JP6202677B2 - 圧力センサ用耐熱プリント配線板、圧力センサモジュール及び圧力センサ - Google Patents
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Description
本発明は、ベースフィルムと、このベースフィルムに直接又は他の層を介して積層される導電パターンと、上記ベースフィルム及び導電パターンを有する積層体に接着層を介して積層されるカバーフィルムとを備える圧力センサ用耐熱プリント配線板であって、上記接着層が、シロキサン変性ポリイミド、エポキシ樹脂及び無機フィラーを含有し、上記シロキサン変性ポリイミドの重量平均分子量(Mw)が25,000以上150,000以下である圧力センサ用耐熱プリント配線板である。
式(1)中、R1は、2価のジアミンシロキサン残基である。
式(2)中、R2は、2価の芳香族ジアミン残基である。
上記式(1)中、mは、上記シロキサン変性ポリイミドの全構造単位における上記第1構造単位のモル比率を表し、0.35以上0.65以下である。
上記式(2)中、nは、上記シロキサン変性ポリイミドの全構造単位における上記第2構造単位のモル比率を表し、0.35以上0.65以下である。
但し、mとnとの合計が1を超える場合はない。)
カラム:GMH−HR−H
移動相:N−メチル−2−ピロリドン
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:10μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
以下、本発明の圧力センサ用耐熱プリント配線板、圧力センサモジュール及び圧力センサについて説明する。
図1〜図4の圧力センサ用耐熱プリント配線板1(以下、「プリント配線板1」ともいう)は、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板として構成されている。このプリント配線板1は、圧力センサに使用されるものである。この圧力センサとしては、特に限定はないが、耐熱性が要求される圧力センサ、例えばエンジンのシリンダ内に挿入してシリンダの圧力を測定するセンサ、加圧調理器具内の圧力を測定するセンサが挙げられる。
ベースフィルム2は絶縁性を有し、さらに可撓性を有することが好ましい。このベースフィルム2の主成分としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられ、可撓性及び強度の観点からポリイミド樹脂が好ましい。ベースフィルム2は、ポリイミド樹脂等の例示した樹脂以外の他の樹脂、帯電防止剤等が含有されていてもよい。
導電パターン3は、ベースフィルム2の表面側に直接又は他の層を介して積層されるものである。図3及び図4に示すように、導電パターン3は、ベース導体30及び表面処理層31を有している。
ベース導体30は、例えば銅、アルミニウム等の金属箔をエッチングすることによって所望のパターンに形成されている。このベース導体30の平均厚みの下限としては、特に限定はないが、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。ベース導体30の平均厚みの上限としては、特に限定はないが、100μmが好ましく、75μmがより好ましい。この平均厚みが上記下限未満であると、導通性が不十分となるおそれがある。一方、上記平均厚みが上記上限を超えると可撓性が低下するおそれがあると共に薄型化の要請に反するおそれがある。
表面処理層31は、ベース導体30からの導電成分の漏出、又はベース導体30への導電成分に対する反応性成分(酸素、硫黄等)の拡散を防止するものである。すなわち、表面処理層31は、耐油性を向上させる役割も果たす。この表面処理層31は、ベース導体30の表面を被覆しており、ベース導体30の側面を一連に被覆していてもよい。表面処理層31の材質としては、ベース導体30からの導電成分の漏出又はベース導体30への反応性成分の拡散を防止できるものであれば特に限定されず、例えば金属、樹脂、セラミック、それらの混合物等が挙げられる。中でも、表面処理層31の材質としては、Au、Ni、Sn、Alが好ましい。表面処理層31は、単層として形成しても、複数層として形成してもよい。
カバーレイ4は、導電パターン3等を保護するものである。このカバーレイ4は、UL−94 VTM−0を満たす難燃性を有することが好ましい。接着層41がある程度の難燃性を有することで、カバーレイ4がVTM−0の難燃性を満たし、それによりカバーレイ4を使用するプリント配線板1に難燃性を付与することができる。ここで、UL−94 VTM−0の難燃試験は、以下の標準サンプルを用いて行うものとする。
