JP6205806B2 - RIfS(反射干渉分光法)測定装置 - Google Patents
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Description
[1] センサーチップの表面に形成された試料薄膜が置かれている密閉空間を、湿度が連続的に変化するガスで満たすための、湿度調節ユニットを含む測定環境調節機構を備え、
前記ガスによって前記密閉空間内の湿度を連続的に変化させながら、複数の前記湿度下で反射スペクトルをそれぞれ取得できることを特徴とする、RIfS測定装置。
[2] 前記湿度調節ユニットが、湿潤ガス発生機構、乾燥ガス発生機構、および乾湿ガス供給コントロールユニットを含む、[1]に記載のRIfS測定装置。
[3] 前記湿潤ガス発生機構、乾燥ガス発生機構、および乾湿ガス供給コントロールユニットが一体化している、[1]または[2]に記載のRIfS測定装置。
[4] 前記ガスの湿度を1%あたり1〜3600秒の速度で変化させることができる 、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[5] 前記密閉空間内の湿度をリアルタイムで計測する湿度センサーと、前記湿度センサーによって計測された前記密閉空間内の湿度の実測値に基づいて、PID演算方式によって前記密閉空間内の湿度を連続的に変化させる制御部とをさらに有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[6] 前記湿潤ガス発生機構および乾燥ガス発生機構と前記密閉空間とを連結するガス流路が、結露した水分を排除するための水分トラップ機構を有する、[2]〜[5]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[7] 湿度調節ユニットを含む測定環境調節機構が、前記センサーチップに積載されたフローセルによって前記試料薄膜の周囲に形成された密閉空間を、湿度が連続的に変化するガスで満たすためのものである、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[8] 前記密閉空間の寸法は、幅2.5mm×長さ16mm×深さ0.1mmである、[7]に記載のRIfS測定装置。
[9] チップカバーおよびセンサーチップセット部、または遮光カバーが、前記密閉空間を形成するための構造を備える、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[10] 前記測定環境調節機構がさらに、前記密閉空間内のガスを外部に排出するための排気機構を含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[11] 前記測定環境調節機構がさらに、前記湿度調節ユニットに空気以外のガスを供給する機構を含む、[1]〜[10]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[12] さらに、センサーチップ用温度調節機構を備える、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[13] 前記ガスを任意の温度に調節する温度調節機構をさらに有する、[1]〜[12]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[14] さらに、前記密閉空間を形成する部材に設けられた試薬供給口から試薬を噴霧する試薬供給機構を備える、[1]〜[13]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
[15] 前記密閉空間を形成する部材としての前記チップカバーに前記試薬供給口が設けられている、[14]に記載のRIfS測定装置。
[16] 請求項[1]〜[15]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置と、当該RIfS測定装置の測定環境調節機構の制御手段と、当該RIfS測定装置がセンサーチップ用温度調節機構を備える場合はその制御手段と、当該RIfS測定装置が試薬供給機構を備える場合はその制御手段と、を含むことを特徴とする、RIfS測定システム。
