JP6201362B2 - 機器本体とブラケットとの固定構造 - Google Patents

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Description

本発明は、機器本体にブラケットを確実に固定するための機器本体とブラケットとの固定構造に関する。
従来、例えば、電装品を収容するケース(機器本体)を車両等に搭載する場合、ブラケットの一端側をケースに固定し、ブラケットの他端側を車体に固定する。特許文献1に示すケースとブラケットとの固定構造においては、ブラケットの一端側の差込部をケースに固定するために、ケースの一端面には一対のレールと係合突起が形成されている。ブラケットの差込部をレールに挿通した後、係合突起とブラケットに形成された係合孔とが係合され、ケースにブラケットが固定される。ブラケットはケースに形成されたレールに対して両側の何れの方向から挿入した場合も係合孔と係合突起とが係合するよう構成されている。
また、特許文献2に示すケースとブラケットでは、ケースの一端面に一対のレールと係合凸部とストッパ凸部とが設けられている。レールに対してブラケットを一方側から挿入した場合には、ブラケットに形成された係合孔とケース側の係合凸部とが係合する。しかし、ストッパ凸部の存在により、レールに対してブラケットを逆方向から挿入することはできない。
特開2002−320312号公報 特開2004−179280号公報
車両に搭載されるケースの姿勢が決定している場合には、ケースに対するブラケットの挿入方向が一方に決定することがある。しかし、特許文献1におけるブラケットの固定構造では、レールの両側のいずれの方向からもブラケットが挿入可能な構成である。このため、ケースに設けられたレールに対してブラケットの挿入方向を間違えてしまう虞がある。
一方、特許文献2では、ケースに設けられたレールに対しブラケットが挿入可能な方向は一方のみであるため、ブラケットの挿入方向を間違えることはない。しかしながら、車両等において搭載されるケースの位置や姿勢をより柔軟に変化させたい場合、レールに対しブラケットは両側のいずれの方向からも挿入可能であることが好ましい。
本発明の目的は、機器本体のレールに対してブラケットを両側から挿入可能な構成でありながら機器本体のレールに対するブラケットの誤挿入を防止できる機器本体とブラケットとの固定構造を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る機器本体とブラケットとの固定構造の特徴構成は、機器本体の側に設けられたレールと、前記レールに対する差込部を備えたブラケットと、互いに係合・離脱可能となるよう前記差込部に設けられた係合部および前記機器本体あるいは前記レールに設けられた被係合部と、を備え、前記ブラケットを前記レールに対して逆方向から差込み操作したとき、前記係合部と前記被係合部とが係合する前に前記ブラケットの差込み操作が中止されるよう、前記差込部の一部に当接部を設けると共に、前記機器本体あるいは前記レールの一部における前記当接部の進行方向延長上に被当接部を設け、前記レールが一対のレール部材を備えると共に、前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、前記差込部と前記一対のレール部材とが、前記差込部および前記一対のレール部材を含む平面に垂直方向に重なり部を有し、前記差込部および前記一対のレール部材のうち少なくとも何れか一方には前記垂直方向に突出する凸部を備え、何れか他方には、前記差込部が前記一対のレール部材の間に適正な姿勢で差し込まれるときに前記凸部との干渉を避ける退避部を備えている点にある。
本構成により、ブラケットをレールに対して逆方向から差込み操作したときには、機器本体にブラケットが固定されてしまう不具合を防ぐことができ、差込部を適正な方向から挿入した場合にのみ機器本体にブラケットを固定することができる。
また、本構成により、一対のレール部材に対し、差込部が裏向きに差し込まれることを防止することができる。また、一対のレール部材のうち一方において凸部あるいは退避部を設けておくと、差込部を逆方向から差込んだときに凸部が差込部及びレール部材の何れかに干渉する。これにより、差込部の逆方向からの誤挿入を防止することができる。
本発明に係る機器本体とブラケットとの固定構造の他の特徴構成は、前記係合部および前記被係合部は、前記レールに対する前記差込部の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線を基準として非対称になるよう設けられ、前記レールに対して前記差込部が適正な姿勢で差し込まれたときのみ係合可能にした点にある。
当接部及び被当接部によって、逆方向からの差込部の挿入を阻止する構成においても、差込部の差込み操作によっては当接部と被当接部との当接位置を乗り越えて差込部が挿入されてしまう場合がある。
しかし、本構成のように、係合部および被係合部は、レールに対する差込部の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線を基準として非対称になるよう設けられていると、逆方向から差込部が挿入された場合には係合部と被係合部とは係合しない。したがって、誤った方向から挿入したブラケットが機器本体に固定される不具合を防止することができる。
本発明に係る機器本体とブラケットとの固定構造の他の特徴構成は、機器本体の側に設けられたレールと、前記レールに対する差込部を備えたブラケットと、互いに係合・離脱可能となるよう前記差込部に設けられた係合部および前記機器本体あるいは前記レールに設けられた被係合部と、を備え、前記ブラケットを前記レールに対して逆方向から差込み操作したとき、前記係合部と前記被係合部とが係合する前に前記ブラケットの差込み操作が中止されるよう、前記差込部の一部に当接部を設けると共に、前記機器本体あるいは前記レールの一部における前記当接部の進行方向延長上に被当接部を設け、前記係合部および前記被係合部は、前記レールに対する前記差込部の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線を基準として非対称になるよう設けられ、前記レールに対して前記差込部が適正な姿勢で差し込まれたときのみ係合可能にした点にある。
本発明に係る機器本体とブラケットとの固定構造の他の特徴構成は、前記レールが一対のレール部材を備えると共に、前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、前記当接部および前記被当接部が、前記差込部および前記一対のレール部材を含む平面内に位置するよう形成してある点にある。
本構成の如く、当接部および被当接部が、差込部および一対のレール部材を含む平面内に位置するよう形成すると、レール部材を備えた機器本体および差込部の厚みは増大しない。したがって、機器本体とブラケットとの固定構造をコンパクトに抑えつつ、ブラケットの挿入姿勢を適正に設定することができる。
本発明に係る機器本体とブラケットとの固定構造の他の特徴構成は、前記レールが一対のレール部材を備えると共に、前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、前記レール部材の長手方向に垂直な断面形状がL字形状であり、当該L字形状の一方の辺部が前記機器本体の表面と平行となるよう前記レール部材が前記機器本体から突出形成してあり、
前記被係合部が、前記レール部材のうち前記機器本体の表面に平行な部位であって前記機器本体に向く面に形成してあり、
前記合部が、前記差込部のうち前記レール部材の平行な部位に向く面に形成した点にある。
本構成において、差込部をレール部材に挿入し、レール部材の機器本体に向く面に形成された被係合部と、差込部のうちレール部材の平行な部位に向く面に形成された合部とが係合する前において、レール部材は差込部の左右側縁部から押圧される。ここで、レール部材は断面形状がL字形状であり、当該L字形状の一方の辺部が機器本体の表面と平行となるよう機器本体から突出形成している。このため、レール部材を弾性変形可能な構成とすることで、レール部材に差込部を挿入しL字の基部を中心にレール部材が変形する。その結果、一対のレール部材に対し差込部が挿入し易くなり、機器本体にブラケットを簡易に固定することができる。
機器本体へのブラケットを取付ける際の状態を示す斜視図である。 第1実施形態の機器本体とブラケットとを示す斜視図である。 機器本体のレール及び係合部の横断面図である。 一方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 他方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 一方のブラケットを反対側から挿入した場合の状態を示す図である。 他方のブラケットを反対側から挿入した場合の状態を示す図である。 第2実施形態の機器本体のレールとブラケットとを示す斜視図である。 機器本体のレール及び係合部の斜視図である。 一方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 第2実施形態の変形例を示す図である。 第3実施形態の機器本体のレールとブラケットとを示す斜視図である。 一方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 他方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 第4実施形態の機器本体のレールとブラケットとを示す斜視図である。 一方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。 第4実施形態の変形例を示す図である。 変形例における機器本体のレール及び係合部の横断面図である。 変形例において一方のブラケットが機器本体のレールに固定された状態を示す図である。
以下、本発明に係るブラケットの固定構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
本発明のブラケットの固定構造は、図1に示すように、機器本体10とブラケット20とによって構成される。機器本体10は例えば箱状であって、内部に電気部品等が収納されている。機器本体10の側には一側面11に一対のレール部材13,14を備えるレール12が設けられている。ブラケット20はレール12に対する差込部21を備え、差込部21には係合孔(係合部)22が設けられている。レール部材13とレール部材14との間には係合孔22に係合される係合突起(被係合部)15が設けられている。レール12に差込部21が差し込まれ、機器本体10側の係合突起15にブラケット20の係合孔22が係合することで、機器本体10にブラケット20が固定される。
〔第1実施形態〕
図2に示すように、機器本体10のレール12に対しては差込部21,41の形状が異なる2つのブラケット20、40を別々に固定することができる。第1ブラケット20の場合はレール12に対して図示される方向Aから差し込まれる。一方、第2ブラケット40の場合はレール12に対して方向Bから差し込まれる。なお、レール12及び差込部21、41の幅方向の左右は各差込部21,41の挿入方向から視た位置であり、他の実施形態においても同様である。
図2及び図3に示すように、レール部材13,14は断面L字状に形成されている。レール部材13には、差込部21の幅方向の端部の進行方向に沿って長方体状の被当接部材16が配置され、レール部材14には、同じく長方体状の被当接部材17が配置されている。被当接部材16,17はレール12の幅方向の中心線Xを基準に非対称に配置されている。
第1ブラケット20の差込部21は、全体が矩形状であって係合孔22が設けられている。差込部21の右側縁部23は先端に向かう途中から幅狭に形成されており、幅が変化する位置に段部25が設けられている。差込部21がレール12に差し込まれると、段部25は被当接部材16の端面16aに当接する当接部となる。なお、差込部21の左側縁部24には被当接部材17の端面17aに当接する当接部は設けられていない。
第2ブラケット40の差込部41は、全体が矩形状であって係合孔42が設けられている。差込部41の左右側縁部43,44は共に先端に向かう途中から幅狭に形成されている。左側縁部43の幅が変化する位置に段部45が設けられ、右側縁部44の幅が変化する位置に段部46が設けられている。段部45は被当接部材16の端面16bに当接する当接部となる。段部46は被当接部材17の端面17bに当接する当接部となる。本実施形態では右側の段部46の方が左側の段部45よりも差込部41の先端寄りに形成されている。
レール12に対し第1ブラケット20の差込部21が方向A(図2参照)の側から差し込まれた場合には、係合突起15と係合孔22とが係合して機器本体10に第1ブラケット20が固定される(図4)。このとき、差込部21の右側の段部(当接部)25が被当接部材16の端面(被当接部)16aに当接するが、この当接位置は係合突起15と係合孔22とが係合可能な位置に設定されている。
レール12に対し第2ブラケット40の差込部41が方向B(図2参照)の側から差し込まれた場合には、係合突起15と係合孔42とが係合して機器本体10に第2ブラケット40が固定される(図5)。このとき、差込部41の左右の段部(当接部)45、46が被当接部材16,17の端面(被当接部)16b,17bに夫々当接するが、両当接位置は係合突起15と係合孔42とが係合可能な位置に設定されている。
一方、図6に示すように、差込部41を逆方向(方向A)から挿入した場合には、係合突起15と係合孔42とが係合する前に差込部41の左側の段部(当接部)45が被当接部材17の端面(被当接部)17aに当接する。これにより、レール12に対する第2ブラケット40の差込み操作が中止され、第2ブラケット40は機器本体10に固定されない。
また、図7に示すように、差込部21を逆方向(方向B)から挿入した場合には、係合突起15と係合孔22とが係合する前に差込部21の右側の当接部25が被当接部材17の端面(被当接部)17bに当接する。これにより、レール12に対する第1ブラケット20の差込み操作が中止され、第1ブラケット20は機器本体10に固定されない。
このように、ブラケット20,40をレール2に対して逆方向から差込み操作したときには、係合突起15と係合孔22,42とが係合する前に差込部21,41の一部に設けられた当接部25,45がレール2の一部に設けられた被当接部17a,17bに当接するため、ブラケット20,40の差込み操作を中止することができる。これにより、機器本体10に対しブラケット20,40を誤った方向から差込んだ場合にも、機器本体10にブラケット20,40が固定されてしまう不具合を防ぐことができ、差込部21,41を適正な方向から挿入した場合にのみ機器本体10にブラケット20,40を固定することができる。
