JP6201856B2 - 分析用基板及び分析用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の細胞が分泌するエキソソームを分析するための分析用基板及び分析用基板の製造方法に関する。
疾病に関連付けられた特定の抗原または抗体をバイオマーカーとして検出することで、疾病の発見や治療の効果等を定量的に分析する免疫学的検定(immunoassay)が知られている。免疫学的検定を用いた分析方法として、エキソソームの脂質二重膜に存在する膜タンパク質である抗原に特異的に結合する抗体を認識することにより分析することが開示されている(特許文献1参照)。エキソソームは、液体中で概略として球体であり、直径約30nm〜200nm程度の様々なサイズを有する。
国際公開第2009/092386号
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、定量されたエキソソームのサイズに関する情報を得ることができない。免疫学検定において、検出されたエキソソームのサイズは、疾病の発見、治療の効果等をより詳細かつ正確に診断する際の有用な情報になり得る。
上記問題点を鑑み、本発明は、エキソソームを高精度に検出することができるとともに、検出されたエキソソームのサイズの分布を計測することができる分析用基板及び分析用基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、基板(10)と、基板(10)の表面に凹状に形成され、検出対象であるエキソソーム(5)に存在する抗原(51)と結合する抗体(3)が固定されるピット(12a〜12c)が、エキソソーム(5)の径に基づくサイズ毎にそれぞれ配列される複数のピット列群(20a〜20c)とを備える分析用基板であることを要旨とする。
本発明の第2の態様に係る分析用基板は、第1の態様に係る分析用基板おいて、複数のピット列群(20a〜20c)は、最小サイズのピット(12a)が配列される第1ピット列群(20a)と、2番目に小さなサイズのピット(12b)が配列される第2ピット列群(20b)とを有し、第2ピット列群(20b)のピット(12b)のサイズは、第1ピット列群(20a)のピット(12a)のサイズの2倍未満であることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る分析用基板は、第2の態様に係る分析用基板おいて、第1ピット列群(20a)のピット(12a)は、エキソソーム(5)の最小径に対応するサイズを有することを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る分析用基板は、第1〜第3のいずれかの態様に係る分析用基板おいて、複数のピット列群(20a〜20c)は、最大サイズのピット(12c)が配列される第3ピット列群(20c)と、2番目に大きなサイズのピットが配列される第4のピット列群とを有し、第4ピット列群(20d)のピット(12d)のサイズは、第3ピット列群(20c)のピット(12c)のサイズの1/2よりも大きいことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る分析用基板は、第4の態様に係る分析用基板おいて、第3ピット列群(20c)のピット(12c)は、エキソソーム(5)の最大径に対応するサイズを有することを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る分析用基板は、第1〜第5のいずれかの態様に係る分析用基板おいて、基板(10)は円盤状であり、複数のピット列群(20a〜20c)は、それぞれ、ピット(12a〜12c)が円周方向に配列されることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、基板(10)の表面に、検出対象であるエキソソーム(5)に存在する抗原(51)と結合する抗体(3)が固定される凹状のピット(12a〜12c)を、エキソソーム(5)の径に基づくサイズ毎にそれぞれ配列されるように形成することを含む分析用基板の製造方法であることを要旨とする。
