JP6548341B2 - Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 - Google Patents
Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6548341B2 JP6548341B2 JP2017208271A JP2017208271A JP6548341B2 JP 6548341 B2 JP6548341 B2 JP 6548341B2 JP 2017208271 A JP2017208271 A JP 2017208271A JP 2017208271 A JP2017208271 A JP 2017208271A JP 6548341 B2 JP6548341 B2 JP 6548341B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dmts
- sake
- concentration
- amine
- measured
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Alcoholic Beverages (AREA)
Description
前記アミンが、エタノールアミン類、プトレシン、ヒスタミン、β−フェネチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、スペルミジンおよびカダベリンからなる群から選択された少なくとも1つのアミンであり、
サンプルについて、前記アミン、前記硫黄含有化合物および前記糖からなる群から選択された少なくとも一種類の原因物質の濃度を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記原因物質の濃度から、DMTS発生を予測する予測工程とを含むことを特徴とする。
(A)前記清酒におけるアミンの総濃度が、50mg/L未満である
(B)前記清酒における硫黄含有化合物の総濃度が、10mg/L未満である
(C)前記清酒における糖の総濃度が、5g/L以下である
(A)前記清酒におけるアミンの総濃度を50mg/L未満に調節する工程
(B)前記清酒における硫黄含有化合物の総濃度を10mg/L未満に調節する工程
(C)前記清酒における糖の総濃度を5g/L以下に調節する工程
本発明のDMTS発生の予測方法は、前述のように、DMTS発生の原因物質が、アミン、硫黄含有化合物および糖であり、前記アミンが、エタノールアミン類、プトレシン、ヒスタミン、β−フェネチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、スペルミジンおよびカダベリンからなる群から選択された少なくとも1つのアミンであり、サンプルについて、前記アミン、前記硫黄含有化合物および前記糖からなる群から選択された少なくとも一種類の原因物質の濃度を測定する測定工程と、前記測定工程で測定した前記原因物質の濃度から、DMTS発生を予測する予測工程とを含むことを特徴とする。本発明のDMTS発生の予測方法によれば、サンプルにおけるDMTS発生を簡便に予測できる。
(a)前記測定工程で測定した前記アミンの総濃度が、50mg/L以上である
(b)前記測定工程で測定した前記硫黄含有化合物の総濃度が、10mg/L以上である
(c)前記測定工程で測定した前記糖の総濃度が、5g/Lを超える
本発明の清酒の劣化予測方法は、前述のように、本発明のDMTS発生の予測方法により、清酒におけるDMTS発生を予測する工程を含むことを特徴とする。本発明の清酒の劣化予測方法によれば、清酒におけるDMTS発生の予測により、清酒の劣化を簡便に予測できる。
本発明の清酒は、前述のように、下記条件(A)、(B)および(C)のうち少なくとも1つの条件を満たし、下記アミンが、エタノールアミン類、プトレシン、ヒスタミン、β−フェネチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、スペルミジンおよびカダベリンからなる群から選択された少なくとも1つのアミンであることを特徴とする。
(A)前記清酒におけるアミンの総濃度が、50mg/L未満である
(B)前記清酒における硫黄含有化合物の総濃度が、10mg/L未満である
(C)前記清酒における糖の総濃度が、5g/L以下である
本発明の清酒の製造方法は、前述のように、下記工程(A)、(B)および(C)のうち少なくとも1つの工程を含み、下記アミンが、エタノールアミン類、プトレシン、ヒスタミン、β−フェネチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、スペルミジンおよびカダベリンからなる群から選択された少なくとも1つのアミンであることを特徴とする。
(A)前記清酒におけるアミンの総濃度を50mg/L未満に調節する工程
(B)前記清酒における硫黄含有化合物の総濃度を10mg/L未満に調節する工程
(C)前記清酒における糖の総濃度を5g/L以下に調節する工程
アミンを添加した清酒モデル系を強制劣化させ、DMTSの発生量、着色および酸化還元電位を測定した。
下記表1の組成の15%アルコール液を調製し、清酒モデル系とした。前記清酒モデル系において、メチオニンスルホキシドは、前記硫黄化合物として添加した。
10mLの前記清酒モデル系を、容量12mLのガラス製のネジ栓付丸底試験管に分注し、500mg/Lとなるように下記アミノ酸または下記アミンをそれぞれ添加して、サンプルを調製した。前記試験管をネジ栓で密閉し、前記各サンプルを120℃で30分間オートクレーブに供し、強制劣化させた。コントロールは、前記アミノ酸および前記アミン無添加の前記清酒モデル系をそのまま使用する以外は、同様にして強制劣化させた。なお、本実施例では、高温高圧条件下で強制劣化を行っているが、高温高圧条件下における劣化方法によって得られる結果は、常温常圧条件下または低温低圧条件下等における劣化方法によって得られる結果として援用できる。
グリシン
(アミン)
アグマチン、ヒスタミン、チラミン、コリン、β−フェネチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、エタノールアミン、プトレシン、カダベリン、スペルミジン、スペルミン四塩酸塩
前記強制劣化後のサンプルを蒸留水で10倍に希釈し、サンプル10mLを、攪拌子(twister、Gerstel社)を用いて、2時間、600rpmで撹拌後、撹拌子に吸着した成分を熱抽出しガスクロマトグラフ質量分析装置(6890/5973 GC/MSD、Agilent社製)を用いて、下記の条件でDMTS濃度を測定した。
開始温度での保持時間:1分間
昇温速度:10℃/1分間
終了温度:230℃
終了温度での保持時間:15分間
カラムの種類:InertCap FFAP 60m×0.25mm×0.25μm(GL Sciences社製)
前記強制劣化後のサンプルについて、光路長1cmのセルを用いて、吸光光度計(UV-2550、島津製作所社製)により、430nmの吸光度(ABS430)を測定した。
前記強制劣化後のサンプルについて、酸化還元電位計(SWC−201RP、三商社製)を用いて、酸化還元電位を測定した。前記強制劣化後のサンプルの酸化還元電位は、前記サンプルの酸化還元電位の値から、前記コントロール(アミノ酸およびアミン未添加)の酸化還元電位の値を引いた値とした。
前記アミン、前記硫黄化合物および前記糖の濃度を変えたエタノール溶液を強制劣化させ、DMTSの発生量を測定した。
