以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る印刷制御装置201の概略構成図を示すブロック図であり、図2は、実施形態に係る印刷制御装置201と画像形成装置(印刷装置)207との接続図である。
図1において、202,203及び204はコネクタである。NIC(Network Interface Card)部101は、LAN212との低位レイヤレベルの接続を司る。RIP(Raster Image Processor)処理部102は、受信したPDLなどの印刷言語或いは特定の(JBIGなどで圧縮された)データをラスタイメージに変換する。エンコード部103は、ラスタイメージを画像形成装置207がサポートする形式の印刷データ或いはデータフォーマットに変換する。NIC部104は、低位レイヤやレベルの接続を司るネットワークインターフェースである。HDD部105は、NIC部101で受信した印刷データを一時的に保管するハードディスクドライブである。第1メモリ部106は、RIP処理部102が画像データの展開処理に利用される。CPU部107は、この印刷制御装置201全体の制御を司る。第2メモリ部108は、CPU部107がプログラムやデータの一時保存領域として利用する。操作部109は、ボタンやキー、タッチパネル等を有し、ユーザが操作して印刷制御装置201に指示するのに使用される。表示部110は、ユーザへのメッセージや各種情報を表示するのに使用される。またIボード部111はイメージインタフェースボードであり、コネクタ204は、このインターフェースのためのコネクタである。Iボード部111及びコネクタ204を介して画像データを転送する。
図2において、端末装置211はネットワーク(LAN)212を介して印刷ジョブを印刷制御装置201に投入する。端末装置211から印刷制御装置201へ送信されるデータパケットはLAN212を伝播し、コネクタ202を介して印刷制御装置201に取り込まれる。印刷制御装置201では、NIC部101によってデータの受信処理が行われる。印刷制御装置201が印刷データを受信すると、CPU部107の制御により、必要に応じてHDD部105へ受信データの書き込みが行われる。これはデータの転送速度を向上させること等を目的として一般的に行われているキューイング(スプール)である。HDD部105に設けられたシーケンシャルキューに印刷ジョブが格納されると、印刷ジョブが格納された順番に印刷が実行される。HDD部105に記憶されたデータは、CPU部107の指示によってRIP処理部102から読み出される。一方、キューイングが行われなかった印刷データはCPU部107の指示によって、直接RIP処理部102に転送される。
こうしてRIP処理部102に送られた印刷データは、RIP処理部102でラスタライズイメージに変換される。続いてエンコード部103が、予め設定されている画像形成装置207が解釈可能なデータ形式と、受信したデータの形式とに基づいて、画像形成装置207が解釈可能なデータ形式へエンコードする。このエンコード処理は必要に応じて行われるため、受信した印刷データの形式がそのままでも画像形成装置207で解釈可能な場合など、エンコードの必要がなければスキップしても良い。こうしてエンコードされたデータは、画像形成装置207が解釈可能な形式である。その形式は例えば、特定の印刷言語形式や、又はJBIG等特定の方法で圧縮されたデータフォーマット等、画像形成装置207が内蔵する解釈手段の能力によって変化する。
こうして必要に応じてエンコードされたデータはLAN210へ送信するためにNIC部104によって再びパケット化されてコネクタ203から送出され、LAN210、コネクタ208を介して画像形成装置207へ送られる。このデータパケットを受信した画像形成装置207は、給紙装置(給紙段)213〜217を有し、自身が有する印刷処理手順に則り、給紙装置から用紙を給紙して印刷処理を行う。また給紙装置は、用紙補給時の給紙装置の開け方によって2種類に分類される。1つは電子ロックを解除して給紙装置を開ける方式を備える電子ロック式の給紙装置である。画像形成装置207が省電力状態の場合は、制御部、インターフェース部、操作部を除き、その動作が停止している。このため、電子ロック式の給紙装置に用紙をセットする際は、まず操作部302(図3)又は、印刷制御装置201からインターフェース部306(図3)を介して制御部308(図3)に対して起動指示を行う。そして画像形成装置207を省電力状態から通常の電力状態に復帰させてから、給紙装置に備わるボタンを押下する必要がある。もう一つは非電子ロック式の給紙装置である。こちらは画像形成装置207が省電力状態のときでも、画像形成装置207を省電力状態から復帰させることなく、給紙装置に備わるボタンを押すことで給紙装置を開けることができる。
他のデータ転送方法では、エンコード部103を介してIボード部111へデータを転送し、このデータがコネクタ204を通り、専用伝送路206を通りコネクタ209を介して画像形成装置207へ送られる。
図3は、実施形態に係る画像形成装置207の構成を示すブロック図である。この画像形成装置207は、装置本体301と画像入出力制御部305とを有している。
装置本体301は、操作部302、リーダ部303、プリンタ部304を有している。操作部302は、ユーザが装置本体301及び画像入出力制御部305を操作するために使用する。リーダ部303は原稿の画像を読み取り、その画像に応じた画像データをプリンタ部304或いは画像入出力制御部305へ出力する。プリンタ部304は、リーダ部303及び画像入出力制御部305からの画像データに応じた画像を記録紙(用紙)に印刷する。
画像入出力制御部305はリーダ部303に接続されており、インターフェース部306、画像メモリ307、制御部308、ハードディスク(HDD)309を備えている。尚、ハードディスク(HDD)309には、この画像形成装置207の各種設定が保存されている。この設定は、例えばアドレス帳、操作履歴、ユーザ設定、ID設定、ネットワーク設定等を含む。
インターフェース部306は、印刷制御装置201及びネットワーク210と制御部308との間のインターフェースである。このインターフェース部306は、印刷制御装置201から転送された画像を表すコードデータをコネクタ209を介して受信し、その受信したデータをプリンタ部304で印刷できる画像データに展開して制御部308に渡す。尚、コネクタ209はネットワークインターフェースで、印刷制御装置201とネットワークを介して接続される構成であっても良い。また、パラレルインターフェースや、USBインターフェース等のインターフェースで、印刷制御装置201とインターフェースケーブル等を介して直接接続される構成であっても良い。また、このケーブルは1本とは限らず多数のケーブルを使用しても構わない。
制御部308は、CPU、ROM、RAM等を含む。この制御部308のCPUがROM又は他の記録媒体に格納されたプログラムをRAMにロードして実行し、リーダ部303、インターフェース部306、及び画像メモリ307等のそれぞれの間のデータの流れを制御する。尚、HDD309の代わりに、電源を落としてもデータが消去されないその他の不揮発性メモリを設け、その不揮発性メモリにデータを保存しておく構成であっても良い。
次に、本実施形態に係る用紙種の登録、給紙装置への用紙種の登録を画像形成装置207で実施する処理(以下、トレイアソシエーションと呼ぶ)を説明する。更に、給紙装置への用紙種の登録を印刷制御装置201から実施する処理(以下、リモートトレイアソシエーションと呼ぶ)について説明する。
まず、画像形成装置207が起動状態(通常の電力供給モード)にあるときの用紙種の登録処理について、図1〜図4及び図15〜図16、図29〜図30を参照して説明する。
印刷制御装置201は、用紙種を管理する用紙種DB(以降、印刷制御装置201の用紙種DB:図15(A))をHDD部105に保持する。一方で、画像形成装置207は図15(B)に示すような用紙種を管理する用紙種DB(以降、画像形成装置207の用紙種DB)をHDD309に保持している。これら2つの用紙種DBは、LAN210を介して同期されており、どちらかの用紙種DBに追加、変更、削除が生じた場合、その用紙種DBの状態を他方に通知する。そして、その用紙種DBの状態を受信すると、それぞれが自身の用紙種DBの状態を更新する。次に用紙種DBの更新について具体例を挙げて説明する。
図15(A)は、印刷制御装置201の用紙種DBの初期状態の一例を示す図である。また、図15(B)は、画像形成装置207の用紙種DBの初期状態の一例を示す図である。図15(A)に示す印刷制御装置201の用紙種DBには3種類の用紙種(普通紙、厚紙、タブ紙)が登録されている。ここで登録される用紙種は、識別子(用紙ID)、用紙名称、用紙サイズ、更に、登録される用紙種が画像形成装置207でも登録済みかどうか(画像形成装置207と同期済みか)を示す情報(「済」或いは「未」)が付与されている。また図15(B)の画像形成装置207の用紙種DBにおいても3種類(普通紙、厚紙、タブ紙)の用紙が登録されている。ここでも登録される用紙種には、識別子(用紙ID)、用紙名称、用紙サイズに関する情報が付与されている。
この用紙種の登録は、印刷制御装置201の表示部110に表示された図29(A)に示す画面と操作部109を介して実施される。図29(A)の画面で、ユーザが操作部109を操作して「用紙種の設定管理」ボタン2902を押下すると、CPU部107は表示部110に図29(B)に示す画面を表示する。
図4は、本発明の実施形態1に係る印刷制御装置201による用紙種の登録処理を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、HDD部105に格納されたプログラムをCPU部107が第2メモリ部(RAM)108に展開して実行することによって実現される。尚、このフローチャートは、画像形成装置207が通常の電力供給状態の場合の処理を説明している。
この処理は、図29(B)に示す画面が表示部110に表示されている状態で開始される。操作部109を介してユーザが「新規登録」ボタン2903を押下し、用紙名称「ユーザ定義紙1」、用紙サイズを「A4」と入力すると、S401でCPU部107は用紙種の登録が指示されたと判断して処理をS402に進める。S402でCPU部107は、HDD部105に格納される印刷制御装置の用紙種DBにアクセスする。そして、登録する用紙種に新規ID「0004」(IDが「0003」までは登録済のため)を割り当て、入力された用紙名称を「ユーザ定義紙1」、用紙サイズ「A4」を用紙種DBへ登録する。こうして登録した後の印刷制御装置201の用紙種DBを図15(C)に示す。図15(C)では、図15(A)に示す初期状態の用紙種の情報に、新たにID「0004」、用紙名称「ユーザ定義紙1」、用紙サイズ「A4」の用紙種が登録され、この時点では画像形成装置207との同期がとれていなので同期は「未」に設定されている。また、図29(B)の画面で登録を完了した後の用紙種登録の画面は図30(A)に示されるようになり、ユーザが登録した「ユーザ定義紙1」が新たに表示されている。こうして登録を完了するとCPU部107は処理をS403に進める。
S403では、CPU部107はNIC部104に指示して、画像形成装置207に印刷制御装置の用紙種DBのデータを送信する。送信された印刷制御装置の用紙種DBのデータはLAN210を経由し、コネクタ208を介して画像形成装置207のHDD309に格納される。この後、画像形成装置207では制御部308がHDD309にアクセスし、画像形成装置の用紙種DBと、受信した印刷制御装置の用紙種DBとを比較する。この比較の結果、印刷制御装置の用紙種DBにID「0004」が追加されているため、制御部308はID「0004」を発行して画像形成装置の用紙種DBに、その用紙種を登録する。
図16(A)は、こうして更新された画像形成装置207の用紙種DBの一例を示す図である。画像形成装置207の用紙種DBの初期状態を示す図15(B)と比較すると明らかなように、図16(A)では、ID「0004」の「ユーザ定義紙1」が新たに登録されている。
こうして画像形成装置の用紙種DBの更新作業が完了すると、制御部308はコネクタ208を介し、LAN210経由で更新の完了を印刷制御装置201に送信する。これによりCPU部107は、画像形成装置207から更新完了を受信するとHDD部105にアクセスして、ID「0004」で登録している用紙種の画像形成装置との同期項目を「未」から「済」に変更して処理をS404に進める。図16(B)は、こうして変更した後の印刷制御装置201の用紙種DBの一例を示す図である。
S404でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの指示を受け付けたかを判定する。リモートトレイアソシエーション指示を受け付けている場合はS405に処理を進める。S405以降の処理は後で説明する。リモートトレイアソシエーション指示を受け付けていない場合は処理をS409に進める。S409ではCPU部107は、印刷指示を受け付けたかどうかを判定する。印刷指示を受け付けていればS410に進んで画像形成装置207を制御して印刷処理を実行し、印刷指示を受け付けていない場合は処理をS411に進める。S411ではCPU部107は、画像形成装置207が省電力状態に遷移したかを判定し、画像形成装置207が省電力状態に遷移していない場合は処理をS401に進める。一方、画像形成装置207が省電力状態に遷移していればS412に進み、画像形成装置207が省電力状態の場合の処理を実行する。
次に画像形成装置207が起動状態にある場合のトレイアソシエーション、及びリモートトレイアソシエーションを、図4及び図16〜図17、図29〜図31を参照して説明する。