[17] 密閉空間を形成する部材として[1]〜[15]のいずれか一項に記載のRIfS測定装置と共に使用されるセンサーチップ用のフローセルであって、試料薄膜と反応させるための試薬が塗布されている領域が、ガス流入口の壁面に形成されていることを特徴とするフローセル。
[18] 密閉空間を形成する部材として[15]に記載のRIfS測定装置と共に使用されるセンサーチップ用のフローセルであって、試薬供給口を備えることを特徴とするフローセル。
また、「密閉空間」は、センサーチップの表面に形成された試料薄膜が置かれている雰囲気の湿度および/または温度(さらに任意で圧力)を、温湿度調節ユニットから発生する気体によって所望の範囲の調節することができる程度の密閉性を有する空間を指す。このような密閉空間は、温湿度調節ユニットや排気機構と接続するための開口を有するが、上述したような機能を果たしうる程度の適切な密閉性を有していればよい。
本発明に係るRIfS測定装置は、センサーチップの表面に形成された試料薄膜が置かれている密閉空間に、湿度および/または温度が連続的に変化するガスを供給するための温湿度調節ユニット、好ましくはさらに、前記ガスを排出するための排気機構を含む測定環境調節機構を備える。本発明に係るRIfS測定装置は、必要に応じてさらに、微量の試薬を試料薄膜に添加するための試料供給機構を備えていてもよい。
以下、本発明に係る測定装置および測定システムを、図1に示す好適な一実施形態に基づき説明する。しかしながら、本発明の実施形態はこの図に示されたものに限定されず、本発明の作用効果を妨げない範囲で改変された実施形態も含まれる。
RIfS装置10は、RIfS測定機構、測定環境調節機構、その他センサーチップ21およびフローセル23をセットするためのセンサーチップセット部(ステージ)およびチップカバー、これらを収納し、一部に開閉可能な遮光カバーが設けられている筐体などから構成される。
図1に示す実施形態において、RIfS測定機構は、白色光源11、分光器12および測定プローブ13を含む。白色光源11が点灯すると、その白色光が光ファイバ13aを介して測定領域Aに向けられたプローブ13から照射され、測定領域Aからの反射光が光ファイバ13bを介して分光器12に導かれる。図中の矢印は入射光および反射光を表す。
図1に示す実施形態において、測定環境調節機構は、温湿度調節ユニット110、温湿度センサー120、排気機構130を含む。測定環境調節機構に係る制御プログラム(測定環境制御プログラム)を記憶した制御装置50は、これらの測定環境調節機構の各要素と制御可能なように接続される。このような測定環境調節手段において、温湿度センサー120によって密閉空間23a内の湿度および/または温度をリアルタイムで計測し、その測定値を制御装置50にフィードバックして、制御装置50に記憶された設定値と比較する。その結果に基づいて、温湿度調節ユニット110および排気機構130を適切に作動させることによって、密閉空間23aが設定された湿度および/または温度となるように制御することができる。
温湿度調節ユニット110に係る第1の実施形態は、図2(A)に示すように、湿潤ガス発生機構としての加湿用ビン111と、乾燥ガス発生機構としての除湿用ビン112と、送気機構としてのエアーポンプ113aと、スイッチング機構としての三方弁113bとを含む。加湿用ビン111および除湿用ビン112は、温度調節機構による調温がなされており、湿潤ガスおよび乾燥ガスを任意の温度に調節することができる。加湿用ビン111には水が入っており、たとえば前述したスチーム式により、高湿度の湿潤ガスを発生させることができる。除湿用ビン112は、たとえば前述したコンプレッサー式により、低湿度の乾燥ガスを発生させることができる。湿度の実装値が測定値よりも低い場合は、加湿用ビン111側に三方弁113bを開放し、湿潤ガスをエアーポンプ113aで供給することにより、密閉空間23aの湿度を高くする。逆に湿度の実装値が測定値よりも高い場合は、除湿用ビン111側に三方弁113bを開放し、乾燥ガスをエアーポンプ113aで供給することにより、密閉空間23aの湿度を低くする。
密閉空間の温湿度を自動的に調節する測定環境抑制プログラムは、たとえば以下のような実施形態のものが好ましい。なお、以下の記載では、温度および湿度のいずれか一方または両方を指す場合に、まとめて温湿度と表記する。また、温度に関する調節は、乾湿ガス用意温度調節機構のみならず、センサーチップ用温度調節機構についても同様に適用可能である。
温度(t’)=温度(t)×傾き(k)/1000+オフセット(c)。
