JP6206896B1 - 開き扉の回転式ラッチ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】経年劣化や地震等の災害による抗力など、何等かの理由により、ラッチと回動するドアノブとの連動機構やラッチを押圧するばねなどのロック機構を構成する部品や機構が動作不能となった場合でも閉じ込められることのない開き扉の回転式ラッチ機構を提供する。【解決手段】建具枠に蝶番を介して取り付けられて開閉自在な扉の開閉をロックする開き扉の回転式ラッチ機構1において、扉に取り付けられる錠箱10と、この錠箱10に上下方向を軸31として回転自在に取り付けられたギア3と、このギア3の回転を阻止又はその解除自在なギアロック手段4と、を備え、ギア3を、軸31が弾性体5の弾性力で押圧して前記扉の端面から前記建具枠に向けてその一部が突出又は後退可能に弾性支持するとともに、前記建具枠には、ギア3と対応する位置に、ギアロック手段4でロックされた状態でギア3の歯を係止して前記扉の開閉をロックする係止手段2を取り付ける。【選択図】図1

Description

本発明は、建具枠に蝶番を介して取り付けられた開き戸の開閉をロックする開き扉のラッチ機構に関し、詳しくは、扉に取り付けられる錠箱と、この錠箱に上下方向を軸として回転自在に取り付けられたギアと、このギアの回転の阻止又はその解除が自在なギアロック手段とを備える開き扉の回転式ラッチ機構に関するものである。
従来、この種の開き扉のラッチ機構では、建具の扉に設けられ、レバーハンドルや円筒状ドアノブ(握り玉)などの回動するドアノブと連動して突没自在に設けられたラッチと、建具枠に設けられ、前記ラッチを内嵌する受け具とを備え、開き戸の開閉をロックするラッチ錠が一般的である。
例えば、特許文献1には、内部空間31を有して扉面に固定され操作部材の基軸39を回転自在に支持するエスカチオン27と、内部空間31に扉面と平行な揺動軸83で揺動自在に支持され一体に固定されたボタン部99がエスカチオン27のボタン開口穴97から外方へ突出され、且つ、ボタン部99と同方向に内部空間31の内方で突出する係合部75が設けられた規制体29と、内部空間31を貫通する基軸39に表裏面が直交する方向で固定され、且つ、係合部75と係合して基軸39の回転を規制する被係合部69が形成されるロック板55と、を設けた緊急時の扉の開放を容易に行うことが可能な錠装置11が開示されている(特許文献1の請求項1、明細書の段落[0020]〜[0035]、図面の図1、図7等参照)。
しかし、特許文献1に記載の錠装置では、ボタン部99を押すことで、緊急時の扉17の開放を容易にできるものの、経年劣化等で錠装置の一部が破損して動作しなくなった場合は、扉の開放ができず、閉じ込められてしまうという問題があった。
また、特許文献2には、錠箱3に、反転型ラッチ11と、ラッチバネ12と、水平作動杆13とをそれぞれ配設し、またラッチ用ロック片14を錠箱内に軸支し、このラッチ用ロック片と水平作動杆との間には中心部から半径外方向に、ラッチ用ロック片の後端部と摺接する係合部分と水平作動杆の押動部分に当接する当接部とバネ端連結部をそれぞれ有し、かつ操作部材の操作力によって回動するダルマ15を配設し、さらに、バネ端連結部に一端部が連結されているとともに、他端部は錠箱内のバネ端支持部材16に連結され、かつダルマとともに施錠位置から解錠位置へと変位する付勢バネ17を設けたラッチ錠のロック装置が開示されている(特許文献2の請求項1、明細書の段落[0010]〜[0022]、図面の図1〜図3等参照)。
特許文献2に記載のラッチ錠のロック装置は、扉の内側からサムターンであるダルマ15を回転させてロック機構を解錠することができ、「閉じ込め」を防止することができるとされている。しかし、特許文献2に記載のラッチ錠のロック装置は、ダルマ15とラッチ用ロック片14の機構やラッチバネ12のうちいずれかが経年劣化等で破損して作動しなくなった場合などには、扉の開放ができず、閉じ込められてしまうという問題は解消できていない。
さらに、特許文献3には、中心に形成した角形の取付孔51に両端に室内側及び室外側のレバーハンドル6を固着したハンドル角芯61を嵌挿するとともにラッチボルト3の後部に形成した係止プレート32の前方側に係止する係合部53を外周の一部に突出したレバーカム5が錠箱1内に回転可能に配置されており、且つ中心に形成した角形の取付孔に室内側の解除摘9を固着した角芯82を嵌挿するとともにラッチボルト3の後部に形成した係止プレート32の前方側に前記レバーカム5の係合部53に干渉することなしに係合する係合部83を外周に突出した解除摘レバー8を錠箱1内に回転可能に配置したラッチ錠が開示されている(特許文献3の請求項1、明細書の段落[0019]〜[0026]、図面の図1〜図6等参照)。
特許文献3に記載のラッチ錠によれば、地震など何らかの理由によりレバーハンドル6が破損したり、使用が不可能となった際に、レバーハンドル6の代わりに室内側に配置されている解除摘9を回転操作する。この操作により、解除摘レバー8を回転させて、この解除摘レバー8に設けられた係合部83により係止プレート32を介してラッチボルト3をばね4の付勢力に抗して後退させ、先端のラッチヘッド31を前板11から錠箱1内に没入させる。これにより、扉枠に配置した受け具から抜脱することにより解錠し、そのままの状態で扉を開放させることにより、閉じ込み状態から脱出することができるとされている。
しかし、特許文献3に記載のラッチ錠は、地震や部品の破損などの稀な事象のために、通常のサムターンの他に、解除摘レバー8や解除摘9などの解除機構を設けなければならず、機構が複雑で製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
同様に、特許文献4には、扉に設置した際にラッチ錠の錠箱の前面又は後面と各座板との間に形成される隙間に、リング状で外周に形成した突出部材がラッチボルトに形成された係止片に前記錠箱の前面又は後面に形成した透溝を通して係止する係止突起を突設した施解錠部材が前記レバーカムと同心で且つ中央孔に角芯を通して配置されているとともに、前記座板に座板の外側から前記施解錠部材を操作するための操作部材を配置し、前記操作部材を操作して回動部材を回動し前記ラッチボルトを後退させて施解錠を可能としたラッチ錠が開示されている(特許文献4の請求項1、明細書の段落[0020]〜[0028]、図面の図1〜図8等参照)。
特許文献4に記載のラッチ錠によれば、レバーハンドル6による施解錠状態に拘わらず解錠することができ、レバーハンドル6よる施解錠機構に支障を来した場合にも操作部材9を回動操作することにより施錠を解除して扉2を開閉することが可能となるとされている。
しかし、特許文献4に記載のラッチ錠の前記作用効果は、レバーハンドル6は作動しないが操作部材9の回動操作は可能という極めて限定的な場合であり、経年劣化により錆び付いて操作部材9の回動操作が不能になった場合にも閉じ込められることを防止できるものではなかった。
本発明は、ドアラッチの内部スプリングとラッチ連動機構のいずれかが経年劣化により損傷し、トイレの扉が開かず、中に閉じ込められてしまったという発明者自身の体験により創出されたものである。この閉じ込め事故は、時期が夏季で、トイレ内に窓があった、外との連絡が比較的に早く取れた等の幸運が重なり、大事には至らなかったものの、それでも救出されるまでに2時間近くを要するものであった。このことを勘案すると、高齢者や持病を持っている人にとってはこのような閉じ込め事故は深刻な事態に陥るおそれがあると推測される。実際に、このような閉じ込め事故は、近年、多発しているようであり、死亡事故まで発生している。よって、高齢者が多くなった昨今では、深刻な閉じ込め事故が発生しない対策が切望されている。しかし、現在まで経年劣化や地震等の災害による抗力など、何らかの理由により、ドアラッチの内部スプリングやラッチ連動機構が折れて破損してしまった場合でも閉じ込められることを防止できる開き扉のラッチ機構は提案されていなかった。
特開2012−172421号公報 特開2009−138412号公報 特開2013−23896号公報 特開2014−125866号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、経年劣化や地震等の災害による抗力など、何らかの理由により、ラッチと回動するドアノブとの連動機構やラッチを押圧するばねなどのロック機構を構成する部品や機構が動作不能となった場合でも閉じ込められることのない開き扉のラッチ機構を提供することにある。
