JP6207682B2 - 積層体及び電気化学デバイス - Google Patents

積層体及び電気化学デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6207682B2
JP6207682B2 JP2016133296A JP2016133296A JP6207682B2 JP 6207682 B2 JP6207682 B2 JP 6207682B2 JP 2016133296 A JP2016133296 A JP 2016133296A JP 2016133296 A JP2016133296 A JP 2016133296A JP 6207682 B2 JP6207682 B2 JP 6207682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
manifold
coating layer
titanium
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016133296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017013503A (ja
Inventor
中村 俊之
俊之 中村
裕己 田中
裕己 田中
誠 大森
誠 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Publication of JP2017013503A publication Critical patent/JP2017013503A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6207682B2 publication Critical patent/JP6207682B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、積層体及び電気化学デバイスに関する。
従来、電気化学デバイスの一つである燃料電池スタックでは、燃料電池を支持するためのマニホールドが用いられている。マニホールドは、一般的に、鉄とクロムを含有するステンレス鋼によって構成される。
ここで、マニホールドから揮発するクロムによって燃料電池の電極が劣化することを抑制するために、絶縁性のセラミックスによってマニホールドの外表面をコーティング層で覆う手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2015−035418号公報
しかしながら、燃料電池を長時間稼働すると、コーティング層がマニホールドから剥離する場合がある。このようなコーティング層の剥離は、燃料電池スタックのマニホールドに限られるものではなく、高温環境下で用いられる電気化学デバイスの構成部材全般で生じるものである。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、コーティング層の剥離を抑制可能な積層体及び電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係る積層体は、金属部材、コーティング層と、第1中間層とを備える。金属部材は、鉄とクロムを含有する。コーティング層は、前記金属部材の表面の少なくとも一部を覆い、絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有する。第1中間層は、前記金属部材と前記コーティング層との間に配置され、絶縁性のセラミックス材料を主成分とするとともに、酸化チタンを含有する。
本発明によれば、コーティング層の剥離を抑制可能な積層体及び電気化学デバイスを提供することができる。
燃料電池スタックの構成を示す斜視図 燃料電池の構成を示す斜視図 図2のP−P断面図 マニホールドの構成を示す斜視図 図4のQ−Q断面図
(燃料電池スタック1の構成)
燃料電池スタック1の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、燃料電池スタック1の構成を示す斜視図である。
燃料電池スタック1は、複数の燃料電池100(電気化学セルの一例)、マニホールド200及び燃料導入通路300を備える。
複数の燃料電池100は、マニホールド200に立設される。各燃料電池100は、マニホールド200から突出するように配置される。各燃料電池100の一端部は、図示しない接合材(例えば、非晶質ガラスなど)によってマニホールド200に接合される。各燃料電池100の他端部は自由端である。燃料電池100どうしは、図示しない集電部材によって互いに電気的に接続される。本実施形態では、複数の燃料電池100が2列に並べられているが、列数や各列に含まれる燃料電池100の枚数は適宜変更可能である。
マニホールド200は、複数の燃料電池100を支持する。マニホールド200は、中空状に形成される。マニホールド200は、燃料導入通路300からマニホールド200の内部に導入される燃料ガスを各燃料電池100に供給する。燃料導入通路300は、マニホールド200に立設される。燃料導入通路300は、マニホールド200に溶接されていてもよい。
