JP6205663B2 - 表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示パネルおよびその製造方法に関する。
近年、有機材料の電界発光現象を利用した表示パネルである有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネルの研究・開発が盛んになされている。有機EL表示パネルは、液晶表示パネルなどに比べて、高速応答、低消費電力、薄型軽量、高コントラストといった優位性をもち、高性能表示パネルとして期待されている。
有機EL表示パネルは、対向配置された有機ELパネル部とカラーフィルタ(CF)パネル部とを有する。このうち、有機ELパネル部は、薄膜トランジスタ(TFT)層が形成されてなる基板上に、アノード/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/カソード/封止層の積層体が形成されてなる。また、基板上には、隣り合う発光領域の有機発光層同士を区分けするバンクが形成されている。
一方、CFパネル部は、基板上に、各発光領域に対応するカラーフィルタ層が形成され、隣り合うカラーフィルタ層同士の間がブラックマトリクス層で区分けされている。
有機EL表示パネルでは、ELパネル部とCFパネル部とが、上記積層体が形成された側の主面と、カラーフィルタ層などが形成された側の主面とが対向するように対向配置され、その間に樹脂層が介挿されてなる。この樹脂層としては、ELパネル部に対する水分の浸入を抑制するなどの目的から、封止性能を有するものが用いられる(特許文献1)。
また、樹脂層中に気泡が残ることを抑制するために、非流動性樹脂を用いて樹脂層を形成するという技術も提案されている(特許文献2)。ここで、非流動性樹脂は、加熱もしくは光照射などの処理がなされていない状態で流動性を有さない樹脂である。この樹脂を用いたパネル部同士の貼り合わせでは、非流動性樹脂を間に挟んでELパネル部とCFパネル部とを貼り合わせ、その後で加熱もしくは光照射することにより樹脂に流動性を付与し、その後に硬化させることでなされる。
国際公開2013/001583号 国際公開2011/027815号
しかしながら、上記特許文献2で提案されている技術では、ELパネル部とCFパネル部との貼り合わせ後において、ELパネル部の発光領域における表面側の膜剥がれを生じる場合がある。このような膜剥がれを生じた箇所は、輝度の低下を生じたり、非発光状態となったりする。
なお、上記のような問題は、有機EL表示パネルに限らず、2枚のパネル部が対向配置され、その間に樹脂層が介挿された構成の表示パネルであれば、同様に生じ得る。また、パネル部同士の間に介挿される樹脂については、特許文献2に紹介されている非流動性樹脂を用いる場合に上記問題が顕著に発生するが、これ以外の樹脂についても、2枚のパネル部間での流動という現象が生じる場合は同様の問題が生じるものと考えられる。
本発明は、上記のような課題の解決を図ろうとなされたものであって、2枚のパネル部同士の貼り合わせにおける樹脂の流動に起因する膜剥がれの発生を抑制し、高い表示品質を有する表示パネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る表示パネルは、第1パネル部と、第2パネル部と、封止樹脂層とを備える。
第1パネル部は、基板の一方の表面の少なくとも一部領域に形成された膜体とを有し構成されており、膜体の表面が一方の主面である第1主面の少なくとも一部を構成し、平面視において、発光領域と非発光領域とが隣接してなる。
第2パネル部は、第1パネル部における第1主面に対して、互いに間隔をあけた状態で対向配置されている。封止樹脂層は、第1パネル部と第2パネル部との間に配置され、第1パネル部における第1主面と、第2パネル部における第1パネル部の第1主面に対向する第2主面との双方に接している。
上記において、第1パネル部における第1主面は、発光領域が凹部であり、非発光領域が凸部である、全体として凹凸形状を成している。そして、第1パネル部の第1主面における凹部の底部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD1とし、第1パネル部の第1主面における凸部の頂部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD2とするとき、次の関係を満たす。
(数1)D1≧D2≧0.90×D1
上記態様に係る表示パネルでは、第1パネル部と第2パネル部との間での樹脂の流動に起因する膜剥がれの発生が抑制され、高い表示品質を備える。
本発明の実施の形態に係る表示装置1の全体構成を示す模式ブロック図である。 表示装置1の表示パネル10における画素構成を示す模式平面図である。 表示パネル10の構成を示す模式断面図である。 表示パネル10におけるELパネル部11の構成を示す模式断面図であって、(a)は、図2のA1−A2での模式断面図であり、(b)は、図2のB1−B2での模式断面図である。 表示パネル10におけるCFパネル部12の構成を示す模式平面図である。 表示パネル10におけるCFパネル部12の構成を示す模式断面図であって、(a)は、図4のC1−C2での模式断面図であり、(b)は、図4のE1−E2での模式断面図である。 表示パネル10におけるELパネル部11とCFパネル部12との配置について示す模式断面図である。 ELパネル部11とCFパネル部12との配置について詳細に示す模式断面図である。 (a)から(d)は、ELパネル部11の製造過程を示す模式図である。 (a)から(d)は、ELパネル部11の製造過程を示す模式図である。 (a)から(f)は、CFパネル部12の製造過程を示す模式図である。 (a)から(c)は、ELパネル部11とCFパネル部12との貼着過程を示す模式図である。 (a)から(c)は、ELパネル部11とCFパネル部12との貼着過程を示す模式図である。 (a)は、表示パネル10におけるELパネル部11とCFパネル部12との配置について示す模式断面図であり、(b)は、確認に用いたサンプルNo.1からNo.4の各寸法を示す表である。 (a)は、サンプルNo.1からNo.4の各々において膜剥がれの発生についての測定結果を示す表であり、(b)は、そのグラフである。 (a)は、サンプルNo.5の表示パネルの構成を示す模式断面図であり、(b)は、サブピクセル毎での各寸法を示す表であり、(c)は、サンプルNo.5の各サブピクセルを観察した図である。 (a)は、サンプルNo.4での貼着の際の樹脂材料の密度分布を示す模式断面図であり、(b)は、サンプルNo.1での貼着の際の樹脂材料の密度分布を示す模式断面図である。 樹脂材料の流動に伴う膜剥れの発生が確認されたサブピクセルを観察した図である。 バンク114上における領域Area(c)と領域Area(d)との位置関係を示す模式平面図である。 (a)は、バンク114上における点P(e),P(f),P(g)の位置関係を示す模式平面図であり、(b)は、(a)におけるS1−S2での模式断面図であり、(c)は、点P(e)と点P(f)との間、および点P(e)と点P(g)との間での樹脂の流動方向を示す模式図である。 (a)から(f)は、貼着から樹脂硬化に至るまでの各過程での樹脂材料の密度分布および流動形態を示す模式断面図である。 (a)は、バンク114上における点P(h),P(i),P(j),P(k)の位置関係を示す模式平面図であり、(b)は、点P(h),P(i),P(j),P(k)の位置での模式断面図であり、(c)は、点P(i),P(j),P(k)から点P(h)への樹脂の流動方向を示す模式図である。 (a)は、比較例1に係る表示パネルの構成を示す模式断面図であり、(b)は、比較例2に係る表示パネルの構成を示す模式断面図であり、(c)は、比較例3に係る表示パネルの構成を示す模式断面図である。 (a)は、実施例1に係る表示パネルの構成を示す模式断面図であり、(b)は、実施例2に係る表示パネルの構成を示す模式断面図であり、(c)は、実施例3に係る表示パネルの構成を示す模式断面図である。
[膜剥がれの発生に関する考察]
上述の非流動性樹脂を用いたパネル部同士の接合は、次のような工程を経てなされる。
(工程a) 一方のパネル部(例えば、第2パネル部)に非流動性樹脂(例えば、シート状)を貼着する。
