JP6202190B2 - 酸化物超電導バルクマグネット - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物超電導バルクマグネットに関する。
REBa2Cu3O7-x(REは、希土類元素)相中にRE2BaCuO5相が分散して超電導バルク体とした酸化物超電導材料は、高い臨界電流密度(Jc)を有するために、磁場中の冷却やパルス着磁により励磁され、酸化物超電導バルク磁石として使用可能である。例えば、特許文献1には、このような酸化物超電導材料(酸化物超電導バルクマグネット)を、超電導モーター等に使用できる超電導磁場発生装置が開示されている。
そして、非特許文献1には、磁場中の冷却により着磁した直径36mmの円柱形Sm系超電導バルクマグネットを用いて、最大1.5T程度の磁場を発生できる超電導バルク磁石について開示されている。また、非特許文献2には、Y系バルク超電導材料を用い、パルス着磁と磁場中冷却による着磁とを比較検討していることが開示されている。さらに、非特許文献3には、超電導マグネット中で直径約60mmのバルク超電導材料を用い、40Kにおいて約4.5Tの磁場を発生させていることが開示されている。このようにRE系バルク超電導材料のパルス着磁に関しては、特許文献1において磁束跳躍をともなうパルス着磁が開示され、また、非特許文献2、非特許文献3等においては冷却方法も含めた着磁方法について開示されている。
最近では、特許文献4において、低磁場で高い臨界電流密度(Jc)特性を有するリング状のバルク超電導体(REIIBa2Cu3O7-x)の内側に高磁場で高いJc特性を有する円柱状のバルク超電導体(REIBa2Cu3O7-x)の二種類のRE系からなる超電導バルクマグネットを配置することにより、低磁界から高磁界まで大きな捕捉磁界を得られるとした超電導バルク磁石が開示されている。なお、前記超電導バルク磁石の着磁は、静磁場下で行われている。
また、特許文献5には、組成の異なる(即ち、超電導特性の異なる)二種類または三種類のRE系からなる超電導バルクマグネットを配置することにより、低磁界から高磁界まで大きな捕捉磁界を得られるとする超電導バルク磁石が開示されている(特に、特許文献5の図1、図5及び図8参照)。具体的には、臨界電流密度特性の異なる二種類(または三種類)の超電導バルクマグネットを用いるものであり、周辺部に低磁場で大きい臨界電流密度を有する材料を配置し、磁場強度が高くなる中心部に高磁場で高い電流密度を有する材料を配置することにより、全体として強い磁場発生を可能にするというものである。着磁方法としては、静磁場着磁法で超電導マグネットとする場合、及びパルス着磁法で超電導マグネットとする場合が記載されている。
特許文献6に記載された酸化物超電導材料は、基本的に原料を節約し、かつ、軽量な酸化物超電導バルクマグネットを作製するために、複数個の中空酸化物超電導バルクマグネットを複合化した、内部を中空とした酸化物超電導バルクマグネットである。このように中空とすることにより軽量化できるとされている。また、前記超電導バルクマグネットの着磁に関しては、液体窒素中に浸漬して超電導状態にし、外部から磁界を印加して超電導体に磁束線をトラップさせて永久磁石とする方法、即ち、静磁場着磁方法を用いるものとしている。
また、特許文献7には、パルス着磁での発熱による特性低下の問題を解決するため、超電導体間に冷媒の流路を設けることにより、パルス着磁時の捕捉磁束特性が改善されることが開示されている。さらに特許文献8には、リング状の超電導バルクマグネットを入れ子状に配置した超電導バルクマグネットによりパルス着磁時の電流のパスを制御し、同心円状に近い均一な着磁を可能にすることが開示されている。また、特許文献9には、同様の目的で、継ぎ目を一箇所以上有する多重リング状の超電導バルク超電導板を積層することによって電流パスを制限し、パルス着磁によって均一な捕捉磁場分布が得られることが開示されている。
以上のように、RE系(RE-Ba-Cu-O系)酸化物超電導バルクマグネットでは、超電導バルク磁石として、酸化物超電導バルクマグネットの構成や着磁方法および外周リング補強等によるフープ力による割れの防止によって、マグネット(磁石)としての磁場強度の向上が行われている。
特開平6−20837号公報 特開平6−168823号公報 特開平10−12429号公報 特開2001−358007号公報 特開平9−255333号公報 特開平7−211538号公報 特開2006−319000号公報 特開2011−142303号公報 特開2011−199298号公報 特開平11−284238号公報 特開平11−335120号公報 特開2000−178025号公報 特開2001−10879号公報 特開平7−182934号公報
生田ら;日本応用磁気学会誌Vol.23, No.4-1,(1999)p.885 Y,Itoh et al., Jpn J. Appl. Phys., Vol34、 5574(1995) 森田ら;日本応用磁気学会誌Vol19, No3.(1995)p.744 成木ら;低温工学 40巻7号 2005
REBa2Cu3O7-x相(123相)中にRE2BaCuO5相(211相)が分散した酸化物超電導バルクマグネットは、着磁することによって超電導状態で永久磁石のような磁場発生源(超電導バルク磁石)として機能する。発生磁場強度は、超電導バルク磁石の大きさおよびバルク超電導材料の臨界電流密度に概ね比例する。例えば、図3に示すような円柱状の超電導バルク磁石の場合、静磁場着磁で十分に高い磁場強度で着磁することによって、円柱表面の中心の磁場強度は、直径(D)と臨界電流密度(Jc)とに比例する。臨界電流密度Jcは、超電導バルク磁石の冷却温度によって変化し、一般に低温であるほど高い臨界電流密度Jcを有する。具体的には、直径45mm、厚さ15mmの銀添加Gd系バルク超電導材にその外周部分をステンレスリングで補強することによって、77Kで1.8T、70Kで3.8T、60Kでは、7.0Tの磁場発生が報告されている(手嶋等:低温工学)。この様により低温での着磁によって、より高強度の磁場を捕捉させて高磁場を発生する超電導バルク磁石とすることができる。
従来、この様な円柱状超電導バルクマグネット又はリング状超電導バルクマグネットの外周部に室温状態で金属リングを嵌めこみ、着磁温度に冷却し、熱膨張係数の違いを利用することにより、超電導バルクマグネットに捕捉した磁場によって発生するフープ力を抑え込み、超電導バルクマグネットの割れを防止している。この方法により直径30mm以上の比較的大型の超電導バルクマグネットで6〜9T程度の超電導バルク磁石の報告がなされている。しかし、このレベルの磁場強度においても、超電導バルクマグネットの割れの報告(H.Ikutaら,Advances in superconductivity XII p658, およびT.Yamada ; Physica C392-396(2003)623-627)もあり、特に直径50mmを超える比較的大型材の低温領域(特に20〜50K)における高強度磁場発生に必要な割れ防止のための補強技術は未完成の状態にあった。
従来の外周部を金属リングで補強する技術に関しては、特許文献10には、円柱状の超電導バルクマグネットの外周部に金属リングを配置し、超電導バルクマグネットとリングとの間に樹脂を配置する方法が開示されている。また、特許文献11には、高い寸法精度で超電導バルクマグネットの外周径と金属補強リングの内周径とを加工し、焼き嵌めやリングと超電導バルクマグネットとの間の僅かな隙間を樹脂で埋める方法が開示されている。