本発明によれば、エキソソームを高精度に検出することができるとともに、検出されたエキソソームのサイズの分布を計測することができる分析用基板及び分析用基板の製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る分析用基板を説明する模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板を説明する部分拡大斜視図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備える第1ピット列群を説明する平面図である。(b)は、第2ピット列群を説明する平面図である。(c)は、第3ピット列群を説明する平面図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備えるピットにエキソソームが捕捉される様子を説明する、基板の円周方向から見た拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備えるピットに抗体を固定する様子を説明する拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備えるピットに抗体を固定する様子を説明する拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備えるピットに捕捉されたエキソソームを検出する様子を説明する拡大断面図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備える第1ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。(b)は、第2ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。(c)は、第3ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板が備える複数のピット列群それぞれにおいて捕捉されたエキソソームの検出量を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る分析用基板を用いて検出されたエキソソームのサイズの分布を説明する図である。 (a)〜(c)及び(e)は、本発明の第1実施形態に係る分析用基板の製造方法を説明する基板の円周方向から見た部分断面図である。(d)は、本発明の第1実施形態に係る分析用基板の製造方法を説明する部分斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る分析用基板を説明する模式的な斜視図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る分析用基板が備える第1ピット列群を説明する平面図である。(b)は、第2ピット列群を説明する平面図である。(c)は、第4ピット列群を説明する平面図である。(d)は、第3ピット列群を説明する平面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る分析用基板が備える第1ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。(b)は、第2ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。(c)は、第4ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。(d)は、第3ピット列群に捕捉されるエキソソームを説明する拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る分析用基板が備える複数のピット列群それぞれにおいて捕捉されたエキソソームの検出量を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る分析用基板を用いて検出されたエキソソームのサイズの分布を説明する図である。 本発明の他の実施の形態に係る分析用基板を説明する斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る分析用基板を説明する斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る分析用基板を説明する部分斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る分析用基板が備えるピットに捕捉されたエキソソームがビーズと結合する様子を説明する、基板の円周方向から見た拡大断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略している。但し、図面は模式的なものであり、寸法の関係や比率等は現実のものとは異なり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。また、以下に示す第1及び第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための基板や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成要素の形状、組成、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に分析用基板は、図1に示すように、基板10と、基板10の表面にそれぞれ形成された複数のピット列群20a〜20cとを備える。基板10は、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)等の光ディスクと同等の寸法を有する円盤状である。基板10は、中央部に貫通孔を有していてもよい。
