JP6204965B2 - 酒類に生じるジアセチル臭の予測方法及び酒類の製造方法 - Google Patents

酒類に生じるジアセチル臭の予測方法及び酒類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酒類に生じるジアセチル臭の予測方法及び酒類の製造方法に関する。
酒類がバター様の臭いを生ずる場合がある。この臭いの原因物質はジアセチルであることからジアセチル臭(つわり香)と呼ばれ、酒類では好ましくない臭いであることが認識されている。
酒類中のジアセチルを人が感知する閾値(臭いに敏感な人であれば200〜300ppb、多くの人は500ppb程度)は低いため、その測定には低濃度で定量測定できるGC/MSが必要となる。したがって、GC/MSが設置されていない工場等の現場では測定することは難しく、官能検査に依って判断するところが大きい。
ジアセチルは醪の段階でも存在はするが、当該醪を上槽またはろ過した後に増加する。上槽またはろ過前においては、ジアセチルの前駆体でもあるアセト乳酸は、酵母によって他の代謝物へと変化する。しかし、上槽またはろ過すると酵母が分離され、他の代謝物への流れが遮断されるため、存在するαアセト乳酸は保存期間中に徐々に非酵素的な反応生成物であるジアセチルやアセトインに変化する。一般に上槽またはろ過直後はジアセチル含量が少なく、保存期間を置かないとジアセチル臭を官能検査で判別することは難しいことが多い。醗酵途中での官能検査によるジアセチルの定量的なモニタリングはさらに難しい問題があった。
ジアセチルを直接測定することが難しいことから、ジアセチル前駆体を定量する簡便な発明が開示されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、当該発明は、酒類に含まれるジアセチル前駆体量がごくわずかであること等から測定感度が悪く、正確にジアセチル臭を予測できない問題があった。
特開2008−263977号公報
特許文献1以外の方法として、酒類の製造工程でジアセチルの発生を防ぐために、ジアセチルの発生と相関があるとされているピルビン酸の濃度(ppmオーダー)を測定し、100ppmを境として管理指標とすることが一般的とされている。
酵母によるジアセチルの発生は早期上槽など、ピルビン酸値が高く醗酵が盛んな状態で醗酵を止める(上槽=酵母と醪の分離)と、ピルビン酸由来のα-アセト乳酸が多く、保存中にジアセチルに変化して、つわり香(ジアセチル臭)発生の原因となる。
つまり、ピルビン酸の濃度が低い場合(100ppm以下)ならば、ジアセチルの発生リスクは低く、ピルビン酸の濃度が高い場合は、リスクが高くなる。ピルビン酸濃度が高い場合は、醗酵温度を徐々に下げ醗酵期間を延ばす等の措置を取ってジアセチルの発生を防ぐことが一般的に多い。これらの措置によりピルビン酸値が下がり、結果的にピルビン酸から生成されるジアセチルの前駆体α-アセト乳酸の値が下がり、ジアセチル発生量が低下する。また、α-アセト乳酸からすでに生成したジアセチルも酵母のデヒドロゲナーゼにより、アセトインに変化し、ジアセチル濃度は低下していく。
しかしながら、ジアセチル分析の結果を検証してみると、ピルビン酸値が低くてもジアセチルが高い値を示す場合が見られた。したがって、ピルビン酸のモニタリングだけでは、ジアセチルの発生リスクを管理するのに十分とは言えないと考えられた。
ジアセチルは酵母がピルビン酸からα-アセト乳酸を作り、細胞外に漏出した後、酸化的脱炭酸反応で生成される。また、乳酸菌も同様にジアセチルを生成するため、乳酸菌汚染の多い製造の場合ではジアセチルが多く発生することがある。
つまり、清酒製造工程でのジアセチル発生は酵母由来のものと乳酸菌由来のものがあるということになる。
これらを見分ける方法としては、ジアセチルと2,3-ペンタンジオンの生成比をみる方法がある。酵母はα-アセト乳酸と同時にアセトヒドロキシ酪酸も生成し、アセトヒドロキシ酪酸から酸化的脱炭酸反応で2,3-ペンタンジオンが生成される。乳酸菌はこれらの経路を一般的に持たないか、非常に生成量が少ない。したがって、ジアセチルと2,3-ペンタンジオンの生成比が非常に大きい(ジアセチル>>2,3-ペンタンジオン)場合は乳酸菌汚染によるジアセチル発生だと推測できる。これらの数値はやはりGC/MS分析でないと測定できないのが現状である。