(工程b) 非流動性樹脂の残りの主面に、もう一方のパネル部(例えば、第1パネル部)を貼着する。
(工程c) 非流動性樹脂に対して、加熱もしくは光照射を行うことで流動性を付与した後、硬化させることにより、パネル部同士の貼り合わせが完了する。
上記において、(工程a)および(工程b)を減圧雰囲気下で実行することにより、非流動性樹脂シートと両パネル部との間が隙間なく接する状態となる。
通常、表示パネルの構成に含まれる2枚のパネル部の内の少なくとも一方においては、その対向主面が凹凸形状となっている。このため、上記(工程c)において、樹脂に流動性を付与した際に、パネル部同士の間の樹脂の密度が領域毎に異なる。具体的には、パネル部同士の間隔が狭い領域では、密度が高く、間隔が広い領域では、密度が低い。この密度分布により圧力差が生じ、間隔が狭い領域から広い領域へと樹脂が流動することになる。
このような樹脂流動は、パネル部の対向表面側に存在する膜体(例えば、有機EL表示パネルの場合、ELパネル部における封止層や電極層、あるいは有機EL層など)にせん断力が加わる原因となる。そして、せん断力がある程度以上大きくなった場合には、膜剥がれが生じるものと考えられる。
パネル部における膜剥がれは、表示品質の低下に直結するものであり、貼り合わせ工程の実行に際して、樹脂の密度分布を出来るだけ小さくして、上記(工程c)での樹脂の流動量をできるだけ少なくすることが、表示パネルの表示品質を高める上で重要となる。
[本発明の各態様]
本発明の一態様に係る表示パネルは、第1パネル部と、第2パネル部と、封止樹脂層とを備える。
第1パネル部は、基板の一方の表面の少なくとも一部領域に形成された膜体とを有し構成されており、膜体の表面が一方の主面である第1主面の少なくとも一部を構成し、平面視において、発光領域と非発光領域とが隣接してなる。
第2パネル部は、第1パネル部における第1主面に対して、互いに間隔をあけた状態で対向配置されている。封止樹脂層は、第1パネル部と第2パネル部との間に配置され、第1パネル部における第1主面と、第2パネル部における第1パネル部の第1主面に対向する第2主面との双方に接している。
上記において、第1パネル部における第1主面は、発光領域が凹部であり、非発光領域が凸部である、全体として凹凸形状を成している。そして、第1パネル部の第1主面における凹部の底部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD1とし、第1パネル部の第1主面における凸部の頂部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD2とするとき、上記(数1)の関係を満たす。
また、本発明の別態様に係る表示パネルは、上記態様において、第2パネル部における第2主面も、凹部の底部よりも凸部の頂部が第1パネル部の側に張り出した、全体として凹凸形状を成している。
また、本発明の別態様に係る表示パネルは、上記態様において、第1パネル部および第2パネル部を平面視する場合に、第2パネル部における第1パネル部の非発光領域に対応する領域を非発光対応領域とするとき、第2パネル部の第2主面における凹部は、非発光対応領域内に設けられている。
また、本発明の別態様に係る表示パネルは、上記態様において、第1パネル部および第2パネル部を平面視する場合に、第2パネル部における第1パネル部の非発光領域に対応する領域を非発光対応領域とするとき、第2パネル部の第2主面における凸部は、非発光対応領域内に設けられている。
また、本発明の別態様に係る表示パネルは、上記態様において、第2パネル部は、基板と、当該基板に対して形成されたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ層に隣接して形成されたブラックマトリクス層とを有して成るカラーフィルタパネルである。
本発明の一態様に係る表示パネルの製造方法は、
(工程A) 基板と、当該基板の一方の表面の少なくとも一部領域に形成された膜体とを有し構成され、膜体の表面が一方の主面である第1主面の少なくとも一部を構成し、平面視において、発光領域と非発光領域とが隣接してなる第1パネル部を準備する。
(工程B) 第2パネル部を準備する。
(工程C) 第2パネル部における一方の主面である第2主面に対し、非流動性樹脂シートを貼着する。
(工程D) 非流動性樹脂シートにおける第2パネル部が貼着されたのとは反対側の主面に、第1パネル部における第1主面を貼着する。
(工程E) 非流動性樹脂シートに対して加熱もしくは光照射を行って樹脂に流動性を付与した後、硬化させることにより封止樹脂層を形成する。
ここで、第1パネル部における第1主面は、発光領域が凹部であり、非発光領域が凸部である、全体として凹凸形状を成している。封止樹脂層は、第1パネル部における第1主面と第2パネル部における第2主面との双方に接している。そして、第1パネル部の第1主面における凹部の底部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD1とし、第1パネル部の第1主面における凸部の頂部と、第2パネル部における第2主面との間隔をD2とする。
(工程F)の実行後においては、間隔D1と間隔D2とが上記(数1)の関係を満たす。
また、本発明の別態様に係る表示装置の製造方法は、上記態様において、上記(工程C)および(工程D)をともに減圧雰囲気下で実行するものであって、両工程の実行の後において、非流動性樹脂シートは、第1パネル部における凸部の頂部および凹部の底部を含む第1主面の全体に接しており、第2パネル部における第2主面の全体に接している、とすることができる。
[実施の形態]
1.表示装置の概略構成
本発明の実施の形態に係る表示装置1の概略構成について、図1および図2を用い説明する。
図1に示すように、表示装置1は、有機EL表示パネル(以下では、単に「表示パネル」と記載する。)10と、これに接続された駆動・制御部20とを備えている。表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用したパネルであり、複数の画素部を有する。
図2に示すように、表示パネル10では、X−Y方向に二次元配置された複数のサブピクセル100R,100G,100Bを備える。隣接配置されたサブピクセル100R,100G,100Bで一のピクセル100が構成されている。
図1に戻って、駆動・制御部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とから構成されている。
なお、表示装置1における表示パネル10と駆動・制御部20との配置関係については、図1の形態には限定されない。また、駆動・制御部20が備える回路についても、図1に示す形態に限定されない。
また、ピクセル構成については、図2に示すようなR,G,Bの3色のサブピクセルからなる形態に限定されず、4色以上から一のピクセルが構成されることとしてもよい。
2.表示パネルの構成
表示パネル10の構成について、図3から図6を用い説明する。
先ず、図3に示すように、基板111上に複数の膜体111〜117が積層形成されてなるELパネル部11と、基板121上に層122,123が積層形成されてなるカラーフィルタ(CF)パネル部12とが、間に封止樹脂層13を挟んだ状態で対向配置されている。
封止樹脂層13は、ELパネル部11におけるZ軸方向下側主面と、CFパネル部12におけるZ軸方向上側主面との双方に対して接している。封止樹脂層13は、ELパネル部11とCFパネル部12との接合の役割の他、外部からの水分や空気などがELパネル部11に対して侵入することを抑制する役割も果たす。
(1)ELパネル部11の構成
図4(a)、(b)に示すように、ELパネル部11は、基板111の一方の主面(Z軸方向下側の主面)に層間絶縁膜112が積層されている。基板111は、TFT層を有するものあり(図示を省略。)。層間絶縁膜112は、電気的な絶縁の役割と、TFT層による基板111表面の凹凸の影響を抑制するための平坦化膜としての役割も担っている。
層間絶縁膜112上には、各サブピクセル100R,100G,100B単位で、アノード113が形成されている。図4(a)、(b)に示すように、アノード113は、X軸方向に比べてY軸方向の長さが長い形状を有している。
