JP6206864B2 - 太陽電池の電気的短絡欠陥を検出する方法及び装置 - Google Patents

太陽電池の電気的短絡欠陥を検出する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池、特に色素増感太陽電池の電気的短絡欠陥を簡便に漏れなく検出することを可能にする方法及び該方法を実施するのに好適な装置に関する。
太陽電池等の光機能性素子の短絡不具合を検査する方法として、従来より赤外線サーモグラフィーを含む方法が知られている(特許文献1〜4)。これらは、短絡部分により多くの電流が流れることによって、該短絡部分の周囲よりも該短絡部分の方が、熱がより多く発生することを利用する短絡部分の検出方法である。
しかし、これら特許文献に実際に開示されている技術は特に薄膜太陽電池、シリコン型太陽電池、有機EL素子等における短絡部分の検出を意図するものであって、対極と光電極を貼り合わせる工程を含む工程によって作製される色素増感太陽電池の短絡部分検出法として必ずしも好適なものとはなっていない。
特開平8−37317号公報 特開2004−199970号公報 特開2008−545232号公報 特開2011−222735号公報
色素増感太陽電池セル(DSC)の作製には、一対のシート状あるいは板状の電極(対極及び光電極)の貼り合わせ工程を要するところ、電極の貼り合わせ工程に起因した短絡不具合が発生するおそれがある。発電性能向上のためには、電極間距離の最適化が求められるところ、特に高粘度系電解質を用いる場合、一般に電極間距離の低減が求められ、前記短絡不具合の発生の危険がより増大する。
発明者らは、短絡時電圧〜開放電圧に相当する範囲の電圧を、色素増感太陽電池に掃引印加した際に、一般的な短絡状態を示す線形的挙動とは異なる特異な正常でない電流−電圧曲線を示す電池セルがしばしば現れることに気が付いた(図1参照)。詳細は不明なものの、電極間距離が極端に小さいことから、電極の貼り合わせ工程に起因した電極間の不完全な物理的接触ないし不完全な短絡状態(たとえば封止材等の有機物残渣の介在)が存在しているものと考えた。このような一般的な短絡状態とは異なる不完全な短絡状態を検知するためには、特に印加する電圧について注意を払わない従来のような検出方法では見逃すおそれがある。というのは、特定の印加電圧の範囲内でのみ短絡状態を示すためである。
そこで、一般的な短絡状態のみならず、上記のような不完全な短絡状態をも検知することが可能な、新規で簡便な電気的短絡欠陥の存在と位置を検出する方法が望まれる。
本発明の第一の態様は、
太陽電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出する方法であって、
(a)検査対象である太陽電池を準備する工程と、
(b)短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の電圧が両電極間に印加させるように、前記検査対象に、経時的に電圧を掃引印加しながら、前記検査対象の電極表面の温度分布を経時的に測定する工程と、
(c)前記工程(b)と並行して、前記測定された温度分布に基づき、周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在の有無を経時的に確認する工程であって、
(c−1)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が確認できた場合、これを電気的短絡欠陥のある部分と判断する工程と、
(c−2)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が未確認のまま、短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の全電圧を印加することができた場合、電気的短絡欠陥のある部分はないと判断する工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
また、本発明の第二の態様は、
太陽電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出するための装置であって、
短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の可変電圧を印加するための可変電圧供給手段と、電極表面の温度分布を経時的に測定する測定手段とを備え、
経時的に太陽電池に印加する電圧を変化させつつ、前記太陽電池の電極表面の温度分布を経時的に測定することができることを特徴とする、装置である。