偏差=目標値−実測値
操作量=Kp×偏差+Ki×偏差の累積値+Kd×前回偏差との差
PID制御パラメータの求め方(ステップ応答法)は、たとえば次のようにして行う。
比例制御
Kp=0.3〜0.7×T/KL
Ki=0
Kd=0
PI制御
Kp=0.35〜0.6×T/KL
Ki=0.3〜0.6/KL
Kd=0
PID制御
Kp=0.6〜0.95×T/KL
Ki=0.6〜0.7/KL
Kd=0.3〜0.45×T/K
加熱/冷却の駆動は、たとえば、温度調節部材(たとえばペルチェ素子)の駆動回路の加熱信号または冷却信号に対してPWM出力を行い、当該駆動回路はフォトカプラにてアイソレーションされる(デューティ:0〜100%、周波数:1kHz固定)ようにする。
図1に示す実施形態ではフローセル23により密閉空間を形成しているが、フローセルを用いる代わりに、チップカバーおよびセンサーチップセット部、または遮光カバーが、前記密閉空間を形成するための部材を備えるRIfS測定装置を用いて、以下のような密閉機構により密閉空間を形成してもよい。
測定システム1は必要に応じて、センサーチップ21(試料薄膜21c)自体をより直接的に加熱冷却するための、センサーチップ用温度調節手段を備えていてもよい。特に、後述するように、試薬供給口の壁面に試薬塗布領域を設けるフローセル(試薬供給機構の第3実施形態)を使用する場合は、試薬塗布領域を結露させるために、センサーチップ用温度調節手段を備えることが好ましい。
測定システム1は必要に応じて、試料薄膜に微量の試薬を添加するための試薬供給手段を備えていてもよい。この場合、RIfS測定装置1は、たとえば、振動子での噴霧または静電噴霧による試薬供給機構を備える。試薬供給機構に係る制御プログラムを記憶した制御装置50は、当該機構を構成する各部材(液運搬手段など)と通信可能なように接続される。
システム制御手段は、制御装置50、制御装置50と測定システム1を構成する各要素との間で電気的な信号、データ等の通信を可能とする接続手段60、制御装置50に記憶されたプログラム(ソフトウェア)などから構成される。システム制御手段の対象となる上記の各要素には、RIfSにおける基本的な要素である白色光源11、分光器12などに加えて、本発明で必要とされる測定環境調節機構、たとえばそれらを構成する温湿度調節ユニット110、温湿度センサー120などの部材が含まれ、さらに、RIfS測定装置がセンサーチップ用温度調節機や試薬供給機構を備える場合は、それらの構成部材も含まれる。
センサーチップ21は、一般的には矩形であり、基板21aと、その上に形成された光学薄膜21bと、本発明ではさらに、光学薄膜21bの上に形成された試料薄膜21cから構成される。試料薄膜21cの一部が、白色光が照射されて反射率が測定される測定領域Aとなる。
試料薄膜21cは、適切な材料により形成され、RIfSを適用することのできる膜厚、屈折率等の性質を備えたものであれば特に限定されるものではない。
たとえば、合成もしくは天然の高分子材料からなる薄膜を形成する場合は、必要に応じて溶媒を用いて適度な粘度の溶液を調製した後、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティングなどのコーティング技術を用いて無修飾センサーチップの表面に塗布することができる。また、無修飾センサーチップの表面をシランカップリング剤またはアミンカップリング剤で処理して反応性官能基(アミノ基、カルボキシル基等)を導入しておき、高分子材料が有する官能基と反応させることにより当該高分子材料からなる薄膜を形成するようにしてもよい。このような官能基同士の反応のかわりに、分子間相互作用や静電吸着により高分子材料からなる薄膜を形成することもできる。あるいは、無修飾センサーチップの表面に光、熱などにより重合可能なモノマーを導入し、グラフト重合させることにより、そのモノマーから高分子材料を生成させて薄膜を形成することもできる。その他、キャスト製法、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)等の成膜技術を用いることもできる。
本発明の好適な実施形態において、試料薄膜21cの周囲に密閉空間を形成するために、枠材となるフローセル23をセンサーチップ21に積載して用いる(センサーチップとフローセルとを組み合わせて測定部材とする)。従来のフローセルは主として液体を流下させるために用いられていたが、本発明においては気体(および必要に応じて添加される微量の試薬)を流下させるために用いられる。
