実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、基板上に平面パターンにより形成されたパターンコイル及び同基板上に平面パターンによりつづら折状に形成されたパターン抵抗を含むLC発振回路を用いた発振回路検知器である透磁率センサにおける検知精度の向上方法について説明する。尚、本実施形態においては、磁性粒子であるキャリアと非磁性の現像剤であるトナーとが混合された2成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置における現像器に取り付けられて、その現像器内部における現像剤中のトナーの濃度を測定するトナー濃度検知器として上記透磁率センサが利用される場合を例としている。
まず、本実施形態に係る透磁率センサ100の回路構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る透磁率センサの回路構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る透磁率センサ100は、コルピッツ型のLC発振回路を基本とする発振回路であり、パターンコイル101、パターン抵抗102、第一コンデンサ103、第二コンデンサ104、フィードバック抵抗105、アンバッファIC106、107及び出力端子108を含む。
パターンコイル101は、透磁率センサ100を構成する基板上に平面上にパターニングされた信号線によって構成される平面上のコイルである。図1に示すように、パターンコイル101は、コイルによって得られるインダクタンスLを有する。パターンコイル101は、コイルが形成された平面に対抗する空間の透磁率によってインダクタンスLの値が変化する。その結果、本実施形態に係る透磁率センサ100は、パターンコイル101のコイル面が対向する空間の透磁率に応じた周波数の信号を発振する。
パターン抵抗102は、パターンコイル101と同様に基板上に形成された信号線のパターンによって構成される抵抗である。本実施形態に係るパターン抵抗102は、つづら折り状に形成されたパターンであり、これによって直線状のパターンよりも電流の流れにくい状態を作り出している。図1に示すように、このパターン抵抗102は、抵抗値RPを有する。また、図1に示すように、パターンコイル101とパターン抵抗102とは直列に接続されている。このように、パターン抵抗102がパターンコイル101と直列に接続されることで、本実施形態に係る透磁率センサ100は、後述するように、自身の発振周波数の温度特性が水晶発振回路70の発振周波数の温度特性と類似することにより発振周波数の算出誤差をキャンセルしかつ、パターンコイル101が形成された平面に対抗する空間の透磁率を温度に依存せずに安定して検知することが可能となる。
第一コンデンサ103及び第二コンデンサ104は、パターンコイル101と共にコルピッツ型LC発振回路を構成する容量である。従って、第一コンデンサ103及び第二コンデンサ104は、パターンコイル101及びパターン抵抗102と直列に接続されている。パターンコイル101、パターン抵抗102、第一コンデンサ103及び第二コンデンサ104によって構成されるループによって共振電流ループが構成される。
フィードバック抵抗105は、バイアス電圧を安定化させるために挿入される。アンバッファIC106及びアンバッファIC107の機能により、共振電流ループの一部の電位の変動が、共振周波数に応じた矩形波として出力端子108から出力される。このような構成により、本実施形態に係る透磁率センサ100は、インダクタンスL、抵抗値RP、第一コンデンサ103及び第二コンデンサ104の静電容量Cに応じた周波数で発振する。
そして、インダクタンスLは、パターンコイル101の近傍における磁性体の存在やその濃度によっても変化する。従って、透磁率センサ100の発振周波数により、パターンコイル101近傍の空間における透磁率を判断することが可能となる。また、図1に示すように、透磁率センサ100の発振周波数を高精度に設計する上では、回路を構成する信号線等によって生じる回路抵抗RLを無視することが出来ない。透磁率センサ100を構成する各部のパラメータ値に応じた周波数については後に詳述する。
このように、本実施形態に係る透磁率センサ100は、パターンコイル101とパターン抵抗102とが直列に接続されることで、パターンコイル101が形成された平面に対抗する空間の透磁率を温度に依存せずに安定して検知することが可能となる。
但し、本実施形態に係る透磁率センサ100は、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差がないことを前提として使用されるものであり、その両者間で温度差が生じると透磁率を正しく検知することができなくなってしまう。従って、本実施形態に係る透磁率センサ100は、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないような環境で使用されることが好適であるが、必ずしもそのような環境で使用されるとは限らない。
例えば、本実施形態に係る透磁率センサ100は、上述したように、2成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置における現像器に取り付けられて、その現像器内部における現像剤中のトナーの濃度を測定するトナー濃度検知器として利用される。そして、上記現像器は、現像器内で現像剤を搬送するための搬送スクリューを備えており、その搬送スクリューとその軸受けとの摩擦により熱を発生する。従って、透磁率センサ100がこのような現像器に取り付けられてトナー濃度検知器として利用されると、その取り付け態様によってはパターンコイル101とパターン抵抗102とでは熱源からの距離が異なるため伝わる熱の量も異なり、その両者間で温度差が生じてしまうことになる。
このように、透磁率センサ100は、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないような環境で使用されることが好適ではあっても、必ずしもそのような環境で使用されるとは限らない。
そこで、本実施形態においては、透磁率センサ100が、上述したような熱源を持つ現像器等の装置や機器等に取り付けられた状態であってもパターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないように、上記熱源からの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように取り付けられることを特徴としている。このように、透磁率センサ100が、上記熱源からの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように取り付けられると、伝わる熱の量の差がなくなり、その両者間で温度差が生じなくなる。従って、本実施形態によれば、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る透磁率センサ100の概観について、図2及び図3(a)〜(f)を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る透磁率センサ100の概観を示す斜視図である。図3(a)〜(f)は、本実施形態に係る透磁率センサ100を示す6面図である。尚、図2においては、図1において説明したパターンコイル101及びパターン抵抗102が形成されている面、即ち、透磁率を検知するべき空間に対向させる検知面が上面に向けられている。
図2及び図3(a)に示すように、パターンコイル101が形成された検知面においては、パターンコイル101と直列に接続されるパターン抵抗102がパターニングされている。図1において説明したように、パターンコイル101は平面上に螺旋状に形成された信号線のパターンである。また、パターン抵抗102は、平面上につづら折状に形成された信号のパターンであり、これらのパターンによって上述したような透磁率センサ100の機能が実現されると共に、図2及び図3(a)に示すように視覚的に興味深い模様となる。
このパターンコイル101及びパターン抵抗102によって形成される部分が、本実施形態に係る透磁率センサ100における透磁率の検知部である。透磁率センサ100を現像器212に取り付ける際には、この検知部が後述するトナー移動空間に対向するように取り付けられる。
また、図3(b)〜(f)に示すように、図1において説明した第一コンデンサ103、第二コンデンサ104、フィードバック抵抗105、アンバッファIC106、107及び出力端子108は、透磁率センサ100を構成する基板において、パターンコイル101及びパターン抵抗102が形成された面とは反対側の面に形成されている。