基板10は、図2に示すように、円盤状の支持基板101と、支持基板101の片面に成膜されたレジスト膜102とから構成される。支持基板101は、一般の光ディスクに用いられるポリカーボネート樹脂ではなく、疎水性を有する樹脂材料からなる。支持基板101の樹脂材料は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン等の芳香族炭化水素樹脂、脂環式ポリオレフィン等、分子構造内に極性基を有さない炭化水素から構成される樹脂材料を採用可能である。
レジスト膜102は、例えば、PTM(Phase Transition Mastering)技術に用いられる二酸化タングステン(WO)等の無機材料からなり、厚さが30〜100nm程度である。
複数のピット列群20a〜20cは、図2及び図3(a)〜(c)に示すように、基板10の表面に凹状に形成されたピット12a〜12cが、サイズ毎にそれぞれ配列される。ピット12a〜12c(以下、総称する場合において単に「ピット12」という。)は、図4に示すように、露出された支持基板101の表面に、検出対象であるエキソソーム5に存在する抗原51と特異的に結合する抗体3が疎水効果により固定される。抗体3の大きさは、例えば数nm程度である。ピット12において露出した支持基板101の表面は、凹状に形成されてもよい。
第1実施形態に係る分析用基板は、例えば、CD63、CD9等、エキソソーム5に存在する膜貫通型の膜タンパク質である抗原51の検出に用いることができる。抗原51は、抗体3と特異的に結合することにより、疾病等の指標となるバイオマーカーとして用いられる。
基板10のレジスト膜102は、ピット12以外の領域に形成され、ピット12に対して高さが高いランド11を構成する。例えば、ピット12の深さは、検出対象のエキソソーム5のサイズに対応する深さとすることにより、エキソソーム5をピット12内に好適に捕捉することができる。
ランド11の表面は、抗体3の固定を防止する固定防止面として機能する。なお、本発明において「抗体3の固定を防止する」とは、ランド11に抗体3を全く結合させないことに加えて、ランド11が、少なくともピット12よりも抗体3を結合しづらく構成されることを含む。
複数のピット列群20a〜20cは、図1及び図3に示すように、ピット12aが配列される第1ピット列群20aと、ピット12bが配列される第2ピット列群20bと、ピット12cが配列される第3ピット列群20cとを有する。第1ピット列群20a、第2ピット列群20b及び第3ピット列群20cは、互いに間隙を有するように、内周側から外周側に順に同心円状に配置される。
ピット12a〜12cは、複数のピット列群20a〜20cそれぞれにおいて、基板10の内周側から外周側にスパイラル状に、基板10の円周方向Dtに配列される。ピット12a〜12cは、複数のピット列群20a〜20cそれぞれにおいて、半径方向Drにおいて隣接するピット12a〜12cとピッチPを有するように配列される。ピッチPは、例えば320nm程度である。ピット12は、平面パターンが円形、楕円形等である。平面パターンが円形であるピット12は、1つのピット12に複数のエキソソーム5が捕捉されることを低減することができる。
第1ピット列群20aは、ピット12a〜12cの中で最小サイズSaを有するピット12aが配列される。エキソソーム5は、一般に、液体中で概略として球体であり、直径約30nm〜200nm程度の様々なサイズを有する。この為、サイズSaは、検出対象であるエキソソーム5の最小径に対応するようにしてもよい。サイズSaは、例えば、ピット12aの直径、短径等であり、約30nm〜80nm程度である。ピット12aは、ピット12aに入り込めないサイズのエキソソーム5を捕捉しない。
第2ピット列群20bは、ピット12a〜12cの中で2番目に小さなサイズSb(Sb>Sa)のピット12bが配列される。サイズSbは、例えば、ピット12bの直径、短径等であり、約80nm〜150nm程度である。ピット12bは、ピット12bに入り込めないサイズのエキソソーム5を捕捉しない。サイズSbは、例えば、サイズSaの2倍未満(Sb<2Sa)とすることにより、1つのピット12bに複数のエキソソーム5が結合されることを低減することができる。