燃料電池スタック1を稼働する場合、高温(例えば、600〜800℃)の燃料ガス(水素など)が燃料導入通路300、マニホールド200及び各燃料電池100の内部を順次通過して各燃料電池100の他端部から放出されるとともに、酸素含有ガス(空気など)が燃料電池100どうしの隙間を通過する。
1.燃料電池100の構成
燃料電池100の構成について図面を参照しながら説明する。図2は、燃料電池100の構成を示す斜視図である。図3は、図2のP−P断面図である。
燃料電池100は、支持基板10、燃料極20、インターコネクタ30、固体電解質層40、反応防止膜50、空気極60及び空気極集電膜70を備える。燃料極20、固体電解質膜40、反応防止膜50及び空気極60によって発電素子部Aが構成されている。本実施形態に係る燃料電池100は、図2に示すように、4つの発電素子部Aが長手方向に所定間隔で配置された、いわゆる横縞型燃料電池である。支持基板10の両主面上には、発電素子部Aが4つずつ配置されているが、各発電素子部Aの構成は同じであるため、以下においては1つの発電素子部Aの構成について主に説明する。
支持基板10は、平板状に形成される。支持基板10は、長手方向に延びる複数の燃料ガス流路11を内部に有する。マニホールド200から供給される燃料ガスは、複数の燃料ガス流路11それぞれを通過する。
支持基板10は、電子伝導性を有さない多孔質材料によって構成される。電子伝導性を有さない多孔質材料としては、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)、8YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、10YSZ、Y(イットリア)、MgO(酸化マグネシウム)、又は、MgAl(マグネシアアルミナスピネル)とMgOの混合物などを用いることができる。
支持基板10は、燃料ガスの改質反応を促す触媒(炭化水素系のガスの改質触媒)として機能し得る遷移金属を含有していてもよい。このような遷移金属としてはNiが好適である。支持基板10は、NiをNiO(酸化ニッケル)の形態で含有していてもよい。
燃料極20は、支持基板10の主面に形成された凹部12内に配置される。燃料極20は、燃料極集電部21と燃料極活性部22を有する。燃料極集電部21は、電子伝導性を有する物質を含む。燃料極集電部21は、例えば、NiO−YSZ、NiO−Y、NiO−CSZなどによって構成することができる。燃料極集電部21の厚みは50〜500μmとすることができる。燃料極活性部22は、燃料極集電部21の凹部21a内に配置される。燃料極活性部22は、例えば、NiO−YSZ、NiO−GDC(ガドリニウムドープセリア)などによって構成することができる。燃料極活性部22の厚みは5〜30μmとすることができる。
インターコネクタ30は、燃料極集電部21の凹部21b内に配置される。インターコネクタ30は、燃料極20と面一で形成される。インターコネクタ30は、電子伝導性を有する緻密材料によって構成することができる。インターコネクタ30は、例えば、LaCrO(ランタンクロマイト)や(Sr,La)TiO(ストロンチウムチタネート)などによって構成することができる。インターコネクタ30の厚みは、10〜100μmとすることができる。
固体電解質膜40は、燃料極20とインターコネクタ30の一部を覆う。燃料極20がインターコネクタ30と固体電解質膜40に覆われることによって、燃料ガスと空気との混合が防止される。固体電解質膜40は、酸素イオン伝導性を有しかつ電子伝導性を有さない緻密材料によって構成することができる。固体電解質膜40は、例えば、YSZやLSGM(ランタンガレート)などによって構成することができる。固体電解質膜40の厚みは、3〜50μmとすることができる。
反応防止膜50は、固体電解質膜40と空気極60の間に配置される。反応防止膜50は、固体電解質膜40が含有するYSZと空気極60が含有するSrとが反応して電気抵抗層が形成されることを抑制する。反応防止膜50は、例えば、GDC(ガドリニウムドープセリア)などによって構成することができる。反応防止膜50の厚みは、3〜50μmとすることができる。
空気極60は、反応防止膜50上に配置される。空気極60は、電子伝導性を有する多孔質材料によって構成される。空気極60は、例えば、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSF(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF(ランタンニッケルフェライト)、LSC(ランタンストロンチウムコバルタイト)などによって構成することができる。空気極60は、LSCFによって構成される下層とLSCによって構成される上層の二層構造であってもよい。空気極60の厚みは、10〜100μmとすることができる。
空気極集電膜70は、固体電解質膜40と空気極60を覆う。空気極集電膜70の端部は、隣接する他の発電素子部Aのインターコネクタ30に接続される。これにより隣接する発電素子部Aどうしが電気的に直列に接続される。