本発明の方法により、電極の貼り合わせ工程に起因した不完全な短絡状態と思われる不具合の検出にも対応でき、太陽電池、特に色素増感電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出するのに好適な方法を提供できる。
色素増感太陽電池の3種類の電流−電圧曲線を示す。破線が正常な電流−電圧曲線、一点鎖線が一般的な短絡状態の電流−電圧曲線、実線が発明者らにより見出された特異な正常でない電流−電圧曲線を示す。 掃引印加する電圧の時間変化の具体例を示す。 本発明の第二の態様の装置の一例を示す。 検査対象の代表的なサーモグラフィー画像を示す。 実施例において作製された電極の概略図を示す。
1.本発明の第一の態様について
本発明の第一の態様は、太陽電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出する方法であって、
(a)検査対象である太陽電池を準備する工程と、
(b)電圧を掃引印加しながら前記太陽電池の電極表面温度分布を測定する工程と、
(c)電極表面温度分布を経時的に確認する工程と、
を含む。
本態様においては、電圧を掃引印加しながら電極表面温度分布を測定する工程により、従来の一般的な短絡状態ばかりでなく、従来の検査方法では検出が困難と思われるような、図1に示すような不完全な短絡状態の電気的不具合も容易に検出する方法を提供する。
(1−1)工程(a)について
検査対象である太陽電池を準備する工程である。
太陽電池は、好ましくは色素増感太陽電池である。
色素増感太陽電池の多くは、その作製工程として、対極と光電極との貼り合わせ工程を含んでいる。そして、すでに「発明が解決しようとする課題」のところで説明したように電極間距離が極端に小さいことから、完全短絡状態のみならず、対極と光電極との貼り合わせ工程に起因した不完全な短絡状態が存在する危険性を有しているものと考えられる。色素増感太陽電池の電気的接触不具合の主要な部分はこのような両電極の間の貼り合わせ不良によるものであり、その意味で、本態様における好ましい検査対象である。
色素増感太陽電池を例にとれば、
(i)電極基板である導電性基板の湾曲や
(ii)電極基板上の配線の絶縁被覆不良、
が存在した場合、両電極の間の貼り合わせ工程で、両電極同士の不完全な物理的接触による電気的短絡欠陥が発生する危険性がある。導電性基板が容易に湾曲可能なプラスチックフィルムや金属箔ではなく、堅牢なガラス板であっても僅かな反りやねじれが内在している場合があるし、加熱により前記反りやねじれが増加する危険性もあり、本質的に導電性基板の湾曲を完全に回避することは困難である。また、すべての配線部を完全に絶縁被覆するのも容易ではない。
なお、図1に示すような特異な正常でない電流−電圧曲線では、特定の範囲の電圧でのみ短絡状態を示している。一定の絶対値の電圧に至ってはじめて異常を示すのは、短絡状態が不完全なためと考えられる。他方、さらに電圧値の絶対値が増大した段階で、正常な電流−電圧曲線と同様な挙動を示すのは、詳細な原因は不明なものの、電流が流れることによる発熱により短絡部分が熱的変位を引き起こし、一時的に短絡状態が解消されたのではないかと推定している。
もっとも、色素増感太陽電池以外の太陽電池、たとえば有機薄膜太陽電池でも、頻度が多くないかもしれないものの、ピンホールや異物の混入により不完全な短絡状態を生じる危険性が考えられる。また、シリコン結晶系太陽電池でも、頻度が多くないかもしれないものの、バスバーのハンダ付け不良等により、同様に不完全な短絡状態を生じる危険性が考えられる。このため、本発明の方法は、色素増感太陽電池のみならず、他の太陽電池にも好ましく適用できる。
なお、本検査対象にいう太陽電池は、必ずしも完成品である必要はない。色素増感太陽電池を例にとれば、
(i)対極と光電極とを本貼り合わせ(すなわち、貼り合わせに用いた封止材を硬化させた後である等、もはや両電極の分離が困難な状態)し、電解液も注入後の状態の電池、すなわち、出荷する前の状態の完成品の電池、のみならず、
(ii)対極と光電極とを本貼り合わせしたが、電解液を注入する前の状態の電池、や
(iii)対極と光電極を仮貼り合わせ(すなわち、貼り合わせに用いた封止材を硬化させる前である等、まだ両電極の分離が容易な状態)したが、電解液を注入する前の状態の電池、
も含まれる。
上記(i)の段階で不具合を検出できれば、発電性能検査前に不良品として廃棄できる。
また、上記(ii)の段階で不具合を検出できれば、電解液注入工程前に不良品として廃棄できる。
