JP6202404B2 - 擬木及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、リアル性のある擬木であり尚且つ手触りの良い擬木の形成を前提とした上で、耐久性の向上と、安全性の向上を図ったポリウレタン擬木に関する。
従来の擬木は、所要の長さと径を備えた筒状芯材の外周面にクレープ材が捲着されると共に、該クレープ材の外表面に着色発泡プラスチック製の発泡樹皮を形成した構造であった。
また、従来の擬木の製法は、所要の長さと径を備えた筒状芯材の外周面にクレープ材を捲着せしめ、捲着クレープ材の外表面に着色発砲プラスチックを塗布せしめたのち、加熱して発砲樹皮を形成せしめるものである。(例えば、特許文献1参照)
また、従来の擬木の製法は、所要の長さと径を備えた筒状芯材の外周面にクレープ材を捲着せしめ、捲着クレープ材の外表面に着色発砲プラスチックを塗布せしめたのち、加熱して発砲樹皮を形成せしめるものである。(例えば、特許文献1参照)
以上に述べた従来の擬木は、軽量化を実現するものではあるが、長期間設置した場合に、雨や湿気の影響で発砲樹皮から水分が内部に浸透し、さらにクレープ材の継ぎ目から水分が内部へと浸透し、接着層の剥離、筒状芯材の腐食を引き起こす。それによって倒壊の原因につながり、剥離した樹皮に人体が触れることで怪我をする恐れがあるなど、耐久性と安全性に課題があった。
本発明は、このような従来の製作方法及び素材がもたらす耐久性や、安全性の問題を解決しようとするものであり、雨や湿気などの水分が樹皮内部へ浸透することを防ぎ、外表面の剥離や筒状芯材の腐食が長期にわたって起こらない安全で良好な状態を維持できる擬木の製造を目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するために、所要の長さと径をもつ筒状芯材と、前記筒状芯材より大きな径を有する軟質ポリウレタン樹脂製のシームレス構造の筒状樹皮とを有し、前記筒状芯材と前記筒状樹皮との間に形成される中間層に硬質ポリウレタン樹脂製の接合材を設けたものである。
また、製造方法は所要の型の内表面に筒状樹皮を形成する軟質ポリウレタン樹脂を塗布した後、所要の型の中心に筒状芯材を固定し、前記筒状樹皮と前記筒状芯材との間に形成される中間層に硬質ポリウレタン樹脂を注入成形して接合材を形成するものである。
また、製造方法は所要の型の内表面に筒状樹皮を形成する軟質ポリウレタン樹脂を塗布した後、所要の型の中心に筒状芯材を固定し、前記筒状樹皮と前記筒状芯材との間に形成される中間層に硬質ポリウレタン樹脂を注入成形して接合材を形成するものである。
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。軟質ポリウレタン樹脂で形成されたシームレス構造の筒状樹皮には継ぎ目がなく、内部への水分の浸透を防ぐことができる。なおかつ筒状樹皮と筒状芯材の中間層に形成された接合材は防水壁と補強材の役目を担い、水分が筒状芯材に達することがなく筒状芯材の腐食を防止することができ強度も向上することとなる。
上述したように本発明の擬木は、軟質ポリウレタン樹脂製の外皮と硬質ポリウレタン樹脂製の接合剤を設ける事により外皮と接合剤が強固に密着される。従って、両面接着テープを使用することもなく空隙も存在しないので、雨や水分の内部への侵入による劣化や腐敗を防ぐことができ、長期的に良好な状態の維持が可能となる。長期間設置していてもメンテナンスや取り替えの必要性がなく耐久性に優れた擬木を実現する事ができる。
また、外表面に防水性の軟質ポリウレタン樹脂を採用したため、弾性があり人体にやさしく手触りの良い安全性に優れた樹皮を長期にわたり持続できる。
加えて、筒状芯材と筒状樹皮との中間層に硬質ポリウレタン樹脂を採用することで、筒状芯材を採用した軽量化構造を基本とした上で、耐久性の向上を同時に得ることができ倒壊などの危険性を回避することができる。
さらに、本発明の擬木の製造方法は、原木から形取られた型の内表面に軟質ポリウレタン樹脂を塗布して筒状樹皮を形成することから、表面は柔らかく安全でまた原木と同じ極めてリアルな木目を形成することができる。また、筒状樹皮を成形した後、型の中心部に筒状芯材を設け、筒状樹皮との間の中間層に硬質ポリウレタン樹脂を注入成形して接合材を形成することにより、筒状芯材と筒状樹皮の間に隙間を設けることなく確実に接合することができる。従って、一定した品質の商品を大量に製造することができる。
本発明の実施の形態を図1から図2に基づいて説明する。
図においては、1は擬木で、2は所要の長さと径をもつ筒状芯材で、3は軟質ポリウレタン樹脂製の筒状樹皮、4は筒状樹皮3と筒状芯材2との中間層に設けた硬質ポリウレタン樹脂製の接合材である。
筒状樹皮3と筒状芯材2との中間層には筒状樹皮3と同質の素材の接合剤4を設けているために筒状樹皮3と接合剤4が強固に密着する構造である。したがって、両面接着テープを使用することもないので剥離することもなく信頼性の高い構造を実現できる。さらに擬木1の外表面5には原木から形取られた木目模様を形成することができリアルで質の高い擬木1を実現することができる。
さらに、筒状樹皮3と接合剤4と筒状芯材2とが強固に密着し、隙間のない構造となっているため、筒状樹皮3と筒状芯材2の間に水分が侵入することもなく、筒状樹皮3の剥離または亀裂も生じない。従って、剥離した樹皮3に人体が触れて怪我をするなどの事故も防止することができ、安全性の高い擬木1を実現することができる。
以下に、本発明の擬木の製造方法を図3から図6に基づいて説明する。筒状樹皮3の形成方法であるが、軟質ポリウレタン樹脂にレジン用着色剤で着色を施し3回に分けて両面型の右割型8と左割型9の内表面6に塗布する。1層目の塗り込みは、軟質ポリウレタン樹脂の1剤と2剤を混合させ硬化を開始したのち、油性用刷毛を使って型の内表面6の全体に均等に樹脂を塗り込む。1層目では気泡が入らないようにする為と、木目模様を綺麗に反映させるため、内表面6の木目の凹凸の溝にまんべんなく樹脂が入るように注意をはらいながら塗り込む。1層目の塗り込みが終えたら1mmほどの層ができる。硬化したのち2層目、3層目を同じ方法で塗布する。3層目が塗布された時点で硬化した樹脂の厚みが3mm程度になれば良好な状態と言える。内表面6からはみ出た樹脂は硬化する前にヘラや布で拭き取り、右割型8と左割型9の内表面6以外の部分には樹脂が付着しないように注意を払う必要がある。使用する軟質ポリウレタン樹脂には、レジン用着色剤を用いて着色を施すが、使用する色は擬木の形状や色によって異なる。本発明の実施例では、1層目にウォルナット色、2層目にブラウン色、3層目にセピア色の着色剤を使用することで、原木に近いリアルな樹皮を形成している。年輪部7も同じ手順で塗布するが、内表面6の塗布が完了したのち、レジン用着色剤で着色を施した軟質ポリウレタン樹脂を塗布する。年輪部7に使用する色は擬木の形状や色彩によって異なるが、本発明の実施例では1層目にオーク色を使用し、2層目と3層目に同色のブラウン色を使用している。3色の着色されたポリウレタン樹脂を順番に3層に塗布することで、自然木のようなグラデーションのある筒状樹皮2を形成することができる。
次に、右割型8と左割型9の内表面6に塗布した軟質ポリウレタン樹脂の硬化成形後、筒状芯材2を図4、図5の右割型8の内表面6の中心に固定する。中心に固定する方法としては、筒状芯材2と内表面6との隙間の幅と同サイズの固定剤10をあらかじめ軟質ポリウレタン樹脂で形成しておき、図4、図5の右割型8と左割型9の上部と下部に2か所ずつ貼り付け、筒状芯材2が右割型8の中心に配置できるようにする。軟質ポリウレタン樹脂製の固定剤10を貼り付けるためには同剤質の軟質ポリウレタン樹脂を接着剤として使用する。
右割型8の結合部分11に結合用樹脂を塗り込む。図4と図5における型の結合部分11に結合用樹脂を塗布した直後に左割型9を右割型8の上に乗せ、型を貼り合わせ硬化させる。結合用樹脂には、軟質ポリウレタン樹脂を使用する。右割型8と左割型9が貼り合わせられ結合部分11に塗布された樹脂を硬化させることにより、右割型8と左割型9内表面6の軟質ポリウレタン樹脂が結合し切れ目のないシームレス構造の筒状樹皮3が形成される。
筒状樹皮3が形成されその中に筒状芯材2が設置された後、注入口12が天にくるように型を立てかける。硬質ポリウレタン樹脂の1剤と2剤を混合させ硬化を開始したのち、硬質ポリウレタン樹脂を注入口12から注入し、注入口12と空気口13の真ん中の樹脂が見える所まで注入する。