隣り合うアノード113同士の間には、バンク114が立設されている。バンク114は、アノード113の上の一部に重なるように、その周囲を囲繞するように設けられており、各サブピクセル100R,110G,100Bとなる部分の凹部を規定する。なお、図4(a)、(b)などでは、バンク114の側面が垂直に立ち上がった断面形状としているが、これは便宜上のものであって、実際には斜面となる場合もある。即ち、バンク114は、台形状の断面形状を有することもできる。
バンク114により規定された凹部内においては、アノード113上に有機発光層115が積層形成されている。本実施の形態においては、有機発光層115は、各サブピクセル100R,100G,100B毎に対応する波長域の光を出射する層である。
なお、本実施の形態では、アノード113と有機発光層115とが互いに接した構成を一例として採用しているが、層間にホール注入層やホール輸送層などが介挿された構成を採用することもできる。
有機発光層115上には、カソード116および封止層117が順に積層形成されている。カソード116および封止層117は、ELパネル部11全体に連続した状態で形成されており、バンク114の頂部の上にも形成されている。このため、封止層117の表面、即ち、ELパネル部11のZ軸方向下側の表面は、バンク114の頂部に相当する部分がZ軸方向下向きに凸部117aとなり、バンク114同士の間に相当する部分がZ軸方向上向きに凹んだ凹部117bとなっており、全体として凹凸形状となっている。換言すると、ELパネル部11におけるZ軸方向下側主面には、凹凸ギャップGe1が存在する。
なお、本実施の形態では、有機発光層115とカソード116とが互いに接した構成を一例として採用しているが、層間に電子注入層や電子輸送層などが介挿された構成を採用することもできる。
(2)CFパネル部12の構成
図5に示すように、X−Y方向での平面視において、CFパネル部12では、赤色のカラーフィルタ層(R−CF層)122R、緑色のカラーフィルタ層(G−CF層)122G、青色のカラーフィルタ層(B−CF層)122BがX−Y方向に二次元配置されている。各カラーフィルタ層122R,122G,122Bの配置は、サブピクセル100R,100G,100Bに対応している(図2を参照)。そして、各カラーフィルタ層122R、122G、122Bの平面形状も、サブピクセル100R,100G,100Bに対応して、X軸方向に比べてY軸方向が長い矩形状となっている。
図6(a)、(b)に示すように、隣り合うカラーフィルタ層(以下、「CF層」と記載することがある。)122同士の間には、ブラックマトリクス層(以下、「BM層」と記載することがある。)123が形成されている。CF層112の周縁部は、BM層123の上に乗り上げた状態となっている。
BM層123は、表示パネル10における表示面への発光の照り返しや、外光の入射を抑制し、表示コントラストの向上を図る目的で設けられた黒色層である。図3に示すように、CFパネル部12におけるBM層123は、ELパネル部11におけるバンク114に対応(対向)した状態で形成されている。
図6(a)、(b)に示すように、CFパネル部12においては、基板121の表面を基準とした場合におけるBM層123の上面123aまで高さ(厚み)よりもCF層112の上面122aまでの高さ(厚み)t1の方が高くなっている。換言すると、CF層122の上面122aは、BM層123の上面123aよりも、Z軸方向に高さt2だけ上側に位置している。
3.表示パネル10の各構成材料
(1)基板111,121
基板111,121の構成材料としては、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素基などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
プラスチック基板としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂を用いてもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、変形ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうち1種、または2種以上を積層した積層体を用いることができる。
なお、本実施の形態では、ELパネル部11における基板111には、公知のTFT層が形成されて成る。これについては、図示を省略しており、また、公知の構成を適宜使用するものであるので説明も省略する。
(2)層間絶縁膜112
層間絶縁膜112は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル系樹脂材料などの有機化合物を用い形成されている。ここで、層間絶縁膜112は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。また、層間絶縁膜112は、製造工程中において、エッチング処理、ベーク処理等が施されることがあるので、それらの処理に対して過度に変形や変質などを生じない高い耐性を有する材料を用い形成されることが望ましい。
(3)アノード113
アノード113は、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)を含む金属材料から構成されている。トップエミッション型の本実施の形態に係る表示パネル10の場合には、その表面部が高い反射性を有することが好ましい。
なお、アノード113については、上記のような金属材料からなる単層構造だけではなく、金属層と透明導電層との積層体を採用することもできる。透明導電層の構成材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いることができる。
(4)バンク114
バンク114は、樹脂等の有機材料を用い形成されており絶縁性を有する。バンク114の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等があげられる。バンク114は、表面に撥水性をもたせるために、表面をフッ素処理することもできる。
さらに、バンク114の構造については、図3および図4(a)、(b)に示すような一層構造だけでなく、二層以上の多層構造を採用することもできる。この場合には、層毎に上記材料を組み合わせることもできるし、層毎に無機材料と有機材料とを用いることもできる。
(5)有機発光層115
有機発光層115は、上述のように、ホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。有機発光層115の形成に用いる材料は、湿式印刷法を用い製膜できる発光性の有機材料を用いることが必要である。
具体的には、例えば、特許公開公報(日本国・特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
(6)カソード116
カソード116は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)若しくは酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用い形成される。本実施の形態のように、トップエミッション型の本実施の形態に係る表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが必要となる。光透過性については、透過率が80[%]以上とすることが好ましい。
(7)封止層117
封止層117は、有機発光層115などの有機層が水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成される。また、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)などの材料を用い形成された層の上に、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料からなる封止樹脂層を設けてもよい。
封止層117は、トップエミッション型である本実施の形態に係る表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが必要となる。
(8)CF層122