また、上記(iii)の段階で不具合を検出できれば、それが電極の貼り合わせ工程に問題があると判断されれば、一旦、貼り合わせた両電極を分離して各電極を回収することが可能となる。短絡原因となる不良な電極が一方の電極のみであれば、該不良電極のみの廃棄・取替えも可能となる。
このように(ii)や(iii)の段階でも検査対象として事前に不良品を排除することで、歩留まり率、良品率の向上を図ることができるし、検査結果を作製工程にフィードバックすることで再発予防の手段を講じることもできる。さらに(iii)の段階でも検査対象とすることで、同定された短絡箇所を補修することで材料の再利用を図れる可能性がある。
(1−2)工程(b)について
短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の電圧が両電極間に印加させるように、前記検査対象に、経時的に電圧を掃引印加しながら、前記検査対象である太陽電池の電極表面の温度分布を経時的に測定する工程である。
(1−2−1)
ここで短絡時電圧とは両電極が短絡状態の電圧、すなわち両電極の電位差がゼロのことをいい、開放時電圧とは短絡不具合のない正常に動作する太陽電池の発電性能評価から規定される電圧であって、両電極間に流れる電流がゼロとなる時の電圧のことをいう。ここで、前記発電性能評価とは、100mW/cm2、A.M.1.5の擬似太陽光を照射された太陽電池の電圧−電流特性評価のことをいう。また、A.M.(エアマス)とは太陽光が大気を通過する距離を表し、より具体的にはθを太陽光の仰角として1/sinθで表す。大気圏外におけるA.M.はゼロ、赤道直下での真上からくる太陽光のA.M.が1である。A.M.1.5は東京の年間を通じて平均した太陽光に相当する。
すなわち、検査対象である太陽電池の発電動作範囲の電圧の絶対値の全域に渡って、しかし光起電力とは反対方向の電圧を掃引印加しながら、検査対象の電極表面の温度分布を経時的に測定する。かかる広範囲での電圧掃引により、従来法では検知困難な不完全な短絡状態の電気的不具合も容易に検出することができる。
従来法においても交流電圧印加の例はあるものの(たとえば特許文献3)、短絡時電圧〜開放時電圧に相当する広範囲の電圧を印加することを意図するものではない。
(1−2−2)
電極間の電圧値の変化の態様としては、(i)短絡時電圧からはじめて、徐々に電圧値を開放時電圧にまで増加させる方法と、(ii)開放時電圧からはじめて、徐々に電圧値を短絡時電圧にまで減少させる方法と、が考えられる。
また、電圧として直流電圧をかける態様と、交流電圧をかける態様も考えられる。いずれの場合も印加する最高電圧と最低電圧をそれぞれ開放時電圧と短絡時電圧に相当する電圧として採用する。
このような電圧値の増加ないし減少の速度としては、電気的不具合を比較的短時間に検出する観点から1mV/sec以上が好ましく、発熱応答をできるだけ見逃さないという観点から1000mV/sec以下が好ましい。なお、ここでいう電圧の変化速度は、開放時電圧と短絡時電圧との間の電圧差の絶対値を、電極間に短絡時電圧〜開放時電圧の範囲の電圧を掃引印加するのに要する時間で割った平均速度を意味する。
完全な暗所で測定を行なわない限り、測定対象である太陽電池には、周囲環境の光による光起電力が発生している。したがって、短絡時電圧(両電極間電圧がゼロ)にする場合にも、この光起電力に相当する電圧を光起電力とは反対方向に印加する必要がある。外部からの印加電圧により、短絡不具合箇所に電流が流れ、それに伴う発熱箇所を検出するという観点からは、できるだけ暗所で行なうことにより光起電力の発生をできるだけ抑えた方が、高感度での検出が可能となるので好ましい。
また、発熱箇所を検出するという観点から、温度が低い方が好ましいと考えられる一方で、大気中の水分による結露を回避するという観点もあわせて考慮すると、太陽電池をできるだけ一定の温度、たとえば10℃〜30℃の間の温度に保つことも高感度検出のためには好ましい。
また、電極間の電圧の変化(増加ないし減少)の別の観点からの態様として、連続的に変化させる態様のみならず離散的に変化させる態様が考えられる。さらに別の観点から、直線的に変化させる態様のみならず階段状に変化させる態様が考えられる。図2には電圧を増加させる態様を例にして、連続的かつ直線的に電圧を増加させる態様(図2(a))、連続的かつ階段状に電圧を増加させる態様(図2(b))、離散的かつ階段状に電圧を増加させる態様(図2(c))につき例示した。