上述したように、ピルビン酸以外にジアセチルの発生を予測することのできるマーカーがあれば、ジアセチルの発生予測の精度が上がると考えられた。
そこで、本発明は、醪をこし又は蒸留した後の酒類に含まれるジアセチルを、醪をこし又は蒸留する前に予測することができる簡便且つ精度の高い発明を提供することを目的とする。
本発明者が蓄積されたジアセチル分析データを解析したところ、ジアセチルと相関性がある化合物として、アセトインが候補化合物として浮上した。(図.1)
酵母の場合、アセトインはジアセチルと同様にα-アセト乳酸から非酵素的脱炭酸反応で生成するが、乳酸菌の場合はα-アセト乳酸脱炭酸酵素によりアセトインが生成される。(図.2)
ジアセチルはppbオーダーで微量であるのに対し、アセトインはppmオーダーであり、一般的にジアセチルの約30〜100倍程度の生成量である。
また、上述のようにアセトインはジアセチル、2,3−ペンタンジオン等に比べ量が多いため、近似的にアセトイン量として比色測定を行うことができ、品質管理の現場で容易に測定できる。
本発明は、以下の技術的構成を有することにより、本発明の課題を解決した。
(1)醪に含まれるアセトインを指標として、酒類に生じるジアセチル臭を予測することを特徴とするジアセチル臭の予測方法。
(2)前記醪の発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日までの間に、前記醪に含まれるアセトインを測定することを特徴とする前記(1)に記載のジアセチル臭の予測方法。
(3)前記醪に含まれるジアセチルを測定することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のジアセチル臭の予測方法。
(4)前記醪に含まれるアセトインまたはアセトインとジアセチルを経時的に測定することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のジアセチル臭の予測方法。
(5)酒類の原料となる物品に発酵させる手段を講じる第1の工程と、
上記第1の工程によって得られた醪をこし又は蒸留する第2の工程と、
上記第1の工程から上記第2の工程前までの間に、醪に含まれるアセトインを少なくとも1回測定する第3の工程と、
を有することを特徴とする酒類の製造方法。
(6)前記第3の工程において、醪に含まれるジアセチルを少なくとも1回測定することを特徴とする前記(5)に記載の酒類の製造方法。
(7)前記第3の工程において測定したアセトイン及びジアセチルの測定値の相関関係から、醪の段階において酒類に生じるジアセチル量を予測することを特徴とする前記(6)に記載の酒類の製造方法。
(8)前記第3の工程を前記第1の工程から第2の工程の間に経時的に行うことを特徴とする前記(6)または(7)に記載の酒類の製造方法。
(9)アセトイン及びジアセチルの経時的な測定値の相関関係から、醪の発酵段階に応じて、当該醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めることを特徴とする前記(8)に記載の酒類の製造方法。
(10)前記醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めた後、醪に含まれるアセトイン量を測定することで酒類に生じるジアセチルを予測することを特徴とする前記(9)に記載の酒類の製造方法。
本発明によれば、醪をこし又は蒸留した後の酒類に含まれるジアセチルを、醪をこし又は蒸留する前に予測することができる簡便且つ精度の高い発明を提供することができる。当該発明を酒類の製造方法に使用することで、酒類にジアセチル臭が生じるリスクを低減することが可能である。