フローセル23は、たとえばシリコーンゴム(ポリジメチルシロキサン:PDMS)製またはアクリル樹脂製の、透明な部材である。フローセル23はセンサーチップ21に対して取り替え可能となっており、ディスポーザブル(使い捨て)使用が可能となっている。フローセル23には溝が形成されており、フローセル23をセンサーチップ21に密着させると密閉空間23aが形成される。密閉空間23aおよびガス流入口23b、ガス流出口23cのサイズは特に限定されるものではないが、たとえば、密閉空間23aは、幅2.5mm×長さ16mm×深さ0.1mm程度であり、ガス流入口23bおよびガス流出口23cはそれぞれ直径1mm程度である。密閉空間23aの両端部には開口(ウェル)が設けられる。一方の開口は温湿度調節ユニット110に接続されて、温湿度が調節されたガスが供給されるガス流入口23bとして機能し、他方の開口は排気機構に接続されて前記ガスが排出されるガス流出口23cとして機能する。
本発明に係るRIfS測定装置は、分析対象センサーチップが置かれている雰囲気の湿度および/または温度を連続的に変化させながら、RIfSにより当該試料薄膜の光路長に関するデータを取得する工程(RIfS測定工程)を含む、試料薄膜の分析方法に用いることができる。そのような試料薄膜の分析方法の代表例として、試料薄膜に対する水分子の挙動や、試料薄膜の熱応答性に関する分析方法が挙げられるが、本発明の測定装置の用途はこれらに限定されるものではない。本発明の測定システムは、RIfS測定装置の各構成要素が上記のような試料薄膜の分析方法を実施するために協調して作動するよう、制御手段(制御装置およびそこに記憶されているプログラム等)および接続手段により統合される。制御装置50は、目的とする分析内容に応じたRIfS工程やデータ処理を行うための適切なプログラムを記憶していることが好ましい。
測定工程では、表面に試料薄膜が形成されたセンサーチップ(分析対象センサーチップ)が置かれている雰囲気の温湿度を連続的に変化(上昇および/または下降)させながら、RIfSにより当該試料薄膜の光路長に関するデータを測定する。すなわち、測定工程では、温湿度の連続的な変化と同調させて、所定の時間間隔で測定ステップが複数回繰り返される。
温湿度調節パターン(横軸に時間、縦軸に湿度または温度をとったときのプロット)は、任意の範囲の温湿度で試料薄膜の光路長に関するデータを連続的に取得できるよう、温湿度の数値の間隔を空けすぎずに連続的に変化させればよく、分析の目的に応じて様々なパターンを適用することができる。
試料薄膜に試薬を添加してその反応による影響を分析する場合には、適切なタイミングで試薬を添加するための操作を行えばよい。たとえば、ある試料薄膜(試薬添加前)に対して所定の温湿度の変化に関する測定を行った後、前述したような実施形態により試薬を密閉空間に噴霧する操作を行い、試薬と試料薄膜とを反応させ、続いてその試料薄膜(試薬添加後)に対して所定の温湿度の変化に関する測定を行うことができる。
「試料薄膜の光路長に関するデータ」は、RIfSにおいては一般的に、当該光路長を算出する基礎となるボトムピーク波長(λ)ないしその変位量(Δλ)である。これらの取得方法は次の通りである。
測定工程により得られたデータ(Δλ)は、たとえばx(横)軸に湿度をとってy(縦)軸にΔλをとったプロットを作成するだけでも、定性的な分析を行うことは可能である。しかしながら、測定工程に続いて、Δλを所定の換算式に基づいて光路長(膜厚×屈折率)に換算した上で、試料薄膜の膜厚を算出し、その結果から試料薄膜に対する水分子の挙動、試料薄膜の熱応答性などについて分析を行うためのデータを取得する、データ処理工程を設けることは、定量的な分析を行うことが可能となるため、本発明において好適である。たとえば、データ処理工程において、x軸に湿度をとり、y軸にΔλまたはそれに由来する光路長の変化量等の換算値をとってプロットし、さらにz軸に温度、測定対象膜厚の当初の厚さ等をとって3次元的にプロットしたりすることは、様々な観点からデータの解釈、測定対象薄膜の評価を可能とする。
