JP6207538B2 - ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体に関するものである。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、耐熱性、電気絶縁性、低誘電特性、低摩擦特性、非粘着性、耐候性などに優れた材料であり、電子機器、摺動材、自動車、厨房用品などに利用されている。このような特性を有するポリテトラフルオロエチレンは、マイクロパウダーとして、各種の樹脂材料(レジスト材料)やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに添加されて製品特性を向上させる目的に用いられている。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、通常、乳化重合法により、水、重合開始剤、含フッ素乳化剤、パラフィンワックスなどの安定剤の存在下で、テトラフルオロエチレン(TFE)モノマーを重合させてポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有する水性分散体として得た後、濃縮、凝集、乾燥などを経て、製造されるものである(例えば、特許文献1参照)。
このポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーを樹脂材料などに添加する方法としては、例えば、直接混ぜ込む方法の他に、水や油性溶剤中に分散してPTFE分散体として混合する方法などが知られている。一旦、水や油性溶剤中に分散してから添加することにより、均一に混合させることができる。
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーは、粒子同士の凝集力が強く、特に、油性溶剤中に微粒子径で低粘度、保存安定性に優れた形で分散することは難しいという課題があった。
更に、非水溶性の樹脂やレジスト材料などに添加する場合には、油性溶剤系のポリテトラフルオロエチレン分散体が求められるところ、ポリテトラフルオロエチレンの水系分散体に関する発明等は数多く知られているが(例えば、特許文献2及び3参照)、この水系分散体と比べて、油性溶剤系のポリテトラフルオロエチレン分散体に関する報告等はほとんどないのが現状である(例えば、特許文献4参照)。
この特許文献4に記載の技術は、PTFE粒子と、少なくとも1つのモノ又はポリオレフィン系不飽和油又は油混合物とからなり、該オレフィン系不飽和油の分子はPTFE(一次)粒子表面上で、ラジカル反応により共有結合/化学結合されており、かつその際にPTFE粒子表面と結合された油分子との間の永久的な電荷分離、及び油又は油混合物中でのPTFE粒子の微細分散が存在する長期安定な油−PTFE分散液であり、その製法は、持続性のペルフルオロ(ペルオキシ)ラジカルを有する変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが、少なくとも1つのオレフィン系不飽和油と一緒に、混合され、かつ次に変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが機械的応力にかけられる方法等により得られるものであり、製法が複雑であり、また、汎用のPTFE粒子を用いるものでなく、本発明とは、技術思想(構成及びその作用効果)が全く相違するものである。
特開2012−92323号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2006−169448号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2009−179802号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特表2011−509321号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の課題及び現状等について、これを解消しようとするものであり、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、特定物性のポリテトラフルオロエチレンと、特定の官能基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して特定量含むことにより、上記目的のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、比表面積が15m/g以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%含むことを特徴とするポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体に存する。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体は、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れており、長期保存後でも再分散性に優れるものとなる。また、フッ素系添加剤が多く含有されていても消泡性に優れ、各種の樹脂材料やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに添加した際にも均一に混合させることができるものとなる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体は、比表面積が15m/g以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%含むことを特徴とするものである。
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という場合がある)は、比表面積が15m/g以下となるものである。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、乳化重合法により得られるものであり、例えば、ふっ素樹脂ハンドブック(黒川孝臣編、日刊工業新聞社)に記載されている方法など、一般的に用いられる方法により得ることができる。そして、前記乳化重合により得られたポリテトラフルオロエチレンは、凝集・乾燥して、一次粒子径が凝集した二次粒子として微粉末として回収されるものであるが、一般的に用いられている各種微粉末の製造方法を用いることができる。
用いるPTFEは、比表面積が2〜15m/gであることが好ましい。本発明(後述実施例を含む)において、「比表面積」は、ガス吸着法により、BETの式を用いて得られる値である。
このPTFEの比表面積が15m/g超過のものであると、油性溶剤中で凝集し、沈降しやすくなり、安定して分散することが難しくなるため、好ましくない。
また、上記PTFEの比表面積の値は、低ければ低い程良好であるが、製造性、コスト面等から、2m/g以上が好ましい。
なお、上記PTFEの比表面積が15m/g以下であれば、PTFEの一次粒子径は特に限定されないが、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法などによって測定される体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が1μm以下であることが望ましい。このPTFEの一次粒子径は、マイクロパウダーの重合段階においてレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって得られた値を示すものであり、測定装置としては、例えばFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法や、マイクロトラック(日機装株式会社製)によるレーザー回折・散乱法や、マックビュー(株式会社マウンテック社製)による画像イメージング法などを挙げることができる。