第1発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構は、建具枠に蝶番を介して取り付けられて開閉自在な扉の開閉をロックする開き扉のラッチ機構であって、前記扉に取り付けられる錠箱と、この錠箱に上下方向を軸として回転自在に取り付けられたギアと、このギアの回転の阻止又はその解除が自在なギアロック手段とを備え、前記ギアは、前記軸が弾性体の弾性力で押圧されて前記扉の端面から前記建具枠に向けてその一部が突出した状態で弾性支持されているとともに、前記建具枠には、前記ギアと対応する位置に、前記ギアロック手段でロックされた状態で前記ギアの歯を係止して前記扉の開閉をロックする係止手段が取り付けられており、前記ギアロック手段は、前記錠箱に前記扉の内側から外側に向かった際の前後方向を軸として軸支され、前記扉の内側に突設されている摘みにより回転自在なプレート片を前記ギアの歯の間に挿置するか否かで前記ギアの回転を阻止するものであることを特徴とする。
発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構は、第1発明において、前記ギアロック手段は、前記扉の外側から解除可能に構成されていることを特徴とする。
発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構は、第1発明又は第2発明において、前記弾性体は、前記錠箱に一端が固着されたコイルスプリングであることを特徴とする。
発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構は、第1発明ないし第発明のいずれかの発明において、前記係止手段は、プレート面が上下方向に沿って取り付けられた矩形状の係止片であることを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、従来の開き扉のラッチ錠のように回動するドアノブとラッチの突没が連動する機能ではないので、従来の機構の様にラッチ連動式ドアノブの回動が不能となり扉内に閉じ込められることがない。また、第1発明〜第5発明によれば、ギアを弾性支持する弾性体が経年劣化や、地震等の災害による抗力など、何らかの理由により破断した場合、ギアの突出部分がカギ箱内に引っ込むこととなりロックは解除される。したがって、従来の「ラッチ錠」の様に、ラッチがラッチ受け内に取り残されて扉のロックが解除できなくなる恐れはなく、扉を開くことが出来る。
また、第1発明〜第4発明によれば、扉の内側に突設されている摘みにより回転自在なプレート片を前記ギアの歯の間に挿置するか否かで前記ギアの回転を阻止するものであるので、ギアロック手段の機構が簡略であり、経年劣化等でも動作不能に陥るおそれが極めて少ない。また、矩形状のプレート片自体が破損・破断した場合も、ギアロックを出来なくなるので、ロックは解除される。
特に、第発明によれば、ギアロック手段が扉の外側から解除可能に構成されているので、万が一、ギアロック手段が内側から動作不能となった場合でも、外部からの救出が極めて容易である。
特に、第発明によれば、弾性体は、錠箱に一端が固着されたコイルスプリングであるので、特殊な加工技術機械等を必要とせず、且つ、部品数が少なく、簡単な構造であるので、製造コストを低減することができる。また、一般的で耐久性等の実績のある部品であるので、素材選定の幅が広く、耐用期間、交換時期等の目安も立てやすい。
特に、第発明によれば、係止手段は、プレート面が上下方向に沿って取り付けられた矩形状の係止片であるので、従来のラッチ受けのように建具枠に大きな掘り込み加工が必要なく、開き扉の建具の設置費用を低減することができる。また、加工が困難な場所への設置も比較的容易となる。
本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構を示す斜視図である。 同上の開き扉の回転式ラッチ機構を片開き扉の建具に適用した場合を示す斜視図である。 同上の開き扉の回転式ラッチ機構を扉の内側から水平方向に見た正面図である。 (a)は同上の開き扉の回転式ラッチ機構を示す平面図であり、(b)は開き扉の回転式ラッチ機構のギアの弾性体による押圧状況を模式的に示す図である。 同上の開き扉の回転式ラッチ機構の係止手段のみを示す斜視図である。 同上の開き扉の回転式ラッチ機構のギアのみを示す斜視図である。 同上の開き扉の回転式ラッチ機構のギアロック手段のみを扉の外側から見た状態を示す背面斜視図である。
以下、本発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、図1、図2を用いて、本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構を片開きの開き扉の建具に適用した場合を示す斜視図である。また、図3は、本発実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構を扉の内側から水平方向に見た正面図であり、図4は、本発実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構を示す平面図である。なお、図中のX方向は、扉の内側から外側に向かった際の前後方向を指し、Y方向は、このX方向と直交且つ水平である扉の幅方向となる横方向を指す。また、図中のZ方向は、X方向及びY方向と直交する上下方向(縦方向)を指している(以下同じ)。
