは無理がある。
なお、このような問題は、マイクロメータに限ったことではない。移動体をクランプで固定したり開放したりすることが必要なデジタル式小型測定器(例えばノギスなど)に共通する問題である。
本発明の目的は、十分な防水性を有し、かつ、組み立て効率が向上する測定器を提供することにある。より具体的にいうと、本発明の目的は、測定器の防水性と組み立て効率を向上させるためのシール部材を提供することにある。
本発明のシール部材は、
弾性材で形成されたリング状のシール部材であって、
上面および下面には、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条が径方向に並んで二列以上設けられており、
内周面および外周面には、径方向に張り出す凸条がリング一周に亘って設けられている
ことを特徴とする。
本発明では、
幅方向の線径よりも厚み方向の線径の方が大きい
ことが好ましい。
本発明のマイクロメータは、
本体フレームと、
前記本体フレームに螺合し、回転操作によって進退するスピンドルと、
前記本体フレームに螺入され、回転操作により前記スピンドルの位置を固定するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体フレームとの間に前記シール部材が介装されている
ことを特徴とする。
本発明の測定器は、
本体と、
前記本体に対して移動可能に設けられた移動体と、
前記本体および前記移動体のいずれか一方に螺入され、前記本体および前記移動体のいずれか他方の移動を規制するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体との間に前記シール部材が介装されている
ことを特徴とする。
第1実施形態に係るデジタル式測定器としてマイクロメータを示す図。 図1中のII-II線における断面図であり、クランプ手段の周囲を抜き出して拡大した図。 クランプノブを120°左回転させた状態を示す図。 クランプネジが120°左回転した状態を示す図。 パッキンの斜視図 パッキンの断面図。 6凸パッキンの平面図。 稜線を表わした平面図。 6凸パッキンの正面図。 稜線を表わした正面図。 図7(図8)中のA−A線における断面図。 稜線を表わした断面図。 対比例としてXリングを示す図。 6凸パッキンを上下両面から押したときの変形を説明するための図。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係るデジタル式測定器としてマイクロメータ100を示す図である。
マイクロメータ100は、ほぼU字形であって一端にアンビル111を有する本体フレーム110と、本体フレーム110の他端に螺合し、回転操作によってアンビル111に対して進退するスピンドル120と、スピンドル120の基端側に取り付け固定されたシンブル130と、を備えている。
シンブル130を回転操作することでスピンドル120がネジ送りによって進退するようになっている。また、本体フレーム110には、スピンドル120の移動量を検出するエンコーダ(不図示)が内蔵されている。エンコーダには、光電式、静電容量式、磁気式などがあり、スピンドル120の回転を検出して、その回転数(回転角)をスピンドル120の進退量に換算するものが一般的である。スピンドル120の送りネジ、本体フレーム110の雌ネジ、さらにエンコーダなどは一般的な構成でよく、本実施形態のポイントでも無いので、図示および説明は省略する。
本体フレーム110は、その外側面に、測定値をデジタル表示する表示部112と、プリセット、モード切換え等をする操作部113と、スピンドル120の位置を固定するためのクランプ手段200と、を有している。本実施形態のポイントは、このクランプ手段200にあり、具体的には、クランプと本体フレーム110との隙間をシールする防水用のパッキン(シール部材)に特徴がある。
図2は、図1中のII-II線における断面図であり、クランプ手段200の周囲を抜き出して拡大したものである。図2は、U字型本体フレーム110のうちの他端側に相当する。図2を参照しつつ各部材を順に説明する。
図2において、本体フレーム110の他端側にはスピンドル120を挿通させるための孔114が設けられており、この孔114の一端側から軸受筒115が差し込まれている。スピンドル120は、この軸受筒115を介して本体フレーム110に支持されている。軸受筒115の一端側には、座繰りのように筒孔の周囲に掘られた段部116があり、この段部116には環状のシール部材117が装着されている。このシール部材117は、切断すると断面はU字になっており、一端側に向けてU字の開口が向くように装着されている。このとき、U字の底面が座繰り116の底面に着座し、U字の一方の頂点117Aがスピンドル120の側面に当接し、さらに、U字の他方の頂点117Bが座繰りの内周面に当接している。スピンドル120の回転を許容する必要があるので、スピンドル120の外周面と軸受筒115の内周面との間には極僅かながらクリアランスがあるが、このシール部材117により、スピンドル120の外周面と軸受筒115の内周面との間はシールされる。