具体的に用いることできる上記比表面積となるPTFEとしては、ダイニオンTF マイクロパウダー TF−9201Z、ダイニオンTF マイクロパウダー TF−9207Z(いずれも3M社製)、Nano FLON119N、FLUORO E(いずれもシャムロック社製)、TLP10F−1(三井・デュポン フロロケミカル社製)、KTL−500F(株式会社喜多村社製)、Algoflon L203F(SOLVAY社製)などを用いることができる。
本発明においては、分散体全量に対して、好ましくは、PTFEが5〜70質量%含有されることが望ましく、更に好ましくは、10〜60質量%含有されることが望ましい。
この含有量が5質量%未満の場合には、油性溶剤の量が多く、極端に粘度が低下するためにPTFEの微粒子が沈降しやすくなるだけでなく、樹脂などの材料と混合した際に油性溶剤の量が多いことによる不具合、例えば、溶剤の除去に時間を要することになるなど好ましくない状況を生じることがある。一方、70質量%を超えて大きい場合には、PTFE同士が凝集しやすくなり、微粒子の状態を安定的に、流動性を有する状態で維持することが極端に難しくなることがある。
本発明におけるフッ素系添加剤は、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであることが必要であり、少なくとも含フッ素基と親油性基を有するものであれば、特に限定されるものではなく、この他に親水性基が含有されているものであってもよい。
少なくとも含フッ素基と親油性基を有するフッ素系添加剤を用いることにより、分散媒となる油性溶剤の表面張力を低下させ、PTFE表面に対する濡れ性を向上させてPTFEの分散性を向上させると共に、含フッ素基がPTFE表面に吸着し、親油性基が分散媒となる油性溶剤中に伸長し、この親油性基の立体障害によりポリテトラフルオロエチレンの凝集を防止して分散安定性を更に向上させるものとなる。
含フッ素基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基などが挙げられ、親油性基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、シロキサン基などの1種又は2種以上が挙げられ、親水性基としては、例えば、エチレンオキサイドや、アミノ基、ケトン基、カルボキシル基、スルホン基などの1種又は2種以上が挙げられる。
具体的に用いることできるフッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基含有のサーフロンS−611などのサーフロンシリーズ(AGCセイミケミカル社製)、メガファックF−555、メガファックF−558、メガファックF−563などのメガファックシリーズ(DIC社製)、ユニダインDS−403Nなどのユニダインシリーズ(ダイキン工業社製)などを用いることができる。
これらのフッ素系添加剤は、用いるPTFEと油性溶剤の種類によって、適宜最適なものが選択されるものであるが、1種類、または2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
前記フッ素系添加剤の含有量は、ポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1〜50質量%含有されるものであるが、望ましくは、5〜40質量%、更に望ましくは5〜30質量%、特に望ましくは、15〜25質量%含有されることが好ましい。
この含有量がポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1質量%未満では、PTFEのマイクロパウダー表面を充分に油性溶剤に濡らすことができず、一方、50質量%超過では分散体の泡立ちが強くなって分散の効率が低下し、分散体自体の取扱いやその後に樹脂材料などと混ぜ合わせる際にも不具合を生じることなどがあり、好ましくない。
本発明におけるPTFEの油性溶剤系分散体においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記のようなフッ素系添加剤と組み合わせて、他の界面活性剤を用いることも可能である。
例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤やノニオン系、アニオン系、カチオン系などの高分子界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されることなく、使用することができる。
本発明の上記油性分散体に用いられる油性溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジオキサン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルモノグリシジルエーテル、エチルモノグリシジルエーテル、ブチルモノグリシジルエーテル、フェニルモノグリシジルエーテル、メチルジグリシジルエーテル、エチルジグリシジルエーテル、ブチルジグリシジルエーテル、フェニルジグリシジルエーテル、メチルフェノールモノグリシジルエーテル、エチルフェノールモノグリシジルエーテル、ブチルフェノールモノグリシジルエーテル、ミネラルスピリット、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−ビニルピリジン、N−メチルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、からなる群から選ばれる1種類の溶剤、またはこれらの溶剤を2種以上含んでいるものである。
これらの油性溶剤の中で、好ましくは、分散体の用途等により変動するものであるが、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、イソプロパノールなどが挙げられる。
本発明においては、上記油性溶剤を用いるものであるが、他の油性溶剤と組み合わせて用いることや他の油性溶剤を用いることもできるものであり、用いる用途(各種の樹脂材料やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料)などにより好適なものが選択される。
なお、用いる油性溶剤の極性によっては水との相溶性が高いものが考えられるが、水分量が多いとPTFEの油性溶剤中への分散性を阻害し、粘度上昇や粒子同士の凝集を引き起こすことがある。本発明においては、用いる油性溶剤は、カールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下〔0≦水分量≦20000ppm〕となるものが好ましい。本発明(後述する実施例を含む)において、カールフィッシャー法による水分量の測定は、JIS K 0068:2001に準拠するものであり、MCU−610(京都電子工業社製)により測定することができる。この油性溶剤中の水分量を20000ppm以下にすることで、更に、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体とすることができる。なお、上記水分量以下の調整としては、一般的に用いられている油性溶剤の脱水方法を用いることが可能であるが、例えば、モレキュラーシーブスなどを用いることができる。
本発明の上記油性分散体に用いる油性溶剤の含有量は、上記PTFE、フッ素系添加剤の残部となるものである。
本発明の上記油性分散体には、さらに、シリコーン系消泡剤やフルオロシリコーン系消泡剤を含有させることができる。特に、PTFEを70質量%であったり、フッ素系添加剤をPTFEの質量に対して50質量%と、高濃度で使用する場合には、分散体の泡立ちが分散体の製造工程、安定性、樹脂材料などとの混合の際に問題を引き起こすことにつながる場合がある。
用いることができる消泡剤としては、シリコーン系やフルオロシリコーン系のエマルジョン型、自己乳化型、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、粉末型、固形型などがあるが、用いる油性溶剤との組合せで、適宜最適なものが選択されることになる。特に、油性溶剤とPTFEとの界面よりも、油性溶剤と空気との界面に存在させるために、例えば、親水性や水溶性のシリコーン系消泡剤を用いることが好ましいが、これらに限定されることなく、用いることができるものである。消泡剤の含有量は、PTFEの含有量(濃度)等により変動するものであるが、分散体全量に対して、好ましくは、有効成分として1質量%以下である。
本発明の上記油性溶剤系分散体は、上記比表面積が15m/g以下のPTFEと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をPTFEの質量に対して0.1〜50質量%用いて、例えば、超音波分散機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、ジェットミルなどの分散機を用いて分散することにより、分散状態においてPTFEの動的光散乱法による平均粒子径(二次粒子)が、1μm以下の微粒子径であり、かつ、低粘度(20mPa・s以下)で長期保存した場合でも安定な分散体を得ることができるものとなる。
さらに、本発明において、PTFE油性溶剤系分散体は、カールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下〔0≦水分量≦20000ppm〕であることが好ましい。油性溶剤に含まれる水分量のほかに、PTFEのマイクロパウダーやフッ素系添加剤などの材料自体に含まれる水分や、PTFEを油性溶剤中に分散する製造工程においても水分の混入が考えられるが、最終的にPTFEの油性溶剤系の分散体水分量を20000ppm以下にすることで、より保存安定性に優れた、PTFE油性溶剤系分散体を得ることができる。なお、上記水分量以下の調整としては、一般的に用いられている油性溶剤の脱水方法を用いることが可能であるが、例えば、モレキュラーシーブスなどを用いることができる。また、ポリテトラフルオロエチレンは、加熱や減圧などによる脱水を行うことで充分に水分量を下げた状態で使用することができる。さらに、PTFE油性溶剤系分散体を作製した後に、モレキュラーシーブスや膜分離法などを用いて水分除去することも可能であるが、上記した方法以外であっても、油性溶剤系分散体の水分量を下げることができるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
このように構成される本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体は、比表面積が15m/g以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%用いることにより、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れており、長期保存後でも再分散性に優れるものとなる。また、フッ素系添加剤が多く含有されていても消泡性に優れ、各種の樹脂材料やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに添加した際にも均一に混合させることができるものとなる。
以下に、本発明について、更に実施例、比較例を参照して詳しく説明する。なお、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〜7及び比較例1〕
下記表1に示す配合処方により、各比表面積のPTFEの8種(A〜H)、フッ素系添加剤として含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、油性溶剤としてメチルエチルケトンを用いてポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体を調製した。なお、PTFEパウダーのGとHは同じものであるが、Gは、PTFEパウダーを270℃の温度で加温することにより表面状態を変化させ、比表面積を調整したPTFEパウダーを用いた。
また、上記調製にあたっては、油性溶剤中にフッ素系添加剤を充分に攪拌混合した後、ポリテトラフルオロエチレンを添加して、さらに攪拌混合を行った。
上記のようにして得られたポリテトラフルオロエチレンの混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散を行い、実施例1〜7及び比較例1の各ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体を得た。なお、実施例1〜7及び比較例1の各油性溶剤系分散体のカールフィッシャー法による水分量を測定したところ、20000ppm以下であることを確認した。
得られた実施例1〜7及び比較例1の各油性溶剤系分散体の評価としては、平均粒子径と粘度の測定、具体的には、各分散体におけるPTFEの平均粒子径(nm)をFPAR−1000(大塚電子社製)で測定し、また、各粘度(mPa・s、25℃)をE型粘度計により測定した。これらの結果を下記表2に示す。
Figure 0006207538
Figure 0006207538
上記表1及び表2から分かるように、本発明の範囲内である実施例1〜7は、分散が可能であったが、本発明の範囲外である比較例1はゲル化してしまい、良好な分散体を得ることができなかった。また、比表面積が15m/gに近い実施例7は、分散はできているものの粘度が若干高い油性溶剤系分散体となった。また、いずれの油性溶剤系分散体も安定性にも優れるものであった。
本発明におけるポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体は、各種の樹脂材料(レジスト材料)やゴム、接着剤、潤滑剤やグリース、印刷インクや塗料などに均一に添加されて製品特性を向上させる目的に用いることが可能であり、電子機器、摺動材、自動車、厨房用品などに利用することができる。

Claims (1)

  1. 比表面積が15m/g以下のポリテトラフルオロエチレンを5〜70質量%と、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%と、油性溶剤とを含み、分散体におけるポリテトラフルオロエチレン粒子の動的光散乱法によって測定された平均粒子径が、1μm以下であり、E型粘度計により測定した25℃における粘度が20mPa・s以下であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体。
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