JP6207967B2 - 林相解析装置、林相解析方法及びプログラム - Google Patents

林相解析装置、林相解析方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、航空レーザ計測データから森林の樹種を判別する林相解析装置、林相解析方法及びプログラムに関し、さらに詳しくは、森林の林相区画における樹種を判別する林相解析装置、林相解析方法及びプログラムに関する。
林相は樹種・樹齢、樹冠や木の生育状態などによる森林の様子・形態であり、林相区画は林相によって区分された森林領域である。一般に、林相区分図は林相区画における林相のタイプ(林相区分)を判別することで作成される。
ここで、航空機などによる上空からのリモートセンシングは、広範囲での地上の状況把握が可能であり、林相区分図の作成などの林相の解析に利用されている。具体的には、従来、林相の解析には主として航空写真等の上空からの高分解能画像データが利用されている。そして当該データを利用した林相区画の抽出や林相区分図の作成は基本的に人間が実体視鏡やデジタル図化機等を用いて目視判読で行っている。しかし、広範囲にわたる林相判読は膨大な労力・時間を要するため、自動的に林相解析を行う手法の研究が進められている。
他のリモートセンシング技術として航空レーザ計測がある。航空レーザ計測で取得した3次元点群データは森林の地形や樹高の計測、立木密度や材積の推定などに幅広く利用されているが、林相区画や林相区分図作成に関しては、航空写真等の画像データと併用することが多い。
なお、下記特許文献1には航空レーザ計測データのみを用いて植生図を作成する技術が示されているが、林相区画を単位としたレーザ計測データに対応する画素の特徴量を利用した林相区分図の作成は示されていない。
特開2013−54660号公報
航空写真を用いた林相解析は、撮影の時期、撮影の方向・角度、及び太陽の方位角・高度角などにより画像が影響を受けるので精度が低下し得、またそれを避けようとすると撮影機会が制限されるという問題を有する。この点、航空レーザ計測は地物の3次元構造情報を直接計測によって取得し、またレーザを自ら照射する能動的なセンシングであるのでデータ収集時に関する条件が緩やかである。そのため、航空レーザ計測に基づく解析では、より安定かつ正確に林相区分図の作成などの林相解析が可能となる。
一方、航空レーザ計測データを用いた従来の林相解析の多くは、航空レーザ計測データに含まれ得る情報のうち高さや反射強度など単純な情報しか利用していない。それ故、航空レーザ計測データのみを用いた林相区分図の作成が難しく、上述のように航空写真と併用せざるを得ないといった問題が存在している。航空写真とレーザデータとを併用する解析手法は、航空写真を用いた解析の上述の問題を有する上、撮影やデータ処理のコストが増えるという問題を有する。
そこで本発明は、林相区分の判別を、画像データに頼らず航空レーザ計測データのみを利用して、かつ自動的に行うことを可能とする林相解析装置、林相解析方法及びプログラムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る林相解析装置は、森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出手段と、前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別手段と、を有する。
(2)上記(1)に記載する林相解析装置において、前記1又は複数種類の特徴量は、レーザの照射パルスに対する反射パルスの個数に応じて定まる各計測地点での反射パルス指標を含む構成とすることができる。
(3)上記(1)又は(2)に記載する林相解析装置において、前記1又は複数種類の特徴量はレーザの反射強度を含む構成とすることができる。
(4)上記(2)又は(3)に記載する林相解析装置において、前記特徴量はさらに樹高を含んでもよい。
(5)上記(2)から(4)に記載する林相解析装置において、前記特徴量はさらに、レーザの反射強度を画素値とした前記対象地域での画像を二値化したパターンから抽出されたテクスチャ特徴量を含んでもよい。
(6)本発明に係る林相解析方法は、森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出ステップと、前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別ステップと、を有する。
(7)本発明に係るプログラムは、コンピュータに林相解析を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出手段、及び、前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別手段、として機能させる。