次に、クランプ手段200を説明する。
クランプ手段200は、クランプカラー210と、本体フレーム110に螺合されるクランプネジ230と、クランプネジ230の頭部に冠着されたクランプノブ240と、クランプネジ230と本体フレーム110の外表面との間に介装された防水用シール部材としてのパッキン300と、を備える。なお、本体フレーム110には、その他端側において、スピンドル120の軸線に対して直交する軸を有するように雌ネジ孔119が設けられており、この雌ネジ孔119に前記クランプネジ230が螺入される。(この雌ネジ孔119をクランプ孔119と称することとする。)
クランプカラー210は、スピンドル120の外周に被せるように嵌め込まれた筒部材である。クランプカラー210は、クランプ孔119とスピンドル120の間にちょうど介在するように配置される。クランプカラー210は、クランプネジ230の先端がスピンドル120の側面に直に圧接しないように、スピンドル120を保護するためのものである。
クランプネジ230は、本体フレーム110のクランプ孔119に螺入されている。クランプネジ230は、雄ネジ部231と、ネジ頭部232と、を有する。クランプネジ230は回転により進退し、雄ネジ部231の先端がクランプカラー210の側面に対して当接したりわずかに離間したりする。図2では、雄ネジ部231の先端がクランプカラー210の側面に対して当接した状態を示している。
一方、図4は、図2の状態からクランプネジ230が120°左回転した状態であり、雄ネジ部213の先端がクランプカラー210の側面からわずかに離間した状態を示している。
雄ネジ部231の先端がクランプカラー210の側面に当接していれば、スピンドル120の動きが規制され、雄ネジ部231の先端がクランプカラー210の側面から離間すれば、スピンドル120が移動可能になる。雄ネジ部231の長さとしては、その先端がクランプカラー210の側面に当接したときでも、雄ネジ部231の基端側が本体フレーム110の外側面から所定量突出し、ネジ頭部232と本体フレーム110の側面との間に所定のギャップができる程度には必要である。
ネジ頭部232は、雄ネジ部231の基端において雄ネジ部231から鍔のように張り出した円板状であり、ネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面とは所定のギャップを挟んで対向している。
このネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面との隙間にパッキン300が挟み込まれる。
雄ネジ部231のネジピッチとしては、例えば0.5mm程度とすることが例として挙げられるが、要は、90°〜120°程度の回転操作によって雄ネジ部231の先端がクランプカラー210に対して当接したり離間したりできるようになっていればよい。ただし、ネジピッチが大きすぎると、クランプを開放したときにネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面とのギャップが広くなり過ぎてしまうので、これは好ましいことではない。
クランプノブ240は、ネジ頭部232に冠着されている。クランプノブ240を表面から見ると(例えば図1)、全体的にほぼ円形であるが、ユーザが指でつまみやすいようにつまみ部241が設けられている。
つまみ部241を設けるにあたっては、高さを出すために、つまみ部241の両側面においてクランプノブ240の表面を少し窪ませる(符号242は窪みを示す)。そして、径方向において、つまみ部241の先端がクランプノブ240の円形の輪郭から僅かに突出するようにする。このようにつまみ部241の先端を円形の輪郭から突出させることにより、つまみ部241の先端をストッパとして機能させることができる。
図3は、クランプノブ240を120°左回転させた状態を示している。
本体フレーム110の外表面においてクランプノブ240の近傍に係止部115を突起させておく。(ここでは、係止部115は、本体フレーム110の縁である。)そして、つまみ部241の先端が係止部115で止められるようにしておけば、クランプノブ240が過剰に回されるのを防ぐことができる。
クランプノブ240が過剰に回されてしまうと、ネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面とのギャップが広く空いてしまい、シールしきれなくなる。したがって、このような回り止め手段を設けておき、ユーザが慌てていたり、力を入れすぎたりしてしまった場合であってもクランプネジ230が緩み過ぎないようにしておくことが好ましい。
また、図2の断面図において示されるように、ネジ頭部232はクランプノブ240に圧入されるようになっている。すなわち、クランプノブ240を裏面から見ると、クランプノブ240は浅い筒状であって、筒の口にはカエシ(バーブ)が設けられている。この圧入により、クランプネジ230とクランプノブ240とは一体化する。(なお、本明細書では、クランプネジ230とクランプノブ240とが一体化したものを単に“クランプ220”と称することがある。)
本実施形態の特徴であるパッキン300について説明する。
パッキン300は、ネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外表面との間に介装され、クランプ孔119の口を環囲してクランプ孔119をシールするものである。
なお、ネジ頭部232をもっと小さくしてクランプノブ240の裏面と本体フレーム110の外表面との間にパッキン300を介装してもよいが、積み上げ誤差を考慮すると、ネジ頭部232と本体フレーム110とでパッキン300を挟むようにした方がよい。
図5はパッキン300の斜視図であり、図6は、パッキン300の断面図である。
パッキン300は、リング(円環)状の弾性体であり、例えば弾性ゴムで形成されている。本実施形態のパッキン300において特徴的なのはその形状にあり、断面でみたときに複数の凸部311、を有している。このパッキン300の形状は新規なものであって慣用された名称があるわけではないので、本明細書においては便宜上“多凸パッキン300”と称することとする。本実施形態の図5、図6の場合、凸部は6つあるので、このパッキン300を具体的に6凸パッキン300と称することとする。
6凸パッキン300の形状を説明する。
説明の便宜のため、図6のように座標軸を決める。すなわち、リング状である6凸パッキン300の中心点を原点Oとする。さらに、リング状である6凸パッキン300の中心軸をとり、この中心軸に沿ってz軸をとる。z軸に直交する2軸をそれぞれx軸、y軸とする。
そして、6凸パッキン300の+z側の面を上面とし、−z側の面を下面とする。(言い換えると、図5、図6において、紙面に表れている面が上面である。)なお、6凸パッキン300の側面のうち、リングの外側面を外周面と称し、リングの内側面を内周面と称する。
6凸パッキン300は、その断面(図6)を見て明らかなように、上面に二つの凸部311、312を有し、下面にも二つの凸部321、322を有する。(言うまでもないことであるが、上面にある二つの凸部311、312は+z方向に凸であり、下面にある二つの凸部321、322は−z方向に凸である。)
上面においても下面においても、リングの内側と外側とにそれぞれ凸部311、312、321、322を有し、二つの凸部(311と312、321と322)の間は窪んでいる。
上面の二つの凸部311、312を、内側にあるものから順に上第1凸部311、上第2凸部312とする。すなわち、上面の内側にある凸部を上第1凸部311とし、上面の外側にある凸部を上第2凸部312とする。上第1凸部311と上第2凸部312との間の凹部を上凹部313とする。
同様に、下面の二つの凸部321、322を、内側にあるものから下第1凸部321、下第2凸部322とする。すなわち、下面の内側にある凸部を下第1凸部321とし、下面の外側にある凸部を下第2凸部322とする。下第1凸部321と下第2凸部322との間の凹部を下凹部323とする。
これら凸部311、312、321、322の高さは、リング一周できれいに均一に揃っている。(高さが凸凹するようなことが無いようになっている。)そして、上面側にある上第1凸部311と上第2凸部312とは同じ高さで揃っており、下面側にある下第1凸部321と下第2凸部322とは同じ高さで揃っている。
なお、本実施形態では、上面側にある凸部(上第1凸部311、上第2凸部312)と下面側にある凸部(下第1凸部321、下第2凸部322)とも高さが同じである。(z座標値でいうと、正負が反対で絶対値(大きさ)が同じ、ということである。)
さらに、6凸パッキン300は、外周面と内周面とにそれぞれ一つずつ径方向に張り出す凸部331、332を有する。内周面の凸部を内周凸部331とし、外周面の凸部を外周凸部332と称する。
6凸パッキン300の形状としては、必須条件というわけではないが、幅方向よりも高さ方向(厚み方向)が長い方が好ましい。
図6において、外周凸部332の頂点と内周凸部331と頂点との間の距離をWとする。また、上第1凸部311(上第2凸部312)の頂点と下第1凸部321(下第2凸部322)の頂点との間の距離をHとする。このとき、H>Wである。
念のために記載しておくが、ここでいう幅Wは、リングの直径を言うわけではなく、線径のうちで径方向のことである。(線径のうちで厚み方向がHである。)
また、上面と下面とに二列以上(複数列)の凸部(凸条)がある、ということの意味は明確であろうと思われるが、逆にいうと、上面と下面とにリング一周に亘る凹条が少なくとも1以上ある、ということと同義である。
内周凸部331および外周凸部332は“径方向に張り出す”と表現したが、これは、真っ直ぐストレートに形成された側面に比べて内側に(または外側に)張り出す、ということであって、はっきりとした曲率の変化を持って張り出す場合もあれば、側面全体が内側に凸または外側に凸な円弧の一部となっているような場合もあるであろう。
6凸パッキン300の形状をより詳細に表わすため、図7〜図12を示す。
図7は、6凸パッキン300の平面図である。
図8は、稜線を表わした平面図である。
図9は、6凸パッキン300の正面図である。
図10は、稜線を表わした正面図である。
図11は、図7(図8)中のA−A線における断面図である。
図12は、稜線を表わした断面図である。
多凸パッキン(6凸パッキン)300は、このように複数の凸部311、312、321、322を有するという形状によりクランプ手段200の防水性を格段に向上させるという作用効果を発揮する。
順に説明する。
(1)接触抵抗の低減
6凸パッキン300においては上面側と下面側とにそれぞれ二つの凸部311、312、321、322があり、これにより二つの凸部311、312、321、322の間に凹部313、323ができる。このように凹部313、323を形成しておくことで、断面円形の単純なOリングの場合と比べて、6凸パッキン300とネジ頭部232との接触面積が減少し、さらに、6凸パッキン300と本体フレーム110との接触面積も減少する。
ここで、クランプ220は回転操作されるものであるので、接触面積が大きいとクランプ220と本体フレーム110との間に挟まれたパッキン300には大きな捻り力が掛かる。パッキン300は弾性ゴムであるので、大きな力で繰り返し捻られると損傷してしまう。
従来の断面円形のOリングの場合、防水性を高めようとしてネジ頭部232と本体フレーム110とのギャップを狭くすると、接触面積が大きくなるので接触抵抗が大きくなってしまうという問題が発生する。したがって、両者のトレードオフが最適になるようなギャップになるようにクランプ220および本体フレーム110を設計する必要があるが、クランプ220の回転でギャップが変動することを考えると、これはかなり難しい設計となる。
この点、本実施形態では、接触面積を減少させて接触抵抗を減らし、6凸パッキン300に過剰な捻り力が掛かることを防ぐことができる。
また、凹部313、323があることで接触面積が自然と減少するので、6凸パッキン300を厚み方向にしっかり押し潰すようにすることができる。言い換えると、圧縮量の許容量が大きくなる。したがって、クランプ220の回転操作でクランプ220と本体フレーム110とのギャップが変動しても、この変動分を6凸パッキン300の弾性変形で十分に補うことができる。
さらには、例えば、ネジ頭部232と本体フレーム110とのギャップを狭めに設計したり、6凸パッキン300の厚みを大きくしたり(例えば凸部311、312、321、322の高さを高くする)することができる。このことは、組み立て工程のなかで部品を選定し直したり、組み付け直したりする手間を削減することに繋がり、組み立て効率の向上に繋がる。
このように、本実施形態の多凸パッキン(6凸パッキン)300によれば接触抵抗の低減を図ることができ、このことは、耐久性の向上、防水性の向上、さらには、組み立て効率の向上、といった格別の効果を生む。
なお、単純に“接触面積を減らす”と考えるとOリングの断面形状を縦長の楕円にしてもいいように思えるが、これでは、パッキンとクランプとの接触(パッキンと本体フレーム110との接触も同じ)が細い一本の線だけになってしまう。また、単に縦長の楕円では、クランプ220と本体フレーム110とで挟まれたときに位置や姿勢が安定しにくいという問題も有り得よう。
この点、本実施形態の6凸パッキン300であれば、パッキン300とクランプ220との接触(パッキン300と本体フレーム110との接触も同じ)が二重の線になるので、その分防水性が高まるし、パッキン300に幅があるので位置、姿勢も安定しやすい。
(2)形状安定性
6凸パッキン300においては、内周側と外周側とにそれぞれ凸部331、332を有している。
これにより、厚み方向に押しつぶされたときでも上面および下面の凸部(上第1凸部311、上第2凸部312、下第1凸部321、下第2凸部322)が形状を保ち、クランプ220と本体フレーム110との間をしっかりシールできるという効果を生む。
このことを従来技術として知られているXリングと比較してみる。
Xリングは、例えば、特開2012−225367号公報や特開2004−301289号公報に開示されている。
Xリング500は、図13に例示するように、断面がX字状であって、6凸パッキン300との対比で言えば、外周面と内周面とが張り出しているのではなく逆に窪んでいるわけである。
