JP6207372B2 - 切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエーハ等の板状被加工物を切削する切削装置に関する。
例えば、半導体デバイスの製造プロセスでは、半導体ウエーハの表面にICやLSI等の半導体デバイスが複数形成される。そして、半導体デバイスが形成されたウエーハは裏面が研削されて所定の厚みへと薄化された後、切削装置で切削されて個々の半導体デバイスが製造される。
切削装置は、例えば特開平7−276183号公報に開示されるように、ウエーハ等の被加工物を切削する例えば厚みが30μm程度の切刃を有する切削ブレードを備えている。切削ブレードはスピンドルの先端に固定されたフランジに固定ナットで締結固定される。
スピンドルの先端部に装着された切削ブレードは、切削ブレードを覆うブレードカバーで保護される。そして、30000rpm程度の高速で切削ブレードを回転させつつ被加工物へ切り込ませることで切削が遂行される。
切削加工中の切削ブレードには、切削に伴って発生する切削屑を被加工物上から除去する目的や、切削で発生する加工熱を冷却する目的で切削水が供給される。切削水を切削ブレードに供給するためのブレードクーラーノズルは、切削ブレードを覆うブレードカバーに取り付けられている。
このように切削装置では、切削水を被加工物及び切削ブレードに供給しながら切削加工を行うため、切削屑を含んだ噴霧が装置内に充満しやすい。加工前に被加工物を拡大して撮像する撮像手段として用いられる光学顕微鏡の対物レンズは、このような噴霧によって異物が付着することがないよう様々な汚染防止対策が取られており、例えば、撮像時以外は顕微鏡の対物レンズを遮蔽するシャッター等が用いられている(例えば、特開2011−047997号公報参照)。
特開平7−276183号公報 特開2011−047997号公報 特開2011−079086号公報
しかし、シャッターによる遮蔽では、シャッターと開口部との間に僅かな隙間が存在したりするため、完全に密閉することができないという問題がある。さらには、撮像時にはシャッターで開口部を遮蔽することができない。
また、通常、切削装置に用いる顕微鏡にはリング照明が装着されており、顕微鏡の下端となる対物レンズよりさらに下端にリング照明が装着されているため、異物がまず付着しやすいのはリング照明であり、リング照明の照度の低下により、これまで見えていた物が見えなくなり易いという問題もあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で顕微鏡の対物レンズ及びリング照明の汚染を防止可能な切削装置を提供することである。
本発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する対物レンズを有する撮像手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物に切削水を供給しながら被加工物を切削する切削手段と、を備えた切削装置であって、該撮像手段は、該対物レンズを収容する対物レンズケースと、該対物レンズケースの先端を囲繞するリング照明を収容したリング照明ケースと、該リング照明ケースの先端面との間に僅かな隙間を有し、該対物レンズの撮像領域と該リング照明の照明領域に対応する開口部を備えた底板と、該底板に対向する上板と、該底板と該上板とを連結する側壁とから構成され、該リング照明ケースを収容し内部に陽圧室を画成する陽圧室ケースと、を含み、該陽圧室に連通するエアー供給手段から供給されたエアーが該開口部から流出する際に、該リング照明ケースの該先端面と該陽圧室ケースの該底板との隙間を通過して噴出することで、該開口部を覆うエアーカーテンを形成し該リング照明及び該対物レンズを保護することを特徴とする切削装置が提供される。
好ましくは、陽圧室ケースの底板と、リング照明ケースの先端面との隙間は1.5mm以下である。
本発明の切削装置によると、リング照明ケースの周囲を陽圧室で覆ったため、少ないエアー供給量で開口部から噴霧が侵入することを効率的に防ぐことが可能となる。また、リング照明ケースと陽圧室ケースの底板との僅かな隙間をエアーが通過することで、流速を増したエアーが開口部を覆うエアーカーテンを形成するため、噴霧のシール効果を高めることができる。
本発明実施形態に係る切削装置の斜視図である。 本発明第1実施形態の要部を示す斜視図である。 本発明第1実施形態の要部を示す縦断面図である。 本発明第2実施形態の要部を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明実施形態に係る切削装置2の斜視図が示されている。4は切削装置2のベースであり、ベース4にはチャックテーブル6が回転可能且つ図示しない加工送り機構によりX軸方向に往復動可能に配設されている。
チャックテーブル6の周囲にはウォーターカバー8が配設されており、このウォーターカバー8とベース4に渡り加工送り機構の軸部を保護するための蛇腹10が連結されている。
ベース4の後方には門型形状のコラム12が立設されている。コラム12にはY軸方向に伸長する一対のガイドレール14が固定されている。コラム12にはY軸移動ブロック16がボールねじ18と図示しないパルスモーターとからなるY軸移動機構(割り出し送り機構)20によりガイドレール14に沿ってY軸方向に移動可能に搭載されている。
Y軸移動ブロック16にはZ軸方向に伸長する一対のガイドレール22が固定されている。Y軸移動ブロック16上には、Z軸移動ブロック24がボールねじ26とパルスモーター28とからなるZ軸移動機構30によりガイドレール22に案内されてZ軸方向に移動可能に搭載されている。