これにより、透磁率センサ100においてセンシング機能を発揮する部分であるパターンコイル101が形成された面が透磁率を検知する対象の空間に対向するように、その面を接触させて透磁率センサ100を配置することが可能となる。
また、それらの部品が実装されている面において、パターンコイル101及びパターン抵抗102が裏側に形成されている部分には電子部品や信号線が実装されていない。これにより、他の電子部品や信号線によって生じる磁束がパターンコイル101やパターン抵抗102に影響することを防ぎ、透磁率の検知精度を向上することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置200のコントローラ1の機能構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るコントローラ1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係るコントローラ1は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置と同様の構成を有する。即ち、本実施形態に係るコントローラ1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)30、DMAC(Direct Memory Access Controller)40、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)50、入出力制御ASIC60及び水晶発振回路70を含む。
CPU10は演算手段であり、コントローラ1全体の動作を制御する。ROM20は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。RAM30は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。DMAC40は、CPU10を介しないRAM30への直接のアクセスを制御する。
ASIC50は、CPU10やRAM30が接続されたシステムバスと他の機器との接続インタフェースとして機能する。入出力制御ASIC60は、透磁率センサ100が出力する検知信号を取得して、コントローラ1内部において処理可能な情報に変換する。即ち、透磁率センサ100が透磁率検知器として用いられる。水晶発振回路70は、コントローラ1内部の各デバイスを動作させるための基準クロックを発振する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置200のコントローラ1において、入出力制御ASIC60の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る入出力制御ASIC60の機能構成を模式的に示すブロック図である。図5に示すように本実施形態に係る入出力制御ASIC60は、カウンタ61、リード信号取得部62及びカウント値出力部63を含む。本実施形態に係る透磁率センサ100は、検知対象の空間における透磁率に応じた周波数の矩形波を出力する発振回路である。カウンタ61は、そのような透磁率センサ100が出力する矩形波に応じて値をインクリメントするカウンタである。
リード信号取得部62は、CPU10からのカウンタ61のカウント値の取得命令であるリード信号を、ASIC50を介して取得する。リード信号取得部62は、CPU10からのリード信号を取得すると、カウント値出力部63にカウント値を出力させるための信号を入力する。カウント値出力部63は、リード信号取得部62からの信号に応じて、カウンタ61のカウント値を出力する。
図5に示すように、コントローラ1はタイマ11を含む。タイマ11は、水晶発振回路70から入力される基準クロックのカウント値が所定の値になる度にCPU10に対して割込み信号を出力する。CPU10は、タイマ11から入力される割込み信号に応じて、上述したリード信号を出力する。
尚、入出力制御ASIC60へのCPU10からのアクセスは、例えばレジスタを介して行われる。そのため、上述したリード信号は、入出力制御ASIC60に含まれる所定のレジスタにCPU10によって値が書き込まれることによって行われる。また、カウント値出力部63によるカウント値の出力は、入出力制御ASIC60に含まれる所定のレジスタにカウント値が格納され、その値をCPU10が取得することによって行われる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置200に含まれる画像形成出力のための機構について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置200に含まれる画像形成出力のための機構を示す側面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る画像形成装置200は、無端状移動手段である搬送ベルト205に沿って各色の画像形成部206K〜206Yが並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ201から給紙ローラ202により分離給紙される用紙(記録媒体の一例)204に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト205に沿って、この搬送ベルト205の搬送方向の上流側から順に、複数の画像形成部(電子写真プロセス部)206Y、206M、206C、206K(以降、総じて画像形成部206とする)が配列されている。
また、給紙トレイ201から給紙された用紙204は、レジストローラ203によって一度止められ、画像形成部206における画像形成のタイミングに応じて搬送ベルト205からの画像の転写位置に送り出される。
複数の画像形成部206Y、206M、206C、206Kは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。画像形成部206Kはブラックの画像を、画像形成部206Mはマゼンタの画像を、画像形成部206Cはシアンの画像を、画像形成部206Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。尚、以下の説明においては、画像形成部206Yについて具体的に説明するが、他の画像形成部206M、206C、206Kは画像形成部206Yと同様であるので、その画像形成部206M、206C、206Kの各構成要素については、画像形成部206Yの各構成要素に付したYに替えて、M、C、Kによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。
搬送ベルト205は、回転駆動される駆動ローラ207と従動ローラ208とに架け渡されたエンドレスのベルト、即ち無端状ベルトである。この駆動ローラ207は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、駆動ローラ207と、従動ローラ208とが、無端状移動手段である搬送ベルト205を移動させる駆動手段として機能する。
画像形成に際しては、回転駆動される搬送ベルト205に対して、最初の画像形成部206Yが、イエローのトナー画像を転写する。画像形成部206Yは、感光体としての感光体ドラム209Y、この感光体ドラム209Yの周囲に配置された帯電器210Y、光書き込み装置211、現像器212Y、感光体クリーナ213Y、除電器(図示せず)等から構成されている。光書き込み装置211は、夫々の感光体ドラム209Y、209M、209C、209K(以降、総じて「感光体ドラム209」という)に対して光を照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体ドラム209Yの外周面は、暗中にて帯電器210Yにより一様に帯電された後、光書き込み装置211からのイエロー画像に対応した光源からの光により書き込みが行われ、静電潜像が形成される。現像器212Yは、この静電潜像をイエロートナーにより可視像化する現像装置であり、これにより感光体ドラム209Y上にイエローのトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム209Yと搬送ベルト205とが当接若しくは最も接近する位置(転写位置)で、転写器215Yの働きにより搬送ベルト205上に転写される。この転写により、搬送ベルト205上にイエローのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体ドラム209Yは、外周面に残留した不要なトナーを感光体クリーナ213Yにより払拭された後、除電器により除電され、次の画像形成のために待機する。
