JP6207802B1 - バリア放電型点火装置 - Google Patents

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Abstract

無点火放電を生じさせるバリア点火プラグの印加電圧を精度よく判定できるバリア放電型点火装置を提供する。燃焼支援制御において、電圧検出回路(14)により検出した印加電圧に基づいて、交流周期における1周期前の印加電圧と今周期の印加電圧との電圧差(Vd)を算出し、電圧差(Vd)と予め設定された放電判定閾値(VJH、VJL)との比較により、バリア点火プラグの放電の有無を判定するバリア放電型点火装置。

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内で、非平衡プラズマ放電によって点火を行うバリア放電型点火装置に関するものである。
上記のようなバリア放電型点火装置に関連して、下記の特許文献1に記載された点火装置が知られている。特許文献1の点火装置は、点火プラグと高周波電源により構成され、高周波電源は少なくとも、直流電源と、2つのスイッチング素子と、昇圧トランスとを備え、2つのスイッチング素子を交互に開閉駆動し、点火プラグに交流コロナ放電を発生させる点火装置である。特許文献1の技術では、直流電源の電源電圧と昇圧トランスの1次電圧とを検出し、2つの電圧比からQ値を算出し、Q値に基づいて高周波交流コロナ放電の有無を検出するように構成されている。
特開2014-224493号
ところで、本願の発明者は、点火前の期間において、点火に至らない放電を発生させて、混合気にオゾン及びラジカルを発生させ、点火時の燃焼の拡大を促進させ、着火性を向上させる技術の開発を行っている。しかしながら、特許文献1には、コロナ放電の有無を判定する技術しか開示されておらず、点火してしまう虞があり、無点火放電を行う場合の、放電の有無を判定する技術は開示されていない。
無点火放電を生じさせるためには、バリア点火プラグの印加電圧を精度よく制御する必要がある。しかしながら、特許文献1の技術では、昇圧トランスの一次側の各電圧の検出値に基づいて、放電の有無を判定しているので、無点火放電に要求される印加電圧の制御精度には適していない。
そこで、無点火放電を生じさせるバリア点火プラグの印加電圧を精度よく判定できるバリア放電型点火装置が求められる。
本発明に係るバリア放電型点火装置は、
直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータから出力された直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータと、
前記インバータから出力された交流電圧を昇圧して出力するトランスと、
前記トランスから出力された交流電圧を共振により増幅する共振回路と、
前記共振回路により増幅された交流電圧が印加され、燃焼室に設けられる、電極が誘電体で覆われたバリア点火プラグと、
前記バリア点火プラグの印加電圧を検出する電圧検出回路と、
前記DC/DCコンバータ及び前記インバータを制御することにより、前記バリア点火プラグの印加電圧を増減させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記燃焼室内の混合気の点火前に設定された期間であって、オゾン及びラジカルを生成し、点火時の燃焼の拡大を促進するための燃焼支援期間において、前記混合気の点火に至らない前記バリア点火プラグの放電である無点火放電を発生させる無点火放電電圧を、前記バリア点火プラグに印加する燃焼支援制御を実行し、
前記燃焼支援制御において、前記電圧検出回路により検出した前記印加電圧に基づいて、前記交流電圧の交流周期における1周期前の前記印加電圧と今周期の前記印加電圧との電圧差を算出し、前記電圧差と予め設定された放電判定閾値との比較により、前記バリア
点火プラグの前記無点火放電の有無を判定するものである。さらに、前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定すると好適である。


本発明に係るバリア放電型点火装置によれば、放電の有無による共振回路の共振周波数の変化を利用した、上記のようなバリア点火プラグの印加電圧の電圧差に基づく判定により、精度よく無点火放電の有無を判定することができる。さらに、好適な態様によれば、無点火放電が開始したと判定した際のバリア点火プラグの印加電圧に基づいて、放電開始電圧を精度よく判定することができる。
本発明の実施の形態1に係るバリア放電点火装置の回路構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る、DC/DCコンバータの出力電圧を変化させた場合における、共振回路の共振成長による時間遅れおよび共振負成長による時間遅れを示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、インバータの交流周波数を変化させた場合における、共振回路の共振成長による時間遅れおよび共振負成長による時間遅れを示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、点火制御及び燃焼支援制御を説明するタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、放電無しの状態のバリア点火プラグの等価回路を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る、放電有りの状態のバリア点火プラグの等価回路を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る、放電の有無による共振回路の共振周波数の変化を示す周波数特性図である。 本発明の実施の形態1に係る、放電の有無及び放電開始電圧の判定を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、学習制御の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、学習制御の挙動を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1に係る、印加電圧の制御方法を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態2に係る、放電開始電圧と燃焼室内の圧力との関係特性図である。
実施の形態1.