アミンを添加した清酒を強制劣化させ、DMTSの発生量および着色のアミンの濃度依存性を確認した。
酒質が異なる清酒にアミンを添加してから強制劣化を行い、DMTSの発生量と着色とを測定した。
Claims (6)
- 清酒について、DMTS発生の原因物質として、アミンの濃度を測定する測定工程と、
前記清酒におけるアミンの総濃度を50mg/L未満に調節する調節工程とを含み、
前記アミンは、エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、エタノールアミン、プトレシン、カダベリン、およびスペルミジンである、清酒の製造方法。 - 前記測定工程において、前記DMTS発生の原因物質として、硫黄含有化合物の濃度を測定し、
前記硫黄含有化合物は、メチオニン、メチオニンスルホキシド、システイン、シスチン、シスタチオン、タウリン、ホモシステイン、グルタチオン、S−アデノシルメチオニン(SAM)、および5−メチルチオアデノシン(MTA)からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1記載の清酒の製造方法。 - 前記調節工程において、硫黄含有化合物の総濃度を10mg/L未満に調節し、
前記硫黄含有化合物は、メチオニン、メチオニンスルホキシド、システイン、シスチン、シスタチオン、タウリン、ホモシステイン、グルタチオン、S−アデノシルメチオニン(SAM)、および5−メチルチオアデノシン(MTA)からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1または2記載の清酒の製造方法。 - 前記測定工程において、前記DMTS発生の原因物質として、糖の濃度を測定し、
前記糖は、グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、フルクトース、マルトース、イソマルトース、ニゲロース、コージビオース、トレハロース、ネオトレハロース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、イソパノース、ニゲロトリオース、糖アルコール、セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、デキストリンおよびデンプンからなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載の清酒の製造方法。 - 前記調節工程において、糖の総濃度を5g/L以下に調節し、
前記糖は、グルコース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、フルクトース、マルトース、イソマルトース、ニゲロース、コージビオース、トレハロース、ネオトレハロース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、パノース、イソパノース、ニゲロトリオース、糖アルコール、セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、デキストリンおよびデンプンからなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1から4のいずれか一項に記載の清酒の製造方法。 - 前記測定工程で測定した前記原因物質の濃度から、DMTS発生を予測する予測工程を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の清酒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017208271A JP6548341B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017208271A JP6548341B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016115627A Division JP6236123B2 (ja) | 2016-06-09 | 2016-06-09 | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018054618A JP2018054618A (ja) | 2018-04-05 |
JP6548341B2 true JP6548341B2 (ja) | 2019-07-24 |
Family
ID=61836526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017208271A Expired - Fee Related JP6548341B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6548341B2 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3445487B2 (ja) * | 1998-03-04 | 2003-09-08 | 大関株式会社 | 着色しにくい清酒または合成清酒 |
JP2002125652A (ja) * | 2000-10-30 | 2002-05-08 | Miura Co Ltd | 飲料の製造方法および精製方法 |
JP2006345758A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Hakutsuru Shuzo Kk | アミノ基含有化合物除去醸造酒及びその製造方法 |
JP4908296B2 (ja) * | 2007-04-11 | 2012-04-04 | 山形県 | 清酒の処理方法 |
JP5362321B2 (ja) * | 2008-10-29 | 2013-12-11 | 月桂冠株式会社 | 低糖質性清酒、及びその製造法 |
JP5205665B2 (ja) * | 2009-02-27 | 2013-06-05 | 独立行政法人酒類総合研究所 | 清酒の老香発生の程度を予測する方法 |
WO2016136970A1 (ja) * | 2015-02-27 | 2016-09-01 | 国立大学法人九州大学 | 液体中の含硫黄化合物の除去方法 |
JP6236123B2 (ja) * | 2016-06-09 | 2017-11-22 | 月桂冠株式会社 | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 |
-
2017
- 2017-10-27 JP JP2017208271A patent/JP6548341B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018054618A (ja) | 2018-04-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Parker et al. | Contribution of several volatile phenols and their glycoconjugates to smoke-related sensory properties of red wine | |
Galant et al. | Glucose: Detection and analysis | |
Mayr et al. | Determination of the importance of in-mouth release of volatile phenol glycoconjugates to the flavor of smoke-tainted wines | |