CFパネル部12におけるCF層122は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の波長域の可視光を選択的に透過する、公知の材料から構成される。例えば、アクリル樹脂をベースに形成されている。
(9)BM層123
CFパネル部12におけるBM層123は、例えば、光吸収性および遮光性に優れる黒色顔料を含む紫外線硬化樹脂材料から構成されている。具体的な紫外線硬化樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂等がある。
(10)封止樹脂層13
封止樹脂層13は、各種透明樹脂材料で構成されている。具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等から構成されている。
(11)その他
本実施の形態では省略しているが、アノード113と有機発光層115との間に、ホール注入層およびホール輸送層を介挿させる場合には、例えば、次のような材料を用いることができる。
(i)ホール注入層
ホール注入層は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。なお、ホール注入層の構成材料として金属酸化物を用いる場合には、PEDOTなどの導電性ポリマー材料を用いる場合に比べて、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、有機発光層108に対しホールを注入する機能を有し、大きな仕事関数を有する。
ここで、ホール注入層を遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。特に、酸化タングステン(WOX)を用いることが、ホールを安定的に注入し、且つ、ホールの生成を補助するという機能を有するという観点から望ましい。
(ii)ホール輸送層
ホール輸送層は、親水基を備えない高分子化合物を用い形成されている。例えば、ポリフルオレンやその誘導体、あるいはポリアリールアミンやその誘導体などの高分子化合物であって、親水基を備えないものなどを用いることができる。
また、有機発光層115とカソード116との間に電子輸送層を介挿させる場合には、その材料として、例えば、次のようなものを用いることができる。
(iii)電子輸送層
電子輸送層は、カソード116から注入された電子を有機発光層115へ輸送する機能を有し、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などを用い形成されている。
4.ELパネル部11とCFパネル部12との配置関係
表示パネル10におけるELパネル部11とCFパネル部12との配置関係について、図7および図8を用い説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、ELパネル部11において、CFパネル部12に対向する側の主面(Z軸方向下側の主面)が凹凸形状を有する。即ち、ELパネル部11の対向主面となる封止層117の表面は、バンク114の頂部に相当する部分がZ軸方向下向きに凸部117aとなり、バンク114同士の間に相当する部分がZ軸方向上向きに凹んだ凹部117bとなっており、全体として凹凸形状となっている。これについては、上述の通りである。
一方、本実施の形態に係る表示パネル10では、CFパネル部12においても、ELパネル部11に対向する側の主面(Z軸方向上側の主面)が凹凸形状を有する。即ち、R−CF層122RおよびG−CF層122GおよびB−CF層122Bの各上面122aが、BM層123の上面123aよりもZ軸方向上向き(ELパネル部11側)に凸となっている。
CFパネル部12におけるR−CF層122RおよびG−CF層122GおよびB−CF層122Bは、各々がELパネル部11における隣り合うバンク114同士の間の凹部に対応して配置されている。また、BM層123は、ELパネル部11におけるバンク114の頂部に対応して形成されている。なお、本実施の形態では、R−CF層122RおよびG−CF層122GおよびB−CF層122Bの各外縁部がBM層123に乗り上げており、BM層123は、封止樹脂層13に対して幅Wの領域で接している。
ここで、図7に示すように、ELパネル部11における封止層117の凹部117bとCFパネル部12におけるR−CF層122Rの上面122aとの間隔を「D1(R)」とし、凹部117bとG−CF層122Gの上面122aとの間隔を「D1(G)」とし、凹部117bとB−CF層122Bの上面122aとの間隔を「D1(B)」とする。また、ELパネル部11における封止層117の凸部117aとCFパネル部12におけるBM層123の上面123aとの間隔を「D2」とする。このとき、本実施の形態に係る表示パネル10では、以下の関係を満足する。
(数2)D1(R)≧D2≧0.90×D1(R)
(数3)D1(G)≧D2≧0.90×D1(G)
(数4)D1(B)≧D2≧0.90×D1(B)
なお、ELパネル部11における封止層117の形状、並びにCFパネル部12におけるCF層122の形状については、図8に示す形態を採る場合もある。この場合には、次のように間隔D1を規定する。
先ず、ELパネル部11における封止層117の表面のうち、斜面部117c(矢印F1)の部分を除外する。
次に、CFパネル部12におけるCF層112の表面のうち、BM層123に乗り上げ、Z軸方向上向きに膨らみをもった突起部122b(矢印F2)の部分についても除外する。
よって、間隔D1については、封止層117の表面における斜面部117cおよびCF層122の表面における突起部122bの両部分に掛らない箇所で規定する。換言すると、ELパネル部11における対向主面の凹部の略中央部分で間隔D1を規定する。
5.効果
上記(数1)から(数3)の関係を満たすことにより、本実施の形態に係る表示パネル10においては、封止樹脂層13の形成に係る過程で、樹脂材料に対して熱もしくは光エネルギの付与を行う際の樹脂流動が抑制され、これに伴う膜剥がれの発生が抑制される。これより、本実施の形態に係る表示パネル10では、高い表示品質を得ることができる。
これは、次のようなメカニズムによるものと考えられる。
本実施の形態に係る表示パネル10では、上記(数1)から(数3)の関係を満たすようにELパネル部11とCFパネル部12とが構成され、サブピクセル100R,100G,100Bが構成される発光領域と、隣り合うサブピクセル100R,100G,100B間の非発光領域との間での封止樹脂層13の体積の均等化が図られている。このため、樹脂に流動性を付与した際におけるELパネル部11とCFパネル部12との間での樹脂流動が抑制される。
なお、ELパネル部11とCFパネル部12との各箇所での間隔が上記(数1)から(数3)の関係を満たさない場合には、非発光領域における封止樹脂層13の密度が相対的に高くなり、硬化の際に熱エネルギもしくは光エネルギが封止樹脂に付与されたときに、相対的に密度の高い領域から低い領域へと樹脂流動が生じるものと考えられる。これによって、従来技術では膜剥がれを生じることがあったものと推察される。
6.製造方法
本実施の形態に係る表示パネル10の製造方法について、図10から図13を用い説明する。なお、以下では、本実施の形態に係る表示パネル10の製造過程を、(1)ELパネル部11を準備する工程、(2)CFパネル部12を準備する工程、(3)ELパネル部11とCFパネル部12とを貼り合わせる工程に大きく分けて説明する。
(1)ELパネル部11を準備する工程
(i) 図9(a)に示すように、TFT層が形成されてなる基板111上に、層間絶縁膜112を積層形成する。そして、図9(b)に示すように、層間絶縁膜112上に金属薄膜1130を形成する。金属薄膜1130の形成は、例えば、スパッタリング法を用い実行することができる。
次に、層間絶縁膜112上の金属薄膜1130をパターニングし、に、アノード113および補助電極(バスバー)118を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー法を用い実行することができる。
次に、図9(d)に示すように、アノード113および補助電極118を覆うように、絶縁性有機材料からなるバンク材料層1140を形成する。そして、図10(a)に示すように、バンク材料層1140をパターニングすることで、隣り合うアノード113同士の間、および隣り合うアノード113と補助電極118との間にバンク114を立設する。バンク114の形成に際してのパターニングは、例えば、所定の開口が開設されたマスクを上方に配置して露光を行い、その後に現像により不要な部分を除去する(ウェットプロセスを実行する)ことによりなされる。