実施の形態1に係るバリア放電型点火装置について図面を参照して説明する。図1は、バリア放電型点火装置の回路構成図である。バリア放電型点火装置は、交流電圧を供給する電源回路10と、電源回路10から出力された交流電圧を共振により増幅する共振回路3と、共振回路3により増幅された交流電圧が印加されるバリア点火プラグ1と、電源回路10を制御する制御装置11と、を備えている。バリア点火プラグ1は、内燃機関の燃焼室に設けられ、バリア放電型点火装置は、内燃機関用の点火装置とされている。
バリア点火プラグ1は、電極が誘電体で覆われている。例えば、棒状の中心電極を誘電体で有底筒状に覆い、誘電体の周囲を、放電ギャップを隔てて筒状の接地電極で囲むように構成される。誘電体は、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の誘電材料によって形成され、中心電極は、Cu、Fe、Ni等の電導性金属材料によって形成され、接地電極は、Fe、Ni、ステンレス等の電導性金属材料によって形成される。
電源回路10は、直流電源としてのバッテリ7と、バッテリ7から供給された直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータ6と、DC/DCコンバータ6から出力された直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ5と、インバータ5から出力された交流電圧を昇圧して出力し、共振回路3に供給するトランス4と、を備えている。
バッテリ7の直流電圧は、DC/DCコンバータ6により、50V〜600Vの範囲の直流電圧に昇圧されてインバータ5に出力される。インバータ5によって変換された交流電圧は、トランス4により、昇圧比倍された500V〜30kVの範囲の交流電圧に昇圧されて共振回路3に出力される。トランス4によって昇圧された交流電圧は、共振回路3のインダクタンス要素とキャパシタンス要素との直列共振作用によって、5kV〜50kVの範囲の交流電圧に昇圧されてバリア点火プラグ1に印加され、バリア点火プラグ1に放電が生じる。
バリア点火プラグ1に放電が発生すると、燃焼室内の空気と燃料の混合気が点火し、燃焼室内の混合気に爆発的に火炎が伝播する。内燃機関は、点火後の燃料の燃焼によって上昇した圧力からエネルギーを取り出す。本実施の形態では、詳細は後述するが、点火前に、混合気の点火に至らない放電である無点火放電を発生させて、混合気にオゾン及びラジカルを発生させ、点火時の燃焼の拡大を促進させ、着火性を向上させるように構成されている。
DC/DCコンバータ6は、制御装置11によりオンオフ制御されるスイッチング素子を備えている。DC/DCコンバータ6には、公知の種々のコンバータを用いることができ、例えば、スイッチング素子、ダイオード、及びリアクトルを備えた昇圧チョッパを用いてもよく、或いは、スイッチング素子、ダイオード、及びトランスを備えたフライバック式等の絶縁型DC/DCコンバータを用いてもよい。
インバータ5は、制御装置11によりオンオフ制御されるスイッチング素子を備えている。インバータ5には、公知の種々のインバータを用いることができ、例えば、ダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子が2つ直列接続された直列回路を1つ備えたハーフブリッジ回路を用いてもよく、或いは、ダイオードが逆並列接続されたスイッチング素子が2つ直列接続された直列回路が2つ並列接続されたフルブリッジ回路を用いてもよい。
DC/DCコンバータ6及びインバータ5のスイッチング素子には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。なお、スイッチング素子は、Si(シリコン)を用いた半導体で構成されてもよいし、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、Ga2O3(酸化ガリウム)、及びダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体で構成されてもよい。
トランス4は、インバータ5に接続される1次巻線と、共振回路3に接続される2次巻線と、1次巻線及び2次巻線が巻装される鉄心とを備えている。トランス4の昇圧比は、1次巻線の巻数に対する2次巻線の巻数の比により定まる。なお、トランス4は、放電に必要な印加電圧を共振回路3のみで確保できる場合には取り除かれてもよい。
共振回路3は、インダクタンス要素とキャパシタンス要素との直列回路により構成されている。本実施の形態では、共振回路3は、共振用コイル2を備えている。共振回路3は、共振用コイル2のインダクタンス成分、バリア点火プラグ1の持つキャパシタンス成分、及びトランス4の漏れインダクタンス成分から構成されている。なお、共振回路3は、共振用コイル2のインダクタンス成分、及びバリア点火プラグ1の持つキャパシタンス成分から構成されてもよいし、トランス4の漏れインダクタンス成分、及びバリア点火プラグ1の持つキャパシタンス成分から構成されてもよい。また、共振回路3のキャパシタンス成分は、バリア点火プラグ1に対して、コンデンサ等のキャパシタンス要素を並列又は直列に接続することで増加又は減少されてもよい。
バリア放電型点火装置は、バリア点火プラグ1に印加される印加電圧を検出する電圧検出回路14を備えている。本実施の形態では、電圧検出回路14は、バリア点火プラグ1に並列接続された分圧コンデンサ回路14とされている。分圧コンデンサ回路14は、第1分圧コンデンサ12と第2分圧コンデンサ13とを直列接続したものである。第1分圧コンデンサ12側が共振用コイル2とバリア点火プラグ1との配線に接続され、第2分圧コンデンサ13側が、基準電位に接続されている。分圧コンデンサ回路14は、バリア点火プラグ1に印加される5kV〜50kV程度の高電圧を、第1分圧コンデンサ12と第2分圧コンデンサ13とで分圧する。第2分圧コンデンサ13のキャパシタンス値は、第1分圧コンデンサ12に対して十分大きいものとされ、例えば、第1分圧コンデンサ12に対して500倍程度のキャパシタンス値を持つものが選定される。第2分圧コンデンサ13の分圧は、0.5V〜100V程度の電圧になり、バリア点火プラグ1の印加電圧の情報として制御装置11に入力される。なお、電圧検出回路14は、第1分圧抵抗と第2分圧抵抗とを直列接続した分圧抵抗回路とされてもよく、第2分圧抵抗の分圧がバリア点火プラグ1の印加電圧の情報として制御装置11に入力されてもよい。
<制御装置11>
制御装置11は、DC/DCコンバータ6及びインバータ5を制御することにより、バリア点火プラグ1の印加電圧を増減させる。制御装置11の処理回路は、コンパレータ、オペアンプ、差動増幅回路等のアナログ電子回路から構成されてもよいし、演算処理装置、記憶装置、入出力回路等のデジタル電子回路により構成されてもよいし、デジタル電子回路及びアナログ電子回路の双方により構成されてもよい。
ここで、演算処理装置として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられる。演算処理装置として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられる。入出力回路は、各種のセンサ、スイッチ等の出力信号を演算処理装置に入力するA/D変換器等の入力回路を備えていると共に、演算処理装置からの制御信号を電気負荷等に出力する駆動回路等の出力回路を備えている。CPU等の演算処理装置は、ROM等の記憶装置に記憶されたプログラムを実行し、記憶装置、入出力回路等の制御装置11の他のハードウェアと協働することにより、各処理を実行する。