ジアセチルとアセトインの関係 ジアセチルの発生機構 フォゲス・プロスカウエル(VP)反応 アセトインの塩基性酸化分解 清酒中のアセトイン呈色反応(水希釈系) 実施例3の清酒におけるGC/MS分析でのジアセチルとGC/MS分析及び比色法でのアセトインの経時変化の比較(DA:ジアセチル、AC:アセトイン、△:60℃、1時間加熱) 実施例4の清酒におけるGC/MS分析でのジアセチルとGC/MS分析及び比色法でのアセトインの経時変化の比較
本発明のジアセチル臭の予測方法は、醪に含まれるアセトインを指標とする。
醪とは、酒類の原料となる物品に発酵させる手段を講じたもの(酒類の製造の用に供することができるものに限る。)で、こし又は蒸留する前のもの(こさない又は蒸留しない酒類に係るものについては、主発酵が終わる前のもの)をいう。
本発明において、酒類とは、アルコール分0.01%以上の飲料をいう。本発明における酒類は、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類、しょう油の5種類を含む。
前記醪の発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日までの間に、前記醪に含まれるアセトインを測定することが好ましい。酒類にジアセチルが発生することを回避するためには、できるだけ早い醪の段階でアセトインを測定することが好ましいが、アセトインの測定が早すぎても予測精度が低くなってしまうため、トレードオフの関係にある。醪に含まれるアセトインの測定は、発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日3日前までの間に行うことがより好ましく、発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日5日前までの間に行うことがさらに好ましい。
発酵終了予定日とは、特定の酒類を製造するときに予め設定した、醪をこし又は蒸留する予定日(こさない又は蒸留しない酒類に係るものについては、主発酵が終わる日)をいう。工業的に酒類を製造する場合、発酵条件にもよるが、目的とする酒類やその原料、発酵タンク等によっておおよその発酵日数は定まっている。
発酵終了予定日の11日以上前にアセトインを測定する場合、酒類の原料にもよるが、醪には糖類やアミノ酸等の成分量が多く含まれており、アセトインの測定精度が下がるおそれがあり、ジアセチルの発生予測精度が下がるおそれがあるからである。
発酵終了予定日を超えてアセトインを測定することも可能である。しかしながら、この場合は、通常発酵終了予定日に醪をこし又は蒸留していることから、発酵日数を増やすことでジアセチル臭を低減させる手段がとれないことになる。
前記醪の発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日までの間に、前記醪に含まれるジアセチルを測定することが好ましい。アセトインとジアセチルの相関関係を求めることによって、後述する酒類の製造方法に有効に活用することができる。
醪に含まれるジアセチルの測定は、発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日3日前までの間に行うことがより好ましく、発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日5日前までの間に行うことがさらに好ましい。
ジアセチルは比色法での測定が難しく、GC/MS等で分析すればよい。
前記醪に含まれるアセトインを経時的に測定することが好ましい。アセトイン量の推移とそれに応じたジアセチル臭を予測しやすくなるため、適切な手段をとりやすくなる。ジアセチル臭の予測精度を高めるには、目的とする酒類やその原料、発酵タンク、発酵条件等の特定の製造条件ごとにアセトイン量の推移を確認しておくことが好ましい。