また、当接部25,45,46および被当接部16a,16b,17a,17bが、差込部21,41および一対のレール部材13,14を含む平面内に位置するよう形成すると、レール部材13,14を備えた機器本体10および差込部21,41の厚みは増大しない。したがって、機器本体10とブラケット20,40との固定構造をコンパクトに抑えつつ、ブラケット20,40の挿入姿勢を適正に設定することができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態では、図8に示すように、第1実施形態の被当接部材16,17と当接部25(当接部45,46)との構成に代えて、一対のレール部材13,14のいずれか一方に差込部21,41及び一対のレール部材13,14を含む平面に垂直な方向に突出するリブ(凸部)18を設け、差込部21,41のリブ18に対応する位置に溝部27,47を設けている。その他の構成は第1実施形態と同じである。
図8及び図9に示すように、差込部21,41と一対のレール部材13,14とが、差込部21,41および一対のレール部材13,14を含む平面に垂直方向に重なり部を有する。レール部材13,14は、長手方向に垂直な断面形状がL字形状である。L字形状の一方の辺部(上面部)13a,14aは機器本体10の表面と平行となるよう機器本体10から突出形成されている。L字形状の他方の辺部(側面部)13b,14bは機器本体10の表面と垂直となるよう機器本体10から突出形成している。レール部材14には、上面部14aにおいて機器本体10の表面と平行となる部位であって機器本体10に向く面(上面部14aの裏面)14cに差込部21,41の挿入方向に沿うリブ(凸部)18が形成されている。これにより、レール部材13とレール部材14とはレール12の幅方向の中心線Xを基準に非対称となる。
第1ブラケット20の差込部21の左側縁部24には、レール部材14のリブ18との干渉を避ける退避部として溝部27が形成されている。一方、第2ブラケット40の差込部41の右側縁部44には、レール部材14のリブ18との干渉を避ける退避部として溝部47が形成されている。
レール12に対し差込部21が方向A(図8参照)の側から差し込まれると、係合突起15と係合孔22とが係合して機器本体10に第1ブラケット20が固定される(図10)。このとき、差込部21は、左側縁部24の溝部27によってリブ18に干渉されることなくレール12に挿入される。
図示しないが、レール12に対し差込部41が方向B(図8参照)の側から差し込まれた場合も、係合突起15と係合孔42とが係合して機器本体10に第2ブラケット40が固定される。このときも、差込部41は、右側縁部44の溝部47によってリブ18に干渉されることなくレール12に挿入される。
一方、差込部41を逆方向(方向A)から挿入した場合には、係合突起15と係合孔42とが係合する前に差込部41の左側縁部43がリブ18に当接する。これにより、レール12に対する第2ブラケット40の差込み操作が中止され、第2ブラケット40は機器本体10に固定されない。
また、差込部21を逆方向(方向B)から挿入した場合にも、係合突起15と係合孔22とが係合する前に差込部21の右側縁部23がリブ18に当接する。これにより、レール12に対する第1ブラケット20の差込み操作が中止され、第1ブラケット20は機器本体10に固定されない。
このように、一対のレール部材13,14のうち一方においてリブ(凸部)18あるいは溝部(退避部)を設けておくと、差込部21,41を逆方向から差込んだときにリブ(凸部)18が差込部21,41及びレール部材13,14の何れかに干渉する。これにより、差込部21,41の逆方向からの誤挿入を防止することができる。また、差込部21,41及び一対のレール部材13,14のいずれか一方にリブ(凸部)を備え、他方にリブ(凸部)との干渉を避ける溝部(退避部)を備えることで、一対のレール部材13,14に対し、差込部21,41が裏向きに差し込まれることを防止することができる。
〔第2実施形態の変形例〕
第2実施形態では、レール12に凸部18を形成し、差込部21,41に退避部として溝部27,47を形成したが、差込部21,41に凸部を形成し、レール12に退避部として溝部を形成してもよい。また、退避部は溝部に限定されず、例えば、図11に示すように、差込部21に凸部28を形成し、凸部28上にはレール部材14が干渉しない空間を形成することで退避部を構成してもよい。この場合は、レール部材13の上面部13aの幅方向の長さはレール部材14の上面部14aの幅方向の長さよりも大きくなるよう設定されている。これにより、逆方向(方向B)から差込部21を挿入した際には、凸部28はレール部材14の上面部14aに当接し、第1ブラケット20は機器本体10に固定されない。
〔第3実施形態〕
本実施形態では、上記実施形態とは機器本体10と差込部21,41とを係合する係合部及び被係合部の構成が異なる。図12に示すように、機器本体10には第1ブラケット20の挿入側端部11aに2つの係合突起15a,15bが設けられ、第2ブラケット40の挿入側端部11bに1つの係合突起15cが設けられている。係合突起15a,15bはレール12の幅方向に間隔を空けて配置されており、係合突起15cはレール12の幅方向において係合突起15aと係合突起15bとの間の中間位置に配置されている。すなわち、係合突起15a,15bと係合突起15cとは、レール12に対する差込部21の進行方向の中心線Yを基準として非対称になるよう設けられている。
係合突起15a,15bは、差込部41の挿入方向(方向B)に対向する部分が機器本体10の一側面11に垂直な面で形成されており、差込部41の被当接部となる。また、係合突起15cは、差込部21の挿入方向(方向A)に対向する部分が機器本体10の一側面11に垂直な面で形成されており、差込部21の被当接部となる。なお、係合突起15a,15b,15cにおいて差込部21、41が摺動する部分15d,15e,15fは、差込部21,41の差し込みを容易にするために、挿入側端部11a,11bに向けてテーパ状に形成されている。
また、レール部材13,14についても、差込部21、41の差し込みを容易にするために、裏面13c,14c(差込部21,41に接する側の面)が挿入側端部11a,11bに向けてテーパ状に形成されている。なお、差込部21,41を先端部21a,21bに向けてテーパ状にしてもよい。
第1ブラケット20の差込部21は、全体が矩形状であって先端部21aの中央に切欠き部29が設けられている。また、差込部21には、レール12側の係合突起15a,15bに対応する係合孔22a,22bが設けられている。
第2ブラケット40の差込部41は、全体が矩形状であって先端部41aに係合突起15a,15bに対応する切欠き部49a,49bが設けられている。また、差込部41には、レール12側の係合突起15cに対応する係合孔42が設けられている。
レール12に対し差込部21が方向Aの側から差し込まれた場合には、図13に示すように、係合突起15a,15bと係合孔22a,22bとが係合して機器本体10に第1ブラケット20が固定される。このとき、係合突起15cに切欠き部29が当接するが、当接位置は係合突起15a,15bと係合孔22a,22bとが係合可能な位置に設定されている。
レール12に対し差込部41が方向Bの側から差し込まれた場合にも、図14に示すように、係合突起15cと係合孔42とが係合して機器本体10に第2ブラケット40が固定される。このときも、係合突起15a,15bに切欠き部49a,49bが当接するが、当接位置は係合突起15cと係合孔42とが係合可能な位置に設定されている。
一方、差込部41を逆方向(方向A)から挿入した場合には、係合突起15a,15bと係合孔42とが係合する前に差込部41の先端部41aが係合突起15cに当接する。これにより、レール12に対する第2ブラケット40の差込み操作が中止され、第2ブラケット40は機器本体10に固定されない。なお、係合突起15a,15bと係合孔42とはレール12の幅方向においてずれた位置に配置されている。したがって、仮に差込部41の先端部41aが係合突起15cを乗り越えた場合であっても、係合突起15a,15bと係合孔42とは係合しない。
差込部21を逆方向(方向B)から挿入した場合にも、係合突起15cと係合孔22a,22bとが係合する前に差込部21の先端部21aが係合突起15a,15bに当接する。これにより、レール12に対する第1ブラケット20の差込み操作が中止され、第1ブラケット20は機器本体10に固定されない。
本構成のように、係合突起(係合部)15a,15b,15cおよび係合孔(合部)22a,22b,42は、レール2に対する差込部21,41の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線(X,Y)を基準として非対称になるよう設けられていると、逆方向から差込部21,41が挿入された場合には係合突起(係合部)15a,15b,15cと係合孔(合部)22a,22b,42とは係合しない。したがって、誤った方向から係合突起(被係合部)15a,15b,15cを乗り越えて挿入されたブラケット20,40が機器本体10に固定される不具合を防止することができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態では、図15に示すように、第3実施形態に代えて、係合突起15a,15bを一対のレール部材13,14の間であってレール12における差込部21,41の挿入方向の中途部に設ける。一対のレール部材13,14の間には差込部21の挿入側端部11aに被当接部16a,16bが設けられ、差込部41の挿入側端部11bに被当接部16cが設けられている。被当接部16a,16b,16cは、半円柱状に凸部によって構成されている。被当接部16a,16bはレール12の幅方向に間隔を空けて配置されており、被当接部16cはレール12の幅方向において被当接部16aと被当接部16bとの間の中間位置に配置されている。すなわち、被当接部16a,16bと被当接部16cとは、レール12に対する差込部21の進行方向の中心線Yを基準として非対称になるよう設けられている。
第1ブラケット20の差込部21の先端部21aの中央に切欠き部29が設けられている。また、差込部21には、レール12側の係合突起15a,15bに対応する係合孔22a,22bが設けられている。また、被当接部16a,16bとの干渉を避ける退避部として筋状の溝部30a,30bが形成されている。溝部30a、30bは差込部21の上面の一部が盛り上がる形状に変形することで形成されている。
第2ブラケット40の差込部41の先端部41aに切欠き部49a,49bが設けられている。また、差込部41には、レール12側の係合突起15a,15bに対応する係合孔42a,42bが設けられている。また、被当接部16cとの干渉を避ける退避部として筋状の溝部50が形成されている。溝部50は差込部41の上面の一部が盛り上がる形状に変形することで形成されている。
レール12に対し差込部21が方向Aの側から差し込まれた場合は、係合突起15a,15bと係合孔22a,22bとが係合して機器本体10に第1ブラケット20が固定される(図16)。このとき、被当接部16cに切欠き部29が当接するが、当接位置は係合突起15a,15bと係合孔22a,22bとが係合可能な位置に設定されている。また、溝部30a,30bによって被当接部16a,16bとの干渉が回避されるので、レール12に対する差込部21の差込み操作をスムーズに行うことができる。
図示しないが、レール12に対し方向Bの側から差込部41が差し込まれた場合も、係合突起15a、15bと係合孔42a,42bとが係合して機器本体10に第2ブラケット40が固定される。このときも、被当接部16a,16bに切欠き部49a,49bが当接するが、当接位置は係合突起15a,15bと係合孔42a,42bとが係合可能な位置に設定されている。また、溝部50によって被当接部16cとの干渉が回避されるので、レール12に対する差込部21の差込み操作をスムーズに行うことができる。
一方、差込部41を逆方向(方向A)から挿入した場合には、係合突起15a,15bと係合孔42a,42bとが係合する前に差込部41の切欠き部49a,49bが被当接部16a,16bに当接する。これにより、レール12に対する第2ブラケット40の差込み操作が中止され、第2ブラケット40は機器本体10に固定されない。
差込部21を逆方向(方向B)から挿入した場合にも、係合突起15a,15bと係合孔22a,22bとが係合する前に差込部41の切欠き部29が被当接部16cに当接する。これにより、レール12に対する第1ブラケット20の差込み操作が中止され、第1ブラケット20は機器本体10に固定されない。
〔第4実施形態の変形例〕
図17及び図18に示すように、係合突起15a,15bを一対のレール部材13、14の上面部14aにおいて機器本体10の表面と平行となる部位であって機器本体10に向く面(裏面)13c,14cに設け、係合突起15a,15bに対応する係合孔22a,22b(42a,42b)が差込部21(41)の左右側縁部に形成してもよい。
こうすると、レール部材13,14に第2ブラケット40の差込部41が差し込まれると、図19に示すように、係合突起15a,15bと係合孔42a,42bとが係合して機器本体10に第2ブラケット40が固定される。
差込部21(41)をレール部材13,14に挿入し、レール部材13,14の上面部13a,13bの裏面13c,14cに形成された係合突起15a,15bと、差込部21のうちレール部材13,14の平行な部位に向く面に形成された係合孔22a,22b(42a,42b)とが係合する前は、レール部材13,14は差込部21の左右側縁部からの押圧力を受ける。ここで、レール部材13,14は断面形状がL字形状であり、当該L字形状の一方の辺部(上面部)13a,14aが機器本体10の表面と平行となるよう機器本体10から突出形成している。このため、レール部材13,14を弾性変形可能な構成とすることで、レール部材13,14に差込部21(41)を挿入しL字の基部(側面部)13b,14bを中心にレール部材13,14が変形する。その結果、一対のレール部材13,14に対し差込部21,41が挿入し易くなり、機器本体10にブラケット20,40を簡易に固定することができる。
〔他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、レール12を一対のレール部材13,14で構成する例を示したが、レール12は単一のレール部材や3つ以上のレール部材で構成されていてもよい。
(2)上記の実施形態では、係合部を係合突起15とし合部を係合孔22として説明したが、係合部が係合孔22であり合部が係合突起15であってもよい。