本実施の形態では、制御装置11は、制御回路8と、エンジンコントロールユニット9(以下、ECU9と称す)とを備えている。ECU9は、内燃機関を統合的に制御するメインの制御装置であり、制御回路8は、ECU9から指令された点火時期又は燃焼支援期間で、バリア点火プラグ1に放電を生じさせるように、DC/DCコンバータ6及びインバータ5を制御する。
制御回路8は、演算処理装置20、記憶装置21、及び入出力回路22を備えている。ECU9は、演算処理装置23、記憶装置24、及び入出力回路25を備えている。制御回路8とECU9とは、互いに通信を行って協働する。
ECU9は、クランク角センサ等の出力信号に基づいて、内燃機関の回転速度及び回転角度を検出し、吸入空気量センサの出力信号に基づいて、内燃機関の燃焼室に吸入された吸入空気量を検出する。そして、ECU9は、内燃機関の回転速度及び吸入空気量等に基づいて、点火角度及び無点火放電角度を算出し、点火角度、無点火放電角度、及び内燃機関の回転角度に基づいて、点火時期又は燃焼支援期間のタイミングを判定し、制御回路8に指令する。
制御回路8には、電圧検出回路14からバリア点火プラグ1の印加電圧の情報が入力される。制御回路8は、ECU9から指令された点火時期及び燃焼支援期間のタイミングにおいて、DC/DCコンバータ6及びインバータ5のスイッチング素子を、PWM(Pulse Width Modulation)制御によりオンオフ駆動して、バリア点火プラグ1の印加電圧を昇圧させる。
DC/DCコンバータ6が昇圧チョッパとされている場合は、制御回路8は、DC/DCコンバータ6のスイッチング素子のオンデューティ比を増減させて、出力直流電圧を増減させる。
インバータ5が、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子が直列接続されたハーフブリッジ回路により構成されている場合は、制御回路8は、交流電圧周期(交流周期とも称す)で、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子を交互にオンして、直流電圧を交流電圧周期の交流電圧に変換する。なお、制御回路8は、交流電圧周期の半周期内の、第1スイッチング素子のオン期間(オンデューティ比)及び第2スイッチング素子のオン期間(オンデューティ比)を増減することにより、出力交流電圧を増減させるように構成されてもよい。
<印加電圧の変化方法>
バリア点火プラグ1の印加電圧を変化させる方法には、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を変化させる方法、及びインバータ5が生成する交流周波数を変化させる方法等がある。インバータ5の交流周波数を、共振周波数に近づけると、後述する共振回路3の電圧増幅利得Vgainが増加するため、バリア点火プラグ1の印加電圧が増加する。なお、交流周波数は、交流周期の逆数である。
なお、DC/DCコンバータ6及びインバータ5の変換器全体の電力損失を低減するために、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧、及びインバータ5の交流周波数を同時に変化させてもよい。具体的には、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を変化させることにより、DC/DCコンバータ6及びインバータ5のスイッチング素子に印加される電圧が変化し、スイッチング1回当たりのスイッチング損失が変化する。また、インバータ5の交流周波数を変化させることにより、インバータ5のスイッチング回数が増減し、スイッチング損失が変化する。そして、これらの損失の合計が変換器全体で低減するように、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧、及びインバータ5の交流周波数が変化されてもよい。
図2に、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を変化させた場合の制御挙動を示す。図2において、横軸は時間を示し、縦軸はDC/DCコンバータ6の出力電圧、及びバリア点火プラグ1の印加電圧を示している。バリア点火プラグ1の印加電圧を0.1kV上昇させるために、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧をステップで5V上昇させても、共振回路3の共振が成長するために時間遅れにより、バリア点火プラグ1の印加電圧の上昇に遅れが生ずる。これを共振成長による時間遅れとする。逆に、DC/DCコンバータ6の出力電圧をステップで5V低下させても、共振が負成長するために時間遅れにより、バリア点火プラグ1の印加電圧の低下に遅れが生ずる。これを共振負成長による時間遅れとする。
図3に、インバータ5の交流周波数を変化させた場合の制御挙動を示す。図3において、横軸は時間を示し、縦軸はインバータ5の交流周波数、及びバリア点火プラグ1の印加電圧を示している。バリア点火プラグ1の印加電圧を0.1kV上昇させるために、インバータ5の交流周波数をステップで0.1kHz低下させても、共振回路3の共振が成長するために時間遅れにより、バリア点火プラグ1の印加電圧の上昇に遅れが生ずる。逆に、インバータ5の交流周波数をステップで0.1増加させても、共振が負成長するために時間遅れにより、バリア点火プラグ1の印加電圧の低下に遅れが生ずる。
<点火制御及び燃焼支援制御>
図4を参照して、制御装置11の基本動作を説明する。燃焼室内の混合気に点火する前に、混合気の点火に至らないバリア点火プラグ1のバリア放電である無点火放電を発生させ、混合気にオゾンおよびラジカルを生成することで、点火時の燃焼の拡大を促進させ、着火性の向上を図る。そのため、制御装置11は、燃焼室内の混合気の点火前に設定された期間であって、オゾン及びラジカルを生成し、点火時の燃焼の拡大を促進するための燃焼支援期間において、バリア点火プラグ1の印加電圧を、混合気の点火に至らないバリア点火プラグの放電である無点火放電を発生させる交流電圧である無点火放電電圧を、バリア点火プラグ1に印加する燃焼支援制御を実行する。すなわち、燃焼支援期間では、点火しない電圧を発生するように制御することで、バリア点火プラグで点火に至るエネルギーよりも弱く、点火に至らないエネルギーの放電を発生させる。燃焼支援期間は、内燃機関の吸気、圧縮、膨張、排気のサイクルの内、吸気及び圧縮の少なくとも一方のサイクル内に設定される。また、制御装置11は、点火時期において、バリア点火プラグ1の印加電圧を、燃焼室内の混合気に点火させる交流電圧である点火電圧まで昇圧させる点火制御を実行する。
図4において、横軸は時間を示し、縦軸は、点火時期の指令、燃焼支援期間の指令、及びバリア点火プラグ1の印加電圧を示している。制御回路8は、ECU9から指令された燃焼支援期間がHighの時に、無点火放電を発生させるための無点火放電電圧をバリア点火プラグ1に印加させる。また、制御回路8は、ECU9から指令された点火時期がHighの時に、点火を発生させるための点火電圧をバリア点火プラグ1に印加させる。無点火放電電圧は、点火電圧に比べて、大幅に低い電圧となり、例えば、無点火放電電圧が5kVとなり、点火電圧が20kV以上となる。