本発明によれば、林相区分の判別を、画像データに頼らず航空レーザ計測データのみを利用して、かつ自動的に行うことが可能となる。
本発明の実施形態である林相解析システムの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態である林相解析システムの概略のデータフロー図である。 航空レーザ計測データから得られる特徴量の例を説明する模式図である。 特徴量抽出部の概略の処理フロー図である。 対象地域の空中写真画像(オルソ画像)の一例である。 図5に示す対象地域のFPR画像の一例である。 図5に示す対象地域のIPR画像の一例である。 図5に示す対象地域のRI画像の一例である。 図5に示す対象地域のBRI画像の一例である。 図5に示す対象地域のDCHM画像の一例である。 図3に示す特徴量に基づく林相分類の決定木の例を示す模式図である。 対象地域の空中写真画像(オルソ画像)の一例である。 図12に示す対象地域での決定木手法による林相分類の途中結果を示す模式図である。 図12に示す対象地域での決定木手法による林相分類で作成された林相区分図である。 図12に示す対象地域での最近隣法による林相分類で作成された林相区分図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態である林相解析システム2の概略の構成を示すブロック図である。本システムは、演算処理装置4、記憶装置6、入力装置8及び出力装置10を含んで構成される。演算処理装置4として、本システムの処理を行う専用のハードウェアを作ることも可能であるが、本実施形態では演算処理装置4は、コンピュータ及び、当該コンピュータ上で実行されるプログラムを用いて構築される。
演算処理装置4は、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)からなり、後述する特徴量抽出部20、林相区分決定部22として機能する。
記憶装置6はROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置である。記憶装置6は演算処理装置4にて実行される各種のプログラムや、本システムの処理に必要な各種データを記憶し、演算処理装置4との間でこれらの情報を入出力する。例えば、記憶装置6には、航空レーザ計測データ30及び林相区画データ32が予め格納される。
航空レーザ計測データ30は、例えば、航空機やヘリコプターなどに搭載されたレーザ計測システムを用いて取得される。レーザ計測システムはレーザスキャナ及びGPS/IMU(Global Positioning System/Inertial Measurement Unit)を含んで構成される。レーザスキャナは上空から地上へ向けてレーザパルスを掃射し、その反射パルスを受信する。航空レーザ計測データ30の取得に用いるレーザスキャナは近赤外レーザパルスを照射し、また1つの照射パルスに対する所定数(例えば、4点とする装置が多い)の反射パルスを記録できるものを用いる。レーザスキャナによりレーザパルスの反射強度、レーザパルスの照射方向、パルスの発射から受信までの時間差が得られ、一方、GPS/IMUにより航空機の位置・姿勢が得られ、これらのデータからレーザパルスの反射点の座標が算出される。航空レーザ計測データ30には例えば、レーザパルスの反射強度、レーザパルスごとの各反射点の座標が含まれる。
林相区画データ32は、森林を含む対象地域における林相区画を表すデータであり、本システムによる林相区分図の生成の前提として予め記憶装置6に格納される。林相区画データ32は例えば、人間が航空写真等を目視判読して抽出したものを用いることができる。また、本システム又は他のシステムにて航空写真又は航空レーザ計測データ30から林相区画データ32を自動生成してもよい。
入力装置8は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが本システムへの操作を行うために用いる。
出力装置10は、ディスプレイ、プリンタなどであり、本システムにより生成された林相区分図を画面表示、印刷等によりユーザに示す等に用いられる。また、林相区分図のデータを他のシステムで利用できるよう、データとして出力してもよい。
図2は林相解析システム2における概略のデータフロー図である。特徴量抽出部20は航空レーザ計測データ30から特徴量を抽出する。本実施形態では特徴量抽出部20は特徴量を抽出し特徴量画像(特徴量画像データ40)を生成する。林相区分決定部22は林相区画データ32と特徴量画像データ40とを入力され、各林相区画における林相を判読して林相区分図(林相区分図データ42)を自動生成する。