第3ピット列群20cは、ピット12a〜12cの中で最大サイズSc(Sc>Sb>Sa)のピット12cが配列される。サイズScは、例えば、ピット12cの直径、短径等であり、約150nm〜200nm程度である。ピット12cは、ピット12cに入り込めないサイズのエキソソーム5を捕捉しない。サイズScは、検出対象であるエキソソーム5の最大径に対応するようにしてもよい。
なお、エキソソーム5の直径とは、エキソソーム5の粒径を任意の測定方法で測定した値を意味する。測定方法としては、例えば、ナノ粒子トラキング法を用いた、エキソソーム5が溶液中にある状態で観測する湿式の測定方法や、透過型電子顕微鏡でエキソソーム5の形態を保ったまま観測する乾式の測定方法がある。
乾式の測定方法では、エキソソーム5の形態を保ったまま乾式で観測可能とするために、エキソソーム5を含む試料に対して細胞を観測する手法に準じた処理を施す。具体的には、試料を基体上に固定し、低濃度のエタノールから純度100%のエタノールまで、ステップごとにエタノールの濃度を高くして数ステップをかけてエタノールの含浸を繰り返す。これによって、試料中の水分がエタノールへと置換されて脱水される。次に、試料を、エタノールに可溶な合成樹脂を含む溶液で含浸することによって、エタノールを合成樹脂に置換する。そして、合成樹脂に置換された試料を薄片化して観測する。
また、エキソソーム5を含む試料を急速冷凍することにより、エキソソーム5の形態を保ったまま脱水して観測可能な試料とすることもできる。
−抗体の固定方法−
以下、図5及び図6を参照して、第1実施形態に係る分析用基板のピット12に抗体3を固定する方法の一例を説明する。
先ず、図5に示すように、抗体3を含む緩衝溶液30を基板10のランド11及びピット12に分注し、振盪機により基板10を振盪させる。緩衝溶液30に含まれる抗体3は、疎水効果により、疎水性を有するピット12の露出した支持基板101の表面に固定される。ランド11の表面は、レジスト膜102によって固定防止面として機能するため、ランド11の表面には抗体3が結合しない。よって、ピット12以外の領域であるランド11にエキソソーム5が固定さることはほとんどない。
次に、図6に示すように、基板10は、抗体3を含む緩衝溶液30が排出された後、緩衝溶液で洗浄される。これにより、ピット12に固定されなかった抗体3を含む緩衝溶液30が除去され、ピット12にのみ抗体3が固定された分析用基板が完成する。
−エキソソームの検出及び試料分析方法−
以下、本発明の第1実施形態に係る分析用基板によって、図7に示すように捕捉したエキソソーム5を検出し、試料を分析する方法の一例を説明する。
先ず、オペレータは、検出対象のエキソソーム5を含む試料液を、基板10の各ピット列群20a〜20cに所定量ずつ分注し、振盪機により基板10を振盪させる。試料液に含まれるエキソソーム5の抗原51は、ピット12に固定された抗体3との抗原抗体反応により、抗体3と特異的に結合する。これにより、エキソソーム5は、ピット12に結合し、捕捉される。
図7に示す左右のピット12のうち、右側のピット12にはエキソソーム5が捕捉されており、左側のピット12にはエキソソーム5が捕捉されていない。図7に示す左右のピット12に、順次光ピックアップの集光レンズ7によってレーザ光Lを集光させて、ピット12にスポットSを形成させたとする。レーザ光Lの反射光を検出することにより、ピット12におけるエキソソーム5の有無を判定し、各ピット列群20a〜20cのエキソソーム5を計数することができる。
図8(a)に示すように、第1ピット列群20aのピット12aは、ピット12aでのみ捕捉可能なサイズ(小サイズ)のエキソソーム5aを捕捉する。図8(b)に示すように、第2ピット列群20bのピット12bは、エキソソーム5aと、ピット12aで捕捉できず、ピット12bで捕捉可能なサイズ(中サイズ)のエキソソーム5bとを捕捉する。図8(c)に示すように、第3ピット列群20cのピット12cは、エキソソーム5aと、エキソソーム5bと、ピット12bで捕捉できず、ピット12cで捕捉可能なサイズ(大サイズ)のエキソソーム5cとを捕捉する。
例えば、図9に示すように、複数のピット列群20a〜20cの各ピット12a〜12cに捕捉されたエキソソーム5a、エキソソーム5a,5b、エキソソーム5a〜5cを検出して計数した結果が求められる。なお、図9に示す検出量は、各ピット12a〜12cについて計数されたエキソソーム5の数を正規化したデータである。
図9に示す各検出量から、検出されたエキソソーム5a〜5cのサイズの分布を求めることができる。小サイズのエキソソーム5aの量は、ピット12aで検出されたエキソソーム5aの量とする。中サイズのエキソソーム5bの量は、ピット12bで検出されたエキソソーム5a,5bと、ピット12aで検出されたエキソソーム5aとの差分とする。大サイズのエキソソーム5cの量は、ピット12cで検出されたエキソソーム5a〜5cと、ピット12bで検出されたエキソソーム5a,5bとの差分とする。
