JP6207538B2 - ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6207538B2 JP6207538B2 JP2015016843A JP2015016843A JP6207538B2 JP 6207538 B2 JP6207538 B2 JP 6207538B2 JP 2015016843 A JP2015016843 A JP 2015016843A JP 2015016843 A JP2015016843 A JP 2015016843A JP 6207538 B2 JP6207538 B2 JP 6207538B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polytetrafluoroethylene
- dispersion
- ptfe
- oil
- fluorine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
しかしながら、ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーは、粒子同士の凝集力が強く、特に、油性溶剤中に微粒子径で低粘度、保存安定性に優れた形で分散することは難しいという課題があった。
この特許文献4に記載の技術は、PTFE粒子と、少なくとも1つのモノ又はポリオレフィン系不飽和油又は油混合物とからなり、該オレフィン系不飽和油の分子はPTFE(一次)粒子表面上で、ラジカル反応により共有結合/化学結合されており、かつその際にPTFE粒子表面と結合された油分子との間の永久的な電荷分離、及び油又は油混合物中でのPTFE粒子の微細分散が存在する長期安定な油−PTFE分散液であり、その製法は、持続性のペルフルオロ(ペルオキシ)ラジカルを有する変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが、少なくとも1つのオレフィン系不飽和油と一緒に、混合され、かつ次に変性されたPTFE(エマルション)ポリマーが機械的応力にかけられる方法等により得られるものであり、製法が複雑であり、また、汎用のPTFE粒子を用いるものでなく、本発明とは、技術思想(構成及びその作用効果)が全く相違するものである。
本発明のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体は、比表面積が15m2/g以下のポリテトラフルオロエチレンと、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%含むことを特徴とするものである。
このようなポリテトラフルオロエチレンのマイクロパウダーは、乳化重合法により得られるものであり、例えば、ふっ素樹脂ハンドブック(黒川孝臣編、日刊工業新聞社)に記載されている方法など、一般的に用いられる方法により得ることができる。そして、前記乳化重合により得られたポリテトラフルオロエチレンは、凝集・乾燥して、一次粒子径が凝集した二次粒子として微粉末として回収されるものであるが、一般的に用いられている各種微粉末の製造方法を用いることができる。
このPTFEの比表面積が15m2/g超過のものであると、油性溶剤中で凝集し、沈降しやすくなり、安定して分散することが難しくなるため、好ましくない。
また、上記PTFEの比表面積の値は、低ければ低い程良好であるが、製造性、コスト面等から、2m2/g以上が好ましい。
なお、上記PTFEの比表面積が15m2/g以下であれば、PTFEの一次粒子径は特に限定されないが、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、画像イメージング法などによって測定される体積基準の平均粒子径(50%体積径、メジアン径)が1μm以下であることが望ましい。このPTFEの一次粒子径は、マイクロパウダーの重合段階においてレーザー回折・散乱法や動的光散乱法などによって得られた値を示すものであり、測定装置としては、例えばFPAR−1000(大塚電子株式会社製)による動的光散乱法や、マイクロトラック(日機装株式会社製)によるレーザー回折・散乱法や、マックビュー(株式会社マウンテック社製)による画像イメージング法などを挙げることができる。
この含有量が5質量%未満の場合には、油性溶剤の量が多く、極端に粘度が低下するためにPTFEの微粒子が沈降しやすくなるだけでなく、樹脂などの材料と混合した際に油性溶剤の量が多いことによる不具合、例えば、溶剤の除去に時間を要することになるなど好ましくない状況を生じることがある。一方、70質量%を超えて大きい場合には、PTFE同士が凝集しやすくなり、微粒子の状態を安定的に、流動性を有する状態で維持することが極端に難しくなることがある。
少なくとも含フッ素基と親油性基を有するフッ素系添加剤を用いることにより、分散媒となる油性溶剤の表面張力を低下させ、PTFE表面に対する濡れ性を向上させてPTFEの分散性を向上させると共に、含フッ素基がPTFE表面に吸着し、親油性基が分散媒となる油性溶剤中に伸長し、この親油性基の立体障害によりポリテトラフルオロエチレンの凝集を防止して分散安定性を更に向上させるものとなる。
含フッ素基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基などが挙げられ、親油性基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、シロキサン基などの1種又は2種以上が挙げられ、親水性基としては、例えば、エチレンオキサイドや、アミノ基、ケトン基、カルボキシル基、スルホン基などの1種又は2種以上が挙げられる。
具体的に用いることできるフッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基含有のサーフロンS−611などのサーフロンシリーズ(AGCセイミケミカル社製)、メガファックF−555、メガファックF−558、メガファックF−563などのメガファックシリーズ(DIC社製)、ユニダインDS−403Nなどのユニダインシリーズ(ダイキン工業社製)などを用いることができる。