以上のようにして、画像形成部206Yにより搬送ベルト205上に転写されたイエローのトナー画像は、搬送ベルト205のローラ駆動により次の画像形成部206Mに搬送される。画像形成部206Mでは、画像形成部206Yでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体ドラム209M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が既に形成されたイエローの画像に重畳されて転写される。
搬送ベルト205上に転写されたイエロー、マゼンタのトナー画像は、さらに次の画像形成部206C、206Kに搬送され、同様の動作により、感光体ドラム209C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体ドラム209K上に形成されたブラックのトナー画像とが、既に転写されている画像上に重畳されて転写される。こうして、搬送ベルト205上にフルカラーの中間転写画像が形成される。
給紙トレイ201に収納された用紙204は最も上のものから順に送り出され、その搬送経路が搬送ベルト205と接触する位置若しくは最も接近する位置において、搬送ベルト205上に形成された中間転写画像がその紙面上に転写される。これにより、用紙204の紙面上に画像が形成される。紙面上に画像が形成された用紙204は更に搬送され、定着器216にて画像を定着された後、画像形成装置の外部に排紙される。
また、搬送ベルト205に対してベルトクリーナ218が設けられている。ベルトクリーナ218は、図6に示すように、搬送ベルト205から用紙204への画像の転写位置の下流側であって、感光体ドラム209よりも上流側において搬送ベルト205に押し当てられたクリーニングブレードであり、搬送ベルト205の表面に付着したトナーを掻きとるトナー除去部である。
このような構成の画像形成装置200は、図4において説明したコントローラ1により制御されて駆動される。そして、図6に示す構成のうち、現像器212に本実施形態に係る透磁率センサ100が設けられている。
次に、本実施形態に係る現像器212の構成について、図7〜図10を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る現像器212の概観を示す斜視図である。尚、図7においては、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示している。図8は、本実施形態に係る現像器212の内部を示す斜視図である。尚、図7と図8とでは上下を反転させて示している。従って、図8には、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態が示されている。また、図7及び図8に示す現像器212の長手方向は、図6の図面に垂直な方向、即ち、搬送ベルト205のベルト面と並行であって搬送ベルト205の搬送方向と垂直な主走査方向である。
図9は、本実施形態に係る現像器212の側断面を示す図である。尚、図9においては、図7に示した現像器212を、その左端部から主走査方向に向けて見た際の側断面図で示している。また、図9においては、図7の斜視図とは上下を反転させて示している。即ち、図9においては、図8の斜視図とは上下を一致させて示している。従って、図9には、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態が示されている。図10は、本実施形態に係る現像器212の概観を示す正面図である。尚、図10においては、本実施形態に係る現像器212を、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。また、図10においては、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示している。
図7〜図10に示すように、現像器212には、内部に充填された非磁性の現像剤であるトナー及び磁性粒子であるキャリア、即ち、現像剤を搬送する搬送スクリュー212b、212cが設けられている。この搬送スクリュー212bは、軸受け212d及び212eにより支持され、搬送スクリュー212cは、軸受け212f、212gにより支持されている。さらに、搬送スクリュー212b、搬送スクリュー212cは夫々、ギア212i、ギア212jに連結されており、このギア212iとギア212jとが噛み合いそのどちらか一方が回転することにより、夫々反対の方向に回転する。そして、この搬送スクリュー212b、212cが夫々反対の方向に回転することにより、内部に充填された現像剤が、現像器212の内部において上述した主走査方向の全体に行き渡るように構成されている。即ち、現像器212内部の全体が現像剤収容部として用いられ、搬送スクリュー212bが第一の現像剤搬送部として機能し、軸受け212dが第一の軸受けとして機能し、搬送スクリュー212cが第二の現像剤搬送部として機能し、軸受け212fが第二の軸受けとして機能する。
また、図8に示すように、現像器212内部において搬送スクリュー212b、212cにより搬送される現像剤は、主走査方向の一方の端部(図8に向かて左側端部)において搬送スクリュー212bによる搬送経路から搬送スクリュー212cによる搬送経路に受け渡される。従って、現像器212の主走査方向端部において夫々の搬送経路間を現像剤が移動する現像剤受渡空間(以降、「トナー移動空間」とする)が、最も現像剤が密集する空間となる。そして、本実施形態に係る透磁率センサ100は、このトナー移動空間に対向して配置されたセンサ取り付け面212a若しくは212hに取り付けられることでトナー濃度検知器として用いられる。
このように、透磁率センサ100がトナー移動空間に対向して配置されたセンサ取り付け面212a若しくは212hに取り付けられる理由について説明する。透磁率は、現像剤が密集しているほどその変化量が大きくなる。そのため、透磁率センサ100が、最も現像剤が密集するトナー移動空間に対向する位置に取り付けられることで現像器212内部の空間の透磁率をより精度よく検知することが可能となるためである。
尚、透磁率変化に大小はあるものの、現像剤が充填されている空間であればどの空間でも透磁率変化は発生するため、透磁率センサ100は必ずしも位置212a若しくは212hに取り付けられる必要はない。即ち、透磁率センサ100は、現像剤が充填されている空間に対向するように取り付けられていればどこに取り付けられても透磁率を検知することが可能である。但し、現像剤の濃度が低い空間に対向する位置に透磁率センサ100が取り付けられた場合には、透磁率の検知精度は低下することとなる。このような観点からも、本実施形態に係る透磁率センサ100は、トナー移動空間に対向して配置されたセンサ取り付け面212a若しくは212hに取り付けられる。
尚、図8に示すように、現像器212内部において搬送スクリュー212b、212cにより搬送される現像剤は、主走査方向のもう一方の端部(図8に向かって右側端部)において上記と反対方向ではあるが同様に、搬送スクリュー212cによる搬送経路から搬送スクリュー212bによる搬送経路に受け渡される。従って、この主走査方向端部において夫々の搬送経路間を現像剤が移動する空間も上記トナー移動空間と同様に最も現像剤が密集する空間となる。そのため、本実施形態に係る透磁率センサ100は、上記トナー移動空間の他に、この空間に対向して取り付けられても良い。
また、図7及び図9に示すように、センサ取り付け面212a及び212hは、平面基板を基礎として構成されている透磁率センサ100の取り付けが容易なように平面状に形成されており、この平面に対して透磁率センサ100の検知面を対向させて取り付けることにより、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる。また、図9に示すように、現像器212の筐体は2つの搬送スクリュー212b、212cの断面形状である円に合わせて弧状に形成されている。そして、センサ取り付け面212a及び212hは、上記のように弧状に形成された筐体の一部が平面上に成形されて構成されている。
このように、センサ取り付け面212a及び212hは、弧状に形成された筐体の一部が平面上に成形されて構成されているため、現像器212におけるセンサ取り付け面212a及び212hの表面と現像器212内部の空間との間隔が狭くなっている。本実施形態においては、このように構成されたセンサ取り付け面212a若しくは212hに透磁率センサ100が取り付けられることによって、現像器212内部の空間の透磁率をより好適に検知することが可能となる。
このような構成において、電子写真方式の画像形成装置において用いられる現像剤は、感光体ドラム209上の静電潜像を現像器212により現像するために、発色用の粉末(トナー)と、その粉末を搬送するための粒状の磁性体であるキャリアとが混合されて構成される。従って、感光体ドラム209上の静電潜像が現像剤中のトナーにより現像されると、現像器212内部における現像剤中のトナーの濃度が変動し、センサ取り付け面212a若しくは212hに対向する空間における透磁率が変化することとなる。その変化を透磁率センサ100によって検知することにより、現像器212内部における現像剤中のトナー濃度を検知することが可能となる。