結果として、図10に示すように、検出されたエキソソーム5a〜5cは、中サイズのエキソソーム5b、大サイズのエキソソーム5c、小サイズのエキソソーム5aの順で量が多く含まれることが分かる。
抗原抗体反応は、所定の割合で平衡することが知られている。第1実施形態に係る分析用基板では、試料液の濃度等にもよるが、例えば、それぞれ30%程度のエキソソーム5a〜5cが、ピット12a〜12cに捕捉される。よって、ピット12a〜12cにおける各検出量の差分から検出されたエキソソーム5a〜5cのサイズの分布を求めることができ、試料中に含まれるエキソソーム5a〜5cをサイズの分布を知ることができる。
−分析用基板の製造方法−
以下、図11(a)〜図11(e)を参照して、本発明の第1実施形態に係る分析用基板の製造方法の一例を説明する。
先ず、図11(a)に示すように、表面に凹凸のない平坦面を有する疎水性の支持基板101を形成する。
次に、図11(b)に示すように、支持基板101の片面に、例えば50nmの厚さとなるように、真空蒸着等により二酸化タングステン(WO)を成膜することにより、レジスト膜102を形成する。支持基板101及びレジスト膜102は、基板10を構成する。支持基板101の片面に形成されたレジスト膜102の表面は、抗体3の固定を防止する固定防止面を構成する。
次に、基板10は、図11(c)に示すように、可動ステージ80上に配置された後、図11(d)に示すように、レーザ光Lを照射される。基板10は、可動ステージ80により回転され、レジスト膜102により構成されたランド11に、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボをかけられたレーザ光Lを照射される。レーザ光Lは、集光レンズ9により集光されることにより、ランド11にスポットSを形成する。レジスト膜102は、レーザ光Lにより感光し、ピット12が形成される領域が、アモルファス構造であるWOから結晶構造である三酸化タングステン(WO)に改質される。
レジスト膜102は、ピット12a〜12cが、サイズ毎に配列されるように、ピット12a〜12cが形成される領域にレーザ光Lを照射される。ピット12a〜12cのサイズSa〜Scは、例えば、レーザ光Lの強度を調節することにより変更可能である。
次に、基板10がアルカリ現像溶液に浸漬され、図11(e)に示すように、感光したレジスト膜102が、溶解し、除去される。これにより、ピット12a〜12cにおいて疎水性の支持基板101が露出され、エキソソーム5に存在する抗原51と特異的に結合する抗体3が固定されるピット12a〜12cが形成される。また、支持基板101は、ピット12a〜12c以外の領域であるランド11において、固定防止面を構成するレジスト膜102に被覆される。
アルカリ現像溶液に浸漬する時間が長いと、感光していないレジスト膜102まで溶解されるため、ピット12の領域のレジスト膜102のみが除去されるように浸漬の時間が調整される。アルカリ現像溶液のpHにもよるが、例えば20分から1時間程度で感光したレジスト膜102は除去される。感光したレジスト膜102が除去された後、基板10は、純水で洗浄され、乾燥される。
なお、ピット12a〜12cにおいて露出した支持基板101の表面は、ピット12a〜12cの深さがエキソソーム5a〜5cの対応するように、例えば、レジスト膜102をマスクとして用いたドライエッチング等により凹状に形成されても構わない。
本発明の第1実施形態に係る分析用基板によれば、抗体3が、疎水性であるピット12a〜12cのみに固定され、表面が固定防止面であるランド11には固定されない。よって、抗原51を有するエキソソーム5a〜5cは、ピット12a〜12cの内側に位置し、ランド11に位置しにくいため、エキソソームを高精度に検出することができる。
また、第1実施形態に係る分析用基板によれば、複数のピット列群20a〜20cにおいて、ピット12a〜12cがサイズSa〜Sc毎に配列されるので、検出されたエキソソームのサイズの分布を計測することができる。
また、第1実施形態に係る分析用基板によれば、ピット12bのサイズSbまたはピット12cのサイズScが、ピット12aのサイズSaの2倍未満とされることにより、1つのピット12に複数のエキソソーム5が捕捉されることを低減できる。よって、本発明の第1実施形態に係る分析用基板によれば、より高精度に、検出されたエキソソームのサイズの分布を計測することができる。