これらのフッ素系添加剤は、用いるPTFEと油性溶剤の種類によって、適宜最適なものが選択されるものであるが、1種類、または2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
この含有量がポリテトラフルオロエチレンの質量に対して、0.1質量%未満では、PTFEのマイクロパウダー表面を充分に油性溶剤に濡らすことができず、一方、50質量%超過では分散体の泡立ちが強くなって分散の効率が低下し、分散体自体の取扱いやその後に樹脂材料などと混ぜ合わせる際にも不具合を生じることなどがあり、好ましくない。
例えば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系などの界面活性剤やノニオン系、アニオン系、カチオン系などの高分子界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されることなく、使用することができる。
なお、用いる油性溶剤の極性によっては水との相溶性が高いものが考えられるが、水分量が多いとPTFEの油性溶剤中への分散性を阻害し、粘度上昇や粒子同士の凝集を引き起こすことがある。本発明においては、用いる油性溶剤は、カールフィッシャー法による水分量が、20000ppm以下〔0≦水分量≦20000ppm〕となるものが好ましい。本発明(後述する実施例を含む)において、カールフィッシャー法による水分量の測定は、JIS K 0068:2001に準拠するものであり、MCU−610(京都電子工業社製)により測定することができる。この油性溶剤中の水分量を20000ppm以下にすることで、更に、微粒子径で低粘度、保存安定性に優れたポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系の分散体とすることができる。なお、上記水分量以下の調整としては、一般的に用いられている油性溶剤の脱水方法を用いることが可能であるが、例えば、モレキュラーシーブスなどを用いることができる。
本発明の上記油性分散体に用いる油性溶剤の含有量は、上記PTFE、フッ素系添加剤の残部となるものである。
用いることができる消泡剤としては、シリコーン系やフルオロシリコーン系のエマルジョン型、自己乳化型、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、粉末型、固形型などがあるが、用いる油性溶剤との組合せで、適宜最適なものが選択されることになる。特に、油性溶剤とPTFEとの界面よりも、油性溶剤と空気との界面に存在させるために、例えば、親水性や水溶性のシリコーン系消泡剤を用いることが好ましいが、これらに限定されることなく、用いることができるものである。消泡剤の含有量は、PTFEの含有量(濃度)等により変動するものであるが、分散体全量に対して、好ましくは、有効成分として1質量%以下である。
下記表1に示す配合処方により、各比表面積のPTFEの8種(A〜H)、フッ素系添加剤として含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、油性溶剤としてメチルエチルケトンを用いてポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体を調製した。なお、PTFEパウダーのGとHは同じものであるが、Gは、PTFEパウダーを270℃の温度で加温することにより表面状態を変化させ、比表面積を調整したPTFEパウダーを用いた。
上記のようにして得られたポリテトラフルオロエチレンの混合液を、横型のビーズミルを用いて、0.3mm径のジルコニアビーズにて分散を行い、実施例1〜7及び比較例1の各ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体を得た。なお、実施例1〜7及び比較例1の各油性溶剤系分散体のカールフィッシャー法による水分量を測定したところ、20000ppm以下であることを確認した。
得られた実施例1〜7及び比較例1の各油性溶剤系分散体の評価としては、平均粒子径と粘度の測定、具体的には、各分散体におけるPTFEの平均粒子径(nm)をFPAR−1000(大塚電子社製)で測定し、また、各粘度(mPa・s、25℃)をE型粘度計により測定した。これらの結果を下記表2に示す。
Claims (1)
- 比表面積が15m2/g以下のポリテトラフルオロエチレンを5〜70質量%と、少なくとも含フッ素基と親油性基を含有するフッ素系添加剤をポリテトラフルオロエチレンの質量に対して0.1〜50質量%と、油性溶剤とを含み、分散体におけるポリテトラフルオロエチレン粒子の動的光散乱法によって測定された平均粒子径が、1μm以下であり、E型粘度計により測定した25℃における粘度が20mPa・s以下であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015016843A JP6207538B2 (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 |
TW105102881A TWI632186B (zh) | 2015-01-30 | 2016-01-29 | 聚四氟乙烯油性溶劑系分散體與含聚四氟乙烯之環氧樹脂組成物、以及其硬化物 |
CN201610066262.7A CN105837839B (zh) | 2015-01-30 | 2016-01-29 | 聚四氟乙烯的油性溶剂系分散体以及含聚四氟乙烯的环氧树脂组合物和其固化物 |
KR1020160011672A KR102491306B1 (ko) | 2015-01-30 | 2016-01-29 | 폴리테트라플루오로에틸렌 유성 용제계 분산체 및 폴리테트라플루오로에틸렌 함유 에폭시 수지 조성물 및 그 경화물 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015016843A JP6207538B2 (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016141702A JP2016141702A (ja) | 2016-08-08 |
JP2016141702A5 JP2016141702A5 (ja) | 2017-01-26 |