前記醪または醪から調製したものを加熱した後にアセトイン量を測定してもよい。醪には、アセトインの前駆体であるαアセト乳酸が含まれているため、アセトインを測定する前に醪または醪から調製したものに加熱を行うことにより、アセトインの測定精度を向上させることができる。発酵中の醪には酸素が含まれないが、サンプリングした後の醪には通常酸素が存在するため、酸素存在下(1mg/L超)において加熱を行うとαアセト乳酸の多くはジアセチルに変化し、アセトインに変化する量はわずかである。逆に酸素量が低い場合(0.1mg/L未満)に加熱を行うと75%前後がアセトインに変化する。後述する実施例における測定方法においては、酸素存在下であるため、サンプリングした醪に含まれるαアセト乳酸の多くはジアセチルに変化する。
醪の加熱条件は、αアセト乳酸をアセトインに変化させることができ、アセトイン量が減少しないものであればよい。加熱温度、加熱時間、加熱時の醪のpHは下記の範囲内でそれぞれ組み合わせて設定することができる。
加熱温度は40〜100℃の範囲内で行うことが好ましく、50〜80℃の範囲内で行うことがより好ましい。
加熱時間は1〜120分間の範囲内で行うことが好ましく、5〜90分間の範囲内で行うことがより好ましい。
加熱時の醪のpHは3.0〜6.0の範囲内で行うことが好ましく、3.5〜5.0の範囲内で行うことが好ましい。
例えば、加熱温度が60℃、加熱時間60分間、加熱時の醪のpHが4.2であれば、αアセト乳酸をアセトインとジアセチルに変化させるのに十分である。
前記醪に含まれるアセトインとジアセチルを経時的に測定することが好ましい。アセトインとジアセチルの相関関係を求めることによって、後述する酒類の製造方法に有効に活用することができる。
本発明の酒類の製造方法は、
酒類の原料となる物品に発酵させる手段を講じる第1の工程(酒類の製造の用に供することができるものに限る。)と、
上記第1の工程によって得られた醪をこし又は蒸留する第2の工程(こさない又は蒸留しない酒類に係るものについては、主発酵が終わる前のもの)と、
上記第1の工程から上記第2の工程前までの間における醪に含まれるアセトインを少なくとも1回測定する第3の工程と、
を有する。
<第1の工程>
第1の工程は発酵工程を含むものであればよい。発酵させる手段としては、酒類の原料となる物品に酵母等の微生物を加え、発酵条件(発酵温度、発酵日数)を適宜設定すればよい。発酵工程の前または発酵工程とともに糖化工程を伴うものであってもよい。糖化工程は糖化用の酵素を加える方法や、酒類の原料となる物品に内在する酵素を反応させる方法が挙げられる。
<第2の工程>
第2の工程は、第1の工程によって得られた醪をこし又は蒸留する工程をいう。第2の工程は、醪に含まれる酵母等の微生物を酒類から分離する工程である。醪をこす方法としては、例えば、上槽やろ過等がある。第2の工程後に、例えば、加水工程、火入れ工程、瓶詰め工程等を行うことも可能である。
<第3の工程>
第3の工程は、第1の工程から第2の工程前までの間に、醪に含まれるアセトインを少なくとも1回測定する工程をいう。測定回数に制限はない。
第3の工程は醪の段階で行うことが好ましい。酒類に発生するジアセチルを早期に予測することにつながるため、適切な対応が可能になる。第3の工程を醪の段階で行うことによって、第1の工程を長くする判断をすることが可能になるからである。第2の工程前のアセトインの量が多い場合、つまりαアセト乳酸が多く、ジアセチル発生リスクが高い場合であるが、第1の工程を長くすることで既に存在するジアセチルはアセトインに変化し、アセトインは2,3−ブタンジオールへと代謝され、それぞれ減衰していく。前駆体のαアセト乳酸も他の代謝経路に流れてゆき、減衰していく。その結果、第2の工程後に酒類に発生するジアセチルを低減させることが可能になる。
醪に含まれるαアセト乳酸が多いと酒類にジアセチル臭が生じるおそれが高くなる。その場合の醪および醪から調製した溶液をアセトイン比色測定(第3の工程)すると、アセトインの測定値が高い。醪の発酵が進むにつれ、醪中のアセトイン、ジアセチル、αアセト乳酸は低減するため、醪に含まれるアセトインを指標として、5ppm以下になった後に第2の工程を行うことによって、酒類にジアセチル臭が生じるリスクを小さくすることができる。