また、第1実施形態に係る分析用基板は、光ディスクとして形成されることにより、光ピックアップにより光ディスクを再生する再生装置と同等の装置により、高精度に検出対象を検出可能である。よって、本発明の第1実施形態に係る分析用基板によれば、分析装置の小型化及び低価格化が可能となるとともに、低濃度から高濃度の試料まで、高精度に定量性の高い検出を行うことができる。
(第2実施形態)
第1実施形態において、3つのピット列群20a〜20cを備える分析用基板を説明したが、ピット列群の数は3つに限るものではなく、目的に応じて複数設定することが可能である。第2実施形態に係る分析用基板は、図12に示すように、基板10と、基板10の表面にそれぞれ形成された4つのピット列群20a〜20dとを備える。第2実施形態において説明しない他の構成、作用及び効果は、第1実施形態と実質的に同様であり重複するため省略する。
4つのピット列群20a〜20dは、図13(a)〜(d)に示すように、基板10の表面に凹状に形成されたピット12a〜12dが、サイズ毎にそれぞれ配列される。複数のピット列群20a〜20dは、第1ピット列群20a、第2ピット列群20b及び第3ピット列群20cの他、ピット12dが配列される第4ピット列群20dを更に有する。第1ピット列群20a、第2ピット列群20b、第4ピット列群20d及び第3ピット列群20cは、互いに間隙を有するように、内周側から外周側に順に同心円状に配置される。
ピット12dは、第4ピット列群20dにおいて、基板10の内周側から外周側にスパイラル状に、基板10の円周方向Dtに配列される。ピット12dは、第4ピット列群20dにおいて、半径方向Drにおいて隣接するピット12dとピッチPを有するように配列される。ピット12dは、平面パターンが円形、楕円形等である。
ピット12dは、図13(c)に示すように、ピット12a〜12dのうち2番目に大きなサイズSdを有する(Sc>Sd>Sb>Sa)。サイズSdは、例えば、ピット12dの直径、短径等であり、約100nm〜150nm程度である。ピット12dは、ピット12dに入り込めないサイズのエキソソーム5を捕捉しない。サイズSdは、例えば、ピット12a〜12dの中で最大サイズScの1/2より大きく、最大サイズScより小さい(1/2Sc<Sd<Sc)とすることにより、それぞれ1つのピット12cに複数のエキソソーム5が結合されることを低減することができる。
図14(a)に示すように、第1ピット列群20aピット12aは、ピット12aでのみ捕捉可能なサイズのエキソソーム5aを捕捉する。図14(b)に示すように、第2ピット列群20bのピット12bは、エキソソーム5aと、ピット12aで捕捉できず、ピット12bで捕捉可能なサイズのエキソソーム5bとを捕捉する。図14(c)に示すように、第4ピット列群20dのピット12dは、エキソソーム5aと、エキソソーム5bと、ピット12bで捕捉できず、ピット12dで捕捉可能なサイズのエキソソーム5dとを捕捉する。図14(d)に示すように、第3ピット列群20cのピット12cは、エキソソーム5aと、エキソソーム5bと、エキソソーム5dと、ピット12dで捕捉できず、ピット12cで捕捉可能なサイズのエキソソーム5cとを捕捉する。
例えば、図15に示すように、複数のピット列群20a〜20dの各ピット12a〜12dに捕捉されたエキソソーム5a、エキソソーム5a,5b、エキソソーム5a,5b,5d及びエキソソーム5a〜5dを検出して計数した結果が求められる。なお、図15に示す検出量は、各ピット12a〜12dについて計数されたエキソソーム5の数を正規化したデータである。
図15に示す各検出量から、検出されたエキソソーム5a〜5dのサイズの分布を求めることができる。サイズSaのエキソソーム5aの量は、ピット12aで検出されたエキソソーム5aの量とする。サイズSbのエキソソーム5bの量は、ピット12bで検出されたエキソソーム5a,5bと、ピット12aで検出されたエキソソーム5aとの差分とする。サイズSdのエキソソーム5dの量は、ピット12dで検出されたエキソソーム5a,5b,5dと、ピット12bで検出されたエキソソーム5a,5bとの差分とする。サイズScのエキソソーム5cの量は、ピット12cで検出されたエキソソーム5a〜5dと、ピット12dで検出されたエキソソーム5a,5b,5dとの差分とする。
結果として、図16に示すように、検出されたエキソソーム5a〜5dは、サイズSbのエキソソーム5b、サイズSdのエキソソーム5d、小サイズのエキソソーム5a、サイズScのエキソソーム5cの順で量が多く含まれることが分かる。