特徴量抽出部20は、航空レーザ計測データ30に基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を対象地域の各計測地点について求め、当該特徴量を画素値とする対象地域の特徴量画像を生成する。このとき、特徴量が取得される計測地点間にて内挿処理を行い、各画素での特徴量を定義する。
特徴量は航空レーザ計測データ30に基づいて生成され、その値や値の分布範囲に林相に応じて差異が生じる量である。図3は特徴量の例を説明する模式図であり、森林を含む或る対象地域を秋に観測した例を示している。同図には複数の特徴量それぞれについて観測により得られた数値が示されており、例えば、“D”に対応する数値は広葉樹林での特徴量の値であり、同様に、“H”,“S”,“NF”の数値はヒノキ林、スギ林、非森林領域での値である。
NDSM(Normalized Digital Surface Model)は数値表層モデル(Digital Surface Model:DSM)に含まれる数値標高モデル(Digital Terrain Model:DTM)の影響を除去し正規化したDSMである。ちなみに、航空レーザ計測データ30からDSM及びDTMを生成し、DSMからDTMを減算してNDSMが生成される。NDSMが森林から想定される或るしきい値(例えば、図3の例では15cm程度)より低い場所は、水域、草地、更地などの非森林領域(NF)とすることができる。また、建物の領域ではNDSMから得られる高さが建物に想定されるしきい値以上で、高さの分散が森林に比べて小さくなる場合がある。よって、NDSMは森林領域と非森林領域である建物領域とを区別し得る。
NDSMは森林領域では樹高を反映する。森林地域ではレーザの反射パルスのうちファーストパルスに基づいてDSMを生成し、ラストパルスに基づいてDTMを生成し、DSMからDTMを減算してデジタル樹冠高モデル(Digital Canopy Height Model:DCHM)が生成される。DCHMは樹高を表すデータとして用いられる。図3には示していないが、樹高は森林の生育状況、樹齢といった林相情報を反映する。
レーザパルスの反射強度(Reflection Intensity:RI)は、樹木の反射断面積や吸収率を反映する。特に、近赤外領域の波長を有する光に対する反射率の相違は、従来より植生のリモートセンシングに利用されている。図3に示す観測結果では、ヒノキ林(H)及び広葉樹林(D)がスギ林(S)より高い値を示している。ちなみに反射強度はファーストパルスの強度に基づいて定義している。なお、計測に用いられるレーザスキャナの照射パルスの強度が一定であれば、反射強度は反射パルスの強度の絶対値で表すことができ、一方、照射パルスの強度が変わり得る場合には、反射強度は照射パルスの強度で規格化した相対値で表すのが好適である。
図3には、反射パルス指標の例として、トータルパルス(Total Pulse:TP)、ファーストパルス比(First Pulse Ratio:FPR)、及び中間パルス比(Intermediate Pulse Ratio:IPR)を示している。ここで、レーザの照射パルスに対する反射パルスの個数に応じて定まる値を反射パルス指標と総称している。その指標値は各計測地点にて定義される。マルチパルス機能を有したレーザスキャナにより取得した航空レーザ計測データに基づく反射パルス指標は森林の内部の構造情報を反映し得る。
TPは各照射パルスに対する反射パルスの総数に基づく指標であり、例えば、地表の計測地点の単位面積当たりでの反射パルス数とすることができる。なお、上述のようにマルチパルス機能を有したレーザスキャナにより取得したTPは基本的に、単位面積の地表への照射パルス数とは必ずしも一致しない。
図3に示すように、ヒノキ林(H)、スギ林(S)及び広葉樹林(D)におけるTPは、広葉樹林、スギ林、ヒノキ林の順に小さくなる結果が観測された。
FPRは、計測地点の例えば単位面積からの反射パルス総数(つまりTP)に対するファーストパルスの数の比の値である。ちなみにファーストパルスは照射パルスに対して最初に検知される反射パルスである。例えば、単位面積に2発のレーザパルスが照射され、1発に対しては2つの反射パルスが受信され、他の1発に対しては3つの反射パルスが受信された場合、TPは5、ファーストパルスの数は2となるので、FPRは2/5、つまり40%である。
IPRは、計測地点の例えば単位面積からの反射パルス総数(つまりTP)に対する中間パルスの数の比の値である。ちなみに中間パルスは照射パルスに対する反射パルスのうち最初に検知されるファーストパルス及び最後に検知されるラストパルスを除いた残りのパルスであり、1つの照射パルスに対する反射パルスの数が1又は2の場合は中間パルスの数は0となる。例えば、単位面積に2発のレーザパルスが照射され、1発に対しては2つの反射パルスが受信され、他の1発に対しては3つの反射パルスが受信された場合、TPは5、中間パルスの数は1となるので、IPRは1/5、つまり20%である。
図3の観測結果においてFPRは基本的にTPに反比例する傾向を示している。またIPRは基本的にTPと正の相関を有するが、樹種間における差異の程度はTPとIPRとで異なる。なお、FPR、IPRは無次元量であり、レーザパルスの照射密度の影響を受けにくい。
図4は特徴量抽出部20の概略の処理フロー図である。本実施形態では、特徴量抽出部20は、特徴量として反射パルス指標、反射強度及び樹高を利用する。反射パルス指標に関してはFPR(又はIPR)を特徴量として利用する。また反射強度の二値化画像から得られるテクスチャ情報も特徴量として利用する。
すなわち、特徴量抽出部20は航空レーザ計測データ30からFPR又はIPRを算出し(S30)、反射強度を取得し(S32)、またDCHMを生成する(S34)。
特徴量抽出部20は特徴量として算出したFPR又はIPRから特徴量画像であるFPR画像又はIPR画像を生成し(S40)、また反射強度、DCHMからそれぞれ特徴量画像であるRI画像、DCHM画像を生成する(S42,S44)。さらに、特徴量抽出部20はRI画像を二値化処理してBRI(Binary Reflection Intensity)画像を生成する(S46)。ここで、二値化のしきい値は大津の手法により決定することができる。
図5は対象地域の空中写真画像(オルソ画像)の一例である。図6〜図10は図5に示す対象地域にて取得された航空レーザ計測データ30に基づく特徴量画像の例であり、図6はFPR画像、図7はIPR画像、図8はRI画像、図9はBRI画像、図10はDCHM画像である。
林相区分決定部22は、対象地域に設定された区画ごとの特徴量に基づいて、当該区画における林相(林相区分)を判別する林相判別手段である。林相区分決定部22は、林相区画データ32から林相区画を取得し、当該林相区画の林相を判別する。例えば、林相区分決定部22は、決定木手法、最近隣法、マッチング法などを用いて林相を判別する。以下、ここに例として挙げた各手法による林相判別処理を説明する。
(1)決定木手法
図11は図3に示す特徴量のうちNDSM(DCHM)、RI、FPR及びIPRを用いた決定木の例を示す模式図である。既に述べたようにNDSMが森林から想定される或るしきい値より低い場所は、水域、草地、更地などの非森林領域(NF)とすることができる。そこで決定木のルート50では、DCHM画像の画素値の平均値がTh1未満か否かを判断しTh1未満の区画を非森林に分類する。例えば、しきい値Th1は図3に示す観測値からは15cmに設定することができる。
一方、ノード50にてしきい値以上であった区画はノード52に分岐する。ノード52では、RIとIPRとの比の値RI/IPRがしきい値Th2より大きいか否かを判断する。RIについてはヒノキ林(H)及び広葉樹林(D)がスギ林(S)より大きい値を示す。IPRについては、Hが最も小さい値を示し、Dが最も大きい値を示す。よって、HのRI/IPRの値が最も大きくなり、ノード52ではヒノキ林(H)が他の2つの樹種から弁別される。例えば、RI/IPRのしきい値Th2は、図3に示す観測値に対しては11に設定することができ、RI/IPRがTh2を超える区画をヒノキ林(H)に分類する。なお、図3の観測値ではIPRのみでD,S,Hを弁別し得るが、HとSとは比較的近い値である。この点、RIはHとSとを弁別可能である。よって、RIとIPRとを組み合わせたRI/IPRではHとSとの差異が強調され、RI/IPRを用いたヒノキ林の弁別はIPRのみを用いた判別より精度が向上する。
ノード52にてしきい値以下であった区画はノード54に分岐する。ノード54では、RIとFPRとの比の値RI/FPRがしきい値Th3より小さいか否かを判断する。RIについてはSがDより小さい値を示す。FPRについては、SがDより大きい値を示す。よって、スギ林のRI/FPRの値は広葉樹林の値よりも大きくなり、ノード54ではスギ林が広葉樹林から弁別される。例えば、RI/FPRのしきい値Th3は、図3に示す観測値に対しては1.25に設定することができ、RI/FPRがTh3より小さい区画をスギ林に分類する。一方、ノード54にてしきい値Th3以上であった区画は広葉樹林に分類する。なお、RI及びFPRそれぞれを単独に用いた場合よりもそれらを組み合わせたRI/FPRではSとDとの差異が強調され弁別精度が向上する。