階段状に電圧を変化させる場合、電気的不具合の検出に見落としが生じないように各電圧のジャンプがあまり大きくならないよう注意するのが好ましい。階段状に電圧を変化させる場合の1回毎の変化幅としては、1〜20mV/stepが好ましく、5〜15mV/stepがより好ましい。又、1回の電圧保持時間としては10〜6000msec/stepが好ましく、100〜4000msec/stepがより好ましい。さらに1回の電圧非印加時間としては0〜200msec/stepが好ましい(ここで、0msec/stepであることは連続的かつ階段状の電圧印加を示す)。
(1−2−3)
本工程では、上記(1−2−1)及び(1−2−2)で説明したような電圧の掃引印加と同時に、検査対象である太陽電池の電極表面の温度分布を経時的に測定する。
温度分布を測定する対象となる電極としては、電極の貼り合わせ工程に起因すると考えられる不完全短絡部分の検出のためには、いずれの電極を測定しても検出可能である。もっとも、本検出方法に入る前に開放時電圧を測定したいような場合、光電極の電極表面の温度変化を測定するように装置をセットしておくことが、手間がより省ける点では好ましい。
また、電極表面の温度分布は、種々のサーモグラフィー技術、たとえば赤外線サーモグラフィーを用いて測定できる。赤外線サーモグラフィーとは、検査対象から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、これを温度に換算して、温度分布を画像表示する技術である。20cm角サイズ程度までの太陽電池セルであれば、赤外線サーモグラフィーにより電極全面を一度に測定できる。それ以上のサイズになる場合は、XYステージ等、検査対象を2方向に移動可能な固定具を併用して、複数回に分けて測定することも考えられる。
(1−3)工程(c)について
前記工程(b)と並行して、前記温度分布の測定結果に基づき、周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在の有無を経時的に確認する工程であって、
(c−1)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が確認できた場合、これを電気的短絡欠陥のある部分と判断する工程と、
(c−2)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が未確認のまま、開放時電圧に相当する電圧値まで電圧を増加させることができた場合、電気的短絡欠陥のある部分はないと判断する工程、である。
(1−3−1)
短絡部分により多くの電流が流れることによって、該短絡部分の周囲よりも該短絡部分の方が、熱がより多く発生するという現象を利用して、太陽電池の電気的短絡欠陥の存在とその場所を特定する工程である。
従来技術と異なる点は、短絡時電圧〜開放時電圧の範囲という検査対象である太陽電池の発電動作範囲の全域に渡って電圧を掃引印加して、生じる電極表面の温度分布を確認する点である。これにより、従来技術では検知が困難と思われる図1に示すような特異な電気的短絡欠陥をも容易に検知することが可能となる。
周囲よりも温度が高くなったかどうかの判断については、たとえば周囲よりも少なくとも0.1℃高くなったかどうかを基準にすることができる。
さらに、周囲よりも温度が高くなったかどうかの判断につき、たとえば連続的かつ直線的に電圧を変化させる態様の場合、少なくとも0.1秒の時間の間、周囲よりも温度が高くなった状態が継続するとの条件を加重して、できるだけノイズを減らすようにすることも可能である。あるいは階段状に電圧を変化させる態様であれば、各所定の電圧値が保持される時間間隔の大きさと同じ時間間隔の大きさを、周囲よりも温度が高くなった状態が継続する時間間隔の大きさとして採用することもできる。
2.本発明の第二の態様について
太陽電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出するための装置であって、
短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の可変電圧を掃引印加するための可変電圧供給手段と、電極表面の温度分布を経時的に測定する測定手段とを備え、
経時的に太陽電池に印加する電圧を変化させつつ、前記太陽電池の電極表面の温度分布を経時的に測定することができることを特徴とする、装置である。
本発明の第一の態様の方法を好適に実施することのできる装置である。
(2−1)
図3に本態様の装置の具体例を挙げる。