以上の構成を有する燃料電池100の製造方法は、特開2015−035418号公報に開示されている。本実施形態では、燃料電池100の構成及び製造方法について特開2015−035418号公報の内容を援用する。
2.マニホールド200の構成
マニホールド200の構成について図面を参照しながら説明する。図4は、マニホールド200の構成を示す斜視図である。図5は、図4のQ−Q断面図である。
マニホールド200は、平板状の中空体である。マニホールド200は、図4に示すように、第1主面210S、第2主面210T及び側面210Uを有する。第1主面210Sには、複数の挿入孔201と接続孔202が形成されている。各挿入孔201は、マニホールド200の内部空間に繋がる。各挿入孔201には、各燃料電池100の一端部が挿入される。接続孔202は、マニホールド200の内部空間に繋がる。接続孔202には、燃料導入通路300の一端部が接続される。第2主面210Tは、第1主面210Sの反対側に設けられる。側面210Uは、第1主面210Sと第2主面210Tそれぞれの外縁に連なる。
マニホールド200は、図5に示すように、マニホールド本体210(金属部材の一例)、コーティング層220、第1中間層230及び第2中間層240によって構成される。
マニホールド本体210は、板状に形成される。マニホールド本体210は、鉄とクロムを含有する金属材料によって構成される。このような金属材料としては、ステンレス鋼などが好適である。マニホールド本体210の熱膨張係数は、燃料電池100の熱膨張係数と近似していることが好ましい。
マニホールド本体210は、鉄とクロムのほかTi(チタン)やAl(アルミニウム)を含有していてもよい。
本実施形態において、マニホールド本体210はアルミニウムを含有する第2中間層240と接触しているため、マニホールド本体210もアルミニウムを含有していることが好ましい。これにより、マニホールド本体210と第2中間層240の密着性をより向上させることができる。マニホールド本体210は、アルミニウムを酸化アルミニウム(アルミナ)として含有していてもよい。マニホールド本体210におけるアルミニウムの平均濃度は、0.01at.%以上6.5at.%以下とすることができる。
また、マニホールド200が第2中間層240を備えていない場合、マニホールド本体210はチタンを含有する第1中間層230と接触することになるため、マニホールド本体210はチタンを含有していることが好ましい。これにより、マニホールド本体210と第1中間層230の密着性をより向上させることができる。マニホールド本体210は、チタンを酸化チタン(チタニア)として含有していてもよい。マニホールド本体210におけるチタンの平均濃度は、0.01at.%以上1.0at.%以下とすることができる。
コーティング層220は、マニホールド本体210の外表面のうち少なくとも一部を覆う。コーティング層220は、マニホールド本体210の外表面のうち酸素含有ガスと接触する可能性のある領域全面を覆っていることが好ましい。本実施形態では、マニホールド本体210のうち第1主面210S、第2主面210T及び側面210Uが酸素含有ガスと接触するため、コーティング層220は各面の全面を覆っている。
コーティング層220は、絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有する。このようなセラミックス材料としては、結晶化ガラス、アルミナ、シリカ及びジルコニアなどが挙げられ、特に結晶化ガラスが好適である。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系ガラス、SiO−CaO系ガラス、SiO−BaO系ガラス、MgO−B系ガラスを用いることができ、特にSiO−MgO系ガラスが好ましい。コーティング層220は、酸化チタンを含有していてもよい。
本実施形態において、「所定成分Xを主成分として含有する」とは、各層又は各領域において原子数%基準で所定成分Xの含有量が最も多いことを意味する。
また、本実施形態において、「結晶化ガラス」とは、全体積に対する結晶相が占める体積割合(すなわち、結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する非晶質相及び不純物が占める体積割合が40%未満のガラス(セラミックス)を意味する。結晶化ガラスの結晶化度は、結晶化後のガラス組織や組成分布から結晶相領域の体積割合を算出することで得られる。結晶化後のガラス組織や組成分布は、例えば、XRD(X線回折装置)などを用いて結晶相を同定し、SEM(走査電子顕微鏡)及びEDS(エネルギー分散型X線分光器)、又は、SEM及びEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)などによって観察することができる。
コーティング層220は、緻密質であることが好ましい。コーティング層220における気孔率は、10%未満であることが好ましい。コーティング層220の内部に存在する気孔の平均径は、0.1〜10μmとすることができる。コーティング層220の厚みは、5μm以上200μm以下とすることができる。