さらに、特許文献12及び13には、超電導バルクマグネット中のミクロなクラックに樹脂を含浸させた上で、超電導バルクマグネットの外周部を含む周囲に補強用の樹脂を配置する方法が開示されている。また、特許文献14には、角型の外周支持用高強度材料をリング状超電導バルクマグネットの外周部に配置する方法が開示されており、特に特許文献14の図2には、リング状超電導バルクマグネットの内部全体に内周支持用高強度材料が配置された超電導バルクマグネットが開示されている。
これらの補強法は、特に直径50mm以上の比較的大型材の超電導バルクマグネットが50K未満の比較的低温領域でフル着磁(ほぼ超電導バルクマグネット全体がほぼ臨界状態に着磁された状態)する場合等、5T超の高強度磁場の発生に対しては不十分であり、再現性よく安定した補強方法は得られていない。これは、もともと超電導バルクマグネットの強度は70MPa程度と低いためである。
特許文献10には、超電導バルクマグネットの周囲に配置された支持部および支持部材により種々の形状の超電導バルクマグネットの補強方法が示されている。しかし、特許文献10には、高強度の金属リングにより外周部が補強されたリング超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
特許文献11には、円柱または円筒状の超電導バルクマグネットの周囲を高強度の金属リングにより補強する方法は開示されている。しかし、特許文献11には、高強度の金属リングにより外周部が補強されたリング超電導超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
特許文献12及び13には、金属リングによる補強ではなく、樹脂含浸層および樹脂含浸された布の密着被覆層により補強され、腐食劣化に対して強い酸化物超電導体に関して開示されている。しかし、特許文献12及び13には、外周部に高強度の金属リング補強されたリング超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
特許文献14には、貫通路を有する超電導バルクマグネットの周囲を高強度材料で覆ったことを特徴とする超電導バルクマグネットに関して開示されている。しかし、特許文献14には、高強度の金属リングにより外周部が補強されたリング超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
特許文献8には、入れ子状に配置したリング超電導バルクマグネットおよび中心コア部が記載されており、それらの隙間に半田を挿入して一体化された超電導バルクマグネットについて開示されている。しかし、特許文献8には、高強度の金属リングにより外周部が補強されたリング超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
特許文献9には、リング形状に近い継ぎ目を有する同心円状リングを半田により隙間を埋め一体化された超電導バルクマグネットが開示されているが、各超電導バルクマグネットは継ぎ目を有するため、金属リングによる補強は困難である。特許文献9にも、高強度の金属リングにより外周部が補強されたリング超電導バルクマグネット、および中心コア部が入れ子状に配置・補強された超電導バルクマグネットについては何も開示されていない。
非特許文献4のFig.1(b)には、直径48mm、内径24mm、高さ21mmのリング状バルク試料のリングの内部に外径24mm、肉厚1.0mmのアルミニウムリングおよび直径22mmの円柱状バルク試料を挿入し、隙間の全周にエポキシ樹脂を充填したバルクマグネットが記載されている。そして、上記試料は、従来の外周リングのみを施した試料(Fig.1(a)参照)に比べ割れやすいことが示されている。しかしながら、外周部が補強されたリング状バルクまたは外周部と内周部とを補強されたリング状バルクを入れ子状に配置し隙間の一部のみに樹脂、グリース、半田を充填したバルクマグネットに関しては一切記載されていない。
この様にこれらの特許文献8〜14に記載された補強法は、特に前述の直径50mm以上の比較的大型材の超電導バルクマグネットが50K未満の比較的低温領域でフル着磁(ほぼ超電導バルクマグネット全体がほぼ臨界状態に着磁された状態)する場合等、5T超の高強度磁場の発生に対しては不十分であり、再現性よく安定した補強方法は得られていない。これは、もともと超電導バルクマグネットの強度はせいぜい70MPa程度と低いためである。
本発明は、上記課題に鑑み、REBa2Cu3O7-x相中にRE2BaCuO5相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、直径50mm以上の大型であっても5T以上の高磁場中で着磁時に割れずに強磁場を発生できる酸化物超電導バルクマグネットを提供することを目的とする。
本発明者は、1個以上のリング状の酸化物超電導バルクマグネットの各外周部をリング状の補強材で補強し、かつ、これらを入れ子状に配置し補強するものである。
一方、円柱およびリング状超電導バルクマグネットの軸方向には、大きな応力が発生しないため、前記軸方向には補強材を配置する必要はない。むしろ、補強材を積層又はギャップを設けて配置すると有効な磁場空間を狭くするため、軸方向には、補強材がない方が望ましい。
また、一個の円柱状超電導バルクマグネットを複数のリング状酸化物超電導バルクマグネットの入れ子状に分割し、各リング状酸化物超電導バルクマグネットおよび中心コア部分の酸化物超電導バルクマグネットを金属リングで補強することによって、最大応力となる中心部を効果的に補強できる補強方法を提供するものである。
外周部のみを金属リングで補強した場合に強磁場捕捉時の超電導バルクマグネットの割れに関しては、原因等に関する検討がなされておらず、その対策についても検討されていない状況であった。また、対策として、実際に、一個の円柱超電導バルクマグネットを、例えば、外周リング部と中心コア部とに加工しそれぞれに金属リングを施して補強することは、精密な加工技術を要することや加工の労力およびコストが必要になる可能性があるとともに、最外周部以外の補強リングの厚さ分、超電導材料の実行的な径を小さくすることもあり、これまで本発明のような補強方法は考えられていなかったものと思われる。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)REBa2Cu307−x相中にRE2BaCuO5相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた1個のング状酸化物超電導バルクマグネットが入れ子状に配置され、
前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットとその内側の前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
(2)REBa 2 Cu 3 0 7−x 相中にRE 2 BaCuO 5 相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、 補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた2個以上のリング状酸化物超電導バルクマグネットが入れ子状に配置され、
前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットとその内側の前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填され、