試料薄膜の光路長に関するデータ(Δλ)は、分光器により得られる反射スペクトル(波長および光の強度)に基づいて、たとえば以下に述べるような(a)ボトムピーク法、(b)cOPL法、(c)フーリエ解析法などにより、膜厚d、屈折率n、または光路長(=膜厚d×屈折率n)に換算することができる。換算の方式は特に限定されるものではなく、要求される精度に応じて適切なものを用いることができ、たとえばシミュレーションを用いる場合は、その精度の向上や実測値の補正により改良することが可能である。
ボトムピーク法は、従来のRIfSにおいて一般的に用いられている方法であり、Δλの値から所定の換算式により測定対象薄膜の膜厚d等値を算出する。
cOPL法(converted optical length)は、反射率曲線に表れる(複数の)極値の位置に基づいて試料薄膜の光路長を算出する方法である。この方法では、光路長の変化、すなわち屈折率毎に膜厚を変化させた反射率曲線の(複数の)極値位置の波長シフトの関係を予めシミュレーションし、それを数学的に処理してテンプレートを作成しておく。そして、実測された反射率曲線の極値位置の波長をテンプレートに照らすと、近似的に分析対象センサーチップの光路長(L)が得られる。Lからリファレンスセンサーチップの光路長(L’)を引けば、試料薄膜自体の光路長(ΔL)が求められる。このΔLは試料薄膜の光路長(=屈折率n×膜厚d)自体なので、その値を屈折率nで割れば厚さdを直接的に算出することができる。光路長の解析を詳細に行うことで屈折率nと膜厚dの分離も原理的に可能である。
前記cOPL法同様に光路長の変化に対する反射率曲線の波形を予めシミュレーションし、それを数学的に処理してテンプレートを作成しておく。そして、実測された反射率曲線の波形をフーリエ解析し、前記テンプレートを参照して光路長を求めることができる。光路長の解析を詳細に行うことで屈折率nと膜厚dの分離も原理的に可能である。
本発明のRIfS測定装置を用いて、上述したような測定工程により得られたデータに基づく分析内容は特に限定されるものではないが、たとえば、試料薄膜に対する水分子の挙動、試料薄膜の熱応答性などについて分析を行うことができる。このような分析は、試料薄膜に試薬を添加する実施形態においては、その添加の前後の測定結果を比較することにより、試料薄膜と試薬との反応がその分析項目に対して与える影響を評価することができる。
一方、試料薄膜に対する水分子の挙動は、たとえば以下のような項目について分析を行うことが可能である。
無修飾のセンサーチップ上に、PMMAをスピンコータ−により3000rpmで塗布し、120℃で60分間加熱乾燥して試料薄膜を形成した。このセンサーチップにフローセルを載せて密閉空間を形成した。温湿度調節ユニットにより、湿度をプログラムに従って調節した室温の空気を密閉空間に導入しながら、RIfSにより膜厚変化を測定した。
無修飾のセンサーチップ上に、PMMAをスピンコータ−により3000rpmで塗布し、120℃で60分間加熱乾燥して試料薄膜を形成した。このセンサーチップにフローセルを載せて密閉空間を形成した。温湿度調節ユニットにより、湿度をプログラムに従って調節した室温の空気を密閉空間に導入し、さらに所定のタイミングで試薬としてBSAを添加しながら、RIfSにより膜厚変化を測定した。
10 RIfS測定装置
11 白色光源
12 分光器
13 測定プローブ
13a 第一の光ファイバ
13b 第二の光ファイバ
17 センサーチップセット部
17a 被嵌合部(凹部)
19 チップカバー
19a 嵌合部(凸部)
21 センサーチップ
21a 基板(Si)
21b 光学薄膜(SiN)
21c 試料薄膜(試料)
23 フローセル
23a(破線) 密閉空間
23b 開口(ガス流入口)
23c 開口(ガス流出口)
24d 開口(試薬供給口)
24e 試薬塗布領域
A 測定領域
50 制御装置
60 接続手段
110 温湿度調節ユニット
111 湿潤ガス発生機構(加湿用ビン)
112 乾燥ガス発生機構(除湿用ビン)
113 乾湿ガス供給コントロールユニット
113a エアーポンプ
113b 三方弁
114 乾湿ガス用温度調節機構
116 湿潤ガス発生機構(湿潤ガス充填シリンジポンプ)
116a 湿潤シート
117 乾燥ガス発生機構(乾燥ガス充填シリンジポンプ)
120 温湿度センサー
130 排気機構
140a 第一のガス流路
140b 第二のガス流路
150 水分トラップ機構
210 温度調節器
220 温度調節ユニット
230 温度センサー
300 試薬供給機構
310 液搬送手段
320a 振動子付き試薬ホルダ
320b 試薬ホルダ
330 ノズル
340 電荷印加部