本実施形態において、各層又は各領域が含有する「所定元素の平均濃度」とは、原子濃度プロファイルによるライン分析、つまりEDSによる特性X線強度の比較によって得られる平均濃度を意味する。具体的には、マニホールド本体210の第1主面210Sに垂直な断面において、第1主面210Sに垂直な厚み方向に沿って各層又は各領域をEDSでライン分析することによって得られる所定元素の濃度分布データに基づいて平均濃度を算出することができる。
第1中間層230は、マニホールド本体210とコーティング層220の間に配置される。本実施形態では、マニホールド200が第2中間層240を有しているため、第1中間層230は、第2中間層240とコーティング層220に挟まれている。第1中間層230の厚みは特に制限されないが、0.5μm以上25μm以下とすることができる。
第1中間層230は、絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有する。このようなセラミックス材料としては、コーティング層220と同様の材料を用いることができる。第1中間層230のセラミックス材料は、コーティング層220のセラミックス材料と異種であってもよいが同種であることが好ましい。
第1中間層230は、酸化チタンを含有する。第1中間層230におけるチタンの平均濃度は、0.5at.%以上25.0at.%以下である。第1中間層230におけるチタンの平均濃度は、コーティング層220におけるチタンの平均濃度よりも高く、後述する第2中間層240におけるチタンの平均濃度よりも高い。
チタンの平均濃度は、EDSを用いたライン分析によって測定される。チタンの平均濃度は、厚み方向において均等に10箇所のチタン濃度を測定し、それらの測定値を算術平均することによって得られる。
第1中間層230が含有する酸化チタンは、コーティング層220の主成分であるセラミックス材料に比べて、マニホールド本体210との密着性が高い。また、酸化チタンは、酸素に対する親和性が高く安定した酸化物であるため、セラミックス材料によって構成されるコーティング層220との密着性も高い。従って、マニホールド200が第2中間層240を備えていない場合であっても、コーティング層220とマニホールド本体210の間に第1中間層230を介挿させることによって、コーティング層220がマニホールド本体210から剥離することを抑制できる。
本実施形態において、第1中間層230とコーティング層220との間の界面P1は、チタンの平均濃度が0.5at.%となるラインによって定義される。第1中間層230と第2中間層240との間の界面P2は、アルミニウムとチタンの濃度比が1.0となるラインによって定義される。
第1中間層230は、酸化アルミニウムを含有していてもよい。第1中間層230におけるアルミニウムの平均濃度は、後述する第2中間層240におけるアルミニウムの平均濃度よりも低いことが好ましい。第1中間層230におけるアルミニウムの平均濃度は、0.1at.%以上20.0at.%以下とすることができる。
本実施形態において、第1中間層230は酸化アルミニウムを含有する第2中間層240と接触しているため、第1中間層230に酸化アルミニウムを含有させることによって、第1中間層230と第2中間層240の密着性をより向上させることができる。
第2中間層240は、マニホールド本体210と第1中間層230の間に配置される。第2中間層240の厚みは特に制限されないが、0.5μm以上20μm以下とすることができる。第2中間層240は、絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有する。このようなセラミックス材料としては、コーティング層220や第1中間層230と同様の材料を用いることができる。第2中間層240のセラミックス材料は、コーティング層220や第1中間層230のセラミックス材料と異種であってもよいが同種であることが好ましい。
第2中間層240は、酸化アルミニウムを含有する。第2中間層240におけるアルミニウムの平均濃度は、0.5at.%以上35.0at.%以下とすることができる。これによって、密着性を高めることができる。第2中間層240におけるアルミニウムの平均濃度は、第1中間層230におけるアルミニウムの平均濃度よりも高い。
アルミニウムの平均濃度は、EDSを用いたライン分析によって測定される。アルミニウムの平均濃度は、厚み方向において均等に10箇所のアルミニウム濃度を測定し、それらの測定値を算術平均することによって得られる。
第2中間層240が含有する酸化アルミニウムは、コーティング層220の主成分であるセラミックス材料に比べて、マニホールド本体210との密着性が高い。また、酸化アルミニウムは、酸素に対する親和性が高く安定した酸化物であるため、セラミックス材料を主成分とする第1中間層230との密着性も高い。従って、本実施形態のように、マニホールド本体210と第1中間層230の間に第2中間層240を介挿させることによって、コーティング層220がマニホールド本体210から剥離することをより抑制できる。