ここで、開き扉とは、図2に示すように、建具のうち、扉D1が複数の蝶番Tを介して建具枠F1に取り付けられ、建具枠F1に対してこの蝶番(丁番)Tを中心に前後に揺動して開閉する建具(いわゆるドア)を指している。この建具枠F1は、左右一対の縦枠F10,F11と、上枠F12と、下枠F13と、から構成された側面視矩形状の枠体である。勿論、バリアフリーのため下枠F13が無い建具枠に本発明を適用できることは云うまでもない。なお、扉D1には、回転しないドアノブDnがねじ止めされて固着されている。
図1〜図4に示すように、本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構1は、主に、ロック機構を収容する筐体である矩形箱状の錠箱10と、後述のギア3を係止する係止手段2など、から構成されている。錠箱10は、金属製の箱状のフレームからなり、一般的には扉D1の吊元反対側の高さ方向の中央付近に取り付けられている。また、係止手段2は、錠箱10に対応する高さの縦枠F10に取り付けられている。
また、この錠箱10には、上下方向(Z方向)を軸として回転自在に取り付けられた歯車であるギア3と、このギア3の回転の阻止又はその解除が自在なギアロック手段4と、ギア3を押圧する弾性体5など、が設けられている。
(係止手段)
次に、図1〜図4、及び図5を用いて、開き扉の回転式ラッチ機構1の係止手段2について説明する。図5は、開き扉の回転式ラッチ機構1の係止手段2のみを示す斜視図であり、建具枠F1の縦枠F10を枠の内側から見た状態を示している。
本実施形態に係る係止手段2は、図1〜図5に示すように、上下方向(Z方向)に長い矩形状(長方形状)のプレート本体20の中央に、プレート面が上下方向(Z方向)に沿った矩形状(長方形状)の係止片21が突設された金属製の係止片プレートである。このプレート本体20は、従来のラッチ錠のラッチ受け金具と同程度の大きさのプレートとすることが好ましい。従来のラッチ錠の改修や取替において、ラッチ受け金具を係止片プレートに置き換えることで、建具枠F1の縦枠F10に彫り込まれたラッチ受けの欠き込み穴を塞ぐ必要がなくなるからである。
また、係止片21は、そのプレート面がプレート本体20のプレート面に対して直交するように突設されているとともに、係止片21の厚みは、ギア3の歯と歯の間隔より僅かに薄くなっている。そして、係止片21の突出高さもギア3の歯の突出高さより僅かに低く設定されている。このため、係止手段2は、ギア3の回転がギアロック手段4でロックされている状態で、ギア3を係止することが可能となり、扉D1の開閉を係止可能となっている。このとき、扉D1が係止されている状態で、ギア3がどの程度(例えば2〜3mm)鍵箱内側に移動して係止するかを考慮して、プレート片42の位置を決めることが肝要である。
なお、前述の錠箱10に対応する高さとは、係止片21が床面からのギア3の設置高さと同程度になるように設置されていることを指している。
(ギア)
次に、図1〜図4、及び図6を用いて、開き扉の回転式ラッチ機構1のギア3について説明する。図6は、開き扉の回転式ラッチ機構のギアのみを示す斜視図であり、扉D1の内側から前後方向(X方向)外側へ見た状態を示している。
本実施形態に係るギア3は、図1〜図4、及び図6に示すように、円筒体から放射状に伸びる偶数個の歯が形成された歯車であるギア本体30と、このギア本体30を上下に貫通して回転自在とする回転軸31など、から構成されている。
このギア3は、錠箱10に形成された扉D1の幅方向(Y方向)に沿って長い長孔12(図1参照)を介して回転軸31がナット等で摺動可能に錠箱10に固定されている。また、回転軸31は、図1〜図3に示すように、後述の弾性体5の弾性力で押圧されて扉D1の吊元でない側の端面から建具枠F1に向けてギア本体30の一部が突出するように弾性支持されている。
このため、ドアノブDnを掴んで扉D1を開いたり閉じたりする際には、ギア本体30と同じ高さに設置された前述の係止手段2の係止片21に、ギア本体30の歯が当接して、扉D1の開閉を阻止する構成となっている。