(ii) 図10(b)に示すように、バンク114により規定された凹部114aに対し、凹部毎に発光色が異なる有機発光層115R,115G,115Bを形成する。補助電極118の上方である凹部114bには、有機発光層の形成を行わない。
有機発光層115R,115G,115Bの形成は、例えば、インクジェット法を用いて行うことができ、具体的には、凹部114a毎に有機発光材料を含むインクを塗布し、その後にこれを乾燥させることで行うことができる。
(iii) 図10(c)に示すように、有機発光層115(有機発光層115R,115G,115Bを総称。)の上、およびバンク114の露出部分を覆うように、連続的にカソード116を形成する。カソード116の形成は、例えば、スパッタリング法などを用い実行することができる。
(iv) 図10(d)に示すように、カソード116上を覆うように、封止層117を形成する。封止層117の形成は、例えば、スパッタリング法やCVD(化学気相成長)法やALD(原子層堆積)法などを用いて実行することができる。
(2)CFパネル部12を準備する工程
(i) 図11(a)に示すように、基板121の一方の主面上に対し、BM材料層1230を積層形成する。BM材料層1230の形成では、先ず、紫外線硬化樹脂(例えば、紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料が添加されてなるBM材料を溶液に分散させてBMペーストを調整する。そして、調整されたペーストを基板121の一方の主面上を覆うように塗布する。
次に、塗布したペーストを乾燥させて溶媒をある程度揮発させることによって、BM材料層1230の形成を行う。
(ii) 図11(b)に示すように、形態が保持できるまで乾燥されたBM材料層1230の上に、マスク500を配置する。マスク500には、ELパネル部11のバンク114に形成位置に対応させて窓部500aが開設されている。
次に、マスク500の窓部500aを通して、BM材料層1230における露出面に対して、紫外線を照射する。
(iii) 紫外線の照射後、乾燥後のBM材料層1230を現像することにより、未露光部分が除去され、この後、焼成を行うことにより、図11(c)に示すようなBM層123が形成できる。なお、形成されたBM層123は、ELパネル部11におけるバンク114に対応する位置に配置される。
(iv) 図11(d)に示すように、BM層123で規定された開口部123aに対し、青色のCF層122Bを形成する。CF層122Bの形成は、先ず、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするCF材料を溶媒に分散させてペーストを作製し、次に、このペーストを形成して、溶媒をある程度揮発させる。その後、所定の窓部が開設されたマスクを配置し(図示を省略。)、窓部を通して紫外線照射する。
その後、現像を行い、マスクおよび未硬化のペーストを除去し、焼成を行う。これにより、図11(d)に示すようなB−CF層122Bが形成される。なお、上述のように、本実施の形態では、全てのCF層122について、その外縁部がBM層123に乗り上げた状態で形成される。
(v) 図11(e)に示すように、上記と同様の作業を繰り返し、G−CF層122Gを形成する。
(vi) 図11(f)に示すように、上記と同様の作業を繰り返し、R−CF層122Rを形成する。
なお、R−CF層122R、G−CF層122G、B−CF層122Bの形成順は、上記以外であってもよい。
(3)ELパネル部11とCFパネル部12とを貼り合わせる工程
(i) 図12(a)に示すように、非流動性樹脂(材料)シート130を準備する。非流動性樹脂シート130の両主面には、ラミネートフィルム131a,131bが貼着されている。
(ii) 図12(b)に示すように、非流動性樹脂シート130に貼着された一方のラミネートフィルム131aを剥離し、これにより露出した主面130aをCFパネル部12に貼着する。なお、本実施の形態では、非流動性樹脂シート130とCFパネル部12との貼り合わせについては、減圧雰囲気下で実行する。
(iii) 図12(c)に示すように、貼着後においては、非流動性樹脂シート130の主面130aは、CFパネル部12におけるBM層123の上面123aおよびCF層122の上面122aを含む主面全体に対して密着した状態となっている。
(iv) 図13(a)に示すように、非流動性樹脂シート130に貼着されたもう一方のラミネートフィルム131bを剥離して、主面130bを露出させる。
(v) 図13(b)に示すように、ラミネートフィルム131bの剥離により露出した主面130bに対して、ELパネル部11を貼着する。本工程についても減圧雰囲気下で実行される。よって、図13(b)に示すように、貼着後においては、非流動性樹脂シート130の主面130bは、ELパネル部11における封止層117の凹部117bの底部および凸部117aの頂部を含む主面全体に対して密着した状態となっている。
(vi) 図13(c)に示すように、ELパネル部11とCFパネル部12とを真空状態とを非流動性樹脂シート130を間に挟んで貼り合わせた状態において、非流動性樹脂シート130に対して光(例えば、紫外光)を照射することにより流動性を付与し、その後にこれを硬化させることにより、封止樹脂層13の形成がなされる。これより、表示パネル10が完成する。なお、用いる樹脂によっては、加熱により硬化させる。
本実施の形態では、上記(数2)から(数4)の関係を満たすようにELパネル部11およびCFパネル部12の各対向主面の凹凸が規定されているので、上記(iii)で貼着工程を実行した後での樹脂の密度分布を少なく抑えることができ、上記(iv)での樹脂への流動性の付与に起因する膜剥がれの発生を抑制することができる。
[凹凸量についての考察1]
凹凸量について行った考察1について、図14および図15を用い説明する。
1.ELパネル部11における凹凸
図14(a)で示すように、本考察においては、表示パネル10におけるELパネル部11においては、CFパネル部12に対向する側の主面(封止層の表面)が凹凸形状を成している。凹凸は、凹部の底部を基準とすると凸部のみと見ることができ、逆に、凸部の頂部を基準とすると凹部のみと見ることができる。本明細書では、その両方を含めて「凹凸」と規定する。
ここでは、R,G,Bの各サブピクセル上方の主面を基準とし、隣り合うサブピクセルの間に対応する位置、即ち、バンクの上方に凸部を有する。換言すると、基板から最も遠い位置(バンクの頂部の上方)を基準とすると、隣り合うバンク同士の間に対応した部分に底部が存在する凹部を有する。
図14(b)に示すように、サンプルNo.1では、凸部の高さ(あるいは凹部の深さ)EL凹凸を1.8μmとし、サンプルNo.2では、EL凹凸を2.0μm、サンプルNo.3では、EL凹凸を2.1μm、サンプルNo.4では、EL凹凸を2.2μmとした。
2.CFパネル部12における凹凸
図14(a)に示すように、上記実施の形態に係るCFパネル部12では、R,G,Bの各CF層の層厚(R,G,B)を1.0μmとし、色間でその層厚を統一した。
BM層の層厚(BM)は、全面で1.0μmとした。
従って、CFパネル部12の主面側は、BM層の上面を基準とするとき、R,G,Bの各CF層の上面が同じ高さとなっており、凹凸のない平面となっている。
3.パネル部間の間隔
図14(a)、(b)に示すように、ELパネル部11における凹部の底部とCFパネル部12との間隔D1(R)、D1(G)、D1(B)は、何れも20.0μmとした。なお、本実施例では、CF層の高さおよびバンク間の凹部の深さは、各色R,G,Bのサブピクセルで同一とし、間隔D1(R)、D1(G)、D1(B)も2.0μmで同じである。
図14(b)に示すように、ELパネル部11の主面における凸部の頂部とCFパネル部12との間隔D2は、サンプルNo.1では18.2μmとし、サンプルNo.2では18.0μm、サンプルNo.3では17.9μm、サンプルNo.4では17.8μmとした。