図16(C)は、実施形態に係る画像形成装置207のHDD309に保持される用紙登録DBの一例を示す図である。以降、この画像形成装置207が有する用紙登録DBを、画像形成装置の用紙登録DBと呼ぶ。画像形成装置207は自身が具備する給紙装置213〜217のそれぞれに用紙を登録する機能(トレイアソシエーション)を有する。画像形成装置の用紙登録DBは、給紙装置番号、登録されている用紙種の識別子(ID)、用紙サイズ、用紙残量数、更に、給紙装置の機構が電子ロック式か否かという情報を保持している。例えば、給紙装置番号が「1」の給紙装置213には、印刷制御装置の用紙種DBにID「0001」で登録されている「普通紙」が登録されていることを示す。またこの用紙の用紙サイズは「A4」、用紙残量数は「200」枚、給紙装置のタイプは「非電子ロック式」であることを示している。同様に、給紙装置番号が「2」及び「3」の給紙装置214,215には、それぞれ、用紙種ID「0002」、「0003」の厚紙、タブ紙が登録されている。また給紙装置番号が「4」及び「5」の給紙装置216,217には用紙が登録されていない。この状態で画像形成装置207に対して「厚紙」を使用する印刷ジョブが投入されると、図16(A)(C)から「厚紙」が登録されている給紙装置番号が「2」の給紙装置214から給紙が行われて印刷が実行されることになる。
図17(A)は、実施形態に係る印刷制御装置201のHDD部105で保持される用紙登録DBのデータの一例を示す図である。以降、この用紙登録DBを印刷制御装置が有する画像形成装置の用紙登録DBと呼ぶ。
この用紙登録DBは、画像形成装置207の給紙装置213〜217に登録される用紙種の識別子(ID)、用紙サイズ、用紙残量数、給紙装置のタイプ、用紙の仮登録がなされているかを示す情報を保持する。用紙の仮登録については後述する。ここで、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBと、印刷制御装置201が有する画像形成装置の用紙登録DBは、各給紙装置に対して登録されているID、用紙サイズ、用紙残量数、給紙装置タイプが同期されている。例えば、画像形成装置207でトレイアソシエーションが行われると、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBが更新される。そして画像形成装置207から印刷制御装置201に対して、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBが送信される。こうして印刷制御装置201は、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBを受信すると、印刷制御装置201が有する画像形成装置の用紙登録DBを更新する。逆に、印刷制御装置201から画像形成装置207に対してトレイアソシエーションを実施することができる。この機能をリモートトレイアソシエーションと呼ぶ。
次に、このリモートトレイアソシエーションについて説明する。尚、印刷制御装置201の用紙種DBは、図16(B)に示すものとし、画像形成装置207の用紙種DBは、図16(A)に示すものとする。また、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBの初期状態は図16(C)に示すものを使用し、印刷制御装置201が有する画像形成装置の用紙登録DBは、図17(A)に示すものを使用する。
図4において、S404でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションが指示されたか否かを判定する。リモートトレイアソシエーションの登録は図29(A)に示す画面から実施する。即ち、ユーザが操作部109を操作して「給紙装置への用紙設定」ボタン2901を押下すると、CPU部107は表示部110に図30(B)に示す画面を表示する。この画面でユーザが操作部109を介して設定ボタン3001を押下し、「ユーザ定義紙1」を選択すると、CPU部107はリモートトレイアソシエーション指示と受けたと判定して処理をS405に進める。この設定ボタン3001の押下は、給紙装置番号が「4」である給紙装置216に対する用紙の登録を指示するものである。
S405では、CPU107はHDD部105にアクセスし、実行しようとするリモートトレイアソシエーションが既に予約リストに登録されているか否かを判定する。リモートトレイアソシエーションの予約及び予約リストに関しては後述する。S405で予約リストのリモートトレイアソシエーションを実施する場合はS406に進み、CPU部107は、選択されたリモートトレイアソシエーションを実施する。そしてS407に進みCPU部107は、その実行されたリモートトレイアソシエーションを予約リストから削除する。ここでは予約リスト内のリモートトレイアソシエーションを実施しない場合で説明する。この場合、CPU部107は処理をS408に進める。
S408でCPU部107は、HDD部105の印刷制御装置201が有する画像形成装置の用紙登録DB(図17(A))にアクセスし、指示された「ユーザ定義紙1」のID「0004」を給紙装置番号が「4」の給紙装置のID列に入力する。図17(B)は給紙装置番号「4」の給紙装置に「ユーザ定義紙1」が登録された状態を示す。この後、印刷制御装置201は、印刷制御装置が有する画像形成装置の用紙登録DBを画像形成装置207に送信する。
これにより画像形成装置207は、印刷制御装置201より印刷制御装置が有する画像形成装置の用紙登録DBを受信すると、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBを更新する。図17(C)は、画像形成装置207が更新した後の画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBを示す。こうしてリモートトレイアソシエーションが完了すると、印刷制御装置201のCPU部107は、表示部110に図31に示す画面を表示させる。ここで、画像形成装置207の給紙装置番号が「4」の給紙装置216に「ユーザ定義紙1」が登録されていることが分かる。その後、CPU107は処理をS409に進める。
次に本実施形態の特徴である、画像形成装置207が省電力状態にあるときに、印刷制御装置201で用紙種の登録、リモートトレイアソシエーションを受け付けた場合の処理について、図4〜図8、及び図15、図16〜図20を参照して説明する。
まず初期状態として、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図15(B)に示すものとし、印刷制御装置201の用紙種DBの状態は図15(A)に示すものとする。更に、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBは図16(C)に示すものとし、印刷制御装置201が有する画像形成装置の用紙登録DBは、図17(A)に示すものとする。
まず、画像形成装置207が省電力状態にあるときに用紙種の登録指示がなされ、その登録指示がキャンセルされたときの印刷制御装置201の処理について説明する。処理に関する説明は、図4のS401から行う。
S401において、CPU部107は、用紙種の登録が指示されたかを判定する。用紙種の登録が指示されていない場合は処理をS404に進める。S404ではCPU部107は、リモートトレイアソシエーション指示を受け付けたか否かを判定する。リモートトレイアソシエーション指示を受け付けていない場合は処理をS409に進める。S409ではCPU部107は、印刷指示を受け付けたか否かを判定する。印刷指示を受け付けていない場合は処理をS411に進める。S411ではCPU部107は、画像形成装置207が省電力状態に遷移したか否かを判定する。ここで画像形成装置207が省電力状態に遷移していると判定した場合は処理をS412に進める。次にS412の処理の詳細を図5を参照して説明する。
図5は、図4のS412における画像形成装置207が省電力状態の場合の印刷制御装置201の処理を説明するフローチャートである。
S501において、CPU部107はNIC部104に指示して、画像形成装置207に対して、全ての給紙装置213〜217に収容されている用紙のサイズと用紙残量数を要求する。この要求はLAN210を経由し、コネクタ208を介して画像形成装置207のHDD309に格納される。この後、画像形成装置207において、制御部308がHDD309にアクセスし、全ての給紙装置213〜217の用紙サイズと用紙残量数の要求を確認する。そして制御部308はHDD309に格納される用紙登録DB(図16(C))にアクセスして、全ての給紙装置213〜217の用紙サイズと用紙残量数を取得する。更に、制御部308はその取得した結果を、コネクタ208を介しLAN210経由で印刷制御装置201に送信する。画像形成装置207から全ての給紙装置213〜217の用紙サイズと用紙残量数を受信すると、CPU部107はHDD部105にアクセスし、用紙登録DBの給紙装置の用紙サイズと用紙残量数を更新する。
図17(A)は、更新完了後の印刷制御装置201の用紙登録DBのデータを説明する図である。
その後、処理をS502に進める。S502でCPU部107は、画像形成装置207より省電力状態からの復帰通知を受けたか否かを判定する。画像形成装置207より省電力状態からの復帰通知を受けていない場合は処理をS503に進める。S503でCPU部107は、ユーザが操作部109を操作して、前述の図29(A)に示す画面を起動して「給紙装置への用紙設定」ボタン2901を押下して図29(B)に示す画面を表示する。そして「新規登録」ボタン2903を押して、用紙名称を「ユーザ定義紙1」、用紙サイズを「A4」として入力したとする。この場合は、CPU部107は処理をS503からS504に進める。S504でCPU部107は、用紙種の登録判定処理を行う。このS504の処理の詳細は図6のフローチャートに示す。
図6は、図5のS504の用紙登録の処理を説明するフローチャートである。
S601でCPU部107は、表示部110に図18(A)に示す画面を表示させる。図18(A)は、画像形成装置が省電力状態にあることを警告する画面例を示す図である。この画面では、画像形成装置207が省電力状態であるため、画像形成装置207を通常の電力状態に復帰させて用紙登録を行うか、或いは画像形成装置207を通常の電力状態に復帰させずに仮登録を行うか、用紙登録処理をキャンセルするかを指示できる。
この画面で、ユーザがキャンセルボタン1801を押下すると、CPU部107はキャンセルが選択された旨をHDD部105に書き込んで処理をS602に進める。S602でCPU部107は、用紙登録処理の実行が指示されたかを判定する。S602でCPU部107が用紙登録の実行が指示されていないと判定した場合は処理をS604に進め、CPU部107は、画像形成装置207を起動させずに印刷制御装置201に用紙の仮登録を実行する指示がなされているかを判定する。この場合はキャンセルしているため、この用紙登録の判定処理を終了して処理を図5のS505に進める。S505でCPU部107は、用紙の登録がキャンセルされたかを判定する。ここでは用紙の登録がキャンセルされているため処理をS502に進める。
次に画像形成装置207が省電力状態にあるときに印刷制御装置201で用紙登録の指示がなされ、画像形成装置207を起動させずに印刷制御装置201に用紙を登録する指示がなされた場合の印刷制御装置201の処理について説明する。この場合は、図18(A)でボタン1802が押された場合に該当する。この処理に関する説明は、図4のS401から行う。この場合、処理はS401,S404,S409,S411,S412,S501〜S504,S601と進むが、その詳細は割愛する。
S601でCPU部107が、図18(A)の画面上でユーザが「画像形成装置は起動させずに、印刷制御装置に用紙を仮登録」ボタン1802を押下したと判定すると、その旨をHDD部105書き込んで処理をS602に進める。S602でCPU部107は、用紙の登録処理の実行が指示されたかを判定する。S602で用紙登録処理の実行が指示されているときはCPU部107はS603に処理を進め、画像形成装置207を通常の電力供給状態に復帰するように指示して、この処理を終了する。ここでは用紙登録の実行が指示されていないため処理をS604に進める。S604でCPU部107は、画像形成装置は起動させずに印刷制御装置に用紙登録を実行する指示がなされているかを判定する。画像形成装置を起動させずに印刷制御装置に用紙登録を実行する指示がされている場合は処理をS605に進める。S605でCPU部107は、HDD部105に格納される印刷制御装置の用紙種DBにアクセスする。そして新規ID「0004」を割り当て、入力された用紙名称「ユーザ定義紙1」、用紙サイズ「A4」と共に用紙種DBへ登録する。こうして登録した後の印刷制御装置201の用紙種DBを図15(C)に示す。
こうして用紙種の登録を完了すると、CPU部107は画像形成装置の用紙種DBとの同期をとらずに処理を終了してS505に進める。S505では、CPU部107は、用紙種の登録がキャンセルされたかを判定する。この場合は、用紙種の登録がキャンセルされていないので処理をS506に進める。S506でCPU部107は、画像形成装置207を起動させる指示がなされたか否かを判定する。ここでは画像形成装置を起動させる指示がなされていないため処理をS502に進める。
こうして、印刷制御装置201で「給紙装置への用紙設定」ボタン2901が押されたときに画像形成装置207が省電力状態であれば、印刷制御装置201の用紙種DBに、画像形成装置207に登録したい用紙種を仮登録することができる。この場合は、画像形成装置207を起動させることがないため、画像形成装置207は省電力状態のままである。
次に画像形成装置207が省電力状態にあるときに印刷制御装置201でリモートトレイアソシエーションが指示され、リモートトレイアソシエーションのキャンセルが指示されたときの印刷制御装置201の処理について説明する。この処理に関する説明は、図4のS401から開始され、S404,S409,S411〜S412,S501〜S503,S508と進むがその詳細は割愛する。
ユーザが図29(A)、図30(B)の画面を操作部109から操作して、「ユーザ定義紙1」を番号「4」の給紙装置216に登録するように指示すると、CPU部107は処理をS512に進める。S512ではリモートトレイアソシエーション判定処理を行う。この処理の詳細は図7に示す。
図7は、図5のS512のリモートトレイアソシエーション判定処理を説明するフローチャートである。
S701でCPU部107は表示部110に図19(A)に示す警告画面を表示させる。この警告画面上でユーザがキャンセルボタン1901を押下した場合、CPU部107はキャンセルが選択された旨をHDD部105に書き込んで処理をS702に進める。S702でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの実行指示がされたかを判定する。S702でリモートトレイアソシエーションの実行指示がされているときはCPU部107はS703に処理を進め、画像形成装置207を通常の電力供給状態に復帰するように指示して、この処理を終了する。
ここではリモートトレイアソシエーションの実行指示がされていないため、処理をS704に進める。S704でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置に予約する処理が選択されたかを判定する。ここではリモートトレイアソシエーションを印刷制御装置に予約する処理が選択されていないため、このリモートトレイアソシエーション判定処理を終了して処理を図5のS513に進める。S513でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの指示がキャンセルされているため処理をS502に進める。
次に、画像形成装置207が省電力状態にあるときに印刷制御装置201でリモートトレイアソシエーションが指示され、リモートトレイアソシエーションの予約リストにリモートトレイアソシエーションを予約するように指示されたときの処理を説明する。この処理に関する説明は、図4のS401から処理を開始し、S404,S409,S411〜S412,S501〜S503,S508,S512,S701と進むがその詳細は割愛する。
S701で、ユーザが図19(A)の画面で「画像形成装置を起動させずに、印刷制御装置にリモートトレイアソシエーションを予約」ボタン1902を押下した場合を説明する。このときS701でCPU部107は、画像形成装置を起動させず、印刷制御装置にリモートトレイアソシエーションを予約する旨が選択されたことをHDD部105書き込んで処理をS702に進める。S702でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを実行する指示がなされているかを判定する。ここではリモートトレイアソシエーションを実行する指示がなされていないため処理をS704に進める。S704でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置に予約する指示がなされているかを判定する。ここではリモートトレイアソシエーションを印刷制御装置に予約する指示がなされているため処理をS705に進める。S705ではリモートトレイアソシエーション予約処理を行う。この処理の詳細は図8に示す。
図8は、図7のS705のリモートトレイアソシエーション予約処理を説明するフローチャートである。
S801でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションが指示されている給紙装置に、既にリモートトレイアソシエーションが予約されているか否かを判定する。例えば、番号「4」の給紙装置216に対するリモートトレイアソシエーションが予約されていない場合は処理をS804に進める。S804でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーションの予約リストに、指示された給紙装置216の給紙装置番号「4」と、登録指示された用紙ID「0004」を登録する。
図20(B)は、S804で登録したリモートトレイアソシエーションの予約リストの一例を示す図である。
更に、CPU部107はHDD部105の(印刷制御装置が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、番号「4」の給紙装置216の用紙の仮登録項目を「有」に更新する。こうして印刷制御装置201の用紙登録DBの更新が完了した状態を図17(D)に示す。
こうして印刷制御装置201の用紙登録DBの更新を完了するとリモートトレイアソシエーション予約処理を終了して処理を図5のS513に進める。S513でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの指示がキャンセルされたかを判定する。ここではリモートトレイアソシエーションの指示がキャンセルされていないため処理をS514に進める。S514でCPU部107は、画像形成装置207の起動が指示されたかを判定する。ここでは画像形成装置207の起動が指示されていないため処理をS502に進める。またS514で画像形成装置207の起動が指示されるとS515に進み、画像形成装置207に復帰コマンドを送信してS507に進む。
この処理によれば、画像形成装置207が省電力状態にあるときに印刷制御装置201でリモートトレイアソシエーションが指示されると、画像形成装置207を起動させずに、印刷制御装置201にリモートトレイアソシエーションの予約を登録できる。そして後述するように、画像形成装置207が省電力状態から復帰したときに、その予約しているリモートトレイアソシエーションを実行できる。
続いて、画像形成装置207が省電力状態から復帰したときの印刷制御装置201の処理を説明する。まず、画像形成装置207が省電力状態の間に用紙登録、リモートトレイアソシエーションが指示されないまま、画像形成装置207が省電力状態から復帰した場合の処理を、図5、図15〜図17を参照して説明する。尚、初期状態として、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図15(B)に示すものとし、印刷制御装置201の用紙種DBの状態は図15(A)に示すものとする。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図16(C)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図17(A)に示すものとする。また印刷制御装置201は、画像形成装置207が自身で省電力状態から復帰してきたことを通知されたときは、その旨をCPU部107がHDD部105に書き込むものとする。
この説明は図5のS501から開始し、S502と進むがその詳細は割愛する。S502でCPU部107は、画像形成装置207より省電力状態から復帰通知を受けたかを判定する。ここでは画像形成装置207から省電力状態からの復帰通知を受けているため処理をS510に進める。S510でCPU部107は、HDD部105の印刷制御装置の用紙種DBにアクセスし、画像形成装置207と未同期の用紙種の有無を確認する。また、リモートトレイアソシエーションの予約リストにアクセスし、予約されているリモートトレイアソシエーションがあるかを判定する。ここでは画像形成装置207と未同期の用紙種が無く、かつ予約されているリモートトレイアソシエーションが無いため、この処理を終了する。
次に、画像形成装置207が省電力状態の間に用紙種の登録、リモートトレイアソシエーションが指示され、その後、画像形成装置207が省電力状態から復帰した場合の処理について、図5、図9〜図10、図15〜図17、図20を参照して説明する。尚、初期状態として、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図15(B)に示すものとし、印刷制御装置の用紙種DBの状態は図15(C)に示すものとする。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図16(C)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図17(C)に示すものとする。またリモートトレイアソシエーションの予約リストは図20(B)に示すものとする。
この説明は図5のS501から開始し、502,S510と進むがその詳細は割愛する。S510でCPU部107は、画像形成装置207と未同期の用紙種があるか、又は、予約されているリモートトレイアソシエーションがある判定する。ここでは未同期の用紙種があるため処理をS507に進める。S507でCPU部107は、画像形成装置207の復帰処理を行う。
図9は、図5のS507の画像形成装置207の復帰処理を説明するフローチャートである。
S901でCPU部107は、画像形成装置207から省電力状態からの復帰通知を受けたかを判定する。ここでは復帰通知を受けているため処理をS902に進める。S902でCPU部107は、HDD部105の用紙種DBにアクセスし、画像形成装置207と未同期の用紙があるかを判定する。ここでは図15(C)に示すように、用紙種DBには画像形成装置207と未同期の用紙が存在するため処理をS903に進める。S903でCPU部107は、HDD部105の用紙種DBにアクセスし、画像形成装置207と用紙種の同期処理を行う。この用紙種の同期処理については説明済みなので、その説明を割愛する。こうして同期処理を完了した後の印刷制御装置201の用紙種DBを図16(B)に示す。またこの用紙種の同期処理を完了した後の画像形成装置207の用紙種DBを図16(A)に示す。こうして用紙種の同期処理を完了すると処理をS904に進める。
S904でCPU部107は、画像形成装置207が自身で省電力状態から復帰したか否かを判定する。ここでは画像形成装置207が自身で復帰してきたと判定して処理をS905に進める。S905では、画像形成装置の第1の復帰処理を行う。
図10は、図9のS905の画像形成装置207の第1の復帰処理を説明するフローチャートである。
S1001でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、リモートトレイアソシエーションが予約されているか否かを判定する。ここでは予約リストにリモートトレイアソシエーションの予約があるため処理をS1002に進める。
図20(C)は、画像形成装置207が省電力状態から復帰する時のトレイアソシエーションの設定画面例を示す図である。
印刷制御装置201では、画像形成装置207が省電力状態から復帰したとき、予約されているリモートトレイアソシエーションを実施するか、実施しないかを事前に設定している。ユーザが操作部109を操作し、画像形成装置207が復帰した時のトレイアソシエーションに関する設定の実施を指示したとき、印刷制御装置201のCPU部107は表示部110に指示して、この画面を表示させる。2001は、画像形成装置207が省電力状態から復帰したときに、リモートトレイアソシエーションの予約リストにリモートトレイアソシエーションが予約されている場合、リモートトレイアソシエーションを実施するか否かを指定するための項目である。ここでユーザが操作部109から「実施しない」2002を選択してOKボタン2003を押下すると、CPU部107はリモートトレイアソシエーションを実施しない旨をHDD部105に登録して登録処理を終了する。この場合、画像形成装置207が省電力状態から復帰したときに、リモートトレイアソシエーションの予約リストに登録されていても、リモートトレイアソシエーションを実施しない。
またユーザが「実施する」2004を選択すると、CPU部107は、画像形成装置207が省電力状態から復帰したとき、リモートトレイアソシエーションの予約がある場合、それを実施する旨をHDD部105に登録して登録処理を終了する。
図10のS1002でCPU部107は、図20(C)の画面で設定された画像形成装置207が復帰した時のリモートトレイアソシエーションの実施の有無を判定する。リモートトレイアソシエーションを実施しないと設定されていると判定した場合は、この処理を終了する。
一方、S1002でリモートトレイアソシエーションを実施すると設定されていると判定した場合は処理をS1003に進める。S1003でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの予約が1つの給紙装置に対して複数登録可能か否かを判定する。リモートトレイアソシエーションの予約を1つの給紙装置に対して複数予約する処理(リモートトレイアソシエーションの重複登録)に関しては後述する。ここでは、リモートトレイアソシエーションの重複登録は許可しない設定であるとして説明を進める。この場合は処理をS1004に進める。
S1004でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、予約されているリモートトレイアソシエーションを全て実施する。図20(B)のリモートトレイアソシエーション予約リストには、番号「4」の給紙装置216に対してID「0004」の用紙種を関連付ける処理が登録されている。
CPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、指示された「ユーザ定義紙1」のID「0004」を番号「4」の給紙装置のID列に入力する。この後CPU部107は、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBを画像形成装置207に送信し、画像形成装置207が有する画像形成装置の用紙登録DBと同期処理を行う。こうして画像形成装置の用紙登録DBを更新した後の(画像形成装置が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図17(C)に示す。こうして画像形成装置の用紙登録DBの更新を完了すると処理をS1005に進める。S1005でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、実施したリモートトレイアソシエーションを消去して処理をS1007に進める。S1007でCPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、リモートトレイアソシエーションを実施した番号「4」の給紙装置における「用紙の仮登録」項目を「有」から「無」に更新する。この更新後の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図17(B)に示す。その後、この処理を終了する。
この処理により、画像形成装置207が省電力状態のときに印刷制御装置201でリモートトレイアソシエーションが指示されると、画像形成装置207を起動させずに、そのリモートトレイアソシエーションを予約しておく。そして、画像形成装置207が省電力状態から復帰したときに、その予約しているリモートトレイアソシエーションを実行して、印刷制御装置201と画像形成装置207のそれぞれに登録している用紙種と給紙装置への用紙登録を同期させることができる。これにより、画像形成装置207の省電力状態をできるだけ維持させながら、印刷制御装置201と画像形成装置207との用紙種DBと用紙登録DBを同期させることができる。
次に、画像形成装置207が省電力状態にあるときに、印刷制御装置201に対して印刷指示がなされたときの画像形成装置207の復帰処理について、図5、図9、図15〜図16、図17、図20、図22〜図24を参照して説明する。尚、初期状態として、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図15(B)に示すものとし、印刷制御装置201の用紙種DBの状態は図15(C)に示すものとする。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図24(A)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図17(C)に示すものとする。更に、リモートトレイアソシエーション予約リストの状態は図20(B)に示すものとする。処理は図5のS501から行う。処理はS501〜S502,S508,S509と進むがその詳細は割愛する。
ユーザが用紙種「ユーザ定義紙1」を指定して印刷ジョブを印刷制御装置201に投入するとCPU部107はHDD部105にアクセスし、印刷ジョブが投入されて画像形成装置207を起動させる旨を記憶して処理をS509からS515に進める。そしてS515で画像形成装置207に復帰コマンドを送信して復帰させる。そしてS507に進める。S507では図9のフローチャートで示す画像形成装置207の復帰処理を行う。
S901でCPU部107は、画像形成装置207より省電力状態からの復帰したことを示す復帰通知を受けたかを判定する。ここでは復帰通知を受けているため処理をS902に進める。S902でCPU部107は、画像形成装置207と未同期の用紙種があるかを判定する。ここでは図15(C)に示すように、印刷制御装置201に記憶している用紙種DBには画像形成装置207と未同期の用紙が存在するため処理をS903に進める。S903でCPU部107は、HDD部105の用紙種DBにアクセスし、画像形成装置207と用紙種DBと同期処理を行う。この用紙種の同期処理については説明済みなので、その詳細な説明を割愛する。こうして同期処理が完了した後の印刷制御装置の用紙種DBを図16(B)に示す。また、同期処理完了後の画像形成装置の用紙種DBを図16(A)に示す。こうして用紙種DBの同期が完了すると処理をS904に進める。
S904でCPU部107は、画像形成装置207が自身で復帰してきたかを判定する。ここでは画像形成装置207が自身で復帰していないため処理をS906に進める。S906でCPU部107は、印刷ジョブが投入されて画像形成装置207が起動したかどうかを判定する。ここでは印刷ジョブが投入されて画像形成装置207が起動したため処理をS907に進める。S907では、画像形成装置207の第2の復帰処理を行う。
図12は、図9のS907の画像形成装置207の第2の復帰処理を説明するフローチャートである。
S1201でCPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、指定された用紙種「ユーザ定義紙1」が給紙装置に本登録されているかを判定する。この場合は図17(D)に示すように「ユーザ定義紙1」の用紙ID「0004」は登録されていないため処理をS1203に進める。S1203でCPU部107は、印刷ジョブで指定される用紙種がリモートトレイアソシエーション予約リストに存在するか否かを判定する。ここでリモートトレイアソシエーション予約リストに、印刷ジョブで指定される用紙種が存在しない場合はS1204に処理を進める。S1204でCPU部107は表示部110に図22(B)に示す画面を表示させ、ユーザに用紙登録の設定を促して処理をS1201に進める。
ここでは、図20(B)のリモートトレイアソシエーションの予約リストに、印刷ジョブで指定される「ユーザ定義紙1」が登録されているためS1203からS1205に処理を進める。S1205でCPU部107は、リモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、印刷ジョブで指示されている用紙種を使用するリモートトレイアソシエーションが複数登録されているかを判定する。図20(B)では、印刷ジョブで指示されている用紙種を使用するリモートトレイアソシエーションが複数登録されていないため処理をS1208に進める。
図13は、図12のS1208のリモートトレイアソシエーションと印刷処理を説明するフローチャートである。
S1301でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、印刷ジョブで指示される用紙ID「0004」が何番目の給紙装置にリモートトレイアソシエーション予約されているかを確認する。図20(B)では、用紙ID「0004」は4番目の給紙装置にリモートトレイアソシエーション予約されている。これによりCPU部107は、印刷ジョブで指示される用紙ID「0004」が4番目の給紙装置にリモートトレイアソシエーション予約されていることを確認する。そして、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DB(図17(C))にアクセスし、4番目の給紙装置216のタイプを確認する。
図17(C)において、番号「4」の給紙装置216の給紙装置タイプは非電子ロック式であることを確認すると処理をS1302に進める。S1302でCPU部105は、HDD部105の印刷制御装置の用紙種DBにアクセスし、用紙ID「0004」の用紙サイズと、ID「0004」の用紙がリモートトレイアソシエーション予約されている4番目の給紙装置の用紙サイズとを取得する。こうして取得した値をHDD部105に書き込んで処理をS1303に進める。S1303でCPU部107は、用紙ID「0004」の用紙サイズと、4番目の給紙装置の用紙サイズとを比較する。この比較の結果、用紙サイズの値が一致しなければ処理をS1304に進める。S1304でCPU部107は、表示部110に図23(B)に示す画面を表示させて処理をS1302に進める。一方、S1303の比較の結果、用紙サイズの値が一致するとCPU部107が判定した場合は処理をS1305に進める。S1305では用紙セット判定処理を行う。
図14は、図13のS1305の用紙セット判定処理を説明するフローチャートである。
このフローチャートを説明する前に、図23(A)を参照して用紙セット判定処理に関する設定について説明する。
図23(A)は、S1305の用紙セット判定処理に関する設定を行う画面の一例を示す図である。
2301は、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後で給紙装置の用紙サイズが変化したときにリモートトレイアソシエーションを実施するかを決定する設定項目である。2302は、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後で給紙装置の用紙残量値が変化したときにリモートトレイアソシエーションを実施するかを決定する設定項目である。ユーザが操作部109を操作し、「実施しない」2303或いは「実施する」2304を選択し、また「実施しない」2305、或いは「実施する」2306を選択したとする。また実施する」2306を選択したとき、ユーザがボタン2307を操作して設定欄2308に、用紙残量値の閾値「100」を表示させて「OK]ボタン2309を押下する。このときCPU部107は、これら設定値をHDD部105に記憶する。
これら設定が事前になされている状態で、S1401でCPU部107は、省電力状態への移行の前後で画像形成装置207で用紙サイズの変化があるときにリモートトレイアソシエーションを実施する設定がなされているかを判定する。ここで、この設定がなされていないときはS1402からS1402に処理を進める。S1402でCPU部107は、画像形成装置が省電力状態に移行する前後で給紙装置の用紙残量値が変化したときにリモートトレイアソシエーションを実施するように設定されているかどうかを判定する。そのように設定されているとS1402からS1412に進むが、そうでないときはS1421に進む。S1421では、CPU部107は表示部110に図23(B)に示す画面を表示させて用紙のセットを促して処理をS1419に進める。この後、ユーザが給紙装置の用紙の入れ替えを実施している間はS1419,S1420を実行し、ユーザが用紙を入れ替えて図23(B)の画面のYESボタン2310を押下すると、CPU部107はHDD部105に用紙が入れ替えられたことを書き込む。こうしてS1419でCPU部107は、ユーザによって用紙入れ替えが行われたかを判定すると、処理をS1403に進める。
一方、S1401でCPU部107は、図23(A)の画面の2301で「実施する」2304が選択されていると判定したときは処理をS1405に進める。S1405でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションが指示されている4番目の給紙装置の省電力状態に入る前の用紙サイズを取得して処理をS1406に進める。S1406でCPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、リモートトレイアソシエーション予約されている4番目の給紙装置の用紙サイズを取得して処理をS1407に進める。S1407でCPU部107は、S1405とS1406で取得した2つの用紙サイズを比較する。この比較の結果、用紙サイズが同じ場合は処理をS1408に進める。
S1408でCPU部107は、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後で給紙装置の用紙残量値が変化したときにリモートトレイアソシエーションを実施する設定がなされているかを判定する。これは図23(A)の画面で、「実施する」ボタン2306が押されて、図23(A)の2302で示す事項を実施すると設定されているかどうかの判定である。ここでCPU部107が、その設定がなされていないと判定すると処理をS1409に進める。S1409でCPU部107は、表示部110に図23(B)に示す画面を表示させて、処理をS1410に進める。この後S1401とS1411を実行している間にユーザが給紙装置の用紙入れ替えを実施して図23(B)の「YES」ボタン2310を押下すると、CPU部107はHDD部105に、その給紙装置の用紙が入れ替えられたことを書き込む。尚、S1410でCPU部107はHDD部105にアクセスし、ユーザによって用紙入れ替えが行われたかを判定し、ユーザによって用紙入れ替えが行われたと判定した場合は処理をS1403に進める。
一方、S1408でCPU部107が、画像形成装置が省電力状態に移行する前後で給紙装置の用紙残量値が変化したときにリモートトレイアソシエーションを実施するように設定されていると判定した場合は処理をS1412に進める。S1412でCPU部107は、リモートトレイアソシエーション指示がなされている4番目の給紙装置の省電力状態に入る前の用紙残量値を取得する。今回の場合は「0」が用紙残量値として取得されるものとする。次にS1413に処理を進めCPU部107は、NIC部104経由で画像形成装置207に対し、リモートトレイアソシエーション指示がなされている4番目の給紙装置の用紙残量数を要求する。そして画像形成装置207から返信された値(今回は「150」が取得されるとする)をHDD部105に書き込んで処理をS1414に進める。S1414でCPU部107は、S1412とS1413とで取得した2つの用紙残量の差を算出する。今回の場合、差分は「150」となる。この計算した結果を、図23(A)の設定欄2308で指定してHDD部105に記憶した閾値「100」と比較する。この比較した結果、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後の用紙残量の変化が、設定欄2308で指定してHDD部105に記憶した閾値「100」よりも大きいため処理をS1403に進める。
一方、S1414でCPU部107が、比較した結果、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後の用紙残量の変化が、閾値「100」よりも小さいと判定した場合は処理をS1415に進める。S1415でCPU部107は、表示部110に図23(B)に示す画面を表示させて処理をS1416に進める。この後、CPU部1207が、ユーザが用紙の入れ替えを実施して「YES」ボタン2310を押下したと判定すると、HDD部105に用紙が入れ替えられたことを書き込む。そしてS1416に進み、S1416とS1417を実行中にCPU部107が、ユーザによって用紙入れ替えが行われたと判定した場合は処理をS1403に進める。S1403でCPU部107は、選択されたリモートトレイアソシエーションを実行する。今回の場合、4番目の給紙装置にID「0004」の用紙種が登録される。このリモートトレイアソシエーション実行後の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図20(A)に示す。また、リモートトレイアソシエーション実行後の(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図24(B)に示す。
こうしてS1403でリモートトレイアソシエーションを完了した後、処理をS1404に進める。S1404でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、S1403で実施したリモートトレイアソシエーションを予約リストから削除する。こうして削除が完了すると、この用紙セット判定処理を終了して処理を図13の印刷処理にS1311に進める。S1311では、CPU部107は画像形成装置207に印刷を指示して処理を図12のS1209に進める。
S1209でCPU部107は、画像形成装置207の第1の復帰処理を実施し、予約リストにリモートトレイアソシエーションが登録されている場合にそれを実施する。画像形成装置207の第1の復帰処理については、図10のフローチャートを参照して説明済みなのでその詳細は割愛する。
このように、画像形成装置207が省電力状態に移行する前後で用紙残量数に一定値以上の変化があった場合は、画像形成装置207が省電力状態の間に、対象となる用紙が補充されたと判定する。これにより、ユーザに対する用紙の入れ替えを問い合わせるステップを省いてリモートトレイアソシエーションや印刷処理を実行を実施することができる。
また画像形成装置207が省電力状態に移行する前後で、対象となる給紙装置の用紙のサイズに変化があった場合は、画像形成装置207が省電力状態の間に、対象となる用紙が補充されたと判定する。これにより、ユーザに対する用紙の入れ替えを問い合わせるステップを省いてリモートトレイアソシエーションや印刷処理を実行を実施することができる。
次に画像形成装置207が省電力状態にあるときに、印刷制御装置201に対して印刷指示がなされた場合の画像形成装置207の復帰処理を、図1〜図3、図5、図9、図12〜図14、図15〜図16、図22〜図26を参照して説明する。尚、初期状態として、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図15(B)に示すものとし、印刷制御装置201の用紙種DBの状態は図15(C)に示すものとする。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図24(A)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図25(C)に示すものとする。更に、リモートトレイアソシエーションの予約リストの状態は図25(A)に示すものとする。この場合の処理は、図5のS501から説明し、S502〜S503,S508〜S509,S901〜S904,S906,S1201〜S1203,S1205と進むがその詳細は割愛する。尚、この時点で用紙種の同期処理が実施されているため、画像形成装置207の用紙種DBの状態は図16(A)に示すものとなり、印刷制御装置201の用紙種DBの状態は図16(B)に示すものとなる。
図12のS1205でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーションの予約リストにアクセスし、印刷ジョブで指示されている用紙種を使用するリモートトレイアソシエーションが複数予約されているかを判定する。ここでは図25(A)のように、印刷ジョブで指示されている用紙種を使用するリモートトレイアソシエーションが複数予約されているため処理をS1206に進める。S1206でCPU部107は、表示部110に図24(C)に示す画面を表示させて処理をS1207に進める。
図24(C)で、ユーザは操作部109を操作し、印刷で指示される用紙種「ユーザ定義紙1」をどの給紙装置に関連付けるかを決定する。ユーザがボタン2401にチェックして「OK」ボタン2402を押下すると、CPU部107は、そのチェックされた給紙装置の番号「5」をHDD部105に記憶して処理をS1208に進める。次にS1208の詳細な処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
S1301でCPU部107は、HDD部105にアクセスし、リモートトレイアソシエーションを実施する給紙装置のタイプが電子ロック式か否かを判定する。この場合は図17(D)で、リモートトレイアソシエーションが指示されている番号「5」の給紙装置は電子ロック式の給紙装置であるため処理をS1306に進める。S1306でCPU部107は、表示部110に図25(B)に示す、ユーザに用紙のセットを促す画面を表示させて処理をS1307に進める。S1307でCPU部105は、HDD部105の印刷制御装置の用紙種DBにアクセスし、用紙ID「0004」の用紙サイズと、用紙ID「0004」がリモートトレイアソシエーションされる番号「5」の給紙装置の用紙サイズを取得する。こうしてCPU部107は、その取得した値をHDD部105に書き込んで処理をS1308に進める。S1308でCPU部107は、用紙ID「0004」の用紙サイズと、番号「5」の給紙装置の用紙サイズとを比較する。この比較の結果、CPU部107が用紙サイズが一致しないと判定すると処理をS1306に進め、再度、ユーザに用紙の入れ替えを促す。
一方、S1308でCPU部107が用紙サイズが一致したと判定すると処理をS1309に進める。S1309でCPU部107は、選択されたリモートトレイアソシエーションを実行する。今回の場合、5番目の給紙装置217にID「0004」の用紙が登録される。こうしてS1309でリモートトレイアソシエーション完了すると処理をS1310に進める。S1310でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、S1309で実施したリモートトレイアソシエーション(給紙装置番号「5」)を予約リストから削除する。また、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBで、番号5の給紙装置における用紙の仮登録項目を「有」から「無」に変更する。こうして(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBの更新が完了した後の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図26(A)に示す。また、リモートトレイアソシエーション完了後の(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBを図26(B)に示す。こうしてリモートトレイアソシエーション処理を完了するとS1311に進める。S1311でCPU部107は、画像形成装置207に印刷を指示して処理をS1209に進める。S1209でCPU部107は、画像形成装置207の第1の復帰処理を実施し、予約リストにリモートトレイアソシエーションが登録されている場合にそれを実施する。今回の場合は、番号4の給紙装置に用紙ID「0004」の用紙をリモートトレイアソシエーションする処理が残っているため、これを実施する。この詳細については説明済みなので説明を割愛する。
これにより、画像形成装置207が省電力状態から復帰した後、電子ロック式の給紙装置にリモートトレイアソシエーションが予約されている場合は、必ず用紙の入れ替えを指示してからリモートトレイアソシエーションを実施することができる。
以上説明したように本実施形態1によれば、画像形成装置が省電力状態のときに印刷制御装置に用紙種が登録されると、画像形成装置を起動して同期処理を行うことなく、印刷制御装置の用紙種のデータだけを更新しておく。そして、画像形成装置が省電力状態から復帰した時点で、その印刷制御装置の用紙種のデータと画像形成装置の用紙種のデータとの同期を行う。
また画像形成装置が省電力状態のときに印刷制御装置が、画像形成装置の給紙装置への用紙種の登録を印刷制御装置から実施するリモートトレイアソシエーションの指示を受け取ると予約リストに登録しておく。そして、画像形成装置が省電力状態から復帰した時点で、その予約リストに登録されているリモートトレイアソシエーションを実行する。
また画像形成装置が自身で省電力状態から復帰した場合は、予約リストに登録されているリモートトレイアソシエーションを実行する。一方、画像形成装置が印刷ジョブの投入により省電力状態から復帰した場合は、印刷ジョブで指定されている給紙装置の用紙種が、印刷ジョブで指定されている用紙種と一致するかどうかを判定し、一致すればその給紙装置の用紙を使用して印刷を行う。一方、一致しないときは予約リストに該当する用紙種で用紙サイズのリモートトレイアソシエーションがあるかを判定し、あれば、その予約リストのリモートトレイアソシエーションを実行する。
これにより、印刷制御装置に用紙種が登録されて画像形成装置の給紙装置への用紙登録が実行されても、省電力状態にある画像形成装置を省電力状態から復帰させることがないため、画像形成装置の消費電力の増大を解消できる。そして、画像形成装置が省電力状態から復帰したときに、印刷制御装置に登録された用紙情報を画像形成装置の用紙情報と同期させるので、画像形成装置が用紙情報を必要とするときに、最新の用紙情報を画像形成装置に登録することができる。
[実施形態2]
次に、1つの給紙装置に対して複数のリモートトレイアソシエーションが予約できる実施形態2について説明する。この実施形態2は、図1〜図8、図16、図18〜図22、図24〜図27を参照して説明する。尚、画像形成装置207の用紙種DBの初期状態を図16(A)に示し、印刷制御装置201の用紙種DBの処理状態を図16(B)に示す。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図24(B)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図27(A)に示すものとする。尚、実施形態2に係る印刷制御装置201及び画像形成装置207のハードウェア構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図4を参照して、実施形態2に係る画像形成装置が起動状態にあるときに印刷制御装置201が実行する用紙種の登録処理を説明する。このフローチャートで示す処理は、HDD部105に格納されたプログラムをRAMに展開し、そのプログラムをCPU部107が実行することによって実現される。
まずS401でCPU部107は、ユーザによる操作部109を介した操作に応答して図19(B)に示す画面を表示部110に表示させる。この画面でユーザが重複指定を「許可する」1903を選択して「OK」ボタン1904を押下すると、CPU部107はリモートトレイアソシエーションを、同じ給紙装置に複数登録できる旨をHDD部105に記憶して処理を終了する。この設定が事前になされている場合は、印刷制御装置201は、S401,S404,S409,S411,S412に進む。ここまでに関する処理は、前述の実施形態1で説明済みなので、その詳細を割愛する。このS412の詳細な処理について、図5を参照して説明する。
図5において、S501より、S502,S503に進んだとする。ここまでに関する処理は、前述の実施形態1で説明済みなので、その詳細を割愛する。操作部109でユーザが、用紙名称を「ユーザ定義紙2」、用紙サイズを「A4」として入力したとき、S503でCPU部107は、用紙種の登録が指示されたと判断して処理をS504に進める。S504でCPU部107は、用紙の登録判定処理を行う。この用紙種の登録判定処理において、ユーザが「ユーザ定義紙2」を用紙種DBに仮登録するように選択した場合、「ユーザ定義紙2」が用紙種DBに仮登録される。この用紙の仮登録に関する詳細な説明は割愛する。用紙名称「ユーザ定義紙2」が登録された後の、印刷制御装置201の用紙種DBの一例を図18(B)に示す。そして処理をS505に進める。この後、CPU部107による処理はS505〜S506,S502,S503と進む。S503で操作部109でユーザが、用紙名称を「ユーザ定義紙3」、用紙サイズを「A4」として入力すると、CPU部107は、処理をS504に進めて用紙種の登録判定処理を行う。この用紙種の登録判定処理において、ユーザが「ユーザ定義紙3」を用紙種DBに仮登録する選択をした場合、「ユーザ定義紙3」が用紙種DBに仮登録される。この用紙種の仮登録に関する詳細な説明は割愛する。図21(A)は、用紙名称「ユーザ定義紙3」が登録された後の印刷制御装置201の用紙種DBの一例を示す図である。