本発明の第2実施形態に係る分析用基板によれば、より詳細なサイズ間隔で多くのピット列群を設定することにより、更に詳細にエキソソームのサイズの分布傾向を計測することができる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明を第1及び第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、既に述べた第1実施形態において、複数のピット列群20a〜20cが同心円状に配置される例を説明したが、複数のピット列群20a〜20cは、他の形状に配置されてもよい。例えば、複数のピット列群20a〜20cは、図17に示すように、基板10の表面に、基板10と同心円状の帯状の領域に、それぞれ部分的に配置されるようにしてもよい。同様に、第2実施形態において、複数のピット列群20a〜20dは、図18に示すように、基板10の表面に、基板10と同心円状の帯状の領域に、それぞれ部分的に配置されるようにしてもよい。
また、既に述べた第1及び第2実施形態において、分析用基板は、図19に示すように、基板10の表面において内周側から外周側にスパイラル状に形成された凹状のグルーブ13を更に備えるようにしてもよい。この場合、例えば、ランド11及びグルーブ13が形成された支持基板101にレジスト膜102を成膜した後、グルーブ13の底部にピット12を形成すればよい。
また、既に述べた第1及び第2実施形態において、固定防止面は、レジスト膜102で形成する例を説明したが、これに限らず、他の方法で固定防止面を形成してもよい。例えば、ランド11が表面処理されることにより、撥水性または親水性とされることで抗体3を結合しづらくてもよい。
また、エキソソーム5の有無の違いによる反射光量の変化量を大きくするために、例えば図20に示すように、捕捉されたエキソソーム5に対し、エキソソーム5と特異的に結合する抗体61が表面に固定されたビーズ6を結合させることで光ピックアップでの反射光量の変化を増幅させてもよい。ビーズ6は、表面がグリシジルポリメタクリレート等の樹脂材料62で被覆された直径約200nmのポリスチレンビーズ等のラテックスビーズを採用可能である。ビーズは、内部にフェライト等の磁性微粒子63を含有してもよい。磁性微粒子63をコアに含有するビーズ6は、反応液中に浮遊する間に磁石により吸引可能であり、抗体3側に吸引されることにより、抗体3に捕捉されたエキソソーム5との反応を短時間に行うことができる。抗体61は、エキソソーム5の膜表面に発現している抗原51に特異的に結合する抗体であれば、基板10に固定された抗体3と同じ種類であっても異なる種類であってもよい。
その他、第1及び第2実施形態等の上述の構成を相互に応用した構成等、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
3 抗体
5,5a〜5c エキソソーム
10 基板
11 ランド
12,12a〜12c ピット
13 グルーブ
20a〜20c ピット列群
51 抗原
101 支持基板
102 レジスト膜(固定防止面)

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に凹状に形成され、検出対象であるエキソソームに存在する抗原と結合する抗体が固定されるピットが、前記エキソソームの径に基づくサイズ毎にそれぞれ配列される複数のピット列群と
    を備えることを特徴とする分析用基板。
  2. 前記複数のピット列群は、最小サイズの前記ピットが配列される第1ピット列群と、2番目に小さなサイズの前記ピットが配列される第2ピット列群とを有し、
    前記第2ピット列群のピットのサイズは、前記第1ピット列群のピットのサイズの2倍未満であることを特徴とする請求項1に記載の分析用基板。
  3. 前記第1ピット列群のピットは、前記エキソソームの最小径に対応するサイズを有することを特徴とする請求項2に記載の分析用基板。
  4. 前記複数のピット列群は、最大サイズの前記ピットが配列される第3ピット列群と、2番目に大きなサイズの前記ピットが配列される第4ピット列群とを有し、
    前記第4ピット列群のピットのサイズは、前記第3ピット列群のピットのサイズの1/2より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析用基板。
  5. 前記第3ピット列群のピットは、前記エキソソームの最大径に対応するサイズを有することを特徴とする請求項4に記載の分析用基板。
  6. 前記基板は円盤状であり、
    前記複数のピット列群は、それぞれ、前記ピットが円周方向に配列されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析用基板。
  7. 基板の表面に、検出対象であるエキソソームに存在する抗原と結合する抗体が固定される凹状のピットを、前記エキソソームの径に基づくサイズ毎にそれぞれ配列されるように形成すること
    を含むことを特徴とする分析用基板の製造方法。
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