本実施形態において、第2中間層240とマニホールド本体210との間の界面P3は、アルミニウムの平均濃度が0.5at.%となるラインによって定義される。
第2中間層240は、酸化チタンを含有していてもよい。第2中間層240におけるチタンの平均濃度は、第1中間層230におけるチタンの平均濃度よりも低いことが好ましい。第2中間層240におけるチタンの平均濃度は、0.1at.%以上20.0at.%以下とすることができる。
本実施形態において、第2中間層240は酸化チタンを含有する第1中間層230と接触しているため、第2中間層240にも酸化チタンを含有させることによって、第1中間層230と第2中間層240の密着性をより向上させることができる。
(燃料電池スタック1の製造方法)
燃料電池スタック1の製造方法について説明する。
まず、所定数の燃料電池100とマニホールド本体210を準備する。
次に、アルミニウムを添加した絶縁性のセラミックス材料と各種コーティング材料(例えば、非晶質ガラスなど)、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、第2中間層240用のペーストを作製する。
次に、印刷法やディッピング法などによって、第2中間層240用のペーストをマニホールド本体210の外表面を覆うように塗布する。
次に、チタンを添加した絶縁性のセラミックス材料と各種コーティング材料(例えば、非晶質ガラスなど)、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、第1中間層230用のペーストを作製する。
次に、印刷法やディッピング法などによって、第1中間層230用のペーストを第2中間層240用のペースト上に塗布する。
次に、絶縁性のセラミックス材料と各種コーティング材料(例えば、非晶質ガラスなど)、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、コーティング層220用のペーストを作製する。
次に、印刷法やディッピング法などによって、コーティング層220用のペーストを第1中間層230用のペースト上に塗布する。
次に、所定の治具を用いて、複数の燃料電池100それぞれの一端部をマニホールド本体210の複数の挿入孔201それぞれに挿入する。
次に、非晶質材料(例えば、非晶質ガラスなど)のペーストを各挿入孔201と各燃料電池100との隙間に充填する。
次に、塗布又は充填された各ペーストに熱処理(800℃〜1050℃、1時間〜10時間)を施す。セラミックス材料が非晶質材料である場合には、熱処理によって非晶質材料の温度が結晶化温度まで到達して内部で結晶相が生成されて結晶化が進行すると、非晶質材料が固化及びセラミックス化して結晶化ガラスとなる。
(他の実施形態)
本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
マニホールド200は、複数の燃料電池100を挿入するための複数の挿入孔201を有することとしたが、複数の燃料電池100すべてを挿入するための1つの挿入孔201を有していてもよい。
マニホールド200の各挿入孔201には、1枚の燃料電池100を挿入することとしたが、2枚以上の燃料電池100を挿入してもよい。
マニホールド200の挿入孔201に燃料電池100を挿入することとしたが、燃料電池100を挿入孔201の近くに配置して挿入孔201と燃料電池100の隙間を接合材で埋めてもよい。
マニホールド200は平板状に形成されることとしたが、マニホールド200の外形は特に制限されない。
マニホールド本体210とコーティング層220との間の全領域に第1中間層230が連続的に介挿されることとしたが、第1中間層230は断続的又は部分的に介挿されていてもよい。この場合であっても、マニホールド本体210からコーティング層220が剥離することを抑制できる。
マニホールド本体210と第1中間層230との間には第2中間層240が介挿されることとしたが、第2中間層240は介挿されていなくてもよい。この場合であっても、上述のとおり、酸化チタンを含有する第1中間層230はコーティング層220及びマニホールド本体210それぞれと密着性が高いため、マニホールド本体210からコーティング層220が剥離することを抑制できる。
コーティング層220はマニホールド本体210の外表面の少なくとも一部を覆うこととしたが、マニホールド本体210の内表面も覆っていてもよい。この場合、内表面を覆うコーティング層220とマニホールド本体210との間には第1中間層230や第2中間層240が介挿されていてもよい。
上記実施形態では、本発明に係る「積層体」を燃料電池スタック用のマニホールドに適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。本発明に係る「積層体」は、鉄とクロムを含有する金属部材と、金属部材の外表面を覆うコーティング層と、酸化チタンを含有する第1中間層とを少なくとも備える。このような「積層体」は、高温環境下で使用される電気化学デバイスの構成部材(例えば、ガス配管や継ぎ手など)に適用することができる。電気化学デバイスには、燃料電池のほか、蓄電池、光触媒、及び電気化学センサーなどの電気化学セルを備えるデバイスが含まれる。