この後、CPU部107による処理は、S505〜S506,S502,S503,S508と進む。S508でユーザが操作部109を操作して「ユーザ定義紙2」を番号「1」の給紙装置213にリモートトレイアソシエーション指示すると、CPU部107は処理をS512に進める。S512ではリモートトレイアソシエーション判定処理を行う。この処理の詳細は図7のフローチャートに示す。
図7において、S701でCPU部107は、表示部110に図19(A)に示す画面を表示させる。この画面上でユーザがボタン1902を押下すると、CPU部107は画像形成装置207を起動させずに印刷制御装置201にリモートトレイアソシエーションを予約する旨が選択されたことをHDD部105書き込んで処理をS702に進める。S702でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを実行する指示がなされていないため処理をS704に進める。S704でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置201に予約する指示がなされているかを判定する。リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置に予約する指示がなされている場合は処理をS705に進める。S705ではリモートトレイアソシエーション予約処理(図8)を行う。
図8のS801でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションが指示されている給紙装置(ここでは給紙装置番号が「1」とする)において、既にリモートトレイアソシエーションが予約されているかを判定する。CPU部107が番号「1」の給紙装置にリモートトレイアソシエーションが予約されていないことを確認すると処理をS804に進める。S804でCPU部107は、HDD部105に格納されるリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、指示された番号「1」の給紙装置213の給紙装置番号「1」と、登録指示された用紙ID「0005」を登録する。リモートトレイアソシエーション予約リストに登録した後のリモートトレイアソシエーションの予約リスト例を図21(B)に示す。
更に、CPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の給紙装置に対する用紙登録DBにアクセスし、番号「1」の給紙装置213の用紙の仮登録における項目を「有」に更新する。こうして用紙登録DBの更新が完了した状態を図20(A)に示す。こうして更新を完了するとリモートトレイアソシエーションの予約処理を終了して処理をS513に進める。この後、CPU部107は、S514,S502,S503,S508と処理を進める。そしてユーザが操作部109を操作し、用紙種DBより「ユーザ定義紙3」を選択し、それを番号「1」の給紙装置213に登録指示した場合を説明する。この場合、CPU部107は処理をS512に進め、リモートトレイアソシエーション判定処理を行う。この処理を図7を参照して説明する。
図7のS701でCPU部107は、表示部110に図19(A)に示す警告画面を表示させる。この画面上でユーザがボタン1902を押下すると、CPU部107は画像形成装置207を起動させずに印刷制御装置201にリモートトレイアソシエーションを予約する旨が選択されたことをHDD部105記憶して処理をS702に進める。S702でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを実行する指示がなされているかを判定する。ここでリモートトレイアソシエーションを実行する指示がなされていない場合は処理をS704に進める。S704でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置201に予約する指示がなされているかを判定する。リモートトレイアソシエーションを印刷制御装置201に予約する指示がなされている場合は処理をS705に進める。S705ではリモートトレイアソシエーション予約処理を行う。この処理を図8のフローチャートを参照して説明する。
図8のS801でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションが指示されている給紙装置において、既にリモートトレイアソシエーションが予約されているかを判定する。ここでは番号「1」の給紙装置213にはリモートトレイアソシエーションが予約されているため処理をS802に進める。S802でCPU部107は、リモートトレイアソシエーションの重複登録が可能かどうかを判定する。ここで重複登録が許可されていない場合は処理をS803に進める。S803でCPU部107は、表示部110に図27(B)に示す画面を表示させる。このように、同じ給紙装置に対して、重複してリモートトレイアソシエーションが予約された場合は、重複登録が許可されていなければ、それを許可しない旨を表示して処理を終了する。
一方、S802でCPU部107が、リモートトレイアソシエーションの重複登録が許可されている(図19(B)の画面でボタン1903が選択されている)と判定した場合は処理をS804に進める。S804でCPU部107は、HDD部105に格納されるリモートトレイアソシエーションの予約リストにアクセスし、指示された給紙装置213の給紙装置番号「1」と、登録指示された用紙ID「0006」を登録する。こうして登録した後のリモートトレイアソシエーションの予約リストを図26(C)に示す。更に、CPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の給紙装置に対する用紙登録DBにアクセスし、番号「1」の給紙装置213の用紙の仮登録における項目を「有」に更新する。今回の場合、先に番号「1」の給紙装置213にリモートトレイアソシエーションが予約されているため、仮登録における項目を「有」をそのままにしておく。こうして更新が完了した状態を図20(A)に示す。更新を完了するとリモートトレイアソシエーション予約処理を終了し、処理をS513に進める。その後、CPU部107は、S514,S502〜S503,S508〜S509と進むが、この状態でユーザからの印刷指示がなされた場合の処理について次に説明する。
以下、1つの給紙装置に対して複数のリモートトレイアソシエーション予約が行われている場合に、印刷が実施されたときの処理について説明する。この説明には、図1〜図3、図5、図9、図12、図16、図19〜図22、図24、図26〜図28を使用する。尚、初期状態として、画像形成装置の用紙種DBの状態は図16(A)に示すものとし、印刷制御装置の用紙種DBの状態は図21(A)に示すものとする。更に、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図24(B)に示すものとし、(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBは図20(A)に示すものとする。また、リモートトレイアソシエーションの予約リストの状態は図26(C)に示すものとする。また、リモートトレイアソシエーション重複登録設定は「許可する」に設定されているものとする。この処理に関する説明は、図5のS501から行う。
CPU部107の処理は、S501〜S503,S508〜S509と進む。ユーザが用紙種「ユーザ定義紙1」を指定して印刷ジョブを印刷制御装置201に投入すると、CPU部107は、印刷ジョブが投入されて画像形成装置207を起動させた旨をHDD部105に記憶して処理をS509からS515に進める。そしてS151で画像形成装置207を省電力状態から復帰させる。そしてS507に進み、画像形成装置207の復帰処理を行う。この説明は図9のフローチャートを参照して行う。
図9において、S901,903と進むが、この詳細は前述の実施形態1で説明済みなので説明を割愛する。S903では、印刷制御装置201と画像形成装置207の用紙種DBの同期を実施する。この同期処理は既に説明済みなので説明を割愛する。
こうして印刷制御装置と画像形成装置の用紙種を同期した後の、印刷制御装置の用紙種DBを図27(C)に示す。また、印刷制御装置と画像形成装置の用紙種を同期した後の、画像形成装置の用紙種DBを図28(A)に示す。同期処理が完了した後処理をS904に進める。この後、処理はS906〜S907と進める。この処理については既に説明済みなので詳細を割愛する。S907では、画像形成装置207の第2の復帰処理(図12)を行う。
図12のS1201でCPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBにアクセスし、「ユーザ定義紙1」が給紙装置に登録されているか否かを判定する。「ユーザ定義紙1」の用紙ID「0004」は、番号「4」の給紙装置216に登録済みであるため処理をS1202に進める。S1202では、CPU部107は、画像形成装置207に印刷を指示して処理をS1209に進める。S1209でCPU部107は、画像形成装置207の第1の復帰処理(図10)を行う。
図10のS1001でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、リモートトレイアソシエーションが予約されているか否かを判定する。この時点でのリモートトレイアソシエーションの予約リストの状態は図26(C)に示すものである。ここでは、予約リストにリモートトレイアソシエーションの予約が存在しているので処理をS1002に進める。
ここで画像形成装置の復帰時のトレイアソシエーション設定について図20(C)を参照して説明する。2001については既に説明済みなので詳細を割愛する。
2005は、同じ給紙装置に複数のリモートトレイアソシエーションが予約されているときの処理方法を決定するための設定項目である。ユーザが操作部109を操作して「登録時刻を優先」2006を選択して「OK」ボタン2003を押下すると、登録された複数のリモートトレイアソシエーションの内、最も早く登録されたリモートトレイアソシエーションが実施される。またユーザが操作部109を操作して「ユーザが選択」2007を選択して「OK」ボタン2003を押下したとする。このとき、登録された複数のリモートトレイアソシエーションの内、どのリモートトレイアソシエーションを実施するかをユーザに選択させた上で、選択されたリモートトレイアソシエーションを実施する。この処理に関する説明をS1002から再開する。
S1002でCPU部107は、画像形成装置の復帰時のリモートトレイアソシエーションの実施有無を判定する。ここでリモートトレイアソシエーションを実施すると判定した場合は処理をS1003に進める。S1003でCPU部107が、リモートトレイアソシエーションの予約が1つの給紙装置において複数登録可能かを判定する。ここではリモートトレイアソシエーションの予約が1つの給紙装置において複数登録可能であるため処理をS1006に進める。S1006では、リモートトレイアソシエーションの選択実行を行う。この処理を図11のフローチャートに示す。
図11は、実施形態2に係る図10のS1006のリモートトレイアソシエーションの選択実行処理を説明するフローチャートである。
S1101でCPU部107は、第2メモリ部108に確保している変数領域Nに「1」を格納して処理をS1102に進める。S1102でCPU部107は、第2メモリ部108に確保している変数領域Mに給紙装置の総数「5」を格納して処理をS1103に進める。S1103でCPU部107は、HDD部105の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DB、リモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスする。そして番号「1」の給紙装置213に対してリモートトレイアソシエーションが行われているかを判定する。ここでは番号「1」の給紙装置213に、ID「0005」及び「0006」のリモートトレイアソシエーションが予約されているため処理をS1104に進める。S1104でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、番号「1」の給紙装置213に、複数のリモートトレイアソシエーションが予約されているかを判定する。
ここでは図26(C)に示すように、リモートトレイアソシエーションの予約リストには、番号「1」の給紙装置に対して2つのリモートトレイアソシエーションが予約されているため処理をS1105に進める。S1105でCPU部107は、1つの給紙装置に対して複数のリモートトレイアソシエーションが登録されているときに、登録時刻を優先してリモートトレイアソシエーションを行う設定なっているか否かを判定する。ここで登録時刻を優先してリモートトレイアソシエーションを行う設定なっている場合は処理をS1106に進める。S1106でCPU部107は、リモートトレイアソシエーション予約リストから、番号「1」の給紙装置213に対して最も早く登録された(最先の)リモートトレイアソシエーションを選択する。今回の場合は、番号「1」の給紙装置213に対し、ID「0005」がリモートトレイアソシエーションする登録が最も早くなされたと判定し、その選択したリモートトレイアソシエーションを実施する。こうしてリモートトレイアソシエーションが実行された後の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DBの状態を図28(C)に示す。また、リモートトレイアソシエーション実行後の(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBの状態を図28(D)に示す。図28(C)(D)では、給紙装置番号が「1」の給紙装置にID「0005」の用紙が登録されている。