ポリイミドフィルム:東レ・デュポン社の「カプトン100H」(厚み25μm)
接着層の厚み:35μm
標準サンプルの作製方法:ポリイミドフィルム、接着剤及びポリイミドフィルムを積層し加熱加圧して接着する。なお、今回の評価では、加圧力を3MPa、加熱温度を180℃、加圧時間を45分として熱圧着することで標準サンプルを作製した。
カバーフィルム40は、可撓性を有するものであり、さらに絶縁性を有することが好ましい。カバーフィルム40の主成分としては、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。特に、耐熱性の観点からポリイミド樹脂が好ましい。なお、このカバーフィルム40は、主成分以外の他の樹脂、耐候剤、帯電防止剤等が含有されていてもよい。
接着層41は、カバーフィルム40をベースフィルム2及び導電パターン3に接着するものである。この接着層41の平均厚みは、特に制限がないが、下限としては5μmが好ましく、10μmがより好ましい。接着層41の平均厚みの上限としては、100μmが好ましく、75μmがより好ましい。接着層41の平均厚みが上記上限未満である、又は上記上限を超えると、この接着層41の形成が困難となるおそれがある。また、接着層41の平均厚みが大きいほど接着層41を形成するときの接着剤組成物の塗工、乾燥時の反りが大きくなり易く、また接着層41中の残留溶剤量が多くなるためリフロー時にそれらが気化しボイドとなり剥離強度の低下や外観不良を引き起こす可能性が高くなる。接着層41には導電パターンを埋め込むことのできる厚みを有することが要求されるため導電パターンが厚い場合には接着層41も厚くする必要がある。
シロキサン変性ポリイミドは、接着層41における主たる接着成分である。このシロキサン変性ポリイミドは、シロキサン骨格を有する構造単位を含むポリイミドである。シロキサン変性ポリイミドは、側鎖が不飽和二重結合を含まないもの、すなわちシロキサン変性ポリイミドの構造単位の側鎖が不飽和二重結合を含まないことが好ましい。シロキサン変性ポリイミドとしては、例えば下記式(1)で表される第1構造単位及び下記式(2)で表される第2構造単位を含むものが好ましい。
式(1)中、R1は、2価のジアミンシロキサン残基である。
式(2)中、R2は、2価の芳香族ジアミン残基である。
シロキサン変性ポリイミドは、酸二無水物成分とジアミノシロキサンを含むジアミン成分との縮合物として合成することができる。具体的には、シロキサン変性ポリイミドは、酸二無水物成分及びジアミン成分を有機溶媒に添加した反応溶液を用いてポリアミック酸溶液を生成させた後、加熱閉環(イミド化)させることにより重合体溶液として調製できる。
エポキシ樹脂は、接着層41の耐熱性、機械的強度等を向上させるものである。これは、エポキシ樹脂がシロキサン変性ポリイミドマトリクス中で単独で硬化するか、若しくはエポキシ樹脂が硬化する際にシロキサン変性ポリイミド末端のカルボン酸やアミンと反応することによってシロキサン変性ポリイミドを緩く架橋するためであると推定される。このエポキシ樹脂でシロキサン変性ポリイミドを架橋することにより、接着層41を形成する接着剤組成物の凝集力が大きくなり、接着層41の耐熱性、機械的強度等が向上するものと推察される。また同様に、高温高湿下における剥離強度の保持力も向上するが、これには凝集力の向上による透湿の抑制や、ポリイミドに比較して低い吸水率が影響しているものと推察される。
無機フィラーは、接着層41のベースフィルム2や導電パターン3に対する剥離強度、機械的強度等を向上させるものである。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂を架橋するものである。このフェノール樹脂には、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の他、キシレン樹脂、レゾルシン樹脂、レゾルシン変性フェノール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール変性樹脂等が含まれる。このフェノール樹脂は、例えばフェノール成分とアルデヒド成分とから合成することができる。
「スミカノール610」(田岡化学工業社);
「タマノル1010R」、「タマノル100S」、「タマノル510」、「タマノル7509」、「タマノル7705」(以上、荒川化学工業社);
「ショウノールCKM−1634」、「ショウノールCKM−1636」、「ショウノールCKM−1737」、「ショウノールCKM−1282」、「ショウノールCKM−904」、「ショウノールCKM−907」、「ショウノールCKM−908」、「ショウノールCKM−983」、「ショウノールCKM−2400」、「ショウノールCKM−941」、「ショウノールCKM−2103」、「ショウノールCKM−2432」、「ショウノールCKM−5254」、「BKM−2620」、「BRP−5904」、「RM−0909」、「BLS−2030」、「BLS−3574」、「BLS−3122」、「BLS−362」、「BLS−356」、「BLS−3135」、「CLS−3940」、「CLS−3950」、「BRS−324」、「BRS−621」、「BLL−3085」、「BRL−113」、「BRL−114」、「BRL−117」、「BRL−134」、「BRL−274」、「BRL−2584」、「BRL−112A」、「BRL−120Z」、「CKS−3898」(以上、昭和電工社);
「SP−460B」、「SP103H」、「HRJ−1367」(以上、スケネクタディーケミカル社);
「レジトップPL2211」(群栄化学工業社);
「PR−HF−3」、「PR−53194」、「PR−53195」(住友ベークライト社);
「ニカノールPR1440」、「ニカノールL」、「ニカノールP100」(フドー社);
「プライオーフェン5010」、「プライオーフェン503」、「TD−447」(DIC社)等が挙げられる。
任意成分としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、酸化防止剤、隠蔽剤、滑剤、加工安定剤、発泡剤、カップリング剤等が挙げられる。
トリメチルホスヘート、トリエチルホスヘート、トリブチルホスヘート、トリ−2−エチルヘキシルホスヘート、トリブトキシエチルホスヘート、トリオレイルホスヘート、トリフェニルホスヘート、トリクレジルホスヘート、トリキシレニルホスヘート、クレジルジフェニルホスヘート、キシレニルジフェニルホスヘート、2−エチルヘキシルジフェニルホスヘート等のリン酸エステル系可塑剤;
アジピン酸1,3ブチレングリコール類等のポリエステル系可塑剤;
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n
−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステル系可塑剤;
ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチル−アセチルリシノレート等の脂肪酸エステル系可塑剤などが挙げられる。これらの可塑剤は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロルペンタシクロデカン等の塩素系難燃剤;
エチレンビスペンタブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、テトラブロモエタン、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモビフェニルエーテル、テトラブロモ無水フタル酸、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ヘキサブロモシクロデカン、臭化アンモニウム等の臭素系難燃剤;
トリアリルホスフェート、アルキルアリルホスフェート、アルキルホスフェート、ジメチルホスフォネート、ホスフォリネート、ハロゲン化ホスフォリネートエステル、トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3ジブロモプロピル)2,3ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ポリホスホネート、ポリホスフェート、芳香族ポリホスフェート、ジブロモネオペンチルグリコール、トリス(ジエチルホスフィン酸)アルミ等のリン酸エステル又はリン化合物;
ホスホネート型ポリオール、ホスフェート型ポリオール、ハロゲン元素等のポリオール類;
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチモン、三塩化アンチモン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンチモン、ホウ酸、モリブテン酸アンチモン、酸化モリブテン、リン・窒素化合物、カルシウム・アルミニウムシリケート、ジルコニウム化合物、錫化合物、ドーソナイト、アルミン酸カルシウム水和物、酸化銅、金属銅粉、炭酸カルシウム、メタホウ酸バリウム等の金属粉又は無機化合物;
メラミンシアヌレート、トリアジン、イソシアヌレート、尿素、グアニジン等の窒素化合物;
シリコーン系ポリマー、フェロセン、フマール酸、マレイン酸等のその他の化合物などが挙げられる。これらの中でも、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤が好ましい。臭素系難燃剤及び塩素系難燃剤は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
次に、プリント配線板1を製造する方法について、図5A〜図5Dを参照しつつ説明する。プリント配線板1の製造方法は、絶縁性及び可撓性を有するベースフィルム2を用い、このベースフィルム2の表面側に積層される銅製の導電パターン3を形成する工程、及びベースフィルム2の表面側にカバーレイ4を積層する工程を備える。本実施形態では、表面処理層31がNiメッキの場合を説明する。
導電パターン形成工程は、図5A〜図5Cに示すようにベースフィルム2に銅箔(銅膜)3Aを積層した銅張積層板5を用い、銅箔3Aをパターニングすることで所定の平面形状のベース導体30を形成した後、このベース導体30に表面処理層31を形成することで行われる。
図5Aに示す銅張積層板5としては、ベースフィルム2に銅箔3Aを積層したものである。ベースフィルム2に銅箔3Aを積層する方法としては、例えばベースフィルム2に接着剤を用いて銅箔3Aを貼り合わせる接着法、銅箔3A上にベースフィルム2の材料である樹脂組成物を塗布するキャスト法、ベースフィルム2上にスパッタリングや蒸着法等で厚み数nmの薄い導電層(シード層)を形成した後、このシード層上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、金属箔を熱プレスで貼り付けるラミネート法等が挙げられる。
図5Bに示すように、銅箔3Aのパターニングは、公知の方法、例えばフォトエッチングにより行うことができる。フォトエッチングは、銅箔3Aの表面に所定のパターンを有するレジスト膜を形成した後に、レジスト膜から露出する導体層をエッチング液で溶解させ、レジスト膜を除去することにより行われる。
図5Cに示すように、表面処理層31は、例えばメッキ処理、熱CVD、プラズマCVD等の化学蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着法、ガス式溶射、電気的溶射等の溶射法などによって形成される。この表面処理層31は、ベース導体30にNi又はSnのメッキ処理を施すことにより、Alを蒸着することにより形成することが好ましい。
図5Dに示すように、カバーレイ積層工程においては、まずカバーフィルム40の片面に接着層41を積層したカバーレイ4を、接着層41側を表面処理層31及びベースフィルム2に対向させた状態で載置する。なお、導電パターン3におけるパッド32,33に対応する箇所は、予め開口を設けておくことが好ましい。続いて、ベースフィルム2及び導電パターン3と共にカバーレイ4を加熱し接着層41を硬化させる。この加熱温度としては、120℃以上200℃以下が好ましく、加熱時間としては1分以上60分以下が好ましい。加熱温度及び加熱時間を上記範囲とすることで、接着層41の接着性を効果的に発揮できると共にベースフィルム2等の変質を抑制することができる。加熱方法としては、特に限定されず、例えば熱プレス、オーブン、ホットプレート等の加熱手段を用いて加熱する方法等が挙げられ、熱プレスによる加圧加熱が好ましい。
当該圧力センサ用耐熱プリント配線板1は、接着層41がエポキシ樹脂を含有することで、接着層41の耐熱性が向上するものと考えられる。エポキシ樹脂を含有することで接着層41の耐熱性が向上する理由は明確ではないが、エポキシ樹脂がシロキサン変性ポリイミドマトリクス中で単独で硬化するか、若しくはエポキシ樹脂が硬化の際にシロキサン変性ポリイミドの末端のカルボン酸やアミンと反応することによって緩く架橋されるためであると考えられる。また、かかるエポキシ樹脂による架橋により、接着層41の耐湿性、機械的強度が向上するものと考えられる。
次に、本発明の圧力センサモジュールの一実施形態について、図6及び図7を参照しつつ説明する。なお、図6及び図7においては、図1〜図4の圧力センサ用耐熱プリント配線板1と同様な要素等について同一の符号を付してあり、以下における重複説明を省略する。
プリント配線板7は、図1〜図4のプリント配線板1と基本的に同様なものであるが、電子部品実装領域70が形成されている点で異なっている。この電子部品実装領域70は、パッド33が形成された他方の端部12を含む。
第1電子部品80は、一方の端部11に複数のパッド32を利用してプリント配線板7に実装されるものである。この第1電子部品80は、圧力検知素子である。この圧力検知素子としては、例えば歪みゲージ、圧電素子等が挙げられる。歪みゲージとしては、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)工程により製造されるマイクロフューズドシリコン歪みゲージが好ましい。