図3では、検査対象である太陽電池が可変電圧供給手段と接続されており、さらに電圧計が太陽電池に対して並列に、電流計は太陽電池に対して直列に接続されている。図3における赤外線サーモグラフィカメラが、太陽電池の電極表面の温度分布を経時的に測定できるよう配置されている。
上記電流計及び電圧計を備えることにより、電圧が変化するのに伴い、電流−電圧曲線を経時的に追跡することが可能となり、電気的短絡欠陥の存在自体は確認できる(たとえば図1)。
さらに、上記赤外線サーモグラフィカメラを備えることにより、電気的短絡欠陥の存在と位置を同時に確認することができる。かかる確認のためには、種々の画像処理ソフトウェアを用いることが便宜である。たとえばマイクロビジョン社製の「Imaging Manager」、インテル社製の「Open CV」、同じくインテル社製の「IPP」等を例示することができる。
(2−2)
本態様の装置には、任意に擬似太陽光源及び光電変換効率測定装置を備えることもできる。これにより、電圧掃引に必要な短絡時電圧及び開放時電圧を、同じ装置内で測定でき便利である。具体的には、擬似太陽光源としてはキセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができ、光電変換効率測定装置としては一般的な直流電圧源及び電流モニタのセットを挙げることができ、上記(2−1)で説明した電流計及び電圧計を活用するのでもよい。
また、検査対象の太陽電池が、対極と光電極を貼り合わせて作製される色素増感太陽電池である場合、本態様の装置には、任意に、対極と光電極を貼り合わせることのできるアセンブリ手段を備えることもできる。特に対極と光電極を仮貼り合わせした段階で、検査する場合には便利である。
さらに上記アセンブリ手段が、特に一方の電極の上に電解液を均一に滴下した後、他方の電極を貼り合わせることのできる手段である場合(ワン・ドロップ・フィリング技術;one−drop−filling;ODF)、電解液の注入も同時に行なえるため一層便利である。
このようなアセンブリ手段(ODF技術を含む)としては、具体的には、常陽工学(株)製の真空貼り合わせ装置等を挙げることができる。
(検査対象の準備)
陽極用基板及び陰極用基板としてFTO膜付きのガラス板(FTO基板、市販品、12cm角サイズ)を用意した。
前記陽極用FTO基板については、スクリーン印刷機(マイクロテック社製MT−320TV)を用いて塩化白金酸含有ペーストを塗布し、焼成炉(Advantec社製FUW252PA)により360℃で焼成して、還元触媒層を備えた陽極用基板を得た。
前記陰極用FTO基板については、スクリーン印刷機(マイクロテック社製MT−320TV)を用いてチタニア粒子分散ペースト(市販品)を塗布し、焼成炉(Advantec社製FUW252PA)により500℃で焼成して酸化物触媒層を備えた陰極用基板を得た。
次いで、前記陽極用基板及び陰極用基板に、スクリーン印刷機を用いて銀粒子分散ペースト(市販品)を塗布し、焼成炉により500℃で焼成することで集電配線層をそれぞれ形成した。
次いで、集電配線層を形成した前記陽極用基板及び陰極用基板に、スクリーン印刷機を用いてガラスフリット分散ペースト(市販品)を塗布し、焼成炉により500℃で焼成することで集電配線保護層をそれぞれ形成し、陽極及び陰極を作製した。
次いで、増感色素(SK−1、神戸天然物化学社製)の0.3mM溶液(溶媒:アセトニトリルとtert−ブタノールとの1:1(体積比)混合溶媒)中に、前記陰極用基板を、40℃、2時間、暗所の条件で浸すことにより、酸化物触媒層に色素を担持させた。
次いで、前記陽極及び陰極の外周に、スクリーン印刷機を用いて紫外線硬化樹脂を印刷し、両極を対向させるように貼り合わせた(仮貼り合わせ)。
次いで、前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、両電極を固着させた(本貼り合わせ)。
次いで、液晶真空注入装置(アユミ工業社製)を用いて、両電極間の間隙に電解質を注入した。
(短絡不具合の検出)
暗所にて、両電極間に0Vから0.7V(開放時電圧)までの電圧が印加されるように、直流電圧を徐々に増加させつつ印加した(連続的階段状電圧印加:9.9mV/step、216msec/step)。直流電圧印加と同時に、赤外線サーモグラフィー(NECavio赤外線テクノロジー社製TVS−8500)で陰極の熱分布測定を行なった。ここで、少なくとも0.1秒間、周囲よりも少なくとも0.1℃高くなったかどうかを基準にして、周囲よりも温度が高くなった電極表面の領域の検出を行なった(図4参照)。
この結果は以下のとおりである。