(3)上記実施形態3では、差込部21,41のレール12への差込を容易にするため、当接部15a,15b,15cにおいて差込部21,41が摺動する部分15d,15e,15fを、挿入側端部11a,11bに向けてテーパ状に形成する例を示した。実施形態4の当接部15a,15b,15cにおいても、同じく差込部21,41が摺動する部分を、挿入側端部11a,11bに向けてテーパ状に形成してもよい。
また、上記の実施形態において、レール部材13,14において差込部21,41が摺動する側の面(13c,14c)や、差込部21,41の端面を、挿入側端部(11a,11b,21a,41a)に向けてテーパ状に形成してもよい。
本発明は、各種機器に対しブラケットを固定する際に広く利用することができる。
10 機器本体
12 レール
13,14 レール部材
14a 上面部
14c 裏面
15 係合突起(係合部、被係合部)
16a,16b,16c 被当接部
17a 被当接部
18 リブ(凸部)
20,40 ブラケット
21,41 差込部
22,42 係合孔(係合部、被係合部)
25 段部(当接部)
27,47 溝部
28 凸部
29,49a,49b 切欠き部
30a,30b,50 溝部
45,46 段部(当接部)
X レールの幅方向における中心線
Y レールの挿入方向における中心線

Claims (5)

  1. 機器本体の側に設けられたレールと、
    前記レールに対する差込部を備えたブラケットと、
    互いに係合・離脱可能となるよう前記差込部に設けられた係合部および前記機器本体あるいは前記レールに設けられた被係合部と、を備え、
    前記ブラケットを前記レールに対して逆方向から差込み操作したとき、前記係合部と前記被係合部とが係合する前に前記ブラケットの差込み操作が中止されるよう、前記差込部の一部に当接部を設けると共に、前記機器本体あるいは前記レールの一部における前記当接部の進行方向延長上に被当接部を設け
    前記レールが一対のレール部材を備えると共に、
    前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、
    前記差込部と前記一対のレール部材とが、前記差込部および前記一対のレール部材を含む平面に垂直方向に重なり部を有し、
    前記差込部および前記一対のレール部材のうち少なくとも何れか一方には前記垂直方向に突出する凸部を備え、何れか他方には、前記差込部が前記一対のレール部材の間に適正な姿勢で差し込まれるときに前記凸部との干渉を避ける退避部を備えている機器本体とブラケットとの固定構造。
  2. 前記係合部および前記被係合部は、前記レールに対する前記差込部の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線を基準として非対称になるよう設けられ、前記レールに対して前記差込部が適正な姿勢で差し込まれたときのみ係合可能にしてある請求項に記載の機器本体とブラケットとの固定構造。
  3. 機器本体の側に設けられたレールと、
    前記レールに対する差込部を備えたブラケットと、
    互いに係合・離脱可能となるよう前記差込部に設けられた係合部および前記機器本体あるいは前記レールに設けられた被係合部と、を備え、
    前記ブラケットを前記レールに対して逆方向から差込み操作したとき、前記係合部と前記被係合部とが係合する前に前記ブラケットの差込み操作が中止されるよう、前記差込部の一部に当接部を設けると共に、前記機器本体あるいは前記レールの一部における前記当接部の進行方向延長上に被当接部を設け、
    前記係合部および前記被係合部は、前記レールに対する前記差込部の幅方向及び進行方向の少なくとも一方の中心線を基準として非対称になるよう設けられ、前記レールに対して前記差込部が適正な姿勢で差し込まれたときのみ係合可能にしてある機器本体とブラケットとの固定構造。
  4. 前記レールが一対のレール部材を備えると共に、
    前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、
    前記当接部および前記被当接部が、前記差込部および前記一対のレール部材を含む平面内に位置するよう形成してある請求項に記載の機器本体とブラケットの固定構造。
  5. 前記レールが一対のレール部材を備えると共に、
    前記差込部の一部が、前記一対のレール部材の間に差込み可能であり、
    前記レール部材の長手方向に垂直な断面形状がL字形状であり、当該L字形状の一方の辺部が前記機器本体の表面と平行となるよう前記レール部材が前記機器本体から突出形成してあり、
    前記係合部が、前記レール部材のうち前記機器本体の表面に平行な部位であって前記機器本体に向く面に形成してあり、
    前記合部が、前記差込部のうち前記レール部材の平行な部位に向く面に形成してある請求項〜4のいずれか一項に記載の機器本体とブラケットとの固定構造。
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