<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照し、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態における画像処理機能を有する撮像装置及び、該撮像装置を遠隔(外部)から操作する機能を有する遠隔操作端末の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のカメラシステムはカメラ10及び遠隔操作端末20から構成されており、それぞれ情報を通信するための撮像側通信部169、遠隔側通信部241を持つことで、情報をやり取りすることが可能である。
まず、カメラ(撮像装置)10の構成について説明する。カメラ10は、撮像レンズ11から画像信号を取得できるように構成されており、撮像素子(CMOS)121、CDS/AGC122、タイミングジェネレータ(TG)123、画像入力コントローラ124を備えている。また、追従信号処理部125、被写体領域検出部126を備えている。また、変倍レンズ駆動部131、絞り駆動部132、フォーカシング駆動部133、操作部134、システム制御部14を備えている。また、バス15、記録媒体制御部161、記録媒体162、表示制御部163、表示部164、AF検出部165、SDRAM166、ROM167、フラッシュROM168、撮像側通信部169、振れ検出部17を備えている。
システム制御部14は、カメラ全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、操作部134からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って各部を制御する。
バス15を介して接続されたROM167には、このシステム制御部14が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。また、バス15を介して接続されたフラッシュROM168には、ユーザ設定情報等のカメラ10の動作に関する各種設定情報等が格納されている。SDRAM166は、システム制御部14の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用される。
撮像レンズ(撮像光学系)11は、被写体側から順に、固定の第1群レンズ111、変倍レンズ112、絞り113、固定の第2群レンズ114、フォーカスコンペレンズ115を有する。
変倍レンズ112は、変倍レンズ駆動部131に駆動されて光軸に沿って前後移動する。フォーカスコンペレンズ115は、フォーカシング駆動部133に駆動されて光軸に沿って前後移動する。
システム制御部14は、変倍レンズ駆動部131とフォーカシング駆動部133を制御することにより、変倍レンズ112の位置とフォーカスコンペレンズ115の位置を制御し、撮影レンズ11のズーミングとフォーカシングを行う。
絞り113は、たとえば、アイリス絞りで構成されており、絞り駆動部132に駆動されて動作する。システム制御部14は、絞り駆動部132を制御することにより、絞り113の開口量(絞り値)を制御し、撮像素子121への入射光量を制御する。
撮像素子(撮像手段)121は、CMOSセンサやCCDセンサにより構成される光電変換素子である。撮影レンズ11によって撮像素子121の受光面上に結像された被写体像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、システム制御部14の指令に従ってTG123から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子121から順次読み出される。なお、本実施の形態では、撮像素子としてCMOSセンサを用いているが、CCDセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
CDS/AGC122は、撮像素子121から出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関二重サンプリング回路(CDS)と、画像信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールするためのAGC回路である。CDS/AGC122は、撮像素子121から出力される画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅する。
画像入力コントローラ124は、CDS/AGC122から出力された画像信号を取り込んで、SDRAM166に格納する。SDRAM166に格納した画像信号は、表示制御部163によって表示部164に表示される。また、画像信号の記録を行うモードの時には、記録媒体制御部161によって記録媒体162に記録される。さらに、遠隔操作端末20による遠隔操作実行時には、撮像側通信部169によって、遠隔操作端末20内の遠隔側通信部241に画像信号を送信する。
システム制御部14内の追従画像生成部141は、操作部134によって追従の指示があった場合に、SDRAM166に格納された画像信号を取り込み、追従用画像(追従用画像信号)の生成を行う。本実施形態では操作部134の一つとしてタッチパネルがあり、表示画像上のタッチした座標を中心とした所定の領域を追従用画像とする。タッチパネルでなく、操作キーによって追尾する領域の中心座標や、領域そのものを設定できるシステムでも良い。生成した追従用画像信号はSDRAM166に格納する。
追従信号処理部125は、システム制御部14からの指令に従いSDRAM166から追従用画像信号を取り込み、この追従用画像信号から色情報のヒストグラム及び輝度情報ヒストグラムからなる特徴量を生成する。
また追従信号処理部125に取り込む画像信号として、後述する遠隔操作端末20内の、遠隔側追従画像生成部211によって生成された(追従用)画像信号を取り込むことができる。これは本発明の特徴的な部分であり、詳細は後述する。
被写体領域検出部126は、現在撮像している画像信号に対して、上述の特徴量を基に追従被写体の探索処理を施し、撮影画面内の所定領域から追従被写体に該当する被写体が存在するかを特定する。追従被写体が存在する場合は、被写体が存在する位置座標を基に追従領域を決定し、その結果をシステム制御部14に送信し、AF制御等を行う。また、被写体が存在する位置座標は、SDRAM166に保持され、次回以降の追従被写体領域の検出を行う際に本情報を用いることで、追従被写体の探索処理を施すエリアを限定することができる。追従被写体領域の特定時に、被写体が存在する位置座標が更新される度に、SDRAM166に保持する位置座標も更新する。
このように、本発明において、上述の追従信号処理部125及び被写体領域検出部126は、追従被写体の追従領域を特定する特定手段として機能する。
システム制御部14が上述の追従領域を受信したら、AF検出部165に追従領域情報を送信し、AF検出部165は、撮影画面内の上記被写体を含む位置を焦点検出に用いられる領域(焦点検出エリア)として設定する。次に、AF検出部165は、設定した焦点検出エリアの合焦度合いを計算しシステム制御部14に送信する。結果を受信したシステム制御部14は、受信した合焦度合いに応じてフォーカシング駆動部133を制御し、フォーカシング駆動部133はフォーカスコンペレンズ115を制御する。また、システム制御部14は、上記追従領域を基に領域内のヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づいて、フラッシュROM168に設定された適露出になるように絞り駆動部132を制御することで、追従領域に対してAE制御を行う。
撮像側通信部(第1の通信手段)169は、後述する遠隔操作端末20内の遠隔側通信部241と通信を行い、各種情報をやり取りする。通信する情報の内容は本発明の特徴とする部分であり、後述する。
次に、遠隔操作端末20の構成について説明する。遠隔操作端末20は遠隔側システム制御部21、遠隔側操作部22を備えている。また、バス23、遠隔側通信部241、遠隔側表示制御部242、遠隔側表示部243、遠隔側SDRAM244、遠隔側ROM245、遠隔側フラッシュROM246を備えている。遠隔操作端末20は、遠隔側通信部241によって、カメラ10内の撮像側通信部169から、画像信号やカメラ制御情報等の情報をやり取りできるように構成されている。
遠隔側システム制御部21は、遠隔操作端末全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、遠隔側操作部22からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って各部を制御すると共に、カメラ10を制御するための各種制御情報を生成する。
バス23を介して接続された遠隔側ROM245には、遠隔側システム制御部21が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。また、遠隔側フラッシュROM246には、ユーザ設定情報等の遠隔操作端末20の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
遠隔側SDRAM244は、遠隔側システム制御部21の演算作業用領域として利用されるとともに、受信した画像信号等の一時記憶領域として利用される。
遠隔側表示制御部242は、遠隔側通SDRAM244が格納した、受信画像信号に対応する画像を遠隔側表示部243へ表示する。
次に、遠隔側通信部241と、撮像側通信部169間の通信について詳しく説明する。撮像側通信部169は遠隔側通信部241の受信確認なしに、画像を撮像する度に画像信号を送信し続ける。遠隔側通信部(第2の通信手段)241は、画像信号を受信する度に遠隔側SDRAM244に格納し、遠隔側表示制御部242によって遠隔側表示部243への表示を行う。遠隔側表示部243への表示が完了する前に撮像側通信部169から新たな画像信号を受信した場合は、新たに受信した画像信号は無視して、遠隔側表示制御部242が実施中の現在の表示処理を継続する。このようにして遠隔操作端末20でストリーミング再生を行う。
また、遠隔側システム制御部21は、カメラ10に対する制御情報や設定変更情報を、遠隔側通信部241によって送信する。システム制御部14は、撮像側通信部169によって受信した制御情報に応じてカメラ10の制御を行い、また設定変更情報に応じて、フラッシュROM168の各種設定情報等を変更することで、カメラ設定の変更を行う。
例えば、遠隔側システム制御部21によってズーミング操作を行った場合、通信によってシステム制御部14がズーミングに関する制御情報(ズーム方向、ズームレンズ駆動量に関する情報)を受信する。そして、この制御情報を基に変倍レンズ駆動部131を制御してズーミングを行う。また、例えば遠隔側システム制御部21によって記録画質の変更を行った場合、通信によってシステム制御部14が記録画質に関する設定変更情報(記録画質変更情報)を受信し、フラッシュROM168の情報を書き換えることで記録画質設定の変更を行う。
このようにして、カメラ10と遠隔操作端末20は情報の通信を行い、遠隔操作端末20での画像信号の確認や、カメラ10の制御等を行うことができる。
次に、本発明の特徴的な部分で、遠隔制御端末20で被写体追従指示を行い、撮像装置が追従を行うまでの流れを説明する。遠隔側システム制御部21内の遠隔側追従画像生成部(抽出手段)211は、遠隔側操作部22によって追従の指示があった場合に、遠隔側SDRAM244に格納された画像信号(第1の画像信号)を取り込み、追従用画像(第2の画像信号)の生成を行う。
本実施形態では遠隔側操作部22をタッチパネルとし、画像信号中のタッチした座標を中心とした所定の領域を追従用画像とする。遠隔側操作部22はタッチパネルでなく、操作キーによって追尾する領域の中心座標や、領域そのものを設定できるシステムでも良い。生成した追従用画像は、遠隔側システム制御部21の指示で、遠隔側通信部241によって撮像側通信部169に送信される。システム制御部14は、撮像側通信部169から追従用画像を受信したとき、遠隔操作端末20によって追従指示があったとして、SDRAM166に追従用画像を保持すると共に、追従信号処理部125は追従用画像を取り込む。
追従信号処理部125は、先述したように、追従用画像信号から色情報のヒストグラム及び輝度情報ヒストグラムからなる特徴量を生成する。被写体領域検出部126は、先述したように、現在撮像している画像信号(第3の画像信号)に対して、上記特徴量を基に追従被写体の探索処理を施し、撮影画面内の所定領域から追従被写体に該当する被写体が存在するかを特定する。追従被写体が存在する場合は、追従被写体が存在する位置座標を基に追従領域を決定し、その結果をシステム制御部14に送信し、AFやAE制御(焦点や露光の調節)を行う。
また、追従被写体が存在する位置座標は、SDRAM166に保持し、次回以降の追従被写体領域の検出を行う際に本情報を用いることで、追従被写体の探索処理を施すエリアを限定することができる。追従被写体領域の特定時に、追従被写体が存在する位置座標が更新される度に、SDRAM166に保持する位置座標も更新する。
このように、遠隔操作端末20で追従用画像を生成し、カメラ10に対して送信を行い、カメラ10はこの追従用画像を基に追従被写体の存在する領域を特定することで、遠隔操作端末20による追従指示を行う。このような形態であれば、課題である通信タイムラグを考慮する必要なく、遠隔操作端末20からの追従指示で精度良く追従を行うことができる。
次に、被写体追従機能について詳細に説明する。操作部134若しくは遠隔側操作部22によって被写体の追従(開始)指示があったとき、追従画像生成部141若しくは遠隔側追従画像生成部211は、追従指示がされたときの位置情報から所定の範囲を追従用画像として生成する。本実施形態では、タッチパネルのタッチ座標を中心とした所定の範囲を追従用画像として生成する。所定の範囲は、少なくとも、追従制御を行う上で誤追従が頻発しない程度に特徴量が生成できる大きさにする必要がある。所定の範囲は固定でもよいし、ユーザ設定等で可変できるようなシステムでもよい。生成された追従用画像は、追従信号処理部125によって、色情報のヒストグラム及び輝度情報のヒストグラムを生成し、これを追従用画像の特徴量とする。本実施の形態では、色及び輝度のヒストグラムを生成しているが、どちらか一方だけ生成しても構わない。
さらに、被写体領域検出部126で、現在撮像している画像信号から、上記追従用画像と同等のサイズの画像を生成し、これを追従候補画像とする。追従用画像と同様に、追従信号処理部125によって、追従候補画像から色及び輝度のヒストグラムを生成し、これを追従候補画像の特徴量とする。被写体領域検出部126は、追従用画像の特徴量と、追従候補画像の特徴量から、各色情報毎の差分と、輝度情報の差分を算出し、さらにこれら算出した値の和を計算して、これを保持する。
同時に、追従候補画像の位置情報も保持する。さらに、現在撮像している画像信号から、順次追従候補画像を生成することでマッチングを行っていき、この追従候補画像の特徴量と、追従用画像の特徴量の要素の差分及びその和を計算していく。この特徴量の要素の差分の和が最も小さいときの値と、その時の追従候補画像の位置情報を、以前保存した情報に上書きして保持する。最終的に求めた特徴量の要素の差分の和が所定より小さければ、その追従候補画像が追従被写体だと特定して、保持していた位置情報から所定の範囲を追従領域として設定する。
なお、特徴量の差分の和に関する所定値は、追従動作を実施したときに、追従したい被写体に対して追従可能な割合及び、追従してはならない被写体に対して誤追従しない割合を基に決定する。このようにして、追従領域を決定し、追従の開始をする。
また、追従の継続方法について説明する。追従を継続するための情報として、上記追従用画像と上記追従領域を設定した位置情報を、SDRAM166に保持しておく。追従継続時には、撮像が行われる度に、SDRAM166に保持した追従用画像を基に、被写体領域検出部126及び追従信号処理部125によって、前述したように、撮像信号と追従用画像とのマッチングを行う。
このとき、保持してある追従領域を設定した位置情報を基に、マッチングを行う撮像信号の範囲を限定する。追従領域を設定した位置を中心に、所定の範囲だけマッチングを行うようにすれば、余計な範囲をマッチングすることによる誤追尾や、演算時間の短縮を図ることができる。マッチングを行う所定の範囲は、追従継続処理を行ってから次の追従継続処理を行うまでの時間に、追従したい被写体が撮像画面内で動作してよい最大距離を設計し、その最大距離移動したときにカバーできる範囲に設定する。この範囲が大きければ、被写体が大きく動作しても追従できるが誤追従が多くなり、範囲が小さければ被写体が大きく動作すると追従できなくなるが誤追従が少なくなる。
このように追従を継続するために再度マッチングを行った際に、先述したように、最終的に求めた特徴量の要素の差分の和が所定より小さければ、その追従候補画像が追従被写体だと特定して、追従候補画像の位置情報から所定の範囲を追従領域として更新する。またこの時の追従候補画像の位置情報を、SDRAM166に保持している位置情報に上書き更新する。次回の追従継続処理時には、更新した位置情報を使用することで、適切なマッチング範囲を設定できる。このようにして追従の継続を行う。この時、撮像する度に追従継続処理を行わなくてもよく、例えば撮像を所定回数行う毎に追従継続処理を行うといった制御にしてもよい。追従継続処理を行う撮像間隔が長いほど、被写体が大きく動作したときに追従できなくなるが、処理時間を削減することができる。
また、追従の停止を行うときについて説明する。追従継続時に操作部134若しくは遠隔側操作部22によって追従停止指示が出された場合には、システム制御部14は追従の停止を行い、非追従時の動作に戻す。例えば、追従領域に対して設定していたAF領域を、追従停止時には通常時に設定するAF領域に戻す。同様に、追従継続時に追従する被写体が特定できず、所定時間経過した場合は、追従の停止を行う。追従被写体が特定できない間に待機する所定時間が長ければ、再度追従被写体を特定して復帰できる可能性が高くなるが、通常時の状態に戻す処理が遅れる。追従被写体が特定できない間に待機する所定時間が短い場合は、その逆である。
このようにして被写体の追従開始、継続、停止の処理を行う。
次に、上記構成を有するカメラ10及び遠隔操作端末20の、本実施形態における動作について図2から図5用いて説明する。
図2は、第1の実施形態における、カメラ10内のシステム制御部14及び、遠隔操作端末20内の遠隔側システム制御部21で行う、カメラの遠隔操作処理を表すフローチャートである。図2の左側のフローチャートが、カメラ遠隔操作モード時のカメラ10の動作を表すものであり、各処理を「SC」で表示している。図2の右側のフローチャートが、カメラ遠隔操作モード時の遠隔操作端末20の動作を表すものであり、各処理を「SR」で表示している。
まずカメラ側の処理について説明する。ステップSC001は、カメラ遠隔操作を行っていないときのカメラの制御(以下、カメラの通常制御という)を表しており、制御実施後にステップSC002へ進む。カメラの通常制御時は遠隔操作を行わないので詳細については省略するが、カメラのみで各種カメラ制御、撮像信号表示、追従の指示を行う。ステップSC002は、カメラ遠隔操作モードを実行するかどうかの判断を行う。
ステップSC001においてカメラ遠隔操作モードを実行する指示があればステップSC003へ進み、指示がなければステップSC001へ進む。ステップSC003はカメラ遠隔操作モードのキャンセルがないかどうかを判断し、キャンセルがない場合はステップSC004へ進み、キャンセルがある場合はステップSC001へ進む。カメラ遠隔操作モード実行指示により、遠隔操作端末との通信確立を行っている際に、遠隔操作モードのキャンセルがあれば、SC001でカメラ通常制御を行う。SC004では、遠隔操作端末との通信を確立する。遠隔操作端末に対して通信確立指示を送信し、それに対して遠隔操作端末から通信確立可能情報を受信できれば、通信が確立できたとして、遠隔操作端末に対して通信確立完了情報を送信すると共に、ステップSC005に進む。また、遠隔操作端末に送信した通信確立指示に対して、タイムアウトにより通信が確立できなかった場合は、ステップSC003に戻り、カメラ遠隔操作モードのキャンセルがあるかどうかを再度判断する。
ステップSC005では、通信確立時のカメラの設定を遠隔操作端末と共有するために、遠隔操作端末に対してカメラの設定情報を送信する。ステップSC005の処理を実行した後は、ステップSC006へ進む。また、詳細は後述するが、遠隔操作端末からカメラに対して設定の変更指示があった場合も、この設定を共有するために、遠隔操作端末に対してカメラの設定情報を送信する。ステップSC006では、現在のカメラモードが撮影モードか、再生モードかを判断し、撮影モードである場合はステップSC007へ進み、再生モードである場合はステップSC008へ進む。
ステップSC007は、本実施の形態の特徴とする部分であり図3で後述する。ステップSC008では、再生モード時の処理を行う。カメラ側で撮影した動画像の再生を行うと同時に、遠隔操作端末に対して再生している動画像の表示を行う。また、遠隔操作端末から再生したい動画像の選択や、動画再生中の各種コマンド(再生、停止、早送り等)の実行を、カメラに対して行う。詳細については省略する。ステップSC007若しくはステップSC008の処理を実行したら、ステップSC009へ進む。ステップSC009では、電源がオフされたかどうかを判断し、オフされていなければステップSC010へ進み、オフされていれば処理を終了する。
ステップSC010では、遠隔操作端末からカメラ遠隔操作モードのキャンセル指示があったかどうかを判断し、カメラ遠隔操作モードのキャンセル指示がなければステップSC011へ進む。キャンセル指示があればステップSC001へ戻り遠隔操作を行わない通常のカメラ制御を行う。ステップSC011では、遠隔操作端末によって撮影モードと再生モードの切り替え指示があったかどうかを判断し、モード切替指示があった場合はステップSC012へ進み、モード切替指示がなかった場合はステップSC005へ戻る。ステップSC012では、現在撮影モードであれば再生モードに、現在再生モードであれば撮影モードにカメラ設定を変更して、ステップSC005へ戻る。ステップSC005において、撮影モードと再生モードの切り替えや、ステップSC007内で行われたカメラ設定情報の変更を、遠隔操作端末に共有し、設定されたモードで動作を行う。
次に遠隔操作端末側の処理について説明する。ステップSR001は、カメラ遠隔操作を行っていないときの遠隔操作端末の制御(以下、遠隔操作端末の通常制御という)を表している。遠隔操作端末の通常制御時は遠隔操作を行わないので詳細については省略するが、遠隔操作端末に備わっている他の各種機能(インターネットや音楽再生や動画像再生等)を実行している。ステップSR002では、カメラ遠隔操作モードの実行が行われるかどうかの判断を行う。ステップSR001において、カメラ遠隔操作モードの実行が行われればステップSR003へ進み、遠隔操作モードの実行が行われなければステップSR001で行っている各種処理を継続する。
ステップSR003はカメラ遠隔操作モードのキャンセルがないかどうかを判断し、キャンセルがない場合はステップSR004へ進み、キャンセルがある場合はステップSR001へ戻る。SR004では、カメラとの通信を確立する。カメラからの通信確立指示を受信できた場合、カメラに対して通信確立可能情報を送信し、それに対して再度カメラからの通信完了情報が受信できれば、通信が確立できたとしてステップSR005に進む。また、カメラからに通信確立指示を受信できず、タイムアウトにより通信が確立できなかった場合は、ステップSR003に戻り、カメラ遠隔操作モードのキャンセルがあるかどうかを再度判断する。カメラ遠隔操作モードのキャンセル指示があれば、SR001に戻り遠隔操作端末の各種制御を再開する。
ステップSR005では、通信確立時のカメラの設定を遠隔操作端末にも反映するために、カメラから設定情報を受信することで遠隔操作端末側で受信した設定情報と同様の設定を行う。例えば、現在のカメラのフォーカスモードはAFかMFかどうかを受信し、それを設定することで、AF時にはフォーカスをマニュアル制御するアイコンをグレーアウトするという様な制御を行う。ステップSR005の処理を実行した後は、ステップSR006へ進む。また、詳細は後述するが、遠隔操作端末からカメラに対して設定の変更指示を行った場合も、この設定を共有するために、カメラの設定情報を再度受信し、遠隔操作端末に設定を反映する。ステップSR006では、現在のカメラモードが撮影モードか、再生モードかを判断し、撮影モードである場合はステップSR007へ進み、再生モードである場合はステップSR008へ進む。
ステップSR007は、本実施の形態の特徴とする部分であり図3で後述する。ステップSR008では、再生モード時の処理を行う。遠隔操作端末から再生したい動画像の選択や、動画再生中の各種コマンド(再生、停止、早送り等)の実行を、カメラに対して行うと共に、カメラが再生している動画像の表示を行う。詳細については省略する。ステップSR007若しくはステップSR008の処理を実行したら、ステップSR009へ進む。ステップSR009では、電源がオフされたかどうかを判断し、オフされていなければステップSR010へ進み、オフされていれば処理を終了する。ステップSR010では、遠隔操作端末でカメラ遠隔操作モードのキャンセル指示を実行したかどうかを判断し、カメラ遠隔操作モードのキャンセル指示を実行していればステップSR011へ進み、実行していなければステップSR012へ進む。
ステップSR011では、カメラに対してカメラ遠隔操作モードのキャンセル指示を送信すると共に、ステップSR001へ戻り、通常の遠隔操作端末制御を行う。ステップSR012では、遠隔操作端末において撮影モードと再生モードの切り替え指示を実行したかどうかを判断する。モード切替指示を実行した場合はステップSR013へ進み、モード切替指示を実行しなかった場合はステップSR005へ戻り、カメラ遠隔操作モードにおける遠隔操作端末の処理を継続する。
ステップSR013では、カメラモードの切り替え指示をカメラに送信し、ステップSR005へ戻る。ステップSR005において、撮影モードと再生モードの切り替えを遠隔操作端末に共有し、設定されたモードで動作を行う。
次に、本発明の特徴とする部分である図2のステップSC007の遠隔操作時カメラ制御及び、ステップSR007の遠隔操作時遠隔操作端末制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。
図3の左側のフローチャートが、遠隔操作時のカメラ制御であり、右側のフローチャートが、遠隔操作時の遠隔操作端末の制御を表している。
まずカメラ側の処理について説明する。SC101では、遠隔操作端末に対して映像信号を送信しステップSC102へ進む。カメラ側は、遠隔操作端末の受信確認することなく映像信号の送信を行う。ステップSC102では、遠隔操作端末によってカメラ設定の変更があったかどうかを判断し、カメラ設定の変更があった場合はステップSC103へ進み、変更がなかった場合はステップSC104へ進む。ステップSC103では、遠隔操作端末によって変更されたカメラ設定を反映し、ステップSC104へ進む。例えば、遠隔操作端末側で記録画質の変更が行われた場合、ステップSC103ではカメラ側で記録画質の変更設定を反映する。
ステップSC104では、遠隔操作端末によって追従開始指示があったかどうかを判断し、追従開始指示があった場合はステップSC105へ進み、そうでない場合はステップSC108へ進む。本実施の形態では追従用画像を受信した場合に、追従開始指示があったと見なす。ステップSC105では、受信した追従用画像を基に追従開始処理を行い、ステップSC106へ進む。ステップSC105の処理は本発明の特徴とする部分であり、図4で後述する。ステップSC106では、ステップSC105で追従が行えなかったかどうかを判断し、追従が行えなかった場合はステップSC107へ進み、追従が行えた場合はステップSC112へ進み、追従処理以外の他の処理に移る。
ステップSC107では、追従が行えなかったとして遠隔操作端末に追従不可情報を送信する。追従が行えたかどうかは、追従の可否を1ビットで表す追従不可情報がステップSC105で発行されたかどうかで判断する。次に、ステップSC104で追従開始指示がなかった場合に進むステップSC108では、現在追従を行っているかどうかを判断し、追従を行っている場合はステップSC109へ進む。そうでない場合はステップSC112へ進み、追従処理以外の他の処理に移る。現在追従中である場合に進むステップSC109では、追従継続処理を行い、ステップSC110へ進む。この追従継続処理については、図5で後述する。
ステップSC110では、ステップSC109で追従不可情報があったか、若しくは遠隔操作端末から追従の停止が指定されたかどうかを判断し、該当する場合はステップSC111へ進む。そうでない場合はステップSC112へ進み、追従処理以外の他の処理に移る。ステップSC111では、追従停止処理を行い、ステップSC112へ進み、追従処理以外の他の処理に移る。追従が継続できない場合、すなわち追従被写体が特定できない場合、若しくは使用者が追従を停止したい場合は、追従を停止して通常の撮影状態に戻す。本実施の形態における通常の撮影状態とは、AFやAEの調整を行う枠を、追従領域ではなく画面中央に設定した状態である。通常の撮影状態は、もちろん本実施の形態の構成に限らず、追従を行っていないときの状態であれば他の構成でもよい。
次に、追従に関わる処理を行った後に進むステップSC112では、遠隔操作端末によるカメラ制御指示があったかどうかを判断し、カメラ制御指示があった場合はステップSC113へ進み、そうでない場合はステップSC114へ進む。ステップSC113では、遠隔操作端末からのカメラ制御指示に従ってカメラの制御を行い、ステップSC114へ進む。ステップSC112及びステップSC113で行われる処理の一例として、遠隔操作端末でズーミングの指示が行われた場合は、それにしたがってズーミングを行う。
ステップSC114では、カメラ本体によるカメラ設定や制御を行い、処理を終了する。ステップSC114では、カメラ本体の操作によるカメラ設定の変更や、カメラの制御指示を受け付け、それにしたがってカメラの制御を行う。また、AF等の使用者の指示に従わないで行われるカメラ制御についてもここで行う。詳細については省略する。
次に、遠隔操作端末側の処理について説明する。ステップSR101では、カメラからの映像信号の受信を開始し、ステップSR102へ進む。なお、受信した映像信号の表示は後述するステップSR114で行うが、後述するステップSR102からステップSR113までの処理は、前回の遠隔操作時遠隔操作端末制御の際にステップSR114ですでに映像信号の表示を行っているとして説明する。ステップSR102は、遠隔操作端末で使用者によるカメラ設定の変更指示があったかどうかを判断し、設定変更指示があった場合はステップSR103へ進み、そうでない場合はステップSR104へ進む。
ステップSR103では、カメラ設定の変更情報をカメラに対して送信する。次にステップSR104では、遠隔操作端末で追従開始の指示が行われたかどうかを判断し、追従開始の指示が行われた場合はステップSR105へ進み、そうでない場合はステップSR109へ進む。本実施の形態では、遠隔操作端末で映像信号の表示を行うと共に、タッチによる操作を行えるタッチパネルに対して、被写体のタッチが行われた場合に追従開始の指示を行う。
ステップSR105では、遠隔操作端末に現在表示中の映像信号から、追従被写体の追従用画像を切り出して生成し、ステップSR106へ進む。追従用画像を切り出す範囲は、被写体のタッチが行われたタッチ座標を中心とした所定範囲とする。ステップSR106では、追従用画像をカメラに対して送信し、ステップSR107へ進む。追従用画像を通信することで、遠隔から追従の開始指示を行うのは、本発明の特徴的な部分である。
従来、遠隔から追尾開始指示を行うための情報として被写体位置情報を通信していた場合では、上述したように通信のタイムラグが発生するために、通信した被写体位置にすでに追従したい被写体が存在しないため、誤追尾するという問題があった。それに対して本発明では、追従用画像を通信し、パターンマッチングを行うことで追従する被写体を特定するので、ユーザが遠隔から指定した被写体をより正確に追従することが可能となる。
次に、ステップSR107では、カメラ側のステップSC105で行った追従開始処理の結果、パターンマッチングに失敗して追従が行えなかった場合にカメラから送信される追従不可情報を受信したかどうかを判断する。追従不可情報がある場合はステップSR108へ進み、そうでない場合はステップSR109へ進む。ステップSR108では、カメラ側で追従が行えなかったことを使用者に伝えるために、追従が行えなかった旨を表示し、ステップSR109へ進む。このように追従が行えなかった旨を表示することで、使用者が再度追従指示を行えるように促す。ステップSR109では、遠隔操作端末による追従停止の指示があったかどうかを判断し、追従停止指示があった場合はステップSR110へ進み、そうでない場合はステップSR111へ進む。
この追従停止指示とは、現在追従を行っている場合に、使用者が追従をやめたい場合に行う操作である。遠隔操作端末に表示された追従停止アイコンを使用者がタッチすることで、追従停止指示を行う。ステップSR110では、追従停止指示をカメラに対して送信して、ステップSR111へ進む。ステップSR111では、遠隔操作端末によるカメラ制御の指示があったかどうかを判断し、カメラ制御指示があった場合はステップSR112へ進み、そうでない場合はステップSR113へ進む。
ステップSR112では、遠隔操作端末で行われたカメラ制御情報をカメラ側に送信し、ステップSR113へ進む。例えば、遠隔操作端末によってズーミングを行った場合、カメラに対してズーミングを行うように制御情報を送信する。ステップSR113では、ステップSR101で受信を開始した映像信号の受信が完了したかどうかを判断し、完了した場合はステップSR114へ進み、完了していない場合はステップSR115へ進む。
ステップSR114では、受信完了した映像信号の表示処理を行い、処理を終了する。ステップSR115では、ステップSR102からSR112までに行われた、カメラに対する各種指示情報を、初期化(指示がない状態)し、ステップSR102に戻り、再度ステップSR102から処理を行う。カメラ側は撮像を行う度に、遠隔操作端末に対して映像信号を送信するが、遠隔操作端末はそれをすべて表示できるとは限らず、遠隔操作端末の処理能力や、回線状況に依存する。遠隔操作端末の処理能力が低いほど、カメラ側が表示する周期に対してより遅い周期で映像信号を表示することになる。
ステップSR101で受信開始した映像信号を受信し続けている間も、遠隔操作端末でカメラ設定の変更やカメラ制御の実施、現在表示している画像に対しての追従の開始指示等が行えるようにする。つまり、ステップSR113で受信完了するまでの間は、ステップSR115の処理を経由して、ステップSR102からステップSR112の処理を行えるようにする。
映像信号の受信が完了した場合は、ステップSR114でその映像信号を遠隔操作端末に表示し、次に遠隔操作時遠隔操作端末制御が行われた後のステップSR101で、再度映像信号の受信を開始する。再度映像信号の受信をしている間は、現在表示されている映像信号に対して各種処理の指示を受け付ける。
なお、遠隔制御開始後すぐのような、ステップSR101で映像信号の受信を開始した段階で、まだ何も映像信号を表示していない場合は、ステップSR102、SR104、ステップSR107、ステップSR109、ステップSR111の処理はすべてNとする。そうすることで各種制御指示を受け付けずに各種ステップをスキップする。ステップSR114で初めて映像信号の表示が行われた後に、ステップSR102からステップSR112の各種制御指示を受け付けるものとする。
次に、本発明の特徴的な部分である図3のステップSC105の追従開始処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
ステップSC201では、遠隔操作端末から受信した追従用画像の特徴量を抽出してステップSC202へ進む。ステップSC202では、現在カメラで撮像している撮像信号の一部から特徴量を抽出する。ステップSC201及びステップSC202で抽出する特徴量とは、先述したように、色情報のヒストグラム及び輝度情報のヒストグラムである。またステップSC202で撮像信号から切り出す一部の大きさは、遠隔操作端末から受信した追従用画像と同様のものである。
さらに、後述するSC208によってステップSC202に処理が戻るたびに、撮像信号中の所定の範囲内から順次撮像信号を切り出す位置を変更していくことで、撮像信号とのマッチングを行っていく。なお、マッチングを行う範囲が広いほど、追従被写体を発見できる可能性は高くなるが、誤追従も増える。切り出す位置の変更方法は、1行ごとに切り出し位置変更を行い、1行が終われば次の列の行について切り出しを行う。当然、列を優先して切り出しを行ってもよい。
また、切り出しの範囲は、切り出し画像が重複しても重複しなくてもよく、追従精度によって決める。切り出し画像が重複する場合、例えば、1画素ずらす毎に切り出し画像を生成する場合では、マッチングをより精密にとるため追従精度が上がるが、マッチングの計算量が多くなる。対して、例えば切り出し画像が重複しないように、切り出し画像に隣接する範囲を切り出し画像とした場合は、マッチングの計算量が少なくなるが追従精度が下がる。
次に、ステップSC203では、ステップSC201で抽出した特徴量と、ステップSC202で抽出した特徴量の差分を計算し、ステップSC204へ進む。ステップSC204では、ステップSC203で計算した特徴量の差分が、現在保持している特徴量の差分値より小さいかどうかを判断し、小さい場合はステップSC205へ進み、そうでない場合はステップSC207へ進む。
先述したように、追従用画像と、撮像信号の特徴量の差分をとり、その差が小さいほどマッチングが取れていることを表す。よって、ステップSC204で特徴量の差分がここまでで最小であるかどうかを判断し、後述する処理によって最小値を保持していく。なお、ステップSC204でまだ一度も特徴量の差分を保持していない場合は、必ずステップSC205へ進むようにする。
ステップSC205では、計算した特徴量の差分の最小値を保持し、ステップSC206へ進む。ステップSC206では、ステップSC202で切り出した撮像信号の中心位置座標を保持してステップSC207へ進む。この中心位置情報は、追従被写体を特定できた際に、追従領域を設定する上で用いる。なお、本実施の形態では中心位置座標としているが、もちろん中心位置でなく例えば領域の左上の座標としても構わない。
次に、ステップSC207では、ステップSC205で保持している特徴量の差分の最小値が所定値より大きくて、かつパターンマッチングのタイムオーバーが起きているかどうか判断する。保持している特徴量の差分の最小値が所定値より小さいか、若しくはタイムオーバーしていない場合はステップSC208へ進み、該最小値が所定値より大きくてタイムオーバーしている場合はステップSC212へ進む。パターンマッチングに時間がかかっても、特徴量の差分が小さいパターンが発生しない場合、追従したい被写体がすでにマッチングを行う範囲にいない可能性が高いといえる。よって、パターンマッチングに制限時間を設けて、特徴量の差分の最小値が所定値より大きくてかつ制限時間をオーバーする場合はマッチングを打ち切るという処理を行う。この制限時間は、保持している特徴量の差分の最小値に応じて可変して、大きいほど早く打ち切るようにしてもよい。
次にステップSC208では、ステップSC202で行う画像信号の切り出しを、マッチング範囲全てに対して行ったかどうかを判断し、行った場合はステップSC209へ進む。行っていない場合はステップSC202へ戻り、ステップSC202からステップSC207でパターンマッチング処理を継続する。ステップSC209では、パターンマッチングを終了して、最終的に保持した特徴量の差分の最小値が所定値より小さいかどうかを判断し、所定値より小さい場合はステップSC210へ進み、そうでない場合はステップSC212へ進む。ステップ210では、追従被写体を特定できたとして、ステップSC208で保持した撮像信号の位置座標を中心とした追従領域を設定し、ステップSC211へ進む。
ステップSC211では、遠隔操作端末より受信した追従用画像及び、上記撮像信号の位置座標を保持して、処理を終了する。保持した追従用画像及び、撮像信号の位置座標は、後述する追従継続処理を行う上で使用する。また、特徴量の差分の最小値が所定値より大きく、またはマッチングタイムオーバーが発生したときに進むステップSC212では追従被写体を特定できなかったとして、追従不可情報を発行し、処理を終了する。追従不可情報を発行した場合、図3のステップSC107で遠隔操作端末に対して、追従被写体を特定できなかった旨を送信する。
以上のようにして、遠隔操作端末から受信した追従用画像を基に、パターンマッチングを行うことで追従被写体を特定して追従領域を設定する。遠隔操作端末から追従指示を行うにあたって、指定した画像の位置情報ではなく画像信号そのものを通信し、パターンマッチングを行うことで、通信タイムラグによる被写体の誤追尾を防ぎ、より正確に追従被写体の特定を行うことができる。カメラは、この追従領域に対してAFやAEといった制御を行うことで、使用者が追従したい被写体に対して好適なフォーカス及び露出を簡単に設定することができる。
次に、図3のステップSC109の追従継続処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップSC301では、図4の追従開始処理におけるステップSC211で保持した追従用画像から特徴量を抽出して、ステップSC302へ進む。ステップSC302では、同様に図4の追従開始処理におけるステップSC211か、若しくは後述するステップSC312で保持した位置情報から、マッチングを行う範囲を限定して、ステップSC303へ進む。前回マッチングが取れた位置情報を中心としてマッチングの範囲を設定することで、より追従被写体の特定を行いやすくする。ステップSC303では、ステップSC302で設定したマッチング範囲の撮像信号から、ステップSC301で使用した追従用画像と同様のサイズの画像を切り出すと共に、特徴量を抽出してステップSC304へ進む。
ステップSC304では、ステップSC301とステップSC303で抽出した特徴量の差分を計算して、ステップSC305へ進む。ステップSC305では、ここまで計算した特徴量の差分が、現在保持している特徴量の差分の値より小さいかどうかを判断し、小さい場合はステップSC306へ進み、そうでない場合はステップSC308へ進む。ステップSC306では、計算した特徴量の差分が最も小さいとして、この値を保持してステップSC307へ進む。ステップSC307では、ステップSC303で切り出した撮像信号の位置情報を保持して、ステップSC308へ進む。
なお、ステップSC305の判断時に、ステップSC306で未だ一度も特徴量の差分の最小値を保持していない場合は、必ずステップSC306へ進むようにする。ステップSC308では、ステップSC306で保持している特徴量の差分の最小値が所定値より大きくて、かつパターンマッチングのタイムオーバーが起きているかどうか判断する。保持している特徴量の差分の最小値が所定値より小さいか、若しくはタイムオーバーしていない場合はステップSC309へ進み、該最小値が所定値より大きくてタイムオーバーしている場合はステップSC314へ進む。ステップSC308の処理は、図4のステップSC207で説明したものと同様なので省略する。
ステップSC309では、ステップSC302で設定したマッチング範囲全てに対して、マッチングを行ったかどうかを判断し、行った場合はステップSC310へ進み、行っていない場合はステップSC303へ戻り、パターンマッチングの処理を継続する。ステップSC310では、パターンマッチングの結果、ステップSC306で保持した特徴量の差分の最小値が所定値より小さいかどうかを判断し、所定値より小さい場合は、ステップSC311に進み、そうでない場合はステップSC314へ進む。ステップSC311では、追従被写体が特定できたとして、ステップSC307で保持した撮像信号の位置情報を中心とした範囲に追従領域を設定してステップSC312へ進む。
ステップSC312では、ステップSC311で設定した追従領域の位置情報を保持しステップSC313へ進む。ステップSC312で保持した座標情報は、次回の追従継続処理時のステップSC302で使用する。ステップSC313では追従不可カウンタをクリアして処理を終了する。追従不可カウンタについては、ステップSC314からステップSC317の説明で後述する。このようにパターンマッチングを繰り返し行うことで、順次追従領域を特定し、追従を継続する。次に、特徴量の差分の最小値が所定値より大きい場合、若しくはマッチングタイムオーバーした場合に進むステップSC314では、追従不可カウンタを加算してステップSC315へ進む。この追従不可カウンタとは、追従継続処理を行った際に追従被写体を連続で特定できなかった回数をカウントするものである。ステップ315では、追従不可カウンタが所定回数以上かどうかを判断し、所定回数以上である場合はステップSC316へ進み、そうでない場合はステップSC317へ進む。
ステップSC316では、追従被写体を特定できなかったとして、追従不可情報を発行して処理を終了する。追従不可情報が発行されたら、図3のステップSC111によって追従の停止処理を行う。ステップSC317では、追従制御一時停止という状態に変更し、処理を終了する。追従制御一時停止状態とは、追従制御領域に対してカメラ制御を行わない状態であり、AFやAEの制御を一時的に停止する。ステップSC314からステップSC317について説明する。追従継続処理時は、追従被写体が一時特定できなくなったとしても再度特定できるようになる可能性がある。例えば、追従していた被写体が一度フレームアウトした後に再度フレームインしてきた場合や、追従していた被写体の前に他の被写体が横切った場合などが挙げられる。このような場合を想定して、一時的に被写体追従が出来なくなったとしても、再度被写体が特定できる待ち時間を持つ。この待ち時間が追従不可カウンタであり、この追従不可カウンタが所定回数以上になるまでは、ステップSC316で追従不可情報を発行しないようにする。
ただし、追従被写体が特定できていない場合は、現在設定されている追従領域に対してAFやAE制御を行うわけにはいかないので、ステップSC317でこれらの制御を一時的に停止する。このようにして、一時的に追従被写体を特定できなくなったとしても、再度追従被写体が現れた時に追従を継続できるようにする。
以上説明したように、システム制御部14は、遠隔操作端末20からの追従指示によって追従制御を行う場合、遠隔操作端末20内の遠隔側追従画像生成部211によって生成された追従用画像を使用して追従制御を行う。この追従用画像は、遠隔側SDRAM244に保持していて、かつ遠隔側表示制御部242が表示を行っている画像データから抽出される。遠隔操作端末は、この追従用画像を遠隔側通信部241によってカメラ10へ送信し、カメラ10はこの追従用画像を基に追従信号処理部125及び被写体領域検出部126によって追従領域を特定することで、追従制御を行う。
本実施の形態では、追従指示が行われたときに遠隔操作端末20からカメラ10に送る情報として、追従指示を行った座標を中心とした追従用画像を送信する。該追従用画像は、色情報のヒストグラムおよび輝度情報のヒストグラムの少なくとも一方の特徴量を含むものである。なお、従来は図6に示すように、遠隔操作端末から追従指示を行った座標そのものを送信していたので、通信タイムラグの影響で使用者が追従を行いたい被写体以外を誤追尾してしまう問題があった。
もしくは、この問題を考慮して使用者が通信タイムラグを考慮した位置に対して追従指示を行わななけらばならないという問題があった。対して、本実施の形態では、図7に示すように、追従指示を行った座標(位置情報)を中心とした追従用画像を送信し、カメラ側でパターンマッチングを行うことで追従被写体領域を特定する。これによって通信タイムラグの影響に依らず、正確に使用者が追従したい被写体を追従することが可能となり、また使用者が通信タイムラグを気にすることなく追従指示を行うことができる。
<第2の実施形態>
以下、添付図面を参照し、本発明の第2の実施形態について説明する。
装置構成については第1の実施形態で図1を用いて説明したものと同様なので省略する。ただし、本実施形態における遠隔側通信部241は、遠隔側操作部22によって追従指示を行った際に、遠隔側追従画像生成部211によって生成した追従用画像だけでなく、映像信号に対して追従指示を行った位置情報(座標情報)も送信する。このような、追従用画像だけでなく、追従用画像が指定された座標情報も送信するシステムでは、遠隔操作端末から追従制御指示を行う際に、より正確に追従被写体を特定を行うことができる。詳細は後述する。
図1の構成を有するカメラ10及び遠隔操作端末20の本実施形態の動作において、第一実施形態で図2及び図5を用いて説明した処理については同様であるので、これらの説明は省略する。
上記構成を有するカメラ10及び遠隔操作端末20の、本実施形態における動作について図8及び図9を用いて説明する。
図8は、第2の実施の形態における、図2のステップSC007の遠隔操作時カメラ制御及び、ステップSR007の遠隔操作時遠隔操作端末制御のフローチャートである。図8の左側のフローチャートが、遠隔操作時のカメラ制御であり、右側のフローチャートが、遠隔操作時の遠隔操作端末の制御を表している。
まずカメラ側の処理について説明する。ステップSC401からステップSC403の処理は、図3におけるステップSC101からステップSC103の処理と同様なので説明を省略する。ステップSC404では、遠隔操作端末によって追従開始指示が行われたかどうかを判断し、追従開始指示が行われた場合はステップSC405へ進み、そうでない場合はステップSC408へ進む。
図3におけるステップSC104では、遠隔操作端末から追従用画像を受信することで被写体開始指示があるとしたが、本実施形態におけるステップSC404では、さらに追従用画像の中心座標に相当する情報も受信する。詳細は遠隔操作側の処理で後述する。ステップSC405からステップSC414の処理は、図3におけるステップSC105からステップSC114の処理と同様なので、説明を省略する。
次に遠隔操作端末側の処理について説明する。ステップSR401からステップSR405の処理は、図3におけるステップSR101からステップSR105の処理と同様なので説明を省略する。ステップSR404で、使用者によって追従開始の指示が行われ、ステップSR405で追従開始の指示が行われた座標情報を基に、表示中の映像信号から追従用画像を抽出した後に行われるステップSR406について説明する。ステップSR406では、ステップSR405で抽出した追従用画像に加えて、さらに追従開始の指示が行われた映像信号の座標情報も送信する。
先述したように、本実施の形態では追従用画像だけでなく、追従用画像の指定がされた座標情報も送信する情報に加えることで、図9で後述する追従開始処理を行う上で、より正確に追従被写体の特定を行えるようにする。ステップSR407からステップSR415の処理は、図3におけるステップSR107からステップSR115の処理と同様なので、説明を省略する。
次に、第2の実施形態における図8のSC405で行われる追従開始処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。ステップSC501は、図4におけるステップSC201の処理と同様なので説明を省略する。ステップSC501で受信した追従用画像の特徴量を抽出した後に進むステップSC502では、遠隔操作端末から受信した、追従用画像が指定された座標情報を基に、マッチングを行う撮像信号の範囲の中心位置を決定し、ステップSC503へ進む。ステップSC503からステップSC513までの処理は、図4におけるステップSC202からステップSC212までの処理と同様なので説明を省略する。
追従開始処理において、パターンマッチングを行う上で、パターンマッチングを行う範囲を適切に設定できれば、よりパターンマッチングによる被写体の特定率を上げることができる。パターンマッチングを行う範囲は、遠隔操作端末側で指定された位置の近辺に追従したい被写体がいると考え、追従位置を中心とした位置にマッチング範囲を設定することが望ましい。
しかし、第一の実施の形態では、カメラ側が、遠隔操作端末で指定された位置情報を知ることができなかった。それに対して、本実施形態のような追従用画像が指定された座標情報を通信するシステムにおいては、使用者が遠隔操作端末側で、映像信号中のどの位置を指定したのかを、カメラ側で知ることができる。カメラ側で、映像信号中のどの位置が指定されたのかがわかれば、マッチングを行う範囲の中心位置をその指定された位置に設定することができる。
このように、遠隔操作端末20において、遠隔側操作部22で追従指示が行われた位置情報をさらに遠隔側通信部241で送信することで、カメラ10は追従指示が行われた位置情報を知ることができる。カメラ10は、この位置情報を知ることで、使用者が追従したい被写体が、撮像信号中のおおよそどの位置に存在しそうかを把握できる。カメラ10は、この位置情報を基にパターンマッチングを行う範囲の中心位置を設定することで、追従したい被写体がマッチング範囲に存在する可能性が高まると同時に、追従被写体が特定できる可能性も高まる。また、追従被写体が存在する可能性が低い範囲でパターンマッチングを行うことを防ぐので、誤追従を抑えることができる。
<第3の実施形態>
以下、添付図面を参照し、本発明の第3の実施形態について説明する。
装置構成については第1の実施形態で図1を用いて説明したものと同様なので省略する。第1の実施形態では、通信する情報として、カメラ10は撮像側通信部169によって周期的に撮像信号を送信していた。また遠隔操作端末20は、遠隔側通信部241によって、遠隔側操作部22によって追従指示を行った際に遠隔側追従画像生成部211によって生成した追従用画像を送信していた。
しかし、本実施の形態で通信する情報はそれだけではない。本実施の形態では、カメラ10が撮像側通信部169によって周期的に撮像信号を送信する際に、システム制御部14が持つ時刻情報も、撮像信号に付与する形で送信する。さらに、遠隔操作端末20は、遠隔側表示制御部242によって遠隔側表示部243に撮像信号の表示を完了した際に、表示した撮像信号に付与された時刻情報を、遠隔側通信部241によって、カメラ10に送り返す。このように、本実施の形態における通信のシステムにおいて、遠隔操作端末20は、遠隔操作部22によって追従指示が行われた場合だけでなく、遠隔側表示制御部242が撮像信号の表示を行う度に情報を送信する。
また、通信内容についても、カメラ10はさらに時刻情報を送信すると同時に、遠隔操作端末20は該時刻情報をカメラ10に送り返す。さらに、カメラ10が遠隔側通信部241から該時刻情報を受信したとき、システム制御部(通信遅延時間計測手段)14は、カメラ10の現在の時刻情報と受信した時刻情報から、カメラ10と遠隔操作端末20の通信遅延時間を算出する。本実施の形態では、遠隔操作端末20によって追従指示が行われた場合、この通信遅延時間情報を基に、カメラ10でパターンマッチング範囲を可変することで、より追従被写体の特定を行いやすくする。
なお、本実施の形態は、第2の実施形態と同様で、遠隔側通信部241によって、遠隔側操作部22によって追従指示を行った際に、遠隔側追従画像生成部211によって生成した追従用画像だけでなく、追従指示を行った座標情報も送信するものとする。
図1の構成を有するカメラ10及び遠隔操作端末20の本実施形態の動作において、第一実施形態で図2及び図5を用いて説明した処理については同様であるので、これらの説明は省略する。
上記構成を有するカメラ10及び遠隔操作端末20の、本実施形態における動作について図10及び図11を用いて説明する。
図10は、第3の実施の形態における、図2のステップSC007の遠隔操作時カメラ制御及び、ステップSR007の遠隔操作時遠隔操作端末制御のフローチャートである。図10の左側のフローチャートが、遠隔操作時のカメラ制御であり、右側のフローチャートが、遠隔操作時の遠隔操作端末の制御を表している。
まずカメラ側の処理について説明する。ステップSC601では、遠隔操作端末に対して、映像信号及び、カメラが遠隔操作端末に対して映像信号を送信した時刻(以下、カメラ映像送信時間とする)を送信する。本実施の形態では、撮像信号に加えて、カメラ映像送信時間も送信する。
ステップSC602からステップSC603及び、ステップSC605からステップSC614の処理は、図3におけるステップSC102からステップSC103の処理及び、ステップSC105からステップSC114の処理と同様なので説明を省略する。また、ステップSC604の処理は、図8におけるステップSC404の処理と同様なので説明を省略する。ステップSC614で、カメラ本体によるカメラ制御等が行われた後に進むステップSC615では、遠隔操作端末からカメラ映像送信時間を受信したかどうかを判断し、受信した場合はステップSC616へ進み、受信していない場合は処理を終了する。ステップSC616では通信遅延時間の算出を行い、処理を終了する。
次に、遠隔操作端末側の処理について説明する。ステップSR601では、カメラから映像信号の受信を開始すると共に、カメラ映像送信時間を受信してステップSR602へ進む。ステップSR602からステップSR605及び、ステップSR607からステップSR615の処理は、図3におけるステップSR102からステップSR105及び、ステップSR107からステップSR115の同様なので説明を省略する。また、ステップSR606の処理は、図8におけるステップSR406の処理と同様なので説明を省略する。SR613によって、SR601で受信開始した映像信号の受信が完了し、SR614でこの映像信号の表示処理を行った後に進むステップSR616の処理について説明する。ステップSR616では、ステップSR601で受信したカメラ映像送信時間をそのままカメラ側に送り返し、処理を終了する。
本実施の形態において、カメラ側はSC601で周期的に撮像信号の送信を行う際に、この送信時刻を表すカメラ送信時間も付与して送信する。それに対して、遠隔操作端末は、映像信号の受信を完了し、ステップSR614で映像信号の表示を行う度に、ステップSR616によって、このカメラ送信時間をカメラ側に送り返す。カメラ側はステップSC616で、カメラ映像送信時間を受信した時刻と、このカメラ映像送信時間の差分から通信遅延時間を算出する。この通信遅延時間は、カメラが画像を送信し遠隔操作端末が映像信号を表示してカメラに通信完了するまでの、カメラと遠隔操作端末間の往復の通信時間を表している。通信回線の状況によって、この通信遅延時間は逐次変動する。本実施の形態では、この通信遅延時間を算出するシステムをさらに具備することで、図11で後述する追従開始処理を行う上で、追従被写体の特定を行いやすくする。
次に、第3の実施形態における図10のSC605で行われる追従開始処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。ステップSC701及び、ステップSC705からステップSC715は、図4におけるステップSC201及び、ステップSC202からステップSC212の処理と同様なので説明を省略する。
また、ステップSC702は、図9におけるステップSC502と同様なので説明を省略する。ステップSC702において追従指示が行われた位置情報からマッチング位置の設定が行われた後に進む、ステップSC703について説明する。ステップSC703では、図10のステップSC616で算出した通信遅延時間が、所定の閾値以上の長さかどうかを判断し、所定の閾値以上である場合はステップSC704へ進み、そうでない場合はステップSC705へ進む。ステップSC704では、現在設定されているのマッチング範囲をより広く設定し直してステップSC705へ進む。
通信遅延時間が長ければ長いほど、遠隔操作端末で被写体を指定してからカメラ側で追従被写体の特定を行うまでの時間も長くなる。すなわち、通信遅延時間が長いほど、追従したい被写体が撮像画面に存在する位置が、被写体指定時より離れてしまう可能性がある。被写体の指定時から、追従被写体の位置がパターンマッチングを行う範囲に入らないほど大きく離れてしまった場合、被写体の特定が行えずに追従不可となってしまう。
そこで、本実施形態のシステムのように、通信遅延時間がわかるシステムの場合、通信遅延時間が長いと判断できるときにパターンマッチングを行う範囲を広く設定し直す。そうすることで、通信遅延時間が大きく、追従被写体の位置が大きく変わっている場合でも追従被写体を特定できる可能性が高くなる。なお、本実施の形態では、通信遅延時間がある閾値より大きいかどうかでマッチング範囲を大きくしたが、複数の通信遅延時間の閾値を設けて、通信時間が長くなるにつれて徐々にマッチング範囲を大きくするように制御してもよい。また、通信遅延時間が十分短い場合に、マッチング範囲を小さくするように制御してもよい。
このように、本実施の形態では、カメラ10は撮像信号を周期的に送信し、遠隔操作端末20は遠隔側操作部22で追従指示が行われた場合に遠隔側追従画像生成部211によって生成した画像を送信するような通信システムに加えて上述した通信システムを持つ。つまり、本実施例の形態は、カメラ10が周期的に送信する撮像信号に送信時間情報を付与し、遠隔操作端末20は遠隔側表示制御部に242によって表示を行う度に、この時間情報を送り返すという通信システムを持つ。時間情報をやりとりする通信システムを備えることで、カメラ10と遠隔操作端末20の通信遅延時間を知ることができるようになる。
この通信遅延時間に基づいて、パターンマッチングを行う範囲を可変することで、通信遅延時間が長い場合でも、追従被写体を特定できる可能性が高まり、遠隔操作端末からの追従制御を行いやすくなる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
(他の実施形態)
本発明の目的は以下のようにしても達成できる。すなわち、前述した各実施形態の機能を実現するための手順が記述されたソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、撮像装置または遠隔操作端末に供給する。そしてその撮像装置または遠隔操作端末のコンピュータ(またはCPU、MPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するのである。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラムは本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどが挙げられる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等も用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行可能とすることにより、前述した各実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、以下の場合も含まれる。まず記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う。