なお、バリア点火プラグ1の印加電圧を、内燃機関の運転状況の変化に応じて、高速に変化させるために、ECU9を介さずに、制御回路8内で点火に必要な電圧をバリア点火プラグ1に印加させるように制御する。制御回路8は、ECU9に対して放電検知、バリア点火プラグ1の印加電圧および燃焼室内の圧力等の信号を送信する。
本実施の形態では、制御回路8は、DC/DCコンバータ6の昇圧率を変化させることにより、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を増減させ、バリア点火プラグ1の印加電圧を増減させる。また、制御回路8は、インバータ5から出力される交流電圧の周波数(交流周波数)を、共振回路3の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数fcに制御する。
<放電の有無による共振周波数の変化を利用した、放電開始電圧の判定>
燃焼支援制御において、バリア点火プラグ1の印加電圧が高すぎると、放電エネルギーが大きすぎ、混合気が点火されてしまう虞がある。逆に、バリア点火プラグ1の印加電圧が低すぎると、放電が生じない。また、図4に示すように、内燃機関の圧縮サイクルにおいて、燃焼室内の圧力が上昇するに従って、放電開始電圧も上昇するため、無点火放電を維持するためにはバリア点火プラグ1の印加電圧を上昇させる必要がある。そのため、無点火放電を生じる適切な電圧をバリア点火プラグ1に印加する必要がある。そこで、本実施の形態では、放電の有無による共振回路3の共振周波数の変化を利用し、電圧検出回路14により検出したバリア点火プラグ1の印加電圧に基づいて、放電の有無及び放電開始電圧を判定し、印加電圧を適切化する。
以下で、放電の有無による共振回路3の共振周波数の変化の原理について説明する。図5は放電していない状態のバリア点火プラグ1の等価回路であり、バリア点火プラグ1の誘電体による静電容量21、放電ギャップ間の気体の静電容量22、バリア点火プラグ1の寄生静電容量23、及び双方向ツェナーダイオード24で表せられる。双方向ツェナーダイオード24は、バリア点火プラグ1の放電ギャップ間の放電の有無を模擬する回路であり、印加電圧が放電開始電圧に対応する正及び負の降伏電圧を超過すると導通する。
図6は、放電している状態のバリア点火プラグ1の等価回路であり、図5との違いは、放電が開始し、双方向ツェナーダイオード24が導通しているため、双方向ツェナーダイオード24と並列接続された放電ギャップ間の気体の静電容量22を無視でき(図中に点線で示す)、バリア点火プラグ1の誘電体による静電容量21とバリア点火プラグ1の寄生静電容量23の並列回路となることである。放電無しの等価回路の合成静電容量をC1とし、放電有りの等価回路の合成静電容量をC2とすると、放電の有無で等価回路の合成静電容量が変化し、放電無しの等価回路の合成静電容量C1よりも、放電有りの等価回路の合成静電容量C2の方が大きくなる。
放電の有無によるバリア点火プラグ1の合成静電容量の変化により、共振回路3の共振周波数が変化する。共振回路3の共振周波数fは、共振用コイル2及びトランス4の漏れインダクタンス等のインダクタンスL、及びバリア点火プラグ1の合成静電容量Cから、式(1)のように表せられる。式(1)から、放電が開始し、バリア点火プラグ1の合成静電容量Cが増加すると、共振周波数fが低下することがわかる。
f=1/(2・π・√(L・C)) ・・・(1)
図7に、共振回路3の電圧増幅利得Vgainの周波数特性を示す。図7において、横軸は交流周波数を示し、縦軸は共振回路3の電圧増幅利得Vgainを示しており、実線が放電無しの場合の周波数特性を示し、点線が放電有りの場合の周波数特性を示す。電圧増幅利得Vgainが1の場合に、共振回路3により交流電圧が増幅されず、トランス4の出力交流電圧がそのままバリア点火プラグ1に印加される。共振周波数において、電圧増幅利得Vgainが最大ピーク値となっている。共振周波数を含む共振周波数帯域において、電圧増幅利得Vgainが1より大きくなり、共振回路3によりトランス4の出力交流電圧が1倍よりも増幅されて、バリア点火プラグ1に印加される。
放電が無い場合の共振周波数f1よりも、放電が有る場合の共振周波数f2が低くなっている。放電が無い場合の共振周波数f1以上の周波数では、同じ交流周波数であっても、放電が開始すると、電圧増幅利得Vgainが低下するため、電圧増幅利得Vgainの低下分だけバリア点火プラグ1の印加電圧が低下する。一方、放電が停止すると、電圧増幅利得Vgainが増加するため、電圧増幅利得Vgainの増加分だけバリア点火プラグ1の印加電圧が増加する。
また、放電が有る場合の共振周波数f2以下の、共振周波数帯域内の周波数では、同じ交流周波数であっても、放電が開始すると、電圧増幅利得Vgainが増加するため、電圧増幅利得Vgainの増加分だけバリア点火プラグ1の印加電圧が増加する。一方、放電が停止すると、電圧増幅利得Vgainが減少するため、電圧増幅利得Vgainの減少分だけバリア点火プラグ1の印加電圧が減少する。
よって、放電の開始時と、放電の停止時とにおいて、バリア点火プラグ1の印加電圧に電圧差が発生し、その電圧差を利用して、放電の有無を判定することができることがわかる。そこで、制御回路8は、燃焼支援制御において、電圧検出回路14により検出した印加電圧に基づいて、交流周期における1周期前の印加電圧と今周期の印加電圧との電圧差Vdを算出し、電圧差Vdと予め設定された放電判定閾値との比較により、バリア点火プラグ1の放電の有無を判定する。そして、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定した際の印加電圧に基づいて、バリア点火プラグ1の放電が開始する印加電圧である放電開始電圧を判定する。
本実施の形態では、制御回路8は、燃焼支援制御において、インバータ5の出力交流電圧の周波数を、共振回路3の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の周波数であって、放電が無い場合の共振回路3の共振周波数f1以上に設定された制御周波数fcに制御する。そして、制御回路8は、1周期前の印加電圧から今周期の印加電圧を減算した電圧差Vdが、正の値に設定された正の放電判定閾値VJHよりも大きい場合に、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定し、電圧差Vdが、負の値に設定された負の放電判定閾値VJLよりも小さい場合に、バリア点火プラグ1の放電が停止したと判定し、電圧差Vdが、正の放電判定閾値VJHと負の放電判定閾値VJLとの間にある場合は、前回判定したバリア点火プラグの放電状態が維持されていると判定する。
図8に放電有無及び放電開始電圧の判定挙動を示す。図8において、横軸は時間を示し、縦軸はDC/DCコンバータ6の出力直流電圧、バリア点火プラグ1の印加電圧、印加電圧の電圧差Vd、及び放電有無の判定結果を示している。時刻T01で、DC/DCコンバータ6の出力電圧を上昇させた後、共振成長の時間遅れにより、バリア点火プラグ1の印加電圧が遅れて上昇している。制御回路8は、交流周期内の印加電圧の最大ピーク値を、印加電圧として検出している。
印加電圧が放電開始電圧まで上昇したことにより放電が開始しており、時刻T02において、今周期の印加電圧が1周期前の印加電圧から低下している。そのため、1周期前から今周期の印加電圧を減算した電圧差Vdが増加している。正の放電判定閾値VJHは、放電の開始による電圧増幅利得Vgainの低下に対応して設定されており、電圧差Vdは、正の放電判定閾値VJHよりも大きくなっている。よって、時刻T02で、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定している。そして、制御回路8は、1周期前の印加電圧を、放電開始電圧として判定している。