第3の工程は、第1の工程から第2の工程の間に経時的に行うことができる。第1の工程が進むにつれてアセトインは少なくなる傾向にある。醪に含まれるアセトイン量の変化は酒類によって異なるため、酒類毎に、発酵日数やBMD値(発酵日数×ボーメ度)等との推移に対するアセトイン量の変化をグラフ化すること等により、アセトイン減衰曲線のトレンドを把握しておくことが望ましい。日本酒の場合、上記BMD値を算出する際の発酵日数は留添後の日数である。このトレンドを把握するために、醪に含まれるジアセチルを少なくとも1回測定することが好ましい。第3の工程において測定したアセトイン及びジアセチルの測定値の相関関係から、醪の段階において酒類に生じるジアセチル量の予測精度を高めることができる。醪に含まれる発酵段階に応じて、アセトイン及びジアセチルを経時的に測定し、その測定値の相関関係を把握することが好ましい。醪の段階において酒類に生じるジアセチル量の予測精度をさらに高めることができるとともに、その測定値の相関関係から、醪の発酵段階に応じて、当該醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めることが可能となる。
醪に含まれるアセトイン量の適正範囲とは、醪の発酵日数あるいは発酵時間ごとに、酒類にジアセチル臭が生じる危険性の低いアセトイン量の幅を定めることを意味する。この適正範囲(特定の発酵日数等におけるアセトイン量の数値幅)は酒類の種類や各種発酵条件によって異なってくるため、一概に定めることは難しいものの、特定の酒類と特定の発酵条件ごとにアセトイン及びジアセチルを経時的に測定すれば足りるから、当業者であれば過剰な試行錯誤をする必要はない。
醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めた後、醪に含まれるアセトイン量を測定することで酒類に生じるジアセチルを予測することが可能となる。アセトイン量の適正範囲を定めた後は、ジアセチルの測定を行う必要はない。
以下、本発明を構成する材料等について説明する。
<酒類の原料となる物品>
酒類の原料となる物品としては、発酵中の炭素源となり、発酵によってアルコールを生成することができるものであればよく、例えば、米、小麦、大麦、さつまいも、そば、こうりゃん、じゃがいも、ふきのとう、かぼちゃ等の穀物類に加え、これらの加工品や酒粕等を使用することができる。これらの材料は単独で使用しても良いし、複数を混合して使用することも可能である。
酒類の原料となる物品は第1の工程において、一度に全量を加えても良いが、発酵の経過を見ながら複数回に分けて添加した方が、アルコール含有飲料のアルコール量を高くすることができるので好ましい。
<酒類>
本発明における酒類には、清酒、焼酎、ワイン、ビール等の発酵工程を経る酒類が含まれる。
これらの中でも清酒とビールは他に比べ、ジアセチルによる問題が生じやすいことから、本発明の有用性が高い。清酒のうち純米酒は特に本発明の有用性が高い。純米酒は醸造アルコールや調味成分を添加することが認められていないため、ジアセチルに変化するαアセト乳酸が、割水により希釈される以上に薄まることがないからである。
<アセトインの測定方法等>
醪に含まれるアセトインを簡便に測定することができる比色法で行うことが好ましい。
本発明においては、フォゲス−プロスカウエル反応(以下、「VP反応」という場合がある)を用いた比色法を採用することが好ましい。VP反応はα-ジケトンに対して、クレアチンのグアニジノ基が反応し、α-ナフトールと縮合してできる赤色色素による呈色反応のことである。特徴は、非常に感度がよく、α-ジケトンに特異的な反応であることである。
反応原理としては、塩基性溶液によるアセトインの酸化分解により生じたジアセチル(α-ジケトン構造を持つ)が、クレアチンとα-ナフトールと縮合反応する。(図.3,4)
(測定対象に含まれるアルコール濃度)
醪に含まれるアルコール濃度は30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。酒税法上、清酒の場合、アルコール濃度は22%未満であることが必要であり、ビールや発泡酒等の場合、アルコール濃度は20%未満であることが必要である。醪の段階において、清酒やビール等におけるアルコール濃度の上限値を超える場合、醪に追い水をして発酵を進行させることができる。VP反応においては、エタノールの濃度依存的に比色測定値を抑制する傾向がある。