350 試薬
Claims (18)
- センサーチップの表面に形成された試料薄膜が置かれている密閉空間を、湿度が連続的に変化するガスで満たすための、湿度調節ユニットを含む測定環境調節機構を備え、
前記ガスによって前記密閉空間内の湿度を連続的に変化させながら、複数の前記湿度下で反射スペクトルをそれぞれ取得できることを特徴とする、RIfS測定装置。 - 前記湿度調節ユニットが、湿潤ガス発生機構、乾燥ガス発生機構、および乾湿ガス供給コントロールユニットを含む、請求項1に記載のRIfS測定装置。
- 前記湿潤ガス発生機構、乾燥ガス発生機構、および乾湿ガス供給コントロールユニットが一体化している、請求項1または2に記載のRIfS測定装置。
- 前記ガスの湿度を1%あたり1〜3600秒の速度で変化させることができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記密閉空間内の湿度をリアルタイムで計測する湿度センサーと、前記湿度センサーによって計測された前記密閉空間内の湿度の実測値に基づいて、PID演算方式によって前記密閉空間内の湿度を連続的に変化させる制御部とをさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記湿潤ガス発生機構および乾燥ガス発生機構と前記密閉空間とを連結するガス流路が、結露した水分を排除するための水分トラップ機構を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 湿度調節ユニットを含む測定環境調節機構が、前記センサーチップに積載されたフローセルによって前記試料薄膜の周囲に形成された密閉空間を、湿度が連続的に変化するガスで満たすためのものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記密閉空間の寸法は、幅2.5mm×長さ16mm×深さ0.1mmである、請求項7に記載のRIfS測定装置。
- チップカバーおよびセンサーチップセット部、または遮光カバーが、前記密閉空間を形成するための構造を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記測定環境調節機構がさらに、前記密閉空間内のガスを外部に排出するための排気機構を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記測定環境調節機構がさらに、前記湿度調節ユニットに空気以外のガスを供給する機構を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- さらに、センサーチップ用温度調節機構を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記ガスを任意の温度に調節する温度調節機構をさらに有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- さらに、前記密閉空間を形成する部材に設けられた試薬供給口から試薬を噴霧する試薬供給機構を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載のRIfS測定装置。
- 前記密閉空間を形成する部材としての前記チップカバーに前記試薬供給口が設けられている、請求項14に記載のRIfS測定装置。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載のRIfS測定装置と、当該RIfS測定装置の測定環境調節機構の制御手段と、当該RIfS測定装置がセンサーチップ用温度調節機構を備える場合はその制御手段と、当該RIfS測定装置が試薬供給機構を備える場合はその制御手段と、を含むことを特徴とする、RIfS測定システム。
- 密閉空間を形成する部材として請求項1〜15のいずれか一項に記載のRIfS測定装置と共に使用されるセンサーチップ用のフローセルであって、試料薄膜と反応させるための試薬が塗布されている領域が、ガス流入口の壁面に形成されていることを特徴とするフローセル。
- 密閉空間を形成する部材として請求項15に記載のRIfS測定装置と共に使用されるセンサーチップ用のフローセルであって、試薬供給口を備えることを特徴とするフローセル。
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