その後、3交流周期の間、放電が継続しているため、印加電圧の電圧差Vdが、小さくなっており、正の放電判定閾値VJHと負の放電判定閾値VJLとの間にあるため、制御回路8は、放電有りの状態が継続していると判定している。
次の交流周期の時刻T03において、燃焼室内の圧力の増加の影響等により放電が停止したため、印加電圧が増加しており、電圧差Vdが減少している。負の放電判定閾値VJLは、放電の停止による電圧増幅利得Vgainの増加に対応して設定されており、電圧差Vdは、負の放電判定閾値VJLよりも小さくなっている。よって、時刻T03で、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が停止したと判定している。
次の交流周期の時刻T04において、放電が再開したため、印加電圧が低下しており、電圧差Vdは、正の放電判定閾値VJHよりも大きくなっている。よって、時刻T04で、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定している。そして、制御回路8は、1周期前の印加電圧を、放電開始電圧として判定している。
次の交流周期の時刻T05において、放電が停止したため、印加電圧が増加しており、電圧差Vdは、負の放電判定閾値VJLよりも小さくなっている。よって、時刻T05で、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が停止したと判定している。
次の交流周期では、放電の停止状態が継続しているため、印加電圧の電圧差Vdが、正の放電判定閾値VJHと負の放電判定閾値VJLとの間にあり、制御回路8は、放電の無い状態が継続していると判定している。
次の交流周期の時刻T06において、放電が再開したため、印加電圧が低下しており、電圧差Vdは、正の放電判定閾値VJHよりも大きくなっている。よって、時刻T06で、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定している。そして、制御回路8は、1周期前の印加電圧を、放電開始電圧として判定している。その後は、2交流周期の間、放電が継続している。
制御回路8は、燃焼室内の圧力Pと放電ギャップDとの積算により算出したPD積に応じて放電判定閾値VJH、VJLを変化させるように構成されてもよい。例えば、燃焼室内の圧力Pが大きく、放電ギャップDが大きい時には、PD積は大きくなる。PD積が大きい場合は、放電ギャップ間で発生する放電が強くなり、印加電圧の電圧差Vdが大きくなるので、放電判定閾値VJH、VJLの絶対値を大きく設定する。一方、PD積が小さい場合は、放電ギャップ間で発生する放電が弱くなり、印加電圧の電圧差Vdが小さくなるので、放電判定閾値VJH、VJLの絶対値を小さく設定する。すなわち、制御回路8は、PD積が大きくなるに従って、放電判定閾値VJH、VJLの絶対値を大きくする。
また、制御回路8は、PD積が予め設定された判定値よりも小さい場合は、確率判定を行うように構成されてもよい。具体的には、制御回路8は、電圧差Vdが、正の放電判定閾値VJHと、正の放電判定閾値VJHよりも小さい正の値に設定された正の確率判定閾値との間、又は負の放電判定閾値VJLと、負の放電判定閾値VJLよりも大きい負の値に設定された負の確率判定閾値との間になっている確率を算出し、算出した確率が予め設定された判定値よりも大きい場合は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定するように構成されてもよい。
<印加電圧の制御>
各種のばらつき要因及び変動要因が生じても、バリア点火プラグ1に無点火放電を確実に生じさせるためには、制御回路8は、判定した放電開始電圧に基づいて、バリア点火プラグ1に印加する無点火放電電圧の指令値を変化させるように構成されればよい。
特に、燃焼支援期間において連続的にバリア点火プラグ1を放電させ、且つ、点火しないように制御するためには、制御回路8は、バリア点火プラグ1に印加する無点火放電電圧の指令値を、判定した放電開始電圧に予め設定されたオフセット電圧αを加算した電圧に変化させるように構成されればよい。オフセット電圧αは、放電を維持できるが、点火しないような電圧値に予め設定されている。
放電開始電圧の検出精度を向上するためには、図8に示すように、燃焼支援期間において、放電の開始及び停止が複数回行われ、放電開始電圧が複数回判定されればよい。そのために、制御回路8は、バリア点火プラグ1に印加する無点火放電電圧の指令値を、判定した放電開始電圧、又は放電開始電圧にオフセット電圧αよりも小さい電圧を加算した電圧に変化させるように構成されればよい。
<放電開始電圧に基づく、無点火放電電圧の指令値の学習制御>
制御回路8は、燃焼支援制御の開始後、インバータ5から出力される交流電圧の周波数を、共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数fcに制御すると共に、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定されるまで、インバータ5の出力交流電圧を上昇させる。制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定した後は、印加電圧が無点火放電電圧の指令値に近づくように、インバータ5の出力交流電圧を増減させる。そして、制御回路8は、今回判定した放電開始電圧と今回用いた無点火放電電圧の指令値との電圧差が減少するように、次回用いる無点火放電電圧の指令値を変化させる学習制御を実行する。
本実施の形態では、制御回路8は、今回判定した放電開始電圧と今回用いた無点火放電電圧の指令値との電圧差が次第に減少するように、次回用いる無点火放電電圧の指令値を変化させる。すなわち、次回の指令値に対する電圧差の反映率が低くされており、電圧差が平均的に指令値に反映され、指令値は、電圧差の学習値となる。
また、制御回路8は、今回の燃焼支援期間において判定した放電開始電圧と今回の燃焼支援期間において用いた無点火放電電圧の指令値との電圧差が減少するように、次回の燃焼支援期間において用いる無点火放電電圧の指令値を変化させる。
或いは、図8に示すように、燃焼支援期間において放電の開始及び停止が複数回行われ、放電開始電圧が複数回判定される場合は、制御回路8は、今回の燃焼支援期間中であっても、放電開始電圧が判定される毎に、次回放電が開始したと判定した後に用いる無点火放電電圧の指令値を変化させてもよい。
制御回路8は、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を増減させることにより、インバータ5の出力交流電圧を増減させるように構成されている。DC/DCコンバータ6の出力直流電圧の増減は、交流周期毎に行われる。
図9に指令値の学習制御の挙動を示す。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は、点火時期の指令、燃焼支援期間の指令、及びバリア点火プラグ1の印加電圧を示している。なお、印加電圧は、交流周期内の印加電圧の最大ピーク値を結んだ線及び最小ピーク値を結んだ線で表している。図10に学習前及び1回目の学習後の燃焼支援制御を行った場合の印加電圧のピーク値の挙動を拡大している。図9において、最初の燃焼支援制御の実行時は、無点火放電電圧の指令値は学習されていない。そのため、印加電圧は、放電開始電圧に対して振動的になっている。2回目の燃焼支援制御の実行時は、無点火放電電圧の指令値の学習が1回行われたため、放電開始電圧に対する印加電圧の振動成分が減少している。3回目の燃焼支援制御の実行時は、学習が2回行われたため、放電開始電圧に対する印加電圧の振動成分が更に減少しており、安定的な挙動になっている。