(測定対象に含まれるポリオール濃度)
醪に含まれるポリオール濃度は、10質量%未満であることが好ましい。VP反応においては、ポリオールの濃度依存的に比色測定値を抑制する傾向がある。
ポリオールとしては例えば、グリセロール等が挙げられる。
(測定対象に含まれる糖類濃度)
醪に含まれる糖類濃度は、20質量%以下であればよく、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく0.1質量%以下であることがさらに好ましい。VP反応においては、糖類の濃度が2%未満であると、比色測定値が増大する傾向にあり、糖類の濃度が2%超であると、比色測定値を抑制する傾向がある。糖類はVP反応中において、α-ナフトールと縮合してできる赤色色素を退色させる傾向がある。特に糖類のなかでも還元糖は当該作用を有することから、できるだけ低い濃度であることが好ましい。
糖類としては例えば、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース等が挙げられる。
(測定対象に含まれる有機酸濃度)
醪に含まれる有機酸濃度は特に限定されないが、例えば、0.001質量%〜1.0質量%であればよい。当該濃度範囲であれば、VP反応においては、有機酸の濃度は阻害も増強も示さない。
有機酸としては、例えば、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸等が挙げられる。
(測定対象に含まれるアミノ酸濃度)
醪に含まれるアミノ酸濃度は、例えば、0.01質量%〜1.0質量%であればよい。VP反応においては、アミノ酸の濃度が非常に高くなると、呈色反応抑制的あるいは遅延的に働くと考えられる。
アミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、アルギニン等が挙げられる。
上記のように、測定対象に含まれる各種成分によって、VP反応によって得られる測定値が減少することが多い。
この問題を解消するために、醪を水で希釈して測定対象とすることが好ましい。希釈の程度は醪に含まれるアセトインの濃度及び糖類等の各種成分の濃度によって異なるが、1.5〜100倍の水希釈を行うことが好ましく、2.0〜50倍の水希釈を行うことがより好ましく、2.0〜25倍の水希釈を行うことがさらに好ましい。水希釈を行うことによって、測定対象に含まれる各種成分の影響(主に測定値の低下)を少なくすることができる。
VP反応によるアセトインの測定限界濃度は0.5ppm程度であることから、アセトインが0.5ppm以上になるように水希釈することが好ましい。精度よく確認するには、1.0ppm〜10ppmの範囲内になるように水希釈することが好ましい。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<実施例1>
市販されている清酒を319種(同じ銘柄である場合は、別ロットのもの。うち111種が純米酒系)について、その清酒に含まれるジアセチル及びアセトインをGC/MSで分析した。
GC/MS分析は、2mL容マイクロチューブに上記清酒0.5mLと4-メチル-2-ペンタノール 1ppmを含む0.6Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)0.5mLと酢酸エチル0.5mLを加え、2分間ボルテックスミキサーで撹拌抽出し12,000g、1分間遠心分離した。上層の酢酸エチル層200μLをGC/MS分析用試料管に移し、以下の条件でGC/MS分析を行った。
(測定条件)
装置:島津GC/MS QP-2010plus /島津AOC-5000
カラム:ジーエルサイエンスINERT CAP Pure WAX(60m×0.25mmI.D. ×0.25μm)
カラム温度:40℃(10min)→(4℃/min)→55℃(0min)→(40℃/min)→200℃(2min)
→(60℃/min)→230℃(30min)