図14(b)に示すように、サンプルNo.1におけるD1に対するD2の比(D2/D1)は、91.0%であり、 サンプルNo.2における比(D2/D1)は、90.0%であり、サンプルNo.3における比(D2/D1)は、89.5%であり、サンプルNo.4における比(D2/D1)は、89.0%である。
4.膜剥がれの確認結果
図15(a)、(b)に示すように、サンプルNo.1およびサンプルNo.2では、膜剥がれは発生しなかった。それに対して、サンプルNo.3では、1536個のサブピクセル中419個のサブピクセルで膜剥がれが発生し、その発生割合は27%であった。同様に、サンプルNo.4では、1536個のサブピクセル中1530個のサブピクセルで膜剥がれが発生し、その発生割合は99%であった。
ここで、サンプルNo.3では、膜剥がれの発生はあるものの、サンプルNo.4に比べて、膜剥がれの発生サブピクセル数および発生比率は低くなっている。よって、比(D2/D1)が大きいほど膜剥がれが発生し難く、90%以上であれば膜剥がれは発生しなかった。
以上の結果を纏めると、間隔D1と間隔D2の比(D2/D1)が大きいほど膜剥がれが発生し難い。換言すると、発光領域でのパネル部間の間隔(D1)と非発光領域でのパネル部間の間隔(D2)の差が小さいほど、膜剥がれが発生し難い。特に、D2/D1が90%以上であれば、膜剥がれは発生しない。
5.樹脂流動に関する考察
上述のように、パネル部同士の貼り合わせた際における樹脂の密度分布に伴ってパネル部の膜(蒸着膜、塗布膜)の剥がれが発生するというメカニズムについて、本発明者等が究明した。これによると、パネル部の主面の凹凸の大きさにより、膜剥がれの発生し易さが相違することが分かった。また、膜剥がれの発生に関して、次のような現象を確認した。
(1) ELパネル部11におけるバンクの周辺部に沿う位置に規則的に膜剥がれが発生している。
(2) ELパネル部11におけるバンクの高さが高いほど膜剥がれが発生し易い。
そして、図14(b)に示すように、ELパネル部11におけるバンクの高さを種々変えて詳細を検討した結果、膜剥がれの発生は、主にELパネル部11における主面の凹凸形状に影響を受けることが分かった。即ち、封止樹脂層13の形成において、樹脂に流動性を付与した際の樹脂材料の流動性は、ELパネル部11とCFパネル部12との貼り合わせた際における樹脂の密度分布に影響される。そして、樹脂の密度分布は、バンクの高さ(突出量)の程度に影響を受けることが分かった。
[凹凸量についての考察2]
次に、凹凸量についての考察2について、図16(a)、(b)、(c)を用い説明する。
図16(a)、(b)に示すように、本考察では、ELパネル部11における有機発光層の層厚をサブピクセル毎に変化させた。具体的には、Rサブピクセルにおける有機発光層の層厚TEML(R)を0.22μmとし、Gサブピクセルにおける有機発光層の層厚TEML(G)を0.20μmとし、Bサブピクセルにおける有機発光層の層厚TEML(B)を0.15μmとした。
一方、CFパネル部12については、上記[凹凸量についての考察1]と同様に、BM層の層厚およびR,G,Bの各CF層の層厚が、ともに1.0μmであって、CFパネル部12におけるELパネル部11側の主面が平面である。
図16(a)、(b)に示すように、ELパネル部11におけるRサブピクセルに対応する箇所でのパネル部間の間隔D1(R)が19.93μmであり、Gサブピクセルに対応する箇所でのパネル部間の間隔D1(G)が19.95μmであり、Bサブピクセルに対応する箇所でのパネル部間の間隔D1(B)が20.0μmである。また、非発光領域での間隔D2は、17.95μmである。
図16(b)に示すように、比(D2/D1)は、Rサブピクセルでは、90.1%であり、 Gサブピクセルでは、90.0%であり、Bサブピクセルでは、89.8%である。
図16(c)に示すように、本考察で作製した表示パネルにおいては、Bサブピクセルにおいて膜剥がれが発生した。換言すると、D2/D1が90.0%未満であるBサブピクセルにおいてのみ、膜剥がれが発生した。
以上の結果より、D2/D1の比率が90.0%以上100%以下の範囲であれば、膜剥がれの発生を効果的に抑制することができる。
[膜剥がれの発生位置についての考察1]
次に、膜剥がれの発生位置について行った考察1について、図17から図19を用い説明する。
図17(a)に示すように、上記[凹凸量についての考察1]で用いたサンプルNo.4の構成では、ELパネル部11におけるバンクの頂部の上方(図では、下側)において、CFパネル部12の主面との間隔が狭い。このため、この領域Area2(4)での空間が、発光領域に対応する領域Area1(4)での空間よりも狭くなる。このため、パネル部同士の貼り合わせ時において、領域Area2(4)で樹脂が存在できる空間が狭く、樹脂に流動性を付与する前の状態では、当該空間での圧力が領域Area1(4)に比べて相対的に高くなる。
封止樹脂層の形成に非流動性樹脂を用いた場合、上記のような圧力差が生じることにより、樹脂に流動性が付与されたときに圧力の高い領域Area2(4)から低い領域Area1(4)への流動が生じる。
一方、図17(b)に示すように、サンプルNo.1の構成では、領域Area1(1)の空間に対する領域Area2(1)の空間の割合は、サンプルNo.4の構成における領域Area1(4)の空間に対する領域Area2(4)の空間の割合に対して、相対的に高くなっている。このため、樹脂に流動性が付与された時の樹脂の流動は、図17(a)に示すサンプルNo.4に比べて緩やかなものとなる。これは、上述の通りである。
次に、図18の拡大部分に示すように、樹脂の流動に伴う膜剥がれが発生したサブピクセルを観察すると、剥がれた膜体の移動量は、サブピクセル内の領域毎に異なっている。図18に示すような平面視長方形状のサブピクセルでは、コーナー部分に近い領域Area(a)での移動量X(a)が、長辺の中程辺りの領域Area(b)での移動量X(b)よりも大きい。
これは、パネル部同士の貼り合わせの際の樹脂の流動量(移動量)が、領域Area(a)と領域Area(b)とで異なるためである。
樹脂の流動に関して、封止樹脂層内における樹脂の密度が高密度である領域と、低密度である領域との密度の差が大きいほど、樹脂の流動量が大きいと考えられる。即ち、図19に示すように、上記のような膜体の移動量の差異の要因は、ELパネル部11とCFパネル部12との貼り合わせ後における樹脂の密度が、格子状に形成されたバンク114の格子点領域Area(c)の上方と、凹部114a同士の間の中間点領域Area(d)の上方とで異なるためであると考えられる。
[膜剥がれの発生位置についての考察2]
次に、膜剥がれの発生位置について行った考察2について、図20から図22を用い説明する。
図20(a)に示すように、本考察では、隣り合う凹部114a同士の間であって、バンク114の頂部上における凹部114aの長手方向(Y軸方向)の中央点領域の箇所P(e)、箇所P(e)よりもX軸方向左側の凹部114a内の箇所P(f)、X軸方向右側の凹部114a内の箇所P(g)を規定する。
図20(b)に示すように、箇所P(e)におけるELパネル部11とCFパネル部12との間の間隔D(e)は、箇所P(f)および箇所P(g)における各間隔D(f)およびD(g)よりも狭い。このため、図20(c)に示すように、ELパネル部11とCFパネル部12との貼り合わせにおいて、流動性が付与された樹脂は、箇所P(e)に相当する領域から箇所P(f)および箇所P(g)に相当する両領域へと向けて流動するものと考えられる(Flow(ef)およびFlow(eg))。
具体的に、図21(a)、(b)に示すように、ELパネル部11における凸部117aが非流動性樹脂シート130の主面130bに接していない状態(図21(a)の状態)、およびELパネル部11における凸部117aが非流動性樹脂シート130の主面130bに接したが、凸部117aが非流動性樹脂シート130に対して侵入していない状態(図21(b)の状態)では、非流動性樹脂シート130の内部における密度分布は未だ発生しない。ここで、図21(b)におけるギャップg1は、ELパネル部11における凹部117bの底部を基準とする凸部117aの頂部の高さに相当する。