前記入れ子状に配置された2個以上のリング状酸化物超電導バルクマグネットの隣接するリング状バルクマグネット間の隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
)REBa2Cu307−x相中にRE2BaCuO5相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた円柱状の酸化物超電導バルクマグネットである中心コア部が配置され、
前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットと前記中心コア部の補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
)前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた円柱状の酸化物超電導バルクマグネットである中心コア部配置され、
前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットと前記中心コア部補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
)着磁により5T以上の磁束を発生でき、外径が50mm以上であることを特徴とする(1)〜()のうちいずれかに記載の酸化物超電導バルクマグネット。
)前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なるとを特徴とする(1)、(2)、(4)のうちいずれかに記載の酸化物超電導バルクマグネット。
(7)前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記中心コア部の外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なることを特徴とする(3)に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
(8)前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記中心コア部の外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なることを特徴とする(4)に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
)前記それぞれの補強材の肉厚を、外周に位置する前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材から、その内側に位置する前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材、更にその内側の前記中心コア部の外周部を補強する補強材に向けて、内側になるほど厚くする、ことを特徴とする(記載の酸化物超電導バルクマグネット。
10)前記リング状前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする(1)〜()のうちいずれかに記載の酸化物超電導バルクマグネット。
(11)前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする(1)、(2)、(4)、(6)、(8)、(9)のうちいずれかに記載の酸化物超電導バルクマグネット。
(12)前記中心コア部の酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする(3)、(4)、(7)のうちいずれかに記載の酸化物超電導バルクマグネット。
本発明によれば、着磁により、高磁場を安定に発生することができる酸化物超電導バルクマグネットを提供できる。また、割れクラックが発生しにくいため、対称性・均一性に優れた着磁が可能な酸化物超電導バルクマグネットを提供できる。さらに、入れ子状に超電導体が配置されているためパルス着磁法によっても高磁界を発生する酸化物超電導バルクマグネットをより簡便に実現し得ることから、通常の永久磁石では得られない高磁界を利用でき、その工業的効果は甚大である。
同心円状に配列された複数のリング状超電導バルクマグネットのそれぞれに補強材が補強された状態で冷却した場合の補強材が超電導材料に及ぼす応力の分布を示す図である。 円柱状超電導バルクマグネットの外周部にのみリング状の補強材が補強された状態で冷却した場合の補強材が超電導材料に及ぼす応力の分布を示す図である。 (a)は円柱状超電導バルクマグネットにおける超電導電流Jの状態を示す斜視図であり、(b)は(a)のバルクマグネットの形状と捕捉磁場分布との関係を示す図である。 (a)はリング状超電導バルクマグネットの形状を示す斜視図であり、(b)は(a)のバルクマグネットの形状と捕捉磁場分布との関係を示す図である。 (a)は実施例1で作製した本発明例の試料ABの構造を示す斜視図であり、(b)は比較例1の試料C1の構造を示す図である。 (a)は実施例2で作製した本発明例の試料D1ED2の構造を示す斜視図であり、(b)は比較例の試料C2の構造を示す斜視図である。 (a)は実施例3で作製した発明例の試料S−12の構造を示す平面図であり、(b)は比較例の試料C3の構造を示す平面図である。 (a)は実施例3で作製した試料R−12の構造を示す平面図であり、(b)は試料C4の構造を示す平面図である。
割れを防ぐための効果的な補強方法は、最も大きな応力が作用する部分の近傍を補強することである。例えば、全体的な外形が円柱状の超電導バルクの場合、図1に示すように最外周部からの補強材2による補強以外に、同心円状に配列された内側の円柱状超電導バルク20の外周部から更に補強材2により補強して圧縮応力Tを与えることが有効である。単一の円柱状バルクの最外周部のみ補強した場合、図2に示すように中心部は外周補強リングによる圧縮応力Tが小さくなり補強効果が低下する。また、図3(a)及び(b)に示すように円柱状の超電導バルクに超電導電流Jが流れるように、当該バルクを十分大きな磁場Hで着磁した場合、当該バルクの中心において磁場Hが最大強度HMAXとなり、応力も最大となる。そのため、円柱状超電導バルクにおいて、より中心部分に近い部分を図1のように補強することは極めて有効である。
より具体的には、円柱状超電導バルクマグネットをフル着磁した場合、当該超電導バルクマグネット表面の磁場強度Hの分布は、図3(a)に示すような円柱形状では、図3(b)に示すようにほぼ表面中心にピークを有する三角錐の形状になる。
また、図4(a)に示すようなリング形状の超電導バルクマグネットをフル着磁した場合、当該超電導バルクマグネット表面の磁場強度Hの分布は、図4(b)に示すように三角錐の形状から、内周に対応する部分を切り取り、内周部分から平らになった台形を軸上に回転させたような分布になる。
そして、それぞれの場合、最大引っ張り応力が作用する位置は、円柱の場合は中心であり、リング状の場合は内周側面になる。そして、割れが発生する場合、磁場Hが最大強度HMAXとなる箇所がそれぞれの最大応力となる箇所となり、当該箇所が割れの起点となることが多い。例えば、円柱形状の場合、外周部から金属リングにより圧縮応力が加わった状況において、中心部ではその圧縮応力が弱まるため、フープ力が最大となる中心で割れの起点となる。一方、外周金属リングからの圧縮応力が同じ場合、円柱の径が大きくなればなるほど中心部に及ぼす応力は小さくなる。