キャリアガス:He, 全流量50mL/min 線速度30.0cm/sec一定 バージ流量3.0mL/min
インジェクション:250℃ スプリットレス サンプルタイム1min
インジェクション量:1μL
イオン源:EI, 200℃ インターフェイス:230℃
得られた結果を図1に示した。図1に示すように、清酒に含まれるジアセチルとアセトインの間に正の相関関係(相関係数0.75)が認められた。酒類にバター様の臭いを生ずる原因となるジアセチルの量がppbオーダーであるのに対し、アセトインはppmオーダーであることを確認した。アセトインを比色法で測定できる可能性が示唆された。
ジアセチルが500ppb以上の清酒は、いずれもジアセチル臭が認められた。図1に示した相関係数から計算すると、清酒に含まれるジアセチルを500ppb未満に制御するにはアセトインを18ppm以下に、ジアセチルを300ppb未満に制御するにはアセトインを10ppm以下に、ジアセチルを200ppb未満にするにはアセトインを5ppm以下にすればよいことが示唆された。
<実施例2>
清酒に含まれるアセトインを比色法で測定できるか検討した。
実施例1で使用した清酒のうち、アセトイン量が1ppm前後の純米酒に終濃度が11ppmになるようにアセトインを加え、水希釈を行ったときの直線性を調べた。対照として22%エタノール溶液中にアセトイン10ppmの標準溶液を調製し、水による希釈液を調製し、アセトイン比色測定を行った。
ここでの反応系では、純米酒で調製したアセトイン一定溶液およびアルコール水溶液で調製したアセトイン一定溶液を、それぞれ水で1.7倍〜10倍に希釈した液(アセトイン1〜11ppm)0.5mLを1.5mL容マイクロチューブに分注し、0.5%クレアチン溶液0.25mLを加え、2.5N水酸化ナトリウム溶液に5%となるようにα-ナフトールを溶かして用事調製した溶液を0.25mL加えて撹拌し、37℃湯浴中で反応開始した。30分間反応後マイクロチューブを取り出し、再度撹拌し530nmの吸光度を測定した。
図5に示すように、アセトイン標準溶液(22%エタノール溶液)を水で希釈してもほぼ直線になる結果となった(AC in 22%Alc1、AC in 22%Alc2)。これに対し、アセトインを一定量含む清酒を水で希釈すると、直線にはならず、上に凸の曲線になったものの、5ppm程度までは直線性が高く、精度良く測定できることが示された(AC in 清酒1、AC in 清酒2)。すなわち、清酒原酒の2.5〜10倍の水希釈液となれば、呈色反応に抑制的に働く因子(糖類、アルコール濃度等)の影響を少なくできることが示唆された。
なお、同様の調製を行った試料について2回試験したため、図5においては、清酒1、清酒2等と表示した。ACはアセトインの略称である。
<実施例3>
実施例1において、ジアセチルとアセトインの間に正の相関関係が認められ、実施例2において清酒を水希釈して測定すれば比色法でアセトインの測定ができることがわかった。清酒の発酵過程では一般に糖濃度が高く、VP反応に影響を及ぼす因子が上槽後のサンプルよりも多いと考えられたため、発酵過程においても比色法が適用できるか検討した。
協会14号泡無し酵母と表1に示す仕込配合にて、発酵温度12〜18℃、発酵日数21日間で清酒醪発酵を行った。最終的に得られた上槽後の清酒に含まれるアルコール濃度は18%であり、そのpHは4.2であった。
Figure 0006204965
酵素剤は総米に対して1/2,000を使用した。
ここで、原料である米は国産規格米を精米歩合70%に精米して使用した。また、麹は常法により40時間麹室にて製麹し、酵素剤はスピターゼCP−40FG(ナガセケムテック株式会社製)を用いた。仕込み方法は3段階に分け、初日を初添、踊りを3日とり、5日目に仲添、6日目に留添をして発酵させた。
<実施例4>
仕込み方法について、初日を初添、1日置いて3日目に仲添、4日目に留添をした以外は実施例3と同様にして発酵させたものを実施例4の清酒とした。上槽後の清酒に含まれるアルコール濃度は18%であり、そのpHは4.2であった。
<評価>
