以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る通信装置を含む通信システムの構成を示すブロック図である。
通信システム101は、図1に示すように、端末装置1と、通信装置2と、少なくとも1つの被制御機器3と、を有して構成されている。
端末装置1、通信装置2及び被制御機器3は、有線または無線のネットワークを介して相互に接続されている。
なお、本実施形態の端末装置1、通信装置2及び被制御機器3は、任意の通信中継装置またはプロトコル変換装置を介して接続されていてもよい。
また、本実施形態の端末装置1及び通信装置2は、一体的に構成された一つの装置であってもよく、または、別体に構成されているとともに、任意の通信手段を用いて通信可能な複数の装置であってもよい。
端末装置1は、ユーザにより操作可能なマウスまたはタッチパネル等のユーザインターフェースを備えた操作指示部11と、ユーザに提示する情報を表示可能な表示装置等を備えた表示部12と、を有して構成されている。また、端末装置1は、通信装置2との間で通信を行うための機能を具備して構成されている。具体的には、端末装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットまたはテレビ等により構成されている。また、端末装置1は、通信装置2から受信した表示命令に基づいて表示部12の表示内容を更新するための機能、及び、ユーザの操作に応じた制御命令を通信装置2へ送信するための機能を具備して構成されている。
通信装置2は、端末装置1との間で通信を行うための機能と、被制御機器3との間で通信を行うための機能と、を具備して構成されている。また、通信装置2は、端末装置1からの制御命令を受信し、当該受信した制御命令を被制御機器3へ送信するための機能を具備して構成されている。また、通信装置2は、端末装置1の表示部12に表示される被制御機器3の操作画面を提供するための機能を具備して構成されている。
具体的には、通信装置2は、例えば、図2に示すような、床暖房に係る操作画面を端末装置1に提供するための機能を具備して構成されている。図2は、端末装置に表示される操作画面の一例を示す図である。
ここで、ユーザは、図2に例示した操作画面の表示内容に基づき、床暖房の状態がオン状態(暖房動作中)またはオフ状態(停止中)のいずれであるかを確認することができる。また、ユーザは、操作指示部11の操作により、図2に例示した操作画面内の「ON」ボタン及び「OFF」ボタンを操作することができる。すなわち、図2に例示した操作画面によれば、床暖房がオン状態またはオフ状態のいずれであるかを示す表示内容と、ユーザによる操作が可能な「ON」ボタン及び「OFF」ボタンと、が同じものとして構成されている。
なお、通信装置2と端末装置1との間の通信、及び、通信装置2と被制御機器3との間の通信においては、例えば、ECHONET(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)、UPnP(登録商標)、または、HTTP等の任意の通信プロトコルを用いることができる。
すなわち、以上に述べたような機能は、例えば、端末装置1がWebブラウザを備え、かつ、通信装置2がWebサーバを備えている場合には、当該Webサーバが当該Webブラウザに対して操作画面を提供するための技術、及び、当該Webサーバに格納されたプログラムが当該Webブラウザを介してユーザの操作を検知して所定の処理を行うための技術等を用いることにより実現され得る。
なお、本実施形態における制御パケットの生成は、タイミング、機器及び構成等に限定されないものとする。具体的には、例えば、通信装置2の各部のうちのいずれかが制御パケットを生成してもよく、または、端末装置1により生成された制御パケットが通信装置2へ直接送信されてもよい。あるいは、通信装置2が、制御パケットを生成する代わりに、制御命令を被制御機器3に対して直接送信することにより、当該制御命令を機器に解釈させるようにしてもよい。
一方、通信装置2は、状態取得部21と、表示制御部22と、タイマ部23と、操作検知部24と、を有して構成されている。
状態取得部21は、所定の通信プロトコルを用い、状態取得要求を被制御機器3に送信するとともに、当該送信した状態取得要求に応じて被制御機器3から返送される状態取得応答を受信するように構成されている。また、状態取得部21は、前述のように受信した状態取得応答に基づき、被制御機器3の状態を取得するように構成されている。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された被制御機器3の状態に基づき、当該状態を端末装置1の表示部12に表示させるための動作を行うように構成されている。具体的には、表示制御部22は、状態取得部21により取得された被制御機器3の状態に基づき、例えば、被制御機器3の床暖房がオン状態である場合には、前述の図2の操作画面において、「ON」ボタンを強調表示させるとともに「OFF」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。また、表示制御部22は、状態取得部21により取得された被制御機器3の状態に基づき、例えば、被制御機器3の床暖房がオフ状態である場合には、前述の図2の操作画面において、「OFF」ボタンを強調表示させるとともに「ON」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
タイマ部23は、状態取得部21が被制御機器3の状態を取得したタイミングからの経過時間を計測するための機能を具備して構成されている。また、タイマ部23は、操作検知部24の制御に基づき、計測中の経過時間を0にリセットするための機能を具備して構成されている。また、タイマ部23は、所定時間PTが経過したことを検知した際に、当該検知した結果を状態取得部21に伝送するための機能を具備して構成されている。
操作検知部24は、所定時間PTが経過する前に、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われたことを検知したときに、当該検知した操作指示の内容に基づいて表示部12の表示内容を更新するための動作を行うように構成されている。また、操作検知部24は、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われたことを検知した後で、タイマ部23により計測された経過時間を0にリセットしてから所定時間PTの計測を開始させるための動作を行うように構成されている。
被制御機器3は、ECHONET(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)のうちの少なくとも一方の通信規格に則った通信を行うことができるように構成されている。また、被制御機器3は、通信処理を司る通信アダプタ31と、機器本体に相当する本体部32と、を有して構成されている。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求を受信し、当該受信した状態取得要求に応じて本体部32の状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答として通信装置2へ返送するための機能を具備して構成されている。また、通信アダプタ31は、通信装置2から送信された制御要求を受信して本体部32へ伝送するとともに、当該制御要求の受信を示す制御受付応答を通信装置2へ返送する機能を具備して構成されている。
本体部32は、例えば、床暖房装置等を具備し、通信アダプタ31を介して入力される制御要求に含まれる制御命令に応じた動作を行うように構成されている。
ここで、本実施形態の通信装置2において行われる具体的な動作等について説明する。図3は、本実施形態に係る通信装置の動作を説明するためのフローチャートである。なお、図3のフローチャートにより示される動作は、例えば、図2に示した操作画面を表示部12に表示させるための操作指示が操作指示部11で行われた際に開始されるものとする。
状態取得部21は、図3のステップS1において、被制御機器3の状態を取得するための動作を行う。
表示制御部22は、図3のステップS2において、状態取得部21により取得された被制御機器3の状態に基づき、当該状態を端末装置1の表示部12に表示させるための動作を行う。
タイマ部23は、図3のステップS3において、経過時間を0にリセットするための動作を行った後、所定時間PTの計測を開始するための動作を行う。
タイマ部23は、図3のステップS4において、所定時間PTが経過したか否かを検知するための動作を行う。
タイマ部23は、図3のステップS4の動作により、所定時間PTが経過したことを検知した際に、当該検知した結果を状態取得部21に伝送するための動作を行う。そして、このようなタイマ部23の動作に応じ、図3のステップS1の動作が再度行われる。
タイマ部23は、図3のステップS4の動作により、所定時間PTが経過していないことを検知した際に、当該検知した結果を操作検知部24に伝送するための動作を行う。そして、このようなタイマ部23の動作に応じ、図3のステップS5の動作が行われる。
操作検知部24は、図3のステップS5において、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われたか否かを検知するための動作を行う。
操作検知部24は、図3のステップS5の動作により、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われていないことを検知した際に、当該検知した結果をタイマ部23に伝送するための動作を行う。そして、このような操作検知部24の動作に応じ、図3のステップS4の動作が再度行われる。
操作検知部24は、図3のステップS5の動作により、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われたことを検知した際に、図3のステップS6において、当該検知した操作指示の内容に基づいて表示部12の表示内容を更新するための動作を行う。
操作検知部24は、図3のステップS7において、被制御機器3からの制御受付応答を受信したか否かを検知するための動作を行う。
操作検知部24は、図3のステップS7の動作により、被制御機器3からの制御受付応答を受信していないことを検知した際に、当該検知した結果をタイマ部23に伝送するための動作を行う。そして、このような操作検知部24の動作に応じ、図3のステップS4の動作が再度行われる。
操作検知部24は、図3のステップS7の動作により、被制御機器3からの制御受付応答を受信したことを検知した際に、タイマ部23により計測された経過時間を0にリセットしてから所定時間PTの計測を開始させるための動作を行う。そして、このような操作検知部24の動作に応じ、図3のステップS7の動作が行われた後、図3のステップS3の動作が行われる。
続いて、本実施形態の通信装置2における動作手順の具体例について説明する。なお、以降においては、本体部32の初期状態がオン状態である場合を例に挙げて説明する。
まず、図4を参照しつつ、操作指示部11における操作指示が行われない場合のシーケンスについて説明する。図4は、本実施形態に係る通信装置の動作手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