本発明者らは、着磁により5T以上の磁束を発生できる外径が50mm以上の、RE- Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットを用いた比較的大型の酸化物超電導バルクマグネットを高効率に補強するにはどのような補強構造を取るべきかを鋭意検討した。その結果、従来は一体のバルクマグネットに関し、酸化物超電導バルクマグネットの外周部にのみリング状の高強度金属を補強していたのに対して、中心部を補強材で外周部を補強した中心コア部材またはリング状酸化物超電導バルクマグネットとし、入れ子状に分割した1個以上のバルクマグネットの各外周部を高強度金属で補強したリング状酸化物超電導バルクマグネットを入れ子状に配置することによって、超電導バルクマグネットを形成し、最大応力点となる中心部を効率良く補強する発想を得たものである。
本発明で用いるRE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットを構成する超電導バルクは、超電導体相である、単結晶状のREBa2Cu3O7-x相(123相)中に、非超電導相であるRE2BaCuO5相(211相)が微細分散した組織を有するものである。ここで、単結晶状というのは、完璧な単結晶でなく、小傾角粒界等の実用に差支えない欠陥を有するものも包含するという意味である。
また、単結晶状(擬単結晶)としているのは、単結晶の123相中に211相が微細に(例えば、1μm程度に)分散した結晶相であるからである。REBa2Cu3O7-x相(123相)及びRE2BaCuO5相(211相)におけるREは、希土類元素を示し、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる希土類元素又はそれらの組み合わせである。また、La、Nd、Sm、Eu、Gdを含む123相は1:2:3の化学量論組成から外れ、REのサイトにBaが一部置換した状態になることもあるが、本発明の123相に含まれるものとする。
また、非超電導相である211相においても、La、Ndは、Y、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luとは幾分異なり、金属元素の比が非化学量論的組成であったり、結晶構造が異なっていたりすることが知られているが、その場合も本発明の211相に含まれるものとする。また、REBa2Cu3O7-x相のxは、酸素欠損量であり、0<x≦0.2である。xがこのような範囲にあると、REBa2Cu3O7-x相が超電導体として超電導性を示すからである。
前述のBa元素の置換は、臨界温度を低下させる傾向がある。また、より酸素分圧の小さい環境においては、Ba元素の置換が抑制される傾向にあることから、大気中よりはむしろ、アルゴン又は窒素中に酸素を微量混合した0.1〜1%酸素雰囲気内で、結晶成長を行うことが望ましい。また、RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットの超電導バルク中に銀を含有することにより、機械的強度及びJc特性が増加する傾向があり、銀を5〜20質量%含有することがより望ましい。この時123相は1:2:3の化学量論組成から外れ、CuのサイトにAgが一部置換した状態になることもあるが、本発明の123相に含まれるものとする。
123相は、211相とBaとCuとの複合酸化物からなる液相との包晶反応、すなわち、
211相+液相(BaとCuとの複合酸化物)→123相
という反応によりできる。そして、この包晶反応により、123相ができる温度(Tf:123相生成温度)は、ほぼRE元素のイオン半径に関連し、イオン半径の減少に伴いTfも低くなる。また、低酸素雰囲気及び銀添加に伴い、Tfは低下する傾向にある。
単結晶状の123相中に211相が微細分散した酸化物超電導バルクマグネットを構成する超電導バルクは、123相が結晶成長する際、未反応の211粒が123相中に取り残されるためにできる。
すなわち、前記酸化物超電導バルクマグネットを構成する前記超電導バルクは、
211相+液相(BaとCuの複合酸化物)→123相+211相
で示される反応によりできる。前記酸化物超電導バルクマグネットの超電導バルク中の211相の微細分散は、Jc向上の観点から極めて重要である。Pt、Rh又はCeの少なくとも一つを微量添加することにより、半溶融状態(211相と液相からなる状態)での211相の粒成長を抑制し、結果的に材料中の211相を約1μm以下に微細化する。添加量は、微細化効果が現れる量及び材料コストの観点から、Ptで0.2〜2.0質量%、Rhで0.01〜0.5質量%、Ceで0.5〜2.0質量%が望ましい。添加されたPt、Rh、Ceは123相中に一部固溶する。また、固溶できなかった元素は、BaやCuとの複合酸化物を形成し、材料中に点在することになる。
また、前記酸化物超電導バルクマグネットは、磁場中においても高い臨界電流密度(Jc)を有する必要がある。この条件を満たすには、超電導的に弱結合となる大傾角粒界を含まない単結晶状の123相が有効である。さらに高いJc特性を有するためには、磁束の動きを止めるためのピンニングセンターが有効である。このピンニングセンターとして機能するものが微細分散した211相であり、より細かく多数分散していることが望ましい。また、211相等の非超電導相は、劈開し易い123相中に微細分散することによって、超電導体を機械的に強化し、超電導バルクマグネットとして成り立たす重要な働きをも担っている。
123相中の211相の割合は、Jc特性及び機械強度の観点から、5〜35体積%が好ましい。また、前記酸化物超電導バルクマグネットの超電導バルクの中には、50〜500μm程度のボイド(気泡)が5〜20体積%含まれることが一般的であり、さらに銀添加した場合、添加量によって粒径が10〜500μm程度の銀粒子又は銀化合物粒子を0体積%超25体積%以下の場合を含む。
また、結晶成長後の前記酸化物超電導バルクマグネットの超電導バルクに含まれるREBa2Cu3O7-x相の酸素欠損量xが0.5程度になると、REBa2Cu3O7-x相は半導体的な抵抗率の温度変化を示す。これを各RE系により350℃〜600℃で100時間程度、酸素雰囲気中においてアニールすることにより酸素が材料中に取り込まれ、酸素欠損量xは0.2以下となり、REBa2Cu3O7-x相は良好な超電導特性を示す。
上記超電導材料からなるリング状酸化物超電導バルクマグネットをフル着磁した場合、図4(b)に示すように応力最大点はリングの内周側面になる。しかしながら従来は、図2に示すように外周部の高強度金属22だけで補強していたため、円柱状の酸化物超電導バルクマグネット21の外周金属から受ける応力は、中心部で弱くなっていた。
そこで、中心部を補強材が外周部に配置された中心コア部とし、当該中心コア部を中心に外周部がリング状の補強材で補強された1個以上のリング状酸化物超電導バルクマグネットを入れ子状に組み合わせることが有効である。リング状酸化物超電導バルクマグネットを入れ子状に組み合わせる場合、リング状酸化物超電導バルクマグネットおよび中心コア部の外周部を補強するリング状の補強材を室温から77Kへ冷却した時の熱収縮率は、0.16%以上であることが好ましい。
超電導バルクの常温引っ張り強度は60MPa程度であり、また、特許文献8中に記載のリング状バルク体間に含浸するための半田の常温引っ張り強度は、通常80MPa未満である。本発明では、前記補強材が半田に対し十分に強い常温引っ張り強度を有するように、80MPa以上の常温引っ張り強度を有する補強材を用いることが好ましい。