次に、図21(c)に示すように、ELパネル部11を非流動性樹脂シート130に対して侵入させて行く。このように、ELパネル部11の凹部117bと非流動性樹脂シート130の主面130bとのギャップg2がギャップg1よりも小さくなると、非流動性樹脂シート130の内部において、箇所P(e)に相当する領域が高密度な領域Dens1となる。
次に、図21(d)に示すように、ELパネル部11を非流動性樹脂シート130に対して更に侵入させて行く。このようにして、ELパネル部11の凹部117bと非流動性樹脂シート130とのギャップg3がギャップg2よりも更に小さくなると、非流動性樹脂シート130の内部において、箇所P(e)に相当する領域が更に高密度な領域Dens2となる。
さらに、図21(e)に示すように、ギャップg3が無くなるまでELパネル部11を侵入させると、非流動性樹脂シート130とELパネル部11との間の隙間が無くなる。この状態においては、非流動性樹脂シート130内における箇所P(e)に相当する領域に高密度な領域Dens3が発生する。ただし、非流動性樹脂シート130に対しては流動性が付与されていない状態であるので、この時点での樹脂の流動は生じない。
そして、図21(e)に示すように、図21(e)に示す状態で非流動性樹脂シート130に対して光または熱により流動性を付与すると、密度分布の差異により樹脂の流動Flow(ef),Flow(eg)が発生する。その後、樹脂を硬化させることで封止樹脂層13が形成される。
次に、図22(a)に示すように、バンク114で規定される凹部114a内におけるコーナー部分に相当する箇所P(h)、箇所P(h)に対してX軸方向左側であって、バンク114の頂部上の箇所P(i)、箇所P(h)に対してY軸方向下側であって、バンク114の頂部上の箇所P(j)、箇所P(j)に対してX軸方向左側であって、バンクの頂部上の箇所P(k)をそれぞれ規定する。
図22(b)に示すように、箇所P(h)におけるELパネル部11とCFパネル部12との間の間隔D(h)は、箇所P(i)〜P(k)における各間隔D(i)〜D(k)よりも広い。このため、図22(c)に示すように、ELパネル部11とCFパネル部12との貼り合わせにおいて、流動性が付与された樹脂は、箇所P(i)〜P(k)の各々に相当する領域から箇所P(h)に相当する両領域へと向けて流動するものと考えられる(Flow(ih)、Flow(jh)、およびFlow(kh))。即ち、図22(c)に示すように、凹部114aのコーナー部分(箇所P(h)に相当する領域)では、箇所P(i)〜P(k)に相当する各領域から樹脂が流動してくる。
以上の考察より、流動性が付与された際の樹脂流動は、発光領域(サブピクセル領域)とその周縁にある非発光領域(サブピクセル間の領域)との境界を挟む隣接箇所間の樹脂の分布密度の差に大きく影響を受ける。即ち、密度の差が大きいほど流動量が多くなり、密度の差が小さいほど流動量は少なくなる。よって、樹脂に流動性が付与された樹脂は、凹部114aにおける長手方向中間部分(箇所P(f)および箇所P(g)のそれぞれに相当する領域)への流動に対し、凹部114aのコーナー部分(箇所P(h)に相当する領域)への流動が多く発生する。
よって、樹脂流動に伴う膜体の移動量で比較すると、図18に示す領域Area(a)の方が領域Area(b)よりも大きくなっている。
[変形例1]
ELパネル部およびCFパネル部の形態と、発光領域と非発光領域とでのパネル部間の間隔とについての変形例1に係る表示パネルについて、図23(a)および図24(a)を用い説明する。本変形例の形態を示すのが図24(a)であり、それに対応する比較例1を示すのが図23(a)である。
先ず、図23(a)に示すように、比較例1においては、ELパネル部91におけるバンク914が高さH914を有し構成されている。そして、ELパネル部91の主面を構成する封止層917も主面が凹凸形状(非発光領域で凸部、発光領域で凹部)となっている。
CFパネル部92では、BM層923とCF層922との高さが同一となっており、CFパネル部92の主面は略平面となっている。
ELパネル部91とCFパネル部92とは封止樹脂層93で接合されており、発光領域におけるパネル部間の間隔D1が、非発光領域におけるパネル部間の間隔D2よりも広い。
ここで、比較例においては、
(数5)D2<0.90×D1
の関係となっている。
次に、図24(a)に示すように、変形例1においては、ELパネル部31におけるバンク314が高さH314を有し構成されている。高さH314は、上記比較例1におけるバンク914の高さH914よりも低く設定されている。ELパネル部31の主面を構成する封止層317も主面が凹凸形状(非発光領域で凸部、発光領域で凹部)となっている。
CFパネル部32では、上記比較例1と同様に、BM層323とCF層322との高さが同一となっており、封止樹脂層33に接するCFパネル部32の主面は略平面となっている。
本変形例でも、発光領域におけるパネル部間の間隔D1が、非発光領域におけるパネル部間の間隔D2よりも広く、
(数6)D1≧D2≧0.90×D1
の関係を満たしている。
以上のように、変形例1および比較例1の両方とも、CFパネル部32,92の主面が平面となっているが、ELパネル部31,91のバンク314,914の高さにより、パネル部同士の貼り合わせ時(樹脂に流動性が付与された際)における樹脂流動に差が生じる。具体的には、(数5)の関係となる比較例1では、樹脂流動が大きく、膜剥がれが発生し易い。これに対して、(数6)の関係を満たす変形例1では、樹脂流動が小さく、膜剥がれが生じ難い。
[変形例2]
ELパネル部およびCFパネル部の形態と、発光領域と非発光領域とでのパネル部間の間隔とについての変形例2に係る表示パネルについて、図23(b)および図24(b)を用い説明する。本変形例の形態を示すのが図24(b)であり、それに対応する比較例2を示すのが図23(b)である。
先ず、図23(b)に示すように、比較例2においても、ELパネル部91については、上記比較例1と同様の構成を有している。それに対して、本比較例に係るCFパネル部94では、BM層943の高さに比べてCF層942との高さが低くなっており、封止樹脂層95に接することになるCFパネル部94の主面は、全体として凹凸形状となっている。
なお、本比較例においても、間隔D1と間隔D2とが上記(数5)の関係となっている。
次に、図24(b)に示すように、変形例2におけるELパネル部91は、上記変形例1と同様の構成を有する。対して、CFパネル部34については、上記比較例2と同様に、BM層343の高さに比べてCF層342との高さが低くなっており、封止樹脂層35に接することになるCFパネル部34の主面は、全体として凹凸形状となっている。
本変形例でも、間隔D1と間隔D2とが上記(数6)の関係を満たしている。
以上のように、変形例2および比較例2の両方とも、CFパネル部34,94の主面が凹凸形状となっているが、ELパネル部31,91のバンク314,914の高さにより、パネル部同士の貼り合わせ時(樹脂に流動性が付与された際)における樹脂流動に差が生じる。具体的には、上記比較例1と変形例1との関係と同様に、比較例2では、樹脂流動が大きく、膜剥がれが発生し易いのに対して、変形例2では、樹脂流動が小さく、膜剥がれが生じ難い。
[変形例3]
ELパネル部およびCFパネル部の形態と、発光領域と非発光領域とでのパネル部間の間隔とについての変形例3に係る表示パネルについて、図23(c)および図24(c)を用い説明する。本変形例の形態を示すのが図24(c)であり、それに対応する比較例3を示すのが図23(c)である。
先ず、図23(c)に示すように、比較例3においても、ELパネル部91については、上記比較例1,2と同様の構成を有している。それに対して、本比較例に係るCFパネル部96では、BM層963の高さに比べてCF層962との高さが高くなっており、封止樹脂層97に接することになるCFパネル部96の主面は、全体として凹凸形状となっている。
なお、本比較例においても、間隔D1と間隔D2とが上記(数5)の関係となっている。
次に、図24(c)に示すように、変形例3におけるELパネル部91は、上記変形例1,2と同様の構成を有する。対して、CFパネル部36については、上記比較例3と同様に、BM層363の高さに比べてCF層362との高さが高くなっており、封止樹脂層75に接することになるCFパネル部36の主面は、全体として凹凸形状となっている。
本変形例でも、間隔D1と間隔D2とが上記(数6)の関係を満たしている。