一方、S1105で、CPU部107が登録時刻を優先してリモートトレイアソシエーションを行う設定でないと判定した場合は処理をS1110に進める。S1110でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、番号「1」の給紙装置213に予約されているリモートトレイアソシエーションをピックアップする。その後、そのピックアップしたリモートトレイアソシエーションから用紙IDをキーとして用紙種DBから用紙名称、用紙サイズを取得して、図22(A)に示すトレイアソシエーション選択画面を表示部110に表示させる。その後、処理をS1111に進める。
図22(A)の画面で、ユーザは操作部109を操作してボタン2201,2202のいずれかを選択して「OK」ボタン2203を押下すると、CPU部107はHDD部105に、その選択された用紙種を記憶する。図22(A)の例では、「ユーザ定義紙2」のボタン2201が選択されているため、番号「1」の給紙装置213に「ユーザ定義紙2」をリモートトレイアソシエーションする旨を記憶する。そしてS1111に進みCPU部105は、選択されたトレイアソシエーションを実行する。図22(A)の例では、「ユーザ定義紙2」の番号「1」の給紙装置213へのリモートトレイアソシエーションが実行される。このリモートトレイアソシエーションを実行した後の(印刷制御装置201が有する)画像形成装置の用紙登録DB、及び、(画像形成装置207が有する)画像形成装置の用紙登録DBは、それぞれ図28(C)及び図28(D)に示すようになる。
次に図11に戻って、S1106或いはS1111を実行するとS1107に処理を進める。S1107でCPU部107は、HDD部105のリモートトレイアソシエーション予約リストにアクセスし、S1106又は、S1111で行われたリモートトレイアソシエーションを削除する。今回の場合、番号「1」の給紙装置213に対して「ユーザ定義紙2」の用紙をリモートトレイアソシエーションしたため、図26(C)に登録されているIDが「0005」のリモートトレイアソシエーションの予約を削除する。こうして削除した後のリモートトレイアソシエーションの予約リストを図28(B)に示す。
こうして予約を削除すると処理をS1108に進める。S1108でCPU部107は変数Nに1を加算してNを「2」にして処理をS1109に進める。S1109でCPU部107は、変数Nの値とMの値とを比較する。今回の場合、N=2,M=5であるため、N>Mではないと判定して処理をS1103に進める。以降、画像形成装置207が有する各給紙装置において、リモートトレイアソシエーションが予約されているかを判定し、予約されていれば、どのリモートトレイアソシエーションを実施するかを決定し、リモートトレイアソシエーションを実施する処理を行う。今回の場合、他の給紙装置に対するリモートトレイアソシエーションの予約がないため、S1103,S1108,S1109の処理を、N>Mが真と判定されるまで繰り返す。こうして画像形成装置207の全ての給紙装置においてリモートトレイアソシエーション予約の有無、及びリモートトレイアソシエーションの予約があった場合のリモートトレイアソシエーション実施が完了すると、処理を終了する。
以上に説明したように実施形態2によれば、同じ給紙装置に複数のリモートトレイアソシエーションが予約されている場合でも、事前の設定に応じてリモートトレイアソシエーションを実施することができる。即ち、先に予約されたリモートトレイアソシエーションを実施するか、ユーザに選択させてリモートトレイアソシエーションを実施することが可能になる。
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3を説明する。この実施形態2は、図32〜図36を参照して説明する。尚、実施形態3に係る印刷制御装置201及び画像形成装置207のハードウェア構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図32は、実施形態3に係る印刷制御装置201と画像形成装置207との構成を示すブロック図である。
印刷制御装置201が持つCPU部107の処理機能は、ジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202を含む。またHDD部105は、印刷制御装置201が管理する第一設定値情報3203を格納できる。
また画像形成装置207が持つ制御部308の処理機能は、設定値管理部3204、RUI制御部3205及びMIB制御部3206を備える。HDD309は画像形成装置207が管理する第二設定値情報3207を格納できる。
まず画像形成装置207が省電力状態でない場合の同期の方法について説明する。画像形成装置207が省電力状態でない場合には、ジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202とは互いに独立して以下のように動作する。
ユーザが印刷制御装置201の操作部109を通じて各種設定値の変更を指示した場合、ジョブ制御部3201は、まずHDD部105に格納された第一設定値情報3203を上書きする。次にジョブ制御部3201は、変更した設定値が画像形成装置207との間で同期すべきものであるか否かを判定する。同期すべき設定項目の例としては、用紙情報の新規登録や変更が挙げられる。用紙情報とは用紙のサイズや坪量、コート処理の有無といった情報の組合せに、用紙の名称及び用紙のIDを紐づけたものであり、データベースとして第一設定値情報3203或いは第二設定値情報3207に格納される。
またユーザが印刷制御装置201に対して印刷ジョブを投入する際に、その印刷ジョブで使用する用紙情報を指定したり、画像形成装置207が備える各給紙装置に対してどの用紙情報に対応する用紙を補充したかを指定したりすることができる。印刷制御装置201及び画像形成装置207は、指定された用紙情報に応じて画像処理や印刷処理に関わるパラメータを適切に調整することで、より高品質な印刷結果を得ることができる。
このように用紙情報は、印刷制御装置201及び画像形成装置207の両方で使用されるものである。従って、印刷制御装置201及び画像形成装置207のどちらか一方に用紙情報の登録、或いは設定変更がなされた場合には、もう一方の装置にもその内容が伝わり、変更が反映される(同期と呼ぶ)ことがユーザの利便性向上の観点から望ましい。
ここで同期すべき設定項目は他に、印刷制御装置201及び画像形成装置207のネットワーク設定がある。例えば、図2の端末装置211のような外部装置からの情報取得要求に応じて画像形成装置207が返答する内容に、印刷制御装置201が持つコネクタ202に紐づけられたネットワーク設定情報が含まれる場合がある。このような場合には、コネクタ202に紐づけられたネットワーク設定情報の変更が、自動的に画像形成装置207にも反映されることが望ましい。また或いは、画像形成装置207が持つコネクタ208で受信可能なプロトコルに応じて、印刷制御装置201がコネクタ202で受信を待ち受けるプロトコルを変更する場合がある。このような場合には、ユーザが画像形成装置207の操作部302を介して、画像形成装置207のコネクタ208で受信可能なプロトコルを変更したとき、その内容が印刷制御装置201にも反映(同期)されることが望ましい。
このような同期処理は次のようにして行われる。
ジョブ制御部3201は、変更した設定値が画像形成装置207との間で同期すべきものであると判定した場合には、画像形成装置207の設定値管理部3204に対して変更した設定内容を伝達する。設定値管理部3204は、その伝達された設定内容を画像形成装置207が管理する第二設定値情報3207に書き込む。このように印刷制御装置201のジョブ制御部3201と画像形成装置207の設定値管理部3204とが協調して動作することで、設定値の同期を実行することができる。尚、ユーザが画像形成装置207の操作部302を介して設定値を変更したことを契機として、設定値管理部3204からジョブ制御部3201に内容を伝達することにより設定値の同期を行うことも同様の方法で可能である。
次に、画像形成装置207が省電力状態でない場合の設定値の取得の方法について説明する。ここでは、ユーザがLAN212を通じて設定値の取得を要求した場合を例にして説明する。ユーザが印刷システムの設定値を閲覧・変更したり、ジョブの投入や状況確認を行ったりするための手段は多々あるが、ここではHTTP及びHTTPSプロトコルを用いるリモートUI(RUI)による方法と、SNMPプロトコルを用いた方法を説明する。これらはいずれも印刷制御装置201或いは画像形成装置207にアクセスすることで、それらの装置のエラー状態やジョブの処理状況を閲覧したり、各種設定値の取得や変更を行ったりすることを可能にするものである。
本実施形態3では、印刷制御装置201が持つネットワーク転送部3202が受信を待ち受けるプロトコルは、HTTP,HTTPS,SNMPの各プロトコルを含む。ユーザは、RUIを使用する場合、端末装置211においてWebブラウザを起動し、HTTP或いはHTTPSプロトコルで印刷制御装置201にアクセスする。
次にネットワーク転送部3202は、HTTP或いはHTTPSプロトコルで端末装置211からのRUI画面要求を受け取り、受信したRUI画面要求をRUI制御部3205へ転送する。このとき、ネットワーク転送部3202の処理は、受信したRUI画面要求が規定通りのものであるかを検査し、規定通りのものであると判定された場合にのみ転送する処理や、必要に応じて受信したRUI画面要求を改変する処理が含まれていてもよい。RUI制御部3205は、RUI画面要求を受信すると、HTML形式に従ったRUI画面を作成する。このとき、第二設定値情報3207を参照しながら、画像形成装置207の設定値に関わる画面を作成する。こうして作成されたRUI画面は、まずRUI制御部3205からネットワーク転送部3202に送信され、続いてネットワーク転送部3202から端末装置211へと送信されWebブラウザ画面に表示される。ユーザがSNMPプロトコルで設定値の取得・更新を行う場合には、ネットワーク転送部3202は受信した取得要求がSNMPプロトコルであることを判定し、SNMPリクエストをMIB制御部3206へと転送する。
MIB制御部3206は、第二設定値情報3207に含まれる管理情報ベース(MIB)と呼ばれるデータベースを参照しながら、SNMPリクエストに対する返答を作成する。作成されたSNMP応答は、RUIの場合と同様に、ネットワーク転送部3202を経由して端末装置211へ送信される。以上で、画像形成装置207が省電力状態でない場合の設定値の同期及び設定方法についての説明を終わる。
次に、画像形成装置207が省電力状態に遷移した場合の設定値の同期及び設定値の方法について述べる。
まず画像形成装置207が省電力状態であるときに、印刷制御装置201に対して設定値の取得或いは更新が指示された場合を説明する。この場合は、画像形成装置207の消費電力量を抑えるという目的のために、直ぐに画像形成装置207を省電力状態から復帰させず、印刷制御装置201に、その設定値の情報を格納しておく。そして、画像形成装置207が省電力状態から復帰するときに併せて設定の同期を行うのが望ましい。
一方、画像形成装置207が省電力状態であるときに、前述したRUIやSNMPを用いて、印刷制御装置201を経由して画像形成装置207から直接設定値の取得或いは更新が指示された場合を説明する。この場合は、設定値の取得或いは更新指示に対する返答は画像形成装置207が作成するため、印刷制御装置201が画像形成装置207を省電力状態から復帰させて、その指示に対する返答を作成させるのが望ましい。
このように画像形成装置207が省電力状態の場合は、印刷制御装置201に送信された指示内容に応じて、画像形成装置207を省電力状態から復帰させるか否かを切り替える必要がある。更に、印刷制御装置201に、変更された設定値の情報が留められている状態で、画像形成装置207に対する設定値の取得或いは更新が指示された場合には、次のような問題がある。
ユーザに対して最新の設定値の取得或いは更新を可能にするためには、画像形成装置207に対する設定値の取得或いは更新指示に対する応答が作成される前に、印刷制御装置201に留められた設定値の同期を完了する必要がある。しかし前述したように、通常はジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202とは独立して並列動作しているため、この順番が保証されない。従って、ジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202の協調動作が必要となる。
これらを可能にするための動作を図33のフローチャートを使用して説明する。
図33は、実施形態3に係る印刷制御装置201による協調動作の処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムはHDD部105にインストールされており、実行時RAM(不図示)に展開され、CPU部107の制御の下に実行される。尚、このフローチャートの説明では、ジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202の処理として説明する。
まずS501でジョブ制御部3201は、画像形成装置207が省電力状態に移行したことを検知する。本実施形態3では、この検知は印刷制御装置201のジョブ制御部3201が行うこととする。この検知方法の一例としては、ジョブ制御部3201が画像形成装置207から送信された省電力状態への移行通知を受け取ることが挙げられる。このほか、印刷制御装置201と画像形成装置207とを接続する伝送路206或いはLAN210の通信リンクが有効になっているか否かで判別する方法もある。