圧力センサモジュール6は、図1〜図4のプリント配線板1と同様な方法によりプリント配線板7を形成した後、第1電子部品80及び第2電子部品81を実装することで製造できる。
電子部品実装工程は、圧力検知素子等の第1電子部品80、ICチップ等の第2電子部品81をプリント配線板7に実装することで行われる。この電子部品実装工程は、例えば半田リフロー、異方性導電フィルムや異方性導電ペーストを用いる熱圧着等により行うことができる。
図8の圧力センサ9は、エンジンのシリンダ内に挿入してシリンダ等の圧力を測定する筒内圧センサである。この圧力センサ9は、ハウジング90、第1ホルダ91、第2ホルダ92及び圧力センサモジュール6を備える。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
酸無水物成分及びジアミン成分の種類及び配合比を表1に示す通りとし、以下に示す方法によりシロキサン変性ポリイミド(A1)〜(A8)を合成した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.4:0.6のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリイミド前駆体溶液中のポリアミド樹脂の含有量が30質量%となる量に設定した。
反応溶液の温度として180℃で14時間反応させることでポリアミック酸を生成させてシロキサン変性ポリイミド前駆体溶液を得た以外は合成例1と同様にし、シロキサン変性ポリイミド(A2)を含む重合体溶液を得た。なお、シロキサン変性ポリイミド(A2)の重量平均分子量(Mw)は、75,000であった。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.6:0.4のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリアミド樹脂の含有量が30質量%となる量に設定した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.5:0.5のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリイミド前駆体溶液中のポリアミド樹脂の含有量が30質量%となる量に設定した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.5:0.5のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリアミド樹脂の含有量が30質量%となる量に設定した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.4:0.6のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリアミド樹脂含有量が30質量%となる量に設定した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.3:0.7のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリイミド前駆体溶液中のポリアミック酸の含有量が30質量%となる量に設定した。
有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に、酸無水物としての3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、芳香族ジアミンとしての2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)及びシロキサンジアミンとしての上記式(9)で表わされるアミン当量が420g/eqの化合物(PSA)を1.0:0.4:0.6のモル比で添加して反応溶液を得た。なお、反応溶液における有機溶媒の配合量は、シロキサン変性ポリイミドの含有量が30重量%となる量に設定した。
(実施例1)
溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンとキシレンの1:1混合溶媒(質量比)に溶解したシロキサン変性ポリイミド(A1)100質量部(固形分相当量)、無機フィラーとしてのタルク(日本タルク社の「MICRO ACE K1」:平均粒径8μm)45質量部、エポキシ樹脂(DIC社の「EPICLON N695」(軟化点90℃〜100℃、エポキシ等量209g/eq〜219g/eq))4質量部、及び硬化剤としてのフェノール樹脂(日本化薬社の「GPH−65」)3質量部を混合することで接着剤組成物を得た。
下記表2に示す種類及び含有量の成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、接着剤組成物を調製した。なお、表2中の「−」は、該当する成分を配合しなかったことを示す。
評価試料としては、下記方法に従い、図10に示す両面銅張積層板(評価試料1)、図11に示すカバーレイ付銅張積層板(評価試料2)、この評価試料2の銅箔にニッケルメッキ処理を施したカバーレイ付銅張積層板(評価試料3)、及び図12に示す孔付き片面銅張積層板(評価試料4)を作製した。
図10の評価試料1は、厚みが45μm〜55mとなるように接着剤組成物を塗工した2枚の銅箔(厚み35μm)により、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社の「カプトン100H」;厚み25μm)を、加圧力を3MPa、加熱温度を180℃、加圧時間を45分として熱圧着することで作製した。また、銅箔としては、カッパーブライトで防錆処理したものを用いた。この防錆処理は、水溶性高分子であるポリオキシエチレンアルキルエーテルをイソプロピルアルコール及びヒドロキシ酪酸に溶解させた防錆溶液を用いて行った。なお、接着剤組成物は両面で同じものを使用した。
図11の評価試料2は、ポリイミドフィルム東レ・デュポン社の「カプトン100H」に厚みが45μm〜55μmとなるように接着剤組成物を塗工したカバーレイを、表面にカッパーブライト処理を施した厚み35μmの銅箔から成る銅張積層板に貼着することで作製した。カバーレイの貼着は、加圧力を3MPa、加熱温度を180℃、加圧時間を45分として熱圧着することで行った。なお、銅張積層板としては、厚み35μmの銅箔と厚み25μmのポリイミドフィルム(カプトン100H)をエポキシ樹脂系の接着剤で貼り合わせたものを使用した。なお、銅箔表面は評価試料1と同様にカッパーブライトで防錆処理している。
評価試料3は、図11の評価試料2の作製において、銅張積層板に無電解ニッケルメッキ処理を施すことで銅箔表面に厚みが0.1μmの表面処理層を形成した以外は、評価試料2と同様にして作製した。
図12の評価試料4の作製に当たっては、まず、ポリイミドフィルム東レ・デュポン社の「カプトン100H」に厚み45μm〜55μmとなるように接着剤組成物を塗工したカバーレイを形成した。次いで、このカバーレイに直径1.5mmの円形孔を開けた後、表面にカッパーブライト処理を施した厚み35μmの銅箔から成る銅張積層板にカバーレイを載置して加圧加熱して接着層を硬化させることで評価試料4を作製した。上記加圧加熱は加圧力を3MPa、加熱温度を180℃、加圧時間を45分として熱圧着することで行った。なお、銅箔としては、評価試料1と同様な手法によりカッパーブライトで防錆処理したものを用いた。
実施例1〜4及び比較例1〜9の接着剤脂組成物を使用した評価試料1〜4について、下記の手法に従い、流れ出し、剥離強度及びリフロー耐熱性の評価を実施した。評価結果を表3に示す。なお、表3における評価項目の「−」は、未評価(評価できなかった)であることを意味する。また、表中の(*)はATFオイルの染み込みが確認されたことを意味する。
剥離強度は、以下の5つの条件で、JIS−K−6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じてピール強度として測定した。この剥離強度は、島津製作所社の引張試験機「オートグラフAG−IS」を用いて測定した。なお、剥離強度の測定においては、評価試料2又は評価試料3の銅張積層板の端部の全体を挟むと共に、ポリイミドフィルムを固定して引きはがし力を作用させることで測定した。
剥離強度2:評価試料2を150℃で1,000時間放置した後の常温での剥離強度
剥離強度3:ニッケルメッキ処理を施した評価試料3を、150℃で1,000時間放置した後の常温での剥離強度
剥離強度4:評価試料2をトヨタ自動車社のATFオイル「トヨタ純正オートフルード(WS)」に浸漬した状態とし、150℃で1,000時間放置した後の常温での剥離強度
剥離強度5:評価試料2を作製した初期の150℃での剥離強度
剥離強度6:評価資料1を85℃、85%で1,000時間放置した後の常温での剥離強度
リフロー耐熱性は、評価試料1又は評価試料2を260℃の恒温槽に1分放置した後に変形の有無を確認することで評価した。評価基準は、以下の通りである。なお、表3におけるリフロー耐熱性1は評価試料1を用いた結果であり、リフロー耐熱性2は評価試料2を用いた結果である。
B:変形が認められる
流れ出しは、円形孔を形成した評価試料4について、平面視における円形孔の内面からの接着剤の流出距離d(図13参照)を測定することで評価した。なお、接着剤組成物には、流出距離が200μm未満であることが求められる。