Z軸移動ブロック24には切削ユニット32が取り付けられており、切削ユニット32は、スピンドルハウジング34内に収容されたスピンドルの先端部に装着された切削ブレード36を含んでおり、切削ブレード36の上半分はブレードカバー38により覆われている。ブレードカバー38には、被加工物の切削時に切削水を供給する複数の切削水ノズルが装着されている。
切削ユニット32のスピンドルハウジング34には、顕微鏡ボックス40が取り付けられている。顕微鏡ボックス40は直方体形状をしており、その内部には図2に示すように、被加工物の切削前に被加工物を撮像して切削すべき領域を検出する撮像手段42が収容されている。
撮像手段42は内部に対物レンズ44を収容した対物レンズケース46を備えており、対物レンズケース46に連結されたボックス48内には、顕微鏡及び顕微鏡で拡大された画像を撮像するカメラが収容されている。
図3に最も良く示されるように、対物レンズケース46の先端部には開口47が形成されている。対物レンズケース46の周囲には、円周方向に離間した光ファイバーからなる複数のリング照明50が配設されている。
リング照明50はリング照明ケース52内に収容されている。リング照明ケース52の先端面52aと対物レンズケース46の先端46aとの間には透明カバー54が配設されており、切削屑を含んだ噴霧からリング照明50が汚染されるのを防止している。
光ファイバーからなる複数のリング照明50はビームスプリッタ60を介してLED等の光源56に接続された光ファイバー58に接続されている。光源56から出射された光は光ファイバー58内を伝搬し、ビームスプリッタ60により分岐されて各リング照明50の先端から出射して撮像時に被加工物を照明する。
リング照明ケース52は、陽圧室ケース62により包囲されている。陽圧室ケース62は、底板62aと、底板62aに対向する上板62bと、底板62aと上板62bとを連結する側壁62cとから構成され、内部に陽圧室(正圧室)64を画成している。底板62aはレンズケース46の開口47と同心状に形成された開口部63を有している。
陽圧室ケース62の上板62bにはエアー供給手段66が装着されており、エアー供給手段66は管路68を介してエアー源70に接続されており、管路68には電磁弁72が挿入されている。
エアー供給手段66により加圧されたエアーが陽圧室64内に供給され、この加圧されたエアーはリング照明ケース52の先端面52aと陽圧室ケース62の底板62aとの隙間を通過して、流速が増加したエアーが開口部63から噴出される。
この流速が増加したエアーにより開口部63を覆うエアーカーテンが形成され、対物レンズ44及びリング照明50の透明カバー54を切削屑が含んだ噴霧から保護することができる。陽圧室ケース62の底板62aと、リング照明ケース52の先端面52aとの間の隙間は1.5mm以下であるのが好ましい。
図4を参照すると、本発明第2実施形態に係る要部の縦断面図が示されている。本実施形態の説明において、図2及び図3に示した第1実施形態と同一構成部分については同一符号をし、重複を避けるためその説明を省略する。
本実施形態では、非撮像時に陽圧室ケース62の開口部63を閉鎖するシャッター74を設けたことが、第1実施形態と相違する。他の構成部分は第1実施形態と同様である。シャッター74は陽圧室ケース62の底板62a上に配設されたエアシリンダ76のピストンロッド78に連結されている。
エアシリンダ76を作動することにより、撮像手段42による撮像時にはシャッター74を待避させて陽圧室ケース62の開口部63を開け、非撮像時にはシャッター74により開口部63を閉鎖する。
撮像手段42による被加工物の非撮像時には、電磁弁72を遮断位置に切り替えることにより、陽圧室64内にはエアーは供給されないが、シャッター74により陽圧室ケース62の開口63が閉鎖されているため、対物レンズ44が切削屑を含む噴霧により汚染されることが防止される。また、非撮像時である切削加工時に、陽圧室64内にエアーを供給して、切削屑を含む噴霧が陽圧室内へ侵入するのを防いでも良い。
2 切削装置
6 チャックテーブル
32 切削ユニット
36 切削ブレード
40 顕微鏡ボックス
42 撮像手段
44 対物レンズ
46 対物レンズケース
50 リング照明
52 リング照明ケース
62 陽圧室ケース
63 開口部
64 陽圧室

Claims (3)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する対物レンズを有する撮像手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物に切削水を供給しながら被加工物を切削する切削手段と、を備えた切削装置であって、
    該撮像手段は、
    該対物レンズを収容する対物レンズケースと、
    該対物レンズケースの先端を囲繞するリング照明を収容したリング照明ケースと、
    該リング照明ケースの先端面との間に僅かな隙間を有し、該対物レンズの撮像領域と該リング照明の照明領域に対応する開口部を備えた底板と、該底板に対向する上板と、該底板と該上板とを連結する側壁とから構成され、該リング照明ケースを収容し内部に陽圧室を画成する陽圧室ケースと、を含み、
    該陽圧室に連通するエアー供給手段から供給されたエアーが該開口部から流出する際に、該リング照明ケースの該先端面と該陽圧室ケースの該底板との隙間を通過して噴出することで、該開口部を覆うエアーカーテンを形成し該リング照明及び該対物レンズを保護することを特徴とする切削装置。
  2. 前記陽圧室ケースの前記底板と、前記リング照明ケースの前記先端面との隙間は1.5mm以下である請求項1記載の切削装置。
  3. 前記エアー供給手段は、前記陽圧室ケースの前記上板に接続されている請求項1又は2記載の切削装置。
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