JP6207538B2 true JP6207538B2 (ja) | 2017-10-04 |
Family
ID=56569769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015016843A Active JP6207538B2 (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6207538B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1275972B1 (it) * | 1995-03-24 | 1997-10-24 | Ausimont Spa | Dispersioni di politetrafluoroetilene in un solvente organico ed agenti disperdenti ivi impiegati |
JP2009134002A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法 |
JP5459037B2 (ja) * | 2010-04-19 | 2014-04-02 | ダイキン工業株式会社 | フルオロポリマー非水系分散液 |
JP5724471B2 (ja) * | 2011-03-09 | 2015-05-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
JP5732928B2 (ja) * | 2011-03-09 | 2015-06-10 | 富士ゼロックス株式会社 | 含フッ素樹脂粒子分散液、含フッ素樹脂粒子分散液の製造方法、含フッ素樹脂粒子含有塗布液、含フッ素樹脂粒子含有被覆膜の製造方法、含フッ素樹脂粒子含有被覆膜および成形体 |
-
2015
- 2015-01-30 JP JP2015016843A patent/JP6207538B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016141702A (ja) | 2016-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5841648B2 (ja) | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 | |
JP6165307B2 (ja) | フッ素系樹脂の非水系分散体 | |
TWI544024B (zh) | Polytetrafluoroethylene oily solvent dispersion | |
JP6033939B1 (ja) | ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダーの非水系分散体 | |
JP6534848B2 (ja) | ポリテトラフルオロエチレンの非水系分散体 | |
WO2015152240A1 (ja) | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 | |
JP6430203B2 (ja) | エポキシ樹脂材料添加用のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 | |
TWI798410B (zh) | 聚四氟乙烯水性分散體 | |
JP6430202B2 (ja) | レジスト材料添加用のポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 | |
JPH06192672A (ja) | オルガノシロキサンを用いる改良されたエレクトロレオロジー流体配合物 | |
JP6207538B2 (ja) | ポリテトラフルオロエチレンの油性溶剤系分散体 | |
CN105837839B (zh) | 聚四氟乙烯的油性溶剂系分散体以及含聚四氟乙烯的环氧树脂组合物和其固化物 | |
US7803889B2 (en) | Granulated powder of low-molecular polytetrafluoro-ethylene and powder of low-molecular polytetrafluoro-ethylene and processes for producing both | |
JP4096031B2 (ja) | 界面活性剤 | |
JPWO2019163525A1 (ja) | 非水系分散体 | |
JP2021181537A (ja) | フッ素系樹脂粒子非水系分散体 | |
JP2017043724A (ja) | 樹脂微粒子および分散液 | |
JP2014176844A (ja) | 反応性界面活性剤 | |
JP2015010208A (ja) | 水中油型シリコーンエマルション | |
JP2017042731A (ja) | 分散剤および分散液 | |
JP2003221488A (ja) | 無機固体微粒子分散体 | |
KR20180068839A (ko) | 불소계 수지-알루미늄 산화물 혼합 분산액 및 그 제조방법 | |
JP2007145998A (ja) | 水酸基含有重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161212 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161212 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20161212 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20170418 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170425 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6207538 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |