JP6201473B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、隊列走行制御を実施時に、予め設定した自車の設定車速を後続車が先行車に追従しやすい車速へと変更可能とすることを目的としている。
(構成)
車両は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力(駆動トルク)を発生する駆動装置を備える。
制動装置は、図1に示すように、車輪13に設けられるブレーキ装置10と、その各ブレーキ装置10に接続する配管を含む流体圧回路11と、ブレーキコントローラ6Aとを備える。ブレーキコントローラ6Aは、上記流体圧回路15を介して各ブレーキ装置10で発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置10は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
上記ブレーキコントローラ6Aとエンジンコントローラ6Bは、それぞれ上位コントローラである走行制御コントローラ5からの制動指令、駆動指令の各指令値(制駆動力制御量)を受け付ける構成とする。ブレーキコントローラ6Aとエンジンコントローラ6Bは、加減速制御装置6を構成する。
制御作動用スイッチ1は、隊列走行制御の作動の開始指示及び終了指示、または隊列走行制御の設定車速の変更指示を行うための操作子である。制御作動用スイッチ1は、隊列走行を行うための加減速制御を行うメインスイッチや、隊列走行時の目標車間時間を切り替えるスイッチ、設定車速を変更するためのスイッチを備える。この制御作動用スイッチ1の状態(ON・OFFの状態や、設定値など)は、走行制御コントローラ5に出力される。またこの制御作動用スイッチ1は、例えばステアリングホイールに設けられている。
外界認識装置3は、自車前方に存在する先行車を認識し、その認識した先行車の状態として、当該先行車両の有無及び走行状態を検出する。検出した先行車の状態に関する情報は、走行制御コントローラ5に出力される。外界認識装置3は、例えばレーザ距離計やカメラによって構成する。
また、隊列走行制御を実施時において、自車が隊列を形成せずに単独走行をしている場合は、隊列の先頭として扱われ、隊列順番情報はデフォルトで#1となる。そして、隊列順番情報#1の自車が、例えば、直近の前方車(隊列順番情報#1)に結合した場合は、隊列順番情報は、現在の#1に「+1」した#2となる。例えば、車群の上限数が「5台」の場合、隊列順番情報#1の自車が、隊列順番情報#2の前方車に結合した場合は#3に、隊列順番情報#3の前方車に結合した場合は#4に、隊列順番情報#4の前方車に結合した場合は#5に変更される。
また、ナビゲーション装置7は、GPS受信機を用いて取得した自車の現在位置と、地図データベースに格納された道路情報とに基づいて、自車が走行する道路の種別や制限速度等の道路情報を取得することが可能である。
走行制御コントローラ5は、制御作動用スイッチ1がON(隊列走行制御作動要求)であると判定した場合には、制御作動用スイッチ1の作動状態と、車輪速センサ2からの信号に基づく自車速と、外界認識装置3が検出した先行車の走行状態に関する情報と、を読み込む。さらに、走行制御コントローラ5は、通信装置4が取得した自車周囲車両情報と、ナビゲーション装置7からの走行道路情報と、を読み込む。そして、これら読み込んだ情報に基づき、隊列を形成するための先行車に対する追従走行その他の走行制御を行う。
つまり、本実施形態の走行制御コントローラは、車車間通信を利用した協調ACC(Adaptive Cruise Control)制御である、CACC(Cooperative ACC)制御を基本とした隊列走行制御を行う。
加減速制御装置6を構成するブレーキコントローラ6A及びエンジンコントローラ6Bは、受信した加減速制御量(制御指令値)となるように車両の加減速を制御する。
すなわち、走行制御コントローラ5は、図3に示すように、制御状態設定部5A、先行車検出状態判定部5B、目標車間距離算出部5C、目標応答特性算出部5D、目標車速算出部5E、目標加減速度算出部5F、車速指令値算出部5G、車速サーボ演算部5J、トルク配分演算部5K、エンジントルク演算部5L、及びブレーキ液圧演算部5Mを備える。さらに、走行制御コントローラ5は、自車走行状態検出部5N、設定車速変更部5P、自車速算出部5Q、及び隊列順番設定部5Iを備える。
具体的に、隊列順番設定部5Iは、追従制御対象候補となる先行車が有ると判定すると、通信装置4による車車間通信によって、この先行車に対して結合要求情報を送信する。そして、通信装置4を介して取得した、先行車からの結合応答情報に基づき自車の隊列順番を設定する。ここで、結合応答情報は、結合の許可又は不許可を示す情報を含み、更に結合許可の場合には先行車の隊列順番情報が含まれている。
一方、隊列順番設定部5Iは、結合不許可と判定すると、自己の隊列順番を、先頭車を示すデフォルト値の#1に設定する。加えて、隊列順番設定部5Iは、結合不許可を示す情報を先行車検出状態判定部5Bに出力する。
自車速算出部5Qは、車輪速センサ2から得られる車輪速に基づき、自車速を算出する。そして、この算出結果を、目標応答特性算出部5D及び自車走行状態検出部5Nに出力する。
自車走行状態検出部5Nは、通信装置4から得られる自車周囲車両情報、隊列順番設定部5Iから得られる自車の隊列順番情報、外界認識装置3から得られる自車と先行車との間の車間距離、自車速算出部5Qから得られる自車速に基づき、自車の走行状態を検出する。
設定車速変更部5Pは、自車走行状態検出部5Nから得られる自車の走行状態と、ナビゲーション装置7から得られる走行道路情報とに基づき、運転者が予め設定した設定車速を、予め設定した上限値に変更する。
設定車速変更部5Pは、自車の走行状態と自車の走行する道路の制限速度との組合せに対応する上限値をメモリから取得し、現在の設定車速を取得した上限値に変更する。
目標応答特性算出部5Dは、目標車間距離算出部5Cから得られる目標車間距離に対して、どのような応答特性とするかを算出する。目標応答特性算出部5Dは、目標車間距離と、通信装置4から得た車間距離及び先行車速と、自車速算出部5Qから得た自車速とに基づき、目標車間距離を実現するための目標応答特性を算出する。
目標加減速度算出部5Fは、目標車速算出部5Eが算出した目標車速を基に、目標加減速度を算出し、算出した目標加減速度を車速指令値算出部5Gへ出力する。
車速サーボ演算部5Jは、車速指令値演算部で演算された車速指令値となるように車両を制駆動制御する処理を行う。すなわち、車速サーボ演算部5Jは、選択された車速指令値を達成するための目標加減速度を演算し、演算した車速指令値に対し演算した目標加減速度をトルク配分演算部5Kへ出力する。
エンジントルク演算部5Lは、トルク配分演算部5Kで配分されたトルクを達成するためのエンジントルク指令値を算出する。エンジントルク指令値はスロットル開度等である。エンジントルク演算部5Lは、算出したエンジントルク指令値をエンジンコントローラ6Bに出力する。
ブレーキ液圧演算部5Mは、トルク配分演算部5Kで配分されたトルクを達成するためのブレーキ液圧指令値を算出し、算出したブレーキ液圧指令値をブレーキコントローラ6Aに出力する。
先ずステップS100では、走行制御コントローラ5は、各センサ及び他のコントローラからの各種データを読み込む。具体的には、制御作動用スイッチ1の、各種スイッチ状態、外界認識装置3から先行車両情報として車間距離vDistance、車輪速センサ2から各輪の車輪速Vwi(i=1〜4)を読み込む。 加えて、走行制御コントローラ5は、通信装置4から自車周囲車両情報、ナビゲーション装置7から走行道路情報を読み込む。その後、ステップS102に移行する。
本実施形態では、自車速算出部5Qは、通常走行時には、例えば後輪駆動の車両の場合は、下記(1)式により前輪の車輪速Vw1,Vw2の平均値として自車速Vを算出する。車輪速Vw1,Vw2は、タイヤ径に基づき求めた車速換算値とする。
V=(Vw1+Vw2)/2 ・・・(1)
ステップS104では、目標車間距離算出部5Cは、設定された目標車間時間を達成するための目標車間距離Ltを算出する。その後、ステップS106に移行する。
例えば、目標車間時間をTgap、先行車車速Vtとすると、目標車間距離Ltは、下記(2)式によって算出できる。
Lt=Vt×Tgap ・・・(2)
ステップS106では、自車走行状態検出部5Nは、自車の走行状態を判断する。その後、ステップS108に移行する。
図5は、隊列結合中状態及び隊列走行状態を判断する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6は、先頭走行状態を判断する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7は、混雑走行状態を判断する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS200では、自車走行状態検出部5Nは、隊列結合中状態及び隊列走行状態を判断するための判断用情報を読み込む。具体的に、車間距離vDistance、自車速V、自車の隊列順番情報、目標車間時間Tgap、及び設定車速Vsを読み込む。その後、ステップS202に移行する。
ステップS202では、自車走行状態検出部5Nは、ステップS200で読み込んだ判断用情報に基づき、自車が隊列結合中状態であるか否かを判断する処理を行う。その後、ステップS204に移行する。
A1:自車の隊列順番が2番目以降である。
A2:車間時間偏差が予め設定した車間時間偏差閾値を超えている。
つまり、本実施形態では、先行車から結合許可を受けて自車の隊列順番が2番目以降に設定されてから、隊列走行状態に移行するまでの間を隊列結合中状態と定義している。
なお、上記A1は、自車の隊列順番情報から判断する。上記A2は、まず、車間距離vDistanceを自車速Vで除算して、現在の車間時間Tpを算出する。次に、目標車間時間Tgapと車間時間Tpとの偏差(車間時間偏差)を求める。そして、この車間時間偏差と車間時間偏差閾値とを比較して判断する。
ステップS206に移行した場合は、自車走行状態検出部5Nは、結合中フラグをONに設定して、ステップS208に移行する。
ステップS208では、自車走行状態検出部5Nは、隊列走行フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS210に移行した場合は、自車走行状態検出部5Nは、結合中フラグをOFFに設定して、ステップS212に移行する。
ステップS212では、自車走行状態検出部5Nは、判定用情報に基づき、自車が隊列走行状態であるか否かを判断する処理を行う。その後、ステップS214に移行する。
B1:自車の隊列順番が2番目以降である。
B2:車間時間偏差が予め設定した車間時間偏差閾値以下である。
C1:自車の隊列順番が1番である。
C2:隊列順番#2以降の後続車が存在する。
C3:一定車速(車速偏差が車速偏差閾値以下)である。
ステップS216に移行した場合は、自車走行状態検出部5Nは、隊列走行フラグをONに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS218に移行した場合は、自車走行状態検出部5Nは、隊列走行フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ステップS300では、自車走行状態検出部5Nは、自車の隊列順番情報を読み込む。その後、ステップS302に移行する。
ステップS302では、自車走行状態検出部5Nは、読み込んだ隊列順番情報に基づき、自車が隊列の先頭であるか否かを判定する。そして、隊列の先頭であると判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS306に移行する。
ここで、先頭走行フラグは、自車が先頭走行状態であるか否かを判別するためのフラグであり、ON状態のときに自車が先頭走行状態であることを示し、OFF状態のときに自車が先頭走行状態ではないことを示す。
一方、ステップS306に移行した場合は、自車走行状態検出部5Nは、先頭走行フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ステップS400では、自車走行状態検出部5Nは、通信装置4を介して、自車周囲に存在する他車に対して、応答要求情報を送信する。その後、ステップS402に移行する。なお、自車周囲は、自車から予め設定した範囲内の領域を指す。例えば自車を中心に進行方向に長軸を向けた予め設定した大きさの楕円形形状の領域内を対象とする。
ここで、応答情報には、送信元の各車両の識別情報が含まれている。
ステップS404では、自車走行状態検出部5Nは、自車周囲を走行する他車の台数(以下、周囲車両台数という)に相当する、取得した応答情報の総数を算出し、算出した周囲車両台数と、予め設定した台数閾値とを比較する。そして、周囲車両台数が台数閾値以上であるか否かを判定し、台数閾値以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS406に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS412に移行する。
ここで、上記車速判定用情報は、自車速Vと、設定車速Vsとなる。
ステップS408では、自車走行状態検出部5Nは、自車速Vと設定車速Vsとの偏差(Vs−V)である車速偏差を算出し、算出した車速偏差が予め設定した車速偏差閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、車速偏差が車速偏差閾値よりも大きいと判定した場合(Yes)は、ステップS410に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS412に移行する。
ここで、混雑走行フラグは、自車が混雑走行状態であるか否かを判別するためのフラグであり、ON状態のときに自車が混雑走行状態であることを示し、OFF状態のときに自車が混雑走行状態ではないことを示す。
なお、上記図5〜図7の処理は、並列に実行してもよいし、予め設定した順番で順次実行してもよい。
図4に戻って、ステップS108では、設定車速変更部5Pは、ステップS106の走行状態判断結果に基づき、設定車速変更処理を行う。その後、ステップS110に移行する。
図8は、設定車速変更処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS500では、設定車速変更部5Pは、自車走行状態検出部5Nから各種フラグを読み込み、ナビゲーション装置7から走行道路情報を読み込む。その後、ステップS502に移行する。