無点火放電電圧の指令値の学習方法としては、今回の放電開始電圧と無点火放電電圧の指令値との電圧差を減少させる方法であれば、どのような学習方法でもよい。例えば、制御回路8は、各回の電圧差を積分器により積分し、積分値を、無点火放電電圧の指令値の初期値に加算した値を、次回の無点火放電電圧の指令値に設定する。学習回数が増加するに従って、積分値が一定の値に収束する。このような学習制御を行うことで、印加電圧を放電開始電圧に高速に追従させることができ、共振成長または共振負成長による時間遅れによる印加電圧の振動を抑制できる。よって、内燃機関の運転状況の変化に伴う燃焼室内の圧力の変化に対して、放電の有無を高速で安定的に検知できると共に、放電開始電圧も高速で安定的に検出できる。
ただし、燃焼支援制御の実行毎に、無点火放電電圧の指令値を変化させる学習制御では、指令値が一定値に収束するまでにはある程度の時間がかかるため、定常運転を行う内燃機関には適用が容易である。しかし、運転状況が急速に変化する内燃機関には適用の工夫が必要である。例えば、運転状況の変化毎に、無点火放電電圧の指令値が変化するため、その運転状況毎に積分値を設けて、運転状況の変化に応じて、指令値に加算する積分値を切り替えるようにしてもよい。
<放電開始電圧に基づく、無点火放電電圧の指令値の設定>
或いは、上述した学習制御が行われないように構成されてもよい。すなわち、制御回路8は、インバータ5から出力される交流電圧の周波数を、共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数fcに制御すると共に、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定されるまで、インバータ5の出力交流電圧を交流周期毎に上昇させる。そして、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定した後は、放電が開始したと判定した際に判定した放電開始電圧に印加電圧が近づくように、インバータ5の出力交流電圧を交流周期毎に増減させる。本実施の形態では、制御回路8は、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を交流周期前に、増減させることにより、インバータ5の出力交流電圧を増減させるように構成される。
図11にこの制御方法の挙動を実線で示す。図11において、横軸は時間を示し、縦軸は、バリア点火プラグ1の印加電圧を示している。なお、印加電圧は、交流周期内の印加電圧の最大ピーク値を結んだ線及び最小ピーク値を結んだ線で表している。この制御方法によれば、内燃機関の運転状況の変化に伴う燃焼室内の圧力の変化に対して、放電の有無及び放電開始電圧を高速で検知できる。ただし、共振成長による時間遅れと共振負成長による時間遅れにより、印加電圧は、放電開始電圧に対して振動的になる。特に、放電が開始したと判定した後、印加電圧が放電開始電圧をオーバーシュートするため、放電開始電圧よりも大きい電圧が印加されてしまう。
放電開始電圧に対する印加電圧のオーバーシュートを抑制するため、制御回路8は次のように構成されてもよい。すなわち、制御回路8は、インバータ5から出力される交流電圧の周波数を、共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数fcに制御すると共に、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定されるまで、インバータ5の出力交流電圧を、共振回路の共振成長による時間遅れに対応する複数回の交流周期毎に上昇させてもよい。そして、制御回路8は、バリア点火プラグ1の放電が開始したと判定した後は、放電が開始したと判定した際に判定した放電開始電圧に印加電圧が近づくように、インバータ5の出力交流電圧を複数回の交流周期毎に増減させてもよい。本実施の形態では、制御回路8は、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を複数回の交流周期前に、増減させることにより、インバータ5の出力交流電圧を増減させるように構成される。
複数回の交流周期は、インバータ5の出力交流電圧をステップで増加させた後、印加電圧の変化が安定するまでの時間遅れに設定される。例えば、複数回の交流周期は、インバータ5の出力交流電圧のステップ増加後、印加電圧が、収束値の90%に到達するまでの時間遅れに設定される。
図11にこの制御方法の挙動を点線で示すように、放電開始電圧に対する印加電圧のオーバーシュートを抑制することができる。ただし、放電の開始時期と、放電開始電圧の検知時期が、遅くなってしまうため、これらの時期が遅くても問題ない場合に適応するとよい。
なお、上述した学習制御を行う場合、及び学習制御を行わない場合において、制御回路8は、インバータ5の出力交流電圧を変化させることに代えて、上述したように、インバータ5の交流周波数を交流周期毎又は複数回の交流周期毎に変化させてもよい。印加電圧を上昇させる場合は、交流周波数を共振回路3の共振周波数に近づけ、印加電圧を低下させる場合は、交流周波数を共振周波数から遠ざける。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係るバリア放電型点火装置について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係るバリア放電型点火装置の基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様であるが、実施の形態1の構成に加えて、制御装置11が、放電開始電圧に基づいて、燃焼室内の圧力を推定する点が異なる。
実施の形態1において、図4を参照して説明したように、内燃機関の圧縮サイクルにおいて、燃焼室内の圧力の増加に従って、放電開始電圧が増加する。そのため、放電開始電圧に基づいて、燃焼室内の圧力を推定することができる。また、燃焼室内の圧力の増加に従って、点火に必要な点火電圧も増加する。そのため、点火時期の直前の燃焼室内の圧力に応じて、点火電圧を適切に変化させることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、制御回路8は、放電開始電圧と燃焼室内の圧力との関係が予め設定された関係特性を参照し、判定した放電開始電圧に対応する燃焼室内の圧力を推定する。制御回路8は、推定した燃焼室内の圧力に基づいて、点火のために必要な印加電圧である点火電圧の指令値を算出する。そして、制御回路8は、点火制御の実行時に、印加電圧を点火電圧の指令値まで昇圧させる。
また、安定して燃焼させるために必要な点火電圧の印加時間は、内燃機関の運転条件に応じて変化する。そのため、制御回路8は、内燃機関の運転条件に基づいて、点火電圧の印加時間を変化させるように構成されている。例えば、制御回路8は、燃焼室内の圧力が高い等の着火し難い難着火条件では、他の条件よりも印加時間を長く設定する。また、制御回路8は、燃焼室が高温である等の着火し易い良着火条件では、他の条件よりも印加時間を短く設定する。制御回路8は、燃焼室内の圧力、及び燃焼室の温度等の内燃機関の運転条件と、点火電圧の印加時間との関係が予め設定された関係特性を参照し、推定又は検出した運転条件に対応する点火電圧の印加時間を算出する。そして、制御回路8は、印加時間の間、印加電圧を点火電圧の指令値まで昇圧させる。印加時間の関係特性は、実験結果等に基づいて予め設定されている。この構成によれば、運転条件にかかわらず、燃焼の安定性を向上させることができると共に、点火エネルギーを低減することができる。