図12は対象地域の空中写真画像(オルソ画像)の一例であり、図5の画像のほぼ中央から右側の部分に対応する。図13及び図14は図12に示す対象地域にて決定木手法での分類結果を示す模式図である。図13及び図14には林相区画データ32による林相区画の境界線が示されている。図13は決定木手法による林相分類の途中結果を示している。具体的には図13にはルート50及びノード52で分類された非森林区画60及びヒノキ林区画62が示されている。図14は決定木手法による林相分類で作成された林相区分図であり、図13に示した非森林区画60及びヒノキ林区画62に加え、ノード54で分類されたスギ林区画64及び広葉樹林区画66が示されている。
(2)最近隣法
最近隣法は教師付き分類の1種であり、教師付き分類は教師データ(トレーニングデータ)と呼ばれる予め分類結果が定まっているデータを用いて未分類データを分類する。例えば、分類対象のオブジェクトは、教師データに基づいて定義されるクラスのうち、当該オブジェクトに最も近いオブジェクトを有するクラスに割り当てられる。
上述の決定木手法で見たようにRI及び反射パルス指標(FPR,IPR)を用いて林相を弁別できることに対応して、林相区分決定部22は例えば、RI及び反射パルス指標を含む複数種類の特徴量の組を予め定められた関係式で色空間における座標値に変換して画素値を定義したカラー画像を生成する。林相区分決定部22は複数種類の特徴量から画素値として例えばRGB値を定義する。この場合、最近隣法におけるオブジェクト間の距離は色空間での距離で定義することができる。なお、例えば、RGB値はそれぞれ次式で定義することができる。BRIはBRI画像に現れるパターンのテクスチャ特徴量で与えられ、例えばBRI画像の画素値の平均値などの統計量を用いることができる。
R=1/3・RI+1/3・FPR+1/3・BRI
G=RI
B=1/4・RI+1/4・FPR
教師データはユーザにより与えられる。ユーザは例えば、林相区画データ32で与えられる林相区画のうち林相を判読したものを教師データとして選択する。林相区分決定部22は教師データを用いて、例えば図12に示す対象地域の林相区画の林相を最近隣法により判別し、図15に示す林相区分図を作成する。
(3)マッチング法
マッチング法はテンプレートと呼ばれる予め分類結果が定まっているデータを用いて未分類データを分類する。例えば、林相区分決定部22は、上述の最近隣法で説明したような特徴量に基づくカラー画像を生成し、そのRGBデータに基づいて分類対象のオブジェクトとテンプレートとの距離を定義する。そして、分類対象を距離が最も近いテンプレートの林相に分類する。
林相区分決定部22は例えば、オブジェクト内の画素値に基づくヒストグラムを求め、オブジェクト間の距離を当該ヒストグラム間の距離で定義することができる。例えば、画素値を構成するRGB値の平均値、つまり(R+G+B)/3のヒストグラムを用いることができる。また、ヒストグラムの距離は例えば、Matsusita Distanceを用いて測ることができる。
以上、3つの手法を説明したが、これらは図3に示すような航空レーザ計測データ30から得られる特徴量に基づく林相判別に用いることができる手法の例であり、これ以外の手法で当該特徴量に基づいて林相を判別することもできる。また、上述の各手法で説明した、林相判別に利用する特徴量及びその組み合わせ、カラー画像やヒストグラムの距離の定義などは一例であり、これに限定されない。例えば、上述のマッチング法の例では複数の特徴量をRGB値の平均値という形で1つの値にし、これについてのヒストグラムについてマッチングを行っているが、複数の特徴量それぞれを座標軸とした多次元空間でのヒストグラムについてマッチングを行うこともできる。
また、どの特徴量を用いるかに関しては、図3から理解されるように、反射パルス指標(TP,FPR,IPR)には3種類の樹種(ヒノキ林、スギ林及び広葉樹林)間に差が存在し、反射パルス指標のみで樹種の弁別は可能であるが、これにRIを組み合わせることで、3つの樹種がより正確に弁別される。これらにDCHMを加えて林相区分決定部22による処理を行うことで、樹種の弁別に加え、樹高の弁別ができ、例えば、同じ樹種の樹齢が異なる林相を区別できる。よって、反射パルス指標、RI及びDCHMの全部の組み合わせは、それらのうちのいずれか2つの組み合わせ又は1つのみよりも好適な林相区分が可能である。
一方、反射パルス指標及びRIを併用しDCHMを利用しない場合に林相区分決定部22により作成される林相区分図では、樹高は弁別されないものの、樹種の弁別は好適になされる。