状態取得部21は、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求A1を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求A1を受信し、当該受信した状態取得要求A1に応じて本体部32の状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答A2として通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答A2を受信し、当該受信した状態取得応答A2に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるための動作を行う。
そして、このような動作が所定時間PT毎に繰り返されることにより、通信装置2からの状態取得要求B1に応じ、本体部32がオン状態であることを示す状態取得応答B2が被制御機器3から返送され、通信装置2からの状態取得要求C1に応じ、本体部32がオン状態であることを示す状態取得応答C2が被制御機器3から返送される。また、本体部32がオン状態であることを示す状態取得応答B2及びC2の返送に伴い、図2の操作画面における「ON」ボタンの強調表示が継続される。
なお、図4に示した動作手順を適宜変形することにより、例えば、通信装置2が状態取得要求を所定時間PT毎に被制御機器3へ送信する代わりに、端末装置1が所定時間PT毎に状態取得要求の送信依頼を行うとともに、通信装置2が当該送信依頼に応じて状態取得要求を被制御機器3へ送信するようにしてもよい。
ここで、図5を参照しつつ、図4の動作手順に対して従来の動作手順を組み合わせた場合に問題となり得る点について説明する。図5は、図4に例示した動作手順に対して従来の動作手順を組み合わせた場合の問題点を説明するためのシーケンス図である。
状態取得部21は、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求A3を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求A3を受信し、当該受信した状態取得要求A3に応じて本体部32の状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答A4として通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答A4を受信し、当該受信した状態取得応答A4に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるための動作を行う。
次に、通信装置2は、所定時間PTが経過する前に、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作に応じた制御命令が端末装置1から送信された際に、「床暖房の運転をオフ状態へ移行」を示す制御要求X1を被制御機器3に対して送信する。また、操作検知部24は、操作指示部11の操作状態に基づき、所定時間PTが経過する前に、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作が行われたことを検知した際に、当該「OFF」ボタンを強調表示させるとともに「ON」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
一方、通信アダプタ31は、通信装置2から送信された制御要求X1を受信して本体部32に伝送するとともに、当該制御要求X1の受信を示す制御受付応答X2を通信装置2へ返送する。そして、本体部32は、通信アダプタ31からの制御要求X1を受信したタイミングにおいて、床暖房をオン状態からオフ状態へ移行するための動作を開始する。
次に、状態取得部21は、所定時間PTが経過した際に、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求B3を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求B3を受信し、当該受信した状態取得要求B3に応じて本体部32の状態を取得する。ここで、例えば、被制御機器3の処理能力の低さに起因し、制御要求X1を受信したタイミングから状態取得要求B3を受信したタイミングまでの間に、本体部32が床暖房をオン状態からオフ状態へ移行するための動作を完了していない場合においては、本体部32の状態としてオン状態が取得される。そのため、通信アダプタ31は、前述のような場合において、本体部32がオン状態であることを示す状態取得応答B4を通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答B4を受信し、当該受信した状態取得応答B4に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるとともに「OFF」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
次に、状態取得部21は、所定時間PTが経過した際に、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求C3を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求C3を受信し、当該受信した状態取得要求C3に応じて本体部32の状態を取得する。ここで、例えば、状態取得要求B3を受信したタイミングから状態取得要求C3を受信したタイミングまでの間に、本体部32が床暖房をオン状態からオフ状態へ移行するための動作を完了した場合においては、本体部32の状態としてオフ状態が取得される。そのため、通信アダプタ31は、前述のような場合において、本体部32がオフ状態であることを示す状態取得応答C4を通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答C4を受信し、当該受信した状態取得応答C4に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「OFF」ボタンを強調表示させるとともに「ON」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