図12に、放電開始電圧と燃焼室内の圧力との関係特性を示す。図12において、横軸は、内燃機関の燃焼室内の圧力を示し、縦軸は、バリア点火プラグ1の放電開始電圧を示している。内燃機関の燃焼室内の圧力が上昇するに従って、放電開始電圧が増加している。また、バリア点火プラグ1の形状または放電ギャップ等が異なると、図10に示すバリア点火プラグAとバリア点火プラグBのように特性が異なる。従って、バリア点火プラグ毎に、放電開始電圧と燃焼室内の圧力との関係特性が、事前評価において予めマップ化され、制御回路8の記憶装置にマップデータが保存される。なお、マップデータは、ECU9の記憶装置に保存されてもよく、ECU9が、制御回路8から伝達された燃焼開始電圧に基づいて、燃焼室内の圧力を推定するように構成されてもよい。
制御回路8は、点火電圧の指令値として、点火のために最小限必要な印加電圧を算出してもよい。例えば、制御回路8は、推定した燃焼室内の圧力に基づいて、点火が開始する印加電圧である点火開始電圧を算出し、点火開始電圧に予め設定した加算電圧を加算した値を、点火電圧の指令値に設定する。加算電圧は、ばらつき要因及び変動要因が生じても、確実に点火がされるような最小限の電圧幅に設定される。このように構成すれば、判定した放電開始電圧を利用して、点火エネルギーを低減させることができる。
制御回路8は、燃焼室内の圧力と、点火のために必要な点火電圧の指令値又は点火のために最小限必要な点火電圧の指令値との関係が予め設定された関係特性を参照し、推定した燃焼室内の圧力に対応する点火電圧の指令値を算出する。バリア点火プラグ毎に、燃焼室内の圧力と点火電圧の指令値との関係特性が、事前評価において予めマップ化され、制御回路8の記憶装置にマップデータが保存される。なお、マップデータは、ECU9の記憶装置に保存されてもよく、ECU9が、燃焼室内の圧力に基づいて、点火電圧の指令値を算出し、制御回路8に伝達するように構成されてもよい。
また、制御回路8は、電圧検出回路14により、点火時のバリア点火プラグ1の印加電圧を検出し、点火電圧と燃焼室内の圧力との関係が予め設定された関係特性を参照し、点火時の印加電圧に対応する燃焼室内の圧力を推定してもよい。具体的には、バリア点火プラグ毎に、点火電圧と点火電圧燃焼室内の圧力との関係特性が、事前評価において予めマップ化され、制御回路8の記憶装置にマップデータが保存される。なお、マップデータは、ECU9の記憶装置に保存されてもよく、ECU9が、制御回路8から伝達された点火時の印加電圧に基づいて、燃焼室内の圧力を推定するように構成されてもよい。
また、燃焼室内の圧力の推定精度が出ない場合には、燃焼室内の圧力の推定値に、所定の補正値により補正を行ってもよい。また、燃焼室内に圧力センサが備えられ、制御回路8は、圧力センサにより燃焼室内の圧力を検出してもよい。そして、制御回路8は、放電開始電圧又は点火時の印加電圧に基づいて推定した燃焼室内の圧力、及び圧力センサにより検出した燃焼室内の圧力に基づいて、最終的な燃焼室内の圧力を推定してもよい。2つの圧力検出手段を組み合わせることで、燃焼室内の圧力の検出精度を高めることができる。更に、燃焼室内の圧力を推定する期間の燃焼室内の圧力の平均値を算出し、その燃焼室内の圧力の平均値にある所定の補正値により補正を行ってもよい。
以上のように、燃焼室内の圧力を推定することにおり、点火直前の燃焼室内の圧力が得られるため、点火に必要な電圧又は点火に必要な最小電圧で点火が可能になる。そのため、燃焼室内の圧力が変化しても、確実に点火でき、着火性を向上させることができ、また、消費電力を低減できると共に、バリア点火プラグ1の摩耗の少ない点火もできる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、制御回路8は、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧を増減させることにより、インバータ5の出力交流電圧を増減させるように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、制御回路8は、インバータ5のスイッチング素子のオン期間(オンデューティ比)を増減することにより、DC/DCコンバータ6の出力直流電圧に対するインバータ5の出力交流電圧を増減させるように構成されてもよい。
(2)上記の各実施の形態においては、制御回路8は、電圧検出回路14により検出した印加電圧に基づいて、放電の有無を判定し、放電開始電圧を判定し、無点火放電電圧の指令値を算出するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、ECU9が、電圧検出回路14により検出した印加電圧に基づいて、放電の有無を判定し、放電開始電圧を判定し、無点火放電電圧の指令値を算出し、無点火放電電圧の指令値を制御回路8に伝達するように構成されてもよい。制御回路8とECU9との処理機能の分担は、任意の分担にされてもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、制御装置11は、制御回路8とECU9から構成されている場合を例として説明した。しかし、制御回路8は、ECU9に組み込まれており、制御回路8とECU9とが一体構成されてもよい。或いは、制御装置11は、DC/DCコンバータ6及びインバータ5を直接制御する制御回路8から構成され、ECU9は、制御装置11に含まれないものと解釈してもよい。
なお、実施の形態1、2で用いた数値または波形は、実施の形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 バリア点火プラグ、2 共振用コイル、3 共振回路、4 トランス、5 インバータ、6 DC/DCコンバータ、7 バッテリ、8 制御回路、9 ECU(エンジンコントロールユニット)、10 電源回路、11 制御装置、14 電圧検出回路、VJH 正の放電判定閾値、VJL 負の放電判定閾値、α オフセット電圧、f1 放電が無い場合の共振回路の共振周波数、fc 制御周波数

Claims (12)

  1. 直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータから出力された直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータと、
    前記インバータから出力された交流電圧を昇圧して出力するトランスと、
    前記トランスから出力された交流電圧を共振により増幅する共振回路と、
    前記共振回路により増幅された交流電圧が印加され、燃焼室に設けられる、電極が誘電体で覆われたバリア点火プラグと、
    前記バリア点火プラグの印加電圧を検出する電圧検出回路と、
    前記DC/DCコンバータ及び前記インバータを制御することにより、前記バリア点火プラグの印加電圧を増減させる制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記燃焼室内の混合気の点火前に設定された期間であって、オゾン及びラジカルを生成し、点火時の燃焼の拡大を促進するための燃焼支援期間において、前記混合気の点火に至らない前記バリア点火プラグの放電である無点火放電を発生させる無点火放電電圧を、前記バリア点火プラグに印加する燃焼支援制御を実行し、