尚、本発明に係る酸化物超電導バルクマグネットは、中心部に要求される磁束密度により、中心部を、酸化物超電導体と当該酸化物超電導体の外周部を補強するリング状の補強材とを備える中心コア材としてもよい。また、前記中心部は、その外周部がリング状の補強材で補強された中空の構造であってもよい。
リング状酸化物超電導バルクマグネットを入れ子状に組み合わせる場合、各酸化物超電導バルクマグネットに電流が流れると、各酸化物超電導バルクマグネットには半径方向に拡げる力が加わる。そこで、外周部を補強する補強材と、その外側のリング状酸化物超電導バルクマグネットの隙間には、隣接する酸化物超電導バルクマグネット間のクリアランスを確保する目的で、樹脂、グリース又は半田を、少なくとも隙間の一部に充填してもよい。
この場合、前記隙間の総体積の30%以下に樹脂、グリース又は半田を充填するのがより好ましく、前記隙間に対する充填率を10%未満にすることが更に好ましい。
前記隙間の一部として、隣接するリング状酸化物超電導バルクマグネット間の隙間の全周囲の30%以下の領域、或いは全周囲の30%に相当する角度(108°)以下の領域に樹脂等を充填しても良い。更に好ましくは、隣接するリング状酸化物超電導バルクマグネット間の隙間の全周囲の10%未満の領域、或いは全周囲の10%に相当する角度(36°)未満の領域に樹脂等を充填することである。
前記充填率が30%超の場合、外側のリング状の超電導バルクにかかる応力とその内側の超電導バルクにかかる応力との干渉が大きくなり割れが発生しやすくなる。樹脂としては、酸化物超電導バルクマグネットを製作後、半永久的に固定する場合には、硬化性樹脂が好ましい。
また、入れ子状に配置した各酸化物超電導バルクマグネットを取り外し可能にするには、グリース又は半田を使用するのが好ましい。
また、前記クリアランスを確保し、且つ異物混入を回避する観点から、リング状マグネット間隙の上部及び下部のみに樹脂、グリース又は半田を充填することが好ましい。
外周部を補強する補強材とその内側に接するリング状酸化物超電導バルクマグネットとの間には、全周に均一に樹脂、グリースまたは半田を充填し、各リング状酸化物超電導バルクマグネットに均等に圧縮応力をかけることが好ましい。前記補強材の材質は、特に限定しない。高強度を得やすいことから金属補強材でもよい。例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。パルス着磁中には、良導体中には大きな遮蔽電流が流れるため、比抵抗の高いステンレス鋼等の合金系材料がより好ましい。また、補強材とその内側に接するリング状酸化物超電導バルクマグネットとを半永久的に固定する場合は、硬化性樹脂により固定することが好ましい。また、前記補強材を取り外し可能にするには、半田または、グリースにより固定してもよい。半田を用いた場合はその融点まで加熱することにより取り外しが可能になり、グリース類を用いた場合は常温で取り外しが可能になる。
特に半田で固定する場合は、用いる半田の融点で補強材および酸化物超電導体が固定されるため、高融点半田を使用した場合は、低融点半田を使用した場合に比べ超電導状態で使用する冷却温度での圧縮応力は大きくなる。このように用いる半田融点を調整することで冷却時の圧縮応力を制御でき、着磁時のローレンツ力とのバランスが取れるよう適宜調整が可能となるなどの利点がある。半田の組成は、主にSn,Bi,Pb,Cd,In,Ag,Cu等の合金からなり、それらの融点は、Bi(44.7),Sn(22.6),Sn(8.3),Cd(5.3),In(19.1)の組成比(質量比)を有する半田では比較的融点が低く、46.7℃である。また、Sn(96.5),Ag(3.5)の共晶組成の半田では比較的融点が高く221℃である。また、PbやCd等の毒性の強い元素を含まないものがより好ましい。さらに、半田の場合、樹脂やグリースに比べ熱伝導率が高く、酸化物超電導バルクマグネット内の温度を均一に保ちやすい等の利点もある。
次に、補強材により外周部が補強されたリング状酸化物超電導バルクマグネットが複数入れ子状に配置された酸化物超電導バルクマグネットの場合は、外周部を補強する補強材の肉厚を位置により変えるようにしても良い。特に、外側のリング状酸化物超電導バルクマグネットから、より大きな磁場応力が発生する内側のリング状酸化物超電導バルクマグネットになるに従い、当該リング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚を大きくすることがより好ましい。
入れ子状に配置するRE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットは、それぞれREの成分元素が同じ超電導バルクを組み合せでもいいし、REの成分元素が異なる複数種のRE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットを組み合せて入れ子状に配置してもよい。RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネットのJc特性を考慮して、REの組成を変えることにより、酸化物超電導バルクマグネット全体として特性を向上させるように設計することができる。
入れ子状に配置する酸化物超電導バルクマグネットの形状は、これまで、外形が円形状のリング状酸化物超電導バルクマグネットが同心円状に配置されている構造例を示したが、上記と同様の理由から種々の形状が適用できる。各用途に適した酸化物超電導バルクマグネットとして所望の磁場分布が得られるよう適宜形状を選択すればよい。例えば、リング状酸化物超電導バルクマグネットとして、三角、四角、五角、六角、七角、八角等の多角形或いは矩形、円形、楕円形等の外形を有するもの、レーストラックの形状等の断面形状を有するものが挙げられる。これらの場合、酸化物超電導バルクマグネットの外径は、各形状の最短外径に対応するものとする。
実用性の観点から、前記酸化物超電導バルクマグネットは、六角以上の多角から円までの形状を有するリング状酸化物超電導バルクマグネット、又は、上面及び底面がレーストラックの形状を有するリング状酸化物超電導バルクマグネットのいずれかが入れ子状に配置されていることがより好ましい。このような形状であると、容易に製造(加工、組み立て)でき、さらにより強い磁場で、より均一な磁場が得られる。このような多角の形状については、加工及び組み立ての容易さと、得られる磁場の性能のバランスとから、六角、または八角の形状が更に好ましい。
本発明では、前記リング状酸化物超電導バルクマグネットは、上述のように、RE-Ba-Cu-O系酸化物超電導バルクマグネット、即ち、REBa2Cu3O7-x相中にRE2BaCuO5相が分散した超電導バルクで構成される酸化物超電導バルクマグネットであるが、前記酸化物超電導バルクマグネット中のREBa2Cu3O7-x相のa−b面に比較的大きな超電導電流を流せるので、該a−b面に対し、直角に磁束が貫くような配置で着磁することが好ましい。そのためには、前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの回転対称軸が、REBa2Cu3O7-x結晶のc軸と一致することが好ましい。
また、前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの回転対称軸に対して垂直(入れ子の階層方向)に隣接する各酸化物超電導バルクマグネットのREBa2Cu3O7-x結晶のa軸が、それぞれ、ずらして入れ子状に配置するのが、より均一な磁場が得られるので、より好ましい。
本発明の酸化物超電導バルクマグネットは、所望の磁場分布を発生できる着磁性能に優れた磁石特性を示すことから、本発明の酸化物超電導バルクマグネットを用いた酸化物超電導磁石システムは、システム全体として高い磁場をより低いエネルギー投入量で簡便に発生できるシステムであり、経済性・環境調和性に優れたシステムとすることができる。
(実施例1)
純度99.9%の各試薬RE2O3(REはGd)、BaO2、CuOをGd:Ba:Cuの金属元素のモル比が10:14:20(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が3:1)になるように混合した。さらに、Ptを0.5質量%、Ag2Oを15質量%添加した混合粉を作製した。各混合粉は、一旦900℃で8時間仮焼した。仮焼粉は、内径72mmの円筒状金型中に充填し、厚さ約33mmの円盤状に成形した。また、Sm2O3及びYb2O3を用いて、上記成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系及びYb系円盤状成形体を作製した。さらに、各成形体について等方静水圧プレスにより約100MPaで圧縮加工した。
これらをアルミナ製支持材の上に、Sm系、Yb系、Gd-Dy系成型体(前駆体)の順番で下から重ね、炉内に配置した。これらの前駆体は、大気中において700℃まで15時間、1040℃まで160時間、さらに1170℃まで1時間で昇温し、30分保持した後、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたSm系の種結晶を用い、種結晶を半溶融状態の前駆体上に乗せた。種結晶の方位は、c軸が円盤状の前駆体の法線になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、大気中において1000〜985℃まで250時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに、室温まで約35時間かけて冷却し、外径約54mm、厚さ約24mmのGd系の酸化物超電導材料を得た。また同様の方法で同様のGd系の酸化物超電導材料を更に2個作製し、合計3個(後述する試料A、試料Bおよび試料C用)の試料を作製した。これらの材料は、REBa2Cu3O7-x相中に1μm程度のRE2BaCuO5相および50〜500μmの粒径を有する銀粒子が分散した組織を有していた。
そして、これらの3個の試料を酸素アニール後にそれぞれ加工して、超電導バルクの試料Aは、外径50.0mm、内径27.1mm、厚さ15.0mmに加工した。また、超電導バルクの試料Bは、外径25.0mm、15.0mmの円柱状に加工した。超電導バルクの試料Cは比較材として、外径50.0mm、厚さ15.0mmに加工した。
その後、試料Bの外周部に外径27.0mm、内径25.1mm、肉厚:0.95mmのSUS316LリングL11を配置し、SUS316LリングL11と試料Bとを、エポキシ樹脂4により全周を接着した。また、試料Aの外周部に外径51.6mm、内径50.1mm、肉厚0.75mmのSUS316LリングL12を配置し、同様にエポキシ樹脂4により全周を接着した。そして、外周部に金属リング補強を施した試料Aの中に試料Bを配置し、試料Aと試料Bの外周補強金属材との隙間の八分の一、中心角度にして45°相当分にグリース3を充填し一体化した。この一体化した試料を試料ABとする。また、試料Cの外周部に外径51.6mm、肉厚0.75mmのSUS316LリングL0を配置し、同様にエポキシ樹脂4により全周を接着した。図5(a)及び(b)に本発明例の試料ABおよび比較例の試料C1の構造をそれぞれ示す。
これらの試料ABおよび試料Cに関し、表面の捕捉磁束密度を測定するため、ホール素子を各試料の表面中心を通る線状に5個を10mm間隔で張り付けた。この時、3番目のホール素子は試料の中心になるようにした。まず、70Kでの着磁は室温で6.0Tの磁場中に配置し、冷凍機により70Kに冷却した後、0.2T/分の減磁レートで外部磁場をゼロにした。この時、試料ABは、3番目のホール素子が最大値を示し、3.95Tであった。また、試料Cは同様に3.98Tであった。次に60Kで着磁を行った。室温で10.0Tの磁場中に配置し、冷凍機により60Kに冷却した後、0.2T/分の減磁レートで外部磁場をゼロにした。この時、試料ABは、3番目のホール素子が最大値を示し、6.90Tであった。また、試料Cは同様に6.95Tであった。次に同様に、室温で14Tの磁場を印加し、50Kに冷却、外部磁場をゼロにした時の捕捉磁束密度は、試料ABは、3番目のホール素子が最大値を示し、10.22Tであった。また試料Cは、1番目のホール素子が1.35T、2番目のホール素子が2.75T、3番目のホール素子が0.35T、4番目のホール素子が3.02T、5番目のホール素子が1.35T、であり、中心部で捕捉磁束密度が低下していた。実験後、試料Cを冷凍機から取り出して表面を確認したところ、中心近傍を通過する直線強の割れが確認できた。
これらの比較実験から、リング状の補強材で補強した超電導バルクマグネットを入れ子状に配置した超電導バルクマグネット(本発明例の試料AB)は、外周部のみを金属リング補強した超電導バルクマグネット(比較例の試料C)に比べて割れることなく10Tを超える高い磁束密度を捕捉(発生)できることが明らかになった。
(実施例2)
純度99.9%の各試薬RE2O3(REはDy)、BaO2、CuOをDy:Ba:Cuの金属元素のモル比が4:5:7(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が2:1)になるように混合した。さらに、CeBaO3を1.0質量%、Ag2Oを10質量%添加した混合粉を作製した。
各混合粉は、一旦900℃で8時間仮焼した。仮焼粉は、内径100mmの円筒状金型中に充填し、厚さ約40mmの円盤状に成形した。また、Sm2O3及びYb2O3を用いて、上記成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系及びYb系円盤状成形体を作製した。さらに、各成形体について等方静水圧プレスにより約100MPaで圧縮加工した。
これらをアルミナ製支持材の上に、Sm系、Yb系、Dy系成型体(前駆体)の順番で下から重ね、炉内に配置した。これらの前駆体は、大気中において700℃まで15時間、1040℃まで160時間、さらに1170℃まで1時間で昇温し、30分保持した後、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたSm系の種結晶を用い、種結晶を半溶融状態の前駆体上に乗せた。種結晶の方位は、c軸が円盤状の前駆体の法線になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、大気中において990〜970℃まで250時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに、室温まで約35時間かけて冷却し、外径約75mm、厚さ約30mmのDy系の酸化物超電導材料を得た。また同様の方法で同様のDy系の酸化物超電導材料を更に2個作製し、合計3個(後述する試料D、試料Eおよび試料F用)の試料を作製した。これらの材料は、REBa2Cu3O7-x相中に1μm程度のRE2BaCuO5相および50〜500μmの銀が分散した組織を有していた。
そして、これらの3個の試料を酸素アニール後にそれぞれ加工して、試料Dからは、外径71.9mm、内径51.1mm、厚さ25.0mmに加工したリング状超電導バルクの試料(D1)および直径25.9mm、厚さ25.0の円柱状超電導バルクの試料(D2)を切り出した。また、超電導バルクの試料Eに対しては、外径47.9mm、内径30.1mm、厚さ25.0mmのリング状に切り出し加工した。試料Fは比較材として、外径71.9mm、厚さ25.0mmの円柱状に加工した。
次に試料D1の外周部に外径74.0mm、内径71.9mm、肉厚約1.0mmのSUS316LリングL23を配置し、実施例1と同様にエポキシ樹脂4により当該リングL23の全周を接着した。また、試料Eの外周部に外径51.0mm、内径48.1mm、肉厚:約1.5mmのSUS316LリングL22を配置し、SUS316LリングL22と試料Eとを、エポキシ樹脂4により全周を接着した。
また、試料D2の外周部に外径30.0、内径26.1mm、肉厚約2.0mmのSUS316LリングL21を配置し、同様にエポキシ樹脂4により当該リングL21の全周を接着した。そして、外周部に金属リング補強を施した試料D1の中に試料Eを配置し、さらに、試料Eの中に試料D2を配置し、試料D1と試料Eとの隙間部分および試料Eと試料D2との隙間部分の中心角度にして15°相当分にグリースを充填し一体化した。前記隙間部分に対するグリースの充填率は、約4.17%である。この一体化した試料を試料D1ED2とする。また、試料Fの外周部に外径74.0mm、肉厚1.0mmのSUS316LリングL0を配置し、同様にエポキシ樹脂4により全周を接着した。図6(a)及び(b)に発明例の試料D1ED2および比較例の試料C2の構造をそれぞれ示す。
これらの試料D1ED2および試料Fに関し、表面の捕捉磁束密度を測定するため、ホール素子を各試料の表面中心を通る線状に5個を10mm間隔で張り付けた。この時、3番目のホール素子は試料の中心になるようにした。まず、75Kでの着磁は室温で8.0Tの磁場中に配置し、冷凍機により75Kに冷却した後、0.2T/分の減磁レートで外部磁場をゼロにした。この時、試料D1ED2は、3番目のホール素子が最大値を示し、4.4Tであった。また、試料Fは同様に4.9Tであった。次に65Kで着磁を行った。室温で12.0Tの磁場中に配置し、冷凍機により65Kに冷却した後、0.2T/分の減磁レートで外部磁場をゼロにした。この時、試料D1ED2は、3番目のホール素子が最大値を示し、7.1Tであった。また、試料Fは、1番目のホール素子が2.0T、2番目のホール素子が4.1T、3番目のホール素子が0.15T、4番目のホール素子が4.12T、5番目のホール素子が1.05T、であり、中心部で捕捉磁束密度が低下していた。実験後、試料Fを冷凍機から取り出して表面を確認したところ、中心近傍を通過する直線強の割れが確認できた。
これらの比較実験から、複数のリング状の補強材で補強した超電導バルクマグネットを入れ子状に配置した超電導バルクマグネット(本発明例の試料D1ED2)は、外周部のみを金属リング補強した超電導バルクマグネット(比較例の試料F)に比べて割れることなく10Tを超える高い磁束密度を捕捉(発生)できることが明らかになった。
(実施例3)
純度99.9%の各試薬RE2O3(RE組成はDy:Gd=1:1)、BaO2、CuOをRE:Ba:Cuの金属元素のモル比が4:5:7(即ち、最終組織の123相:211相のモル比が2:1)になるように混合した。さらに、CeO2を0.5質量%、Ag2Oを10質量%添加した混合粉を作製した。各混合粉は、一旦900℃で8時間仮焼した。仮焼粉は、内径100mmの円筒状金型中に充填し、厚さ約40mmの円盤状に成形した。また、Sm2O3及びYb2O3を用いて、上記成形体と同様の方法により、厚さ4mmのSm系及びYb系円盤状成形体を作製した。さらに、各成形体について等方静水圧プレスにより約100MPaで圧縮加工した。
これらをアルミナ製支持材の上に、Sm系、Yb系、Dy-Gd系成型体(前駆体)の順番で下から重ね、炉内に配置した。これらの前駆体は、大気中において700℃まで15時間、1040℃まで60時間、さらに1170℃まで1時間で昇温し、30分保持した後、1030℃まで1時間で降温し、1時間保持した。その間、予め作製しておいたSm系の種結晶を用い、種結晶を半溶融状態の前駆体上に乗せた。種結晶の方位は、c軸が円盤状の前駆体の法線になるように、劈開面を前駆体の上に乗せた。その後、大気中において995〜975℃まで250時間かけて冷却し、結晶の成長を行った。さらに、室温まで約35時間かけて冷却し、外径約75mm、厚さ約30mmのDy-Gd系の酸化物超電導材料を得た。また同様の方法で同様のDy-Gd系の酸化物超電導材料を更に5個作製し、合計6個の試料を作製した。これらの材料は、REBa2Cu3O7-x相中に1μm程度のRE2BaCuO5相および50〜500μmの銀が分散した組織を有していた。
そして、これらの6個の試料を酸素アニール後にそれぞれ加工して、厚さ30mmの図7に示す正方形型試料を3個、および図8に示すレーストラック型試料を3個作製した。
図7(a)に示す正方形型のリング状超電導バルクの試料S−1には、正方形型のリング状超電導バルクの試料S−2よりもやや大きい空間が内部に設けられている。図7(a)に示すように試料S−1及び試料S−2の各超電導バルクの外周部のそれぞれに肉厚1.0mmのSUS316L製のリングL32及びL31を、全周を樹脂接着することにより嵌めこんだ。次に、試料S−2を試料S−1の中央の空間に配置し、試料S−2の外周補強材L31と試料S−1との隙間には、約15%に当たる領域にグリースを充填し一体化し、試料S−12を作製した。
また、図7(b)に示すように比較材である試料S−3の超電導バルクの外周部に肉厚1.0mmのSUS316L製のリングL0を、全周を樹脂接着することにより嵌め込み、比較例の試料C3を作製した。
試料S−3及び試料3の製造の際、正方形型試料および補強材の角部に面取りを行った。
また、図8(a)に示す試料R−1には、試料R−2よりもやや大きい空間が内部に設けられており、図8(a)に示すように試料R−1及び試料R−2の各超電導バルクの外周部に肉厚1.0mmのSUS316L製のリングL42及びL41をそれぞれ実施例1と同様に全周を樹脂接着することにより嵌めこんだ。次に試料R−2を試料R−1の中央の空間に配置し、試料R−2の外周補強材と試料R−1との隙間には、約10%に当たる領域にグリースを充填し一体化し、試料R−12を作製した。
図8(b)に示すように比較材である試料R−3の超電導バルクの外周部に肉厚1.0mmのSUS316L製のリングL0を実施例1と同様に全周を樹脂接着することにより嵌め込み、比較例の試料C4を作製した。
実施例1および2と同様の方法により、本発明例である正方形型試料S−12とその比較例(試料C3)、および本発明例であるレーストラック型試料R−12とその比較例(試料C4)に関し、同様の着磁実験を行い、各温度における着磁磁場強度(印加磁場)、その時の中心位置での捕捉磁束密度、測定後の割れ発生の有無に関しての確認・実験を行った。その結果を以下の表1に示す。
本発明例の試料S−12および試料R−12は、50Kで10Tを超える高い磁束密度が得られているのに対し、比較材である試料C3および試料C4は、割れが発生し、低い磁束密度となっており本発明の効果が確認できた。