以下において本発明に係る積層体の実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜20の作製)
以下のようにして実施例1〜20を作製した。
まず、鉄とクロムを含有するステンレス(SUS430またはSUS436L)製のマニホールド本体を準備した。SUS430はチタンを実質的に含有しておらず、SUS436Lはチタンを含有している。
次に、チタンを添加した表1のセラミック材料と各種コーティング材料(SiO−CaO系ガラス及びSiO−MgO系ガラス)、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、第1中間層用のペーストを作製した。この際、表1に示すように、第1中間層におけるチタンの平均濃度がサンプルごとに異なるようにチタンの添加量を調整した。
次に、印刷法によって、第1中間層用のペーストをマニホールド本体の外表面を覆うように塗布した。
次に、表1のセラミック材料と各種コーティング材料(SiO−CaO系ガラス及びSiO−MgO系ガラス)、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、コーティング層用のペーストを作製した。
次に、印刷法によって、第1中間層用のペーストを覆うようにコーティング層用のペーストを塗布した。
次に、塗布した各ペーストに熱処理(850℃、2時間)を施した。
(実施例21〜36の作製)
以下のようにして実施例21〜36を作製した。
まず、鉄とクロムを含有するステンレス(SUS436L)製のマニホールド本体を準備した。
次に、アルミニウムを添加した表1のセラミック材料と各種コーティング材料、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、第2中間層用のペーストを作製した。この際、表1に示すように、第2中間層におけるアルミニウムの平均濃度がサンプルごとに異なるようにアルミニウムの添加量を調整した。
次に、印刷法によって、第2中間層用のペーストをマニホールド本体の外表面を覆うように塗布した。
次に、チタンを添加した表1のセラミック材料と各種コーティング材料、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、第1中間層用のペーストを作製した。この際、表1に示すように、第1中間層におけるチタンの平均濃度がサンプルごとに異なるようにチタンの添加量を調整した。
次に、印刷法によって、第2中間層用のペーストを覆うように第1中間層用のペーストを塗布した。
次に、表1のセラミック材料と各種コーティング材料、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、コーティング層用のペーストを作製した。
次に、印刷法によって、第1中間層用のペーストを覆うようにコーティング層用のペーストを塗布した。
次に、塗布した各ペーストに熱処理(850℃、2時間)を施した。
(比較例1〜4の作製)
以下のようにして比較例1〜4を作製した。
まず、鉄とクロムを含有するステンレス(SUS436L)製のマニホールド本体を準備した。
次に、表1のセラミック材料と各種コーティング材料、エチルセルロースなどのバインダー及びイソプロピルアルコールなどの分散媒を混合することによって、コーティング層用のペーストを作製した。
次に、印刷法によって、コーティング層用のペーストをマニホールド本体の外表面を覆うように塗布した。
次に、塗布したコーティング層用のペーストに熱処理(850℃、2時間)を施した。
(第1中間層及び第2中間層における元素の濃度分析)
実施例1〜36を厚み方向に平行に切断し、厚み方向に沿ってEDSでライン分析することによって、厚み方向におけるチタン及びアルミニウムそれぞれの濃度分布データを取得した。そして、濃度分布データに基づいて第1中間層におけるチタンの平均濃度と第2中間層におけるアルミニウムの平均濃度を算出した。算出結果を表1に示す。
(熱耐久性試験)
実際の使用環境を模して、実施例1〜36及び比較例1〜4それぞれに熱耐久性試験を実施した。具体的には、コーティングを施したマニホールドを用いて、大気中において、850℃×30minと100℃×30minの温度に加熱・冷却を繰り返す熱処理を20回繰り返した。その後、上記マニホールドを850℃に加熱された炉中に1000時間保持した後、更に850℃×30minと100℃×30minの温度に加熱・冷却を繰り返す熱処理を20回繰り返した。表1では、上記熱処理後のコーティング層に剥離が見られなかったものを「◎(優)」と評価し、微小剥離(200μm以下の剥離)が見られたものを「○(良)」と評価し、200μm超の剥離が生じたものを「×(不可)」と評価した。ここで、剥離部分の大きさは、剥離によって生じた気孔の円相当径で定義した。
Figure 0006207682