そして、このような現像器212の内部に充填された現像剤をその内部において主走査方向の全体に行き渡らせるために、搬送スクリュー212bが回転すると、軸受け212dとの摩擦により、その摩擦部分を熱源として熱が発生して周囲に放射される。そのため、センサ取り付け面212a若しくは212hに取り付けられている透磁率センサ100は、放射されたその熱により温度が上昇するが、その取り付け態様によっては、パターンコイル101とパターン抵抗102とでは上記熱源からの距離が異なるため伝わる熱の量も異なり、その両者間で温度差が生じてしまうことになる。尚、実際には、搬送スクリュー212bと軸受け212dとの摩擦部分を熱源として摩擦熱が発生するが、本実施形態においては、図9及び図10に示すように、その摩擦部分の中心を熱源として扱うことにする。以下では、その熱源を熱源212kとする。
このような場合として、本実施形態に係る透磁率センサ100が、パターンコイル101とパターン抵抗102との接続方向が主走査方向と平行となるようにセンサ取り付け面212hに取り付けられている場合を例にして、図11〜図13(a)、図13(b)を参照して説明する。尚、本実施形態において接続方向とは、磁率センサ100におけるパターンコイル101の中心とパターン抵抗102の中心とを結ぶ方向のことである。図11〜図13(a)は、本実施形態に係る透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様の一例を示す図である。図13(b)は、本実施形態に係る現像器212における主走査方向に対する温度分布の様子を示す図である。
、図11〜図13(a)は全て、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示されている。また、図11においては、図7に示した斜視図における現像器212の左側端部を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において拡大して示している。また、図12においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において側断面図で示している。また、図13(a)においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。
また、図13(a)における101aが示す点は、透磁率センサ100におけるパターンコイル101の中心を表し、102aが示す点は、透磁率センサ100におけるパターン抵抗102の中心を表す。以下では、パターンコイル101及びパターン抵抗102の位置関係を議論する場合、101aが示す点をパターンコイル101の位置を表す際の基準点として扱い、102aが示す点をパターン抵抗102の位置を表す際の基準点として扱うこととする。
熱源212kにおいて発生した熱は、現像器212の筐体を伝って、現像器212の長手方向である主走査方向に向かって伝導していく。この際の熱の伝導量は、熱源212kからの距離が近い位置ほど大きく、遠くなるに従って小さくなる。従って、本実施形態に係る現像器212が運転を開始して搬送スクリュー212bと軸受け212dとの摩擦により熱源212kにおいて熱が発生すると、その熱源212kからの距離が近いほど温度が高く、遠くなるに従って低くなる。
そのため、図11〜図13(a)に示すように、透磁率センサ100がパターンコイル101とパターン抵抗102との接続方向が主走査方向と平行となるようにセンサ取り付け面212hに取り付けられた場合、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで異なる。従って、このような取り付け態様の場合、図13(b)に示すように、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じることになるため、透磁率センサ100は、透磁率を正確に検知することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、透磁率センサ100が、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないように、上記熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように現像器212に取り付けられることを特徴としている。このように、透磁率センサ100が、上記熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように現像器212に取り付けられると、伝わる熱の量の差がなくなり、その両者間で温度差が生じなくなる。従って、本実施形態によれば、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
尚、上述したように、本実施形態において、パターンコイル101及びパターン抵抗102の位置関係を議論する場合、基準点101aをパターンコイル101の位置を表す際の基準点として扱い、基準点102aをパターン抵抗102の位置を表す際の基準点として扱うこととしている。従って、本実施形態においては、熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる場合として、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる例について説明する。
ここで、このような本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様の具体例について、図14〜図16を参照して説明する。図14〜図16は、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様の一例を示す図である。尚、図14〜図16は全て、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示されている。
また、図14においては、図7に示した斜視図における現像器212の左側端部を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において拡大して示している。また、図15においては、本実施形態に係る現像器212のトナー移動空間を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において側断面図で示している。また、図16においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。
図14〜図16に示すように、本実施形態において透磁率センサ100は、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるようにセンサ取り付け面212aに取り付けられている。従って、本実施形態においては、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じなくなるため、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
このように、本実施形態においては、透磁率センサ100が、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないように、上記熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように現像器212に取り付けられることを特徴としている。従って、本実施形態によれば、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じなくなり、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る透磁率センサ100の発振周波数のカウント方法について、図17を参照して説明する。図17は、本実施形態に係る入出力制御ASIC60の機能によってカウントされる透磁率センサ100のカウント値の態様を示す図である。透磁率センサ100周辺に存在する磁性体の濃度に変化がなければ、原則として透磁率センサ100は同一の周波数で発振を続ける。その結果、図17に示すように、時間経過に応じてカウンタ61のカウント値は一様に増加する。
また、CPU10に対してタイマ11から割込み信号が入力されると、CPU10が入出力制御ASIC60に対してリード信号を出力し、そのタイミングにおけるカウンタ61のカウント値がCPU10によって取得される。図17に示すように、t1、t2、t3、t4、t5夫々のタイミングにおいて、aaaah、bbbbh、cccch、ddddh、AAAAhといったカウント値が取得される。