以上に述べたように、図5に例示した動作手順によれば、被制御機器3の本体部32をオン状態→オフ状態に遷移させるための操作指示が行われたのみであるにも関わらず、図2の操作画面において強調表示されるボタンが「ON」ボタン→「OFF」ボタン→「ON」ボタン→「OFF」ボタンの順番で必要以上に切り替わっている。すなわち、図5に例示した動作手順によれば、ユーザの操作指示内容とは異なる内容の情報が端末装置1の表示部12に表示されてしまう、という問題点が生じ得る。そして、このような問題点を解消するために、本実施形態の通信装置2は、例えば、図6に示すような動作手順に沿った動作を行う。図6は、本実施形態に係る通信装置の動作手順の、図4とは異なる例を説明するためのシーケンス図である。
状態取得部21は、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求A5を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求A5を受信し、当該受信した状態取得要求A5に応じて本体部32の状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答A6として通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答A6を受信し、当該受信した状態取得応答A6に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるための動作を行う。
次に、通信装置2は、所定時間PTが経過する前に、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作に応じた制御命令が端末装置1から送信された際に、「床暖房の運転をオフ状態へ移行」を示す制御要求X3を被制御機器3に対して送信する。
操作検知部24は、操作指示部11の操作状態に基づき、所定時間PTが経過する前に、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作が行われたことを検知した際に、当該「OFF」ボタンを強調表示させるとともに「ON」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
一方、通信アダプタ31は、通信装置2から送信された制御要求X3を受信して本体部32に伝送するとともに、当該制御要求X3の受信を示す制御受付応答X4を通信装置2へ返送する。そして、本体部32は、通信アダプタ31からの制御要求X3を受信したタイミングにおいて、床暖房をオン状態からオフ状態へ移行するための動作を開始する。
操作検知部24は、所定時間PTが経過する前に、被制御機器3からの制御受付応答X4を受信したことを検知した際に、タイマ部23により計測された経過時間を0にリセットしてから所定時間PTの計測を開始させるための動作を行う。
次に、状態取得部21は、所定時間PTが経過した際に、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求B5を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求B5を受信し、当該受信した状態取得要求B5に応じて本体部32の状態を取得する。ここで、例えば、所定時間PTが、制御要求X3が通信装置2から被制御機器3へ送信されたタイミングから、本体部32の床暖房が完全にオフ状態になるタイミングまでの状態遷移時間CTよりも長い時間に設定されている場合においては、本体部32の状態としてオフ状態が取得される。そのため、通信アダプタ31は、前述のような場合において、本体部32がオフ状態であることを示す状態取得応答B6を通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答B6を受信し、当該受信した状態取得応答B6に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「OFF」ボタンを強調表示させるための動作を行う。
すなわち、前述の状態遷移時間CTは、通信装置2が被制御機器3へ制御要求を送信してから、被制御機器3の状態が実際に変化するまでの時間に相当する。
なお、本実施形態の通信装置2は、例えば、被制御機器3の仕様または性能に応じて予め設定された状態遷移時間CTを図示しないメモリ等から読み込み、当該読み込んだ状態遷移時間CTよりも長い時間を所定時間PTとして設定するようにしてもよい。
また、本実施形態の通信装置2は、例えば、ECHONET(登録商標)またはECHONET Lite(登録商標)の通信規格におけるプロパティ値または機器情報に含まれる状態遷移時間CTを取得し、当該取得した状態遷移時間CTよりも長い時間を所定時間PTとして設定するようにしてもよい。
また、本実施形態の通信装置2は、被制御機器3との間の初回通信時に状態遷移時間CTを計測し、当該計測した状態遷移時間CTに基づいて所定時間PTを設定するようにしてもよい。具体的には、通信装置2は、例えば、「床暖房の運転をオン状態へ移行」を示す制御要求XAと、「床暖房の運転をオフ状態へ移行」を示す制御要求XBと、を1回ずつ送信した後、被制御機器3への状態取得要求の送信と被制御機器3からの状態取得応答の受信とを極めて短い時間間隔で繰り返すような動作を行うことにより、当該制御要求XA及びXBに応じて本体部32の状態の変化が完了するまでの時間を状態遷移時間CTとして計測し、当該計測した状態遷移時間CTよりも長い時間を所定時間PTとして設定するようにしてもよい。