表1に示すように、酸化チタンを含有する第1中間層を設けた実施例1〜20と、酸化チタンを含有する第1中間層及び酸化アルミニウムを含有する第2中間層を設けた実施例21〜36では、比較例1〜4に比べて、コーティング層がマニホールド本体から剥離することを抑制できた。これは、第1中間層及び第2中間層がコーティング層及びマニホールド本体それぞれに対して高い密着性を有するためである。
また、チタンを含有するマニホールド本体を用いた実施例5〜36では、コーティング層の剥離をより抑制できることが確認できた。これは、第1中間層が含有するチタンをマニホールド本体にも含有させることによって、第1中間層とマニホールド本体の密着性をより向上させることができたためである。
また、第1中間層におけるチタンの平均濃度を0.5at.%以上25.0at.%以下とした実施例5〜16では、チタンの平均濃度を0.5at.%未満又は25.0at.%超とした実施例17〜20に比べて、コーティング層の剥離をより抑制できた。
また、第2中間層におけるアルミニウムの平均濃度を0.5at.%以上35.0at.%以下とした実施例21〜32では、チタンの平均濃度を0.5at.%未満又は35.0at.%超とした実施例33〜36に比べて、コーティング層の剥離をより抑制できた。
1 燃料電池スタック
100 燃料電池
200 マニホールド
210 マニホールド本体
201 挿入孔
220 コーティング層
230 第1中間層
240 第2中間層
300 燃料導入通路

Claims (5)

  1. 高温環境下で用いられる電気化学デバイスに適用される積層体であって、
    鉄、クロム及びチタンを含有するステンレスによって構成される金属部材と、
    前記金属部材の表面の少なくとも一部を覆い、SiO 、MgO,BaO、及びCaOから選択される絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有するコーティング層と、
    前記金属部材と前記コーティング層との間に配置され、TiO 、CaO、SiO 、MgO及びBaOから選択される絶縁性のセラミックス材料を主成分とするとともに、酸化チタンを含有する第1中間層と、
    を備え、
    前記第1中間層は、前記コーティング層及び前記金属部材のそれぞれに隣接しており、
    前記第1中間層におけるチタンの平均濃度は、0.5at.%以上25.0at.%以下である、
    積層体。
  2. 高温環境下で用いられる電気化学デバイスに適用される積層体であって、
    鉄、クロム及びチタンを含有するステンレスによって構成される金属部材、
    前記金属部材の表面の少なくとも一部を覆い、SiO 、MgO,BaO、及びCaOから選択される絶縁性のセラミックス材料を主成分として含有するコーティング層と、
    前記金属部材と前記コーティング層との間に配置され、TiO 、CaO、SiO 、MgO及びBaOから選択される絶縁性のセラミックス材料を主成分とするとともに、酸化チタンを含有する第1中間層と、
    前記第1中間層と前記金属部材との間に配置され、SiO 、Al 、MgO、BaO及びCaOから選択される絶縁性のセラミックス材料を主成分とするとともに、酸化アルミニウムを含有する第2中間層と、
    を備え、
    前記第1中間層は、前記コーティング層に隣接し、
    前記第2中間層は、前記第1中間層及び前記金属部材のそれぞれに隣接し、
    前記第1中間層におけるチタンの平均濃度は、0.2at.%以上29.1at.%以下であり、
    前記第2中間層におけるアルミニウムの平均濃度は、0.2at.%以上38.2at.%以下である、
    積層体。
  3. 前記第2中間層におけるアルミニウムの平均濃度は、0.5at.%以上35.0at.%以下である、
    請求項2に記載の積層体。
  4. 前記金属部材は、チタンを含有する、
    請求項1乃至のいずれかに記載の積層体。
  5. 高温環境下で用いられる電気化学デバイスであって、
    電気化学セルと、
    請求項1乃至のいずれかに記載の積層体と、
    を備える電気化学デバイス。
JP2016133296A 2015-07-06 2016-07-05 積層体及び電気化学デバイス Active JP6207682B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015135433 2015-07-06
JP2015135433 2015-07-06

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017135967A Division JP6359157B2 (ja) 2015-07-06 2017-07-12 積層体及び電気化学デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017013503A JP2017013503A (ja) 2017-01-19
JP6207682B2 true JP6207682B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=57829597