S3301でジョブ制御部3201が、画像形成装置207が省電力状態に移行したことを検知するとS3302に進み、設定値の取得或いは更新の保持を可能にする状態へ遷移する。即ち、通常は同期が必要な設定値が変更された場合は、設定値管理部3204に更新を通知する状態にあるが、この設定値の保持状態では、同期が必要な設定値の変更を第一設定値情報3203に留めておく。こうして、直ぐに画像形成装置207を省電力状態から復帰させない。
次にS3303に進みジョブ制御部3201は、ネットワーク転送部3202に画像形成装置207が省電力状態に移行したことを通知する。これによりネットワーク転送部3202は、S3304で、画像形成装置207へ転送が必要なプロトコルで何らかの要求を受信するまで待ち受ける。こうしてS3304でネットワーク転送部3202が、画像形成装置207へ転送が必要なプロトコルで要求を受信するとS3305に処理を進め、ジョブ制御部3201に対して画像形成装置207へのアクセス許可を依頼する。
こうしてS3306に処理を進め、ジョブ制御部3201は、設定値の保持状態に移行してから現在までの間に第一設定値情報3203に、同期が必要な設定値の変更が留められているか否かを判定する。ここでジョブ制御部3201が、設定値が留められていると判定した場合はS3307に進む。S3307でジョブ制御部3201は、その留められている設定値変更の情報を画像形成装置207の設定値管理部3204へ送信し、S3308でジョブ制御部3201は、この設定値の変更処理が完了したかどうかを待ち受ける。このとき画像形成装置207の設定値管理部3204は、印刷制御装置201から受信した設定値の変更を第二設定値情報3207に書き込み、設定値変更の完了を印刷制御装置201に通知する。
これを受けてジョブ制御部3201は、S3308の待ち受けから抜けてS3309に処理を進め、ネットワーク転送部3202に対して画像形成装置207へのアクセスを許可するとともに、設定値の保持状態から抜ける。これは、S3308において設定値の変更が完了したということは、画像形成装置207が省電力状態から復帰したことを意味するため、設定値の保持状態である必要がなくなるためである。これによりネットワーク転送部3202は、S3309で画像形成装置207へのアクセスが許可されることを待ってS3310へ進み、S3304で受信した要求を画像形成装置207へ転送する。尚、この実施形態3では、受信した要求がHTTP・HTTPSプロトコルによるものかSNMPプロトコルによるものかに応じて、RUI制御部3205或いはMIB制御部407のうち適切な方に、受信した要求を転送する。
以上説明したように本実施形態3によれば、画像形成装置が省電力状態のときに印刷制御装置で設定値が変更されるとそれを保持し、直ぐに画像形成装置に転送しない。こうして、画像形成装置207を極力、省電力状態から復帰させないようにして画像形成装置の消費電力を低減させる。
また、ネットワーク転送部3202がジョブ制御部3201と協調動作を行うことで、端末装置211などの外部装置からの設定値の取得要求に対しても、保持された設定値の変更が反映された後の最新の情報を常に返答することができる。
[実施形態4]
前述の実施形態3では、画像形成装置207が省電力状態へ移行したことや省電力状態から復帰したことをジョブ制御部3201が監視し、必要に応じてネットワーク転送部3202へ通知する方法を説明した。しかしながら、ソフトウェア構成やハードウェアの制約によっては、画像形成装置207が省電力状態へ移行したことや省電力状態から復帰したことを監視するモジュールをジョブ制御部3201とネットワーク転送部3202の他に持つのが望ましい場合がある。本実施形態4では、このような場合にも本発明の目的が達成できるよう、印刷制御装置201が持つCPUの処理機能単位として、画像形成装置207の電源状態を監視するソフトウェアモジュールを別個に設けた場合の処理を説明する。
図34は、実施形態4に係る印刷制御装置201と画像形成装置207との構成を示すブロック図である。図34において、前述の図32と共通する部分は同じ記号で示し、その説明を省略する。
印刷制御装置201が持つCPU部107の処理機能は、図32の構成に加えて、電源状態監視部3401を含む。電源状態監視部3401の役割は、画像形成装置207の電源状態が省電力状態にあるかどうかを監視し、電源状態の変化に応じてジョブ制御部3201及びネットワーク転送部3202に対して必要な指示を行うことである。また印刷制御装置201において、画像形成装置207を省電力状態から復帰させるべきイベントが発生したことを検知することができる。更に、電源状態監視部3401は、印刷制御装置201上の他のソフトウェアモジュール、本実施形態4では、ジョブ制御部3201或いはネットワーク転送部3202からの問い合わせに応じて、画像形成装置207が省電力状態にあるか否かを返答する。
次に、図面を用いて本実施形態4に係る協調動作の内容を説明する。本実施形態4では、ジョブ制御部3201と電源状態監視部3401、ネットワーク転送部3202と電源状態監視部3401とがそれぞれ協調動作を行う。ここで述べる処理は、前述の実施形態3に係る印刷制御装置201及び画像形成装置207がそれぞれ備えるROMに格納されたプログラムに基づいて、印刷制御装置のCPU部107及びCPUを含む画像形成装置の制御部308が実行することにより行われる。
図35は、実施形態4に係る印刷制御装置における協調動作を説明するフローチャートである。このフローチャートで説明する方法は、印刷制御装置201において、画像形成装置207と同期が必要な設定値変更がなされたかどうかをジョブ制御部3201が監視するときに実施される。
S3501で、電源状態監視部3401からジョブ制御部3201に対して行われる通知の内容は、画像形成装置207が一旦、省電力状態に入った後、省電力状態から復帰すべきイベントが発生したことを知らせる内容である。このようなイベントの例としては、画像形成装置207で実行されるタイマによる計時により、画像形成装置207が自発的に省電力状態から復帰した場合がある。他には印刷制御装置201において、画像形成装置207を省電力状態から復帰させる必要がある処理が発生した場合も含まれる。例えば、ユーザが印刷制御装置201において印刷ジョブの実行を指示した場合や、後で述べるように、ネットワーク転送部3202において画像形成装置207への転送が必要な情報の取得要求が受信された場合等が含まれる。このように画像形成装置207が省電力状態から復帰すべきイベントは多々あるが、まだ画像形成装置207が省電力状態に入っていない状態では、常にS3502の処理に進む。よってここではS3502及びそれ以降の処理を先に説明することとする。
S3502でジョブ制御部3201は、印刷制御装置201において、画像形成装置207と同期が必要な設定値の変更がなされたかどうかを判定する。そのような設定値の変更がなされていると判定した場合はS3503に進み、ジョブ制御部3201は電源状態監視部3401に対して、画像形成装置207が省電力状態であるか否かを問い合わせる。ここで画像形成装置207が省電力状態でない場合はS3504に進み、即座にジョブ制御部3201から画像形成装置207の設定値管理部3204に対して設定値の変更の内容が通知される。ここでは前述の実施形態3と同様に、画像形成装置207の設定値管理部3204は、受信した設定値の変更を第二設定値情報3207に書き込むことで画像形成装置207に反映させる。
一方、S3503で画像形成装置207が省電力状態であると判定した場合はS3506に進み、ジョブ制御部3201は、第一設定値情報3203に、その設定値の変更の内容を一時保存する。こうしてS3504或いはS3506の処理が終わるとS3505に進み、ジョブ制御部3201に対して終了指示がなされているかを判定する。この終了指示は、印刷制御装置201をシャットダウンする場合や再起動する場合など、ジョブ制御部3201の処理を終了させたい場合になされるものであり、例えばソフトウェアの割り込み処理などにより実現される。ジョブ制御部3201は、そのような終了指示があると判定すると、図35のフローチャートで示す処理を終了させる。そうでないときはS3501に戻り、設定値の変更の監視を続行する。
次に画像形成装置207が起動した後、一旦省電力状態に入り、その後、省電力状態から復帰すべきイベントが発生した場合を説明する。このような場合は、電源状態監視部3401はそのようなイベントの発生を検知し、ジョブ制御部3201に対して画像形成装置207が省電力状態から復帰すべき状態にあることを通知する。これによりジョブ制御部3201は、S3501でその通知を受信してS3507に進む。S3507でジョブ制御部3201は、過去にS3506の処理で一時保存した設定値の変更があるか否かを判定する。ここで変更があると判定した場合はS3508に進み、それらの内容を画像形成装置207の設定値管理部3204に送信する。これにより画像形成装置207の設定値管理部3204は、S3504の場合と同様に、設定値の変更を画像形成装置207に反映させた後、ジョブ制御部3201に対して設定値の変更の完了を通知する。
これによりジョブ制御部3201は、S3509でその完了通知を受信するとS3510に進み、電源状態監視部3401に対して設定値の変更完了を通知する。尚、S3507で、一時保存された設定値の変更が存在しないと判定された場合は、即座に、S3510へ進むものとする。いずれの場合も、電源状態監視部3401は、S3510で送信された設定値の変更の完了通知を受け取ることで、画像形成装置207が省電力状態の間に印刷制御装置201に一時保存された設定値の変更が、全て同期されたことを検知することができる。
次に印刷制御装置201のネットワーク転送部3202と電源状態監視部3401との協調動作を図36のフローチャートを用いて説明する。
図36は、実施形態4に係る印刷制御装置201による処理を説明するフローチャートである。この処理は、ネットワーク転送部3202が画像形成装置207に対して転送が必要な情報の取得要求がなされたかどうかを待ち受けるときに実施される。
まずS3601で、ネットワーク転送部3202は、画像形成装置207に対して転送が必要なプロトコルによる情報の取得要求を待ち受ける。そのような要求を受信していない場合はS3606に進み、S3606でジョブ制御部3201は、終了指示がなされているかを判定する。終了指示がなされている場合はこの処理を終了し、なされていない場合は再度S3601の待ち受け処理に進む。
S3601で転送対象のプロトコルで情報の取得要求を受信したと判定した場合はS3602に処理を進め、図35のS3503と同様にして、画像形成装置207が省電力状態にあるか否かを電源状態監視部3401に問い合わせる。ここで画像形成装置207が省電力状態でない場合は、即座に、受信した情報の取得要求を画像形成装置207に転送しても問題ないためS3605に進む。S3605の処理は図33のS3310の処理と同様であるため、その説明を省略する。
一方、S3602で、画像形成装置207が省電力状態であると判定した場合はS3603に進み、電源状態監視部3401に対して、受信した情報の取得要求を画像形成装置207へ転送する許可を要請する。電源状態監視部3401は、情報の取得要求の転送を許可する場合にはネットワーク転送部3202に対して通知し、S3604でネットワーク転送部3202が受信する。
本実施形態4で、情報の取得要求の転送を許可する場合は、図35のS3510で電源状態監視部3401がジョブ制御部3201から設定値の変更の完了を通知された場合である。即ち、電源状態監視部3401は、S3510で行われる設定値の変更完了通知を待ってからネットワーク転送部3202に対して情報の取得要求の転送を許可する。こうしてS3604で、情報の取得要求の転送を許可する通知がネットワーク転送部3202により受信されたと判定するとS3605に処理を進め、その取得要求を画像形成装置207に転送する。
一方、S3604で、転送許可がなされていない場合はS3607に進み、その情報の取得要求元である端末装置211のような外部装置に対してタイムアウトの返答を行うか否かを判定する。本実施形態4では、S3603で転送許可を依頼してから一定時間が経過しても許可が下りない場合にはS3607からS3608に進み、端末装置211からの情報取得要求への返答としてタイムアウトを返すものとする。S3607で一定時間が経過するまでは再度S3604に進み、転送許可を待ち受ける。尚、この一定時間の長さは、画像形成装置207が省電力状態から復帰し、設定値の変更を反映させるまでに要すると想定された時間の長さに応じて変更してもよい。即ち、設計上想定されている時間までは、ネットワーク転送部3202に情報の取得要求の転送を待たせるが、それ以上の時間がかかっても情報の取得要求の転送が許可されない場合はエラーと判断する。
本実施形態4に係る効果は次の通りである。
まず実施形態3と同様に、画像形成装置207を極力、省電力状態から復帰させず、なおかつ外部から情報の取得要求があった場合には、常に最新の設定値の変更が反映された状態で返答を返すことができる。
また本実施形態4では、画像形成装置207の電源状態の遷移を監視することと、省電力状態からの復帰を許可するか否かの判定を電源状態監視部3401でのみ管理している。このため、協調動作が必要なソフトウェアモジュールの数が多い場合にも、それら電源状態の監視や変更の可否を複数のソフトウェアモジュールで判断する必要がなく、ソフトウェア構成が単純ですむ。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。