ステップS502では、設定車速変更部5Pは、隊列走行フラグがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS514に移行する。
ステップS504に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、先頭走行フラグがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS506に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS512に移行する。
ステップS508に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、メモリから、自車が隊列走行状態及び先頭走行状態であり、更に混雑走行状態である場合の自車の走行する道路の制限速度に対応する上限値Vm1を読み出す。そして、現在の設定車速Vsを、読み出した上限値Vm1に変更して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
なお、運転者の制御作動用スイッチ1の操作によって設定される設定車速(以下、設定車速Vdという)は、RAM等の不図示のメモリに保持しておく(スイッチ1の操作によって変更された場合はその都度更新する)。そして、上限値Vm6と設定車速Vdとの関係は、「Vm6≦Vd」となる。
また、ステップS504において先頭フラグがON状態ではなくステップS512に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、混雑走行フラグがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS514に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS516に移行する。
一方、ステップS516に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、メモリから、自車が隊列走行状態であるが、先頭走行状態でも混雑走行状態でもない場合の自車の走行する道路の制限速度に対応する上限値Vm4を読み出す。そして、現在の設定車速Vsを、読み出した上限値Vm4に変更して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ステップS520に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、混雑走行フラグがON状態であるか否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS522に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS524に移行する。
一方、ステップS524に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、メモリから、自車が隊列走行状態ではなくかつ混雑走行状態ではないが、隊列結合中状態である場合の自車の走行する道路の制限速度に対応する上限値Vm6を読み出す。そして、現在の設定車速Vsを、読み出した上限値Vm6に変更して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
また、ステップS518において、結合走行フラグがON状態ではなくステップS526に移行した場合は、設定車速変更部5Pは、現在の設定車速Vsが設定車速Vdとなっている場合はそのまま保持し、そうでない場合は、現在の設定車速Vsを設定車速Vdに変更して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
K2×(Lt−vDistance)、
K3×vVR)・・・(3)
そして、目標車速算出部5Eは、上記第1目標車速Vrefに対して、下記(4)式に基づき、予め設定した伝達特性を持たせた目標車速Vtargetを算出する。ここで、下記(4)式では、伝達特性として1次遅れ系のフィルタを施す場合を例示している。
Xgt = f(V、Vtarget)・・・(5)
上記(5)式の関数は、例えば、自車速と目標車速との車速偏差(V−Vtarget)が予め設定した値より小さい場合は、前回の目標加減速度を小さくし、その車速偏差が予め設定した値より大きい場合は、前回の目標加減速度を大きくするような関数とする。
Vo=f(Xgtarget)× Stime・・・(6)
ここで、Stimeは予め設定した時間をあらわす。