CPU10は、夫々のタイミングにおいてカウント値を取得すると、図17に示すT1、T2、T3、T4夫々の期間における周波数を計算する。本実施形態に係るタイマ11は、2(msec)に相当する基準クロックをカウントすると割込み信号を出力する。従って、CPU10は、夫々の期間におけるカウンタ61のカウント値を2(msec)で割ることにより、図17に示すT1、T2、T3、T4夫々の期間における透磁率センサ100の発振周波数f(Hz)を算出する。
また、図17に示すように、本実施形態に係るカウンタ61のカウント値の上限はFFFFhである。従って、CPU10は、期間T4における周波数の算出に際して、FFFFhからddddhを引いた値と、AAAAhとの値の合計値を2(msec)で割ることにより発振周波数f(Hz)を算出する。
次に、本実施形態に係る透磁率センサ100の発振周波数の他のカウント方法について、図18を参照して説明する。図18は、本実施形態に係る入出力制御ASIC60の機能によってカウントされる透磁率センサ100のカウント値の他の態様を示す図である。図18の場合、入出力制御ASIC60において、カウンタ61はカウント値出力部63によってカウント値を読み出された後、カウント値をリセットする。このリセット処理は、カウント値出力部63がカウント値の読み出し後にカウンタ61にリセット信号を入力しても良いし、カウンタ61の仕様として、カウント値が一度読み出される度にリセットされるような機能を設けても良い。
図18の態様の場合、夫々のタイミングにおいて取得されるカウント値は、夫々の期間T1、T2、T3、T4内にカウントされた値である。従って、CPU10は、夫々のタイミングにおいて取得したカウント値を2(msec)で割ることにより、発振周波数f(Hz)を算出する。
このように、本実施形態に係るコントローラ1においては、透磁率センサ100が発振する信号の周波数を取得し、その取得結果に基づいて透磁率センサ100の発振周波数に対応する事象を判断することができる。そして、本実施形態に係る透磁率センサ100においては、パターンコイル101のコイル面が対向する空間に存在する磁性体の濃度に応じてインダクタンスLが変化し、結果として出力端子108から出力される信号の周波数が変化する。その結果、コントローラ1においては、パターンコイル101のコイル面が対向する空間に存在する磁性体の濃度を検知することが可能となる。
このような透磁率センサ100は、上述したように所定の空間における磁性体の濃度に応じた周波数で発振する。また、水晶発振回路70は、予め定められた周波数で発振する。しかしながら、それらはいずれも、使用環境の温度に応じて発振周波数が変動する温度特性を有する。
ここで、本実施形態に係る水晶発振回路70の発振周波数の温度特性について、図19を参照して説明する。図19は、水晶発振回路70の温度特性グラフを示す図である。図19に示すように、水晶発振回路70は、ある温度をピークとした放物線状の温度特性を有する。
コントローラ1において、透磁率センサ100が発振する信号の周波数に基づいて所定空間における磁性体の濃度を高精度に検知するためには、温度変動に応じた発振周波数の変化は可能な限り小さいことが好ましい。また、上述したようにコントローラ1における発振周波数の算出は、タイマ11によってカウントされる2(msec)毎にカウント値を取得し、そのカウント値を2(msec)で割ることにより行われる。
ここで、タイマ11は、水晶発振回路70から入力される基準クロックに基づいて2(msec)をカウントするため、図19に示すような温度特性によって水晶発振回路70の発振周波数が変動すると、2(msec)分のカウント値が同一である限り、2(msec)分のカウント期間が変動してしまう。その結果、CPU10によって算出される透磁率センサ100の発振周波数に誤差が生じる。
これに対して、透磁率センサ100の温度特性が、図19に示すような水晶発振回路70の温度特性と類似していれば、上述したような発振周波数の算出誤差をキャンセルすることが可能である。即ち、温度変動によって水晶発振回路70の発振周波数が変動したとしても、透磁率センサ100の発振周波数も同様に変動していれば、2(msec)分のカウント期間においてカウンタ61によりカウントされるカウント値の変動が少なくなるため、最終的に算出される透磁率センサ100の発振周波数の誤差を小さくすることができる。
このような趣旨により、透磁率センサ100の発振周波数の温度特性を、任意に調整することが求められる。ここで、LC発振回路の発振周波数について説明する。図1に示すLC発振回路からパターン抵抗102を除いた従来のLC発振回路の発振周波数は、以下の式(1)により表される。
従って、透磁率センサ100の発振周波数の温度特性を調整するためには、上記式(1)に含まれる夫々のパラメータ“L”、“C”、“RL”を調整することとなる。ここで、本実施形態に係るパターンコイル101のインダクタンスLの温度特性について、図20を参照して説明し、本実施形態に係る第一コンデンサ103、第二コンデンサ104の静電容量Cの温度特性について、図21を参照して説明し、本実施形態に係る回路抵抗RLの温度特性について、図22を参照して説明する。
図20は、本実施形態に係るパターンコイル101のインダクタンスLの温度特性グラフを示す図である。図21は、本実施形態に係る第一コンデンサ103、第二コンデンサ104の静電容量Cの温度特性グラフを示す図である。図22は、本実施形態に係る回路抵抗RLの温度特性グラフを示す図である。
図20に示すように、パターンコイル101のインダクタンスLは、温度上昇に応じて増大する特性を有する。また、図21に示すように、第一コンデンサ103、第二コンデンサ104の静電容量Cは、温度上昇に応じて減少する特性を有する。また、図22に示すように、回路抵抗RLは、温度上昇に応じて増大する特性を有する。
このような温度特性に基づき、夫々のパラメータを調整することが出来れば、透磁率センサ100の温度特性を良好に、即ち、温度変化に対する発振周波数の変動を少なくすることが出来ると共に、図19において説明したような水晶発振回路70の温度特性に合わせることが可能となる。
しかしながら、上記式(1)に含まれる各パラメータのうち、“RL”は独立して調整することが困難なパラメータである。また、“RL”の値は“L”の影響を受けるため、“RL”と“L”とを独立して調整することも難しい。また、透磁率センサ100の発振周波数を考慮すると、“C”の値も他のパラメータと独立して調整することが難しい。
これに対して、本実施形態に係る透磁率センサ100においては、共振電流ループにおいて直列にパターン抵抗102を挿入し、このパターン抵抗102の抵抗値RPを調整することによって透磁率センサ100の発振周波数の温度特性を調整する。抵抗値RPは上述したような制約を受けることなく独立して調整することが可能なパラメータであるため、このような温度特性の調整が可能となる。
まず、パターン抵抗102の抵抗値RPを調整することにより透磁率センサ100の温度特性を調整可能であることの原理について説明する。上記式(1)は、共振電流ループにおける回路のインピーダンスが最少となる条件において、共振電流ループにおける回路のインピーダンスを示す式の一部を角速度ωについて解いた式である。従って、式(1)を共振電流ループにおける回路のインピーダンスが最少となる条件を示す式に変形すると、下記の式(2)のようになる。
上記式(2)は、パターン抵抗102が含まれない場合の式であるため、上記式(2)に基づき、パターン抵抗102の抵抗値RPを含み、共振電流ループのインピーダンスを示す式は以下の式(3)のようになる。
ここで、本実施形態に係るパターン抵抗102のインダクタンスの周波数特性について、図23を参照して説明する。図23は、周波数を変化させてパターン抵抗102のインダクタンスを測定した結果のグラフを示す図である。図23に示すように、パターン抵抗102はつづら折状のパターンによって発生する磁束によるインダクタンス成分を有し、そのインダクタンスは、例えば3×106(Hz)前後では13(nH)程度の値である。従って、上記式(3)のZRPは、パターン抵抗102のインダクタンス成分をLRPとして以下の式(4)によってあらわされる。
すると、上記式(3)に基づき、インピーダンスZが最少になる条件において、以下の式(5)の関係が成り立つ。
上記式(5)に基づいて図1に示す回路の発振周波数f0を求めると、以下の式(6)のようになる。