(a)電流−電圧曲線による検査で完全短絡の不具合があると判断されたサンプル(図1の完全短絡状態参照)については、すべて本発明のサーモグラフィー法によってもその短絡の存在と位置を検出できた。
(b)電流−電圧曲線による検査で不完全短絡の不具合があると判断されたサンプル(図1の不完全短絡状態参照)については、9割以上の高い割合で本発明のサーモグラフィー法によってもその短絡の存在と位置を検出できた。
なお、電流−電圧曲線による検査で不完全短絡の不具合があると判断されたものの、本発明のサーモグラフィー法では未検出であったサンプルについては、ほぼ正常品に近い不完全短絡であったため発熱による検出ができなかったものと考えられる。
(c)本発明のサーモグラフィー法で検出された短絡不具合のほとんど大部分は、集電配線が配置されている部分(集電配線部)であった。集電配線の被覆不良に基づく短絡欠陥と考えられた(図5に表示される櫛状に形成された集電配線参照)。

Claims (8)

  1. 色素増感太陽電池の電気的短絡欠陥の存在と位置を検出する方法であって、
    (a)検査対象である色素増感太陽電池を準備する工程と、
    (b)短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の電圧が両電極間に印加させるように、前記検査対象に、経時的に電圧を掃引印加しながら、前記検査対象の電極表面の温度分布を経時的に測定する工程と、
    (c)前記工程(b)と並行して、前記測定された温度分布に基づき、周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在の有無を経時的に確認する工程であって、
    (c−1)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が確認できた場合、これを電気的短絡欠陥のある部分と判断する工程と、
    (c−2)周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域の存在が未確認のまま、短絡時電圧〜開放時電圧に相当する範囲の全電圧を掃引印加することができた場合、電気的短絡欠陥のある部分はないと判断する工程と、
    を含み、
    前記工程(a)における色素増感太陽電池が、
    (i)対極と光電極とを本貼り合わせし、電解液も注入後の状態の電池;
    (ii)対極と光電極とを本貼り合わせしたが、電解液を注入する前の状態の電池;又は
    (iii)対極と光電極を仮貼り合わせしたが、電解液を注入する前の状態の電池である、ことを特徴とする方法。
  2. 前記工程(a)における色素増感太陽電池が、
    (ii)対極と光電極とを本貼り合わせしたが、電解液を注入する前の状態の電池;又は
    (iii)対極と光電極を仮貼り合わせしたが、電解液を注入する前の状態の電池である、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記電圧値の変化が、電圧値の増加であり、
    前記工程(c)の(c−1)において、さらに直ちに印加する電圧値の増加を止めることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記工程(b)において、電圧を1mV/sec〜1000mV/secの速度で増加ないし減少させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記工程(c)において、周囲よりも少なくとも0.1℃、温度が高くなった前記電極表面の領域を特定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記工程(c)において、少なくとも0.1秒の時間の間、周囲よりも温度が高くなった前記電極表面の領域を特定することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 赤外線サーモグラフィにより、前記検査対象の電極表面の温度分布の変化を経時的に測定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項1の測定に加えて、検査対象の電流−電圧曲線をも同時に測定することにより、色素増感太陽電池の電気的短絡欠陥の存在につき重複して検査することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
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