本発明は、直径50mm以上の大型であっても5T以上の高磁場中で着磁時に割れずに強磁場を発生できる酸化物超電導バルクマグネットを提供することができる。そして、本発明に係る酸化物超電導バルクマグネットは、割れクラックが発生しにくいため、対称性・均一性に優れた着磁が可能な酸化物超電導バルクマグネットを提供できる。
1 リング状酸化物超電導バルクマグネット
2 補強材
3 グリース
4 エポキシ樹脂
20 円柱状超電導バルク
H 磁場
MAX 最大磁場
J 超電導電流
L12,L11 SUS316Lリング
A,B 超電導バルクの試料
L23,L22,L21 SUS316Lリング
D1,D2,E 超電導バルクの試料
L32,L31 SUS316Lリング
S−1,S−2 超電導バルクの試料
L42,L41 SUS316Lリング
R−1,R−2 超電導バルクの試料

Claims (12)

  1. REBa2Cu307−x相中にRE2BaCuO5相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、
    補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、
    当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた1個のング状酸化物超電導バルクマグネットが入れ子状に配置され、
    前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットとその内側の前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
    但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
    x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
  2. REBa 2 Cu 3 0 7−x 相中にRE 2 BaCuO 5 相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、
    補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、
    当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた2個以上のリング状酸化物超電導バルクマグネットが入れ子状に配置され、
    前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットとその内側の前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填され、
    前記入れ子状に配置された2個以上のリング状酸化物超電導バルクマグネットの隣接するリング状酸化物超電導バルクマグネット間の隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
    但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
    x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
  3. REBa2Cu307−x相中にRE2BaCuO5相が分散した酸化物超電導バルクマグネットであって、
    補強材を外周部に備えたリング状の酸化物超電導バルクマグネットを有し、
    当該リング状の酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた円柱状の酸化物超電導バルクマグネットである中心コア部が配置され、
    前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットと前記中心コア部の補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする酸化物超電導バルクマグネット。
    但し、RE:希土類元素またはそれらの組み合わせ;
    x:酸素欠損量であり、0<x≦0.2
  4. 前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットの内側に、補強材を外周部に備えた円柱状の酸化物超電導バルクマグネットである中心コア部配置され、
    前記入れ子状に配置されたリング状酸化物超電導バルクマグネットと前記中心コア部補強材との隙間の少なくとも一部に、樹脂、グリース又は半田が充填された構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  5. 着磁により5T以上の磁束を発生でき、外径が50mm以上であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  6. 前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なるとを特徴とする請求項1、2、4のうちいずれか1項に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  7. 前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記中心コア部の外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なることを特徴とする請求項3に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  8. 前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材の肉厚と、前記中心コア部の外周部を補強する補強材の肉厚とが、異なることを特徴とする請求項4に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  9. 前記それぞれの補強材の肉厚を、
    外周に位置する前記リング状の酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材から、その内側に位置する前記入れ子状に配置されるリング状酸化物超電導バルクマグネットの外周部を補強する補強材、更にその内側の前記中心コア部の外周部を補強する補強材に向けて、内側になるほど厚くする、ことを特徴とする請求項記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  10. 前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  11. 前記リング状酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする請求項1、2、4、6、8、9のうちいずれか1項に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
  12. 前記中心コア部の酸化物超電導バルクマグネットの形状が、多角形または楕円の形状を有する形状、または上面および底面がレーストラック形状を有する形状であることを特徴とする請求項3、4、7のうちいずれか1項に記載の酸化物超電導バルクマグネット。
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