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016133296A Active JP6207682B2 (ja) 2015-07-06 2016-07-05 積層体及び電気化学デバイス
JP2017135967A Active JP6359157B2 (ja) 2015-07-06 2017-07-12 積層体及び電気化学デバイス

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017135967A Active JP6359157B2 (ja) 2015-07-06 2017-07-12 積層体及び電気化学デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP6207682B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020145366A1 (ja) * 2019-01-10 2020-07-16 日本碍子株式会社 複合部材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08319582A (ja) * 1995-05-19 1996-12-03 Isuzu Ceramics Kenkyusho:Kk 金属表面の絶縁性セラミックス膜及びその形成方法
JP4756905B2 (ja) * 2005-05-10 2011-08-24 日新製鋼株式会社 固体酸化物型燃料電池セパレータ材
JP5599956B1 (ja) * 2013-07-10 2014-10-01 日本碍子株式会社 燃料電池のスタック構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018020558A (ja) 2018-02-08
JP2017013503A (ja) 2017-01-19
JP6359157B2 (ja) 2018-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839756B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP2018119203A (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
JP6343729B1 (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
JP5662613B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP5162724B1 (ja) 接合材、及び、その接合材を用いた燃料電池のスタック構造体
JP5599956B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP5455271B1 (ja) 燃料電池
JP6359157B2 (ja) 積層体及び電気化学デバイス
JP5501484B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP6063597B1 (ja) 燃料電池のスタック構造体
JP5599923B1 (ja) 接合材、及び、その接合材を用いた燃料電池のスタック構造体
JP5826963B1 (ja) 燃料電池
JP6207420B2 (ja) 燃料電池のスタック構造体、及び、燃料電池のスタック構造体の製造方法
JP5455270B1 (ja) 燃料電池
JP6518823B1 (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
JP5455268B1 (ja) 燃料電池
JP5455267B1 (ja) 燃料電池
JP6335267B2 (ja) 燃料電池スタック
JP5873947B1 (ja) 接合体
JP5646785B1 (ja) 燃料電池
JP5981001B1 (ja) 燃料電池
JP6559301B1 (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
WO2020050251A1 (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
JP2005251611A (ja) 固体酸化物形燃料電池用セル及び固体酸化物形燃料電池
JP5981000B1 (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170328

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170404

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6207682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150