また、本実施形態の操作検知部24は、タイマ部23により計測された経過時間を前述のタイミングで0にリセットするような動作を行うものに限らず、例えば、被制御機器3に対する操作指示が操作指示部11で行われたことを検知した際に、すなわち、図3のステップS6の動作と略同時または同時に、タイマ部23により計測された経過時間を0にリセットするような動作を行ってもよい。
以上に述べたように、図6に例示した動作手順によれば、被制御機器3の本体部32をオン状態→オフ状態に遷移させるための操作指示が行われた際に、図2の操作画面において強調表示されるボタンが「ON」ボタン→「OFF」の順番で無駄なく切り替わっている。すなわち、図6に例示した動作手順によれば、ユーザの操作指示内容とは異なる内容の情報が端末装置1の表示部12に表示されてしまうことを防止することができる。
一方、本実施形態によれば、例えば、状態取得要求が送信された直後のタイミング等のような、状態取得要求が送信されてから当該状態取得要求に応じた状態取得応答が受信されるまでの短い期間内に、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作に応じた制御命令が端末装置1から送信された場合において、図3及び図6に示した動作手順の代わりに、図7に示す動作手順に沿った動作が行われる。図7は、本実施形態に係る通信装置の動作手順の、図4及び図6とは異なる例を説明するためのシーケンス図である。
状態取得部21は、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求A7を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求A7を受信し、当該受信した状態取得要求A7に応じて本体部32の状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答A8として通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答A8を受信し、当該受信した状態取得応答A8に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態に基づき、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるための動作を行う。
次に、状態取得部21は、所定時間PTが経過した際に、例えば、「床暖房の運転状態の取得」を示す状態取得要求B7を被制御機器3に対して送信する。
また、操作検知部24は、操作指示部11の操作状態に基づき、例えば、状態取得要求B7が送信された直後において、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作が行われたことを検知した際に、当該「OFF」ボタンを強調表示させるとともに「ON」ボタンの強調表示を解除するための動作を行う。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された状態取得要求B7を受信し、当該受信した状態取得要求B7に応じ、本体部32の状態としてオン状態を取得し、当該取得した本体部32の状態を状態取得応答B8として通信装置2へ返送する。
状態取得部21は、被制御機器3から送信された状態取得応答B8を受信し、当該受信した状態取得応答B8に基づいて本体部32の状態を取得する。
表示制御部22は、状態取得部21により取得された本体部32の状態と、操作検知部24により検知された操作指示の内容と、に基づき、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作が当該状態の取得以前に行われたことを検知し、図2の操作画面における「ON」ボタンを強調表示させるための動作を中止する。
一方、通信装置2は、状態取得応答B8が状態取得部21において受信された直後に、「床暖房の運転をオフ状態へ移行」を示す制御要求X5を被制御機器3に対して送信する。
通信アダプタ31は、通信装置2から送信された制御要求X5を受信して本体部32に伝送するとともに、当該制御要求X5の受信を示す制御受付応答X6を通信装置2へ返送する。そして、本体部32は、通信アダプタ31からの制御要求X5を受信したタイミングにおいて、床暖房をオン状態からオフ状態へ移行するための動作を開始するとともに、所定時間PTが経過する前に当該動作を完了する。
操作検知部24は、所定時間PTが経過する前に、被制御機器3からの制御受付応答X6を受信したことを検知した際に、タイマ部23により計測された経過時間を0にリセットしてから所定時間PTの計測を開始させるための動作を行う。
なお、制御要求X5が通信装置2から被制御機器3に対して送信されるタイミングは、状態取得応答B8が状態取得部21において受信された直後に限らず、例えば、図2の操作画面における「OFF」ボタンの操作に応じた制御命令が端末装置1から送信された直後であってもよい。
以上に述べたように、図7に例示した動作手順によれば、被制御機器3の本体部32をオン状態→オフ状態に遷移させるための操作指示が行われた際に、図2の操作画面において強調表示されるボタンが「ON」ボタン→「OFF」の順番で無駄なく切り替わっている。すなわち、図7に例示した動作手順によれば、ユーザの操作指示内容とは異なる内容の情報が端末装置1の表示部12に表示されてしまうことを防止することができる。
なお、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、以上に述べた実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、制御命令の種類に応じて適宜異なる実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。