例えば、加速度もしくは、車速からATギア比などを含めたホイル端トルク指令値を求め、その後、ホイル端トルク指令値からエンジントルク指令値を求める。その後、ホイル端トルクから算出したエンジントルク指令値から、エンジンブレーキ+走行抵抗分を差し引いた分をブレーキ液圧指令値とする。
ステップS120では、ブレーキ制御作動判断を行う。具体的には、ステップS116で算出されたブレーキ液圧指令値が予め設定した所定値以上となった場合に、ブレーキ制御作動フラグfbrを「1」に設定して、ブレーキ液圧指令値を出力する。
ステップS122では、上記ステップS118、S120で算出された各制御量を加減速制御装置6に出力する。
まず、自車が隊列走行状態である場合の動作を説明する。
この状態において、自車が先頭車である場合、自車の隊列順番は#1となり、先頭走行フラグがON状態となる。また、隊列走行フラグがON状態となり、自車の後続に少なくとも隊列順番#2の他車が存在し、かつ、自車が一定速度で走行している状態となる。
ここで、現在の設定車速Vsは設定車速Vdとなっており、Vdは、自車の走行する道路の制限速度VLと等しいこととする。ここでは、制限速度VLを「80[km/h]」とする。
このとき、混雑走行状態フラグがOFF状態であると判定すると、自車の設定車速Vs(現在、Vd(80[km/h])となっている)は、上限値Vm2に変更される。すなわち、設定車速Vsは80[km/h]から「80−10=70[km/h]」に変更される。
従って、先頭車が何らかの理由で例えば60[km/h]に減速し、その後70[km/h]に戻すために加速した場合でも、後続車(自車)は最大75[km/h]の速度で追従できるので、自車を先行車に追いつきやすくすることが可能となる。
混雑走行フラグがON状態になったと判定すると、自車が先頭車の場合、現在の設定車速70[km/h]は、上限値Vm1に変更される。すなわち、設定車速Vsは70[km/h]から「80−30=50[km/h]」に変更される。
一方、自車が後続車の場合、現在の設定車速75[km/h]は、上限値Vm3に変更される。すなわち、設定車速Vsは75[km/h]から「80−20=60[km/h]」に変更される。
従って、先頭車が何らかの理由で例えば45[km/h]に減速し、その後50[km/h]に戻すために加速した場合でも、後続車(自車)は最大60[km/h]の速度で追従できるので、自車を先行車に追いつきやすくすることが可能となる。
また、混雑走行状態時は、隊列を形成する車群全体の設定車速(上限車速)を低減させることができるので、隊列走行時に発生する急減速等の不安定要素の発生を低減することが可能となる。
ここで、現在の設定車速Vsは設定車速Vdとなっており、Vdは制限速度の「80[km/h]」であるとする。
この状態において、先頭走行フラグがON状態であると判定すると、自車は単独走行状態となる。本実施形態では、自車が単独走行状態であると判定すると、設定車速Vsを設定車速Vdとする。すなわち、設定車速Vsを運転者が設定した設定車速Vdのまま保持、またはVdに変更する。
このとき、混雑走行状態フラグがOFF状態であると判定すると、自車の設定車速Vs(現在、80[km/h]となっている)は、上限値Vm6に変更される。本実施形態では、「Vm6=VL=80[km/h]」となっているので、設定車速Vsは80[km/h]のまま保持される。
従って、自車が隊列結合中状態のときに、隊列の形成を素早く行うことが可能となる。
混雑走行フラグがON状態になったと判定すると、現在の設定車速80[km/h]は、上限値Vm5に変更される。すなわち、設定車速Vsは80[km/h]から「80−15=65[km/h]」に変更される。
一方、隊列走行状態の先頭車は、混雑走行状態のときに、上記したように設定車速が50[km/h]に変更される。また、隊列走行状態であるが先頭車ではない車両は、混雑走行状態のときに、上記したように設定車速が60[km/h]に変更される。
従って、自車が隊列結合中状態のときに、隊列の形成を素早く行うことが可能となる。
また、混雑走行状態時は、隊列を形成する車群全体の設定車速(上限車速)を低下させることができるので、結合時に発生する急減速等の不安定要素の発生を低減することが可能となる。
ここで、走行制御コントローラ5は隊列走行制御部を構成する。自車走行状態検出部5Nは先頭走行状態検出部、隊列結合中状態検出部及び混雑走行状態検出部を構成する。設定車速変更部5Pは設定車速変更部を構成する。ナビゲーション装置7は走行道路情報検出部を構成する。
次に、本実施形態の効果を説明する。
(1)走行制御コントローラ5は、予め設定した設定車速Vs(初期値は運転者が設定した設定車速Vd)に従って同一車線を走行する他車と隊列を形成するように制駆動力制御を行う。自車走行状態検出部5Nは、自車が隊列の先頭を走行している先頭走行状態であることを検出する。設定車速変更部5Pは、自車走行状態検出部5Nの検出結果に基づき、自車が先頭走行状態であると判定すると、自車の設定車速Vsを、予め設定した第1上限値(例えばVm2)に変更する。一方、設定車速変更部5Pは、自車が先頭走行状態ではないと判定すると、自車の設定車速Vsを、予め設定した第1上限値よりも大きい値の第2上限値(例えばVm4)に変更する。