参考例1〜4の接着剤組成物は、無機フィラーとして表4に示す平均粒径及びアスペクト比のものを用いた以外は比較例3と同様にして調製した。また、なお、表4に示す無機フィラーB1〜B5は下記の通りである。
B2:日本タルク社の「MICRO ACE P8」
B3:日本タルク社の「GAT−40」
B4:日本タルク社の「MICRO ACE P2」
B5:日本ミストロン社の「ミストロンベーパータルク」
10 本体部
11 一方の端部
12 他方の端部
2 ベースフィルム
3 導電パターン
3A 銅箔
30 ベース導体
31 表面処理層
32,33 パッド
4 カバーレイ
4A,4B 開口
40 カバーフィルム
41 接着層
5 銅張積層板
6 圧力センサモジュール
7 プリント配線板
70 電子部品実装領域
80 第1電子部品
81 第2電子部品
82 検知素子
9 圧力センサ
90 ハウジング
91 第1ホルダ
92 第2ホルダ
93 配線
Claims (13)
- ベースフィルムと、このベースフィルムに直接又は他の層を介して積層される導電パターンと、上記ベースフィルム及び導電パターンを有する積層体に接着層を介して積層されるカバーフィルムとを備える圧力センサ用耐熱プリント配線板であって、
上記接着層が、シロキサン変性ポリイミド、エポキシ樹脂及び無機フィラーを含有し、
上記シロキサン変性ポリイミドが下記式(1)で表される第1構造単位及び下記式(2)で表される第2構造単位を含み、
上記シロキサン変性ポリイミドの重量平均分子量(Mw)が25,000以上150,000以下である圧力センサ用耐熱プリント配線板。
式(1)中、R 1 は、2価のジアミンシロキサン残基である。
式(2)中、R 2 は、2価の芳香族ジアミン残基である。
上記式(1)中、mは、上記シロキサン変性ポリイミドの全構造単位における上記第1構造単位のモル比率を表し、0.35以上0.65以下である。
上記式(2)中、nは、上記シロキサン変性ポリイミドの全構造単位における上記第2構造単位のモル比率を表し、0.35以上0.65以下である。
但し、mとnとの合計が1を超える場合はない。) - 上記無機フィラーの含有量が上記シロキサン変性ポリイミド100質量部に対して10質量部以上100質量部以下である請求項1に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 上記無機フィラーの平均粒径が2μm以上20μm以下である請求項1又は請求項2に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 上記無機フィラーが板状であり、
上記無機フィラーのアスペクト比が5以上100以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。 - 上記エポキシ樹脂の含有量が上記シロキサン変性ポリイミド100質量部に対して50質量部以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 上記接着層がフェノール樹脂をさらに含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 上記シロキサン変性ポリイミドの側鎖が不飽和二重結合を含まない請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 上記導電パターンが、ベース導体と、このベース導体における外表面の少なくとも一部に形成される1以上の表面処理層とを有し、
上記1以上の表面処理層の主成分が金(Au)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)又はアルミニウム(Al)である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。 - 85℃、85%RHの空気中に1,000時間放置した後の上記カバーフィルムと導電パターンとの剥離強度が3.4N/cm以上である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 可撓性を有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板。
- 請求項1に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板と、
この圧力センサ用耐熱プリント配線板に実装される電子部品とを備える圧力センサモジュール。 - 上記電子部品が圧力検知素子及びICチップのうちの少なくとも一方である請求項11に記載の圧力センサモジュール。
- 請求項1に記載の圧力センサ用耐熱プリント配線板を備える圧力センサ。
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