また、上述したように、反射パルス指標のみで3種類の樹種の弁別は可能であるので、例えば、FPRのみを利用して林相区分図を作成することも可能である。さらに、反射パルス指標とDCHMとを組み合わせると、樹高の弁別がなされるので、反射パルス指標のみの場合より好適な林相区分が可能である。
RIはスギ林を広葉樹林及びヒノキ林から区別できる。よって、RIのみを用いてもスギ林と他の2つの樹種とが区分けされた林相区分図を作成することができる。
また、BRIを用いることにより、スギ林やヒノキ林など異なる針葉樹の違いを強調することができ、それらの弁別精度が向上する。
なお、どの特徴量を用いると好適な林相区分図が作成されるかは、林相の判別手法によっても異なり得る。
以上説明したように、本発明による林相解析システム2は航空レーザ計測データ30のみを利用し林相区分図を自動生成する。
なお、本実施例では林相区画を対象として林相を判別しているが、必ずしもこれに限られず、例えば、BRI画像を除く特徴量画像の画素を判別対象としてもよい。
2 林相解析システム、4 演算処理装置、6 記憶装置、8 入力装置、10 出力装置、20 特徴量抽出部、22 林相区分決定部、30 航空レーザ計測データ、32 林相区画データ、40 特徴量画像データ、42 林相区分図データ。

Claims (6)

  1. 森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出手段と、
    前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別手段と、
    を有し、
    前記1又は複数種類の特徴量は、レーザの照射パルスに対する反射パルスの個数に応じて定まる各計測地点での反射パルス指標として、前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対するファーストパルスの数の比の値、及び前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対する中間パルスの数の比の値の少なくとも一方を含むこと、
    を特徴とする林相解析装置。
  2. 請求項1に記載の林相解析装置において、
    前記1又は複数種類の特徴量はレーザの反射強度を含むこと、を特徴とする林相解析装置。
  3. 請求項又は請求項に記載の林相解析装置において、
    前記特徴量はさらに樹高を含むこと、を特徴とする林相解析装置。
  4. 請求項から請求項のいずれか1つに記載の林相解析装置において、
    前記特徴量はさらに、レーザの反射強度を画素値とした前記対象地域での画像を二値化したパターンから抽出されたテクスチャ特徴量を含むこと、を特徴とする林相解析装置。
  5. 森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出ステップと、
    前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別ステップと、
    を有し、
    前記1又は複数種類の特徴量は、レーザの照射パルスに対する反射パルスの個数に応じて定まる各計測地点での反射パルス指標として、前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対するファーストパルスの数の比の値、及び前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対する中間パルスの数の比の値の少なくとも一方を含むこと、
    を特徴とする林相解析方法。
  6. コンピュータに林相解析を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
    森林を含む対象地域をスキャンして取得した航空レーザ計測データに基づき、予め定められた1又は複数種類の特徴量を求める特徴量抽出手段、及び、
    前記対象地域に設定された区画ごとの前記特徴量に基づいて、当該区画における林相を判別する林相判別手段、
    として機能させ
    前記1又は複数種類の特徴量は、レーザの照射パルスに対する反射パルスの個数に応じて定まる各計測地点での反射パルス指標として、前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対するファーストパルスの数の比の値、及び前記計測地点の単位面積からの反射パルス総数に対する中間パルスの数の比の値の少なくとも一方を含むこと、
    を特徴とするプログラム。
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