硬質ポリウレタン樹脂が硬化したら、貼り合わせられた右割型8、左割型9を脱型する。脱型され内部に形成された擬木1は、表面が軟質ポリウレタン樹脂製の筒状樹皮3が形成されており、内部に存在する筒状芯材2と筒状樹皮3との間の中間層に接合材4が形成されている。外表面5は柔らかく手ざわりが良く、色付きのリアルな樹皮模様が形成されている。注入口12と空気口13から、はみ出た硬質ポリウレタン樹脂のかたまりは切断したのち研磨して取り除く。
以下、上記構成の使用素材について説明する。筒状樹皮3、固定剤10、11に塗布する結合用樹脂に使われる軟質ポリウレタン樹脂は、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートを原料とするブロー成形用の2液混合タイプの防水性軟質ポリウレタン樹脂を使用する。接合材4の形成に使用する硬質ポリウレタン樹脂は、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートを原料とする注入成形用の硬質ポリウレタン樹脂を使用する。環境への配慮、人体への有害性の軽減、リサイクルを可能とする為に使用するポリウレタン樹脂は無溶剤タイプのものを使用する。ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート混合タイプのポリウレタン樹脂は、硬化時にポリオール成分同士が接着性を有する。その為、筒状樹皮3と筒状芯材2と中間層に設けた接合材3とを強固に結合することが可能となる。さらに、筒状芯材2は上下に蓋溶接加工が施された鉄製芯材を使用し、型の素材としては、ポリウレタン樹脂との離型に適したシリコンゴムを使用するのが好ましい。
また本発明の擬木は、円柱形状の自然木に限らず、加工木材の様な断面角形形状の擬木等、様々な形状の擬木が製作できる。
また本発明の擬木は、円柱形状の自然木に限らず、加工木材の様な断面角形形状の擬木等、様々な形状の擬木が製作できる。
1 擬木
2 筒状芯材
3 筒状樹皮
4 接合材
5 外表面
6 内表面
7 年輪部
8 右割型
9 左割型
10 固定剤
11 結合部分
12 注入口
13 空気口
2 筒状芯材
3 筒状樹皮
4 接合材
5 外表面
6 内表面
7 年輪部
8 右割型
9 左割型
10 固定剤
11 結合部分
12 注入口
13 空気口
Claims (2)
- 所要の長さと径をもつ筒状芯材と、前記筒状芯材より大きな径を有する軟質ポリウレタン樹脂製のシームレス構造の筒状樹皮とを有し、前記筒状芯材と前記筒状樹皮との間に形成される中間層に硬質ポリウレタン樹脂製の接合材を設けたことを特徴とする擬木。
- 所要の型の内表面に筒状樹皮を形成する軟質ポリウレタン樹脂を塗布した後、所要の型の中心に筒状芯材を固定し、前記筒状樹皮と前記筒状芯材との間に形成される中間層に硬質ポリウレタン樹脂を注入成形して接合材を形成することを特徴とする擬木の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2015257853A JP6202404B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | 擬木及びその製造方法 |
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JP2017114105A JP2017114105A (ja) | 2017-06-29 |
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JPH1178400A (ja) * | 1997-09-10 | 1999-03-23 | Sekisui Jushi Co Ltd | 擬 木 |
JP2001080009A (ja) * | 1999-09-10 | 2001-03-27 | Sekisui Jushi Co Ltd | 擬木及び擬木の木肌模様形成方法 |
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