この構成によって、自車が隊列走行状態であるときは、隊列全体の設定車速が小さくなるので、安定した隊列走行を行うことが可能となる。一方、自車が隊列結合中状態であるときは、自車の上限車速が結合対象の前方車の上限車速よりも大きくなるので、隊列を素早く形成することが可能となる。
この構成によって、自車が混雑走行状態であるときは、隊列全体の設定車速が小さくなるので、混雑した環境下を隊列走行時の急減速等の不安定要素の発生を低減することが可能となる。
この構成によって、自車が走行する道路の制限速度に応じて適切な上限値に自車の設定車速Vsを変更することが可能となる。
(1)上記実施形態では、隊列走行制御を実施時に自車が単独走行時において、設定車速Vsを予め設定した上限値に変更せずに運転者が設定した設定車速Vdに設定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、隊列走行制御を実施時に、自車が単独走行中でも設定車速Vsを、予め設定した上限値(例えば、制限速度よりも小さい車速となる上限値)に変更する構成としてもよい。
2 車輪速センサ
3 外界認識装置
4 通信装置
5 走行制御コントローラ
5A 制御状態設定部
5B 先行車検出状態判定部
5C 目標車間距離算出部
5D 目標応答特性算出部
5E 目標車速算出部
5F 目標加減速度算出部
5G 車速指令値算出部
5I 隊列順番設定部
5J 車速サーボ演算部
5K トルク配分演算部
5L エンジントルク演算部
5M ブレーキ液圧演算部
5N 自車走行状態検出部
5P 設定車速変更部
5Q 自車速演算部
6 加減速制御装置
6A ブレーキコントローラ
6B エンジンコントローラ
7 ナビゲーション装置
10 ブレーキ装置
12 エンジン
13 車輪
Claims (4)
- 予め設定した設定車速に従って同一車線を走行する他車と隊列を形成するように制駆動力制御を行う隊列走行制御部と、
自車が隊列の先頭を走行している先頭走行状態であることを検出する先頭走行状態検出部と、
自車が隊列を形成する前方車に結合するために該前方車の追従を開始してから結合が完了するまでの走行状態である隊列結合中状態を検出する隊列結合中状態検出部と、
自車が前記先頭走行状態であると判定すると、前記設定車速を予め設定した第1上限値に変更し、自車が前記先頭走行状態及び前記隊列結合中状態のいずれでもないと判定すると、前記設定車速を前記第1上限値よりも大きい値の予め設定した第2上限値に変更し、自車が前記先頭走行状態でなく前記隊列結合中状態であると判定すると、前記設定車速を前記第2上限値よりも大きい値の予め設定した第3上限値に変更する設定車速変更部と、を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 自車が混雑している道路を走行している状態である混雑走行状態であることを検出する混雑走行状態検出部を備え、
前記設定車速変更部は、自車が前記混雑走行状態であると判定すると、前記設定車速を、自車が前記混雑走行状態ではないと判定したときよりも小さい値にすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。 - 予め設定した設定車速に従って同一車線を走行する他車と隊列を形成するように制駆動力制御を行う隊列走行制御部と、
自車が隊列の先頭を走行している先頭走行状態であることを検出する先頭走行状態検出部と、
自車が混雑している道路を走行している状態である混雑走行状態であることを検出する混雑走行状態検出部と、
自車が前記先頭走行状態であると判定すると、前記設定車速を予め設定した第1上限値に変更し、自車が前記先頭走行状態ではないと判定すると、前記設定車速を前記第1上限値よりも大きい値の予め設定した第2上限値に変更する設定車速変更部と、を備え、
前記設定車速変更部は、自車が前記混雑走行状態であると判定すると、前記設定車速を、自車が前記混雑走行状態ではないと判定したときよりも小さい値にすることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 自車の走行する道路の制限速度を検出する走行道路情報検出部を備え、
前記設定車速変更部は、前記走行道路情報検出部が検出した自車の走行する道路の制限速度に基づき、自車の上限車速を前記制限速度以下でかつ該制限速度の大きさに応じて異なる上限値に変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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