以上のように、変形例3および比較例3の両方とも、CFパネル部36,96の主面が凹凸形状となっているが、比較例3が上記(数5)の関係となり、変形例3が上記(数6)の関係を満たすので、パネル部同士の貼り合わせ時(樹脂に流動性が付与された際)における樹脂流動に差が生じる。具体的には、上記比較例1,2と変形例1,2とのそれぞれの関係と同様に、比較例3では、樹脂流動が大きく、膜剥がれが発生し易いのに対して、変形例3では、樹脂流動が小さく、膜剥がれが生じ難い。
[その他の事項]
上記実施の形態などでは、所謂、トップエミッション構造の有機EL表示パネルを一例として採用したが、本発明はこれに限定されず、ボトムエミッション構造の有機EL表示装置についても上記構成を採用することができる。
また、上記実施の形態で示した各部材の形状や構成材料等は一例であって、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施の形態などでは、2枚のパネル部の内の一方をCFパネル部としたが、必ずしもカラーフィルタ層が形成されてなるCFパネル部である必要はない。例えば、ガラスや樹脂などからなる基板の一方の面を凹凸にしたり、平面にしたりすることでも上記と同様の構成を実現することができる。
また、図2等に示すように、上記実施の形態では、平面視において、複数の発光領域(サブピクセル)がマトリクス状の配置された構成を採用したが、本発明における発光領域の配置形態はこれに限定されない。例えば、ハニカム構成の配置形態を採用することなども可能である。
また、上記実施の形態および変形例1〜3では、ELパネル部におけるバンクの高さの調整を主に、間隔D1,D2を調整することとしたが、本発明は、必ずしもバンクの高さによって間隔D1,D2の調整を行う必要はない。例えば、基板のベールとなる面に凹凸をつけたり、あるいは層間絶縁膜の表面に凹凸をつけたりすることによっても同様の調整を行うことができる。また、封止層に凹凸をつけることとしてもよい。
また、非流動性樹脂シートを介してELパネル部とCFパネル部とを貼り合わせる工程については、必ずしも減圧雰囲気下で実行する必要はない。例えば、大気圧雰囲気下などで貼り合わせを実行した後、ELパネル部とCFパネル部との間に力をかけて、ELパネル部と非流動性樹脂シートとの間、およびCFパネル部と非流動性樹脂シートとの各間の隙間を無くすることとしてもよい。
さらに、本発明は、有機EL表示パネルに限らず、種々の表示パネルに適用することができ、その場合にも同様の効果を得ることができる。
本発明は、高い表示品質を有する表示パネルを実現するに有用である。
1 表示装置
10 表示パネル
11,31 ELパネル部
12,32,34,36 CFパネル部
13,33,35,37 封止樹脂層
20 駆動制御部
21〜24 駆動回路
25 制御回路
100 ピクセル
100R Rサブピクセル
100G Gサブピクセル
100B Bサブピクセル
111 TFT基板
112 層間絶縁膜
113 アノード
114,314 バンク
115 有機発光層
115R R有機発光層
115G G有機発光層
115B B有機発光層
116 カソード
117,317 封止層
121 基板
122,322,342,362 カラーフィルタ層
122R Rカラーフィルタ層
122G Gカラーフィルタ層
122B Bカラーフィルタ層
123,323,343,363 ブラックマトリクス層
130 非流動性樹脂材料シート
131a,131b ラミネートシート
500 マスク
1130 金属薄膜
1140 バンク材料層
1230 BM材料層

Claims (7)

  1. 基板と、当該基板の一方の表面の少なくとも一部領域に形成された膜体とを有し構成されており、前記膜体の表面が一方の主面である第1主面の少なくとも一部を構成し、平面視において、発光領域と非発光領域とが隣接してなる第1パネル部と、
    前記第1パネル部における前記第1主面に対して、互いに間隔をあけた状態で対向配置された第2パネル部と、
    前記第1パネル部と前記第2パネル部との間に配置され、前記第1パネル部における前記第1主面と、前記第2パネル部における前記第1パネル部の前記第1主面に対向する第2主面との双方に接する封止樹脂層と、
    を備え、
    前記第1パネル部における前記第1主面は、前記発光領域が凹部であり、前記非発光領域が凸部である、全体として凹凸形状を成しており、
    前記第1パネル部の前記第1主面における前記凹部の底部と、前記第2パネル部における前記第2主面との間隔をD1とし、
    前記第1パネル部の前記第1主面における前記凸部の頂部と、前記第2パネル部における前記第2主面との間隔をD2とするとき、すべてのD1、D2において、
    D1≧D2≧0.90×D1
    の関係を満たす、
    表示パネル。
  2. 前記第2パネル部における前記第2主面も、凹部の底部よりも凸部の頂部が前記第1パネル部の側に張り出した、全体として凹凸形状を成している、
    請求項1に記載の表示パネル。
  3. 前記第1パネル部および前記第2パネル部を平面視する場合に、前記第2パネル部における前記第1パネル部の前記非発光領域に対応する領域を非発光対応領域とするとき、
    前記第2パネル部の前記第2主面における前記凹部は、前記非発光対応領域内に設けられている、
    請求項2に記載の表示パネル。
  4. 前記第1パネル部および前記第2パネル部を平面視する場合に、前記第2パネル部における前記第1パネル部の前記非発光領域に対応する領域を非発光対応領域とするとき、
    前記第2パネル部の前記第2主面における前記凸部は、前記非発光対応領域内に設けられている、
    請求項2に記載の表示パネル。
  5. 前記第2パネル部は、基板と、当該基板に対して形成されたカラーフィルタ層と、当該カラーフィルタ層に隣接して形成されたブラックマトリクス層とを有して成るカラーフィルタパネルである、
    請求項1から請求項4の何れかに記載の表示パネル。
  6. 基板と、当該基板の一方の表面の少なくとも一部領域に形成された膜体とを有し構成され、前記膜体の表面が一方の主面である第1主面の少なくとも一部を構成し、平面視において、発光領域と非発光領域とが隣接してなる第1パネル部を準備する工程と、
    第2パネル部を準備する工程と、
    前記第2パネル部における一方の主面である第2主面に対し、非流動性樹脂シートを貼着する工程と、
    前記非流動性樹脂シートにおける前記第2パネル部が貼着されたのとは反対側の主面に、前記第1パネル部における前記第1主面を貼着する工程と、
    前記非流動性樹脂シートに対して加熱もしくは光照射を行って樹脂に流動性を付与した後、硬化させることにより封止樹脂層を形成する工程と、
    を備え、
    前記第1パネル部における前記第1主面は、前記発光領域が凹部であり、前記非発光領域が凸部である、全体として凹凸形状を成しており、
    前記封止樹脂層は、前記第1パネル部における前記第1主面と前記第2パネル部における前記第2主面との双方に接しており、
    前記第1パネル部の前記第1主面における前記凹部の底部と、前記第2パネル部における前記第2主面との間隔をD1とし、
    前記第1パネル部の前記第1主面における前記凸部の頂部と、前記第2パネル部における前記第2主面との間隔をD2とするとき、
    前記封止樹脂層を形成する工程の実行後において、すべてのD1、D2において、
    D1≧D2≧0.90×D1
    の関係を満たす、
    表示パネルの製造方法。
  7. 前記第2パネル部における前記第2主面と前記非流動性樹脂シートとを貼着する工程と、前記第1パネル部における前記第1主面と前記非流動性樹脂シートとを貼着する工程とは、ともに減圧雰囲気下で実行され、該両工程を実行した後において、前記非流動性樹脂シートは、前記第1パネル部における前記凸部の頂部および前記凹部の底部を含む前記第1主面の全体に接しており、前記第2パネル部における前記第2主面の全体に接している
    請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
    以上
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