しかし、ギア3は、回転軸31により錠箱10に回転自在に軸支されているとともに、前述のように、係止片21の突出高さは、ギア3の歯の突出高さ以下に設定されている。このため、後述のギアロック手段4でギア3の回転が阻止されていない限り、扉D1の端面から突出したギア本体30の歯が建具枠F1又は係止片21に当接しても、ギア本体30が回転軸31で回転し、弾性体で押圧されることで、密着し滑り込むように係止片21を乗り越える。このため、扉D1自体の開閉は自在であり、係止片21で設定された所定の位置に係止される。
(ギアロック手段)
次に、図1〜図4、及び図7を用いて、開き扉の回転式ラッチ機構1のギアロック手段4について説明する。図7は、開き扉の回転式ラッチ機構のギアのみを示す斜視図であり、扉D1の外側から前後方向(X方向)内側へ見た状態を示している。
本実施形態に係るギアロック手段4は、図1〜図4、及び図7に示すように、錠箱10の前後一対の支持板11に軸支された前後方向(X方向)に沿った軸40と、この軸40の内側端部に設けられた摘み41と、軸40に固着され、ギア3の歯を掛け止めるプレート片42を備えている。また、ギアロック手段4は、軸40に固着され、開閉可能か否かを表示する表示プレート43と、軸40の外側端部に設けられた外部解除キャップ44など、も備えている。
摘み41は、軸40にボルト等で固着され、従来のサムターンと同様に、指で摘みやすいように半月状となっており、手動で軸40を中心にプレート片42を回転揺動するための部材である。
プレート片42は、板面が軸40に直交するように固着され、左右の両突端が円弧状に形成された一対の円弧状部42aを有する細長いプレートであり、この円弧状部42aが、ギア3の歯と歯の間に介在することでギア3の回転を阻止する機能を有している。この円弧状部42aは、軸40に直交する断面が、先に行くに従って薄くなる台形状を呈している。つまり、摘み41でプレート片42を揺動してギア3の歯と歯の間に円弧状部42aを挿置することで、ギア3の回転を阻止し、扉D1の内側に入った使用者が内側から扉D1の開閉をロック可能にするものである。
また、表示プレート43は、板面が軸40に直交するように固着され、左右の両突端が円盤状に形成された一対のプレートである。この表示プレート43は、錠箱10に形成された円形の窓13から表示プレート43が視認できる状態か、又は視認できない状態かいずれかのときに、扉D1の開閉状態を表示する機能を有している。例えば、表示プレート43は、突端の円盤状の部分の外側が赤色に着色されており、赤色が錠箱10の窓13を介して扉D1の外側から見えることで扉D1が閉鎖状態であること示す。
勿論、表示プレートを軸40に対して図示形態から90度回転した位置に取り付け、赤色でなく青色とし、扉D1が開放状態のときに、外部から視認できるようにしてもよい。また、色ではなく、円盤状の部分に「閉」又は「開」の文字を印字してもよい。要するに、表示プレートは、扉D1の外部から視認できる状態か、又は視認できない状態かいずれかにより、扉D1の開閉状態を表示するものであれば良い。
外部解除キャップ44は、マイナスドライバーや硬貨等で回転可能とするための溝44aが形成されたキャップ部材であり、扉D1の外側に露出してギアロック手段4の軸40を扉D1の外部から回転可能とするための部材である。つまり、外部解除キャップ44は、軸40の外側端部に嵌着されており、溝44aに扉D1の外部からマイナスドライバー等を差し込んで回すことで、ギアロック手段4のギア3の回転阻止を解除可能とするものである。
(弾性体)
次に、図1〜図4を用いて、開き扉の回転式ラッチ機構1の弾性体5について説明する。本実施形態に係る弾性体5は、図1〜図3に示すように、弦巻ばねであるステンレス製鋼線からなるコイルスプリング50が採用されている。これらのコイルスプリング50は、上下一対設けられ、それぞれその一端が錠箱10に固着され、他端がギア3の回転軸31の上部及び下部にそれぞれ当接して押圧することにより、ギア本体30の一部を扉D1の端部から露出して弾性支持する機能を有している。
勿論、本発明に係る弾性体は、例示したコイルスプリング50に限られず、板ばねやキックばねなどの他の金属ばねなどを採用することもできる。また、押圧ばねに限られず、引張ばねであっても構わない。さらに、金属ばねに限られず、圧縮されたゴム弾性体の反発力でギア3を押圧する構成であっても良いことは云うまでもない。
但し、弾性体5を一般的な図示コイルスプリング50とすることにより、特殊な技術、加工技術機械等を必要とせず、製造コストを低減することができる。また、一般的で耐久性等の実績のある部品であるので、素材選定の幅が広く、耐用期間、交換時期等の目安も立てやすい。