実施例1で使用した清酒のうち、アセトイン量が1ppm前後の純米酒に終濃度が5ppmになるようにアセトインを加え、アセトイン/純米酒標準溶液を調製した。
このアセトイン/純米酒標準溶液を用いて検量曲線を作製し、実施例3、4で製造した発酵醪の経時サンプルを比色測定し、GC/MS分析によるアセトイン測定結果を真値として比較検証することとした。
実施例3、4の醪には、ピルビン酸から生成したαアセト乳酸がまだジアセチルに変化していないと考えられた。αアセト乳酸は酸素存在下においてpH4.0前後の状態で加熱すると、ジアセチルに変化するため、実施例3、4の醪をそのまま使用したもの(非加熱)とこれらの醪に60℃、1時間加熱したものについて試験した。非加熱のものは実施例1と同様にして調製した。加熱したものは、2mL容マイクロチューブに実施例3、4の醪0.5mLをそれぞれ入れた後、密閉状態で60℃、1時間湯浴中で加熱し、室温まで放冷したものと4-メチル-2-ペンタノール 1ppmを含む0.6Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)0.5mLと酢酸エチル0.5mLを加え、2分間ボルテックスミキサーで撹拌抽出した以外は実施例1と同様にして調製した。GC/MSの方法は実施例1と、比色測定の方法は実施例2と同様である。
図6、7に示すように、アセトインのGC/MS分析の結果と比色測定の結果はほぼ同等でおおよそ測定値に大きな違いは見られなかった。加熱処理を行うことにより、ジアセチル含量は増加する傾向にあった。
以上のことから、清酒中にはVP反応を抑制または遅延させる物質が多種類含まれてはいるが、測定醪遠心上清サンプルを水で希釈することで、影響を少なくし、尚且つ、アセトイン標準溶液をその蔵の製造する典型的な清酒原酒のアセトイン含量を測定し、アセトインを加えて一定濃度の標準溶液を調製することで、より測定精度があがると考えられた。

Claims (10)

  1. 醪に含まれるアセトインを指標として、酒類に生じるジアセチル臭を予測することを特徴とするジアセチル臭の予測方法。
  2. 前記醪の発酵終了予定日の10日前から発酵終了予定日までの間に、前記醪に含まれるアセトインを測定することを特徴とする請求項1に記載のジアセチル臭の予測方法。
  3. 前記醪に含まれるジアセチルを測定することを特徴とする請求項1または2に記載のジアセチル臭の予測方法。
  4. 前記醪に含まれるアセトインまたはアセトインとジアセチルを経時的に測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のジアセチル臭の予測方法。
  5. 酒類の原料となる物品に発酵させる手段を講じる第1の工程と、
    上記第1の工程によって得られた醪をこし又は蒸留する第2の工程と、
    上記第1の工程から上記第2の工程前までの間に、醪に含まれるアセトインを少なくとも1回測定する第3の工程と、
    を有することを特徴とする酒類の製造方法。
  6. 前記第3の工程において、醪に含まれるジアセチルを少なくとも1回測定することを特徴とする請求項5に記載の酒類の製造方法。
  7. 前記第3の工程において測定したアセトイン及びジアセチルの測定値の相関関係から、醪の段階において酒類に生じるジアセチル量を予測することを特徴とする請求項6に記載の酒類の製造方法。
  8. 前記第3の工程を前記第1の工程から第2の工程の間に経時的に行うことを特徴とする請求項6または7に記載の酒類の製造方法。
  9. アセトイン及びジアセチルの経時的な測定値の相関関係から、醪の発酵段階に応じて、当該醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めることを特徴とする請求項8に記載の酒類の製造方法。
  10. 前記醪に含まれるアセトイン量の適正範囲を定めた後、醪に含まれるアセトイン量を測定することで酒類に生じるジアセチルを予測することを特徴とする請求項9に記載の酒類の製造方法。

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