上記式(6)において、“RL”、“L”、“C”の値の調整は困難であるが、LRPは他のパラメータとは独立して調整することが可能である。図20において説明したように、一般的に、温度変動に対するインダクタンスの応答は比例関係にある。結果的に、LRPの値は、発振周波数に対しては、温度の上昇に対して周波数を下げる方向に作用する。従って、式(6)においてLRP以外の部分によって決まる温度特性を温度の上昇に対して周波数を上げる方向に作用させることにより、広範な温度領域に対して温度特性を安定化させることが可能となる。
ここで、図23及び上記式(4)に示すように、パターン抵抗102はインダクタンス成分を有するため、パターンコイル101と同様に、周囲の透磁率の変化によってインダクタンス値LRPが変化してしまうことが考えられる。その結果、パターンコイル101によるセンシング部の範囲がパターン抵抗102の実装範囲によって拡大されたことと同義にもなることも考えられる。その点について図24(a)〜(c)を参照して説明する。
図24(a)はパターン抵抗102の形成態様を示す図であり、図24(b)、(c)は、図24(a)の切断線AAにおける断面図である。図24(b)に示すように、パターン抵抗102に電流が流れることにより、図中の破線で示すような磁束が発生する。その結果、隣接するパターン間の磁束は強められ、結果的に図24(b)に示すように、つづら折状のパターンにおいて、隣接するパターン間に互い違いの方向に磁束が発生することとなる。この磁束がパターン抵抗102のインダクタンス値LRPを生成することとなる。
ここで、図24(b)に示すように発生する磁束の影響範囲における透磁率に変化が生じると、夫々のパターン間に発生している磁束によるインダクタンス成分にも変化が生じることとなる。しかしながら、図24(c)に示すように、夫々のパターン間に発生する磁束のうち、一方向の磁束における透磁率変化の成分と、反対方向の磁束における透磁率変化の成分との符号は、磁束の方向が異なるために正負が反対でキャンセルされる。
結果としてパターン抵抗102全体におけるインダクタンス成分は、周囲の透磁率が変化したとしても変化しないこととなる。即ち、パターン抵抗102は、周囲の透磁率に影響を受けず、透磁率に対するセンシング機能のないインダクタとして用いることが可能である。尚、本実施形態に係る透磁率センサ100は、共振電流ループにおいてパターンコイル101と直列にパターン抵抗102を挿入し、そのパターン抵抗102の抵抗値を調整することによって発振周波数の温度特性の調整を容易に行うものであり、仮にパターン抵抗102が、周囲の透磁率に対するセンシング機能を有したとしても問題ない。
従って、図1に示すように共振電流ループ中にパターン抵抗102を設けることは、パターンコイル101によるセンシング部の範囲がパターン抵抗102の実装範囲によって拡大されたことにはならない。換言すると、つづら折状のパターン抵抗102を設けることにより、透磁率センサとして用いるLC発振回路において、透磁率のセンシング機能とは無関係なインダクタンス成分を設けることが可能となる。
ここで、図1に示す回路においてパターン抵抗102のインダクタンス値LRPの値を諸々に変化させ、温度変動に対する周波数の変化を測定した結果を図25(a)〜(d)に示す。尚、図25(a)〜(d)において、LRP1<LRP2<LRP3<LRP4である。図25(a)〜(d)に示すように、パターン抵抗102のインダクタンス値が大きいほど、温度変動に対して放物線状に変化する周波数において、ピーク、即ち極値となる温度が下がっていることがわかる。従って、パターン抵抗102のインダクタンス値LRPを調整することにより、透磁率センサ100の発振周波数の温度特性の調整が可能であることがわかる。
ここで、パターン抵抗102のインダクタンス成分の調整方法の例について、図26を参照して説明する。図26(a)〜(d)は、図30(a)〜(d)に示すLRP1〜LRP4に対応するパターン抵抗102の形成態様を示す図である。図26(a)〜(d)に示すように、パターン抵抗102の形状であるつづら折の折数を増やすことにより、インダクタンス値を大きくすることができる。このように、つづら折状のパターン抵抗102を用いることにより、図26(a)〜(d)に示すような温度特性の調整が可能であるという効果に加えて、温度特性を調整するためのインダクタンス値の調整を、つづら折の折数を変更するだけで容易に実現可能であるという効果もある。
また、実験結果においては、図26(a)〜(d)に示すような温度特性において放物線のピークにおける温度が図19に示す水晶発振回路70の温度特性における放物線のピークに合致するようにパターン抵抗102を形成すると、そのパターン抵抗の抵抗値は0.3(Ω)であった。その場合において、想定される使用環境の温度範囲である10〜50(℃)の範囲における周波数の変動は、±37(ppm:part per million)という結果となり、従来技術に対して良好な温度変動が得られると共に、水晶発振回路70の周波数の変動範囲である±10〜40(ppm)に概ね合致する結果となった。
このように、本実施形態においては、共振電流ループにおいて直列にパターン抵抗102を挿入することにより、発振周波数の温度特性の調整が容易なLC発振回路を用いた透磁率センサを提供することができる。
尚、本実施形態においては、パターンコイル101及びパターン抵抗102を用いることにより、所定空間の透磁率を検知する透磁率センサ100について説明した。これに対して、図2に示すセンサのパターンコイル101のインダクタンスに影響する範囲の透磁率が一定であることを前提とすると、図1に示す回路の発振周波数変動は、図25(a)〜(d)において説明したような温度に対する変動成分のみとなる。
従って、本実施形態において説明した透磁率センサ100は、透磁率センサとしてのみでなく、温度センサとしても用いることが可能である。この場合、図25(a)〜(d)において説明した温度特性としては、検知対象とするべき温度範囲においては、単純上昇または単純下降となるような温度特性を選択することが好ましい。これにより、センサの発振周波数に基づく単純な計算で、センサが設置された部分の温度を検知することが可能となる。このような観点からも、上述したようにパターン抵抗102を調整することによって、回路の発振周波数の温度特性を調整可能であることは有意義である。
また、本実施形態においては、図26(a)〜(d)において説明したように、直線及び直角のみで構成されたつづら折のパターンをパターン抵抗102として用いる場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、つづら折のパターンとしてはさまざまなパターンが考えられる。例えば、図27(a)に示すように、曲線で構成されたつづら折のパターンや、図27(b)に示すように直線と鋭角で構成されたつづら折のパターンを用いることが出来る。また、図27(c)、(d)に示すように、図27(a)、(b)のつづら折パターンを構成する山の角度が傾いたパターンを用いることが出来る。
以上、説明したように、本実施形態においては、透磁率センサ100が、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じないように、上記熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように現像器212に取り付けられることを特徴としている。このように、透磁率センサ100が、上記熱源212kからの距離がパターンコイル101とパターン抵抗102とで同一となるように現像器212に取り付けられると、伝わる熱の量の差がなくなり、その両者間で温度差が生じなくなる。従って、本実施形態においては、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
尚、本実施形態においては、上述したように、摩擦部分の中心を熱源として扱う例について説明するが、これに限らず、熱源の取り扱い易さ、現像器212の形状、熱源の温度等の状況に応じて、摩擦部分における任意の点や軸受け212dにおける任意の点、搬送スクリュー212bの回転中心を貫く直線とその直線に垂直な平面であって軸受け212dと交差する平面との交点、搬送スクリュー212bの回転中心を貫く直線と軸受け212d側の現像器212の筐体との交点等を熱源として扱っても良い。
また、現像器212において2か所に熱源がある場合、それらを結ぶ線分の中点を新たな熱源として扱うようにすれば良い。また、現像器212において3ヶ所以上に熱源が存在する場合、各熱源を線分が交差しないように結ぶことにより形成された多角形の中心を新たな熱源として扱うようにすれば良い。また、現像器212において4ヶ所以上に熱源が存在する場合、熱源同士を結ぶ各線分の交点の数が最も多くなる点を新たな熱源として扱うようにしても良い。但し、これらに限らず、熱源の取り扱い易さ、現像器212の形状、各熱源の温度等の状況に応じて適宜設定すれば良い。
また、現像器212において複数ヶ所に熱源が存在しかつ、それらのうちで1か所でも温度が異なる場合、それらの温度を考慮した上で新たな熱源を設定すれば良い。具体的には、例えば、各熱源をその温度に応じて移動させた上で、上記と同様にして複数ヶ所の熱源を1か所の熱源としたり、複数ヶ所の熱源を1か所の熱源とした上で、その1か所の熱源を各熱源の温度に応じて移動させて新たな熱源としたりといった方法が考えられるが、これらに限らず、熱源の取り扱い易さ、現像器212の形状、各熱源の温度等の状況に応じて適宜設定すれば良い。
また、現像器212において複数ヶ所に熱源が存在する場合、磁率センサ100におけるパターンコイル101の中心から各熱源までの距離の総和と、透磁率センサ100におけるパターン抵抗102の中心から各熱源までの距離の総和とが等しくなるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられるようにしても、本実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態においては、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように、透磁率センサ100が図14〜図16に示したようにセンサ取り付け面212aに取り付けられる例について説明した。この他、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一でありさえすれば、透磁率センサ100が図28〜図30に示すように、図14〜図16に示した状態とは上下を反転させた状態でセンサ取り付け面212aに取り付けられても良い。ここで、図28〜図30は、本実施形態に係る透磁率センサ100が現像器212に取り付けられている状態において、図14〜図16にそれぞれ対応する図である。
また、本実施形態においては、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように、透磁率センサ100が図14〜図16に示したようにセンサ取り付け面212aに取り付けられる例について説明した。この他、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一でありさえすれば、透磁率センサ100が図31〜図33に示すような状態でセンサ取り付け面212hに取り付けられても良い。ここで、図31〜図33は、本実施形態に係る透磁率センサ100が現像器212に取り付けられている状態において、図14〜図16にそれぞれ対応する図である。
尚、本実施形態においては、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる例について説明したが、それらの距離が厳密に同一ではなくそれらの距離に差があったとしても所定値以下であれば、本実施形態において説明した効果と同様の効果を得るためには十分である。ここで、熱源212kから基準点101aまでの距離と、熱源212kから基準点102aまでの距離との差が所定値以下である場合として、基準点101aから基準点102aまでの距離以下であれば良いが、それらの距離の差が小さいほどその効果は大きくなる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる例について説明した。この場合、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じなくなるため、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
ところが、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで厳密に同一ではなくそれらの距離に差があったとしても所定値以内であれば、実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得るためには十分である。また、図2や図3(a)に示したように、パターンコイル101とパターン抵抗102とでは検知面での占有面積の大きさが異なり、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一であったとしても、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で必ずしも温度差が生じないということにはならない場合がある。
そこで、本実施形態においてはまず、パターンコイル101とパターン抵抗102との何れかのうち、透磁率センサ100における検知面での占有面積が大きい方の形成領域のなかで熱源212kから最も遠く離れている最遠点Aと熱源212kとを結ぶ線分Bに垂直であってその最遠点Aを通る直線Lを定義する。そして、センサ取り付け面212a若しくは212hを含む平面において、その直線Lにより分割されて形成された領域のうち熱源212k側の領域に、パターンコイル101とパターン抵抗102との何れかのうち、透磁率センサ100における検知面での占有面積が小さい方の形成領域の少なくとも一部が含まれるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられることを特徴としている。
このようにして透磁率センサ100が現像器212に取り付けられると、熱源212kからの基準点101aと基準点102aとの距離の差が所定値以内となり、また、パターンコイル101とパターン抵抗102とで検知面での占有面積の大きさが異なる場合であっても、実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。以下、図面を参照して詳細に説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
まず、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様について、図34を参照して説明する。図34は、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様の一例を示す図である。尚、図34は、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示されている。また、図34においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。
図34に示すように、本実施形態おいてはまず、透磁率センサ100における検知面でのパターンコイル101の形成領域のなかで熱源212kから最も遠く離れている最遠点Aと熱源212kとを結ぶ線分Bに垂直であってその最遠点Aを通る直線Lを定義する。そして、センサ取り付け面212aを含む平面において、その直線Lにより分割されて形成された領域のうち熱源212k側の領域に、パターン抵抗102の形成領域の少なくとも一部が含まれるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられている。
このように、本実施形態において透磁率センサ100は、センサ取り付け面212aを含む平面において、直線Lにより分割されて形成された領域のうち熱源212k側の領域に、パターン抵抗102の形成領域の少なくとも一部が含まれるように、現像器212に取り付けられることを特徴としている。従って、本実施形態においては、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じ難くなるため、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
但し、センサ取り付け面212aを含む平面において、直線Lにより分割されて形成された領域のうち熱源212k側の領域に、パターン抵抗102の形成領域の全てが含まれるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられるように構成されると、本実施形態において説明した効果を得るためにはより有意義である。また、パターン抵抗102の形成領域と線部Bとが交差しないように、直線Lにより分割されて形成された領域のうち熱源212k側の領域に、透磁率センサ100におけるパターン抵抗102の形成領域の全てが含まれるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられるように構成されても、本実施形態において説明した効果を得るためにはより有意義である。
尚、本実施形態においては、パターンコイル101の方がパターン抵抗102よりも検知面での占有面積が大きい場合を例として説明したが、その逆の場合であっても同様に適用可能である。
また、本実施形態においては、透磁率センサ100がセンサ取り付け面212aに取り付けられる場合について説明したが、センサ取り付け面212hに取り付けられる場合であっても同様である。
その他の実施形態.