[開き扉の回転式ラッチ機構の動作]
次に、図1〜図7を用いて、前述の開き扉の回転式ラッチ機構1の動作について説明する。
初めは、開き扉の回転式ラッチ機構1において、前述のギアロック手段4でギア3の回転が阻止されていない開放状態である。このため、使用者は、扉D1のドアノブDnを掴んで普通に扉D1を閉めることができる。
このとき、従来のラッチ錠のロック機構であれば、ラッチ連動式ドアノブの回転操作がラッチの突出又は後退と連動しており、この連動機構が破損した場合には、閉じ込められるおそれがあった。これに対して、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、ドアノブDnは、扉D1にねじ止め等で固着されているだけでラッチ機構とは独立しているので、ドアノブDnが破損したり外れたりした場合であっても、扉の押し引きで扉は開閉可能であるので、閉じ込められるおそれは全く無い。また、このドアノブDnを捻らなくても良い開閉動作は、高齢者、要介護、要介助者等に優しく、また災害等でドア歪みや破損が起きた時も、閉じ込めリスクは従来のラッチ錠の機構に比べ、非常に低くなる。
また、開き扉の回転式ラッチ機構1のロック状態では、図4(a)等に示すように、係止手段2の係止片21とギア3の歯と歯の間の凹部が一直線上に並ぶこととなる。図示状態となるためには、図4(b)に示すように、ギア3が矢印に沿って錠箱10内に押し込まれて、係止片21との間の隙間に滑り込ませる必要がある。
しかし、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、コイルスプリング50の反発力を受けながら、ギア3が錠箱10内に入り込むことで、扉D1の凸部であるギア本体30の露出部分が係止手段2の係止片21に密着しながらスムーズに回転して図4(a)の安定状態となる。このように回転式ラッチ機構1の動作が、ばねで弾性支持しながらの回転動作となるため、非常にスムーズな動作である。このため、ギア3やギアロック手段4の回動を電動モータ駆動とすることも容易であり、スマートキーやIoTへの対応も容易である。
次に、使用者は、扉D1が閉まった状態で、扉D1の内側からギアロック手段4の摘み41を手動で時計回り又はその反対方向に90度回転させて、プレート片42をギア3の歯と歯の間に介在させ、ギア3の回転不能にして扉D1の開閉をロックする。
このとき、摘み41の回転に伴ってギアロック手段4の軸40も回転し、表示プレート43も揺動して錠箱10に形成された窓13から表示プレート43が視認できる状態となり、扉D1の外部から扉D1がロックされている状態であることが確認できる。
そして、扉D1を開けて退出する場合は、使用者は、扉D1の内側から摘み41を手動でロック時と反対方向に90度回転させて、プレート片42をギア3の歯と歯の間から移動させ、ギア3の回転可能にして扉D1のロックを解除する。
次に、使用者は、扉D1のドアノブDnを掴んで扉D1を開く。このときも、回転式ラッチ機構1の動作は、コイルスプリング50によりギア3を係止片21へ弾性的に圧接しながらの回転動作となるため、非常にスムーズな動作である。このため、経年劣化により回転式ラッチ機構1が破損するおそれも少ない上、コイルスプリング50によるギア3の弾圧が破損した場合でも、ギア3が引っ込む方向に作用するため、閉じ込められるおそれが無い。
また、万が一、ギアロック手段4が破損した場合、ギア3をロックする事が出来ない。その上、何らかの理由でギアロック手段4が動作しない場合でも、扉D1の外部から外部解除キャップ44の溝44aにマイナスドライバー等を差し込んで回すことで、ギアロック手段4のロックを解除することが可能である。このため、ギアロック手段4が破損しても扉D1内に閉じ込められるおそれが少ない。
以上説明した本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、非常に部品数も少なく、シンプル且つスムーズな機構であり、製造コストも安く量産が容易であるとともに、様々なカスタマイズが可能である。
その上、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、従来の開き扉のラッチ錠のように回動するドアノブとラッチの突没が連動する機能ではないので、ラッチ連動式ドアノブの回動が不能となった場合でも扉D1内に閉じ込められることがない。また、ギア3を弾性支持するコイルスプリング50が経年劣化等で破断した場合でも扉D1を開くことでギア3の突出部分が引っ込むこととなり、従来の機構のように、ラッチがラッチ受け内に取り残されて扉のロックが解除できなくなるおそれがない。