このような形状の場合、厚み方向に圧縮されたときに例えば図13に示すようにX字のそれぞれの辺が倒れてしまうであろう。すなわち、弾性圧縮されるというよりは、“倒れる”、という表現が適切であるような変形を示すであろう。
これに対して、本実施形態の6凸パッキン300であれば、例えば図14に例示するように、上面および下面の凸部(上第1凸部311、上第2凸部312、下第1凸部321、下第2凸部322)は、形状を保ったまま弾性圧縮される。
図13と図14とを比べたとき、より大きな反力が期待できるのは図14の6凸パッキン300であることは明らかであろう。したがって、本実施形態の6凸パッキン300により防水性が向上する。
(3)製造時の成形性
本実施形態の6凸パッキン300は製造がより容易である。
例えば、先のXリング500は、外周面と内周面とが窪んでいるわけであるが、真ん中が窪んでいる形状を金型で成形するのは容易ではない。(例えば、断面がX字の長い線(ヒモ)を作っておいてから所定長さに切り、そして端同士を接着する、という工程になるであろう。)
これに対し、本実施形態の6凸パッキン300であれば、上面側の金型と下面側の金型とで容易に成形できることはご理解頂けるであろう。これは製造効率の向上、ひいてはコスト低減に大いに資する。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上面に二つの凸部311、312があり、下面にも二つの凸部321、322があるとしたが、これら凸部の数を3つ、4つにしても同じ作用効果が得られることは自明であろう。
また、上面と下面とで凸部の数が違っていてもよい。
例えば、上面に二つの凸部311、312を設け、下面には三つの凸部を設けてもよい。
マイクロメータに限らず、移動体をクランプで固定したり開放したりすることが必要なデジタル式測定器(例えばノギスなど)でも本発明のクランプ構造および多凸パッキンは適用できる。
100…マイクロメータ、110…本体フレーム、111…アンビル、112…表示部、113…操作部、114…孔、115…軸受筒、115…係止部、116…段部、117…シール部材、117A…頂点、117B…頂点、119…クランプ孔、120…スピンドル、130…シンブル、200…クランプ手段、210…クランプカラー、213…雄ネジ部、220…クランプ、230…クランプネジ、231…雄ネジ部、232…ネジ頭部、240…クランプノブ、241…つまみ部、242…窪み、300…6凸パッキン、311…上第1凸部、312…上第2凸部、313…上凹部、321…下第1凸部、322…下第2凸部、323…下凹部、331…内周凸部、332…外周凸部、500…Xリング。

Claims (4)

  1. 本体フレームと、
    前記本体フレームに螺合し、回転操作によって進退するスピンドルと、
    前記本体フレームに螺入され、回転操作により前記スピンドルの位置を固定するためのクランプと
    前記クランプと前記本体フレームとの間に介装され、弾性材で形成されたリング状のシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材における厚み方向の一方の面である前記クランプの側の面および当該厚み方向の他方の面である前記本体フレームの側の面には、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条が径方向に並んで二列以上設けられており、
    前記シール部材の内周面および外周面には、径方向に張り出す凸条がリング一周に亘って設けられている
    ことを特徴とするマイクロメータ。
  2. 請求項1に記載のマイクロメータにおいて、
    前記シール部材は、方向の線径よりも厚み方向の線径の方が大きい
    ことを特徴とするマイクロメータ
  3. 本体と、
    前記本体に対して移動可能に設けられた移動体と、
    前記本体および前記移動体のいずれか一方に螺入され、前記本体および前記移動体のいずれか他方の移動を規制するためのクランプと
    前記クランプと前記本体との間に介装され、弾性材で形成されたリング状のシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材における厚み方向の一方の面である前記クランプの側の面および当該厚み方向の他方の面である前記本体の側の面には、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条が径方向に並んで二列以上設けられており、
    前記シール部材の内周面および外周面には、径方向に張り出す凸条がリング一周に亘って設けられている
    ことを特徴とする測定器。
  4. 請求項3に記載の測定器において、
    前記シール部材は、方向の線径よりも厚み方向の線径の方が大きい
    ことを特徴とする測定器
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