    前記燃焼支援制御において、前記電圧検出回路により検出した前記印加電圧に基づいて、交流周期における1周期前の前記印加電圧と今周期の前記印加電圧との電圧差を算出し、前記電圧差と予め設定された放電判定閾値との比較により、前記バリア点火プラグの前記無点火放電の有無を判定するバリア放電型点火装置。
  2. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定する請求項1に記載のバリア放電型点火装置。
  3. 前記制御装置は、燃焼室内の圧力と放電ギャップとの積算により算出したPD積に応じて前記放電判定閾値を変化させる請求項1又は2に記載のバリア放電型点火装置。
  4. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧
    である放電開始電圧を判定し、
    判定した前記放電開始電圧に基づいて、前記バリア点火プラグに印加する前記無点火放電電圧の指令値を変化させる請求項1から3のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  5. 前記制御装置は、前記燃焼支援制御において、前記インバータの出力交流電圧の周波数を、前記共振回路の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の周波数であって、前記無点火放電が無い場合の前記共振回路の共振周波数以上に設定された制御周波数に制御すると共に、1周期前の前記印加電圧から今周期の前記印加電圧を減算した前記電圧差が、正の値に設定された正の前記放電判定閾値よりも大きい場合に、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定し、前記電圧差が負の値に設定された負の前記放電判定閾値よりも小さい場合に、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が停止したと判定し、前記電圧差が正の前記放電判定閾値と負の前記放電判定閾値との間にある場合は、前回判定した前記バリア点火プラグの前記無点火放電有無の状態が維持されていると判定する請求項1から4のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  6. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定し、
    前記バリア点火プラグに印加する前記無点火放電電圧の指令値を、判定した前記放電開始電圧に予め設定されたオフセット電圧を加算した電圧に変化させる請求項1から5のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  7. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定し、
    前記燃焼支援制御の開始後、前記インバータから出力される交流電圧の周波数を、前記共振回路の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数に制御すると共に、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定されるまで、前記インバータの出力交流電圧を上昇させ、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した後は、前記印加電圧が前記無点火放電電圧の指令値に近づくように、前記インバータの出力交流電圧を増減させ、
    今回判定した前記放電開始電圧と今回用いた前記無点火放電電圧の指令値との電圧差が減少するように、次回用いる前記無点火放電電圧の指令値を変化させる学習制御を実行する請求項1から5のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  8. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定し、
    前記燃焼支援制御の開始後、前記インバータから出力される交流電圧の周波数を、前記共振回路の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数に制御すると共に、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定されるまで、前記インバータの出力交流電圧を交流周期毎に上昇させ、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した後は、前記無点火放電が開始したと判定した際に判定した前記放電開始電圧に前記印加電圧が近づくように、前記インバータの出力交流電圧を交流周期毎に増減させる請求項1から5のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  9. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定し、
    前記燃焼支援制御の開始後、前記インバータの出力交流電圧の周波数を、前記共振回路の共振により交流電圧が増幅する共振周波数帯域内の予め設定された制御周波数に制御すると共に、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定されるまで、前記インバータの出力交流電圧を、前記共振回路の共振成長の時間遅れに対応する複数回の交流周期毎に上昇させ、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した後は、前記無点火放電が開始したと判定した際に判定した前記放電開始電圧に前記印加電圧が近づくように、前記インバータの出力交流電圧を前記複数回の交流周期毎に増減させる請求項1から5のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  10. 前記制御装置は、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始したと判定した際の前記印加電圧に基づいて、前記バリア点火プラグの前記無点火放電が開始する前記印加電圧である放電開始電圧を判定し、
    前記放電開始電圧と前記燃焼室内の圧力との関係が予め設定された関係特性を参照し、判定した前記放電開始電圧に対応する前記燃焼室内の圧力を推定し、推定した前記燃焼室内の圧力に基づいて、点火のために必要な前記印加電圧である点火電圧の指令値を算出し、点火制御の実行時に、前記印加電圧を前記点火電圧の指令値まで昇圧させる請求項1から9のいずれか一項に記載のバリア放電型点火装置。
  11. 前記制御装置は、前記点火電圧の指令値として、点火のために最小限必要な前記印加電圧を算出する請求項10に記載のバリア放電型点火装置。
  12. 前記燃焼室内に圧力センサを備え、
    前記放電開始電圧に基づいて推定した前記燃焼室内の圧力、及び前記圧力センサにより検出した前記燃焼室内の圧力に基づいて、最終的な前記燃焼室内の圧力を推定する請求項10又は11に記載のバリア放電型点火装置。
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