Ugliano et al. | Hydrolysis and transformation of grape glycosidically bound volatile compounds during fermentation with three Saccharomyces yeast strains | |
Loscos et al. | Comparison of the suitability of different hydrolytic strategies to predict aroma potential of different grape varieties | |
JP5893852B2 (ja) | アルコール飲料ベース | |
Davidek et al. | Analysis of Amadori compounds by high-performance cation exchange chromatography coupled to tandem mass spectrometry | |
JP6236123B2 (ja) | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 | |
Boido et al. | The effect of bacterial strain and aging on the secondary volatile metabolites produced during malolactic fermentation of Tannat red wine | |
Ziegler et al. | Impact of matrix variables and expertise of panelists on sensory thresholds of 1, 1, 6-trimethyl-1, 2-dihydronaphthalene known as petrol off-flavor compound in Riesling wines | |
Roldán et al. | Evolution of resveratrol and piceid contents during the industrial winemaking process of sherry wine | |
Vestner et al. | Investigation of the volatile composition of pinotage wines fermented with different malolactic starter cultures using comprehensive two-dimensional gas chromatography coupled to time-of-flight mass spectrometry (GC× GC-TOF-MS) | |
Berger et al. | Rapid, direct quantitation of the preservatives benzoic and sorbic acid (and salts) plus caffeine in foods and aqueous beverages using supercritical fluid chromatography | |
Pérez et al. | Modulation of aroma and chemical composition of Albariño semi-synthetic wines by non-wine Saccharomyces yeasts and bottle aging | |
Walther et al. | Development of brewing science in (and since) the late 19th century: molecular profiles of 110–130 year old beers | |
Kong et al. | Spent yeast polysaccharides in mixed alcoholic fermentation between Pichia kluyveri, Pichia fermentans and Saccharomyces cerevisiae retarded wine fruity ester hydrolysis | |
JP6548341B2 (ja) | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 | |
Tokuoka et al. | Analysis of the oligosaccharides in Japanese rice wine, sake, by hydrophilic interaction liquid chromatography–time-of-flight/mass spectrometry | |
Bergler et al. | Dispersive liquid–liquid microextraction for the quantitation of terpenes in wine | |
Lu et al. | Analysis on volatile components of co-fermented fruit wines by Lycium ruthenicum murray and wine grapes | |
Cabrita et al. | Conversion of hydroxycinnamic acids into volatile phenols in a synthetic medium and in red wine by Dekkera bruxellensis | |
Kiyomichi et al. | Investigation into mousy off-flavor in wine using gas chromatography-mass spectrometry with stir bar sorptive extraction | |
JP5954740B2 (ja) | Dmts発生の予測方法、清酒の劣化予測方法、清酒および清酒の製造方法 | |
Duhamel et al. | Facile gas chromatography–tandem mass spectrometry stable isotope dilution method for the quantification of sesquiterpenes in grape | |
JP2015053920A (ja) | 単式蒸留アルコール含有液を含むアルコール飲料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180920 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20181112 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190618 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190624 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6548341 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |