本発明にかかる一実施形態の折込用広告束紙揃え搬送装置10、及び折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11について、図1〜図11の図面を用いて説明する。
図1は、折込用広告束紙揃え搬送装置10を示す斜視図であり、図2は、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の全体を示す斜視図であり、図3は、折込用広告束紙揃え搬送装置10の紙揃え機構82を示す斜視図であり、図4は、紙揃え機構82を示す斜視図であり、図5は、紙揃え機構82を下方から示す底面図であり、図6は、紙揃え機構82の移動式側壁保持部102を示す斜視図であり、図7は、折込用広告束紙揃え搬送装置10の搬送機構84を示す斜視図であり、図8は、折込用広告束紙揃え搬送装置10の排紙スプリング昇降機構86を示す斜視図であり、図9は、折込用広告束紙揃え搬送装置10の受台180が上昇した状態の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の全体を示す斜視図であり、図10は、折込用広告束紙揃え搬送装置10の受台180を畳んだ状態の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の全体を示す斜視図であり、図11は、折込用広告束紙揃え搬送装置10を外した状態の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の全体を示す斜視図である。
折込用広告束紙揃え搬送装置10を、図1に示す。折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11を、図2に示す。折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11は、丁合機本体12と、折込用広告束搬送昇降機構14とを備えている。折込用広告束紙揃え搬送装置10は、折込用広告束搬送昇降機構14に設けられている。
まず、丁合機本体12について説明する。丁合機本体12は、縦長形状の筐体16と、筐体16の内部に設けられた複数の棚部18と、各棚部18に設けられた給紙機構20と、筐体16の内部に設けられた搬送路22と、折込用広告紙の束を親紙で挟む挟み機構24と、折込用広告束を排出する排出口26と、主制御装置30と、副制御装置31と、入出力機構としてのモニタ32と、主電動機とを備えている。以下、図1の矢印Aの示す方向を丁合機本体12の前方とし、それを基準に丁合機本体12の後方と左右を定める。又、重力の方向を丁合機本体12の下方とし、その逆を上方として説明する。
筐体16は、直方体で、前後面に開放部36が形成されている。棚部18は、前後の開放部36に設けられている。棚部18は、折込用広告紙を載置する広さを有している。棚部18は、開放部36の内側に縦方向に並べて複数設けられている。丁合機本体12の前面側の最下段には、親紙をセットする棚部18aが設けられている。
給紙機構20は、ローラ28を備えている。ローラ28は、所定の圧力で折込用広告紙を押圧し、主電動機の駆動力で折込用広告紙を搬送路22に給紙する。ローラ28には、後述する圧力調整ダイヤル56が連結され、折込用広告紙を押圧する圧力が調整可能となっている。
搬送路22は、筐体16の中心部分に、縦に設けられている。搬送路22には、搬送用ローラが設けられている。前後両面の各棚部18から給紙された折込用広告紙は、主電動機の駆動力により回転する搬送用ローラで搬送路22内を下方に搬送される。搬送路22の下端に、挟み機構24が設けられている。
挟み機構24は、親紙を載せる棚部18aに連結している。挟み機構24は、搬送路22を通ってきた折込用広告紙の下方に親紙を配置させ、折込用広告紙の束を親紙で挟み込む。親紙は、折込用広告紙である。
排出口26は、丁合機本体12の前面に設けられている。排出口26には、折込用広告束を排出する排出機構38が設けられている。排出機構38には、排出用電動機が接続してあり、排出用電動機により折込用広告束が排出口26から排出される。排出口26の前方には、折込用広告束紙揃え搬送装置10が設けられている。
又、排出口26には、排紙スプリング44が設けられている。排出口26から排出された折込用広告束が、折込用広告束紙揃え搬送装置10の積上部42に積み上げられると、排紙スプリング44は、排出口26から排出されて積上部42に積み上げられた折込用広告束の積み上げ高さを検出して、その値を主制御装置30に送り出す。
モニタ32は、例えば、液晶表示装置で、主制御装置30から送られる画像信号により、所定の表示を画面に形成する。又、モニタ32は、表示面にタッチパネル式の入力機構を備えている。入力機構は、作業者が画面表面のタッチパネルを操作すると、操作に対応した信号が主制御装置30に送り出される。これにより、画面上に表示された各種の入力ボタンへの作業者が行った入力操作が、主制御装置30に送信される。
筐体16には、棚部スイッチパネル46が、各棚部18毎に設けられている。棚部スイッチパネル46は、図2に示すように、連段ボタン50と、第1給紙ボタン52と、第2給紙ボタン54と、圧力調整ダイヤル56とが設けられている。
連段ボタン50は、連段ボタン50が押されると、連段ボタン50が押された棚部18とその棚部18の一段上の棚部18との作動を連係させる。すなわち、作業者がある棚部18の連段ボタン50を押すと、主制御装置30は、上の棚部18の折込用広告紙がなくなった時点で、その下の棚部18の作動を開始させ、折込用広告紙の給紙を上の棚部18から下の棚部18へと連続させる。
第1給紙ボタン52及び第2給紙ボタン54は、棚部18における給紙動作の設定する入力ボタンである。作業者が、第1給紙ボタン52と第2給紙ボタン54とのいずれかを押下すると、主制御装置30は、その棚部18に折込用広告紙の給紙を行わせる。
主制御装置30は、作業者により第2給紙ボタン54が押下されると、その棚部18の給紙動作に誤動作が発生した場合、その棚部18での給紙動作を停止させる。一方、作業者により第1給紙ボタン52が押下された場合、主制御装置30は、棚部18での給紙に誤動作が発生したときでも、給紙動作を停止させず、給紙動作を継続させる。
圧力調整ダイヤル56は、各給紙機構20に設けられたローラ28の押圧機構に連結されている。作業者が、圧力調整ダイヤル56をいずれかの方向に回転させると、ローラ28が折込用広告紙を押圧する押圧力が増減される。
筐体16には、又、前後面の側方にそれぞれ第1スイッチパネル60が設けられている。第1スイッチパネル60には、スタートストップボタン62と、テストボタン64と、排出ボタン66とが設けられている。
スタートストップボタン62は、丁合機本体12を給紙動作のオンオフを切り替える。作業者がスタートストップボタン62を押下すると、主制御装置30は、丁合機本体12を給紙動作に設定したり、あるいはその設定を解除したりする。テストボタン64は、丁合機本体12をテストモードに設定する。テストボタン64が作業者に押下されると、主制御装置30は、丁合機本体12をテストモードに切り替えられる。テストモードは、例えば、給紙動作が不調な給紙機構20を調べ、調整するモードである。
主制御装置30は、テストボタン64が作業者に押下されて丁合機本体12がテストモードに設定されると、丁合機本体12の各棚部18の第1給紙ボタン52及び第2給紙ボタン54を一旦オフにする。そして、かかる状態で、棚部スイッチパネル46の第1給紙ボタン52、あるいは第2給紙ボタン54を作業者が押下すると、主制御装置30は、その棚部18の給紙機構を作動させる。作業者は、給紙動作が行われている間に、圧力調整ダイヤル56を操作したりして、その棚部18における給紙機構20を調整する。
テストモード中にテストボタン64が押下されると、主制御装置30は、テストモードを解除させるとともに、テストボタン64を最初に押下したときに設定されていた各棚部18の給紙状態に復帰させる。そして作業者が、スタートストップボタン62を押下すると、主制御装置30は、丁合機本体12の丁合動作を再開させる。
排出ボタン66は、搬送路22を一時的に作動させるボタンである。給紙機構が停止している状態で、排出ボタン66を作業者が押下すると、主制御装置30は、主電動機を駆動し、所定のクラッチを作動させる。これにより、例えば、搬送路22に詰まった折込用広告紙が排出口26から排出される。
丁合機本体12の第1スイッチパネル60の下方には、ロックスイッチパネル70が設けられている。ロックスイッチパネル70は、ロックボタン72と、正逆回転スイッチ74と、排出速度調整ツマミ76とを備えている。
ロックボタン72は、丁合機本体12の作動を停止させるスイッチである。丁合機本体12の表裏いずれかで、作業者がロックボタン72を押下すると、主制御装置30は、給紙動作を開始させるいずれのスイッチの操作も無効とする。すなわち、丁合機本体12がロック状態に設定されると、主制御装置30は、ロックボタン72が押下された面と丁合機本体12の逆側の面から作業者がスタートストップボタン62等を押しても、主制御装置30は、給紙機構20等の給紙に関連する機構を作動させない。
正逆回転スイッチ74は、正逆の二方向に作動するシーソー型スイッチである。作業者が、正逆回転スイッチ74を正回転側に押下すると、主制御装置30は、丁合機本体12を給紙動作の進行方向に作動させる。一方、作業者が、正逆回転スイッチ74を逆回転方向に押下すると、主制御装置30は、丁合機本体12を給紙動作の逆転方向に作動させる。
排出速度調整ツマミ76は、排出用電動機の回転速度を調整するツマミである。作業者が排出速度調整ツマミ76を操作すると、主制御装置30は、排出速度調整ツマミ76の設定値に合わせて、排出用電動機を駆動させ、排出口26からの折込用広告束の排出速度を変更させる。丁合機本体12の排出口26の前方には、折込用広告束紙揃え搬送装置10を有する折込用広告束搬送昇降機構14が設置されている。
次に、折込用広告束搬送昇降機構14について説明する。折込用広告束搬送昇降機構14は、図2に示すように折込用広告束紙揃え搬送装置10と、広告束昇降機構88とを備えて構成されている。折込用広告束紙揃え搬送装置10は、図2に示すように丁合機本体12の排出口26の前方に配置されている。広告束昇降機構88は、筐体16に設けられている。尚、図2では、折込用広告束紙揃え搬送装置10の前面に、カバー101が取り付けられている。
折込用広告束紙揃え搬送装置10を図1に示す。折込用広告束紙揃え搬送装置10は、図1に示すように積上部42と、紙揃え機構82と、搬送機構84と、排紙スプリング昇降機構86と、それらを支持する基台90とを備えている。基台90と丁合機本体12とは、結合機構103(図11参照)で脱着可能に連結されている。基台90には、押し下げ可能な押さえ脚91が設けられている。押さえ脚91を押し下げると、基台90が支持される。
折込用広告束紙揃え搬送装置10と広告束昇降機構88とは、制御用信号線により副制御装置31に接続されており、折込用広告束搬送昇降機構14は、副制御装置31から送られる制御信号で制御される。
紙揃え機構82は、図1に示すように固定側壁92と、移動式側壁94と、第1叩き板96と、第2叩き板98と、叩き板駆動機構100とを備えている。特許請求の範囲の側壁は、固定側壁92と移動式側壁94であり、叩き板は、第1叩き板96と第2叩き板98である。
固定側壁92は、排出口26に対向した位置に、図2に示すように、後述する搬送機構84の搬送方向と平行な状態で、基台90に固定されている。基台90には、排紙スプリング昇降機構86及び移動式側壁94が取り付けられている。
移動式側壁94は、図1、図6に示すように移動式側壁保持部102に、回動自在に設けられている。移動式側壁94は、固定側壁92の広告束昇降機構88側の端部に、固定側壁92と直角の位置関係となるように設けられている。
移動式側壁保持部102は、ゲート用モータ104とばね106とを備え、副制御装置31からの指示に従い、ゲート用モータ104を作動させる。ゲート用モータ104は、ブレーキ機構付き電動機であり、作動すると、移動式側壁94を上方に回動させた開放位置で保持する。そして、副制御装置31が、ゲート用モータ104への通電を遮断すると、移動式側壁94の端部に取り付けられたばね106のばね力により、図6に示す閉鎖方向に回動される。すなわち、移動式側壁94は、ゲート用モータ104で強制的に開放されるが、閉鎖時は、ばね106のばね力で作動する。
第1叩き板96は、折込用広告紙が滑りにくい、例えば、発泡ポリエチレンなどからなり、固定側壁92に対向した位置に、固定側壁92と平行に設けられている。第1叩き板96は、図3、図5に示すように、固定側壁92に対して直角に設けられた2本のレール110上に移動自在に設けられている。これにより、第1叩き板96は、固定側壁92と平行を保持したまま、固定側壁92に対して近接、離間する方向に往復動可能に支持されている。
又、レール110は、基台90に対して移動可能に取り付けられた取付基板112上に固定されている。これにより、取付基板112を所望の位置に設定することにより、第1叩き板96の往復動作の中間点を所定の位置に設定し、第1叩き板96と固定側壁92との基本的な間隔を所望の間隔に設定可能となっている。第1叩き板96と固定側壁92との基本的な間隔は、折込用広告紙の幅より若干短い長さが、折込用広告紙を揃える点では好ましい。
第2叩き板98は、第1叩き板96と同様の材質からなり、移動式側壁94に対向した位置に、移動式側壁94と平行に設けられている。第2叩き板98は、移動式側壁94と直角に設けられた2本のレール114上に移動自在に設けられている。これにより、第2叩き板98は、移動式側壁94と平行を保持した状態で、移動式側壁94に対して近接、離間する方向に往復動可能に支持されている。
叩き板駆動機構100は、図3、図4に示すように叩き板駆動モータ120と、伝達機構122と、第1リンク機構124と、第2リンク機構126とを備えている。叩き板駆動モータ120は、副制御装置31からの指示により回転駆動する。伝達機構122は、プーリ130とゴムベルト132とを有し、叩き板駆動モータ120に連結している。プーリ130は、第1リンク機構124と、第2リンク機構126にそれぞれ設けられ、それぞれのプーリ130にゴムベルト132が架け渡されている。
第1リンク機構124は、図4に示すように、プーリ130に連結した回転板134と、回転板134に一端が取り付けられた第1リンク片138とを有している。第1リンク片138は、一端が回転板134に偏心した状態で取り付けてあり、他端は、第1叩き板96に取り付けられている。
第2リンク機構126は、プーリ130に連結した回転板134と、回転板134に一端が取り付けられた第2リンク片140とを有している。第2リンク片140は、一端が回転板134に偏心した状態で取り付けてあり、他端は、第2叩き板98に取り付けられている。
第1リンク機構124と第2リンク機構126とは、第1リンク片138の他端が折込用広告紙を押圧する側に位置しているときは、第2リンク片140の他端は、折込用広告紙から離れる側に位置するように設定されている。図5に、叩き板駆動機構100を下面側から示す。叩き板駆動モータ120が駆動すると、第1叩き板96と第2叩き板98とが交互に前後動する。
又、第2リンク機構126には、図5に示すように、スプリング133が取り付けられている。スプリング133は、第2叩き板98を移動式側壁94側に、停止時の叩き板駆動モータ120のトルクより強い力で付勢している。これにより、叩き板駆動機構100は、第1叩き板96が往復動の後方に位置した状態で停止され、後述する搬送機構84で折込用広告束を搬送する妨げにならない。尚、停止位置を規定するのは、スプリング133によらず、例えば副制御装置31の制御等、その他の手段によってもよい。
又、副制御装置31は、丁合機本体12がテストモードに設定されていると、給紙機構20の調整のために第1給紙ボタン52が押下されて、折込用広告紙が排出口26から排出されても、叩き板駆動機構100を作動させない。尚、叩き板駆動機構100のオンオフスイッチを別途設け、叩き板駆動機構100の作動を作業者による操作でオンオフさせてもよい。
更に、副制御装置31は、丁合機本体12の丁合動作開始時にも所定時間、叩き板駆動機構100の作動を停止させてもよい。すると、折込用広告紙が重ねて給紙されることが多い、丁合動作開始直後の紙揃えを中止させ、紙揃えによる折込用広告紙の折り曲げ等を防止することができる。
又、叩き板駆動機構100の作動速度は、1つの折込用広告束に対して2回から5回叩く程度の速度が好ましい。尚、叩き板駆動機構100の作動速度を変更可能とし、折込用広告束の排出速度に適合させてもよい。
図7に、搬送機構84を示す。搬送機構84は、ベルトコンベア式の搬送機構で、無端ベルト150とコンベア駆動モータ152とを備え、図1に示すように、折込用広告束紙揃え搬送装置10の内側、すなわち積上部42に設けられている。搬送機構84は、副制御装置31から指示を受けるとコンベア駆動モータ152を作動させ、無端ベルト150を所定時間周回させる。
図8に、排紙スプリング昇降機構86を示す。排紙スプリング昇降機構86は、ソレノイド160と、ソレノイド160で作動される左右一対の作動腕162とを備えている。作動腕162には、螺旋状に巻かれた金属線164が、作動腕162に沿って取り付けられている。
一対の作動腕162は、それぞれ連結片166により回転支持軸168を中心に回動自在に取り付けられている。更に、作動腕162は、連結片166を介してソレノイド160と同期機構170とに連結されている。
排紙スプリング昇降機構86は、ソレノイド160が作動すると、一方の作動腕162が、回転支持軸168を中心に円弧を描くように上方向に移動するとともに、同期機構170を通して他方の作動腕162が上方に移動する。又、ソレノイド160への通電を遮断すると、ばねによる復元力で下方に移動する。これにより一対の作動腕162が左右に広がりながら上下方向に往復動し、金属線164に排紙スプリング44がかかり、排紙スプリング44が上下に移動される。
広告束昇降機構88は、図2に示すように、受台180と、昇降レール182とを備えている。受台180は、昇降レール182に昇降自在に設けられている。昇降レール182は、内部に図示しない昇降機を備え、副制御装置31からの指示により受台180を昇降させる。尚、搬送機構84、排紙スプリング昇降機構86、及び広告束昇降機構88は、従来の機構と同様の機構である。
広告束昇降機構88は、筐体16の左側面に設けられている。広告束昇降機構88は、昇降レール182と、受台180と、受台駆動機構とを備えて構成されている。
昇降レール182は、筐体16の左側面(向かって右側)の前方側に、受台180の移動方向を上下方向にして、筐体16に沿って一体に取り付けられている。
受台180は、L字状で、受板186と受板186に垂直に連結された縦板188とから形成されている。受台180は、図10に示すように、屈曲可能に、昇降レール182に取り付けられている。受台180は、受台駆動機構に連結されている。
受台駆動機構は、受台駆動モータを備え、丁合機本体12の内部に設けられている。駆動機構は、受台駆動モータが駆動されると、受台駆動モータの回転力により受台180を昇降レール182に沿って上下方向に移動させる。
次に、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の作動について説明する。作業者が、丁合機本体12のメインスイッチを操作すると、主制御装置30が起動し、主電動機が作動する。
作業者は、折込用広告紙を所定の棚部18に載せる。棚部18に折込用広告紙を載せたら、作業者は、各棚部18の第1給紙ボタン52や第2給紙ボタン54を押下し、あるいは、モニタ32の入力画面を操作して、折込用広告紙を給紙する条件を設定する。又、作業者は、各棚部18の圧力調整ダイヤル56を適宜調整して、ローラ28の圧力をそれぞれの折込用広告紙に合わせる。
給紙の設定が終了したなら、作業者は、スタートストップボタン62を押下する。すると、主制御装置30は、作業者が第1給紙ボタン52等で設定した条件に従い、各棚部18の給紙機構20を作動させ、各棚部18から折込用広告紙を順次搬送路22に給紙する。
各折込用広告紙は、順次所定の時間差で搬送路22に給紙されるので、下端の端縁がほぼ揃った状態で搬送路22を下降する。そして、各折込用広告紙の束は、最下段の棚部18aから給紙された親紙に突き当たり、2つ折りにされた親紙により挟み込まれる。親紙で挟み込まれた折込用広告紙の束は、排出口26から折込用広告束として排出される。排出口26から排出された折込用広告束は、積上部42に順次積み上げられる。かかる丁合機本体12の動作は、従来から知られている丁合機の動作とほぼ同様である。
次に、折込用広告束搬送昇降機構14の作動について説明する。折込用広告束搬送昇降機構14では、スタートストップボタン62が操作されると、副制御装置31により、折込用広告束紙揃え搬送装置10の叩き板駆動モータ120が作動される。尚、叩き板駆動モータ120は、スタートストップボタン62が操作されてから所定時間待って作動させるようにしてもよい。叩き板駆動モータ120が駆動すると、ゴムベルト132を介して各プーリ130が回転し、第1リンク片138及び第2リンク片140が偏心運動して、第1叩き板96及び第2叩き板98がそれぞれ交互に往復動される。
第1叩き板96及び第2叩き板98が、第1リンク機構124や第2リンク機構126の作用により往復動すると、積上部42に積み上げられた折込用広告束の折込用広告紙が、これら第1叩き板96と第2叩き板98とにより交互に叩かれる。第1叩き板96と第2叩き板98との作動速度は、1つの折込用広告束に対して、2〜5回程度叩きが行われるのが好ましい。2回より叩き回数が少ないと、紙揃えが不十分になるおそれがあり、5回を越えると騒音や機械的な無理が発生するおそれがある。
このように、折込用広告束紙揃え搬送装置10では、第1叩き板96と第2叩き板98が、折込用広告紙を2方向から叩くので、排出口26から順次排出される折込用広告束の折込用広告紙が、固定側壁92と移動式側壁94の位置に従って徐々に揃えられながら積上げられる。
そして、主制御装置30は、排紙スプリング44からの信号により、丁合機本体12から排出された折込用広告束の数が所定束数に達したと判断すると、丁合機本体12の作動を停止させ、副制御装置31にその旨の制御信号を送る。副制御装置31は、主制御装置30から、その旨の信号を受けると、折込用広告束紙揃え搬送装置10の作動を停止させる。折込用広告束紙揃え搬送装置10は、スプリング133のばね力により、第1叩き板96が、丁合機本体12側に移動した状態で停止する。
副制御装置31は、次に、排紙スプリング昇降機構86と移動式側壁保持部102とを作動させる。排紙スプリング昇降機構86が作動すると、作動腕162が左右に広がりながら上方に移動し、排紙スプリング44を上方に移動させる。又、移動式側壁保持部102が作動すると移動式側壁94がゲート用モータ104により回動され、開放位置に移動する。
副制御装置31は、排紙スプリング44が上方に移動し、移動式側壁94が開放位置に移動したことをセンサ等の信号から検出したなら、搬送機構84を作動させる。搬送機構84が作動すると、コンベア駆動モータ152により無端ベルト150が周回して、複数束からなる一揃いの折込用広告束が折込用広告束紙揃え搬送装置10から広告束昇降機構88に搬送される。
副制御装置31は、一揃いの折込用広告束が広告束昇降機構88に搬送され、受台180に載ったことをセンサ等の信号から検出すると、ゲート用モータ104と排紙スプリング昇降機構86への通電を遮断し、移動式側壁94をばね38のばね力で閉鎖方向に回動させ、排紙スプリング44を下げる。又、移動式側壁94が閉鎖位置に配置されたなら、主制御装置30は、丁合機本体12の作動を再開させ、副制御装置31は、折込用広告束紙揃え搬送装置10を作動させる。これにより、折込用広告束紙揃え搬送装置10により紙揃えされた折込用広告束が、積上部42に積み上げられる。
又、副制御装置31は、折込用広告束紙揃え搬送装置10から搬送機構84で搬送された一揃いの折込用広告束が受台180に載せられたことを検出すると、広告束昇降機構88を作動させ、一揃いの折込用広告束を上昇させる。図9に、受台180を上昇させたときの状態を示す。これにより、一揃いの折込用広告束200が所定の高さに持ち上げられる。
広告束昇降機構88で一揃いの折込用広告束が上昇されると、作業者は折込用広告束を取り上げ、折込用広告束を載置スペース等に運ぶ。受台180から作業者が折込用広告束を取り上げると、副制御装置31は、受台180を下降させる。そして、再度、折込用広告束紙揃え搬送装置10から一揃いの折込用広告束が広告束昇降機構88に搬送されてくると、副制御装置31は上述したと同様に折込用広告束を上昇させる。
仮に、受台180から折込用広告束が持ち出されず、かつ折込用広告束紙揃え搬送装置10に所定の束数の折込用広告束が積み上げられたら、主制御装置30は、丁合機本体12を停止させ、副制御装置31は、折込用広告束搬送昇降機構14の作動を停止させ、作業者が折込用広告束を取り上げるのを待機する。そして、受台180から折込用広告束が作業者により持ち出されたなら、副制御装置31は、自動的に、あるいは、作業者の入力操作を待って、搬送機構84や折込用広告束紙揃え搬送装置10を作動させる。又、主制御装置30は、丁合機本体12の作動を再開させる。
一方、丁合機本体12の丁合作業中に折込広告紙の給紙動作にミスが発生したり、折込広告紙が2枚同時に送り出されてしまうなど、給紙動作に不具合が発生したとする。すると、作業者は、不具合が発生した棚部18の給紙機構20を調整する。
次に、棚部18の給紙機構20の調整作業について説明する。作業者は、ある棚部18の給紙動作に不具合が発生していると判断したなら、一度、スタートストップボタン62を押して動作を停止させ、テストボタン64を押下する。すると、主制御装置30は、全ての棚部18の給紙状態をオフにする。
次に、作業者は、給紙機構20の調整を行う棚部18の第1給紙ボタン52、又は第2給紙ボタン54を押圧する。すると、第1給紙ボタン52や第2給紙ボタン54が押下された棚部18の給紙機構20が作動して、その棚部18からの折込広告紙が給紙される。その際、副制御装置31は、丁合機本体12から折込用広告紙が排出されても、折込用広告束紙揃え搬送装置10を作動させない。そして、圧力調整ダイヤル56を操作したりして、紙送りの調整が終了したなら、作業者はテストボタン64を再度押下する。
すると、主制御装置30は、丁合機本体12のテストモードの設定を解除する。更に、主制御装置30は、テストボタン64がオフからオンに押下されたときに第1給紙ボタン52等が押下されていたと同じ状態に各棚部18の状態を戻す。そして、丁合機本体12と折込用広告束紙揃え搬送装置10とで丁合作業が再開される。
図10に、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の受台180を畳んだ状態を示す。丁合作業が終了したなら、受台180を図10に示すように折り畳むことにより、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の接地スペースを縮小させることができる。更に、図11に示すように、結合機構103を操作し、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の丁合機本体12から折込用広告束紙揃え搬送装置10を取り外してもよい。このように折込用広告束紙揃え搬送装置10を取り外すと、より接地スペースを縮小し、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11の移動や保管が容易となる。
以上説明したように、本実施形態の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機11は、次のような効果を備えている。折込用広告束は、積上部42に積み上げられている状態で、紙揃えがなされるので、搬送機構84から折込用広告束をすぐに広告束昇降機構88に移動させることができる。
広告束昇降機構88で持上げられた折込用広告束は、搬送機構84内で、折込用広告紙が整えられているので、折込用広告束の中の折込用広告紙を整える手間を簡略化できる。折込用広告束は、折込用広告紙が整えられているので、作業者が折込用広告束を新聞に挿入させるとき、扱い易く、かつ購読者が新聞を開いたときの見栄えを良好にできる。
紙揃え機構82は、第1叩き板96を折込用広告束から離した位置で停止するので、搬送機構84で支障なく折込用広告束を搬送できる。第1叩き板96等は、折込用広告紙が滑らない材質で形成されているので、確実に折込用広告紙を揃えることができる。テストモードに設定されているときは、紙揃え機構82が作動しないので、しわにならず、折込用広告紙の無駄を防止できる。第2叩き板98の往復動中心の位置が変更できるので、紙揃え機構82は、折込用広告紙の長手方向の長さに、叩き板の位置を適合させることができる。
次に、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機の比較例について説明する。
図12は、比較例としての折込用広告束搬送昇降機構17を示す斜視図であり、図13は、折込用広告束搬送昇降機構17を備えた折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機15の全体を示す斜視図であり、図14は、折込用広告束搬送昇降機構17の受台180が上昇した状態の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機15の全体を示す斜視図である。
折込用広告束搬送昇降機構17は、折込用広告束紙揃え搬送装置10と広告束昇降機構89とを備えている。広告束昇降機構89は、折込用広告束紙揃え搬送装置10と一体に構成されている。折込用広告束搬送昇降機構17は、広告束昇降機構89を含めて、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機15の丁合機本体13と別体に設けられている。丁合機本体13は、広告束昇降機構88が筐体16に設けられていない点を除いて、丁合機本体12と同等の構成を有している。
広告束昇降機構89は、タワー部212と、受台180とを備えている。タワー部212に、昇降レール182を備え、受台180は、昇降レール182に移動自在に取り付けられている。折込用広告束紙揃え搬送装置10は、前述した構成と同様の構成である。
折込用広告束搬送昇降機構17をこのように構成すれば、紙揃えされた折込広告束が作成されるとともに、昇降レール182を筐体16に備えていない、従来の丁合機本体12に装着して紙揃え機構を実施させることができる。
尚、本発明は、前記実施形態に限るものではない。例えば、折込用広告束紙揃え搬送装置10の紙揃え機構82は、折込用広告紙の端縁を叩き板で叩くのみでなく、折込用広告紙の表裏面に沿った方向や、表裏面と垂直な方向に振幅を有する振動を付加しても、又、折込用広告束に振動のみを付加して折込用広告紙を整えるものでもよい。
又、紙揃え機構82の操作スイッチを、例えばロックスイッチパネル70に設けてもよい。すると、折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機15がテストモードに設定されると、紙揃え機構82が副制御装置31により自動的に作動禁止となるのではなく、紙揃え機構82の操作スイッチを作業者が操作することにより任意に制御できる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数の棚部からそれぞれ折込用広告紙を給紙し、各折込広告紙を親紙で挟み込んで折込用広告束を作成する丁合機の前方に設けられ、前記丁合機の排出口から排出された折込用広告束を積み上げる積上部と、
前記積上部に設けられ、前記折込用広告束を紙揃えする紙揃え機構と、
前記積上部から前記折込用広告束を移動させる搬送機構と、を備えたことを特徴とする折込用広告束紙揃え搬送装置。
[2]
筐体と、
折込用広告紙を載せる、前記筐体の内部に設けられた複数の棚部と、
前記筐体の内部に設けられ、前記棚部のそれぞれから折込用広告紙を給紙する給紙機構と、
前記折込用広告紙を親紙で挟み込む挟み機構と、
前記筐体の前面に設けられた折込用広告束の排出口と、
前記排出口の前方に設けられ、前記排出口から排出された折込用広告束を積み上げる積上部と、
前記積上部から前記折込用広告束を移動させる搬送機構と、
前記搬送機構で搬送された折込用広告束が載せられる受台と、
前記受台を上下動させる、前記筐体の側壁に沿って設けられた広告束昇降機構と、を備えて構成したことを特徴とする折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。
[3]
筐体と、
折込用広告紙を載せる、前記筐体の内部に設けられた複数の棚部と、
前記筐体の内部に設けられ、前記棚部のそれぞれから折込用広告紙を給紙する給紙機構と、
前記折込用広告紙を親紙で挟み込む挟み機構と、
前記筐体の前面に設けられた折込用広告束の排出口と、
前記筐体の前面に設けられ、前記排出口から排出された折込用広告束を積み上げる積上部と、
前記積上部に設けられ、前記折込用広告束を紙揃えする紙揃え機構と、
前記積上部から前記折込用広告束を移動させる搬送機構と、
前記搬送機構で搬送された前記折込用広告束が載せられる受台と、
前記筐体の近傍に設けられた、前記受台を上下動させる広告束昇降機構と、を備えて構成したことを特徴とする折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。
[4]
前記紙揃え機構は、矩形形状に沿って配置された2つの側壁と2つの叩き板とを備え、前記2つの側壁は、互いほぼ直角に配置してあり、
前記2つの叩き板は、前記2つの側壁のそれぞれに対向した位置に設けられ、更に、前記2つの叩き板は、叩き板駆動機構により、それぞれ対向した前記側壁に対して接近、離間する方向に、一方の前記叩き板が接近しているときは他方の前記叩き板が離間するように交互に往復動自在に設けられていることを特徴とする[1]に記載の折込用広告束紙揃え搬送装置。
[5]
前記紙揃え機構は、矩形形状に沿って配置された2つの側壁と2つの叩き板とを備え、前記2つの側壁は、互いほぼ直角に配置してあり、
前記2つの叩き板は、前記2つの側壁のそれぞれに対向した位置に設けられ、更に、前記2つの叩き板は、叩き板駆動機構により、それぞれ対向した前記側壁に対して接近、離間する方向に、一方の前記叩き板が接近しているときは他方の前記叩き板が離間するように交互に往復動自在に設けられていることを特徴とする[3]に記載の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。
[6]
前記給紙機構は、各給紙機構が他の給紙機構から独立して給紙動作を可能とするテストモードを備え、前記テストモード時には、前記給紙機構が給紙動作を行っても前記紙揃え機構は作動しないこととしたことを特徴とする[3]、又は[5]に記載の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。
[7]
前記紙揃え機構には、前記紙揃え機構の作動を接断させるオンオフスイッチが設けられていることを特徴とする[1]、又は[4]に記載の折込用広告束紙揃え搬送装置。
[8]
前記紙揃え機構には、前記紙揃え機構の作動を接断させるオンオフスイッチが設けられていることを特徴とする[3]、[5]、[6]のいずれか1つに記載の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。
[9]
前記紙揃え機構は、前記叩き板駆動機構が停止したとき、2つの前記叩き板のうちの前記搬送機構の搬送方向に沿って設けられた叩き板が、該叩き板に対向した前記側壁に対して離間した位置になることを特徴とする[1]、[4]、[7]のいずれか1つに記載の折込用広告束紙揃え搬送装置。
[10]
前記紙揃え機構は、前記叩き板駆動機構が停止したとき、2つの前記叩き板のうちの前記搬送機構の搬送方向に沿って設けられた叩き板が、該叩き板に対向した前記側壁に対して離間した位置になることを特徴とする[3]、[5]、[6]、[8]のいずれか1つに記載の折込用広告束紙揃え搬送装置付き丁合機。