上記実施形態においては、熱源212kからの距離が基準点101aと基準点102aとで同一となるように、若しくは、所定値以下となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる例について説明した。この場合、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じなくなる、若しくは、生じ難くなるため、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
本実施形態においては、上記実施形態において説明した透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様を包括するように、その取り付け態様を一般化した取り付け態様について説明する。そこで、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様について、図35を参照して説明する。図35は、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様の一例を示す図である。尚、図35は、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示されている。また、図35においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。
図35に示すように、本実施形態おいては、センサ取り付け面212aを含む平面において、基準点101aと熱源212kとを通る直線Cと、基準点101aと基準点102aとを通る直線Dとのなす角のうち鋭角となる角Eが所定の角度内となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられている。
このように、本実施形態において透磁率センサ100は、角Eが所定の角度内となるように現像器212に取り付けられることを特徴としている。このような取り付け態様は、実施の形態1及び2において説明した透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様を包括するように、その取り付け態様を一般化したものである。従って、本実施形態においては、実施の形態1及び2において説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、本実施形態においては、パターンコイル101とパターン抵抗102との間で温度差が生じなくなる、若しくは、生じ難くなるため、透磁率センサ100による透磁率の検知精度を向上させることが可能となる。
ここで、本実施形態に係る角Eの角度としては、上記効果を得るためには0度より大きく180未満であれば十分であるが、好ましくは30度〜150度、さらに好ましくは60度〜120度であればより効果的となる。
尚、本実施形態においては、センサ取り付け面212aを含む平面において、基準点101aと熱源212kとを通る直線Cと、基準点101aと基準点102aとを通る直線Dとのなす角のうち鋭角となる角Eが所定の角度内となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられる例について説明した。この他、図36に示すように、基準点102aと熱源212kとを通る直線Fと、基準点101aと基準点102aとを通る直線Dとのなす角のうち鋭角となる角Gが所定の角度内となるように、透磁率センサ100が現像器212に取り付けられても良い。この場合の角Gの角度は、図35において説明した角Eと同様である。
図36は、本実施形態における透磁率センサ100の現像器212への他の取り付け態様の一例を示す図である。尚、図36は、現像器212が画像形成装置200に搭載された状態、即ち、現像器212の使用時における状態とは上下を反転させて示されている。また、図36においては、本実施形態に係る現像器212を、透磁率センサ100が取り付けられた状態において、搬送ベルト205のベルト面と並行であって主走査方向に垂直な方向、即ち、副走査方向から見た際の正面図である。
また、本実施形態においては、透磁率センサ100がセンサ取り付け面212aに取り付けられる場合について説明したが、センサ取り付け面212hに取り付けられる場合であっても同様である。
尚、上記実施形態においては、透磁率センサ100が、磁性粒子であるキャリアと非磁性の現像剤であるトナーとが混合された2成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置200における現像器212に取り付けられて、その現像器212内部における現像剤中のトナーの濃度を測定するトナー濃度検知器として利用される場合を例として説明したが、これに限らず、パターンコイル101及びパターン抵抗102を含むLC発振回路を用いて、それらが形成された平面に対向する所定空間の透磁率を検知する透磁率検知器であれば同様に適用可能である。
また、上記実施形態においては、パターンコイル101及びパターン抵抗102を用いることにより、所定空間の透磁率を検知する透磁率センサ100について説明した。これに対して、図2に示すセンサのパターンコイル101のインダクタンスに影響する範囲の透磁率が一定であることを前提とすると、図1に示す回路の発振周波数変動は、図25(a)〜(d)において説明したような温度に対する変動成分のみとなる。
従って、上記実施形態において説明した透磁率センサ100は、透磁率センサとしてのみでなく、温度センサとしても用いることが可能である。この場合、図25(a)〜(d)において説明した温度特性としては、検知対象とするべき温度範囲においては、単純上昇または単純下降となるような温度特性を選択することが好ましい。これにより、センサの発振周波数に基づく単純な計算で、センサが設置された部分の温度を検知することが可能となる。このように、上記実施形態において説明した透磁率センサ100が温度センサとして用いられた場合、例えば、現像器212における発熱をモニタリングすることができ、故障などによる過剰な発熱を検知することが可能となる。
このようにして透磁率センサ100が温度センサとして用いられる場合であっても、上記実施形態において説明したように、パターンコイル101とパターン抵抗102とで温度差が生じない、若しくは、生じ難くなるように透磁率センサ100が現像器212に取り付けられることで、温度検知の精度を向上させることが可能となる。従って、透磁率センサ100が温度センサとして用いられる場合であっても、上記実施形態において説明した透磁率センサ100の現像器212への取り付け態様を適用することは有意義である。