その上、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、扉D1の内側に突設されている摘み41により回転自在なプレート片42をギア3の歯と歯の間に挿置するか否かでギア3の回転を阻止するものである。このため、ギアロック手段4の機構が簡略であり、経年劣化でも動作不能に陥るおそれが極めて少ない。
さらに、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、ギアロック手段4が扉D1の外側から解除可能に構成されているので、万が一、ギアロック手段4が内側から動作不能となった場合でも、外部からの救出が極めて容易である。
それに加え、開き扉の回転式ラッチ機構1によれば、係止手段2は、プレート本体20の中央に突設された矩形状(長方形状)の係止片21であるので、従来のラッチ受けのように建具枠に大きく掘り込み加工をしなくとも設置可能で、開き扉の建具の設置費用を低減することができる。また、建具枠F1に戸当りを必ずしも設ける必要がなく、その加工費用も削減することができる。
以上、本発明の実施形態に係る開き扉の回転式ラッチ機構1について詳細に説明した。しかし、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
本発明に係る開き扉の回転式ラッチ機構は、例えば、トイレ、バスルーム、又は各個室の扉など、部外者の侵入のおそれが少ない内壁に設置された建具の開き扉の回転式ラッチ機構に好適に適用されるものである。但し、玄関扉など外壁に設置された建具の開き扉の回転式ラッチ機構にも適用可能である。また、本発明は、高齢化、要介護・要介助者等へのバリアフリー化、一人暮らし、住宅の高気密化が進行する中、高いニーズがあるものと考えられる。その上、ギアやギアロック手段の回動を電動モータ駆動させて、スマートキー対応化や、IoT対応化も非常に容易である。
1:ラッチ機構(開き扉の回転式ラッチ機構)
10:錠箱
11:支持板
12:長孔
13:窓
2:係止手段
20:プレート本体
21:係止片
3:ギア
30:ギア本体
31:回転軸
4:ギアロック手段
40:軸
41:摘み
42:プレート片
43:表示プレート
44:外部解除キャップ
44a:溝
5:弾性体
50:コイルスプリング(弦巻きばね)
D1:扉
Dn:ドアノブ
F1:建具枠
F10,F11:縦枠
F12:上枠
F13:下枠
T:蝶番(丁番)

Claims (4)

  1. 建具枠に蝶番を介して取り付けられて開閉自在な扉の開閉をロックする開き扉のラッチ機構であって、
    前記扉に取り付けられる錠箱と、この錠箱に上下方向を軸として回転自在に取り付けられたギアと、このギアの回転の阻止又はその解除が自在なギアロック手段とを備え、
    前記ギアは、前記軸が弾性体の弾性力で押圧されて前記扉の端面から前記建具枠に向けてその一部が突出した状態で弾性支持されているとともに、
    前記建具枠には、前記ギアと対応する位置に、前記ギアロック手段でロックされた状態で前記ギアの歯を係止して前記扉の開閉をロックする係止手段が取り付けられており、
    前記ギアロック手段は、前記錠箱に前記扉の内側から外側に向かった際の前後方向を軸として軸支され、前記扉の内側に突設されている摘みにより回転自在なプレート片を前記ギアの歯の間に挿置するか否かで前記ギアの回転を阻止するものであること
    を特徴とする開き扉の回転式ラッチ機構。
  2. 前記ギアロック手段は、前記扉の外側から解除可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の開き扉の回転式ラッチ機構。
  3. 前記弾性体は、前記錠箱に一端が固着されたコイルスプリングであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の開き扉の回転式ラッチ機構。
  4. 前記係止手段は、プレート面が上下方向に沿って取り付けられた矩形状の係止片であること
    を特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の開き扉の回転式ラッチ機構。
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